JP2004314335A - 金型の表面加工方法及び金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリや欠損の発生を適切に防止して、型寿命を延ばし、樹脂成形品の歩留りを向上させる。
【解決手段】金型10であるキャビティモールド12とコアモールド14の表面には、皮膜16が形成される。この皮膜16は、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを、金型10の表面にジェットコート溶射して形成される。皮膜16は、金型10の表面のうち、キャビティモールド12のパーティング面12Aとキャビティ12Bとの境界部Xと、コアモールド14のパーティング面14Aとコア14Bとの境界部Yに形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】金型10であるキャビティモールド12とコアモールド14の表面には、皮膜16が形成される。この皮膜16は、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを、金型10の表面にジェットコート溶射して形成される。皮膜16は、金型10の表面のうち、キャビティモールド12のパーティング面12Aとキャビティ12Bとの境界部Xと、コアモールド14のパーティング面14Aとコア14Bとの境界部Yに形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形品用の金型の表面に、耐摩耗性の付与やバリ等の発生の防止のために皮膜を形成する金型の表面加工方法及び係る表面加工が施工された金型の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂成形品用の金型は、一般に、耐摩耗性や耐腐食性等を考慮して、SKD−11、SKD−61等の合金工具鋼やSUS303等の快削ステンレス鋼等から形成されることが多いが、樹脂の成形時のコアモールドとキャビティモールドとの衝合の際の衝突等によるバリの発生や摩耗等に対応するため、その表面に更に保護用の皮膜が形成されることが多い。
【0003】
従来、この皮膜は、TiC、TiN等の硬度や耐摩耗性に優れる金属や合金を、主としてプラズマ溶射等の適宜の方法により、金型の表面に溶射することにより形成されていた(特許文献1乃至4参照)。しかし、この従来の被膜の形成方法では、TiC、TiNの材質から、また溶射の方法によっては、必ずしも金型表面への充分な密着力を得ることができず、繰り返し衝撃等を受けているうちに皮膜が金型の表面から剥離し、本来の機能を十分に発揮させることができない問題があった。このため、長期間の使用により、金型に欠損やバリが生じ、金型により形成される樹脂成形品の品質に影響を与えるおそれがあった。
【0004】
この場合、主に、スクリュー等の高速回転体等において、対象への密着性を考慮して皮膜材料として使用されることが多いサーメットを使用することも考えられるが(特許文献5参照)、やはり同様に、その種類や溶射の方法によっては、必ずしも充分な密着力を確保することができない問題があった。
【0005】
また、従来は主に金型のパーティング面やキャビティ、コアの表面に皮膜を形成することが行われていたが、表面加工処理の簡素化とコストの低減が望まれる一方、バリや欠損等が発生しやすい補強が必要な箇所へ効果的に皮膜を形成して、金型の表面を効率良く加工処理する必要も生じていた。更には、使用により図らずも欠損等が生じてしまった金型に、高性能を付加して再生させることも、要求されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−88885号公報
【特許文献2】
特開昭61−258713号公報
【特許文献3】
特開2001−162637号公報
【特許文献4】
特開昭63−54213号公報
【特許文献5】
特開平5−331614号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、金型表面への密着力をより一層高めて、長期の型寿命を確保することができる金型の表面加工方法及び金型を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、樹脂成形品用の金型の表面に皮膜を形成する金型の表面加工方法において、金型の表面に、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを皮膜材料として溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0009】
このように、サーメットの中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができる。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、樹脂成形品用の金型の表面に皮膜を形成する金型の表面加工方法において、金型の表面にCoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数の合金を皮膜材料として溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0011】
このように、合金の中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができる。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、皮膜材料を、ジェットコート溶射により金型の表面に溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0013】
このように、皮膜材料をジェットコート溶射により金型の表面に溶射すると、ジェットコート溶射は、マッハ5以上の超高速ジェット燃焼ガス流によって皮膜材料を金型表面に溶射するものであるため、プラズマ溶射等に比し、溶射される皮膜材料の粒子の衝突エネルギーが増大し、高い衝突力により金型の表面に高密着力で皮膜を形成させることができると同時に、サーメット等の皮膜材料の温度による変質を最小限にとどめることができるのみならず、更には、気孔率が非常に小さく緻密で高密度の皮膜を形成することができるため、腐食性ガスの浸透をほぼ完全に抑制することができ、金型の皮膜を適切に形成して長期の型寿命を確保することができる。更には、ガン形式の溶射設備で皮膜を簡易に形成することもできる。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、皮膜材料を、金型の表面のうち、パーティング面とキャビティとの境界部又はパーティング面とコアとの境界部の少なくともいずれか一方又は双方に溶射して境界部に皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0015】
パーティング面とキャビティやコアとの境界部、即ち、パーティング面からのキャビティの降り下がり縁や、パーティング面からのコアの立ち上がり縁は、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となり、バリや欠損が生し易いため、これらの境界部に皮膜を形成すると、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、皮膜材料を、金型の表面のうち、キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部又はコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部の少なくともいずれか一方又は双方に溶射して境界部に皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0017】
キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部やコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部、即ち、キャビティ面からの保持用凸部の立ち上がり縁や、コア面からの保持用凹部の降り下がり縁は、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となり、バリや欠損が生し易いため、これらの境界部に皮膜を形成すると、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、金型の欠損箇所に金型の母材と同じ材料を肉盛りした後、この肉盛り箇所の表面に、皮膜材料を溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提起するものである。
【0019】
このように、金型に欠損が生じた場合、当該欠損箇所に、元の設計通りの形状に母材を肉盛りした後、特定のサーメット等をジェットコート溶射して皮膜を形成すると、既存の金型を簡易に強化して再生させることができると同時に、欠損が生じ易い箇所へ効果的に、かつ、効率的に皮膜を形成することができる。
【0020】
本発明は、上記の課題を解決するための手段として、更に上記第1乃至第6の解決手段により表面加工された以下の金型をも提供するものである。、具体的には、本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、表面に皮膜が形成された樹脂成形品用の金型において、この皮膜は、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを皮膜材料として金型の表面に溶射して形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、表面に皮膜が形成された樹脂成形品用の金型において、この皮膜は、CoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数の合金を皮膜材料として金型の表面に溶射して形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0022】
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第7又は第8のいずれかの解決手段において、皮膜材料は、ジェットコート溶射により金型の表面に溶射されて皮膜を形成していることを特徴とする金型を提供するものである。
【0023】
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第7乃至第9のいずれかの解決手段において、皮膜は、金型の表面のうち、パーティング面とキャビティとの境界部又はパーティング面とコアとの境界部の少なくともいずれか一方又は双方に形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0024】
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第7乃至第10のいずれかの解決手段において、皮膜は、金型の表面のうち、キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部又はコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部の少なくともいずれか一方又は双方に形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0025】
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第7乃至第11のいずれかの解決手段において、皮膜は、金型の欠損箇所に肉盛りされた金型の母材と同じ材料の表面に形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1及び図2は、本発明の表面加工方法により処理された樹脂成形品用の金型10を示し、この金型10は、図示の実施の形態では、キャビティモールド12と、コアモールド14であるのが示されている。キャビティモールド12は、図1及び図2に示すように、平坦なパーティング面12Aと、このパーティング面12から彫り込まれたキャビティ12Bとを有し、同様に、コアモールド14も、平坦なパーティング面14Aと、また、このパーティング面14Aから立ち上がると共にキャビティ12Bに付合する形状のコア14Bとを有する。
【0027】
これらのキャビティモールド12とコアモールド14とは、相互のパーティング面12A、14Aを衝合することにより、キャビティ12Bによりコア14Bにより受け入れてキャビティ12Bとコア14Bとの間に注入された樹脂を所定形状に賦形する。なお、この金型10は、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形、インサート成形等の用途は特に問わず、また、キャビティモールド12は、それぞれ図示しないキャビティプレートの上に分割して配置された複数のキャビティブロックから成るものであってもよい。
【0028】
この金型10の表面には、図5に示すように、後述する被膜材料Aを溶射することにより、図1及び図2に示すように、皮膜16が形成されている。本発明では、この皮膜16は、図1及び図2に示すように、金型10の表面のうち、キャビティモールド12のパーティング面12Aとキャビティ12Bとの境界部X(図1及び図2参照)と、コアモールド14のパーティング面14Aとコア14Bとの境界部Y(図1及び図2参照)に形成されている。
【0029】
キャビティモールド12のパーティング面12Aとキャビティ12Bとの境界部Xとは、より具体的には、パーティング面12Aからのキャビティ12Bの降り下がり縁を示し、皮膜16は、図1に示すように、キャビティ12Bの開口を縁取るようにして、この降り下がり縁の全周に形成される。同様に、コアモールド14のパーティング面14Aとコア14Bとの境界部Yも、パーティング面14Aからのコア14Bの立ち上がり縁を示し、皮膜16は、このコア14Bの立ち上がり角を縁取るようにして、立ち上がり縁の全周に形成される。
【0030】
これらの境界部X、Yは、樹脂の成形に際してキャビティモールド12とコアモールド14とを衝合したときに合わせ目となるため、圧力を受けてバリや欠損が生し易く、従って、これらの境界部X、Yに皮膜16を形成すると、金型10の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、特に表面強化が必要な箇所に確実に皮膜16を形成することができるので、金型10の表面を効率的に加工処理することができる。なお、皮膜16は、少なくとも降り下がり縁又は立ち上がり縁である境界部X、Yに形成されていれば、皮膜材料Aの溶射の関係等の理由から、多少その周囲にまで形成されていてもよい。また、表面強化の必要性に応じて、境界部X又は境界部Yのいずれか一方にのみ皮膜16を形成することもできる。
【0031】
本発明においては、この皮膜16を形成するために溶射される皮膜材料Aとして、炭化物サーメットの中でも、特に、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数を使用する。炭化物サーメットの中でも、特に、これらの特定種類の皮膜材料Aから皮膜16を形成すると、金型10の表面への皮膜16の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、後述する溶射処理を適切に行うことができるからである。
【0032】
これらのサーメットのうち、いずれを皮膜材料Aとして使用するかは、目的やコスト等に応じて、適宜選択することができるが、耐摩耗性に着目した場合にはWC−12Coが好適で、耐衝撃性に着目した場合にはWC−17Coを使用することが好ましい。また、特に耐蝕性をも付与したい場合には、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrを使用することが望ましい。
【0033】
また、他の適切な皮膜材料Aとしては、合金の中でも、特に、CoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数を使用することもできる。同様に、合金の中でも、特にこれらの特定種類の皮膜材料Aから皮膜16を形成すると、金型10の表面への皮膜16の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、後述する溶射処理を適切に行うことができるからである。
【0034】
これらの合金のうち、いずれを皮膜材料Aとして使用するかも、同様に、目的やコスト等に応じて、適宜選択することができるが、例えば、CoNiCrAlYは特に耐蝕性に、CoMoCrは特に耐摩耗性に優れる。
【0035】
なお、上記の炭化物サーメットと合金のうちのいずれを選択するかについては、総じて、炭化物サーメットを使用した場合には、気孔率が極めて低く緻密な皮膜16を形成するのに適しており、合金を使用した場合には、耐熱性が要求される皮膜16を形成するのに適しているといえる。
【0036】
本発明においては、これらの皮膜材料Aを、ジェットコート溶射により金型10の表面に溶射して皮膜16を形成する。具体的には、ジェットコート溶射は、図5に示すように、ガン形式の溶射機1を使用して、マッハ5以上の超高速ジェット燃焼ガス流によって皮膜材料Aを金型10の表面に溶射するものであり、このため、プラズマ溶射等に比し、溶射される皮膜材料Aの粒子の衝突エネルギーを増大させることができるため、高い衝突力により金型10の表面に高密着力で皮膜16を形成させることができる。従って、皮膜16が、金型10の表面から剥離等することがなく、皮膜16によるバリの発生防止や耐摩耗性、耐衝撃性の向上による欠損の防止作用を、長期にわたって発揮することができる。
【0037】
また、ジェットコート溶射は、サーメット等の皮膜材料Aの温度による変質を最小限にとどめることができるのみならず、更には、気孔率が非常に小さく緻密で高密度の皮膜16を形成することができるため、腐食性ガスの浸透をほぼ完全に抑制することができ、金型10の表面に皮膜16を適切に形成して長期の型寿命を確保することができる。更には、上記のように、ガン形式の溶射機1で皮膜16を形成することもできるため、加工処理の場所を選ばず、コストの低減も図ることができる。
【0038】
因みに、このジェットコート溶射にて、上記の皮膜材料Aを溶射した場合、JISで規定された試験法によれば、密着力テストに使用する接着剤が剥離した数値を示す密着力は、いずれの皮膜材料Aの場合においても、測定限界である最高値の>0.7kg/mm2であった。また、このジェットコート溶射により、上記皮膜材料Aを溶射して形成された皮膜16の気孔率は、炭化物サーメットのうちWC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Niについては0.5%以下、炭化物サーメットのうちのCr3C2−25NiCrと、合金のうちのCoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMoについては、2%以下であり、いずれの場合も、高密度の緻密な皮膜16であった。また、形成された皮膜16の厚みは、皮膜材料Aが炭化物サーメットの場合には、ほぼ0.20μm〜0.5μmの範囲で、皮膜材料Aが合金の場合には0.5μm前後であった。
【0039】
なお、皮膜材料Aの溶射は、このジェトコートに寄ることが望ましいが、上記の特定種類の皮膜材料Aを適切に溶射して、充分な密着力、高密度を確保することができれば、必ずしもこのジェットコート溶射に限定されるものではなく、他の、例えば、プラズマ溶射等によることもできる。
【0040】
また、図1及び図2に示す実施の形態では、皮膜16をパーティング面12A、14Aとキャビティ12Aやコア14Bとの境界部X、Yに形成したが、皮膜16による表面強化が必要な箇所であれば、特に限定なく皮膜16を形成することができる。そのような本発明の他の実施の形態について、図3を参照しながら説明すると、図3に示す実施の形態では、インサート成形に使用される樹脂成形品用の金型10において、皮膜材料Aを、金型10の表面のうち、キャビティ面12bとインサート用部材の保持用凸部12Cとの境界部x(図3参照)と、コア面14bとインサート用部材の保持用凹部14Cとの境界部y(図3参照)に形成されている。
【0041】
この場合、キャビティ面12bと保持用凸部12Cとの境界部xとは、図3に示すように、キャビティ面12bからの保持用凸部12Cの立ち上がり縁を示し、皮膜16は、この保持用凸部12Cの立ち上がり角を縁取るようにして、立ち上がり縁の全周に形成される。また、コア面14bと保持用凹部14Cとの境界部yも、図3に示すように、コア面14bからの保持用凹部14Cの降り下がり縁を示し、皮膜16は、保持用凹部14Cの開口を縁取るようにして、この降り下がり縁の全周に形成される。
【0042】
これらの境界部x、yも、インサート成形に際して、金型10の合わせ目となるため、圧力を受けてバリや欠損が生し易く、従って、これらの境界部x、yに皮膜16を形成すると、金型10の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、特に表面強化が必要な箇所に確実に皮膜16を形成することができるので、金型10の表面を効率的に加工処理することができる。なお、この図3に示す実施の形態においても、皮膜16は、同様に、少なくとも立ち上がり縁又は降り下がり縁である境界部x、yに形成されていれば、皮膜材料Aの溶射の関係等の理由から、多少その周囲にまで形成されていてもよい。また、表面強化の必要性に応じて、境界部x又は境界部yのいずれか一方にのみ皮膜16を形成することもできる。
【0043】
更に他の、本発明の実施の形態を、図4を参照しながら説明すると、図4に示す実施の形態では、欠損箇所が生じた金型10の当該欠損箇所に、金型10の母材と同じ材料を肉盛りした後、この肉盛り箇所Z(図4参照)の表面に、上記の特定の皮膜材料Aを溶射して皮膜16を形成することもできる。
【0044】
これにより、金型10に欠損が生じた場合でも、当該欠損箇所に、元の設計通りの形状に母材を肉盛りした後、特定のサーメット等をジェットコート溶射して皮膜を形成して、既存の金型10を簡易に強化して再生させることができると同時に、欠損が生じ易い箇所へ効果的に、かつ、効率的に皮膜16を形成することができる。なお、金型10の母材と同じ材料を使用して肉盛りするのは、密着度を考慮すると共に、異なる材質を使用した場合には、熱膨張率の相違等によるひびや割れが生ずるのを回避するためである、従って、金型10の母材が、例えば、SKD−11であれば肉盛り材料もSKD−11に、SKD−61であれば同様にSKD−61等を使用する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のように、サーメットの中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができるので、適切に仕上げられた樹脂成形品の歩留りを高めることができる実益がある。
【0046】
本発明によれば、上記のように、合金の中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができるので、適切に仕上げられた樹脂成形品の歩留りを高めることができる実益がある。
【0047】
本発明によれば、上記のように、皮膜材料を、マッハ5以上の超高速ジェット燃焼ガス流によって皮膜材料を金型表面に溶射するジェットコート溶射により金型の表面に溶射しているため、プラズマ溶射等に比し、溶射される皮膜材料の粒子の衝突エネルギーが増大し、高い衝突力により金型の表面に高密着力で皮膜を形成させることができると同時に、サーメット等の皮膜材料の温度による変質を最小限にとどめることができるのみならず、更には、気孔率が非常に小さく緻密で高密度の皮膜を形成することができるため、腐食性ガスの浸透をほぼ完全に抑制することができ、金型の皮膜を適切に形成して長期の型寿命を確保することができ、更には、ガン形式の溶射設備で皮膜を簡易に形成することもできる実益がある。
【0048】
本発明によれば、上記のように、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となりバリや欠損が生し易いパーティング面とキャビティやコアとの境界部に皮膜を形成しているため、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる実益がある。
【0049】
本発明によれば、上記のように、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となりバリや欠損が生し易いキャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部やコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部に皮膜を形成しているため、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる実益がある。
【0050】
本発明によれば、上記のように、金型に欠損が生じた場合でも、当該欠損箇所に、元の設計通りの形状に母材を肉盛りした後、特定のサーメット等をジェットコート溶射して皮膜を形成しているため、既存の金型を簡易に強化して再生させることができると同時に、欠損が生じ易い箇所へ効果的に、かつ、効率的に皮膜を形成することができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により表面が加工された金型の概略斜視図である。
【図2】本発明の方法により表面が加工された金型の概略縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の方法により表面が加工された金型の概略縦断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施の形態の方法により表面が加工された金型の概略縦断面図である。
【図5】本発明の方法において被膜材料を溶射する状態を示すモデル図である。
【符号の説明】
1 溶射機
A 被膜材料
10 金型
12 キャビティモールド
12A パーティング面
12B キャビティ
12C インサート用部材の保持用凸部
12b キャビティ面
14 コアモールド
14A パーティング面
14B コア
14C インサート用部材の保持用凹部
14b コア面
16 被膜
X パーティング面とキャビティとの境界部
Y パーティング面とコアとの境界部
Z 肉盛り箇所
x キャビティ面と保持用凸部との境界部
y コア面と保持用凹部との境界部
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形品用の金型の表面に、耐摩耗性の付与やバリ等の発生の防止のために皮膜を形成する金型の表面加工方法及び係る表面加工が施工された金型の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂成形品用の金型は、一般に、耐摩耗性や耐腐食性等を考慮して、SKD−11、SKD−61等の合金工具鋼やSUS303等の快削ステンレス鋼等から形成されることが多いが、樹脂の成形時のコアモールドとキャビティモールドとの衝合の際の衝突等によるバリの発生や摩耗等に対応するため、その表面に更に保護用の皮膜が形成されることが多い。
【0003】
従来、この皮膜は、TiC、TiN等の硬度や耐摩耗性に優れる金属や合金を、主としてプラズマ溶射等の適宜の方法により、金型の表面に溶射することにより形成されていた(特許文献1乃至4参照)。しかし、この従来の被膜の形成方法では、TiC、TiNの材質から、また溶射の方法によっては、必ずしも金型表面への充分な密着力を得ることができず、繰り返し衝撃等を受けているうちに皮膜が金型の表面から剥離し、本来の機能を十分に発揮させることができない問題があった。このため、長期間の使用により、金型に欠損やバリが生じ、金型により形成される樹脂成形品の品質に影響を与えるおそれがあった。
【0004】
この場合、主に、スクリュー等の高速回転体等において、対象への密着性を考慮して皮膜材料として使用されることが多いサーメットを使用することも考えられるが(特許文献5参照)、やはり同様に、その種類や溶射の方法によっては、必ずしも充分な密着力を確保することができない問題があった。
【0005】
また、従来は主に金型のパーティング面やキャビティ、コアの表面に皮膜を形成することが行われていたが、表面加工処理の簡素化とコストの低減が望まれる一方、バリや欠損等が発生しやすい補強が必要な箇所へ効果的に皮膜を形成して、金型の表面を効率良く加工処理する必要も生じていた。更には、使用により図らずも欠損等が生じてしまった金型に、高性能を付加して再生させることも、要求されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−88885号公報
【特許文献2】
特開昭61−258713号公報
【特許文献3】
特開2001−162637号公報
【特許文献4】
特開昭63−54213号公報
【特許文献5】
特開平5−331614号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、金型表面への密着力をより一層高めて、長期の型寿命を確保することができる金型の表面加工方法及び金型を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、樹脂成形品用の金型の表面に皮膜を形成する金型の表面加工方法において、金型の表面に、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを皮膜材料として溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0009】
このように、サーメットの中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができる。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、樹脂成形品用の金型の表面に皮膜を形成する金型の表面加工方法において、金型の表面にCoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数の合金を皮膜材料として溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0011】
このように、合金の中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができる。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、皮膜材料を、ジェットコート溶射により金型の表面に溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0013】
このように、皮膜材料をジェットコート溶射により金型の表面に溶射すると、ジェットコート溶射は、マッハ5以上の超高速ジェット燃焼ガス流によって皮膜材料を金型表面に溶射するものであるため、プラズマ溶射等に比し、溶射される皮膜材料の粒子の衝突エネルギーが増大し、高い衝突力により金型の表面に高密着力で皮膜を形成させることができると同時に、サーメット等の皮膜材料の温度による変質を最小限にとどめることができるのみならず、更には、気孔率が非常に小さく緻密で高密度の皮膜を形成することができるため、腐食性ガスの浸透をほぼ完全に抑制することができ、金型の皮膜を適切に形成して長期の型寿命を確保することができる。更には、ガン形式の溶射設備で皮膜を簡易に形成することもできる。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、皮膜材料を、金型の表面のうち、パーティング面とキャビティとの境界部又はパーティング面とコアとの境界部の少なくともいずれか一方又は双方に溶射して境界部に皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0015】
パーティング面とキャビティやコアとの境界部、即ち、パーティング面からのキャビティの降り下がり縁や、パーティング面からのコアの立ち上がり縁は、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となり、バリや欠損が生し易いため、これらの境界部に皮膜を形成すると、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、皮膜材料を、金型の表面のうち、キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部又はコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部の少なくともいずれか一方又は双方に溶射して境界部に皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提供するものである。
【0017】
キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部やコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部、即ち、キャビティ面からの保持用凸部の立ち上がり縁や、コア面からの保持用凹部の降り下がり縁は、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となり、バリや欠損が生し易いため、これらの境界部に皮膜を形成すると、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、金型の欠損箇所に金型の母材と同じ材料を肉盛りした後、この肉盛り箇所の表面に、皮膜材料を溶射して皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法を提起するものである。
【0019】
このように、金型に欠損が生じた場合、当該欠損箇所に、元の設計通りの形状に母材を肉盛りした後、特定のサーメット等をジェットコート溶射して皮膜を形成すると、既存の金型を簡易に強化して再生させることができると同時に、欠損が生じ易い箇所へ効果的に、かつ、効率的に皮膜を形成することができる。
【0020】
本発明は、上記の課題を解決するための手段として、更に上記第1乃至第6の解決手段により表面加工された以下の金型をも提供するものである。、具体的には、本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、表面に皮膜が形成された樹脂成形品用の金型において、この皮膜は、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを皮膜材料として金型の表面に溶射して形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、表面に皮膜が形成された樹脂成形品用の金型において、この皮膜は、CoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数の合金を皮膜材料として金型の表面に溶射して形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0022】
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第7又は第8のいずれかの解決手段において、皮膜材料は、ジェットコート溶射により金型の表面に溶射されて皮膜を形成していることを特徴とする金型を提供するものである。
【0023】
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第7乃至第9のいずれかの解決手段において、皮膜は、金型の表面のうち、パーティング面とキャビティとの境界部又はパーティング面とコアとの境界部の少なくともいずれか一方又は双方に形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0024】
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第7乃至第10のいずれかの解決手段において、皮膜は、金型の表面のうち、キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部又はコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部の少なくともいずれか一方又は双方に形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0025】
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第7乃至第11のいずれかの解決手段において、皮膜は、金型の欠損箇所に肉盛りされた金型の母材と同じ材料の表面に形成されていることを特徴とする金型を提供するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1及び図2は、本発明の表面加工方法により処理された樹脂成形品用の金型10を示し、この金型10は、図示の実施の形態では、キャビティモールド12と、コアモールド14であるのが示されている。キャビティモールド12は、図1及び図2に示すように、平坦なパーティング面12Aと、このパーティング面12から彫り込まれたキャビティ12Bとを有し、同様に、コアモールド14も、平坦なパーティング面14Aと、また、このパーティング面14Aから立ち上がると共にキャビティ12Bに付合する形状のコア14Bとを有する。
【0027】
これらのキャビティモールド12とコアモールド14とは、相互のパーティング面12A、14Aを衝合することにより、キャビティ12Bによりコア14Bにより受け入れてキャビティ12Bとコア14Bとの間に注入された樹脂を所定形状に賦形する。なお、この金型10は、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形、インサート成形等の用途は特に問わず、また、キャビティモールド12は、それぞれ図示しないキャビティプレートの上に分割して配置された複数のキャビティブロックから成るものであってもよい。
【0028】
この金型10の表面には、図5に示すように、後述する被膜材料Aを溶射することにより、図1及び図2に示すように、皮膜16が形成されている。本発明では、この皮膜16は、図1及び図2に示すように、金型10の表面のうち、キャビティモールド12のパーティング面12Aとキャビティ12Bとの境界部X(図1及び図2参照)と、コアモールド14のパーティング面14Aとコア14Bとの境界部Y(図1及び図2参照)に形成されている。
【0029】
キャビティモールド12のパーティング面12Aとキャビティ12Bとの境界部Xとは、より具体的には、パーティング面12Aからのキャビティ12Bの降り下がり縁を示し、皮膜16は、図1に示すように、キャビティ12Bの開口を縁取るようにして、この降り下がり縁の全周に形成される。同様に、コアモールド14のパーティング面14Aとコア14Bとの境界部Yも、パーティング面14Aからのコア14Bの立ち上がり縁を示し、皮膜16は、このコア14Bの立ち上がり角を縁取るようにして、立ち上がり縁の全周に形成される。
【0030】
これらの境界部X、Yは、樹脂の成形に際してキャビティモールド12とコアモールド14とを衝合したときに合わせ目となるため、圧力を受けてバリや欠損が生し易く、従って、これらの境界部X、Yに皮膜16を形成すると、金型10の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、特に表面強化が必要な箇所に確実に皮膜16を形成することができるので、金型10の表面を効率的に加工処理することができる。なお、皮膜16は、少なくとも降り下がり縁又は立ち上がり縁である境界部X、Yに形成されていれば、皮膜材料Aの溶射の関係等の理由から、多少その周囲にまで形成されていてもよい。また、表面強化の必要性に応じて、境界部X又は境界部Yのいずれか一方にのみ皮膜16を形成することもできる。
【0031】
本発明においては、この皮膜16を形成するために溶射される皮膜材料Aとして、炭化物サーメットの中でも、特に、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数を使用する。炭化物サーメットの中でも、特に、これらの特定種類の皮膜材料Aから皮膜16を形成すると、金型10の表面への皮膜16の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、後述する溶射処理を適切に行うことができるからである。
【0032】
これらのサーメットのうち、いずれを皮膜材料Aとして使用するかは、目的やコスト等に応じて、適宜選択することができるが、耐摩耗性に着目した場合にはWC−12Coが好適で、耐衝撃性に着目した場合にはWC−17Coを使用することが好ましい。また、特に耐蝕性をも付与したい場合には、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrを使用することが望ましい。
【0033】
また、他の適切な皮膜材料Aとしては、合金の中でも、特に、CoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数を使用することもできる。同様に、合金の中でも、特にこれらの特定種類の皮膜材料Aから皮膜16を形成すると、金型10の表面への皮膜16の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、後述する溶射処理を適切に行うことができるからである。
【0034】
これらの合金のうち、いずれを皮膜材料Aとして使用するかも、同様に、目的やコスト等に応じて、適宜選択することができるが、例えば、CoNiCrAlYは特に耐蝕性に、CoMoCrは特に耐摩耗性に優れる。
【0035】
なお、上記の炭化物サーメットと合金のうちのいずれを選択するかについては、総じて、炭化物サーメットを使用した場合には、気孔率が極めて低く緻密な皮膜16を形成するのに適しており、合金を使用した場合には、耐熱性が要求される皮膜16を形成するのに適しているといえる。
【0036】
本発明においては、これらの皮膜材料Aを、ジェットコート溶射により金型10の表面に溶射して皮膜16を形成する。具体的には、ジェットコート溶射は、図5に示すように、ガン形式の溶射機1を使用して、マッハ5以上の超高速ジェット燃焼ガス流によって皮膜材料Aを金型10の表面に溶射するものであり、このため、プラズマ溶射等に比し、溶射される皮膜材料Aの粒子の衝突エネルギーを増大させることができるため、高い衝突力により金型10の表面に高密着力で皮膜16を形成させることができる。従って、皮膜16が、金型10の表面から剥離等することがなく、皮膜16によるバリの発生防止や耐摩耗性、耐衝撃性の向上による欠損の防止作用を、長期にわたって発揮することができる。
【0037】
また、ジェットコート溶射は、サーメット等の皮膜材料Aの温度による変質を最小限にとどめることができるのみならず、更には、気孔率が非常に小さく緻密で高密度の皮膜16を形成することができるため、腐食性ガスの浸透をほぼ完全に抑制することができ、金型10の表面に皮膜16を適切に形成して長期の型寿命を確保することができる。更には、上記のように、ガン形式の溶射機1で皮膜16を形成することもできるため、加工処理の場所を選ばず、コストの低減も図ることができる。
【0038】
因みに、このジェットコート溶射にて、上記の皮膜材料Aを溶射した場合、JISで規定された試験法によれば、密着力テストに使用する接着剤が剥離した数値を示す密着力は、いずれの皮膜材料Aの場合においても、測定限界である最高値の>0.7kg/mm2であった。また、このジェットコート溶射により、上記皮膜材料Aを溶射して形成された皮膜16の気孔率は、炭化物サーメットのうちWC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Niについては0.5%以下、炭化物サーメットのうちのCr3C2−25NiCrと、合金のうちのCoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMoについては、2%以下であり、いずれの場合も、高密度の緻密な皮膜16であった。また、形成された皮膜16の厚みは、皮膜材料Aが炭化物サーメットの場合には、ほぼ0.20μm〜0.5μmの範囲で、皮膜材料Aが合金の場合には0.5μm前後であった。
【0039】
なお、皮膜材料Aの溶射は、このジェトコートに寄ることが望ましいが、上記の特定種類の皮膜材料Aを適切に溶射して、充分な密着力、高密度を確保することができれば、必ずしもこのジェットコート溶射に限定されるものではなく、他の、例えば、プラズマ溶射等によることもできる。
【0040】
また、図1及び図2に示す実施の形態では、皮膜16をパーティング面12A、14Aとキャビティ12Aやコア14Bとの境界部X、Yに形成したが、皮膜16による表面強化が必要な箇所であれば、特に限定なく皮膜16を形成することができる。そのような本発明の他の実施の形態について、図3を参照しながら説明すると、図3に示す実施の形態では、インサート成形に使用される樹脂成形品用の金型10において、皮膜材料Aを、金型10の表面のうち、キャビティ面12bとインサート用部材の保持用凸部12Cとの境界部x(図3参照)と、コア面14bとインサート用部材の保持用凹部14Cとの境界部y(図3参照)に形成されている。
【0041】
この場合、キャビティ面12bと保持用凸部12Cとの境界部xとは、図3に示すように、キャビティ面12bからの保持用凸部12Cの立ち上がり縁を示し、皮膜16は、この保持用凸部12Cの立ち上がり角を縁取るようにして、立ち上がり縁の全周に形成される。また、コア面14bと保持用凹部14Cとの境界部yも、図3に示すように、コア面14bからの保持用凹部14Cの降り下がり縁を示し、皮膜16は、保持用凹部14Cの開口を縁取るようにして、この降り下がり縁の全周に形成される。
【0042】
これらの境界部x、yも、インサート成形に際して、金型10の合わせ目となるため、圧力を受けてバリや欠損が生し易く、従って、これらの境界部x、yに皮膜16を形成すると、金型10の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、特に表面強化が必要な箇所に確実に皮膜16を形成することができるので、金型10の表面を効率的に加工処理することができる。なお、この図3に示す実施の形態においても、皮膜16は、同様に、少なくとも立ち上がり縁又は降り下がり縁である境界部x、yに形成されていれば、皮膜材料Aの溶射の関係等の理由から、多少その周囲にまで形成されていてもよい。また、表面強化の必要性に応じて、境界部x又は境界部yのいずれか一方にのみ皮膜16を形成することもできる。
【0043】
更に他の、本発明の実施の形態を、図4を参照しながら説明すると、図4に示す実施の形態では、欠損箇所が生じた金型10の当該欠損箇所に、金型10の母材と同じ材料を肉盛りした後、この肉盛り箇所Z(図4参照)の表面に、上記の特定の皮膜材料Aを溶射して皮膜16を形成することもできる。
【0044】
これにより、金型10に欠損が生じた場合でも、当該欠損箇所に、元の設計通りの形状に母材を肉盛りした後、特定のサーメット等をジェットコート溶射して皮膜を形成して、既存の金型10を簡易に強化して再生させることができると同時に、欠損が生じ易い箇所へ効果的に、かつ、効率的に皮膜16を形成することができる。なお、金型10の母材と同じ材料を使用して肉盛りするのは、密着度を考慮すると共に、異なる材質を使用した場合には、熱膨張率の相違等によるひびや割れが生ずるのを回避するためである、従って、金型10の母材が、例えば、SKD−11であれば肉盛り材料もSKD−11に、SKD−61であれば同様にSKD−61等を使用する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のように、サーメットの中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができるので、適切に仕上げられた樹脂成形品の歩留りを高めることができる実益がある。
【0046】
本発明によれば、上記のように、合金の中でも上記の特定種類の皮膜材料から皮膜を形成することにより、金型の表面への皮膜の密着力を高めて充分な硬度、耐久性を確保することができると共に、溶射処理を適切に行うことができるので、適切に仕上げられた樹脂成形品の歩留りを高めることができる実益がある。
【0047】
本発明によれば、上記のように、皮膜材料を、マッハ5以上の超高速ジェット燃焼ガス流によって皮膜材料を金型表面に溶射するジェットコート溶射により金型の表面に溶射しているため、プラズマ溶射等に比し、溶射される皮膜材料の粒子の衝突エネルギーが増大し、高い衝突力により金型の表面に高密着力で皮膜を形成させることができると同時に、サーメット等の皮膜材料の温度による変質を最小限にとどめることができるのみならず、更には、気孔率が非常に小さく緻密で高密度の皮膜を形成することができるため、腐食性ガスの浸透をほぼ完全に抑制することができ、金型の皮膜を適切に形成して長期の型寿命を確保することができ、更には、ガン形式の溶射設備で皮膜を簡易に形成することもできる実益がある。
【0048】
本発明によれば、上記のように、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となりバリや欠損が生し易いパーティング面とキャビティやコアとの境界部に皮膜を形成しているため、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる実益がある。
【0049】
本発明によれば、上記のように、樹脂の成形に際して金型の同士の合わせ目となりバリや欠損が生し易いキャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部やコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部に皮膜を形成しているため、金型の欠損やバリの発生を効果的に抑制することができると同時に、金型の表面を効率的に加工処理することができる実益がある。
【0050】
本発明によれば、上記のように、金型に欠損が生じた場合でも、当該欠損箇所に、元の設計通りの形状に母材を肉盛りした後、特定のサーメット等をジェットコート溶射して皮膜を形成しているため、既存の金型を簡易に強化して再生させることができると同時に、欠損が生じ易い箇所へ効果的に、かつ、効率的に皮膜を形成することができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により表面が加工された金型の概略斜視図である。
【図2】本発明の方法により表面が加工された金型の概略縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の方法により表面が加工された金型の概略縦断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施の形態の方法により表面が加工された金型の概略縦断面図である。
【図5】本発明の方法において被膜材料を溶射する状態を示すモデル図である。
【符号の説明】
1 溶射機
A 被膜材料
10 金型
12 キャビティモールド
12A パーティング面
12B キャビティ
12C インサート用部材の保持用凸部
12b キャビティ面
14 コアモールド
14A パーティング面
14B コア
14C インサート用部材の保持用凹部
14b コア面
16 被膜
X パーティング面とキャビティとの境界部
Y パーティング面とコアとの境界部
Z 肉盛り箇所
x キャビティ面と保持用凸部との境界部
y コア面と保持用凹部との境界部
Claims (12)
- 樹脂成形品用の金型の表面に皮膜を形成する金型の表面加工方法において、前記金型の表面に、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを皮膜材料として溶射して前記皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法。
- 樹脂成形品用の金型の表面に皮膜を形成する金型の表面加工方法において、前記金型の表面にCoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数の合金を皮膜材料として溶射して前記皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法。
- 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された金型の表面加工方法であって、前記皮膜材料を、ジェットコート溶射により前記金型の表面に溶射して前記皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された金型の表面加工方法であって、前記皮膜材料を、前記金型の表面のうち、パーティング面とキャビティとの境界部又はパーティング面とコアとの境界部の少なくともいずれか一方又は双方に溶射して前記境界部に前記皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された金型の表面加工方法であって、前記皮膜材料を、前記金型の表面のうち、キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部又はコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部の少なくともいずれか一方又は双方に溶射して前記境界部に前記皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された金型の表面加工方法であって、前記金型の欠損箇所に前記金型の母材と同じ材料を肉盛りした後、前記肉盛り箇所の表面に、前記皮膜材料を溶射して前記皮膜を形成することを特徴とする金型の表面加工方法。
- 表面に皮膜が形成された樹脂成形品用の金型において、前記皮膜は、WC−12Co、WC−17Co、WC27−NiCr、WC−14CoCr、WC/TiC−17Ni、Cr3C2−25NiCrのうちのいずれか又は複数の炭化物サーメットを皮膜材料として前記金型の表面に溶射して形成されていることを特徴とする金型。
- 表面に皮膜が形成された樹脂成形品用の金型において、前記皮膜は、CoNiCrAlY、CoMoCr、NiCrMo、ZnO、CrO2、Cr2O3のうちのいずれか又は複数の合金を皮膜材料として前記金型の表面に溶射して形成されていることを特徴とする金型。
- 請求項7又は請求項8のいずれかに記載された金型であって、前記皮膜材料は、ジェットコート溶射により前記金型の表面に溶射されて前記皮膜を形成していることを特徴とする金型。
- 請求項7乃至請求項9のいずれかに記載された金型であって、前記皮膜は、前記金型の表面のうち、パーティング面とキャビティとの境界部又はパーティング面とコアとの境界部の少なくともいずれか一方又は双方に形成されていることを特徴とする金型。
- 請求項7乃至請求項10のいずれかに記載された金型であって、前記皮膜は、前記金型の表面のうち、キャビティ面とインサート用部材の保持用凸部との境界部又はコア面とインサート用部材の保持用凹部との境界部の少なくともいずれか一方又は双方に形成されていることを特徴とする金型。
- 請求項7乃至請求項11のいずれかに記載された金型であって、前記皮膜は、前記金型の欠損箇所に肉盛りされた前記金型の母材と同じ材料の表面に形成されていることを特徴とする金型。
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CN103484815A (zh) * | 2013-09-24 | 2014-01-01 | 无锡市福莱达石油机械有限公司 | 提高低碳WC/12Co涂层抗熔锌腐蚀性能的方法 |
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2003
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