JP2021060564A - 虚像表示装置及び表示制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】視認性が高い立体映像を表示する。【解決手段】虚像表示装置としてのHUD10は、アイボックスEB内に右眼及び左眼を位置させたドライバに対して、虚像による立体映像を提供する。HUD10は、複数の光源を有し、アイボックスEBのうち各光源に個別対応した部分的領域を各光源が照明する照明部と、各光源から発光された表示光が重複可能な空間に配置され、表示光の少なくとも一部を遮光することによって画像を形成するLCDパネル31と、を備える。照明部は、右眼の配置が想定される部分的領域を照明する右眼照明光源と、左眼の配置が想定される部分的領域を照明する左眼照明光源とが、時間的に交互に発光可能な構成である。LCDパネル31は、右眼照明光源の発光に同期させて、右眼に対応した右眼用視差画像を表示すると共に、左眼照明光源の発光に同期させて、左眼に対応した左眼用視差画像を表示する。【選択図】図10

Description

この明細書による開示は、虚像表示装置及び表示制御装置に関する。
特許文献1に開示された虚像表示装置では、複数の光源がレンズにより集光され、アイボックスのうち個別対応した部分的領域を照明する。複数の光源のうち、視認者の右眼の配置が想定される部分的領域を照明する右眼照明光源と、左眼の配置が想定される部分的領域を照明する左眼照明光源とが同時点灯し、他は消灯する。画像形成パネルは、各光源から発光された表示光が重複する空間に配置され、表示光の少なくとも一部を遮光することによって、虚像として結像される画像を形成する。
国際公開第2017/002344号
しかしながら、特許文献1のような同時点灯では、視認性が高い立体映像を表示することが困難であった。また同時点灯では、制御的に発熱量を低減させる余地があった。
また近年、画像形成デバイスの大画面化が進んでおり、レンズ集光でバックライトを構成する特許文献1では、画像形成デバイスを照明するために光源数が増加してしまうことが懸念されている。光源数が増加すると、やはり発熱量が増加する問題が発生し、また、装置が大型化する問題、光源を制御するための回路が複雑化する問題、部品点数増加によるコスト増大の問題等が発生し得る。
この明細書の開示による目的のひとつは、視認性が高い立体映像を表示する虚像表示装置及び表示制御装置を提供することにある。
また、この明細書の開示による目的の他のひとつは、少ない光源数で大画面を実現する虚像表示装置を提供することにある。
また、この明細書の開示による目的の他のひとつは、発熱量を低減させる虚像表示装置を提供することにある。
ここに開示された態様のひとつは、表示光を投影部(3a)に反射させてアイボックス(EB)に到達させるように、投影部に表示光を投影し、アイボックス内に右眼及び左眼を位置させた視認者に対して、虚像(ViR,ViL)による立体映像を提供する虚像表示装置であって、
アイボックスを照明する照明部であって、表示光を発光する複数の光源(13a〜d)を有し、アイボックスのうち各光源に個別対応した部分的領域(PAa〜d)を各光源が照明する照明部(11)と、
表示光が照明部から投影部へ至るまでの光路上において、各光源から発光された表示光が重複可能な空間に配置され、表示光の少なくとも一部を遮光することによって画像を形成する画像形成デバイス(31,231)と、を備え、
照明部は、複数の光源において、右眼の配置が想定される部分的領域(PAR)を照明する右眼照明光源(13R)と、左眼の配置が想定される部分的領域(PAL)を照明する左眼照明光源(13L)とが、時間的に交互に発光可能な構成であり、
画像形成デバイスは、右眼照明光源の発光に同期させて、右眼に対応した右眼用視差画像を表示すると共に、左眼照明光源の発光に同期させて、左眼に対応した左眼用視差画像を表示する。
このような態様の虚像表示装置によると、画像形成デバイスに表示される右眼用視差画像は、右眼照明光源の発光に同期して表示される。右眼照明光源は、アイボックスのうち右眼の配置が想定される部分的領域を照明する光源である。すなわち、右眼照明光源の発光時に、右眼用視差画像が表示されるので、アイボックス内に眼を位置させた視認者は、右眼にて右眼用視差画像を視認することができる。
同様に、画像形成デバイスに表示される左眼用視差画像は、左眼照明光源の発光に同期して表示される。左眼照明光源は、アイボックスのうち左眼の配置が想定される部分的領域を照明する光源である。すなわち、左眼照明光源の発光時に、左眼用視差画像が表示されるので、アイボックス内に眼を位置させた視認者は、左眼にて左眼用視差画像を視認することができる。
そして、照明部は、右眼照明光源と左眼照明光源とが時間的に交互に発光する構成である。こうした交互発光に同期して、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが交互表示されるので、視認者は、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが融像されることにより、視認性が高い立体映像を認識することができる。
また、開示された態様の他のひとつは、複数の光源(13a〜d)を有する照明部(11)が発光した表示光を、画像形成デバイス(31,231)が画像を形成するように少なくとも一部遮光した上で投影部(3a)へ投影し、投影された表示光を投影部に反射させてアイボックス(EB)に到達するようにし、アイボックス内に眼を位置させた視認者に対して、虚像(ViR,ViL)を表示する虚像表示装置(10)を制御する表示制御装置であって、
アイボックスのうち視認者の右眼の配置が想定される部分的領域(PAR)を照明する光源としての右眼照明光源(13R)と、アイボックスのうち視認者の左眼の配置が想定される部分的領域(PAL)を照明する光源としての左眼照明光源(13L)とを複数の光源の中から選定し、右眼照明光源と左眼照明光源とを時間的に交互に発光させる照明制御部(62)と、
画像形成デバイスに形成させる画像であって、右眼照明光源の発光に同期させて表示させる右眼に対応した右眼用視差画像のデータと、左眼照明光源の発光に同期させて表示させる左眼に対応した左眼用視差画像のデータとを、生成する視差画像生成部(66)と、を備える。
このような態様の表示制御装置によると、生成される右眼用視差画像のデータは、右眼照明光源の発光に同期させて画像形成デバイスに表示されるデータである。右眼照明光源は、アイボックスのうち右眼の配置が想定される部分的領域を照明する光源として、選定される。すなわち、虚像表示装置において右眼照明光源の発光時に、右眼用視差画像が表示されるので、アイボックス内に眼を位置させた視認者は、右眼にて右眼用視差画像を視認することができる。
同様に、生成される左眼用視差画像のデータは、左眼照明光源の発光に同期させて画像形成デバイスに表示されるデータである。左眼照明光源は、アイボックスのうち左眼の配置が想定される部分的領域を照明する光源として、選定される。すなわち、虚像表示装置において左眼照明光源の発光時に、左眼用視差画像が表示されるので、アイボックス内に眼を位置させた視認者は、左眼にて左眼用視差画像を視認することができる。
そして、虚像表示装置における照明部に対する制御は、右眼照明光源と左眼照明光源とを時間的に交互に発光させる制御である。こうした交互発光に同期して、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが交互表示されるので、視認者は、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが融像されることにより、視認性が高い立体映像を認識することができる。
また、開示された態様の他のひとつは、表示光を投影部(3a)に反射させてアイボックス(EB)に到達させるように、投影部に表示光を投影し、アイボックス内に眼を位置させた視認者に対して、虚像(Vi)を表示する虚像表示装置であって、
光源(13a〜d)が表示光を発光し、アイボックスを照明する照明部(11)と、
表示光が照明部から投影部へ至るまでの光路上において、照明部にて発光された表示光が通過する空間に配置され、表示光の少なくとも一部を遮光することによって画像を形成するパネル状の画像形成デバイス(31,231)と、
照明部と画像形成デバイスとの間の光路上において、表示光を画像形成デバイス側へ導く導波路であって、照明部からの表示光の幅を拡大した上で表示光を画像形成デバイスに入射させる導波路(21)と、を備える。
このような態様の虚像表示装置によると、アイボックスを照明する照明部と画像形成デバイスとの間の光路上には、表示光を画像形成デバイス側へ導く導波路が設けられる。この導波路を経た表示光は、照明部からの入射時よりも幅が拡大された上で、画像形成デバイスへ入射される。したがって、パネル状の画像形成デバイスにて大画面を形成するために、通過対象である表示光に広い照明面積を要求している場合であっても、導波路の表示光幅の拡大作用によって、照明部にて予め広い照明面積を用意する必要性を低減させることができる。すなわち、光源数を抑制した照明部の構成であっても、画像形成デバイスの通過時には表示光の幅を十分に拡大できているので、大画面を容易に実現することができる。
また、開示された態様の他のひとつは、表示光を投影部(3a)に反射させてアイボックス(EB)に到達させるように、投影部に表示光を投影し、アイボックス内に右眼及び左眼を位置させた視認者に対して、虚像(Vi)を表示する虚像表示装置であって、
表示光を発光する複数の光源(13a〜d)を有し、アイボックスのうち各光源に個別対応した部分的領域(PAa〜d)を各光源が照明する照明部であって、複数の光源のうち点灯対象光源を点灯させ、それ以外を消灯させる照明部(11)と、
表示光が照明部から投影部へ至るまでの光路上において、各光源から発光された表示光が重複可能な空間に配置され、表示光の少なくとも一部を遮光することによって画像を形成する画像形成デバイス(31,231)と、を備え、
照明部は、複数の光源において、右眼の配置が想定される部分的領域(PAR)を照明する右眼照明光源(13R)と、左眼の配置が想定される部分的領域(PAL)を照明する左眼照明光源(13L)との間にて、時間的に交互に点灯対象光源を切り替える。
このような態様によると、複数の光源のうち点灯対象光源は、右眼照明光源と左眼照明光源との間にて切り替わる。右眼照明光源は、アイボックスのうち右眼の配置が想定される部分的領域を照明する光源であるから、右眼照明光源の点灯時には、右眼に表示光を到達させることができる。同様に、左眼照明光源は、アイボックスのうち左眼の配置が想定される部分的領域を照明する光源であるから、左眼照明光源の点灯時には、左眼に表示光を到達させることができる。
こうした点灯対象光源の切替状態下、画像形成デバイスは、表示光が照明部から投影部へ至るまでの光路上において、各光源から発光された表示光が重複可能な空間に配置されている。故に、複数の光源のうち点灯対象光源以外が消灯され、点灯対象光源が点灯していても、画像形成デバイスを透過した表示光が右眼又は左眼のいずれかに到達するので、画像による虚像の表示状態は維持される。時間的に交互に点灯対象光源が切り替わるので、片眼への表示の偏りを抑制し、違和感の少ない虚像表示を実現できる。そして、点灯対象光源以外を消灯する分、照明部における発熱量を低減することができる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
第1実施形態の表示システムの全体像を示す図である。 第1実施形態のHUD装置の車両への搭載状態を示す図であって、車両左方から右方へ向かってみた図である。 第1実施形態のHUD装置の車両への搭載状態を示す図であって、車両上方から下方へ向かってみた図である。 第1実施形態の照明部及び導波路を概略的に示す斜視図である。 第1実施形態の照明部及び導波路を示す断面図である。 第1実施形態の導波路を示す平面図である。 第1実施形態の入力ポート及び拡張ポートにおける回折格子構造を説明するための図である。 第1実施形態の出力ポートにおける回折格子構造を説明するための図である。 第1実施形態のHUDによる光学系を概略的に示す図である。 第1実施形態のHCU及びHUD等を示すブロック図である。 図9において、右眼用視差画像と同期して右眼照明光源が発光した状態を示す図である。 図9において、左眼用視差画像と同期して左眼照明光源が発光した状態を示す図である。 第1実施形態のHCUによる処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態における図2に対応する図である。 第2実施形態における図10に対応する図である。 第2実施形態におけるカラーLCDパネルとモノクロLCDパネルとの関係を説明するための図である。 変形例6の導波路の詳細を説明するための図である。 変形例8の導波路の詳細を説明するための図である。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1,2に示すように、本開示の第1実施形態による虚像表示装置は、車両1に搭載されるように構成され、当該車両1のインストルメントパネル2内に収容されるヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)10となっている。HUD10は、車両1のウインドシールド3に設けられた投影部3aへ向けて表示光を投影する。HUD10は、表示光を投影部3aにて反射させることで、表示光をアイボックスEBに到達させる。これにより、アイボックスEB内に眼を位置させた視認者としての乗員(例えばドライバ)は、当該表示光を虚像Viとして知覚する。
HUD10は、表示システム9を、ドライバステータスモニタ(Driver Status monitor、DSM)40及びHCU(Human Interface Control Unit)50等と共に構成している。HUD10は、HCU50により、虚像Viの表示を制御される。本実施形態では、図3に示すように、ドライバは、右眼により視認される虚像ViRと、当該虚像ViRとは異なる、左眼により視認される虚像ViLとが融像されて確認可能となる立体映像を認識することとなる。そして、ドライバは、立体映像によって各種情報を得ることができる。
以下において、特に断り書きがない限り、前、後、上、下、右、左の方向は、水平面上の車両1を基準として記載される。
図2に示す車両1のウインドシールド3は、例えばガラスないし合成樹脂により透光性の板状に形成された透過部材である。ウインドシールド3は、インストルメントパネル2よりも上方に配置されている。ウインドシールド3は、前方から後方へ向かう程、インストルメントパネル2とは離間するように傾斜して配置されている。ウインドシールド3は、表示光が投影される投影部3aを、滑らかな凹面状又は平面状に形成している。こうした投影部3aは、表示光を表面反射するように構成されている。
なお、投影部3aは、ウインドシールド3に反射型のホログラフィック光学素子が設けられることによって、表面反射に代えて、干渉縞による回折反射で表示光を視認領域へ向けて反射するように構成されていてもよい。また、投影部3aは、ウインドシールド3に設けられていなくてもよい。例えば車両1と別体になっているコンバイナを車両1内に設置して、当該コンバイナに投影部3aが設けられていてもよい。
アイボックスEBは、HUD10により表示される虚像Viが所定の規格を満たすように(例えば虚像Vi全体が所定の輝度以上となるように)視認可能となる空間領域である。アイボックスEBは、典型的には、車両1に設定されたアイリプスと重なるように設定される。アイリプスは、両眼それぞれに対して設定され、ドライバの眼の位置の空間分布を統計的に表したアイレンジに基づいて、楕円体状の仮想的な空間として設定されている。
以下、表示システム9において、HUD10、DSM40、HCU50の具体的構成を順に説明する。HUD10は、ハウジング(図示は省略)及び表示器10aを含む構成である。ハウジングは、例えば合成樹脂ないし金属により、表示器10a等を収容する中空形状を呈しており、インストルメントパネル2内に設置されている。ハウジングは、投影部3aと上下に対向する上面部に、光学的に開口する窓部を有している。窓部は、例えば表示光を透過可能な防塵シートで覆われている。
表示器10aは、照明部11、導波路21、LCD(Liquied Crystal Display)パネル31、LCD制御回路38を含む構成である。照明部11は、導波路21及びLCDパネル31を通じて、アイボックスEBを照明する。照明部11は、LEDアレイ12、LED発光回路14及びコンデンサレンズ15を有する。LEDアレイ12及びLED発光回路14は、例えばガラスエポキシ樹脂等の合成樹脂を基材とした平板状のリジッド基板に実装されている。
LEDアレイ12は、図4,5に示すように、複数(例えば4つ)のLED素子13a,13b,13c,13dを配列して形成されている。LED素子13a〜dは、点状光源であり、例えばチップ状の青色発光ダイオードを、透光性を有する合成樹脂に黄色蛍光剤を混合した黄色蛍光体により封止することにより形成されている。青色発光ダイオードから電流量に応じて発せられる青色光により、黄色蛍光体が励起されて黄色光が発光される。青色光と黄色光との混合により、結果的に、LED素子13a〜dから白色(より詳細には疑似白色)の表示光が発光される。
LEDアレイ12は、2次元配列の光源配列構成でもよいが、特に本実施形態では、複数のLED素子13a〜dは、1方向のアレイ化方向Da(図2,5参照)に直線状に配列された光源配列構成である。アレイ化方向Daは、車両1の左右方向に沿うように設定されている。
図5に示すLED発光回路14は、各LED素子13a〜dの点灯及び消灯を個別に切り替え、LED素子13a〜dのいずれかが点灯する場合には、点灯対象に印加する電流量を制御する回路である。LED発光回路14によるLEDアレイ12の制御機能は、古典的なアナログ回路、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等によってハードウエア的に実現されてもよい。また、LED発光回路14は、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、記憶部等を備えてもよく、この場合にLEDアレイ12の制御機能は、プロセッサが記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現されてもよい。
LED発光回路14は、HCU50からの入力信号に応じて、各LED素子13a〜dの点灯及び消灯を切り替える。すなわち、各LED素子13a〜dの点灯及び消灯は、実質的にHCU50によって制御される。
コンデンサレンズ15は、LEDアレイ12から発光される表示光を集光して導波路21へ入射させる正の光学パワーを有する光学素子である。コンデンサレンズ15は、例えば平凸レンズであり、入射側光学面15aを平面状に形成し、射出側光学面15bを凸湾曲面状に形成した単レンズである。さらに、コンデンサレンズ15は、射出側光学面15bを非球面形状とした非球面レンズとなっている。
コンデンサレンズ15の光軸15cは、入射側光学面15aをその法線方向に貫き、かつ射出側光学面15bの頂点を通る。さらにコンデンサレンズ15の光軸15cは、LEDアレイ12の配列の中心を通り、各LED素子13a〜dの発光強度がピークとなる発光ピーク方向に沿うように配置される。
各LED素子13a〜dから発せられる表示光は、コンデンサレンズ15の射出側光学面15bにて屈折により集光される。照明部11は、仮に各LED素子13a〜dを同時点灯させたとすれば、コンデンサレンズ15と導波路21の入力ポート23(後に詳述する)との間の空間において、各LED素子13a〜dから発光された表示光の主光線がコンデンサレンズ15の光軸15c又はその延長線上の1点にて交わる構成である。さらに光軸15cの延長線は、入力ポート23と垂直に交わる。
各LED素子13a〜d間で入力ポート23への主光線の入射角は、互いに異なるように構成されている。さらに各LED素子13a〜d間で入力ポート23への主光線の入射位置は、互いに異なるように構成されている。この入射角及び入射位置のずれは、例えばアレイ化方向Daと、光軸15cの延伸方向を含む仮想平面上で生ずる。
図2〜6に示す導波路21は、表示光が照明部11から投影部3aへ至るまでの光路上のうち、照明部11とLCDパネル31との間に配置されている。導波路21は、例えばガラスないし合成樹脂により形成された透光性の板状基材22の板表面22a,22bに、入力ポート23、拡張ポート25、及び出力ポート27が設けられて平板状に形成されている。図5に示すように、導波路21は、入力ポート23を照明部11におけるコンデンサレンズ15の射出側光学面15bと対向させている。換言すると、入力ポート23は、板状基材22のうち、LCDパネル31とは反対側を向く板表面22aに設けられている。
一方、拡張ポート25及び出力ポート27は、板状基材22のうち、LCDパネル31側を向く板表面22bに設けられている。拡張ポート25は、図5,6に示すように、入力ポート23に対して例えば右方又は左方にずれた位置に、入力ポート23とは板厚方向の重なりを避けるように、配置されている。出力ポート27は、拡張ポート25に対して、前方又は後方にずれた位置に、入力ポート23及び拡張ポート25とは板厚方向の重なりを避けるように、配置されている。
このような導波路21の板表面22a,22bに沿う仮想平面上にて、入力ポート23と拡張ポート25とを結ぶ第1拡張方向De1が、車両1の左右方向に沿うように定義される。同様の仮想平面状にて、拡張ポート25と出力ポート27とを結ぶ第2拡張方向De2が、第1拡張方向De1直交するように定義される。
板状基材22における入力ポート23側の板表面22aと、拡張ポート25及び出力ポート27側の板表面22bとは、互いに実質平行に配置されると共に、各々平面状かつ表示光を反射によって導光可能な鏡面状に形成されている。
入力ポート23は、拡張ポート25及び出力ポート27よりも、表面積が小さくなるように、矩形状に形成されている、入力ポート23は、板状基材22よりも薄く形成され、板表面22aに対して接合されている。入力ポート23には、LEDアレイ12により発光された表示光がコンデンサレンズ15を介して入射される、入力ポート23は、当該表示光を導波路21の内部へと導入する。本実施形態の入力ポート23には、回折光学素子(Diffractive Optical Element、DOE)の一種である回折格子構造24が採用されている。
回折格子構造24は、例えば、図7に拡大して示すように、第2拡張方向De2に直線状に延伸したプリズム状の延伸構造24bが第1拡張方向D1に沿って周期的に配列されることで、格子状に形成されている。回折格子構造24は、延伸構造24bの配列ピッチ及び構造の高さを、表示光の各波長を考慮して適切に設定させていると共に、例えばブレーズ化されている。こうして回折次数が1次である1次回折光の回折効率が他の次数の回折光の回折効率よりも高くなるように形成されている。そして、表示光が回折格子構造24に入射した際に、1次回折光は、後に板表面22a,22bに対して全反射され得る角度で、板状基材22の内部かつ拡張ポート25側へ向けて回折される。そして、1次回折光は、板表面22a,22bの間を全反射されながら往復し、拡張ポート25へと順次到達する。
拡張ポート25は、入力ポート23から遠ざかるように、第1拡張方向De1に沿って延伸する矩形状又は台形状に形成される。この第1拡張方向De1は、LEDアレイ12のアレイ化方向Daに合わせられている。すなわち、第1拡張方向De1がアレイ化方向Daと一致するか、アレイ化方向Daに対して10度以下の角度を成すように角度ずれが規制されている。さらに第1拡張方向De1及びアレイ化方向Daは、車両1の左右方向に沿っている。拡張ポート25は、板状基材22よりも薄く形成され、板表面22bに対して接合されている。本実施形態の拡張ポート25には、回折光学素子の一種である回折格子構造26が採用されている。
回折格子構造26は、例えば、図7に拡大して示すように、第1拡張方向De1に対する斜め方向Ddに直線状に延伸したプリズム状の延伸構造24bが当該方向Ddとは直交する直交方向に周期的に配列されることで、格子状に形成されている。例えば第1拡張方向De1と第2拡張方向De2とが90度の角度をなす本実施形態では、方向Ddは、90度の半角である45度の方向を、方向De1に対してなしている。回折格子構造26は、入力ポート23の回折格子構造24と同様に、特定次数の回折光(例えば1次回折光)の回折効率が他の次数の回折効率よりも高くなるように形成されている。
そして、表示光が入力ポート23から拡張ポート25の回折格子構造26に入射した際に、1次回折光は、後に板表面22a,22bにて全反射され得る角度で、板状基材22の内部へ向けて回折される。このとき、方向Ddが入力ポート23からの表示光が進む第1拡張方向De1に対して傾斜していることで、表示光は、板状基材22の内部において、実質的に、第2拡張方向De2に向かって出力ポート27へ向かう成分と、第1拡張方向D1に沿って拡張ポート25のうち入力ポート23からより遠ざかる成分とに実質的に分かれる。この結果、表示光が、その幅を拡張ポート25にて第1拡張方向De1に拡張されると共に、第2拡張方向De2に偏向されていく。
第2拡張方向De2に偏向された光は、入力ポート23での回折と同様に、板表面22a,22bにて全反射される角度に進むことで、板表面22a,22bの間を全反射されながら往復し、出力ポート27へと逐次到達する。
出力ポート27は、拡張ポート25から遠ざかるように、第2拡張方向De2に沿って延伸することによって、矩形状に形成されている。この出力ポート27の形状が、LCDパネル31の形状及びサイズに概ね対応している。出力ポート27は、板状基材22よりも薄く形成され、板表面22bに対して接合されている。本実施形態の出力ポート27には、回折光学素子の一種である回折格子構造28が採用されている。
回折格子構造28は、図8に拡大して示すように、第2拡張方向De2と直交する第1拡張方向De1に沿って延伸するプリズム状の突起構造28aが互いに間隔を空けて周期的に配列されている。各突起構造28aの間には、突起構造28aの先端とは段差をなす平面状の平面構造28bが形成されていることにより、突起構造28aと平面構造28bとがストライプ状に交互配置されている。回折格子構造28にて、突起構造28aの配列ピッチ及び構造の高さは、表示光の各波長を考慮して適切に設定される。これにより、回折次数が0次である0次回折光と、回折次数が1次である1次回折光とが、異なる方向に所定の比率で分岐されるように、各々の回折効率が設定されている。0次回折光は、実質的に平面構造28bに対する表面反射光に一致する。
回折格子構造28は、拡張ポート25により導光された表示光が入射した際に、0次回折光を、板状基材22の内部かつ拡張ポート25からより遠ざかる方向へ回折させる。この0次回折光は、板表面22aに全反射されて、出力ポート27において拡張ポート25に対してより遠い位置に到達する。その一方で、回折格子構造28は、1次回折光を、板状基材22の外部、すなわち導波路21の外部へ向けて回折させる。この結果、表示光は、出力ポート27にてその幅を0次回折光によって第2拡張方向De2に拡張されると共に、出力ポート27の各箇所から1次回折光によって導波路21の外部であるLCDパネル31へ向けて射出される。
このようにして、光(電磁波)の伝送路としての導波路21は、表示光の幅を第1拡張方向De1及び第2拡張方向De2に拡張すると共に、当該表示光を光路上のLCDパネル31側へ導く。換言すると、導波路21は、LED素子13a〜dから発光されたそれぞれの表示光がLCDパネル31における光学的開口部34の略全域を通過可能なように、表示光のビーム幅を拡張するビームエキスパンダとして機能している。本実施形態におけるビーム幅は、ビームのうち、最大強度の1/e倍となる位置を外縁として規定される幅である。
図2に示すLCDパネル31は、表示光が照明部11から投影部3aへ至るまでの光路上のうち、導波路21と投影部3aとの間に配置されている。LCDパネル31は、表示光の少なくとも一部を遮光し、他部を透過することによって画像を形成するパネル状の画像形成デバイスである。本実施形態のLCDパネル31は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用いたLCDパネルであって、2次元方向に配列された複数の画素により表示画面33を形成するアクティブマトリクス型の透過型LCDパネルとなっている。LCDパネル31は、矩形状の表示画面33に画像を実像表示する。
LCDパネル31には、一対の偏光板及び当該一対の偏光板に挿まれた液晶層等が積層されている。一対の偏光板はその偏光軸を互いに実質直交するように配置されている。液晶層では、画素毎の電圧印加により、印加電圧に応じて液晶層を透過する光の偏光方向を回転させることが可能となっている。こうして、画素毎に、表示画面側の偏光板を透過する光の透過率が制御される。
したがって、LCDパネル31は、導波路21側の表面である照明対象面32を当該導波路21からの表示光により照明され、画素毎の透過率が制御されることで、表示画面33に画像を表示することが可能である。すなわち、表示光の少なくとも一部が遮光されることによって、画像が形成される。透過率が高い、すなわち遮光量が少ない画素は、高い輝度にて表示される。透過率が低い、すなわち遮光量が多い画素は、低い輝度にて表示される。
画素は、互いに異なる色のカラーフィルタ(例えば赤、緑及び青)が順に配置された複数のサブ画素を含んで構成されている。これらサブ画素の組み合わせにより、様々な色が表現される。すなわち本実施形態のLCDパネル31は、カラー画像を表示可能である。
表示画面33は、その長手方向を車両1の左右方向に沿わせるように配置され、上方のウインドシールド側を向いていることにより、表示光は、各画素から上方へと射出されるように発光する。
導波路21とLCDパネル31とは、HUD10の体格拡大抑制のために、互いに平行に配置される。ところが、出力ポート27にて1次回折光の回折方向がLCDパネル31の法線方向に対して斜め方向となることで、表示光はLCDパネル31の光学的開口部34を斜めに通過可能となる。斜め透過が実現されることにより、表示光と、LCDパネル31の表示画面33に上方から降り注いで当該表示画面33にて上方へ反射される太陽光等の外光とは、光学的に分離される。したがって、表示画面33にて反射される外光がアイボックスEBに到達してしまい、当該アイボックスから立体映像を視認するドライバが眩しさや立体映像のコントラスト低下を実感する事態は、抑制される。
図2に示すLCD制御回路38は、LCDパネル31の各画素の透過率を制御することで、表示画面33上に表示される画像を構成する回路である。LCD制御回路38による画像制御機能は、古典的なアナログ回路、FPGA等によってハードウエア的に実現されてもよい。また、LCD制御回路38は、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、記憶部等を備えてもよく、この場合に画像制御機能は、プロセッサが記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現されてもよい。
LCD制御回路38は、HCU50からの制御信号に応じて、各画素の透過率を設定する。すなわち、表示画面33上の画像は、実質的にHCU50によって制御される。
図9に示すように、LEDアレイ12の構成要素であるLED素子13a〜dのそれぞれは、導波路21のビーム幅拡張機能によって、LCDパネル31の照明対象面32のうち実質全面を照明する。なお、図9は、導波路21が模式的に台形にて表現され、集光要素等も省略された模式的な図であって、表示光の幅を示す線も厳密なものではない。
換言すると、LCDパネル31にて照明対象面32と表示画面33との間を貫通し、表示光の通過を可能とするように形成された光学的開口部34は、各LED素子13a〜dから発光された表示光が、互いに重複可能な空間に配置されている。表示光が互いに重複可能な空間とは、仮に全てのLED素子13a〜dが同時点灯した場合に、全てのLED素子13a〜dから発光された表示光が、互いに重複する空間である。表示光が重複しているか否かは、光路に垂直な断面において、各表示光のビーム幅で規定される領域が、重複しているかどうかで判断可能である。
光学的開口部34の透過後、各LED素子13a〜dからの表示光のそれぞれは、導波路21への入射角及び入射位置が互いに異なっていたこと等により、次第に重複の度合を低下させる。各表示光が投影部3aにて反射され、アイボックスEBに到達する際には、表示光の多くが重複せず、互いにずれた領域に到達する。換言すると、LED素子13a〜dのそれぞれは、アイボックスEBのうち各LED素子13a〜dに個別対応した部分的領域PAa〜dを照明する。換言すると、本実施形態の照明部11は、複数のLED素子13a〜dによって、アイボックスEBを分割照明する構成である。
具体的に、LED素子13aは部分的領域PAaを照明する。LED素子13bは部分的領域PAbを照明する。LED素子13cは部分的領域PAcを照明する。LED素子13bは部分的領域PAdを照明する。ここでいう部分的領域PAa〜dは、仮にLCDパネル31が表示画面33全体に矩形状の白色画像を表示する(すなわち各画素の透過率が最大となる)場合に、対象のLED素子13a〜dの光が到達するアイボックスEB中の領域である。
LED素子13a〜dに個別対応する複数の部分的領域PAa〜dは、アイボックスEBにおいて互いに車両1の左右方向にずれた領域である。換言すると、部分的領域PAa〜dは、ドライバの両眼が並ぶ方向にずれている。複数の部分的領域PAa〜d間にて照明の連続性を担保するため、部分的領域は、隣接する別の部分的領域に対して、重複領域を有していてもよい。通常、互いに隣接する部分的領域に対応するLED素子同士は、LEDアレイ12において隣接して配置されている。各部分的領域PAa〜dの左右の幅は、1つの部分的領域がドライバの両眼を同時に包含することを避けるため、ヒトの成人の標準的な瞳孔間距離よりも小さくされ、例えば60mm未満とされる。
図2,3に示すDSM40は、表示システム9において、アイボックスEBを撮影し、その画像を解析することで、ドライバの右眼の位置PER及び左眼の位置PELを検出し、さらには、ドライバの居眠りやわき見を監視する。DSM40は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニット等を含む構成である。DSM40は、運転席のヘッドレスト部に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部の上面又はインストルメントパネル2の上面等に設置されている。DSM40は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、右眼の位置PER、左眼の位置PEL等の情報を撮像画像から抽出し、抽出した眼球位置の情報をHCU50へ逐次提供可能である。
HCU50は、表示システム9において、HUD10を含む車載表示デバイスによる表示を統合的に制御する電子制御装置である。図1に示すようにHCU50は、処理部51、RAM(Random Access Memory)52、記憶部53、入出力インターフェース54、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。処理部51は、RAM52と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部51は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)及びRISC(Reduced Instruction Set Computer)等の演算コアを少なくとも1つ含む構成である。処理部51は、FPGA及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってもよい。RAM52は、映像生成のためのビデオRAMを含む構成であってもよい。
処理部51は、RAM52へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現するための種々の処理を実行する。記憶部53は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部53には、処理部51によって実行される種々のプログラム(表示制御プログラム等)が格納されている。また、HCU50は、入出力インターフェース54を介して、車両システム4、DSM40、HUD10等と通信可能に接続されている。
HCU50は、記憶部53に記憶された表示制御プログラムを処理部51によって実行することで、HUD10による表示を制御するための複数の機能部を有する。具体的に図10に示すように、眼球位置特定部61、照明制御部62、コンテンツ情報取得部63、コンテンツ決定部64、仮想レイアウト部65、及び視差画像生成部66等の機能部が構築される。
眼球位置特定部61は、DSM40から取得する眼球位置の情報に基づき、立体映像を視認するドライバの右眼の位置PER及び左眼の位置PELを特定する。眼球位置特定部61は、アイボックスEBを基準とした座標系にて、右眼の位置PER及び左眼の位置PELを規定し、こうした規定により生成された座標情報を、照明制御部62に提供する。さらに眼球位置特定部61は、仮想レイアウト部65における3次元空間の座標系にて、右眼の位置PER及び左眼の位置PELを規定し、こうした規定により生成された座標情報を、仮想レイアウト部65に逐次提供する。
照明制御部62は、LED発光回路14を通じて、HUD10の照明部11を制御する。照明制御部62は、LEDアレイ12における複数のLED素子13a〜dとアイボックスEBにおける複数の部分的領域PAa〜dとの個別対応関係(図9参照)を、例えば記憶部53が備える対応関係データベースへのアクセスにより、把握可能である。
照明制御部62は、眼球位置特定部61から提供された右眼の位置PERの座標情報から、アイボックスEBのうち右眼の配置が想定される部分的領域PARを特定する。さらに照明制御部62は、この部分的領域PARを照明するLED素子を、LEDアレイ12の複数のLED素子13a〜dの中から例えば1つ選定する。以下、選定されたLED素子を、便宜的に右眼照明光源13Rと称する。
同様に、照明制御部62は、眼球位置特定部61から提供された左眼の位置PELの座標情報から、アイボックスEBのうち左眼の配置が想定される部分的領域PALを特定する。さらに照明制御部62は、この部分的領域PALを照明するLED素子を、LEDアレイ12の複数のLED素子13a〜dの中から例えば1つ選定する。以下、選定されたLED素子を、便宜的に左眼照明光源13Lと称する。右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとは、互いに別のLED素子である。
照明制御部62は、右眼照明光源13R及び左眼照明光源13Lの選定結果に基づき、右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとを時間的に交互に発光させるような、LED発光回路14へ出力する制御信号を生成する。具体的に、右眼照明光源13Rが点灯している間、複数のLED素子13a〜dのうち左眼照明光源13Lを含む右眼照明光源13R以外のLED素子は、消灯される。左眼照明光源13Lが点灯している間、複数のLED素子13a〜dのうち右眼照明光源13Rを含む左眼照明光源13L以外のLED素子は、消灯される。右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとの交互発光周期は、例えば毎秒120周期に固定される。生成された制御信号がLED発光回路14へ向けて出力されると、LEDアレイ12では、右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとが時間的に交互に発光される。
照明制御部62は、右眼照明光源13R及び左眼照明光源13Lの少なくとも一方を、他のLED素子13a〜dへ変更するような新規の座標情報が提供されると、制御信号の内容を変更することで、交互発光の対象となる光源13R,13Lを切り替える。
コンテンツ情報取得部63は、車両システム4等から、コンテンツ情報を取得する。コンテンツ情報には、所定の表示コンテンツを表示させるべき命令の情報、当該表示コンテンツが表示する表示内容の情報、表示コンテンツを重畳表示する上で必要な車両1の外界の情報等が含まれる。コンテンツ情報の提供元である車両システム4には、例えば車両1の自動運転又は高度運転支援を統括する車載の運転支援ECU、車両1の外界(周辺)を監視する周辺監視センサ、路上に固定されて車両1の運転に必要な情報を提供する又は車両1を遠隔制御する交通情報センタ、及びこれらの組み合わせ等が採用可能である。コンテンツ情報取得部63は、取得したコンテンツ情報を、コンテンツ決定部64へ提供する。
コンテンツ決定部64は、コンテンツ情報取得部63から提供されたコンテンツ情報に基づき、表示対象となる表示コンテンツを選定する。選定される表示コンテンツは、1つでもよく、2つ以上でもよく、場合によってはなくてもよい。コンテンツ決定部64は、表示対象に選定された表示コンテンツを、追従コンテンツとして表示するか、非追従コンテンツとして表示するか、すなわち表示コンテンツの追従態様を決定すると共に、立体映像として表示コンテンツが表示される際の奥行きを決定する。
追従コンテンツは、拡張現実(Augment Reality、AR)表示に用いられるAR表示物である。追従コンテンツの表示位置は、例えば路面、他車両、歩行者及び道路標識等、車両1の外界に存在する特定の重畳対象に関連付けられている。重畳対象は、ドライバから視認可能であっても、死角に隠れて視認不能であってもよい。追従コンテンツは、特定の重畳対象に重畳表示され、当該重畳対象に相対的に固定されているように、重畳対象を追従して、ドライバの両眼からの見た目上の表示位置を移動可能である。すなわち、車両1の移動又は重畳対象の移動に伴って、追従コンテンツの重畳対象との重畳状態が、継続的に維持される。追従コンテンツの表示位置のうち奥行きは、表示コンテンツが立体映像であることにより、車両1から重畳対象までの距離に関連付けられて、変位させることが可能である。
非追従コンテンツは、車両1の外界に重畳される表示物のうちで、追従コンテンツを除いた非AR表示物である。非追従コンテンツは、追従コンテンツとは異なり、特定の重畳対象に非重畳の状態で、車両1の外界に重畳表示される。非追従コンテンツは、特定の重畳対象を追従することなく、ウインドシールド3等の車両構成に相対的に固定されているように表示される。なお、車両1と重畳対象との位置関係により、非追従コンテンツであっても、偶発的ないし一時的に、歩行者等の重畳されることがある。非追従コンテンツの表示位置のうち奥行きは、虚像Viの奥行きと異なる奥行きとなっていてもよく、非追従コンテンツが立体化されないことによって虚像Viの奥行きと一致していてもよい。
仮想レイアウト部65は、立体映像による表示レイアウトを決定するために、眼球位置特定部61、車両システム4等により提供された情報に基づき、仮想の3次元空間(以下、仮想空間)をシミュレーションする。仮想レイアウト部65は、現在の車両1の周辺環境を仮想空間中に再現する。
より詳細に、仮想レイアウト部65は、仮想空間の基準位置に自車オブジェクトを設定する。仮想レイアウト部65は、車両1の周辺の道路モデルを、自車オブジェクトに関連付けて、仮想空間にマッピングする。仮想レイアウト部65は、他車両、歩行者等が存在している場合、他車オブジェクト、歩行者オブジェクト等を、車両1との相対位置に基づいて配置する。
加えて仮想レイアウト部65は、自車オブジェクトに関連付けて、仮想カメラ位置を設定する。仮想カメラ位置は、ドライバの眼の位置に対応する仮想位置であり、例えば両眼に対応して2つ設定される。仮想レイアウト部65は、眼球位置特定部61にて取得された最新の右眼の位置PER及び左眼の位置PELに基づき、仮想カメラ位置を逐次補正する。
さらに仮想レイアウト部65は、立体映像として表示する表示コンテンツに対応するコンテンツオブジェクトを、コンテンツ決定部64による奥行きの決定結果等に基づき、仮想空間上に配置する。
視差画像生成部66は、HUD10のLCDパネル31に逐次表示させる視差画像データを生成することで、HUD10によりドライバに認識させる立体映像を制御する。視差画像生成部66は、立体映像として表示される表示コンテンツを融像させるための元画像である視差画像を、立体映像を構成する個々のフレーム画像に描画する。視差画像生成部66は、右眼照明光源13Rの発光に同期させて表示させる右眼用視差画像のデータと、左眼照明光源13Lの発光に同期させて表示させる左眼用視差画像のデータとを、生成する。
右眼用視差画像は、仮想空間において、右眼に対応する仮想カメラ位置を基準とした描画により、生成される。すなわち、右眼に対応する仮想カメラ位置を基準としたオブジェクトの相対位置に基づき、表示コンテンツの描画位置が決定される。左眼用視差画像は、仮想空間において、左眼に対応する仮想カメラ位置を基準とした描画により、生成される。すなわち、左眼に対応する仮想カメラ位置を基準としたオブジェクトの相対位置に基づき、表示コンテンツの描画位置が設定される。
右眼用視差画像と左眼用視差画像とは、LCDパネル31に時間的に連続して表示されるフレーム画像に、交互に描画される。フレーム画像のフレームレートは、上述の交互発光周期に同調させた毎秒120フレームに設定される。そうすることで、右眼用視差画像及び左眼用視差画像は、それぞれ毎秒60フレームにて表示可能となる。すなわち、ドライバに表示のちらつきを感知させ難い短時間での切り替えにて、交互発光及び交互表示が実施される。
視差画像生成部66は、生成したフレーム画像のデータを、逐次LCD制御回路38に出力する。このとき、視差画像生成部66は、照明制御部62がLED発光回路14へ出力する制御信号の出力タイミングに合わせて、フレーム画像のLCD制御回路38への出力タイミングを設定してもよい。こうしたタイミング調整により、右眼用視差画像が右眼照明光源13Rの発光タイミングと同期して表示され、左眼用視差画像が左眼照明光源13Lの発光タイミングと同期して表示されるようになる。一方、視差画像生成部66がタイミング調整をしなくてもよく、例えばHUD10側にてLED発光回路14とLCD制御回路38とを連携させることで、タイミング調整が図られてもよい。
右眼用視差画像と左眼用視差画像とは、時間分割されて交互に表示される。図11に示すように、右眼照明光源13Rが点灯し、左眼照明光源13Lが消灯したタイミングで右眼用視差画像が表示される。換言すると、アイボックスEBのうち右眼が配置される部分的領域PARが照明され、左眼が配置される部分的領域PALが照明されない状態で右眼用視差画像が表示される。故にドライバは、右眼のみで右眼用視差画像による虚像ViRを視認する。
図12に示すように、左眼照明光源13Lが点灯し、右眼照明光源13Rが消灯したタイミングで左眼用視差画像が表示される。すなわちアイボックスEBのうち左眼が配置される部分的領域PALが照明され、右眼が配置される部分的領域PARが照明されない状態で左眼用視差画像が表示される。故にドライバは、左眼のみで左眼用視差画像による虚像ViLを視認する。なお、図11,12において、ドットハッチングにて示された部分は、表示光が通る範囲、又は表示光が到達する範囲を示す。
こうした虚像ViR,ViLによる立体映像表示方式では、表示画面33を、右眼用視差画像の表示領域と左眼用視差画像の表示領域とに領域分割する必要性が低減されている。特に本実施形態では、表示画面33の全画素を使用して各視差画像を表示することが可能となっているので、立体映像の解像度を可及的に高めることができる。
次に、HCU100の記憶部53に記憶された表示制御プログラムに基づき、虚像ViR,ViLによる立体映像の表示を制御する表示制御方法を、図13のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートに基づく一連の処理は、例えば車両1の電源がオン状態であり、HCU100及びHUD10等への給電が実施されている状態において、繰り返し実施される。
S11では、眼球位置特定部61は、DSM40にて検出された眼球位置の情報に基づき、ドライバの右眼の位置PERを特定する。S11の処理後、S12へ移る。なお、S11と並行して又は前後して、コンテンツ情報取得部63はコンテンツ情報を取得し、コンテンツ決定部64が表示コンテンツを決定してもよい。前回決定した表示コンテンツからの表示コンテンツの更新の必要性が認められない場合には、コンテンツ情報取得部63及びコンテンツ決定部64による処理は省略可能である。
S12では、S11にて特定された右眼の位置PERに応じて、仮想レイアウト部65及び視差画像生成部66の処理によってLCDパネル31に表示させる右眼用視差画像が生成される。これと共に、照明制御部62の処理によってLEDアレイ12のうち右眼照明光源13Rを点灯し、左眼照明光源13Lを含む他のLED素子を消灯する制御信号が生成される。S12の処理後、S13へ移る。
S13では、S12にて生成された右眼用視差画像及び制御信号がHUD10に出力され、LCDパネル31は、右眼照明光源13Rの発光に同期させて、右眼用視差画像を表示する。S13の処理後、S14へ移る。
S14では、眼球位置特定部61は、DSM40にて検出された眼球位置の情報に基づき、ドライバの左眼の位置PELを特定する。S14の処理後、S15へ移る。
S15では、S14にて特定された左眼の位置PELに応じて、仮想レイアウト部65及び視差画像生成部66の処理によってLCDパネル31に表示させる左眼用視差画像が生成される。これと共に、照明制御部62の処理によってLEDアレイ12の左眼照明光源13Lを点灯し、右眼照明光源13Rを含む他のLED素子を消灯する制御信号が生成される。S15の処理後、S16へ移る。
S16では、S15にて生成された左眼用視差画像及び制御信号がHUD10に出力される。S16を以って一連の処理を終了する。通常の場合、S16の処理後、S11の処理が即時開始される。
こうした表示制御の結果、HUD10にて右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとの交互発光と同期した右眼用視差画像及び左眼用視差画像の交互表示が実施される。ドライバは、右眼用視差画像による虚像ViRを右眼で視認し、左眼用視差画像による虚像ViLを左眼で視認することで、立体映像を認識することができる。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。
第1実施形態のHUD10によると、画像形成デバイスとしてのLCDパネル31に表示される右眼用視差画像は、右眼照明光源13Rの発光に同期して表示される。右眼照明光源13Rは、アイボックスEBのうち右眼の配置が想定される部分的領域PARを照明する光源である。すなわち、右眼照明光源13Rの発光時に、右眼用視差画像が表示されるので、アイボックスEB内に眼を位置させた視認者としてのドライバは、右眼にて右眼用視差画像を視認することができる。
同様に、LCDパネル31に表示される左眼用視差画像は、左眼照明光源13Lの発光に同期して表示される。左眼照明光源13Lは、アイボックスEBのうち左眼の配置が想定される部分的領域PALを照明する光源である。すなわち、左眼照明光源13Lの発光時に、左眼用視差画像が表示されるので、アイボックスEB内に眼を位置させたドライバは、左眼にて左眼用視差画像を視認することができる。
そして、照明部11は、右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとが時間的に交互に発光する構成である。こうした交互発光に同期して、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが交互表示されるので、視認者は、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが融像されることにより、視認性が高い立体映像を認識することができる。
また、第1実施形態のHCU50によると、生成される右眼用視差画像のデータは、右眼照明光源13Rの発光に同期させてLCDパネル31に表示されるデータである。右眼照明光源13Rは、アイボックスEBのうち右眼の配置が想定される部分的領域PARを照明する光源として、選定される。すなわち、HUD10において右眼照明光源13Rの発光時に、右眼用視差画像が表示されるので、アイボックスEB内に眼を位置させたドライバは、右眼にて右眼用視差画像を視認することができる。
同様に、生成される左眼用視差画像のデータは、左眼照明光源13Lの発光に同期させてLCDパネル31に表示されるデータである。左眼照明光源13Lは、アイボックスEBのうち左眼の配置が想定される部分的領域PALを照明する光源として、選定される。すなわち、HUD10において左眼照明光源13Lの発光時に、左眼用視差画像が表示されるので、アイボックスEB内に眼を位置させたドライバは、左眼にて左眼用視差画像を視認することができる。
そして、HUD10における照明部11に対する制御は、右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとを時間的に交互に発光させる制御である。こうした交互発光に同期して、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが交互表示されるので、ドライバは、右眼用視差画像と左眼用視差画像とが融像されることにより、視認性が高い立体映像を認識することができる。
また、第1実施形態によると、DSM40のカメラにより撮影されたアイボックスEBの撮像画像に基づく眼球位置の座標情報から、アイボックスEBのうち右眼の配置が想定される部分的領域PAR及びアイボックスEBのうち左眼の配置が想定される部分的領域PALが特定される。実際のドライバの右眼の位置PER及び左眼の位置PELの撮影結果に基づき、部分的領域PAR,PALが特定され、これらに対応する右眼照明光源13R及び左眼照明光源13Lが選定されるので、ドライバに対してより適切に立体映像を提供可能となる。
また、第1実施形態のHUD10によると、アイボックスEBを照明する照明部11とLCDパネル31との間の光路上には、表示光をLCDパネル31側へ導く導波路21が設けられる。この導波路21を経た表示光は、照明部11からの入射時よりも幅が拡大された上で、LCDパネル31へ入射される。したがって、パネル状のLCDパネル31にて大画面を形成するために、通過対象である表示光に広い照明面積を要求している場合であっても、導波路21の表示光幅の拡大作用によって、照明部11にて予め広い照明面積を用意する必要性を低減させることができる。すなわち、光源数を抑制した照明部11の構成であっても、LCDパネル31の通過時には表示光の幅を十分に拡大できているので、大画面を容易に実現することができる。
また、第1実施形態によると、導波路21は、照明部11からの表示光を当該導波路21の内部へ入射させる入力ポート23と、入力ポート23から遠ざかる第1拡張方向De1へ延伸し、入力ポート23により導光された表示光の幅を第1拡張方向De1に拡張する拡張ポート25と、を有する。こうした導波路21に対して、照明部11は、複数の光源として設けられたLED素子13a〜dを、第1拡張方向De1に沿ったアレイ化方向Daに1方向に配列させた光源配列構成である。照明部11におけるLED素子13a〜dの発光位置がアレイ化方向Daに線状化されても、拡張ポート25内において、拡張ポート25が延伸する方向De1に表示光の導光経路が多様化するのであって、拡張ポート25の幅方向における表示光の導光経路の多様化は抑制される。このため、導光経路の多様化に合わせて拡張ポート25の幅を広く形成する必要が抑制される。故に、小型の拡張ポート25による小型化された導波路21にて、複数のLED素子13a〜dを搭載した照明態様を実現することができる。
また、第1実施形態によると、アイボックスEBにおいてドライバに想定される両眼の並び方向(例えば車両1の左右方向)に対応する方向に沿って拡張ポート25が延伸するように、導波路21は配置されている。故に、アイボックスEBを分割照明する照明部11の照明態様においては、部分的領域PAa〜dの並び方向と、両眼の並び方向とを、合わせることができる。すなわち、二眼をもつヒトに適したHUD10を、提供することができる。
また、第1実施形態によると、複数のLED素子13a〜dのうち点灯対象光源は、右眼照明光源13Rと左眼照明光源13Lとの間にて切り替わる。右眼照明光源13Rは、アイボックスEBのうち右眼の配置が想定される部分的領域PARを照明する光源であるから、右眼照明光源13Rの点灯時には、右眼に表示光を到達させることができる。同様に、左眼照明光源13Lは、アイボックスEBのうち左眼の配置が想定される部分的領域PALを照明する光源であるから、左眼照明光源13Lの点灯時には、左眼に表示光を到達させることができる。
こうした点灯対象光源の切替状態下、LCDパネル31は、表示光が照明部11から投影部3aへ至るまでの光路上において、各LED素子13a〜dから発光された表示光が重複可能な空間に配置されている。故に、複数のLED素子13a〜dのうち点灯対象光源以外が消灯され、点灯対象光源が点灯していても、LCDパネル31を透過した表示光が右眼又は左眼のいずれかに到達するので、画像による虚像Viの表示状態は維持される。時間的に交互に点灯対象光源が切り替わるので、片眼への表示の偏りを抑制し、違和感の少ない虚像表示を実現できる。そして、点灯対象光源以外を消灯する分、照明部11における発熱量を低減することができる。
(第2実施形態)
図14〜16に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の表示器10aは、照明部11、導波路21、第1実施形態のLCDパネル31に対応するカラーLCDパネル231、LCD制御回路238に加えて、モノクロLCDパネル236を含む構成である。図14に示すように、モノクロLCDパネル236は、導波路21と画像形成デバイスとしてのカラーLCDパネル231との間に介挿された状態にて配置されている。モノクロLCDパネル236は、カラーLCDパネル231と積層されるように重なって配置されている。モノクロLCDパネル236は、表示光の少なくとも一部を遮光し、他部を遮光することによって、カラーLCDパネル231への表示光の照射量を、局所的に減光する局所減光デバイスである。
本実施形態のモノクロLCDパネル236は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用いたLCDパネルである。詳細に、モノクロLCDパネル236は、2次元方向に配列された複数の画素により表示画面236bを形成するアクティブマトリクス型の透過型LCDパネルとなっている。モノクロLCDパネル236は、カラーLCDパネル231と実質同形状及び同サイズの矩形状の表示画面236b及び照明対象面236aを有する。モノクロLCDパネル236にて照明対象面236aと表示画面236bとの間を貫通し、表示光の通過を可能とするように形成された光学的開口部237も、カラーLCDパネル231の光学的開口部34と実質同形状及び同サイズである。モノクロLCDパネル236は、カラーLCDパネル231に近接して配置されている。これにより、モノクロLCDパネル236の光学的開口部は、カラーLCDパネル231の光学的開口部34と同様に、各LED素子13a〜dから発光された表示光が、互いに重複する空間に配置されている。
モノクロLCDパネル236も、カラーLCDパネル231と同様に、画素毎の透過率を制御される。ただし、モノクロLCDパネル236は、カラーフィルタを備えないため、単純に対応する画素を通過する表示光を減光する機能を実現する。第2実施形態のLCD制御回路238は、HCU50からの制御信号に応じて、カラーLCDパネル231の各画素の透過率と、モノクロLCDパネル236の各画素の透過率とを、設定する。表示画面236b上の画像は、実質的にHCU50によって制御される。
図15に示すように、第2実施形態のHCU50では、機能部として、局所減光制御部267がさらに構築されている。局所減光制御部267は、図16に示すように、モノクロLCDパネル236において局所的な減光が実施される局所減光領域LDAを設定する。具体的に、局所減光制御部267は、視差画像生成部66が生成した右眼用視差画像及び左眼用視差画像において、表示コンテンツが描画されなかった背景領域BGAを抽出する。背景領域BGAは、右眼用視差画像及び左眼用視差画像において、表示コンテンツが描画される描画領域DRAを除く領域である。背景領域BGAは、抽出対象の視差画像をカラーLCDパネル231に表示する場合に、カラーLCDパネル231の透過率が何もコンテンツを表示していないと認識される所定透過率以下となる領域である。この所定透過率は、カラーLCDパネル231に設定可能な最低透過率と実質的に一致していてもよい。
局所減光制御部267は、モノクロLCDパネル236の表示画面236bにおいて、背景領域BGAに重畳する範囲に位置する各画素を、減光を実施する局所減光領域LDAに設定する。局所減光制御部267は、局所減光領域LDAの画素を、減光機能が発揮される低い透過率に設定する。より好ましくは、局所減光制御部267は、局所減光領域LDAの画素を、表示光を略遮光するモノクロLCDパネル236の最低透過率に設定する。これと共に、局所減光制御部267は、局所減光領域LDA以外の透光領域TLAの画素を、減光機能の発揮が規制される高い透過率に設定する。より好ましくは、局所減光制御部267は、局所減光領域LDA以外の透光領域TLAの画素を、表示光を略透過させるモノクロLCDパネル236の最高透過率に設定する。
局所減光制御部267の設定による制御信号(制御信号に代替可能なモノクロ画像データでもよい)は、減光対象の視差画像と共に、逐次LCD制御回路238に出力される。
以上説明した第2実施形態のHUD10では、パネル状の画像形成デバイスとしてのカラーLCDパネル231よりも照明部11側において、カラーLCDパネル231と積層されるように重なったパネル状に形成され、表示光を局所的に減光する局所減光デバイスとしてのモノクロLCDパネル236が設けられる。カラーLCDパネル231への表示光の局所的な減光によって、カラーLCDパネル231にて形成される右眼用視差画像及び左眼用視差画像の輝度コントラストを向上させることが可能となる。故に、右眼用視差画像及び左眼用視差画像が交互表示されて融像される立体映像の視認性を、より高いものとすることができる。
また、第2実施形態のHCU50は、右眼用視差画像及び左眼用視差画像における背景領域BGAを抽出し、モノクロLCDパネル236において当該背景領域BGAに重畳する局所減光領域LDAにおいて、表示光の減光機能を発揮させる。したがって、右眼用視差画像及び左眼用視差画像の背景領域BGAにおける輝度を低く抑えることができる。このため、立体映像の融像を背景の発光が阻害することが抑制され、立体映像の視認性を、より高いものとすることができる。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に変形例1としては、右眼が、複数の部分的領域PAa〜dのうち互いに隣接する部分的領域に跨って配置されている場合には、LEDアレイ12において、当該互いに隣接する部分的領域を照明する複数のLED素子が、同時に右眼照明光源13Rに設定されてもよい。左眼についても同様である。
変形例2としては、右眼照明光源13Rの発光に同期させて、右眼用視差画像を表示する際に、右眼照明光源13R以外のLED素子が全て消灯されなくてもよい。同様に、左眼照明光源13Lの発光に同期させて、左眼用視差画像を表示する際に、左眼照明光源13L以外のLED素子が全て消灯されなくてもよい。例えば、複数のLED素子13a〜dのうち、右眼照明光源13R及び左眼照明光源13Lに該当していないLED素子が点灯していようが消灯していようが、立体映像の表示品位の観点では、影響は軽微である。
変形例3としては、右眼照明光源13Rの発光に同期させて、右眼用視差画像を表示する際に、左眼照明光源13Lを、右眼照明光源13Rの出力に対して十分に小さな出力にて、微発光させてもよい。同様に、左眼照明光源13Lの発光に同期させて、左眼用視差画像を表示する際に、右眼照明光源13Rを、左眼照明光源13Lの出力に対して十分に小さな出力にて、微発光させてもよい。この場合においても、視認者が右眼用視差画像を左眼で視認している自覚、又は左眼用視差画像を右眼で視認している自覚が殆どなければ、立体映像は十分に融像可能である。
変形例4としては、DSM40から眼球位置の情報が取得されることにより、右眼照明光源13R及び左眼照明光源13Lが都度設定される構成でなくてもよい。例えば、LEDアレイ12においてLED素子を2つ設け、一方のLED素子がアイボックスEBの右側半分を照明することで、常に右眼照明光源13Rとして機能し、他方のLED素子がアイボックスEBの左側半分を照明することで、常に左眼照明光源13Lとして機能する構成であってもよい。
変形例5としては、1つの制御対象単位として機能する、微小なLED素子の集合体からなるLED素子群が、右眼照明光源13R又は左眼照明光源13Lとして選択され得る複数の光源のうち1つの光源に相当していてもよい。また、LED素子以外の、レーザー光源、白熱電球等の各種発光素子が、1つの光源に相当していてもよい。
変形例6としては、図17に示すように、導波路21の入力ポート23、拡張ポート25及び出力ポート27のうち少なくとも1つにおいて、回折格子構造24,26,28の代わりに、回折光学素子の一種であるホログラフィック光学素子824,826,828が採用されていてもよい。ホログラフィック光学素子824,826,828は、例えば合成樹脂ないしガラス等の一対の透光基板層829aに、ホログラム層829bが挟まれることによって、薄板状に形成されている。ホログラム層829bは、例えば合成樹脂からなる組成物により透光性に形成されて、縞状の周期的な屈折率分布を有する。こうした屈折率分布によって、回折格子構造24,26,28と同様の回折機能を発揮することができる。さらにこの構成であれば、太陽光の熱ないし照明部11により発生する熱による熱膨張の影響では、導波路21の性能が変化し難い。
変形例7としては、導波路21において入力ポート23、拡張ポート25及び出力ポート27が導光に用いる回折光は、他の次数の回折光であってもよく、例えば1次回折光よりも高次の回折光であってもよい。
変形例8としては、図18に示すように、導波路21として、板状基材922の内部にハーフミラー922aを配列し、当該ハーフミラーによる表示光の透過光及び反射光への分岐機能によって、表示光の光束を拡張するハーフミラー型導波路が採用されてもよい。
変形例9としては、導波路21は、照明部11からの表示光のうち、例えば赤色光を導く第1導波路、緑色光を導く第2導波路、青色光を導く第3導波路等の、互いに対応波長が異なる複数の導波路が積層された構成であってもよい。
変形例10としては、立体映像を表示する観点においては、導波路21の代わりに、レンズ群を含んで構成されるインテグレータ照明系が採用されてもよい。
変形例11としては、コンテンツ決定部64によるコンテンツ決定と、仮想レイアウト部65による仮想空間のシミュレーションは、並行して又は順序を入れ替えて処理されてもよい。例えば、仮想空間にて、重畳対象のオブジェクトが仮想カメラ位置に対する死角になるかどうか判定し、その反転結果に基づき、表示コンテンツを表示するか、あるいは表示コンテンツの奥行きをどうするかを決定してもよい。
変形例12としては、右眼用視差画像及び左眼用視差画像の生成は、仮想レイアウト部65がシミュレーションする仮想空間を用いることなく、より簡易的な計算によって、又はニューラルネットワークを用いた人工知能を用いて、実現されてもよい。
変形例13としては、HCU50によって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組み合わせによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
変形例14としては、上記の表示制御方法を実現可能なプログラム等を記憶する記憶媒体の形態も、適宜変更されてもよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、HCU50の制御回路に電気的に接続される構成であってもよい。さらに、記憶媒体は、HCU50へのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びハードディスク等であってもよい。
変形例15としては、HCU50及び車両システム4が統合され、1つの電子制御装置を構成していてもよい。また、HCU50及びHUD10が一体化された構成であってもよい。
変形例16としては、HCU50は、車両1に搭載されていなくてもよい。HCU50が車両1に搭載されず、車両1の外に固定配置されている場合又は他車両に搭載されている場合には、インターネット、路車間通信、車車間通信等の通信によって、HUD10による表示が遠隔制御されてもよい。
変形例17としては、少ない光源数で大画面を実現する観点又は発熱量を低減する観点においては、HCU50及びHUD10は、立体映像を認識させるように、右眼用視差画像及び左眼用視差画像を表示するための構成でなくてもよい。HCU50及びHUD10は、単に、2次元の虚像Viを表示することに特化された構成であってもよい。
変形例18としては、HUD10を搭載する車両1は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。さらに、モビリティサービスに用いられる無人運転用の車両に、HUD10が搭載されてもよい。
変形例19としては、虚像表示装置は、航空機、船舶等の移動体、あるいは移動しない筐体(例えばゲーム筐体)等の各種の乗り物に適用することができる。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
3a:投影部、10:HUD(虚像表示装置)、11:照明部、13a〜d:LED素子(光源)、13R:右眼対応光源、13L:左眼対応光源、21:導波路、31:LCDパネル(画像形成デバイス)、231:カラーLCDパネル(画像形成デバイス)、50:HCU(表示制御装置)、62:照明制御部、66:視差画像生成部、EB:アイボックス、PAa〜d:部分的領域、PAR:右眼の配置が想定される部分的領域、PAL:左眼の配置が想定される部分的領域、Vi,ViR,ViL:虚像

Claims (9)

  1. 表示光を投影部(3a)に反射させてアイボックス(EB)に到達させるように、前記投影部に前記表示光を投影し、前記アイボックス内に右眼及び左眼を位置させた視認者に対して、虚像(ViR,ViL)による立体映像を提供する虚像表示装置であって、
    前記アイボックスを照明する照明部であって、前記表示光を発光する複数の光源(13a〜d)を有し、前記アイボックスのうち各前記光源に個別対応した部分的領域(PAa〜d)を各前記光源が照明する照明部(11)と、
    前記表示光が前記照明部から前記投影部へ至るまでの光路上において、各前記光源から発光された前記表示光が重複可能な空間に配置され、前記表示光の少なくとも一部を遮光することによって画像を形成する画像形成デバイス(31,231)と、を備え、
    前記照明部は、前記複数の光源において、前記右眼の配置が想定される前記部分的領域(PAR)を照明する右眼照明光源(13R)と、前記左眼の配置が想定される前記部分的領域(PAL)を照明する左眼照明光源(13L)とが、時間的に交互に発光可能な構成であり、
    前記画像形成デバイスは、前記右眼照明光源の発光に同期させて、前記右眼に対応した右眼用視差画像を表示すると共に、前記左眼照明光源の発光に同期させて、前記左眼に対応した左眼用視差画像を表示する虚像表示装置。
  2. パネル状の前記画像形成デバイスよりも前記照明部側において、前記画像形成デバイスと積層されるように重なったパネル状に形成され、前記表示光を局所的に減光する局所減光デバイス(236)を、さらに備える請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 複数の光源(13a〜d)を有する照明部(11)が発光した表示光を、画像形成デバイス(31,231)が画像を形成するように少なくとも一部遮光した上で投影部(3a)へ投影し、投影された前記表示光を前記投影部に反射させてアイボックス(EB)に到達するようにし、前記アイボックス内に眼を位置させた視認者に対して、虚像(ViR,ViL)を表示する虚像表示装置(10)を制御する表示制御装置であって、
    前記アイボックスのうち前記視認者の右眼の配置が想定される部分的領域(PAR)を照明する前記光源としての右眼照明光源(13R)と、前記アイボックスのうち前記視認者の左眼の配置が想定される部分的領域(PAL)を照明する前記光源としての左眼照明光源(13L)とを前記複数の光源の中から選定し、前記右眼照明光源と前記左眼照明光源とを時間的に交互に発光させる照明制御部(62)と、
    前記画像形成デバイスに形成させる前記画像であって、前記右眼照明光源の発光に同期させて表示させる前記右眼に対応した右眼用視差画像のデータと、前記左眼照明光源の発光に同期させて表示させる前記左眼に対応した左眼用視差画像のデータとを、生成する視差画像生成部(66)と、を備える表示制御装置。
  4. 前記虚像表示装置は、パネル状の前記画像形成デバイスよりも前記照明部側において、前記画像形成デバイスと積層されるように重なったパネル状に形成され、前記表示光を局所的に減光する局所減光デバイス(236)を備え、
    前記右眼用視差画像及び前記左眼用視差画像における背景領域(BGA)を抽出し、前記局所減光デバイスにおいて前記背景領域に重畳する局所減光領域(LDA)において、前記表示光の減光機能を発揮させる局所減光制御部を、さらに備える請求項3に記載の表示制御装置。
  5. 前記照明制御部は、カメラにより撮影された前記アイボックスの撮像画像に基づく眼球位置の座標情報から、前記アイボックスのうち前記右眼の配置が想定される部分的領域及び前記アイボックスのうち前記左眼の配置が想定される部分的領域を特定する請求項3又は4に記載の表示制御装置。
  6. 表示光を投影部(3a)に反射させてアイボックス(EB)に到達させるように、前記投影部に前記表示光を投影し、前記アイボックス内に眼を位置させた視認者に対して、虚像(Vi)を表示する虚像表示装置であって、
    光源(13a〜d)が前記表示光を発光し、前記アイボックスを照明する照明部(11)と、
    前記表示光が前記照明部から前記投影部へ至るまでの光路上において、前記照明部にて発光された前記表示光が通過する空間に配置され、前記表示光の少なくとも一部を遮光することによって画像を形成するパネル状の画像形成デバイス(31,231)と、
    前記照明部と前記画像形成デバイスとの間の光路上において、前記表示光を前記画像形成デバイス側へ導く導波路であって、前記照明部からの前記表示光の幅を拡大した上で前記表示光を前記画像形成デバイスに入射させる導波路(21)と、を備える虚像表示装置。
  7. 前記導波路は、
    前記照明部からの前記表示光を前記導波路の内部へ入射させる入力ポート(23)と、
    前記入力ポートから遠ざかる拡張方向へ延伸し、前記入力ポートにより導光された前記表示光の幅を前記拡張方向(De1)に拡張する拡張ポート(25)と、を有し、
    前記照明部は、前記光源を複数設け、前記複数の光源を、前記拡張方向に沿ったアレイ化方向(Da)に1方向に配列させた光源配列構成である請求項6に記載の虚像表示装置。
  8. 前記複数の光源は、前記アイボックスのうち各前記光源に個別対応した部分的領域(PAa〜d)を照明し、
    前記導波路は、前記アイボックスにおいて視認者に想定される両眼の並び方向に対応する方向に沿って前記拡張ポートが延伸するように、配置されている請求項7に記載の虚像表示装置。
  9. 表示光を投影部(3a)に反射させてアイボックス(EB)に到達させるように、前記投影部に前記表示光を投影し、前記アイボックス内に右眼及び左眼を位置させた視認者に対して、虚像(Vi)を表示する虚像表示装置であって、
    前記表示光を発光する複数の光源(13a〜d)を有し、前記アイボックスのうち各前記光源に個別対応した部分的領域(PAa〜d)を各前記光源が照明する照明部であって、前記複数の光源のうち点灯対象光源を点灯させ、それ以外を消灯させる照明部(11)と、
    前記表示光が前記照明部から前記投影部へ至るまでの光路上において、各前記光源から発光された前記表示光が重複可能な空間に配置され、前記表示光の少なくとも一部を遮光することによって画像を形成する画像形成デバイス(31,231)と、を備え、
    前記照明部は、前記複数の光源において、前記右眼の配置が想定される前記部分的領域(PAR)を照明する右眼照明光源(13R)と、前記左眼の配置が想定される前記部分的領域(PAL)を照明する左眼照明光源(13L)との間にて、時間的に交互に前記点灯対象光源を切り替える虚像表示装置。
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