JP2004313918A - 減圧汚泥乾燥方法と装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減圧脱水法におけるコンデンサの目詰まりを防止した減圧汚泥乾燥の方法と装置を提供する。
【解決手段】汚泥3を真空蒸留釜4で加熱して水分を蒸留して汚泥3を微粉状に乾燥する手段と、該蒸留水を減圧化15のコンデンサ16で凝縮する手段と、前記真空蒸留釜4とコンデンサ16の間にディスクフィルタを付設して付着する乾燥微粉を除去する手段と、ディスクフィルタ23の稼働を蒸留・凝縮の停止時に逆流して行なうようにした減圧汚泥乾燥方法と、また汚泥3を加熱して水分を蒸留して汚泥3を微粉状に乾燥する真空蒸留釜4と、該蒸留水を減圧化15で凝縮するコンデンサ16と、該乾燥微粉の付着を前記真空蒸留釜4とコンデンサ16の間で除去するためのディスクフィルタ23をシステム化した減圧汚泥乾燥装置を構成するものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥中の水分を減圧蒸留して脱水し、汚泥を微粉状に乾燥する方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
汚泥中の99%程度は水分のため、焼却するにしても如何に効率よく脱水しておくかが問題となる。汚泥の脱水技術として最もよく使われている方法は、遠心分離脱水法・真空フイルタ脱水法・フイルタプレス加圧脱水法・ベルトプレス脱水法の各方式である。
【0003】
しかし遠心分離脱水法は、騒音が高く、高分子凝集剤を使用するので運転費が高価になる。また真空フイルタ脱水法は、ろ布の目詰まりや蛇行の調整が必要となる。そしてフイルタプレス加圧脱水法は、設置面積が大きく、設備費も高価で煩雑である。そしてまたベルトプレス脱水法は、一台の処理能力が小さいので複数台設置しなければならない。しかし、何れの方式も、脱水後のケ−キの含水率が70%以上あり、完全に乾燥しきれないことが欠点となっている。
【0004】
そのため焼却法が注目されている。しかし、水分を蒸発させるための蒸発潜熱に莫大な熱エネルギーが必要になる。その点、減圧脱水法は、大気圧以下にするので、水の沸点が下がり、速やかに乾燥でき、臭気も防ぐことができ、含水率は1〜5%の乾燥も可能となる。そのため、廃液再利用の範囲も広がるものとなっている。
【0005】
減圧脱水法の先行技術には、乾燥物が微粉状になって飛散するため、コンデンサの詰まりやすいことが欠点となっている(例えば、特許文献1)
そのため、ブレードを有するディスクフィルタで吸着させ、これを逆洗して除去することが好ましい。ディスクフィルタの先行技術のものは、ディスクフィルタ内にガスを供給するようにしたディスクフィルタの洗浄装置に関するものである(例えば、特許文献2)。
【0006】
(特許文献1)
特許第3147142号
(特許文献2)
特開2002−95909号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の事情に鑑み、本発明は、減圧脱水法におけるコンデンサの目詰まりを防止した減圧汚泥乾燥方法と装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を達成するために、汚泥を真空蒸留釜で加熱して水分を蒸留して汚泥を微粉状に乾燥する手段と、該蒸留水を減圧化のコンデンサで凝縮する手段と、前記真空蒸留釜とコンデンサの間にディスクフィルタを付設して付着する乾燥微粉を除去する手段と、該ディスクフィルタの稼働を蒸留・凝縮の停止時に逆流して行なうようにした減圧汚泥乾燥方法を構成するものである。
【0009】
また、本発明は上記課題を達成するために、汚泥を加熱して水分を蒸留して汚泥を微粉状に乾燥する真空蒸留釜と、該蒸留水を減圧化で凝縮するコンデンサと、該乾燥微粉の付着を前記真空蒸留釜とコンデンサの間で除去するためのディスクフィルタをシステム化した減圧汚泥乾燥装置を構成するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳しく説明する。図1は本発明の減圧汚泥乾燥装置の一実施例を示すフローシート、図2は本発明の減圧汚泥乾燥装置に使用されるディスクフィルタの一実施例を示す透視正面図である。
【0011】
図1は、本発明の減圧汚泥乾燥装置1を示す。凝縮沈殿後もしくは凝集沈殿前の汚泥3は、連続式に移送するためのスクリュコンベア2で移送され、加熱して水分を蒸留するための真空蒸留釜4に導入される。真空蒸留釜4は、二重底になっており、外周壁はジャケット構造になっている。
【0012】
ジャケットの外側に穿孔し、連結した加熱用スチーム供給管5より、加熱用スチーム6を供給し、同じくジャケット外側に穿孔し連結した加熱用スチームドレン排出管7より生じたドレン8をスチームトラップ9を経由して排出する。この加熱機構により、所定温度に加熱・加温できる構造になっている。
【0013】
また真空蒸留釜4の内部には、羽根10…10が、軸のまわりに取り付けられており、軸の一方の端には、真空蒸留釜4内の撹拌及び汚泥3を抜き出すための撹拌スクリュ11が取り付けられてある。
真空蒸留釜4は、加温と共に装置内を所定の減圧度にするため、排気管12にて補助排気装置(スチームエジェクタ)13へと、また発生水蒸気排出管14にて真空ポンプ15と、ジャケットを貫通して配置・接続され、真空蒸留釜4内を所定の減圧状態に保てる構造になっている。
【0014】
また発生水蒸気排出管14は、汚泥3の減圧下における加温により発生する水蒸気を凝縮・分離させる水冷式コンデンサ16、及び生じた凝縮水を貯めるレバッファタンク17に接続されている。コンデンサ16には、冷却水18が送り込まれる。従って、コンデンサ16で冷却水18が熱交換され、冷却水18は出口19から排出される。20は、大気の開放弁である。コンデンサ16は、逆止弁21、サイトグラス22、エジェクタ13、バッファ−タンク17を経由して、真空ポンプ15に連結されている。
【0015】
本発明の減圧汚泥乾燥装置1は、汚泥3を乾燥微粉体のスラッジにまで乾燥させることができるので、コンデンサ16内には粉末が付着して詰まる恐れがある。そのため、汚泥を加熱して蒸留させる真空蒸留釜4と、蒸留水を凝縮させるコンデンサ16との間には、ディスクフィルタ23が付設されている。
【0016】
図2は、本発明の減圧汚泥乾燥装置1に使用されるディスクフィルタ23の詳細を示している。ディスクフィルタ23は、モータ24によつて回転されるが、内部には複数枚のディスク羽根23a…23aが付設されている。このディスクフィルタ23による洗浄の稼働は、蒸留・凝縮が停止した時に、逆流させて乾燥微粉体を排出するようにするものである。なお乾燥微粉体は、ディスク羽根23a…23aに付着しているので、羽根23a…23aは、加熱しうるようにしておくことが好ましい。
【0017】
そして、真空ポンプ15からエゼクタ13に入り、バッファタンク17を経て真空ポンプ15に循環する凝縮水は、熱交換器27によってバッファタンク17に貯留される。25はバッファタンク17からのエア−抜きであり、26は排水である。
【0018】
本発明の減圧汚泥乾燥装置1は、汚泥から清浄な回収水を抽出するとともに、残滓物を乾燥脱水した粉末状スラッジとして分離しうるようになっている。真空蒸留釜4内の移送用羽根10…10を逆回転さして排出管28から排出する。この微粉状の乾燥物捕集には、サイクロン29が必要に応じて設置される。下部が細くなった円錐状のサイクロン29は、上部から清浄空気30で吸引し、下端から乾燥微粉体の31を分離して捕集するものである。
【0019】
真空蒸留釜4は、加熱し所望の減圧度(40〜250mmHg)に減圧して操業することにより、粉末状の乾燥スラッジ31は含水率が1〜10%にまで乾燥することができる。
【0020】
なお、この際に、真空蒸留釜4中の乾燥スラッジ31を含む廃液は、供給部に近い含水率の高い領域では、撹拌が充分行なわれておりさえすれば、加熱用ジャケット温度は飽和水蒸気を供給し加熱しているため100℃になっているので、ジャケット温度近くまで上がることはない。従って、操業圧(減圧度)条件に匹敵する水の沸点温度にしかならず低温で脱水が進行し、含有水分率が低くなった容器後部では、温度上昇可能状態にあるが、乾燥スラッジ31自体の含水率低下による熱伝達率低下と、雰囲気の(減圧状態の)熱伝達低下のため、ジャケット壁温近くの高温域にまで温度が上昇することなく脱水することができるようシステムしている。
【0021】
そのため蒸留は、減圧下のため効率よく行なわれる。本発明の減圧の程度は、大気圧より−500mmHgから−750mmHgの減圧下で行なわれる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の減圧汚泥乾燥の方法と装置は、ディスクフィルタを組み込むことにより、コンデンサの目詰まりを防止することができる。
【0023】
本発明の減圧汚泥乾燥の方法と装置は、スラッジの乾燥率を1〜10%にまで完全にパサパサ状態にまで乾燥させることができるようになったので、その後の処理が楽に行うことができる。
【0024】
本発明の減圧汚泥乾燥の方法と装置は、清浄な回収水が得られるため、排水処理が容易になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減圧汚泥乾燥装置の一実施例を示すフローシートである。
【図2】本発明の減圧汚泥乾燥装置に使用されるディスクフィルタの一実施例を示す透視正面図である。
【符号の説明】
1 減圧汚泥乾燥装置
2 スクリュコンベア
3 汚泥
4 真空蒸留釜
5 加熱用スチーム供給管
6 加熱用スチーム
7 加熱用スチームドレン排出管
8 ドレン
9 スチームトラップ
10 真空蒸留釜の羽根
11 真空蒸留釜の撹拌スクリュ
12 排気管
13 スチームエジェクタ
14 発生水蒸気排出管
15 真空ポンプ
16 コンデンサ
17 バッファタンク
18 冷却水
19 冷却水の出口
20 大気の開放弁
21 逆止弁
22 サイトグラス
23 ディスクフィルタ
23a ディスク羽根
24 ディスクフィルタのモータ
25 エア−抜き
26 排水
27 熱交換器
28 排出管
29 サイクロン
30 清浄空気
31 乾燥微粉体のスラッジ

Claims (4)

  1. 汚泥を真空蒸留釜で加熱して水分を蒸留して汚泥を微粉状に乾燥する手段と、該蒸留水を減圧化のコンデンサで凝縮する手段と、前記真空蒸留釜とコンデンサの間にディスクフィルタを付設して付着する乾燥微粉を除去する手段と、該ディスクフィルタの稼働を蒸留・凝縮の停止時に逆流して行なうようにしたことを特徴とする減圧汚泥乾燥方法。
  2. 汚泥を加熱して水分を蒸留して汚泥を微粉状に乾燥する真空蒸留釜と、該蒸留水を減圧化で凝縮するコンデンサと、該乾燥微粉の付着を前記真空蒸留釜とコンデンサの間で除去するためのディスクフィルタをシステム化したことを特徴とする減圧汚泥乾燥装置。
  3. ディスクフィルタの羽根を加熱するようにした請求項1又は2記載の減圧汚泥乾燥方法と装置。
  4. 微粉状の乾燥物捕集に、さらにサイクロンを付設した請求項1又は2記載の減圧汚泥乾燥方法と装置。
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