JP2004318041A - 空中像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部から入射される外光の影響を除去し、実在感に優れた空中像を鮮明に表示する。
【解決手段】空中像表示装置10は、空中像RIMとして表示する物体を示す画像を表示する偏光出力ディスプレイ11と、この偏光出力ディスプレイ11から出射された光線を空中像RIMとして結像させる光学部材である凹面鏡13と、外部から入射される外光を減光する減光手段としてのハーフミラー14、円偏光素子15、及び偏光フィルタ16とを備える。外部から入射されて凹面鏡13によって反射された外光は、再度ハーフミラー14を透過し、さらに円偏光素子15を通過することにより、直線偏光に変化する。したがって、円偏光素子15を通過した外光は、偏光フィルタ16を通過することができず、鑑賞者の眼球EYEに到達することはない。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の画像を空中で結像させて空中像を表示する空中像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆるヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display;HMD)等のように、画像を空中で結像させて現実感のある仮想空間を実現する試みがなされている。この種のディスプレイとしては、ヘッドマウントディスプレイのように、レンズの奥方向にて画像を空中像として結像させているものもある一方で、レンズの前方にて画像を空中像として結像させているものもある。
【0003】
具体的には、この種の空中像結像の原理は、例えば図34に示すように、画像を表示する所定のディスプレイデバイス101と、このディスプレイデバイス101に表示された表示画像IMを空中に投影する透過型レンズ等の透過型光学素子102とからなるディスプレイ本体100によるシステムを用いて説明することができる。すなわち、この種の技術は、焦点距離がfである透過型光学素子102を用いて、ディスプレイデバイス101に表示された表示画像IMを、当該透過型光学素子102と鑑賞者の眼球EYEとの間に空中像RIMとして結像させている。ここで、透過型光学素子102の主平面103とディスプレイデバイス101との間の距離をmとし、透過型光学素子102の主平面103と空中像RIMとの間の距離をnとすると、ガウスの公式により、次式(1)が成立し、この次式(1)を変形することによって次式(2)が成立する。
(1/m)+(1/n)=1/f ・・・(1)
n=fm/(m−f) ・・・(2)
【0004】
これにより、この種の技術においては、ディスプレイデバイス101に表示された表示画像IMが、透過型光学素子102と眼球EYEとの間であって当該透過型光学素子102の主平面103からfm/(m−f)だけ離隔された位置に、実像たる空中像RIMとして結像される。このとき、この種の技術においては、ディスプレイデバイス101に表示する表示画像IMとして、例えば図35に示すように物体の周囲を黒くした映像を表示することにより、鑑賞者VWは、例えば図36に示すように、特殊な眼鏡を用いることなく、恰も表示画像IMに示された物体のみが空中に浮遊し、当該鑑賞者VWが物体を把持することができるかのように、視認することができる。
【0005】
また、この種の技術は、先に図34に示した透過型光学素子102の代わりに、いわゆる凹面鏡等の反射型光学素子を用いて実現することもできる。すなわち、例えば図37に示すように、反射型光学素子104を用いた反射型のシステムにおいては、ディスプレイデバイス101と反射型光学素子104とを所定の位置関係で配置し、ディスプレイデバイス101に表示された表示画像IMを、反射型光学素子104によって反射させることにより、反射型光学素子104と鑑賞者の眼球EYEとの間に、表示画像IMとは上下左右ともに対称な実像たる空中像RIMが結像される。
【0006】
なお、この種の技術の具体例としては、例えば、特許文献1乃至特許文献5に記載されたものが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−258543号公報
【特許文献2】
特開平11−119154号公報
【特許文献3】
特開平6−348817号公報
【特許文献4】
特開平11−119154号公報
【特許文献5】
特開平8−5956号公報
【0008】
特許文献1には、光源からの光束を反射又は透過する画像形成部を備え、この画像形成部を通過した光束が、投影レンズを透過した後、視野レンズを透過し、空中像反射鏡によって空中に表示像を形成する画像表示を行う構成と、画像形成部を通過した光束が、投影レンズを透過し、スクリーンに表示像を形成する画像表示を行う構成との両機能部材を兼ね備えた画像表示装置が開示されている。これにより、この画像表示装置は、画面サイズの大きなスクリーン像型の表示方式と視野の狭い空中像型の表示方式との両機能を実現することができるとしている。
【0009】
また、特許文献2には、文字や画像の情報を表示する2つの表示手段と、この2つの表示手段に表示された画像を物体とする実像を所定の空中に拡大投影して結像させる2つの投影手段と、投影された2つの空中像からの光束をそれぞれ所定の2つの視域にもたらすための1つの集束光学系とからなり、2つの視域の中心が所定の配置とされているバーチャルスクリーン型立体表示装置が開示されている。これにより、このバーチャルスクリーン型立体表示装置は、特殊眼鏡やレンチキュラーレンズを用いずにコンパクト、低コスト、省エネルギで且つ鮮明な立体画像を容易に得ることができるとしている。
【0010】
さらに、特許文献3には、観察窓を有する暗黒状態の空間内に設置され、CG(Computer Graphics)画像を表示する表示手段と、空間内に設置され、表示手段によって表示されるCG画像を反射によって空中像として観察窓と対応する位置に出現させる光学系と、空中像の出現領域の周囲を2次元的に取り囲むようにして配置され、この出現領域内に観察窓を通して挿入された物体の位置座標を検出する位置検出手段と、この位置検出手段によって検出された物体の座標データを基に空中像中の目的像と物体間の距離情報を算出し、この距離情報に基づいて目的像が物体に向かって移動する目的像のCG描画処理を行って表示手段に表示させる表示制御手段とを備える表示装置が開示されている。これにより、この表示装置は、CG画像の表示手段と光学系とによって形成される空中像を観察者等によって直接操作でき、観察者等の興味及び遊戯性を高めることができるとしている。
【0011】
さらに、特許文献4には、画像を表示する二つの表示手段と、表示された画像を拡大投影して結像させる投影手段と、投影された二つの空中像からの光束をそれぞれ所定の二つの視域にもたらすための一つの集束光学系とからなる立体表示装置が開示されている。
【0012】
また、特許文献5には、左右の眼それぞれ用の空間変調素子がハーフミラー型コンバイナーを挟んでほぼ直角に配置され、それぞれの空間変調素子の背面側にバックライト装置用の発光装置が置かれ、空間変調素子と発光装置の間に発光領域を拡大するための指向性のある光学素子を配し、空間変調素子の表示領域と非表示領域とを制御することで鑑賞者に立体映像を視認させる立体表示装置が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1乃至特許文献3に代表される空中像表示技術においては、外部から入射される外光対策が施されたものは存在しない。したがって、この種の空中像表示技術においては、空中像の周囲が浮いて、当該空中像の立体感が得にくいという問題があった。
【0014】
例えば、図37に示した反射型のシステムにおいては、外部から光が入射すると、この光線が反射型光学素子104によって反射することから、当該反射型光学素子104等の各種光学部材の存在が鑑賞者に把握されてしまい、結果として、空中像の実在感が希薄化する事態を招来する。特に、この反射型のシステムにおいては、鑑賞者がディスプレイ本体を斜め横方向から鑑賞した場合には、反射型光学素子104の存在が顕著に把握できてしまう。また、この反射型のシステムにおいては、筐体やディスプレイデバイス101の表示画面等によっても、外光が反射することから、同様の問題が生じている。
【0015】
なお、このような問題は、先に図34に示したような透過型のシステムにおいても、透過型光学素子102の表面反射の他、筐体やディスプレイデバイス101の表示画面による外光の反射に起因して生じるものである。
【0016】
また、反射型のシステムにおいては、図37に示したように、反射型光学素子104の光軸から離隔された位置にて結像することから、空中像RIMの収差が大きくなるという問題もあった。
【0017】
また、上述した特許文献4に記載された立体表示装置では、表示手段と投影手段とを二つずつ備えて、一つの集束光学系で二つの空中像を所定の領域に示すため、鑑賞者が良好な立体映像を視認するために必要な光学系の設計が困難になるという問題があった。
【0018】
また、上述した特許文献5に記載された立体表示装置では、空間変調素子の表示領域と非表示領域とを制御することで鑑賞者に立体映像を視認させるが、ハーフミラーを介して光学素子により二つの画像の表示領域を変化させるため、空間変調素子の制御が難しいという問題があった。
【0019】
また、従来の立体眼鏡を必要とする立体ディスプレイでの鑑賞者と表示装置の例を図38に示す。立体ディスプレイ200を鑑賞者201が視聴して立体映像を視認するためには、鑑賞者201が左右の眼それぞれに視差を有する画像を受けるために、液晶シャッター眼鏡202などの視差画像を切り替える手段を装着する必要があった。
【0020】
図39は液晶シャッター眼鏡202を用いて鑑賞者201が立体映像を視認する原理を示す模式図であり、図40は立体ディスプレイ200の表示と液晶シャッター眼鏡202の動作の関連を示すグラフである。立体ディスプレイ200には、時分割で右目用と左目用のビデオ信号が入力され、左目に認識させる左目用画像203Lと右目に認識させる右目用画像203Rが交互に表示される。液晶シャッター眼鏡202では、鑑賞者201の左目201Lの前に位置する左目用シャッター204Lと、鑑賞者201の右目201Rの前に位置する右目用シャッター204Lとが、ビデオ信号に同期して光りの透過と遮断を行う。図39に示すように、左目201Lと右目201Rが認識する画像の違いにより、鑑賞者201は立体像を立体ディスプレイ200から離れた位置に認識する。
【0021】
この様に、従来の立体ディスプレイ200では、立体視用のメガネを装着する必要があり、メガネがわずらわしく、又、視力矯正用のメガネを使っている人は利用することができなかった。また、このような立体ディスプレイでは、図41に示すように、ディスプレイ表示面205に画像を表示して、両眼視差だけで立体像を表現している。そのために、鑑賞者が対象物を認識するための目の向きである眼球輻輳と、対象物にピントを調節するための水晶体の厚み調節が一致せず、立体像を観察する際に疲労を感じる原因となっていた。特に、ディスプレイ表示面205から離れた立体映像を表示すると、眼球輻輳と水晶体調節の差が著しくなり疲労感が増してしまうという問題があった。
【0022】
また、図39に示したように従来の立体ディスプレイでは、ディスプレイの視野範囲が限定されて周囲の環境が見えない。そのために、環境に即した実体感のある立体の物体表現ができなかった。又、現実の物体と隔離された表示となってしまうために物体の実在感を表現することが困難であった。
【0023】
さらに、従来の立体ディスプレイは図42に示すように、立体ディスプレイ200での表示による発光は全方向に向けたものであるため、鑑賞者201の目が無い方向にも光を照射している。そのために、立体ディスプレイ200が画像の表示を行う際に消費するエネルギーが大きくなりエネルギー効率が悪いという問題があった。
【0024】
また図43に示すような、凹面鏡207の光軸からずれた位置にディスプレイデバイス206を置き、凹面鏡207の前方に空中像208を結像させる従来の立体ディスプレイがある。しかし、この方式の立体ディスプレイでは、空中像208の結像位置が凹面鏡207の光軸からずれているために、収差が大きく焦点距離の長い凹面鏡207を用いる必要があり、装置が大型化するという問題があった。
【0025】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、外部から入射される外光の影響を除去し、実在感に優れた空中像を鮮明に表示することができる空中像表示装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる空中像表示装置は、所定の画像を空中で結像させて空中像を表示する空中像表示装置であって、空中像として表示する物体を示す画像を表示する表示手段と、この表示手段から出射された光線を空中像として結像させる光学部材と、外部から入射される外光を減光する減光手段とを備えることを特徴としている。
【0027】
このような本発明にかかる空中像表示装置は、外部から入射されて内部で反射することによって再度外部へと出ていく外光を減光することにより、外光の影響を確実に除去することができることから、光学部材の存在を鑑賞者に把握される事態を回避することができる。したがって、本発明にかかる空中像表示装置は、実在感に優れた空中像を鮮明に表示することが可能となる。
【0028】
具体的には、減光手段としては、円偏光素子及び偏光フィルタを、光学部材と空中像の結像位置との間に配置することによって構成することができる。
【0029】
特に、減光手段としては、さらにハーフミラーを、光学部材と空中像の結像位置との間に配置するのが望ましい。これにより、本発明にかかる空中像表示装置は、外光がハーフミラーを通過するのに応じて減光の度合いが大きくなり、より効果的である。
【0030】
この場合において、本発明にかかる空中像表示装置においては、光学部材を反射型光学素子とし、円偏光素子及び偏光フィルタを、ハーフミラーに対して非平行に配置することにより、円偏光素子及び偏光フィルタの存在に起因するゴースト像が結像する位置を変化させることができる。したがって、本発明にかかる空中像表示装置は、ゴースト像が鑑賞者による観察範囲から外れた位置に生じるように、円偏光素子及び偏光フィルタ並びにハーフミラーの配置を設定することにより、空中像を極めて鮮明に表示することが可能となる。
【0031】
また、本発明にかかる空中像表示装置は、表示手段の表示画面上に、他の円偏光素子を備えるのが望ましい。これにより、本発明にかかる空中像表示装置は、表示手段から出射された光線が偏光フィルタを通過する際の偏光方向を、当該偏光フィルタに適したものとすることができ、当該偏光フィルタによって光量が削減されることがなく、空中像の明るさを十分確保することができる。
【0032】
さらに、減光手段としては、減光フィルタを、光学部材と空中像の結像位置との間に配置することによっても構成することができる。
【0033】
特に、減光手段として、さらにハーフミラーを、光学部材と空中像の結像位置との間に配置することにより、本発明にかかる空中像表示装置は、外光がハーフミラーを通過するのに応じて減光の度合いが大きくなり、より効果的である。
【0034】
この場合において、本発明にかかる空中像表示装置においては、光学部材を反射型光学素子とし、減光フィルタを、ハーフミラーに対して非平行に配置することにより、減光フィルタの存在に起因するゴースト像が結像する位置を変化させ、極めて鮮明な空中像の表示を行うことが可能となる。
【0035】
さらにまた、減光手段としては、さらに偏光フィルタを、光学部材と空中像の結像位置との間に配置することもできる。この場合、表示手段としては、偏光出力型のディスプレイを用いればよい。
【0036】
この場合においても、本発明にかかる空中像表示装置においては、減光フィルタ及び偏光フィルタを、ハーフミラーに対して非平行に配置することにより、減光フィルタ及び偏光フィルタの存在に起因するゴースト像が結像する位置を変化させ、極めて鮮明な空中像の表示を行うことが可能となる。
【0037】
また、本発明にかかる空中像表示装置は、外部から入射される外光を遮光する遮光手段を備えるようにしてもよい。これにより、本発明にかかる空中像表示装置は、余計な外光の影響を確実に除去し、より鮮明な空中像の結像に寄与することができる。
【0038】
さらに、本発明にかかる空中像表示装置は、表示手段の表示画面上に、当該表示手段から出射される光線を屈折させる光学系を備えるようにしてもよい。これにより、本発明にかかる空中像表示装置は、表示手段から表示画面に対して垂直方向に光線を出射し、光学系によって屈折するように設定することができ、視野角特性を改善することができる。
【0039】
なお、この光学系としては、平凸レンズ、又はフレネルレンズを用いて、容易に構成することができる。
【0040】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、光学部材として、反射型光学素子、又は透過型光学素子のいずれも用いることができる。反射型光学素子としては、凹面鏡や反射型フレネルレンズを用いることができる。一方、透過型光学素子としては、透過型レンズや透過型フレネルレンズを用いることができる。
【0041】
ここで、本発明にかかる空中像表示装置においては、光学部材が反射型光学素子である場合には、減光手段が反射型光学素子の光軸上に配置されているのが望ましく、これにより、反射型光学素子の光軸上で高効率に空中像を結像させることができ、空中像の収差を小さくすることができる。
【0042】
さらに、表示手段としては、偏光出力型のディスプレイを用いることができ、直視型ディスプレイ、又は投射型ディスプレイのいずれも用いることができる。
【0043】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、所定の画像を空中で結像させて空中像を表示する空中像表示装置であって、第一の画像および第二の画像を投影して両眼視差を有する画像を提示する視差表示部と、上記視差表示部から出射された光線を上記空中像として結像させる空中像結像部とを備え、上記視差表示部と上記空中像結像部とを一つの光軸上に配置したことを特徴とする。
【0044】
視差表示部と空中像結像部とを一つの光軸上に配置したことにより、第一の画像と第二の画像を同一位置に空中像として結像するための光学的設計を容易に行うことができる。また、鑑賞者は、左右の眼の焦点を空中像の位置にあわせ、眼球の傾きも空中像が結像されている位置に向けることで空中像を立体的に認識することができる。したがって、立体を認識するための眼球輻輳と焦点距離が一致するために現実感のある立体像を容易に認識することが可能となり、立体映像の認識を通常の物体認識と同様に行うことで眼球の疲労感を低減することができる。
【0045】
また、視差表示部が光を透過して画像を表示する透過型画像表示手段と、透過型画像表示手段に透過光を照射する背面光源とを備えることで、背面光源が射出する光のほとんどを利用して透過型画像表示手段の表示を照射することができるため、背面光源の使用するエネルギーを有効に利用して低消費エネルギーの空中像表示装置を実現できる。このとき、背面光源から射出された光線を屈折させる光源用光学部材を備えることで、透過型画像表示手段用の照明光を中間実像として提示することができる。
【0046】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、視差表示部は、背面光源と透過型画像表示手段との間に配置された互いに偏光方向が異なる第一の偏光板および第二の偏光板と、第一の偏光板を透過した光で第一の画像を表示させ、第二の偏光板を透過した光で第二の画像を表示させる分割フィルターとを備える構成であってもよい。このとき、分割フィルターの例としては、偏光方向を変化させて光を透過する偏光方向回転部と、偏光方向を変化させずに光を透過する偏光方向非回転部と、所定の偏光方向の光のみを透過する第三の偏光板とを備えものがある。
【0047】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、視差表示部が、第一の画像を表示する第一の画像表示部と、第二の画像を表示する第二の画像表示部とを備える構成であってもよい。このとき、視差表示部の例としては、第一の画像表示部から射出された第一の画像を反射し、第二の画像表示部から射出された第二の画像を透過して、第一の画像と第二の画像とを同一の光軸上に表示するハーフミラーを備えるものがある。
【0048】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、視差表示部が、時間変化に応じて第一の画像と第二の画像とを切り替えて表示する画像表示部を有する構成であってもよい。空中像結像部は、反射型光学素子であり凹面鏡であるとしてもよく、透過型光学素子であり透過型レンズであるとしてもよい。
【0049】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、空中像結像部が、空中像を結像する側に視差表示部から射出された光線を反射すると共に、空中像を結像する側と反対側である背景側からの光を透過する半透過型反射板を備えるとしてもよい。半透過型反射板によって鑑賞者側に空中像を反射して結像し、背景側からの光を透過することで、鑑賞者が視認する映像は視差表示部が投影する空中像の立体視に、背景を加えたものとなる。鑑賞者は単に空中像を認識するだけではなく背景も認識することが可能であるため、空中像をより実体のある物体に近い感覚で視認することが可能となる。
【0050】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、鑑賞者と空中結像部との位置関係を検出する位置検出部と、位置検出部が検出した鑑賞者の位置に応じて、視差表示部が第一の画像および第二の画像を表示する位置を変更する表示位置変更手段とを備えるとしてもよい。鑑賞者の位置に応じて第一の画像と第二の画像を表示位置を変更することで、空中像の結像位置を変化させることができるため、鑑賞者の顔の位置が光軸中心から変動した場合にも、鑑賞者の左右の目にそれぞれ第一の画像と第二の画像を視認させることができる。
【0051】
このとき位置検出部が、鑑賞者に対して赤外線を照射する赤外照射手段と、鑑賞者で反射された赤外線を検出する赤外光検出手段とを備えるとすることで、赤外光の照射と検出によって空中像の視認性を低下させずに鑑賞者の位置を検出することができる。
【0052】
また、本発明にかかる空中像表示装置においては、視差表示部は、光を透過して画像を表示する透過型画像表示手段と、透過型画像表示手段に透過光を照射する背面光源と、背面光源と透過型画像表示手段との間に配置され、互いに偏光方法が異なる第一の偏光領域と第二の偏光領域との面積を変化させる偏光領域制御フィルターと、第一の偏光領域を透過した光で第一の画像を表示させ、第二の偏光領域を透過した光で第二の画像を表示させる分割フィルターとを備える構成としても良い。このとき、分割フィルターの例としては、偏光方向を変化させて光を透過する偏光方向回転部と、偏光方向を変化させずに光を透過する偏光方向非回転部と、所定の偏光方向の光のみを透過する第三の偏光板とを備えるものがある。
【0053】
また、赤外線検出手段が偏光領域制御フィルターの鑑賞者側に配置され、偏光領域制御フィルターが、赤外線検出手段が検出した赤外線の強度が最大となる位置を第一の偏光領域と第二の偏光領域の境界とすることにより、鑑賞者の顔の位置が空中像結像レンズの光軸中心から変動した場合にも、赤外光の照射および検出と、赤外光強度が最大の位置を境にして第一の偏光領域と第二の偏光領域の境界を制御することによって、鑑賞者の左右の目にそれぞれ左目用画像と右目用画像を視認させることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0055】
この実施の形態は、所定の画像を空中で結像させて空中像を表示する空中像表示装置である。この空中像表示装置は、外部から入射される外光を減光することにより、実在感に優れた空中像を鮮明に表示することができるものである。
【0056】
まず、第1の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、所定のディスプレイから出射された光線を空中像として結像させる光学部材として、いわゆる凹面鏡や反射型フレネルレンズ等の反射型光学素子を用いて構成されるものである。なお、ここでは、説明の便宜上、反射型光学素子として、凹面鏡を用いるものとして説明する。
【0057】
図1に側断面図を示すように、この空中像表示装置10は、画像を表示する表示手段としての偏光出力ディスプレイ11と、この偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に配置された第1の円偏光素子12と、反射型光学素子としての凹面鏡13と、この凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に配置されたハーフミラー14、第2の円偏光素子15、及び偏光フィルタ16と、偏光出力ディスプレイ11と対向して配置された遮光板17とを備える。このうち、ハーフミラー14、第2の円偏光素子15、及び偏光フィルタ16は、減光手段を構成する部材である。なお、同図においては、偏光出力ディスプレイ11から出射される光線経路についても、矢印a,b,cとしてあわせて示している。
【0058】
偏光出力ディスプレイ11は、空中像として表示する物体を示す静止画像や動画像を含む各種画像を表示する。この偏光出力ディスプレイ11としては、例えば、液晶ディスプレイや自発光デバイスの表面に偏光フィルタを設置して構成されるディスプレイといった直視型ディスプレイを用いることができる。また、偏光ディスプレイ11としては、いわゆるリアプロジェクション型液晶プロジェクタといった投写型ディスプレイを用いることもできる。この偏光出力ディスプレイ11からは、図1中矢印dで示すように、紙面に対して水平方向に偏光した光線が出射され、この光線は、第1の円偏光素子12に入射される。
【0059】
第1の円偏光素子12は、偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に配置され、偏光出力ディスプレイ11から出射された偏光方向が水平である直線偏光の光線を、円偏光に変化させる。
【0060】
ここで、一般の円偏光素子について説明する。
【0061】
円偏光素子とは、一般に、直線偏光の光線を1回通過させた場合には、当該光線が円偏光となり、直線偏光の光線を2回通過させた場合には、偏光方向が90°回転する素子である。
【0062】
この円偏光素子は、いわゆる1/4波長板を材質として構成することができる。1/4波長板は、ある方向に偏光した光線の位相を1/4波長、すなわち、90°だけずらす機能を有する部材であり、当該1/4波長板を2枚重ねることにより、1/2波長板として機能する部材である。1/2波長板は、当該1/2波長板の軸方向の光線の位相を180°だけずらす機能を有する部材であり、例えば図2(A)及び同図(B)に示すように、45°だけ傾いた光線を入射すると、その光線のx方向成分を負値とし、入射光に対して偏光方向が90°回転した出射光を出射する。したがって、1/4波長板は、例えば図3に示すように、当該1/4波長板を軸を揃えて2枚重ねることにより、1/2波長板として機能し、偏光方向を90°回転させることができる。
【0063】
なお、入射光は、実際には、偏光方向に振動しており、その振動をy方向成分及びx方向成分に分解すると、例えば図4(A)及び同図(B)に示すようになり、時間tに対して振動波形がAsin(ωt)で表される。したがって、1/4波長板を通過した出射光は、y方向成分及びx方向成分の振動波形が、それぞれ、例えば図5(A)及び同図(B)に示すようになり、y方向成分の振動波形は、Asin(ωt)で表され、x方向成分の振動波形は、Asin(ωt−π/2)=−Acos(ωt)となる。これにより、1/4波長板を通過した出射光の偏光成分は、円方向に回転することになり、いわゆる円偏光となる。
【0064】
このように、第1の円偏光素子12は、偏光出力ディスプレイ11から出射された偏光方向が水平である直線偏光の光線を、円偏光に変化させる。なお、図1中eで示す記号は、光線が円偏光であることを示すものである。この第1の円偏光素子12を通過した光線は、ハーフミラー14に入射される。
【0065】
凹面鏡13は、第1の円偏光素子12によって円偏光とされ且つハーフミラー14を介して入射された光線を反射する。なお、この凹面鏡13に入射される光線及びこの凹面鏡13から出射される光線は、図1中fで示す記号で表されるように、円偏光とされるのはいうまでもない。この凹面鏡13によって反射された光線は、ハーフミラー14に入射される。
【0066】
ハーフミラー14は、凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ11の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、第1の円偏光素子12を通過した光線を入射すると、この光線を凹面鏡13の方向へと反射する一方で、凹面鏡13によって反射された光線を透過させる。このハーフミラー14を透過した光線は、第2の円偏光素子15に入射される。
【0067】
第2の円偏光素子15は、ハーフミラー14と同様に、凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ11の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、ハーフミラー14を透過した円偏光の光線を直線偏光に変化させる。より具体的には、第2の円偏光素子15は、先に図2乃至図5を用いて説明したように、第1の円偏光素子12と相俟って、偏光出力ディスプレイ11から出射された光線の偏光方向を90°回転させた偏光方向の光線を生み出すために設けられる。なお、図1中gで示す記号は、偏光方向が紙面に対して垂直であることを示すものである。この第2の円偏光素子15を通過した光線は、偏光フィルタ16に入射される。
【0068】
偏光フィルタ16は、ハーフミラー14及び第2の円偏光素子15と同様に、凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ11の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、第2の円偏光素子15を通過した光線のうち所定の偏光方向の成分のみを通過させる。ここでは、偏光フィルタ16は、図1中記号gで示すように、偏光方向が紙面に対して垂直である光線を通過させる。これにより、この偏光フィルタ16を通過した光線は、所定の空間位置にて結像し、空中像RIMとして鑑賞者の眼球EYEによって視認されることになる。
【0069】
遮光板17は、偏光出力ディスプレイ11と対向して配置され、鑑賞者側以外の領域から入射される外光を遮光するとともに、図示しない筐体や偏光出力ディスプレイ11の表示画面等によって反射する外光を遮光する。空中像表示装置10は、この遮光板17を設けることにより、余計な外光の影響を確実に除去し、より鮮明な空中像RIMの結像に寄与することができる。
【0070】
このような構成からなる空中像表示装置10には、図6に側断面図を示すように、鑑賞者の眼球EYEの側から外光が入射される。具体的には、空中像表示装置10においては、図6中矢印aで示すように入射された外光が、まず、偏光フィルタ16を通過する。このとき、偏光フィルタ16は、図6中記号cで示すように、外光のうち偏光方向が紙面に対して垂直である直線偏光の光線のみを通過させる。さらに、空中像表示装置10において、偏光フィルタ16を通過した外光は、第2の円偏光素子15を通過することにより、図6中記号dで示すように、円偏光に変化する。そして、空中像表示装置10において、第2の円偏光素子15を通過した外光は、ハーフミラー14を透過した後、凹面鏡13へと到達し、この凹面鏡13によって反射される。
【0071】
さらに、空中像表示装置10において、凹面鏡13によって反射された外光は、図6中矢印bで示すように、再度ハーフミラー14を透過し、第2の円偏光素子15に入射される。そして、空中像表示装置10において、第2の円偏光素子15に入射された外光は、当該第2の円偏光素子15を通過することにより、直線偏光に変化する。これにより、第2の円偏光素子15を通過した外光の偏光方向は、図6中矢印eで示すように、紙面に対して水平方向となる。したがって、空中像表示装置10においては、第2の円偏光素子15を通過した外光が偏光フィルタ16を通過することができず、鑑賞者の眼球EYEに到達することはない。
【0072】
このように、空中像表示装置10においては、ハーフミラー14、第2の円偏光素子15、及び偏光フィルタ16によって偏光方向を利用した外光に対する減光手段を構成することにより、凹面鏡13によって反射した外光の影響を確実に除去することができることから、凹面鏡13等の各種光学部材の存在を鑑賞者に把握される事態を回避することができ、結果として、実在感に優れた空中像RIMを鮮明に表示することが可能となる。このとき、空中像表示装置10においては、減光手段を構成する部材を、凹面鏡13の光軸上に配置することにより、凹面鏡13の光軸上で高効率に空中像RIMを結像させることができることから、空中像RIMの収差を小さくすることができる。
【0073】
ここで、空中像表示装置10においては、第2の円偏光素子15及び偏光フィルタ16のみによっても減光手段を構成することができるが、ハーフミラー14を設け、外光が当該ハーフミラー14を2回通過するように構成していることから、このハーフミラー14を設けることのみに起因して、1/4の光量にまで減光することができるのは特筆すべき事項である。
【0074】
また、空中像表示装置10においては、偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に配置される第1の円偏光素子12を設けない場合であっても、減光の効果に変化はない。しかしながら、空中像表示装置10においては、この第1の円偏光素子12を設けない場合には、偏光出力ディスプレイ11から出射された偏光方向が水平である直線偏光の光線が、ハーフミラー14及び第2の円偏光素子15を通過することによって円偏光となることから、偏光フィルタ16によって光量が50%程度削減されることになり、その分、空中像RIMの明るさが暗くなってしまう。そこで、空中像表示装置10においては、第1の円偏光素子12を設けることにより、空中像RIMの明るさを十分確保することができ、より鮮明な空中像RIMの結像に寄与することができる。
【0075】
なお、空中像表示装置10としては、図7に側断面図を示すように、凹面鏡13の代わりに、反射型フレネルレンズ13’を用いて構成することもできる。
【0076】
ここで、図8に示すように、1枚の平凸レンズの凸側に、アルミニウム等の金属をコーティングすることを考える。このような平凸レンズにおいて、同図中矢印で示す光線の軌跡のみを考えると、反射コーティング部分Tの場所だけ曲面が存在すれば、凹面鏡として作用することがわかる。さらに、この平凸レンズにおいては、図示しない他の光線についても、凸面が連続的に変化している必要はなく、所定の領域毎に部分的に分けて曲面を形成すれば、凹面鏡として作用することがわかる。
【0077】
したがって、図9に示すように、曲面を同心円で分類して不連続に配置した反射型フレネルレンズは、凹面鏡と同様の作用を奏することがわかる。反射型フレネルレンズは、通常、曲面を1mm以下の同心円に分類して形成される。空中像表示装置10においては、このような反射型フレネルレンズを用いることにより、薄型化を図ることが可能となる。
【0078】
[第2の実施の形態]
つぎに、第2の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、減光手段として、円偏光素子を用いずに減光フィルタを用いて構成したものである。なお、この第2の実施の形態として示す空中像表示装置の説明では、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10と同様の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。また、ここでは、説明の便宜上、反射型光学素子として、凹面鏡を用いるものとして説明するが、上述したように、反射型フレネルレンズ等の他の部材であっても適用することができるのはいうまでもない。
【0079】
図10に側断面図を示すように、この空中像表示装置20は、上述した偏光出力ディスプレイ11、凹面鏡13、及び遮光板17の他に、凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に配置されたハーフミラー21、偏光フィルタ22、及び減光フィルタ23を備える。このうち、ハーフミラー21、偏光フィルタ22、及び減光フィルタ23は、減光手段を構成する部材である。なお、同図においては、偏光出力ディスプレイ11から出射される光線経路についても、矢印a,b,cとしてあわせて示している。
【0080】
ハーフミラー21は、凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ11の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、偏光出力ディスプレイ11から出射された図10中矢印dで示す偏光方向の光線を入射すると、この光線を凹面鏡13の方向へと反射する一方で、凹面鏡13によって反射された光線を透過させる。このハーフミラー21を透過した光線は、偏光フィルタ22に入射される。
【0081】
偏光フィルタ22は、ハーフミラー21と同様に、凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ11の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、ハーフミラー21を透過した光線のうち所定の偏光方向の成分のみを通過させる。ここでは、偏光フィルタ22は、同図中矢印eで示す偏光方向の光線を通過させる。この偏光フィルタ22を通過した光線は、減光フィルタ23に入射される。
【0082】
減光フィルタ23は、ハーフミラー21及び偏光フィルタ22と同様に、凹面鏡13と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ11の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、偏光フィルタ22を通過した光線を、例えば30%といった所定の減衰率で減光する。この減光フィルタ23を通過した光線は、所定の空間位置にて結像し、空中像RIMとして鑑賞者の眼球EYEによって視認されることになる。なお、減光フィルタ23を通過した光線の光量は、当該減光フィルタ23の減衰率が30%である場合には、偏光フィルタ22を通過した光線の光量に比べ、30%減光されたものとなるが、この影響は、偏光出力ディスプレイ11から出射される光線の光量を増加させる等の対策により、容易に除去することができる。
【0083】
このような構成からなる空中像表示装置20には、図11に側断面図を示すように、鑑賞者の眼球EYEの側から外光が入射される。具体的には、空中像表示装置20においては、図11中矢印aで示すように入射された外光が、まず、減光フィルタ23を通過し、さらに、この減光フィルタ23を通過した外光は、偏光フィルタ22を通過する。このとき、偏光フィルタ22は、図10中矢印eで示したように、外光のうち偏光方向が紙面に対して水平である直線偏光の光線のみを通過させる。そして、空中像表示装置20において、偏光フィルタ22を通過した外光は、ハーフミラー21を透過した後、凹面鏡13へと到達し、この凹面鏡13によって反射される。
【0084】
さらに、空中像表示装置20において、凹面鏡13によって反射された外光は、図11中矢印bで示すように、再度ハーフミラー21を透過し、偏光フィルタ22に入射される。そして、空中像表示装置20において、偏光フィルタ22を通過した外光は、減光フィルタ23に入射する。
【0085】
ここで、このような空中像表示装置20における外光の減衰率を求めると、以下のようになる。
【0086】
外光の減衰率は、当該外光の経路に設けられた部材のうち、減光に寄与する部材によって決定される。したがって、空中像表示装置20における外光の減衰率は、「減光フィルタ23の減衰率×偏光フィルタ22の減衰率×ハーフミラー21の減衰率×ハーフミラー21の減衰率×減光フィルタ23の減衰率」によって求めることができる。具体的には、ハーフミラー21の減衰率を50%とし、偏光フィルタ22の減衰率を0.5%とし、減光フィルタ23の減衰率を30%とすると、外光の減衰率は、0.3×0.5×0.5×0.5×0.3=0.01125となる。したがって、空中像表示装置20においては、入射された外光の光量の1.125%の光量にまで減光することができる。したがって、空中像表示装置20においては、外光が鑑賞者の眼球EYEに到達することをなくすことができる。
【0087】
なお、減光フィルタ23を設けない場合における外光の減衰率は、「偏光フィルタ22の減衰率×ハーフミラー21の減衰率×ハーフミラー21の減衰率」=0.5×0.5×0.5=0.125=12.5%となり、偏光フィルタ22を設けずに減光フィルタ23のみを設けた場合における外光の減衰率は、「減光フィルタ23の減衰率×ハーフミラー21の減衰率×ハーフミラー21の減衰率×減光フィルタ23の減衰率」=0.3×0.5×0.5×0.3=0.0225=2.25%となる。このことから、空中像表示装置20においては、減光フィルタ23を設けることによる減光の効果が極めて大きいことがわかる。
【0088】
このように、空中像表示装置20においては、ハーフミラー21、偏光フィルタ22、及び減光フィルタ23によって外光に対する減光手段を構成することにより、凹面鏡13によって反射した外光の影響を確実に除去することができ、結果として、実在感に優れた空中像RIMを鮮明に表示することが可能となる。この場合においても、空中像表示装置20においては、偏光出力ディスプレイ11やハーフミラー21等を、凹面鏡13の光軸上に配置することにより、凹面鏡13の光軸上で高効率に空中像RIMを結像させることができることから、空中像RIMの収差を小さくすることができる。
【0089】
なお、空中像表示装置20においては、必ずしも偏光フィルタ22を設けなくてもよく、この場合、ディスプレイとしては、偏光出力型である必要はない。
【0090】
また、空中像表示装置20においては、少なくとも減光フィルタ23があれば減光手段を構成することができるが、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10と同様に、ハーフミラー21を設けることのみに起因して、1/4の光量にまで減光することができる。
【0091】
[第3の実施の形態]
つぎに、第3の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、所定のディスプレイから出射された光線を空中像として結像させる光学部材として、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10及び第2の実施の形態として示した空中像表示装置20のように、反射型光学素子を用いるのではなく、透過型レンズや透過型フレネルレンズ等の透過型光学素子を用いて構成されるものである。なお、ここでは、説明の便宜上、透過型光学素子として、透過型レンズを用いるものとして説明するが、透過型フレネルレンズ等の他の部材であっても適用することができるのはいうまでもない。
【0092】
図12に側断面図を示すように、この空中像表示装置30は、画像を表示する表示手段としての偏光出力ディスプレイ31と、この偏光出力ディスプレイ31の表示画面上に配置された第1の円偏光素子32と、透過型光学素子としての透過型レンズ33と、この透過型レンズ33と空中像RIMの結像位置との間に配置された第2の円偏光素子34及び偏光フィルタ35とを備える。このうち、第2の円偏光素子34及び偏光フィルタ35は、減光手段を構成する部材である。なお、同図においては、偏光出力ディスプレイ31から出射される光線経路についても、矢印aとしてあわせて示している。
【0093】
偏光出力ディスプレイ31は、上述した偏光出力ディスプレイ11と同様に、空中像として表示する物体を示す静止画像や動画像を含む各種画像を表示する。この偏光出力ディスプレイ31からは、図12中矢印bで示すように、紙面に対して水平方向に偏光した光線が出射され、この光線は、第1の円偏光素子32に入射される。
【0094】
第1の円偏光素子32は、偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に配置され、偏光出力ディスプレイ31から出射された偏光方向が水平である直線偏光の光線を、図12中記号cで示すように、円偏光に変化させる。この第1の円偏光素子32を通過した光線は、透過型レンズ33に入射される。
【0095】
透過型レンズ33は、第1の円偏光素子32によって円偏光とされた光線を透過させる。なお、この透過型レンズ33に入射される光線及びこの透過型レンズ33から出射される光線は、円偏光とされるのはいうまでもない。この透過型レンズ33を透過した光線は、ディスプレイ本体30’外の第2の円偏光素子34に入射される。
【0096】
第2の円偏光素子34は、透過型レンズ33と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ31に対して平行に配置され、透過型レンズ33を透過した円偏光の光線を直線偏光に変化させる。すなわち、第2の円偏光素子34は、第1の円偏光素子32と相俟って、偏光出力ディスプレイ31から出射された光線の偏光方向を90°回転させた偏光方向の光線を生み出すために設けられる。なお、図12中dで示す記号は、偏光方向が紙面に対して垂直であることを示すものである。この第2の円偏光素子34を通過した光線は、偏光フィルタ35に入射される。
【0097】
偏光フィルタ35は、第2の円偏光素子34と同様に、透過型レンズ33と空中像RIMの結像位置との間に位置して、偏光出力ディスプレイ31に対して平行に配置され、第2の円偏光素子34を通過した光線のうち所定の偏光方向の成分のみを通過させる。ここでは、偏光フィルタ35は、図12中記号dで示すように、偏光方向が紙面に対して垂直である光線を通過させる。これにより、この偏光フィルタ35を通過した光線は、所定の空間位置にて高効率で結像し、空中像RIMとして鑑賞者の眼球EYEによって視認されることになる。
【0098】
このような構成からなる空中像表示装置30には、図13に側断面図を示すように、鑑賞者の眼球EYEの側から外光が入射される。具体的には、空中像表示装置30においては、図13中矢印a,aで示すように入射された外光が、まず、偏光フィルタ35を通過する。このとき、偏光フィルタ35は、図13中記号c,cで示すように、外光のうち偏光方向が紙面に対して垂直である直線偏光の光線のみを通過させる。さらに、空中像表示装置30において、偏光フィルタ35を通過した外光は、第2の円偏光素子34を通過することにより、図13中記号d,dで示すように、円偏光に変化する。そして、空中像表示装置30において、第2の円偏光素子34を通過した外光は、透過型レンズ33の表面や筐体等で反射される。また、空中像表示装置30において、第2の円偏光素子34を通過した外光は、図13中矢印aで示すように、透過型レンズ33を透過して第1の円偏光素子32へと到達し、この第1の円偏光素子32の表面や筐体等で反射される場合もある。この透過型レンズ33を透過して第1の円偏光素子32へと到達した光線は、図13中記号dで示すように、円偏光であることはいうまでもない。
【0099】
空中像表示装置30において、これら反射された外光は、図13中矢印b,b,bで示すように、再度第2の円偏光素子34に入射される。そして、空中像表示装置30において、第2の円偏光素子34に入射された外光は、当該第2の円偏光素子34を通過することにより、直線偏光に変化する。これにより、第2の円偏光素子34を通過した外光の偏光方向は、図13中矢印e,eで示すように、紙面に対して水平方向となる。したがって、空中像表示装置30においては、第2の円偏光素子34を通過した外光が偏光フィルタ35を通過することができず、鑑賞者の眼球EYEに到達することはない。
【0100】
このように、空中像表示装置30においては、第2の円偏光素子34及び偏光フィルタ35によって偏光方向を利用した外光に対する減光手段を構成することにより、透過型レンズ33の表面や筐体等で反射した外光の影響を確実に除去することができることから、透過型レンズ33等の各種光学部材の存在を鑑賞者に把握される事態を回避することができ、結果として、実在感に優れた空中像RIMを鮮明に表示することが可能となる。
【0101】
なお、空中像表示装置30においては、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10と同様に、偏光出力ディスプレイ31の表示画面上に配置される第1の円偏光素子32を設けない場合であっても、減光の効果に変化はないが、この第1の円偏光素子32を設けることにより、空中像RIMの明るさを十分確保することができ、より鮮明な空中像RIMの結像に寄与することができる。
【0102】
また、空中像表示装置30としては、第2の実施の形態として示した空中像表示装置20と同様に、減光フィルタを用いて減光手段を構成するようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。すなわち、減光フィルタを用いる空中像表示装置30としては、第1の円偏光素子32及び第2の円偏光素子34を設けずに、偏光フィルタ35における鑑賞者側の面に減光フィルタを設ければよい。このとき、この空中像表示装置30においては、上述した偏光フィルタ22に相当する偏光フィルタ35を必ずしも設けなくてもよく、この場合、ディスプレイとしては、偏光出力型である必要はない。
【0103】
[第4の実施の形態]
つぎに、第4の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、反射型光学素子を用いて構成されるものであり、減光手段を構成する部材を互いに平行に配置するのではなく、ハーフミラーに対して他の部材を非平行に配置するものである。なお、ここでは、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10における減光手段を構成する部材を互いに非平行に配置する場合について説明するものとする。したがって、この第4の実施の形態として示す空中像表示装置の説明では、空中像表示装置10と同様の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。また、ここでは、説明の便宜上、反射型光学素子として、凹面鏡を用いるものとして説明するが、上述したように、反射型フレネルレンズ等の他の部材であっても適用することができるのはいうまでもない。
【0104】
まず、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10を用いて、減光手段を構成する部材を互いに平行に配置した場合に生じるおそれがある弊害について、図14を用いて説明する。
【0105】
図14に側断面図を示すように、空中像表示装置10においては、偏光出力ディスプレイ11から出射された光線が、図14中矢印a,b,cで示す経路で進行することにより、空中像RIMが結像される。
【0106】
しかしながら、空中像表示装置10においては、偏光出力ディスプレイ11から出射された光線が、図14中矢印a’で示すように、ハーフミラー14によって反射されずに透過し、第2の円偏光素子15の表面で反射する場合がある。この場合、第2の円偏光素子15の表面で反射された光線は、図14中矢印b’,c’で示す経路で進行することから、空中像表示装置10においては、本来の空中像RIMの近傍に、いわゆるゴースト像RIM’が生じることになる。
【0107】
また、空中像表示装置10においては、偏光出力ディスプレイ11から出射された光線が、図14中矢印a’’で示すように、ハーフミラー14によって反射されず且つ第2の円偏光素子15の表面でも反射されずに透過し、偏光フィルタ16の表面で反射する場合もある。この場合、偏光フィルタ16の表面で反射された光線は、図14中矢印b’’,c’’で示す経路で進行することから、空中像表示装置10においては、本来の空中像RIMの近傍に、さらに他のゴースト像RIM’’が生じることになる。
【0108】
このように、空中像表示装置10においては、減光手段を設けることに起因して、ゴースト像RIM’,RIM’’が発生し、鑑賞者の眼球EYEによって視認される可能性がある。
【0109】
そこで、減光手段を構成する部材を互いに平行に配置するのではなく、ハーフミラー14に対して他の部材を非平行に配置することにより、このようなゴースト像RIM’,RIM’’を、鑑賞者からは視認できない方向へとずらすことを考える。
【0110】
具体的には、図15に側断面図を示すように、空中像表示装置40においては、第2の円偏光素子15及び偏光フィルタ16を、ハーフミラー14に対して所定の角度をもって傾けて配置する。
【0111】
このような空中像表示装置40においては、偏光出力ディスプレイ11から出射された光線が、図15中矢印a,b,cで示す経路で進行することにより、本来の空中像RIMが結像される。
【0112】
また、空中像表示装置40においては、偏光出力ディスプレイ11から出射された光線のうち、図15中矢印a’で示すように、ハーフミラー14によって反射されずに透過して第2の円偏光素子15の表面で反射された光線については、図15中矢印b’,c’で示すように、鑑賞者の眼球EYEによる観察範囲から外れた位置に、ゴースト像RIM’として結像される。
【0113】
同様に、空中像表示装置40においては、偏光出力ディスプレイ11から出射された光線のうち、図15中矢印a’’で示すように、ハーフミラー14によって反射されず且つ第2の円偏光素子15の表面でも反射されずに透過し、偏光フィルタ16の表面で反射された光線については、図15中矢印b’’,c’’で示すように、鑑賞者の眼球EYEによる観察範囲から外れた位置に、ゴースト像RIM’’として結像される。
【0114】
このように、空中像表示装置40においては、第2の円偏光素子15及び偏光フィルタ16を配置する角度に応じて、ゴースト像RIM’,RIM’’が結像する位置を変化させることができる。したがって、空中像表示装置40においては、ゴースト像RIM’,RIM’’が鑑賞者の眼球EYEによる観察範囲から外れた位置に生じるように、第2の円偏光素子15及び偏光フィルタ16を、ハーフミラー14に対して所定の角度をもって傾けて配置することにより、本来の空中像RIMを極めて鮮明に表示することが可能となる。
【0115】
なお、図15においては、ハーフミラー14に対して紙面上で左回りに、第2の円偏光素子15及び偏光フィルタ16を傾けて配置している様子を示しているが、空中像表示装置40においては、ハーフミラー14に対して紙面上で右回りに、第2の円偏光素子15及び偏光フィルタ16を傾けて配置する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0116】
また、空中像表示装置40においては、第2の実施の形態として示した空中像表示装置20と同様に、減光フィルタを用いて減光手段を構成した場合であっても、偏光フィルタ22や減光フィルタ23を、ハーフミラー21に対して所定の角度をもって傾けて配置することにより、空中像RIMを極めて鮮明に表示することが可能となる。
【0117】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、偏光出力ディスプレイの表示画面上に、当該偏光出力ディスプレイから出射される光線を屈折させる光学系を設けたものである。なお、ここでは、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10における偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に光学系を設ける場合について説明するものとする。したがって、この第5の実施の形態として示す空中像表示装置の説明では、空中像表示装置10と同様の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。また、ここでは、説明の便宜上、反射型光学素子として、凹面鏡を用いるものとして説明するが、上述したように、反射型フレネルレンズ等の他の部材であっても適用することができるのはいうまでもない。
【0118】
まず、第1の実施の形態として示した空中像表示装置10を用いて、偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に光学系を設けない場合について、図16を用いて説明する。なお、同図においては、偏光出力ディスプレイ11、凹面鏡13、及びハーフミラー14のみを図示しており、その他の部材は省略している。
【0119】
図16に側断面図を示すように、空中像表示装置10においては、偏光出力ディスプレイ11からは、表示画面に対して垂直方向に光線が出射されるのではなく、図16中矢印aで示すように、斜め方向に光線が出射される。そして、空中像表示装置10においては、図16中矢印b,cで示す経路で進行することにより、空中像RIMが結像される。
【0120】
この現象は、ハーフミラー14を設けない場合における偏光出力ディスプレイ11の等価位置11’で考えると明らかである。すなわち、空中像表示装置10においては、凹面鏡13における反射位置の接平面TFに対する垂線PLに対して折り返すように、光線が反射されることから、偏光出力ディスプレイ11から出射される光線が斜め方向に向いていないと、鑑賞者の眼球EYEにまで到達しないことになる。
【0121】
したがって、空中像表示装置10においては、偏光出力ディスプレイ11として、液晶ディスプレイのような視野角に依存するデバイスを用いた場合には、当該偏光出力ディスプレイ11に表示される表示画像のコントラストが低下し、特に表示画像に示された物体の周囲の黒レベルが大きくなると、浮遊感の少ない空中像表示となってしまう。
【0122】
なお、液晶ディスプレイに限らず全てのディスプレイには、視野角依存が存在することから、このような問題は、全てのディスプレイについて生じるものである。
【0123】
そこで、偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に、当該偏光出力ディスプレイ11から出射される光線を屈折させる光学系を設けることにより、表示画面に対して垂直方向に光線を出射することを考える。
【0124】
具体的には、図17に側断面図を示すように、空中像表示装置50においては、偏光出力ディスプレイ11の表示画面上に、当該偏光出力ディスプレイ11から出射される光線を屈折させる光学系として、平凸レンズ51を設ける。
【0125】
このような空中像表示装置50においては、偏光出力ディスプレイ11からは、図17中矢印aで示すように、光線が表示画面に対して垂直方向に出射され、当該光線が平凸レンズ51を透過後に屈折される。その後、空中像表示装置50においては、平凸レンズ51によって屈折された光線が、図17中矢印b,c,dで示す経路で進行することにより、空中像RIMが結像される。
【0126】
このように、空中像表示装置50においては、偏光出力ディスプレイ11から表示画面に対して垂直方向に光線を出射して平凸レンズ51によって屈折するように設定することにより、視野角特性を改善することができ、実在感に優れた空中像RIMを鮮明に表示することが可能となる。
【0127】
なお、図17においては、光学系として平凸レンズ51を用いた様子を示しているが、空中像表示装置50においては、フレネルレンズを用いた場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0128】
また、上述した視野角に起因する問題は、反射型光学素子を用いて構成される場合のみならず、第3の実施の形態として示した空中像表示装置30のような透過型光学素子を用いた場合にも生じるが、この場合にも、偏光出力ディスプレイの表示画面上に、同様の光学系を設ければよい。
【0129】
以上説明したように、第1の実施の形態乃至第5の実施の形態として示した空中像表示装置は、外部から入射される外光を減光する減光手段を設けることにより、実在感に優れた空中像を鮮明に表示することができ、鑑賞者に対して高い娯楽性を享受させることができる。
【0130】
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、所定のディスプレイから出射された光線を空中像として結像させる光学部材として、いわゆる透過型レンズ等の透過型光学素子を用いて構成されるものである。なお、ここでは、説明の便宜上、透過型光学素子として凸レンズを用いるものとして説明する。
【0131】
図18に側断面図を示すように、この空中像表示装置60は、画像を表示する透過型画像表示手段としての液晶ディスプレイ61と、この背面光源としての左目用バックライト装置62Lおよび右目用バックライト装置62Rと、照射光を直線偏光に変換する偏光板である左目用偏光フィルター63Lおよび右目用偏光フィルター63Rと、光源用光学部材としての照明用レンズ64と、透過する光の偏光方向を決定する分割フィルターとしての空間分割フィルター65と、空中像結像部としての空中像結像レンズ66とを備える。このうち、液晶ディスプレイ61、左目用バックライト装置62L、右目用バックライト装置62R、左目用偏光フィルター63L、右目用偏光フィルター63R、照明用レンズ64、空間分割フィルター65は、視差表示部を構成する部材である。
【0132】
液晶ディスプレイ61は、透過型画像表示手段であり空中像として表示する物体を示す静止画像や動画像を含む各種画像を表示し、バックライト装置から照射された光を透過することで表示された画像の投影を行う。左目用バックライト装置62Lおよび右目用バックライト装置62Rは、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を複数有する非偏光の光を発光する装置であり、それぞれ並列に配置されて液晶ディスプレイ61が表示する画像を鑑賞者の左目および右目方向に照射する。左目用バックライト装置62Lおよび右目用バックライト装置62Rが光を照射する方向を照明用レンズ64の範囲内に調整することで、発光に用いられるエネルギーを効率良く画像の照射に用いることができる。
【0133】
左目用偏光フィルター63Lおよび右目用偏光フィルター63Rは、それぞれ左目用バックライト装置62Lおよび右目用バックライト装置62Rの前面に配置された直線偏光板であり、バックライト装置から射出された光を直線偏光にする。左目用偏光フィルター63Lと右目用偏光フィルター63Rとの偏光方向は互いに異なる方向であり、互いに偏光方向が直交するように配置されている。
【0134】
照明用レンズ64は透過型光学素子である凸レンズであり、バックライト装置と液晶ディスプレイ61との間に配されて、左右のバックライト装置が発光して左右の偏光フィルターを透過した光を所定の焦点距離の位置に結像する。バックライト装置が発光した光は、照明用レンズ64によって屈折された後に液晶ディスプレイ61を透過するので、焦点位置には液晶ディスプレイ61が表示している画像用の照明光が中間実像MRIMとして結像することになる。
【0135】
空間分割フィルター65は、左右の偏光フィルターを透過した直線偏光の光を透過するか遮断するかを決める部材であり、左目用偏光フィルター63Lを透過した光は液晶ディスプレイ61に表示された左目用の画像のみを照射し、右目用偏光フィルター63Rを透過した光は液晶ディスプレイ61に表示された右目用の画像のみを照射する。
【0136】
空中像結像レンズ66は透過型光学素子である凸レンズであり、液晶ディスプレイ61と鑑賞者との間に配されて、液晶ディスプレイ61の像を所定の焦点距離の位置に空中像RIMとして結像する。中間実像MRIMは左目用バックライト装置62Lと右目用バックライト装置62Rから照射された光が照明用レンズ64によって結像された画像であり、左目用バックライト装置62Lと右目用バックライト装置62Rとは光軸に対して並列に配置されているので、左目用バックライト装置62Lが発光した光と右目用バックライト装置62Rが発光した光とは異なる経路をたどる。したがって、空中像RIMを結像した後の左目用バックライト装置62Lが照射する光の進行方向と右目用バックライト装置62Rが照射する光の進行方向とは、光軸に対して平行ではなくそれぞれ鑑賞者の左目と右目方向に分離したものとなる。これによって、同一の位置に空中像RIMとして結像された左目用の画像と右目用の画像とを、鑑賞者の左右の目に別々に認識させて両眼視差によって立体像の認識を行うことが出来る。
【0137】
鑑賞者は、左右の眼の焦点を空中像RIMの位置にあわせ、眼球の傾きも空中像RIMが結像されている位置に向けることで空中像RIMを立体的に認識することができる。したがって、立体を認識するための眼球輻輳と焦点距離が一致するために現実感のある立体像を容易に認識することが可能となり、立体映像の認識を通常の物体認識と同様に行うことで眼球の疲労感を低減することができる。
【0138】
次に、液晶ディスプレイ61に表示した左目用の画像と右目用の画像を、それぞれ左目用バックライト装置62Lと右目用バックライト装置62Rとで照射するための視差表示部の構造と動作について説明する。
【0139】
空間分割フィルター65の構造の一例と左目用偏光フィルター63L、右目用偏光フィルター63Rの偏光方向との関係を図19に示す。空間分割フィルター65は、直線偏光の光の偏光方向を変化させず透過する偏光方向非回転部65Nと、直線偏光の光の偏光方向を90°回転して透過する偏光方向回転部65Lと、液晶ディスプレイ61のバックライト装置側に形成された直線偏光板61Bとで構成されている。偏光方向回転部65Lは、1/2波長板を用いることで、バックライト装置から照射された光の偏光方向を90°回転して透過させる。
【0140】
偏光方向非回転部65Nと偏光方向回転部65Lとはそれぞれ液晶ディスプレイ61の横幅と同等の長さの矩形状の部材であり、複数の偏光方向非回転部65Nと偏光方向回転部65Lとが交互にストライプ状に配されて液晶ディスプレイ61の面全体と同等の大きさの板状部材を形成している。また、直線偏光板65Bは液晶ディスプレイ61の表示面と略同一形状の偏光板であり、偏光方向は左目用偏光フィルター63Lまたは右目用偏光フィルター63Rの偏光方向と同一である。したがって、例えば直線偏光板65Bの偏光方向が左目用偏光フィルター63Lの偏光方向と同一である場合には、右目用偏光フィルター63Rの偏光方向とは直交する偏光方向となる。
【0141】
図20を用いて空間分割フィルター65による光の透過と遮断について説明する。説明の簡便化のために偏光方向非回転部65Nと偏光方向回転部65Lとによって形成される板状部材と直線偏光板65Bとの間を離して説明を行う。図中の矢印は光の偏光方向を示しており、縦方向の矢印は紙面に平行方向の直線偏光を表し、斜め方向の矢印は紙面に垂直方向の直線偏光を表している。直線偏光板65Bはここでは紙面に平行方向の直線偏光のみを通過する偏光板であるとする。
【0142】
図20(a)は、左目用偏光フィルター63Lを透過した紙面に垂直方向の直線偏光が空間分割フィルター65に入射した場合の光の透過を説明する図である。偏光方向回転部65Lに入射した紙面に垂直方向の直線偏光は、偏光方向が90°回転されるために紙面に平行方向の直線偏光となり、直線偏光板65Bおよび液晶ディスプレイ61を透過して鑑賞者の左目に到達する。偏光方向非回転部65Nに入射した紙面に垂直方向の直線偏光は、偏光方向が紙面に垂直のまま通過するので、直線偏光板65Bによって遮られて液晶ディスプレイ61には到達しない。したがって、鑑賞者の左目は偏光方向回転部65Lに入射した光のみを認識することになる。
【0143】
図20(b)は、同様に右目用偏光フィルター63Rを透過した紙面に平行方向の直線偏光が空間分割フィルター65に入射した場合の光の透過を説明する図である。偏光方向回転部65Lに入射した紙面に平行方向の直線偏光は、偏光方向が90°回転されるために紙面に垂直方向の直線偏光となり、直線偏光板65Bによって遮られて液晶ディスプレイ61には到達しない。偏光方向非回転部65Nに入射した紙面に平行方向の直線偏光は、偏光方向が紙面に平行のまま通過するので、直線偏光板65Bおよび液晶ディスプレイ61を透過して鑑賞者の右目に到達する。したがって、鑑賞者の右目は偏光方向非回転部65Nに入射した光のみを認識することになる。
【0144】
鑑賞者の左目が認識する光線は偏光方向回転部65Lを通過した光であり、偏光方向回転部65Lを透過した光が照射する液晶ディスプレイ61の領域をL1、L3、L5とする。同様に、鑑賞者の右目が認識する光線は変更方向非回転部65Nを通過した光であり、偏光方向非回転部65Nを透過した光が照射する液晶ディスプレイ61の領域をL2、L4とする。したがって、液晶ディスプレイ61のL1、L3、L5領域には鑑賞者の左目に認識させる画像を表示し、L2、L4領域には鑑賞者の右目に認識される画像を表示させることで、鑑賞者の両目に異なる画像を認識させることが可能となる。図で示した液晶ディスプレイ61の領域L1〜L5は、5つ以上の領域であってもよいのは当然であり、液晶ディスプレイ61の画素で構成される水平ライン毎に交互に左目用画像と右目用画像を表示するとしてよい。
【0145】
次に図21を用いて、液晶ディスプレイ61の水平ライン毎に交互に左目用画像と右目用画像を表示するための視差画像信号生成システムについて説明する。視差画像信号生成システムは、ワークステーションなどの情報処理手段67と、左用スキャンコンバータ68Lと、右用スキャンコンバータ68Rと、信号スイッチング回路69とによって構成されている。
【0146】
情報処理手段67は、鑑賞者に立体として認識させる立体画像を仮想空間内の3次元ポリゴンデータとして計算により生成し、3次元ポリゴンデータに関して左目に相当する位置から見た左目用画像と右目に相当する位置から見た右目用画像とを計算によりそれぞれ2次元画像として生成する。情報処理手段67は、生成した左目用画像のデータを左用スキャンコンバータ68Lに送出し、右目用画像のデータを右用スキャンコンバータ68Rに送出する。
【0147】
左用スキャンコンバータ68Lおよび右用スキャンコンバータ68Rは、液晶ディスプレイ61の水平ライン毎に画像の表示を行うために、2次元画像を水平ライン毎のデータとして信号スイッチング回路69に送出する装置である。左用スキャンコンバータ68Lと右用スキャンコンバータ68Rは、信号スイッチング回路69へ左目用画像と右目用画像を水平ライン毎に送出する際に、画像表示の水平同期と垂直同期を調整して画像データの送出を行う。
【0148】
信号スイッチング回路69は、左用スキャンコンバータ68Lと右用スキャンコンバータ68Rから送出される左右の画像データを切り替えて、空中像表示装置60の液晶ディスプレイ61に送出する制御回路である。具体的には、液晶ディスプレイ61の水平同期のタイミングに合わせて、左用スキャンコンバータ68Lから送出される左目用画像と、右用スキャンコンバータ68Rから送出される右目用画像とを水平ライン毎に液晶ディスプレイ61に送出するように回路の切替を行う。液晶ディスプレイ61には水平ライン毎に、左目用画像のデータと右目用画像のデータが送出されるため、偶数ラインでは右目用画像を表示し、奇数ラインでは左目用画像を表示することになる。
【0149】
このように、視差画像信号生成システムを用いることで、液晶ディスプレイ61の水平ライン毎に交互に左目用画像と右目用画像とを表示することができる。したがって図20を用いて説明したように、空間分割フィルター65を用いて左目用画像と右目用画像とをそれぞれ左目用バックライト装置62Lと右目用バックライト装置62Rで照射して両眼視差を実現することができる。
【0150】
上述して説明した空中像表示装置60を用いた空中像RIMの表示では、バックライト装置が発光した光の大部分を液晶ディスプレイ61の照射に利用することが出来るため、立体映像の表示に必要なエネルギーを低減することが可能である。また、結像される空中像RIMでは、左目用画像と右目用画像とが同じ位置に結像されるため、現実の物体を認識するのと同様に両目の輻輳角度と焦点距離を調整することで鑑賞者が立体像を視認することができ、立体映像の認識に際する疲労感を低減することが可能となる。
【0151】
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、所定のディスプレイから出射された光線を空中像として結像させる光学部材として、いわゆる凹面鏡や反射型フレネルレンズ等の反射型光学素子を用いて構成されるものである。なお、ここでは、説明の便宜上、反射型光学素子として凹面鏡を用いるものとして説明する。なお、本実施の形態では視差表示部を第6の実施の形態として示した空中像表示装置60とほぼ同様の構成であるとし、第6の実施の形態とは空中像結像部が異なるとする。したがって、この第7の実施の形態として示す空中像表示装置70の説明では、先に説明した空中像表示装置60と同様の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。また、ここでは、説明の便宜上、反射型光学素子として、凹面鏡を用いるものとして説明するが、上述したように、反射型フレネルレンズ等の他の部材であっても適用することができるのはいうまでもない。
【0152】
図22および図23に本実施の形態における空中像表示装置70の構成について説明する。図22は空中像表示装置70と鑑賞者を側方から見た場合の構成を示す断面模式図であり、図23は鑑賞者の背後から見た場合の構成を示す模式図である。
【0153】
この空中像表示装置70は、画像を表示する透過型画像表示手段としての液晶ディスプレイ61と、この背面光源としての左目用バックライト装置62Lおよび右目用バックライト装置62Rと、照射光を直線偏光に変換する偏光板である左目用偏光フィルター63Lおよび右目用偏光フィルター63Rと、光源用光学部材としての照明用レンズ64と、透過する光の偏光方向を決定する分割フィルターとしての空間分割フィルター65と、第1の円偏光素子72と、空中像結像部の反射型光学素子としての凹面鏡73と、この凹面鏡73と空中像RIMの結像位置との間に配置されたハーフミラー74、第2の円偏光素子75、及び偏光フィルタ76と、遮光板77とを備える。このうち、液晶ディスプレイ61、左目用バックライト装置62L、右目用バックライト装置62R、左目用偏光フィルター63L、右目用偏光フィルター63R、照明用レンズ64、空間分割フィルター65、第1の円偏光素子72は、視差表示部を構成する部材である。また、凹面鏡73、ハーフミラー74、第2の円偏光素子75、偏光フィルタ76、遮光板77は空中像結像部を構成する部材である。
【0154】
第1の円偏光素子72は、液晶ディスプレイ61の表示画面上に配置され、液晶ディスプレイ61から出射された偏光方向が水平である直線偏光の光線を、円偏光に変化させる。視差表示部が左目用画像と右目用画像を空中像結像部に対して照射する方法は上述した第6の実施の形態を用いて説明したものと同様である。
【0155】
凹面鏡73は、第1の円偏光素子72によって円偏光とされ且つハーフミラー74を介して入射された光線を反射する。なお、この凹面鏡73に入射される光線及びこの凹面鏡73から出射される光線は、円偏光とされるのはいうまでもない。この凹面鏡73によって反射された光線は、ハーフミラー74に入射される。
【0156】
ハーフミラー74は、凹面鏡73と空中像RIMの結像位置との間に位置して、液晶ディスプレイ61の表示画面に対して所定の角度をもって配置される。ハーフミラー74は、第1の円偏光素子72を通過した光線が入射すると、この光線を凹面鏡73の方向へと反射する一方で、凹面鏡73によって反射された光線を透過させる。このハーフミラー74を透過した光線は、第2の円偏光素子75に入射される。
【0157】
第2の円偏光素子75は、ハーフミラー74と同様に、凹面鏡73と空中像RIMの結像位置との間に位置して、液晶ディスプレイ61の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、ハーフミラー74を透過した円偏光の光線を直線偏光に変化させる。より具体的には、第2の円偏光素子75は、第1の円偏光素子72と相俟って、液晶ディスプレイ61から出射された光線の偏光方向を90°回転させた偏光方向の光線を生み出すために設けられる。この第2の円偏光素子75を通過した光線は、偏光フィルタ76に入射される。
【0158】
偏光フィルタ76は、ハーフミラー74及び第2の円偏光素子75と同様に、凹面鏡73と空中像RIMの結像位置との間に位置して、液晶ディスプレイ61の表示画面に対して所定の角度をもって配置され、第2の円偏光素子75を通過した光線のうち所定の偏光方向の成分のみを通過させる。ここでは、偏光フィルタ76は、例えば偏光方向が紙面に対して垂直である直線偏光の光線を通過させる。これにより、この偏光フィルタ76を通過した光線は、所定の空間位置にて結像し、空中像RIMとして鑑賞者の眼球EYEによって視認されることになる。
【0159】
遮光板77は、液晶ディスプレイ61と対向して配置され、鑑賞者側以外の領域から入射される外光を遮光するとともに、図示しない筐体や液晶ディスプレイ61の表示画面等によって反射する外光を遮光する。空中像表示装置70は、この遮光板77を設けることにより、余計な外光の影響を確実に除去し、より鮮明な空中像RIMの結像に寄与することができる。
【0160】
このような構成からなる空中像表示装置70には、鑑賞者の眼球EYEの側から外光が入射される。具体的には、空中像表示装置70においては、入射された外光がはじめに偏光フィルタ76を通過する。このとき偏光フィルタ76は、例えば外光のうち偏光方向が紙面に対して垂直である直線偏光の光線のみを通過させる。さらに、空中像表示装置70において、偏光フィルタ76を通過した外光は第2の円偏光素子75を通過することにより円偏光に変化する。そして、空中像表示装置70において第2の円偏光素子75を通過した外光は、ハーフミラー74を透過した後に凹面鏡73へと到達し、この凹面鏡73によって反射される。
【0161】
さらに空中像表示装置70において、凹面鏡73によって反射された外光は、再度ハーフミラー74を透過し、第2の円偏光素子75に入射される。そして、空中像表示装置70において第2の円偏光素子75に入射された外光は、当該第2の円偏光素子75を通過することにより直線偏光に変化する。これにより、第2の円偏光素子75を通過した外光の偏光方向は、紙面に対して水平方向となる。したがって、空中像表示装置70においては、第2の円偏光素子75を通過した外光が偏光フィルタ76を通過することができず、鑑賞者の眼球EYEに到達することはない。
【0162】
このように、空中像表示装置70においては、ハーフミラー74、第2の円偏光素子75、及び偏光フィルタ76によって偏光方向を利用した外光に対する減光手段を構成することにより、凹面鏡73によって反射した外光の影響を確実に除去することができることから、凹面鏡73等の各種光学部材の存在を鑑賞者に把握される事態を回避することができ、結果として、実在感に優れた空中像RIMを鮮明に表示することが可能となる。このとき、空中像表示装置70においては、減光手段を構成する部材を、凹面鏡73の光軸上に配置することにより、凹面鏡73の光軸上で高効率に空中像RIMを結像させることができることから、空中像RIMの収差を小さくすることができる。
【0163】
また、空中像表示装置70を用いた空中像RIMの表示では、バックライト装置が発光した光の大部分を液晶ディスプレイ61の照射に利用することが出来るため、立体映像の表示に必要なエネルギーを低減することが可能である。また、結像される空中像RIMでは、左目用画像と右目用画像とが同じ位置に結像されるため、現実の物体を認識するのと同様に両目の輻輳角度と焦点距離を調整することで鑑賞者が立体像を視認することができ、立体映像の認識に際する疲労感を低減することが可能となる。
【0164】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、左目用の画像を表示する表示装置と右目用の画像を表示する表示装置を個別に備え、二つの表示装置が照射する左目用画像と右目用画像の光線をハーフミラーを用いて同一光軸上の光とするものである。
【0165】
図24に側断面図を示すように、この空中像表示装置80は、画像を表示する透過型画像表示手段としての左目用液晶ディスプレイ81Lおよび右目用液晶ディスプレイ81Rと、背面光源としての左目用バックライト装置82Lおよび右目用バックライト装置82Rと、光源用光学部材としての左照明用レンズ84Lおよび右目照明用レンズ84Rと、半透過型反射板であるハーフミラー85と、空中像結像部としての空中像結像レンズ86とを備える。このうち、左目用液晶ディスプレイ81L、右用液晶ディスプレイ81R、左目用バックライト装置82L、右目用バックライト装置82R、左目照明用レンズ84L、右目照明用レンズ84R、およびハーフミラー85は、視差表示部を構成する部材である。
【0166】
左目用液晶ディスプレイ81Lおよび右目用液晶ディスプレイ81Rは、透過型画像表示手段であり空中像として表示する物体を示す静止画像や動画像を含む各種画像を表示し、バックライト装置から照射された光を透過することで、それぞれ表示された左目用画像および右目用画像の投影を行う。左目用バックライト装置82Lおよび右目用バックライト装置82Rは、例えばLED(LightEmitting Diode)などの発光素子を複数有する非偏光の光を発光する装置であり、それぞれ左用液晶ディスプレイ81Lおよび右目用液晶ディスプレイ81Rの背面側に配置されて、表示される画像を鑑賞者の左目および右目方向に照射する。
【0167】
左目照明用レンズ84Lおよび右目照明用レンズ84Rは透過型光学素子である凸レンズであり、それぞれ、左目用バックライト装置82Lと左用液晶ディスプレイ81Lの間、右目用バックライト装置82Rと右目用液晶ディスプレイ81Rの間に配されて、左右のバックライト装置が発光した光を所定の焦点距離の位置に結像する。
【0168】
空中像表示装置80では、左目用液晶ディスプレイ81L、左目用バックライト装置82Lおよび左目照明用レンズ84Lによって左目用画像の表示と投影を行う左投影光学系を構成し、右用液晶ディスプレイ81R、右目用バックライト装置82Rおよび右目照明用レンズ84Rによって右目用画像の表示と投影を行う右投影光学系を構成する。左投影光学系と右投影光学系とは、図に示すように画像の投影を行う光の進行方向である光軸が直角となるように配置されている。
【0169】
ハーフミラー85は、一方の面から入射した光を反射して他方の面から入射した光を透過する半透過型反射板であり、図24では左目用バックライト装置82Lからの光を透過し、右目用バックライト装置82Rからの光を反射するように配置されている。また、ハーフミラー85は、左投影光学系の光軸および右投影光学系の光軸と互いに45度の角度となるように配置されている。
【0170】
左右のバックライト装置が発光した光は、それぞれ左目照明用レンズ84Lおよび右目照明用レンズ84Rによって屈折された後に、それぞれ左目用液晶ディスプレイ81Lおよび右目用液晶ディスプレイ81Rを透過し、左目目用バックライト装置82Lが発光した光はハーフミラー85を透過し、右目用バックライト装置82Rが発光した光はハーフミラー85で反射される。左投影光学系の光軸と右投影光学系の光軸は直行し、ハーフミラー85は二つの光軸と45度の角度を成しているため、左目照明用レンズ84Lおよび右目照明用レンズ84Rの焦点距離を調整することにより、同一光軸上の同じ位置に左目用画像と右目用画像の照明光が中間実像MRIMとして結像することになる。
【0171】
空中像結像レンズ86は透過型光学素子である凸レンズであり、視差表示部と鑑賞者との間に配されて、液晶ディスプレイ81L,81Rの像を所定の焦点距離の位置に空中像RIMとして結像する。中間実像MRIMは左目用バックライト装置82Lと右目用バックライト装置82Rから照射された光がそれぞれ左照明用レンズ84Lおよび右照明用レンズ84Rによって結像された実像であり、左目用バックライト装置82Lと右目用バックライト装置82Rの光軸に対する位置を調整することで、左目用バックライト装置82Lが発光した光と右目用バックライト装置82Rが発光した光とは異なる経路をたどる。したがって、空中像RIMを結像した後の左目用バックライト装置82Lが照射する光の進行方向と右目用バックライト装置82Rが照射する光の進行方向とは、光軸に対して平行ではなくそれぞれ鑑賞者の左目と右目方向に分離したものとなる。これによって、同一の位置に空中像RIMとして結像された左目用の画像と右目用の画像とを、鑑賞者の左右の目に別々に認識させて両眼視差によって立体像の認識を行うことが出来る。
【0172】
鑑賞者は、左右の眼の焦点を空中像RIMの位置にあわせ、眼球の傾きも空中像RIMが結像されている位置に向けることで空中像RIMを立体的に認識することができる。したがって、立体を認識するための眼球輻輳と焦点距離が一致するために現実感のある立体像を容易に認識することが可能となり、立体映像の認識を通常の物体認識と同様に行うことで眼球の疲労感を低減することができる。
【0173】
[第9の実施の形態]
次に、第9の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、一つの表示装置に左目用画像と右目用画像を交互に表示して時分割型の空中像表示を行うものである。
【0174】
図25に側断面図を示すように、この空中像表示装置90は、画像を表示する透過型画像表示手段としての液晶ディスプレイ91と、この背面光源としての左目用バックライト装置92Lおよび右目用バックライト装置92Rと、光源用光学部材としての照明用レンズ94と、空中像結像部としての空中像結像レンズ96とを備える。このうち、液晶ディスプレイ91、左目用バックライト装置92L、右目用バックライト装置92R、照明用レンズ94は、視差表示部を構成する部材である。
【0175】
図26は、液晶ディスプレイ91と左目用バックライト装置92Lおよび右目用バックライト装置92Rの駆動信号を示すグラフである。図中横軸は時間経過を表しており、図中上段のグラフは液晶ディスプレイ91に伝達されるビデオ信号を示し、中段は左目用バックライト装置92Lの点灯・消灯動作を示し、下段は右目用バックライト装置92Rの点灯・消灯動作を示している。空中像表示装置90では、液晶ディスプレイ91に左目用画像と右目用画像を交互に表示し、左目用画像を一画面分表示し終わった時点で左目用バックライト装置92Lを点灯し、右目用画像を一画面分表示し終わった時点で右目用バックライト装置92Rを点灯し、表示とバックライト装置の点灯を同期させる。
【0176】
図27は液晶ディスプレイ91と左目用バックライト装置92Lおよび右目用バックライト装置92Rの駆動信号の他の例を示すグラフである。液晶ディスプレイ91に左目用画像と右目用画像を表示する際に、一画面分の画像を表示した後に維持期間を設けて、維持期間中に左目用バックライト装置92Lまたは右目用バックライト装置92Rの点灯を行う。維持期間を長く設定することでバックライト装置によって画像が照射される時間を長くして光量を確保し、良好な立体映像の表示を行うことが可能となる。
【0177】
空中像表示装置90では、上述した第6の実施の形態と同様にして、左目用バックライト装置92Lが点灯したときに左目用画像の空中像RIMが空中像結像レンズ96の前面に結像され、右目用バックライト装置92Rが点灯したときに右目用画像の空中像RIMが空中像結像レンズ96の前面に結像される。鑑賞者は交互に結像される左目用画像と右目用画像とを視認することで立体映像を認識することができる。
【0178】
[第10の実施の形態]
次に、第10の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、視差表示部が投影する左目用画像と右目用画像をハーフミラーによって反射して空中像RIMとして結像し、ハーフミラーの背面側から入射する外部からの光と空中像RIMとを同時に観察者が視認するものである。
【0179】
図28に側断面図を示すように、この空中像表示装置110は、画像を表示する透過型画像表示手段としての液晶ディスプレイ111と、この背面光源としての左目用バックライト装置112Lおよび右目用バックライト装置112Rと、光源用光学部材としての照明用レンズ114と、ハーフミラー115と、結像用光学部材としての空中像結像レンズ116とを備える。このうち、液晶ディスプレイ111、左目用バックライト装置112L、右目用バックライト装置112R、照明用レンズ114は、視差表示部を構成する部材である。また、ハーフミラー115と空中像結像レンズ116は空中像結像部を構成する部材である。
【0180】
ここでは、視差表示部として第9の実施の形態に示したと同様の時分割型の構成を示しているので、同様の部材についての説明および左目用画像の照射と右目用画像の照射に関する説明は省略する。また、視差表示部としては時分割型のものではなく、第6の実施の形態に示したバックライト装置の前面に偏光フィルターを配置し、液晶ディスプレイと照明用レンズとの間に分割フィルターを配置する構成のものを用いてもよく、第8の実施の形態に示した左投影光学系と右投影光学系の投影する二つの画像をハーフミラーで同一の光軸上に結像する構成を用いても良い。
【0181】
ハーフミラー115は、一方の面に入射した光を反射して他方の面に入射した光を透過する半透過型反射板であり、視差表示部から照射されたバックライト装置の光軸と45度の角度を成すように配置されている。
【0182】
空中像結像レンズ116は透過型光学素子である凸レンズであり、視差表示部の液晶ディスプレイ111の画像を所定の焦点距離の位置に空中像RIMとして結像する。
【0183】
視差表示部が投影する右目用画像と左目用画像の照明光は中間実像MRIMとして結像され、空中像結像レンズ116で光線が屈折された後にハーフミラー115で反射されて鑑賞者の前面で空中像RIMとして結像される。上述したように、左目用画像を鑑賞者が左目で認識し、右目用画像を鑑賞者が右目で認識することで鑑賞者は立体映像を視認することができる。同時に、鑑賞者の視線の延長線上にはハーフミラー115が配置されているため、鑑賞者の目にはハーフミラー115の背面側から入射した光も到達することになる。
【0184】
したがって、鑑賞者が視認する映像は視差表示部が投影する空中像RIMの立体視に、ハーフミラー115の背景を加えたものとなる。鑑賞者は単に空中像RIMを認識するだけではなく背景も認識することが可能であるため、鑑賞者は空中像RIMをより実体のある物体に近い感覚で視認することが可能となる。尚、左目用バックライト装置112Lと右目用バックライト装置112Rは、紙面に対して、垂直方向に並んで配置される。
【0185】
[第11の実施の形態]
次に、第11の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、視差表示部が投影する左目用画像と右目用画像をハーフミラーによって反射して空中像RIMとして結像し、ハーフミラーの背面側から入射する外部からの光と空中像RIMとを同時に観察者が視認するものである。また空中像結像部には凹面鏡を用いている。
【0186】
図29に側断面図を示すように、この空中像表示装置120は、画像を表示する透過型画像表示手段としての液晶ディスプレイ121と、この背面光源としての左目用バックライト装置122Lおよび右目用バックライト装置122Rと、第1の円偏光素子123と、光源用光学部材としての照明用レンズ124と、空中像結像部の反射型光学素子としての凹面鏡125と、この凹面鏡125と中間実像MRIMの結像位置との間に配置されたハーフミラー126、第2の円偏光素子127、及び偏光フィルタ128とを備える。
【0187】
このうち、液晶ディスプレイ121、左目用バックライト装置122L、右目用バックライト装置122R、第1の円偏光素子123、照明用レンズ124は、視差表示部を構成する部材である。また、凹面鏡125とハーフミラー126、第2の円偏光素子127、及び偏光フィルタ128は空中像結像部を構成する部材である。
【0188】
ここでは、視差表示部として第9の実施の形態に示したと同様の時分割型の構成を示しているので、同様の部材についての説明および左目用画像の照射と右目用画像の照射に関する説明は省略する。また、視差表示部としては時分割型のものではなく、第6の実施の形態に示したバックライト装置の前面に偏光フィルターを配置し、液晶ディスプレイと照明用レンズとの間に分割フィルターを配置する構成のものを用いてもよく、第8の実施の形態に示した左投影光学系と右投影光学系の投影する二つの画像をハーフミラーで同一の光軸上に結像する構成を用いても良い。
【0189】
第1の円偏光素子123は、液晶ディスプレイ121の表示画面上に配置され、液晶ディスプレイ121から出射された偏光方向が水平である直線偏光の光線を、円偏光に変化させる。視差表示部が左目用画像と右目用画像を空中像結像部に対して照射する方法は上述した第9の実施の形態を用いて説明したものと同様である。
【0190】
凹面鏡125は、第1の円偏光素子123によって円偏光とされ且つハーフミラー126を透過して入射された光線を反射する。なお、この凹面鏡125に入射される光線及びこの凹面鏡125から出射される光線は、円偏光とされるのはいうまでもない。この凹面鏡125によって反射された光線は、ハーフミラー126の反射面に入射される。
【0191】
ハーフミラー126は、凹面鏡125と中間実像MRIMの結像位置との間に位置して、液晶ディスプレイ121の表示画面に対して所定の角度をもって配置される。ハーフミラー126は、第1の円偏光素子123を通過した光線が透過面に入射すると、この光線を凹面鏡125の方向へと透過する一方で、凹面鏡125によって反射された光線を鑑賞者方向に反射させる。このハーフミラー126を透過した光線は、第2の円偏光素子127に入射される。また、ハーフミラー126の光を透過する面には背景である外部光線が入射し、外部光線はハーフミラー126を透過して鑑賞者方向へと進む。
【0192】
第2の円偏光素子127は、ハーフミラー126と空中像RIMの結像位置との間に位置して、ハーフミラー126側から入射した光のうち円偏光の光線を直線偏光に変化させる。この第2の円偏光素子127を通過した光線は、偏光フィルタ128に入射される。
【0193】
偏光フィルタ128は第2の円偏光素子127と同様に、ハーフミラー126と空中像RIMの結像位置との間に位置して、第2の円偏光素子127を通過した光線のうち所定の偏光方向の成分のみを通過させる。このとき、偏光フィルタ128が透過する偏光方向を、第1の円偏光素子123と第2の円偏光素子127によって決定される偏光方向の光線を通過させると設定する。これにより、この偏光フィルタ128を通過した光線は、所定の空間位置にて結像し、空中像RIMとして鑑賞者の眼球EYEによって視認されることになる。
【0194】
同時に、鑑賞者の視線の延長線上にはハーフミラー126が配置されているため、鑑賞者の目にはハーフミラー126の背面側から入射した光も到達することになる。したがって、鑑賞者が視認する映像は視差表示部が投影する空中像RIMの立体視に、ハーフミラー126の背景を加えたものとなる。鑑賞者は単に空中像RIMを認識するだけではなく背景も認識することが可能であるため、鑑賞者は空中像RIMをより実体のある物体に近い感覚で視認することが可能となる。尚、左目用バックライト装置122Lと右目用バックライト装置122Rは、紙面に対して、垂直方向に並んで配置される。
【0195】
[第12の実施の形態]
次に、第12の実施の形態として示す空中像表示装置について図30を用いて説明する。本実施の形態の空中像表示装置130は、上述した第7の実施の形態と類似した構成であり、第7の実施の形態で所定のディスプレイから出射された光線を空中像として結像させる光学部材として用いた凹面鏡として凹面ハーフミラー131を用いた点のみが異なる。したがって、この第7の実施の形態として示す空中像表示装置130の説明では、先に説明した空中像表示装置70と同様の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0196】
凹面ハーフミラー131は、凹面側に入射した光を反射して凸面側に入射した光を透過する半透過型の凹面鏡である。空中像表示装置70が左目用画像と右目用画像の空中像RIMを所定の位置に結像する方法は、先に述べた第7の実施の形態と同様であり、左目用画像を鑑賞者が左目で認識し、右目用画像を鑑賞者が右目で認識することで鑑賞者は立体映像を視認することができる。
【0197】
同時に、鑑賞者の視線の延長線上にはハーフミラー74と凹面ハーフミラー131が配置されているため、鑑賞者の目にはハーフミラー74と凹面ハーフミラー131の背面側から入射した光も到達することになる。したがって、鑑賞者が視認する映像は視差表示部が投影する空中像RIMの立体視に、凹面ハーフミラー131の背景を加えたものとなる。鑑賞者は単に空中像RIMを認識するだけではなく背景も認識することが可能であるため、鑑賞者は空中像RIMをより実体のある物体に近い感覚で視認することが可能となる。
【0198】
[第13の実施の形態]
次に、第13の実施の形態として示す空中像表示装置について説明する。この空中像表示装置は、鑑賞者の頭部位置を検出して、鑑賞者の位置に応じて空中像RIMを結像する位置を変化させるものである。
【0199】
図31に光学系の上面図を示すように、この空中像表示装置130は、画像を表示する透過型画像表示手段としての液晶ディスプレイ141と、この背面光源としてのバックライト装置142と、照射光を直線偏光に変換する偏光板である偏光フィルター143と、偏光領域制御フィルターとしての分割液晶シャッター144と、光源用光学部材としての照明用レンズ145と、透過する光の偏光方向を決定する分割フィルターとしての空間分割フィルター146と、空中像結像部としての空中像結像レンズ147と、鑑賞者の位置を検出する位置検出部148とを備える。このうち、液晶ディスプレイ141、バックライト装置142、偏光フィルター143、分割液晶シャッター144、照明用レンズ145、空間分割フィルター146は、視差表示部を構成する部材である。
【0200】
液晶ディスプレイ141は、透過型画像表示手段であり空中像として表示する物体を示す静止画像や動画像を含む各種画像を表示し、バックライト装置142から照射された光を透過することで表示された画像の投影を行う。バックライト装置142は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を複数有する非偏光の光を発光する装置であり、液晶ディスプレイ141が表示する画像を鑑賞者の方向に照射する。バックライト装置142が光を照射する方向を照明用レンズ145の範囲内に調整することで、発光に用いられるエネルギーを効率良く画像の照射に用いることができる。
【0201】
偏光フィルター143は、バックライト装置142の前面に配置された直線偏光板であり、バックライト装置142から射出された光を直線偏光にする。
【0202】
分割液晶シャッター144は、偏光フィルター143の前面に配置されたTN(Twisted Nematic)液晶素子であり、TN液晶のON領域とOFF領域を変更することで左目用領域144Lと右目用領域144R領域の面積を変化させ、偏光フィルター143を透過した直線偏光の偏光方向を回転させる領域とそのまま透過させる領域の変更を行う。ここでは、一例として分割液晶シャッター144のTN液晶がONの領域を偏光方向を回転させない左目用領域144Lとし、TN液晶がOFFの領域を偏光方向を90度回転出せる右目用領域144Rとする。
【0203】
照明用レンズ145は透過型光学素子である凸レンズであり、バックライト装置142と液晶ディスプレイ141との間に配されて、バックライト装置142が発光して偏光フィルター143および分割液晶シャッター144を透過した光を所定の焦点距離の位置に結像する。バックライト装置142が発光した光は、照明用レンズ145によって屈折された後に液晶ディスプレイ141を透過するので、焦点位置には液晶ディスプレイ141をが表示している照明光が中間実像MRIMとして結像することになる。
【0204】
空間分割フィルター146は、偏光フィルターを143と分割液晶シャッター144を透過した直線偏光の光を透過するか遮断するかを決める部材であり、左目用領域144Lを透過した光は液晶ディスプレイ141に表示された左目用の画像のみを照射し、右目用領域144Rを透過した光は液晶ディスプレイ141に表示された右目用の画像のみを照射する。
【0205】
空中像結像レンズ147は透過型光学素子である凸レンズであり、液晶ディスプレイ141と鑑賞者との間に配されて、液晶ディスプレイ145の像を所定の焦点距離の位置に空中像RIMとして結像する。中間実像MRIMはバックライト装置142から照射された光が照明用レンズ145によって結像された実像であり、分割液晶シャッター144の左目用領域144Lと右目用領域144Rとが光軸に対して並列に配置されているので、左目用画像と右目用画像とは異なる経路をたどる。したがって、空中像RIMを結像した後の左目用画像の光の進行方向と右目用画像の光の進行方向とは、光軸に対して平行ではなくそれぞれ鑑賞者の左目と右目方向に分離したものとなる。これによって、同一の位置に空中像RIMとして結像された左目用の画像と右目用の画像とを、鑑賞者の左右の目に別々に認識させて両眼視差によって立体像の認識を行うことが出来る。
【0206】
鑑賞者は、左右の眼の焦点を空中像RIMの位置にあわせ、眼球の傾きも空中像RIMが結像されている位置に向けることで空中像RIMを立体的に認識することができる。したがって、立体を認識するための眼球輻輳と焦点距離が一致するために現実感のある立体像を容易に認識することが可能となり、立体映像の認識を通常の物体認識と同様に行うことで眼球の疲労感を低減することができる。
【0207】
位置検出部148は、空中像結像レンズ147の周縁部に配置された赤外光を照射する赤外照射手段である赤外ランプ148aと、赤外光の検出をする赤外検出手段148bとを備え、赤外ランプ148aが鑑賞者に対して照射した赤外光を赤外検出手段148bが検出する。鑑賞者の照射は赤外光で行うため観察者は照明光の明るさを知覚できず、赤外光の照射によって空中像の視認性が低下することは無い。
【0208】
次に図32を用いて、液晶ディスプレイ141に表示した左目用の画像と右目用の画像を、それぞれ分割液晶シャッター144の左目用領域144Lと右目用領域144Rを透過した光で照射するための偏光方向の制御について説明する。
【0209】
本実施の形態では、先に述べた第6の実施の形態における左目用偏光フィルター63Lおよび右目用偏光フィルター63Rに代えて、偏光フィルターを143および分割液晶シャッター144を用いてバックライト装置142が照射した光を互いに偏光方向が直交する2種類の直線偏光にするものである。
【0210】
分割液晶シャッター144では、位置検出部148が検出した鑑賞者の位置に応じて、TN液晶がONである左目用領域144LとTN液晶がOFFの領域である右目用領域144Rの面積比が決定される。バックライト装置142が発光した非偏光の光は、偏光フィルター143を透過することで一方向の直線偏光になる。偏光フィルター143を通過した光は、左目用領域144Lを透過した場合には偏光方向が維持されたまま照明用レンズ145に到達し、右目用領域144Rを透過した場合には偏光方向が90度回転されて照明用レンズ145に到達する。
【0211】
左目用領域144Lと右目用領域144Rを透過した光は互いに偏光方向が直交した直線偏光の光なので、上述した第6の実施の形態と同様に、空間分割フィルター146の動作によって左目用領域144Lを透過した光によって左目用画像を照射し、右目用領域144Rを透過した光によって右目用画像を照射する。空間分割フィルター146の構成および動作は上述した第6の実施の形態で図19乃至図21を用いて説明したもので同様である。
【0212】
左目用領域144Lと右目用領域144Rの面積比を変更することで、空中像結像レンズ147の光軸中心に対する左目用領域144Lと右目用領域144Rの位置が変化するため、空中像RIMが結像される位置も空中像結像レンズ147の光軸中心から変動し、ソレに伴って鑑賞者が空中像RIMを立体像として視認できる方向も変化する。
【0213】
次に図33を用いて、位置検出部148と分割液晶シャッター144により空中像RIMの結像位置を変化させる方法と構成について説明する。位置検出部148は上述した様に、赤外ランプ148aと赤外検出手段148bとを備え、赤外ランプ148aが鑑賞者に対して赤外光を照射し、鑑賞者の顔で反射された赤外光を赤外検出手段148bが検出するものである。本実施の形態では、赤外検出手段148bを分割液晶シャッター144の上部に配置し、赤外検出手段148bが検出した赤外光のデータを信号処理回路148cに送出する。信号処理回路148cが赤外光のデータ処理を行った結果は液晶シャッター制御回路148dに伝達され、液晶シャッター制御回路148dは分割液晶シャッター144のTN液晶のON領域とOFF領域を変化させて、左目用領域144Lと右目用領域144Rの面積比率を制御する。
【0214】
赤外ランプ148aによって赤外線が照射された鑑賞者の顔からは赤外光が反射し、鑑賞者の顔で反射された赤外光の一部は空中像結像レンズ147に入射し、空中像結像レンズ147、液晶ディスプレイ141、空間分割フィルター146、照明用レンズ145を透過して赤外検出手段148bまで到達する。赤外検出手段148bは、鑑賞者の顔によって反射されて到達した赤外光の強度分布を測定し、測定結果を信号処理回路148cに送出する。信号処理回路148cは、赤外検出手段148bが検出した赤外線強度が最大の位置を偏光境界として設定し、液晶シャッター制御回路148dに偏光境界の情報を伝達する。液晶シャッター制御回路148dでは、偏光境界に対応する位置を境界としてTN液晶のON領域とOFF領域を分離する。
【0215】
赤外検出手段148bが検出した赤外光の強度が最大の位置は、鑑賞者の顔の中心によって反射された赤外光を検出していると考えられる。また、バックライト装置142が発光した光は分割液晶シャッター144を透過した後に、鑑賞者から反射されて赤外検出手段まで到達した赤外光線の経路を逆に進行していくため、偏光境界によって左右に分離された左目用領域144Lを透過した光は鑑賞者の左目に到達し、右目用領域144Rを透過した光は鑑賞者の右目に到達する。したがって、鑑賞者の顔の位置が空中像結像レンズ147の光軸中心から変動した場合にも、赤外光の照射および検出と、赤外光強度が最大の位置を境にしてTN液晶のONとOFFを制御することによって、鑑賞者の左右の目にそれぞれ左目用画像と右目用画像を視認させることができる。
【0216】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した第3の実施の形態では、遮光板を備えないものとして説明したが、本発明は、透過型光学素子を用いる場合であっても、鑑賞者側以外の領域から入射される外光を遮光するとともに、筐体や偏光出力ディスプレイの表示画面等によって反射する外光を遮光するための遮光板を、適宜備えるようにしてもよい。
【0217】
また、本発明は、上述した複数の実施の形態の特徴を、可能な範囲で適宜組み合わせることも可能である。
【0218】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0219】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる空中像表示装置は、外部から入射される外光を減光することにより、光学部材の存在を鑑賞者に把握される事態を回避することができ、結果として、実在感に優れた空中像を鮮明に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図2】1/2波長板の機能を説明するための図であり、(A)は、1/2波長板を正面方向から見たときの入射光及び出射光の偏光方向を示し、(B)は、1/2波長板を斜め方向から見たときの入射光及び出射光の偏光方向を示す図である。
【図3】1/4波長板の機能を説明するための図であり、1/4波長板を2枚重ねた場合に斜め方向から見たときの入射光及び出射光の偏光方向を示す図である。
【図4】入射光の振動波形を説明する図であり、(A)は、y方向成分の振動波形を示し、(B)は、x方向成分の振動波形を示す図である。
【図5】1/4波長板を通過した出射光の振動波形を説明する図であり、(A)は、y方向成分の振動波形を示し、(B)は、x方向成分の振動波形を示す図である。
【図6】同空中像表示装置の構成を説明する側断面図であり、外光の経路を説明するための図である。
【図7】同空中像表示装置の他の構成を説明する側断面図である。
【図8】金属がコーティングされた平凸レンズの側面図である。
【図9】反射型フレネルレンズの側面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図11】同空中像表示装置の構成を説明する側断面図であり、外光の経路を説明するための図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図13】同空中像表示装置の構成を説明する側断面図であり、外光の経路を説明するための図である。
【図14】減光手段を構成する部材を互いに平行に配置した例としての空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図16】偏光出力ディスプレイの表示画面上に光学系を設けない例としての空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図18】本発明の第6の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図19】図18に示した空間分割フィルターの構造の一例と左目用偏光フィルター、右目用偏光フィルターの偏光方向との関係を示す模式斜視図である。
【図20】図19に示した空間分割フィルターによる光の透過と遮断について説明した模式図であり、図20(a)は鑑賞者の左目に入射する光の経路を示し、図20(b)は鑑賞者の右目に入射する光の経路を示している。
【図21】液晶ディスプレイの水平ライン毎に交互に左目用画像と右目用画像を表示するための視差画像信号生成システムについて説明するブロック図である。
【図22】本発明の第7の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図23】本発明の第7の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を鑑賞者側からみた断面図である。
【図24】本発明の第8の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図25】本発明の第9の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図26】液晶ディスプレイと左目用バックライト装置および右目用バックライト装置の駆動信号を示すグラフである。
【図27】液晶ディスプレイと左目用バックライト装置および右目用バックライト装置の駆動信号を示す他の例のグラフである。
【図28】本発明の第10の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図29】本発明の第11の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図30】本発明の第12の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図31】本発明の第13の実施の形態として示す空中像表示装置の構成を説明する側断面図である。
【図32】液晶ディスプレイに表示した左目用の画像と右目用の画像を、それぞれ分割液晶シャッターの左目用領域と右目用領域を透過した光で照射するための偏光方向の制御について説明した模式図である。
【図33】位置検出部と分割液晶シャッターにより空中像の結像位置を変化させる方法と構成について説明した模式図である。
【図34】従来の透過型光学素子を用いたシステムの構成を説明する側断面図である。
【図35】図34に示すシステムが備えるディスプレイデバイスに表示する表示画像の例として、物体の周囲を黒くした映像を表示している様子を説明する図である。
【図36】図35に示す表示画像に基づいて空中像が表示されている様子を説明する図である。
【図37】従来の反射型光学素子を用いたシステムの構成を説明する側断面図である。
【図38】従来の立体ディスプレイを視聴するための構成を示した図であり、立体視のために眼鏡の装着が必要な例を示している。
【図39】図38に示した立体ディスプレイで立体映像を視認する原理を示す模式図である。
【図40】図39に示した立体ディスプレイと液晶シャッター眼鏡の駆動方法を示すグラフである。
【図41】従来の立体ディスプレイで鑑賞者が立体映像を視認するための眼球輻輳と焦点調整を説明する模式図である。
【図42】従来の立体ディスプレイでの発光方向と、鑑賞者が認識するために必要な光の照射方向とを示す模式図である。
【図43】従来の凹面鏡を用いた立体ディスプレイの構成と光軸の関係を示す側断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70,80,90,110,120,130 空中像表示装置
11,31 偏光出力ディスプレイ
12,32 第1の円偏光素子
13,73,125 凹面鏡
13’ 反射型フレネルレンズ
14,21,74,85,115 ハーフミラー
15,34 第2の円偏光素子
16,22,35,76,128,143 偏光フィルタ
17,77 遮光板
23 減光フィルタ
33 透過型レンズ
51 平凸レンズ
61,91,111,121,141 液晶ディスプレイ
61B 直線偏光板
62R,82R,92R,112R,122R 右目用バックライト装置
62L,82L,92L,112L,122L 左目用バックライト装置
63R 右目用偏光フィルター
63L 左目用偏光フィルター
64,94,114,124,145 照明用レンズ
65,146 空間分割フィルター
65L 偏光方向回転部
65N 偏光方向非回転部
65B 直線偏光板
66,86,96,116,147 空中像結像レンズ
67 情報処理手段
68R 右用スキャンコンバータ
68L 左用スキャンコンバータ
69 信号スイッチング回路
72,75,123,126,127 円偏光素子
81R 右目用液晶ディスプレイ
81L 左目用液晶ディスプレイ
84R 右目照明用レンズ
84L 左目照明用レンズ
131 凹面ハーフミラー
142 バックライト装置
144 分割液晶シャッター
144R 右目用領域
144L 左目用領域
148 位置検出部
148a 赤外ランプ
148b 赤外検出手段
148c 信号処理回路
148d 液晶シャッター制御回路
MRIM 中間実像
EYE 眼球
RIM 空中像
RIM’,RIM’’ ゴースト像

Claims (42)

  1. 所定の画像を空中で結像させて空中像を表示する空中像表示装置であって、
    上記空中像として表示する物体を示す画像を表示する表示手段と、
    上記表示手段から出射された光線を上記空中像として結像させる光学部材と、
    外部から入射される外光を減光する減光手段とを備えること
    を特徴とする空中像表示装置。
  2. 上記減光手段は、上記光学部材と上記空中像の結像位置との間に配置された円偏光素子及び偏光フィルタを用いて構成されること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  3. 上記減光手段は、さらに上記光学部材と上記空中像の結像位置との間に配置されたハーフミラーを用いて構成されること
    を特徴とする請求項2記載の空中像表示装置。
  4. 上記光学部材は、反射型光学素子であり、
    上記円偏光素子及び上記偏光フィルタは、上記ハーフミラーに対して非平行に配置されていること
    を特徴とする請求項3記載の空中像表示装置。
  5. 上記表示手段の表示画面上に、他の円偏光素子を備えること
    を特徴とする請求項2記載の空中像表示装置。
  6. 上記減光手段は、上記光学部材と上記空中像の結像位置との間に配置された減光フィルタを用いて構成されること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  7. 上記減光手段は、さらに上記光学部材と上記空中像の結像位置との間に配置されたハーフミラーを用いて構成されること
    を特徴とする請求項6記載の空中像表示装置。
  8. 上記光学部材は、反射型光学素子であり、
    上記減光フィルタは、上記ハーフミラーに対して非平行に配置されていることを特徴とする請求項7記載の空中像表示装置。
  9. 上記減光手段は、さらに上記光学部材と上記空中像の結像位置との間に配置された偏光フィルタを用いて構成されること
    を特徴とする請求項6記載の空中像表示装置。
  10. 上記減光手段は、さらに上記光学部材と上記空中像の結像位置との間に配置されたハーフミラーを用いて構成されること
    を特徴とする請求項9記載の空中像表示装置。
  11. 上記光学部材は、反射型光学素子であり、
    上記減光フィルタ及び上記偏光フィルタは、上記ハーフミラーに対して非平行に配置されていること
    を特徴とする請求項10記載の空中像表示装置。
  12. 外部から入射される外光を遮光する遮光手段を備えること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  13. 上記表示手段の表示画面上に、当該表示手段から出射される光線を屈折させる光学系を備えること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  14. 上記光学系は、平凸レンズ、又はフレネルレンズであること
    を特徴とする請求項13記載の空中像表示装置。
  15. 上記光学部材は、反射型光学素子であること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  16. 上記減光手段は、上記反射型光学素子の光軸上に配置されていること
    を特徴とする請求項15記載の空中像表示装置。
  17. 上記反射型光学素子は、凹面鏡であること
    を特徴とする請求項15記載の空中像表示装置。
  18. 上記反射型光学素子は、反射型フレネルレンズであること
    を特徴とする請求項15記載の空中像表示装置。
  19. 上記光学部材は、透過型光学素子であること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  20. 上記透過型光学素子は、透過型レンズであること
    を特徴とする請求項19記載の空中像表示装置。
  21. 上記透過型光学素子は、透過型フレネルレンズであること
    を特徴とする請求項19記載の空中像表示装置。
  22. 上記表示手段は、偏光出力型のディスプレイであること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  23. 上記表示手段は、直視型ディスプレイであること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  24. 上記表示手段は、投射型ディスプレイであること
    を特徴とする請求項1記載の空中像表示装置。
  25. 所定の画像を空中で結像させて空中像を表示する空中像表示装置であって、
    第一の画像および第二の画像を投影して両眼視差を有する画像を提示する視差表示部と、
    上記視差表示部から出射された光線を上記空中像として結像させる空中像結像部とを備え、
    上記視差表示部と上記空中像結像部とを一つの光軸上に配置したこと
    を特徴とする空中像表示装置。
  26. 上記視差表示部は、
    光を透過して画像を表示する透過型画像表示手段と、
    上記透過型画像表示手段に透過光を照射する背面光源とを備えること
    を特徴とする請求項25記載の空中像表示装置。
  27. 上記背面光源から射出された光線を屈折させる光源用光学部材を備えることを特徴とする請求項26記載の空中表示装置。
  28. 上記視差表示部は、
    上記背面光源と上記透過型画像表示手段との間に配置された互いに偏光方向が異なる第一の偏光板および第二の偏光板と、
    上記第一の偏光板を透過した光で上記第一の画像を表示させ、上記第二の偏光板を透過した光で上記第二の画像を表示させる分割フィルターとを備えること
    を特徴とする請求項26記載の空中像表示装置。
  29. 上記分割フィルターは、
    偏光方向を変化させて光を透過する偏光方向回転部と、
    偏光方向を変化させずに光を透過する偏光方向非回転部と、
    所定の偏光方向の光のみを透過する第三の偏光板とを備えること
    を特徴とする請求項28記載の空中像表示装置。
  30. 上記視差表示部が、
    上記第一の画像を表示する第一の画像表示部と、
    上記第二の画像を表示する第二の画像表示部とを備えること
    を特徴とする請求項25記載の空中像表示装置。
  31. 上記視差表示部が、
    上記第一の画像表示部から射出された上記第一の画像を反射し、上記第二の画像表示部から射出された上記第二の画像を透過して、上記第一の画像と上記第二の画像とを同一の光軸上に表示するハーフミラーを備えること
    を特徴とする請求項30記載の空中像表示装置。
  32. 上記視差表示部が、
    時間変化に応じて上記第一の画像と上記第二の画像とを切り替えて表示する画像表示部を有すること
    を特徴とする請求項25記載の空中像表示装置。
  33. 上記空中像結像部は、反射型光学素子であること
    を特徴とする請求項25記載の空中像表示装置。
  34. 上記反射型光学素子は、凹面鏡であること
    を特徴とする請求項33記載の空中像表示装置。
  35. 上記空中像結像部は、透過型光学素子であること
    を特徴とする請求項25記載の空中像表示装置。
  36. 上記透過型光学素子は、透過型レンズであること
    を特徴とする請求項35記載の空中像表示装置。
  37. 上記空中像結像部が、
    上記空中像を結像する側に上記視差表示部から射出された光線を反射すると共に、上記空中像を結像する側と反対側である背景側からの光を透過する半透過型反射板を備えること
    を特徴とする請求項25記載の空中像表示装置。
  38. 鑑賞者と上記空中結像部との位置関係を検出する位置検出部と、
    上記位置検出部が検出した上記鑑賞者の位置に応じて、上記視差表示部が上記第一の画像および上記第二の画像を表示する位置を変更する表示位置変更手段とを備えること
    を特徴とする請求項25記載の空中像表示装置。
  39. 上記位置検出部が、
    上記鑑賞者に対して赤外線を照射する赤外照射手段と、
    上記鑑賞者で反射された上記赤外線を検出する赤外光検出手段とを備えること
    を特徴とする請求項38記載の空中像表示装置。
  40. 上記視差表示部は、
    光を透過して画像を表示する透過型画像表示手段と、
    上記透過型画像表示手段に透過光を照射する背面光源と、
    上記背面光源と上記透過型画像表示手段との間に配置され、互いに偏光方法が異なる第一の偏光領域と第二の偏光領域との面積を変化させる偏光領域制御フィルターと、
    上記第一の偏光領域を透過した光で上記第一の画像を表示させ、上記第二の偏光領域を透過した光で上記第二の画像を表示させる分割フィルターとを備えること
    を特徴とする請求項39記載の空中像表示装置。
  41. 上記分割フィルターは、
    偏光方向を変化させて光を透過する偏光方向回転部と、
    偏光方向を変化させずに光を透過する偏光方向非回転部と、
    所定の偏光方向の光のみを透過する第三の偏光板とを備えること
    を特徴とする請求項40記載の空中像表示装置。
  42. 上記赤外線検出手段が上記偏光領域制御フィルターの上記鑑賞者側に配置され、
    上記偏光領域制御フィルターが、上記赤外線検出手段が検出した赤外線の強度が最大となる位置を上記第一の偏光領域と上記第二の偏光領域の境界とすること
    を特徴とする請求項40記載の空中像表示装置。
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