JP2004314241A - トムソン型並びにトムソン刃及びそれらの製造方法 - Google Patents

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Hajime Maeda
始 前田
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Abstract

【課題】複雑な形状、高低自在に形成可能であり、しかも切れ味・耐久性にも優れたトムソン刃及び該トムソン刃と一体に形成されるトムソン型、及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明では、アクリルその他の樹脂プレートにトムソン刃の形状に応じた掘り込みを設け、該プレートを電鋳液の中に浸漬して電鋳を施し、後にプレートを取り外してトムソン型及びトムソン刃を得るという製造方法を採用した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトムソン型並びにトムソン刃及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂フィルムや紙等を打ち抜く際にトムソン刃を用いた打抜装置を使用することが多い。この打抜装置はテーブル上におかれた合成樹脂フィルム等の被打ち抜き材を、油圧式プレス等に取り付けられたトムソン刃を有するトムソン型でプレスして打ち抜くというものである。
【0003】
係る打抜装置の改良例としては、例えば特開2002−113696号がある。特開2002−113696号公報記載の打ち抜き装置は、被打ち抜き材を吸着搬送し、圧空により離脱させるというものであり有用な発明であるが、トムソン型及びトムソン刃は従来通りのものを使用しているものと思われる。
【0004】
従来のトムソン型及びトムソン刃は木材等で形成したトムソン型に刃物を埋め込んで成るものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−113696号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトムソン型及びトムソン刃には複雑な形状の刃を形成できないという難点がある。すなわち刃物を埋め込んで形成するが故に刃物の繋ぎ合わせが必要となり、細かな弯曲形状を有するトムソン刃を形成するのは困難なのである。
【0007】
係る難点を解決可能な方法として、エッチング加工により刃物を形成するというものがある。即ち刃物用鋼板に刃物の形状に合わせて薬剤でマスク処理を施し、他の部分を溶解させ刃物形状を浮き出させるというものである。
【0008】
係るエッチング加工によれば、複雑な形状を有する刃物を形成することが可能となる。
【0009】
しかしエッチング加工には溶解に時間がかかるので、刃物の高さを出しにくいという難点がある。また、エッチング加工では浮き出た刃物形状を鋭利なものとするために研磨する工程が必要となる。ところが、この研磨は通常の刃物の研磨が刃先に向ってなされる(縦削り)のに対し、刃先に対して直交する方向(横削り)にしかなし得ない。刃の高さが小さいからである。
【0010】
かような横削りによると横方向に研磨傷が残り刃物の切れ味が鈍るという難点を生じる。また、研磨を加えると刃物の強度も落ちてしまい、耐久性に難点が生じてしまう。
【0011】
そこで本発明は複雑な形状、高低自在に形成可能であり、しかも切れ味・耐久性にも優れたトムソン刃及び該トムソン刃と一体に形成されるトムソン型、及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では、アクリルその他の樹脂プレートにトムソン刃の形状に応じた掘り込みを設け、該プレートを電鋳液の中に浸漬して電鋳を施し、後にプレートを取り外してトムソン型及びトムソン刃を得るという製造方法を採用した。
【0013】
プレートに掘り込まれた溝形状に対応した刃物形状が得られるのであるから従来のトムソン刃のように刃物を繋ぎ合わせる必要がなく、複雑な形状の刃を得ることができるのである。また溝深さを変えるだけで高低自在に刃を形成できるのである。
【0014】
また、掘り込み溝を先鋭に形成すれば、自動的に先鋭な刃先が得られ研磨工程が不要となる。故に鏡面仕上となり、切れ味が鋭く、また研磨が加えられていないことから耐久性にも優れたトムソン刃を得ることができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、好ましい発明の一実施形態につき図面を参照しながら述べる。
【0016】
図1は本発明による製造工程を模式的に示した図であり、図2は樹脂プレートの斜視図であり、図3は同A−A断面図であり、図4はトムソン型及びトムソン刃の斜視図であり、図5は電鋳槽に樹脂プレートを浸漬した状態を示す斜視図である。
【0017】
図1aはプレート10を示しており、2列の掘り込み11が設けられている。図1bはこのプレート10を電鋳槽に浸漬して電鋳を施した状態を示している。プレート10表面に電鋳液に含ませたニッケル等が析出され肉盛りされた状態を示すものである。図1cは肉盛りされた部分とプレート10を分離した状態を示すものであり、肉盛りされた部分が一体成形されたトムソン型20及びトムソン刃21となるのである。
【0018】
かような製造方法によりトムソン型及びトムソン刃を得るのである。
【0019】
図2乃至図4は方形のトムソン刃を製造する場合を示すものである。図2に示すプレート30には方形の掘り込み31が設けてある。この掘り込み31は、図3に示すように奥部が先鋭な先細り形状となっている。係るプレート30に電鋳を施して析出・肉盛りされたものを取り外すと、図4に示す一体成形されたトムソン型40及び方形のトムソン刃41が得られるのである。
【0020】
図5は電鋳槽50内の処理液51にプレート52を浸漬した状態を示している。プレート52は保持・通電棒53により支持されている。この保持・通電棒53は陰極と連結されている。電鋳槽50には陽極板54が設けられ陽極と連結されている。
【0021】
係る状態で通電するとプレート52上に処理液51内に含まれる金属成分が析出・肉盛りされるのである。そしてプレート52にトムソン刃に対応した掘り込を設けておけば、トムソン型及びトムソン刃を得られるのは前述のとおりである。
【0022】
尚、処理液51内にはスルファミン酸ニッケル液、塩化ニッケル、亜リン酸、ほう酸等を含浸させておけばよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、複雑な形状、高低自在に形成可能であり、しかも切れ味・耐久性にも優れたトムソン刃及び該トムソン刃と一体に形成されるトムソン型、及びそれらの製造方法を提供することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造工程を模式的に示した図。
【図2】樹脂プレートの斜視図。
【図3】同A−A断面図。
【図4】トムソン型及びトムソン刃の斜視図。
【図5】電鋳槽に樹脂プレートを浸漬した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
10・・プレート 11・・掘り込み
20・・トムソン型 21・・トムソン刃
30・・プレート 31・・掘り込み
40・・トムソン型 41・・トムソン刃
50・・電鋳槽 51・・処理液 52・・プレート
53・・保持・通電棒 54・・陽極板

Claims (2)

  1. 電鋳により一体成形したトムソン型及びトムソン刃
  2. アクリルその他の樹脂プレートにトムソン刃の形状に応じた掘り込みを設け、該プレートを電鋳液の中に浸漬して電鋳を施し、後にプレートを取り外してトムソン型及びトムソン刃を得る、というトムソン型及びトムソン刃の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012161506A2 (ko) * 2011-05-24 2012-11-29 Kim Young-Jwa 나사전조탭
JP2015085478A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 株式会社▲高▼橋型精 3d金属造形機を用いた三次元抜き型の製造方法
JP2015085477A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 株式会社▲高▼橋型精 三次元抜き型の製造方法

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