JP4034221B2 - 真空蒸発濃縮式浸出水処理装置および方法 - Google Patents

真空蒸発濃縮式浸出水処理装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管理型最終処分場の浸出水を放流可能な程度まで処理した後の処理水中に含まれる微量汚染物質を真空蒸発方式により分離する真空蒸発濃縮式浸出水処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
管理型最終処分場から流出する浸出水は、廃棄物中の汚染物質を含んだ状態になっていることから、そのままでは下水道等へ放流することができない。このため、浸出水処理設備において、上記浸出水に対して、生物処理、凝集沈澱、砂ろ過、滅菌等の処理を行い、これによってBOD、COD、SS等が排出基準値以下となった処理水を下水道等へ放流している。
【0003】
しかし、上記浸出水処理設備のみでは、ダイオキシン類や塩類等を含む微量汚染物質を完全に除去することができず、当該微量汚染物質が処理水とともに排出されることになる。これに対して、ダイオキシン類の排出基準はますます厳しくなる傾向にあり、最終的にはダイオキシン類を完全に除去する技術の開発が望まれている。このため、ダイオキシン類等を含む微量汚染物質を除去する技術が急速に開発されつつある。
【0004】
この微量汚染物質を除去する高度処理技術としては、例えば活性炭吸着、膜分離、OHラジカルによる酸化分解等の技術がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
「環境施設」株式会社公共投資ジャーナル社出版、2002年9月、p.16〜42、企画特集・3ダイオキシン類・脱塩の浸出水処理技術傾向
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記活性炭吸着、膜分離、OHラジカルによる酸化分解等の技術では、ごく微量ではあるがダイオキシン類や塩類等が処理水とともに流出してしまうという問題がある。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、浸出水からダイオキシン類等を含む汚染物質を確実に分離回収することができ、かつその分離回収に要するコストの低減を図ることのできる真空蒸発濃縮式浸出水処理装置および方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置は、管理型最終処分場の浸出水を放流可能な程度まで処理した後の処理水中に含まれるダイオキシン類含有の微量汚染物質を固形分として分離回収する浸出水処理装置であって、上記処理水を真空雰囲気下で加熱して、当該処理水の水分を80〜90%蒸発させることにより第1濃縮水を得る第1蒸発装置と、上記第1濃縮水を真空雰囲気下で加熱して、当該第1濃縮水の水分を50〜70%蒸発させることにより第2濃縮水を得る第2蒸発装置と、上記第2濃縮水を大気圧雰囲気下で加熱して、当該第2濃縮水の水分を蒸発させることにより上記微量汚染物質を固形物として分離回収する第3蒸発装置とを備えており、上記第3蒸発装置は、上記第2濃縮水を蒸発させる密閉された蒸発容器及びこの蒸発容器内の気体を吸引して、当該気体中に含まれるダストを回収するサイクロン並びにこのサイクロンと上記蒸発容器との間に介装され、上記気体中に含まれる水滴を捕集するミスト捕集器を有し、上記蒸発容器は、円筒形状の外周壁を有して、上下の端部が天板及び底板で覆われてなる容器本体と、この容器本体内に上下方向を仕切るように設置されて、それぞれ下方に通じかつ互いに重ならない位置に開口部が形成された複数枚の加熱皿と、これらの加熱皿の軸心部を貫通するように延在している回転軸と、この回転軸の外周面から上記加熱皿の上方を半径方向に延在する支持棒と、この支持棒に固定されて下方に垂れ下がり、上記加熱皿によって加熱される処理水を攪拌するレーキチェーンとを有し、上記容器本体には、最上位置の上記加熱皿に上記第2濃縮水を供給する供給口と、上記ミスト捕集器を介して上記サイクロンに接続されるガス排出口とが形成され、かつ上記底板には、上記第2の濃縮水から水分が蒸発することによって残った上記固形物を排出する排出口が形成されていることを特徴としている。
【0009】
なお、真空雰囲気とは、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた雰囲気をいい、加熱直後においては空気による真空雰囲気の状態にあり、蒸発が進行した後は水蒸気による真空雰囲気の状態となる。
【0010】
請求項2に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置は、請求項1に記載の発明において、上記第1蒸発装置は、密閉された蒸発容器と、この蒸発容器内に設置された加熱管と、この加熱管に向けて上記処理水を噴出するように上記蒸発容器の天井部に設けられたノズルと、上記処理水の加熱管の表面での薄膜蒸発により生成される水蒸気を吸引して、圧縮させるとともに温度上昇させて、上記加熱管に供給するヒートポンプと、このヒートポンプを通じて上記加熱管に供給した上記水蒸気が上記処理水の薄膜蒸発によって冷却凝縮されて生成された凝縮水と上記ノズルに供給する前記放流可能な程度まで処理した処理水とを流通させて、上記凝縮水の熱によって上記処理水を加熱する熱交換器とを備えていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置は、請求項に記載の発明において、上記第1蒸発装置は、前記放流可能な程度まで処理されて、上記熱交換器によって加熱された処理水が上記蒸発容器の底部に供給されるようになっており、この底部に供給された処理水および上記ノズルから噴出されて上記蒸発容器の底部に溜まった処理水を上記ノズルに供給する循環ポンプが介装された管路と、上記処理水の一部を上記第2蒸発装置に供給する管路とが設けられ、かつ当該循環ポンプが介装された管路には、消泡剤、分散剤及びスルファミン酸が供給されるようになっていることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置は、請求項に記載の発明において、上記熱交換器から排出された凝縮水を加熱するボイラが設けられており、このボイラによって加熱された凝縮水が上記加熱管に再供給されるようになっていることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置は、請求項に記載の発明において、上記加熱皿は、上記開口部の一方の縁部から他方の縁部まで円弧状に延在し、かつ上記容器本体と同軸状に配置され、上記ボイラによって加熱された凝縮水を流通させる複数の加熱管が連結されて構成されており、上記供給口から供給されて、上記レーキチェーンによって攪拌される上記第2濃縮水を当該加熱皿によって蒸発させるようになっていることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法は、請求項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置を用いて、管理型最終処分場の浸出水を放流可能な程度まで処理した後の処理水中に含まれるダイオキシン類含有の微量汚染物質を固形物として分離回収する真空蒸発濃縮式浸出水処理方法であって、上記処理水を真空雰囲気下で加熱して、当該処理水の水分を80〜90%蒸発させることにより第1濃縮水を得る第1蒸発工程と、上記第1濃縮水を真空雰囲気下で加熱して、当該第1濃縮水の水分を50〜70%蒸発させることにより第2濃縮水を得る第2蒸発工程と、上記第2濃縮水を大気圧雰囲気下で加熱して、当該第2濃縮水の水分を蒸発させることにより上記微量汚染物質を固形物として分離回収する第3蒸発工程とを備えており、上記第3蒸発工程は、上記供給口から最上位置の上記加熱皿に供給された上記第2濃縮水を、上記レーキチェーンで攪拌しながら当該加熱皿によって加熱して、水分を蒸発させつつ上記開口部を介して、下方の加熱皿に移動させることによって、上記第2濃縮水の水分を最下位置の加熱皿上で完全に蒸発させた状態にして、上記固形物として上記排出口から排出するとともに、上記サイクロンによって、上記ガス排出口から上記第3蒸発装置内の気体を吸引して、当該気体中に含まれるダストを回収し、かつ上記ミスト捕集器によって、当該気体中に含まれる水滴を捕集することを特徴としている。
【0015】
請求項7に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法は、請求項に記載の発明において、上記第1蒸発工程は、前記放流可能な程度まで処理した処理水を、上記熱交換器によって上記凝縮水の熱により加熱した後に、蒸発容器の天井部に設けられたノズルから水蒸気が流通する加熱管に向けて噴出させることにより、上記処理水の水分を上記加熱管の表面で薄膜蒸発させ、かつ上記蒸発容器の底部に溜まった処理水を上記循環ポンプが介装された管路によって上記ノズルに再供給するとともに、上記底部に溜まった処理水の一部を上記第1濃縮水として管路によって上記第2蒸発装置に供給することを特徴としている。
【0016】
請求項8に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法は、請求項7に記載の発明において、上記熱交換器によって加熱した処理水を、上記蒸発容器の底部に供給して、この底部に供給された処理水を上記循環ポンプが介装された管路に供給することよって上記ノズルから上記加熱管に向けて噴出させるとともに、上記底部に供給された処理水の一部を上記底部に溜まった処理水の一部とともに上記第1濃縮水として管路によって上記第2蒸発装置に供給することを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法は、請求項7または8に記載の発明において、上記処理水を上記ノズルに供給する上記循環ポンプが介装された路内に、消泡剤、分散剤及びスルファミン酸を供給することを特徴としている。
【0018】
請求項10に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法は、請求項7ないし9のいずれかに記載の発明において、上記処理水の水分が上記加熱管の表面で薄膜蒸発することにより生成される水蒸気を上記ヒートポンプによって吸引して圧縮するとともに、温度上昇させた高温の水蒸気、および/または上記凝縮水を上記ボイラによって加熱した高温の水蒸気を、上記加熱管に流通させることを特徴としている。
【0019】
請求項11に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法は、請求項6ないし10のいずれかに記載の発明において、上記第1蒸発工程及び上記第2蒸発工程における上記真空雰囲気は、水の沸点が60℃〜80℃となる真空の雰囲気であることを特徴としている。
【0021】
上記請求項1〜11に記載の発明においては、処理水の水分を蒸発させることにより当該水分を凝縮水として回収することができるとともに、塩類等の汚染物質を固形物として回収することができる。この場合、ダイオキシン類は、水に溶けにくく通常SSやコロイドに付着していることから、上記固形物とともに回収することができ、凝縮水に入るのを確実に防止することができる。
すなわち、上記凝縮水は、ほぼ純水の状態で回収することができるので、そのまま下水道等に排出することはもちろんのこと、農業用水等に多目的に利用することができる。
【0022】
しかも、真空雰囲気下で処理水を加熱しているので、通常の大気圧の状態に比べて水の沸点を下げることができる。したがって、汚染物質を固形物として分離回収するのに要する加熱費用の低減を図ることができる。
【0023】
加えて、第1蒸発工程(または第1蒸装置)、第2蒸発工程(または第2蒸発装置)および第3蒸発工程(または第3蒸発装置)の三段階に分けて、徐々に蒸発させているので、第1蒸発工程(または第1蒸発装置)に処理水を連続的に供給しながら、第3蒸発工程(または第3蒸発装置)から汚染物質を固形物として連続して回収することができる。すなわち、汚染物質を処理水から能率よく分離回収することができる。
【0024】
そして、第1蒸発工程(または第1蒸発装置)において、処理水の水分を80〜90%蒸発させるようにしたのは、80%未満では、装置の能力に余裕があるからであり、90%を超えると、装置の能力に余裕がなくなり、効率が下がり、経済的に不利となるからである。
【0025】
また、第2蒸発工程(または第2蒸発装置)において、第1濃縮水の水分を50〜70%蒸発させるようにしたのは、50%未満では、装置の能力に余裕があり、非効率であるからであり、70%を超えると、装置能力に余裕がなくなるからである。
【0026】
さらに、第3蒸発工程(または第3蒸発装置)において、真空雰囲気下で蒸発を行わなかったのは、第2蒸発工程(または第2蒸発装置)までに、水分を十分除去することができ、真空雰囲気化で加熱しなくても、十分効率よく水分を蒸発させることができるからである。
【0027】
特に、請求項11に記載の発明においては、水の沸点が60〜80℃の範囲となる真空雰囲気下で加熱しているので、汚染物質を固形物として分離回収するための加熱費用を十分に低減することができる。
【0028】
なお、水の沸点を60〜80℃の範囲となるようにしたのは、60℃未満になると、真空ポンプの容量が大きくなり、経済的に不利になるからであり、80℃を超えると、処理水に対する真空蒸発システムのエネルギーレベルが高くなって、経済的に不利となるからである。
【0029】
また、上記固形物は、遮水性容器に詰めて管理型最終処分場に埋立処理することによって、固形物に含まれる汚染物質を極めて安全に、かつ経済的に処理することができる。
【0030】
さらに、得られた凝縮水を上記管理型最終処分場に散布することによって、廃棄物に含まれる汚染物質を洗い流すことができる。特に、凝縮水は、不純物がほとんど含まれておらず、塩類等を溶解する能力が高いので、上記汚染物質を洗浄す
るのに極めて都合がよい。したがって、管理型最終処分場の無害化を早期に実現することができる。
【0031】
また、管理型最終処分場の廃棄物中に発生した可燃性ガスを処理水の加熱のための熱源として利用することによって、処理水の蒸発に要する加熱費用の低減を図ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態としての真空蒸発濃縮式浸出水処理装置について図面を参照しながら説明した後、真空蒸発濃縮式浸出水処理方法について説明する。
【0033】
図1において、1は在来型処理設備であり、2は真空蒸発濃縮式浸出水処理装置である。
【0034】
在来型処理設備1は、図1および図2に示すように、管理型最終処分場Fの浸出水を一時的に蓄える原水タンク1aと、カルシウム処理装置1bと、第一凝集沈澱装置1cと、生物処理装置1dと、第二凝集沈澱装置1eと、砂ろ過装置1fと、活性炭吸着装置1gと、滅菌装置1h等を備え、これによってBOD、COD、SS等を排出基準値以下まで処理し、下水道等への放流が可能な処理水を得るようになっている。
【0035】
処理水は、調整タンク1iに一時的に蓄えられた後、ポンプ1jによって真空蒸発濃縮式浸出水処理装置2に送られるようになっている。また、第一凝集沈澱装置1cおよび第二凝集沈澱装置1eで回収された汚泥は、濃縮装置1mおよび脱水装置1nによって処理された後、管理型最終処分場Fに埋め立てられることになる。
【0036】
真空蒸発濃縮式浸出水処理装置2は、図1に示すように、在来型処理設備1によって得られた処理水中に含まれる微量汚染物質を分離回収すべく構成されたものであり、上記処理水を真空雰囲気下で加熱して蒸発させる真空蒸発装置としての第1蒸発装置21および第2蒸発装置22と、大気圧雰囲気下で加熱して蒸発させる第3蒸発装置23とを備えている。
【0037】
第1蒸発装置21は、図3に示すように、蒸発容器21aと、真空ポンプ21bと、加熱管21cと、ノズル21dと、循環ポンプ21eと、ヒートポンプ21fと、熱交換器21gを備えている。
【0038】
蒸発容器21aは、密閉された容器によって構成されている。また、調整タンク1iから送られてきた処理水は、蒸発容器21aの底部に供給されるようになっている。
【0039】
真空ポンプ21bは、蒸発容器21aの天板部に接続されており、基本的には蒸発作業の初期において蒸発容器21a内を真空雰囲気に保持するために用いられるようになっている。ただし、継続作業時に、蒸発容器21a内を所定の真空雰囲気に調整するために用いてもよい。真空雰囲気は、水の沸点が60〜80℃(ただし、この実施の形態では70℃)となるように設定されるようになっている。
【0040】
加熱管21cは、高温の水蒸気を通すようになっており、複数のものが蒸発容器21a内に設置されている。
ノズル21dは、蒸発容器21aの天板部に設けられており、循環ポンプ21eによって供給される処理水を蒸発容器21a内の加熱管21cに向けて噴出するようになっている。
循環ポンプ21eは、蒸発容器21aの底部に溜まった処理水をノズル21dに供給するとともに、当該底部に溜まった処理水の一部を第1濃縮水として管路21hを介して第2蒸発装置22に供給するようになっている。
【0041】
ヒートポンプ21fは、処理水の水分が加熱管21cの表面で薄膜蒸発した後の水蒸気を吸引して圧縮し、3〜6℃温度上昇させた後の水蒸気を加熱管21cに供給するようになっている。すなわち、ヒートポンプ21fは、継続作業時に真空ポンプ21bに代わって上記真空雰囲気を維持する役割を担うとともに、加熱管21cに高温の水蒸気を供給する役割も担うようになっている。また、ヒートポンプ21fは、高温の水蒸気を加熱管21cに供給することができるため、通常の継続作業時には後述するボイラ装置3からの高温の水蒸気の供給を受けることなく、加熱管21cを高温状態に維持することが可能である。
【0042】
熱交換器21gは、水蒸気が加熱管21c内を通ることによって冷却されて凝縮した凝縮水と、調整タンク1iから供給される処理水とを通すことによって、凝縮水の熱を処理水に与えるようになっている。また、凝縮水は、熱交換器21gを通過後、ボイラ設備3の凝縮水タンク31に供給されることになる。
【0043】
また、図3において、21iは凝縮水を加熱管21cから熱交換器21gを介して凝縮水タンク31に供給するためのポンプであり、21jはボイラ設備3から供給される高温の水蒸気について、加熱管21cに供給する量を調整するためのバルブである。
すなわち、バルブ21jは、例えば蒸発作業の初期において開状態にすることによりボイラ設備3からの高温の水蒸気を加熱管21cに供給して当該加熱管21cを加熱することができ、また例えば継続作業時に閉状態にすることによりヒートポンプ21fから供給される高温の水蒸気のみを加熱管21cに供給することができるようになっている。
さらに、図3において、21kは、循環ポンプ21eからノズル21dに処理水を供給する管路であり、この管路21k内には、消泡剤、分散剤およびスルファミン酸が供給されるようになっている。
【0044】
消泡剤は、処理水の発泡を防止することによって、当該処理水を加熱管21cの表面に薄膜状に接触させ、これによって薄膜蒸発を促進させて、処理水の水分の蒸発効率の向上を図るようになっている。
分散剤は、処理水中に分散しにくい例えば固体粒子を一様に分散させ、これによって、処理水の水分を一様に蒸発させるようになっている。
スルファミン酸は、装置の内部を洗浄するために使用する。
【0045】
このように構成された第1蒸発装置21では、調整タンク1iから供給された処理水の水分を80〜90%(この実施の形態では約90%)蒸発させた後の第1濃縮水を管路21hを介して第2蒸発装置22に供給するようになっている。
すなわち、第1濃縮水は、処理水に対して5〜10倍(この実施の形態では約10倍)濃縮されて第2蒸発装置22に供給されることになる。
【0046】
ボイラ設備3は、凝縮水タンク31と、ボイラ32とを備えている。
凝縮水タンク31は、真空蒸発濃縮式浸出水処理装置2の運転初期において必要なボイラ用水を蓄えるようになっているとともに、熱交換器21gから供給される凝縮水や、第2蒸発装置22および第3蒸発装置23から供給される凝縮水を蓄えるようになっている。また、熱交換器21g等から供給される凝縮水によって、凝縮水タンク31b内の水量が徐々に増加するが、その余剰となった水は、ポンプ31aによって凝縮水タンク31bに送られて蓄えられるようになっている。
【0047】
ボイラ32は、凝縮水タンク31からポンプ31cを介して供給された水を加熱して気化させ、高温となった水蒸気を管路33a、33b、33cおよびバルブ21iを介して加熱管21cに供給し、また管路33a、33b、33dを介して第2蒸発装置22の後述するエゼクタ22bに供給し、さらに管路33a、33eを介して第3蒸発装置23の後述する導入管A2dに供給するようになっている。
【0048】
また、図3において、32aは重油を燃焼させるバーナであり、32bは燃焼ガスを排出するための誘引送風機である。
【0049】
第2蒸発装置22は、図4に示すように、蒸発容器22aと、エゼクタ22bと、ノズル22cと、循環ポンプ22dと、ヒータ22eと、コンデンサ22fを備えている。
【0050】
蒸発容器22aは、密閉された容器によって構成されている。また、循環ポンプ21eから管路21hを介して送られてきた第1濃縮水は、蒸発容器22aの底部に供給されるようになっている。
【0051】
エゼクタ22bは、ボイラ32から管路33dを介して供給される高速の水蒸気によって生じる負圧を利用して蒸発容器22a内を真空雰囲気に維持するようになっている。ここでの真空雰囲気は、水の沸点が60〜80℃(ただし、この実施の形態では70℃)となるように設定されるようになっている。
【0052】
ノズル22cは、蒸発容器22aの天板部に設けられており、循環ポンプ22dによって供給され、かつヒータ22eによって加熱された後の高温の第1濃縮水を蒸発容器22a内の下方に向けて霧状に吹き出すことによって、当該第1濃縮水の水分を蒸発させるようになっている。
【0053】
循環ポンプ22dは、蒸発容器22aの底部に溜まった第1濃縮水をヒータ22eを介してノズル22cに供給するとともに、第1濃縮水の一部を第2濃縮水として管路22gを介して第3蒸発装置23の後述する蒸発容器23aに供給するようになっている。
【0054】
ヒータ22eは、ボイラ32から供給されエゼクタ22bを通過後の高温の水蒸気およびこのエゼクタ22bで吸引された蒸発容器22a内の水蒸気が混合された高温の水蒸気と、循環ポンプ21eから供給された第1濃縮水とを通すことによって、水蒸気の熱を第1濃縮水に与えて、同第1濃縮水を加熱するようになっている。また、水蒸気は、第1濃縮水に熱を奪われることによって凝縮し凝縮水となる。
【0055】
コンデンサ22fは、蒸発容器22aで蒸発した水蒸気のうちエゼクタ22bで吸引途中の水蒸気を真空ポンプ22hによって導くとともに、クーリングタワー22iからポンプ22jによって供給される冷却水を導くことにより、水蒸気を冷却、凝縮させて凝縮水とするようになっている。
【0056】
また、コンデンサ22fで凝縮した凝縮水は、ヒータ22eで凝縮した凝縮水と共にポンプ22kによって管路2aに吐出され、凝縮水タンク31に送られるようになっている。
【0057】
このように構成された第2蒸発装置22では、第1蒸発装置21の循環ポンプ21eから管路21hを介して供給された第1濃縮水の水分を50〜80%(この実施の形態では約67%)蒸発させた後の第2濃縮水を管路22gを介して第3蒸発装置23に供給するようになっている。すなわち、第2濃縮水は、第1濃縮水に対して2〜5倍(この実施の形態では約3倍)濃縮されて第3蒸発装置23に供給されることになる。
【0058】
第3蒸発装置23は、図5〜図7に示すように、蒸発容器23aと、ミスト捕集器23bと、サイクロン23cを備えている。
【0059】
蒸発容器23aは、図6および図7に示すように、容器本体A1と、加熱皿A2と、回転軸A3と、レーキチェーンA4を備えている。
【0060】
容器本体A1は、軸方向を上下方向に向けて設置された円筒形状の外周壁A1aを有し、その上下の端部が天板A1bおよび底板A1cで覆われている。天板A1bには、最上位置の加熱皿A2に第2濃縮水を供給する供給口A1dと、ガス排出口A1eが設けられている。また、底板A1cには、第2濃縮水の水分が蒸発することによって残った固形物を排出するための排出口A1dが設けられている。
【0061】
加熱皿A2は、容器本体A1内の上下方向の3位置に配置され、かつ当該容器本体A1内を上下方向に仕切るように設けられており、それぞれには下方に通じかつ互いに重ならない位置に開口部A2aが形成されている。
各加熱皿A2は、開口部A2aの一方の縁部から他方の縁部まで円弧状に延在し、かつ容器本体A1と同軸状に配置された複数の加熱管A2bと、隣り合う加熱管A2bを連結する加熱板A2cとを備えている。なお、最外位置の加熱管A2bと外周壁A1aとを連結するように加熱板A2cを設けてもよい。
【0062】
また、各加熱皿A2における各加熱管A2bには、その開口部A2aの一方の縁部に対応する位置に高温の水蒸気の導入管A2dが接続され、開口部A2aの他方の縁部に対応する位置に各加熱管A2b内で凝縮した凝縮水を排出する排出管A2eが接続されている。
各導入管A2dは、ボイラ32から供給される高温の水蒸気を導く管路33eに接続されている。また、排出管A2eは、ポンプ23dを介して管路2aに接続されている。ポンプ23dは、加熱管A2bで生じた凝縮水を管路2aに吐出して、凝縮水タンク31に送るようになっている。
【0063】
回転軸A3は、容器本体A1および各加熱皿A2の軸心部を貫通するように延在しており、これらの容器本体A1および加熱皿A2に対して所定の方向に回転駆動されるようになっている。そして、回転軸A3には、その外周面から各加熱皿A2の上方を半径方向に延在する支持棒A3aが設けられている。
【0064】
レーキチェーンA4は、上端部が各支持棒A3aに固定されて下方に垂れ下がり、下端部が加熱皿A2の上面に摺動するように構成されている。このレーキチェーンA4は支持棒A3aの軸方向に複数設けられており、回転軸A3の回転に伴って、加熱皿A2上を周方向に移動することにより、当該加熱皿A2上の第2濃縮水を攪拌したり、第2濃縮水の水分が蒸発して汚染物質の塩等が固形化したものを掻き上げることになる。
【0065】
すなわち、最上位置の加熱皿A2上に供給された第2濃縮水は、レーキチェーンA4で十分に攪拌されながら加熱皿A2によって加熱され、水分が十分に蒸発した状態になるとともに、開口部A2a介してさらに下方の加熱皿A2に移動する。このため、最下位置の加熱皿A2上では、第2濃縮水の水分が完全に蒸発した状態になる。
【0066】
また、底板A1bに設けた排出口A1cは、最下位置の加熱皿A2の開口部A2aと一致する位置に開口しており、当該最下位置の加熱皿A2上に残った固形物を排出するための開口部になっている。この排出口A1cから排出された固形物は、フレコンバック(遮水性容器)4に詰められて管理型最終処分場Fに埋立処理されるようになっている。
フレコンバック4は、遮水性の高い柔軟性を有するシートによって袋状に形成されたものであり、管理型最終処分場Fに埋立処分した場合に、内部の汚染物質に雨水等が流入しないようになっている。
【0067】
一方、天板A1bの供給口A1dは、第2濃縮水を供給する管路22gが接続されており、同天板A1bのガス排出口A1eは、ミスト捕集器23bを介してサイクロン23cに接続されている。
【0068】
ミスト捕集器23bは、サイクロン23cによって容器本体A1内の気体を吸引する際のその気体中に含まれる水滴を捕集するようになっている。サイクロン23cは、上記気体中に含まれるダスト分を回収するようになっている。
【0069】
また、図5において、23eは、サイクロン23cから気体を吸引するための誘引送風機であり、23fは、容器本体A1内に外気を供給するための送風機である。
【0070】
また、凝縮水タンク31bに蓄えられた凝縮水は、図1に示す散布設備5によって、管理型最終処分場Fの廃棄物等の上に散布されるようになっている。この散布設備5は、凝縮水を圧送するためのポンプ(図示せず)と、このポンプによって供給される凝縮水を廃棄物等上の所定の位置に送るための配管5aと、この配管5aにおける廃棄物等上の適度に分散された位置に設けられた散布ノズル5bとを備えた構成になっている。
【0071】
さらに、管理型最終処分場Fの廃棄物中に発生したメタンガス(可燃性ガス)を処理水の加熱のための少なくとも一部の熱源として導く図示しない配管設備が備られている。この配管設備によって得られたメタンガスは、ボイラ32の燃料としての上記重油の代用として用いたり、当該重油に対して補助的に用いたり、ボイラ32で加熱する前段において処理水の予熱に用いたりすることが可能である。
【0072】
次ぎに、真空蒸発濃縮式浸出水処理方法を説明する。
この真空蒸発濃縮式浸出水処理方法は、管理型最終処分場Fの浸出水を在来型処理設備1によって放流可能な程度まで処理した後の処理水中に含まれる微量汚染物質を固形物として分離回収する浸出水処理方法であり、処理水を真空雰囲気下で加熱して水分を蒸発させる工程を備えている。
【0073】
上記工程は、上記第1蒸発装置21によって第1濃縮水を得る第1蒸発工程と、上記第2蒸発装置22によって第2濃縮水を得る第2蒸発工程とからなる。
また、上記第3蒸発装置23によって第2濃縮水の水分を大気圧雰囲気下で蒸発させて微量汚染物質を固形物として分離回収する第3蒸発工程を備えている。
【0074】
上記のように構成された真空蒸発濃縮式浸出水処理装置および方法においては、例えば図1に示すように、管理型最終処分場Fから20℃の浸出水が一日当たり120トン流出すると仮定すると、一時間当たりの処理量は5トン、すなわち、5t/h(図1参照)となる。
【0075】
そして、この5t/hの水が処理水として第1蒸発装置21に供給されたと仮定すると、この第1蒸発装置21では約90%の水分を蒸発させることになるので、約4.5t/hの凝縮水が得られるとともに、約0.5t/hの第1濃縮水が得られる。
【0076】
約0.5t/hの第1濃縮水は、さらに第2蒸発装置22に供給され、ここで約67%の水分が蒸発されることになるので、約0.333t/hの凝縮水が得られるとともに、約0.167t/hの第2濃縮水が得られる。
【0077】
また、最初に供給される処理水の5t/h中に含まれる汚染物質の量を約0.055t/hであると仮定すると、第2濃縮水を第3蒸発装置23に供給して大気圧中、すなわち100℃で乾燥処理することにより、約0.112t/hの凝縮水が得られるとともに、約0.055t/hの固形物が得られる。
【0078】
上記凝縮水は、ほぼ純水の状態で回収することができるので、そのまま下水道等に排出することはもちろんのこと、農業用水等に多目的に利用することができる。また、例えば晴天の日には、上記凝縮水を散布設備5を用いて管理型最終処分場Fに散布することにより、廃棄物に含まれる汚染物質を洗い流すことができる。特に、凝縮水は、不純物がほとんど含まれておらず、塩類等を溶解する能力が高いので、汚染物質を効率よく洗浄することができる。したがって、管理型最終処分場の無害化を促進させることができる。
【0079】
また、処理水に含まれるダイオキシン類は、水に溶けにくく通常SSやコロイドに付着していることから、上記固形物とともに回収することができる。したがって、ダイオキシン類が凝縮水に入るのを確実に防止することができる。
【0080】
しかも、大量に水分を蒸発させる必要のある第1蒸発装置21や第2蒸発装置22における各工程では、真空雰囲気下で加熱しているので、通常の大気圧下での加熱に比べて水分の蒸発を促進させることができる。したがって、汚染物質を固形物として分離回収するために要するトータルの加熱費用を低減することができる。
【0081】
そして、第1蒸発装置21および第2蒸発装置22では、水の沸点が60〜80℃の範囲となる真空雰囲気下で加熱しているので、加熱費用を十分に低減することができる。
【0082】
なお、処理水の沸点を60〜80℃の範囲となるようにしたのは、60℃未満になると、真空ポンプの容量が大きくなり、経済的に不利になるからであり、80℃を超えると、処理水に対する真空蒸発システムのエネルギーレベルが高くなって、経済的に不利となるからである。
【0083】
また、第1蒸発装置21、第2蒸発装置22および第3蒸発装置23の三段階に分けて、徐々に水分を蒸発させているので、第1蒸発装置21に処理水を連続的に供給しながら、第3蒸発装置23から固形化した汚染物質を連続して回収することができる。したがって、汚染物質を処理水から能率よく分離回収することができる。
【0084】
そして、第1蒸発装置21において、処理水の水分を80〜90%蒸発させるようにしたのは、80%未満では、装置の能力に余裕があるからであり、90%を超えると、装置の能力に余裕がなくなり、効率が下がり、経済的に不利となるからである。
【0085】
また、第2蒸発装置22において、第1濃縮水の水分を50〜70%蒸発させるようにしたのは、50%未満では、装置の能力に余裕があり、非効率であるからであり、70%を超えると、装置能力に余裕がなくなるからである。
【0086】
さらに、第3蒸発装置23において、大気圧下で蒸発を行ったのは、第2蒸発装置22までに、水分が十分除去されており、真空雰囲気化で加熱しなくても、十分効率よく水分を蒸発させることができるからである。なお、送風機23fによって容器本体A1内に供給する外気の量を制限することにより、容器本体A1内を所定の真空度の真空雰囲気状態に保持してもよい。
【0087】
また、固形物を遮水性のフレコンバック4に詰めて管理型最終処分場Fに埋立処理することができるので、ダイオキシン類を含む汚染物質を極めて安全に、かつ経済的に処理することができる。
【0088】
また、配管設備によって、管理型最終処分場Fの廃棄物中に発生したメタンガスを処理水の加熱のための熱源として利用することができるので、処理水の蒸発に要する加熱費用の低減を図ることができる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜11に記載の発明によれば、処理水の水分を蒸発させることにより当該水分を凝縮水として回収することができるとともに、塩類等の汚染物質を固形物として回収することができる。この場合、ダイオキシン類は、水に溶けにくく通常SSやコロイドに付着していることから、上記固形物とともに回収することができ、凝縮水に入るのを確実に防止することができる。すなわち、ダイオキシン類等を含む汚染物質を浸出水から確実に分離回収することができる。
【0090】
また、上記凝縮水は、ほぼ純水の状態で回収することができるので、そのまま下水道等に排出することはもちろんのこと、農業用水等に多目的に利用することができる。
【0091】
しかも、真空雰囲気下で処理水を加熱しているので、通常の大気圧の状態に比べて水の沸点を下げることができる。したがって、汚染物質を固形物として分離回収するのに要するコストの低減を図ることができる。
【0092】
加えて、第1蒸発工程(または第1蒸装置)、第2蒸発工程(または第2蒸発装置)および第3蒸発工程(または第3蒸発装置)の三段階に分けて、徐々に蒸発しているので、第1蒸発工程(または第1蒸発装置)に処理水を連続的に供給しながら、第3蒸発工程(または第3蒸発装置)から汚染物質を固形物として連続して回収することができる。すなわち、汚染物質を処理水から能率よく分離回収することができる。
【0093】
特に、請求項11に記載の発明によれば、水の沸点が60〜80℃の範囲となる真空雰囲気下で加熱しているので、汚染物質を固形物として分離回収するための加熱費用を十分に低減することができる。
【0094】
また、上記固形物は、遮水性容器に詰めて管理型最終処分場に埋立処理することによって、固形物に含まれる汚染物質を極めて安全に、かつ経済的に処理することができる。
【0095】
さらに、得られた凝縮水を上記管理型最終処分場に散布することによって、廃棄物に含まれる汚染物質を洗い流すことができる。特に、凝縮水は、不純物がほとんど含まれておらず、塩類等を溶解する能力が高いので、上記汚染物質を洗浄するのに極めて都合がよい。したがって、管理型最終処分場の無害化を早期に実現することができる。
【0096】
また、管理型最終処分場の廃棄物中に発生した可燃性ガスを処理水の加熱のための熱源として利用することによって、処理水の蒸発に要する加熱費用の低減を図ることができる。すなわち、汚染物質の分離回収に要する費用の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態として示した真空蒸発濃縮式浸出水処理装置の説明図である。
【図2】同真空蒸発濃縮式浸出水処理装置の前段で処理する在来型処理設のブロック図である。
【図3】同真空蒸発濃縮式浸出水処理装置の第1蒸発装置およびボイラ装置を示す説明図である。
【図4】同真空蒸発濃縮式浸出水処理装置の第2蒸発装置を示す説明図である。
【図5】同真空蒸発濃縮式浸出水処理装置の第3蒸発装置を示す説明図である。
【図6】同真空蒸発濃縮式浸出水処理装置の第3蒸発装置の蒸発容器を示す断面図である。
【図7】同真空蒸発濃縮式浸出水処理装置の第3蒸発装置の蒸発容器を示す図であって、図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
2 真空蒸発濃縮式浸出水処理装置
4 フレコンバック(遮水性容器)
21 第1蒸発装置(真空蒸発装置)
22 第2蒸発装置(真空蒸発装置)
23 第3蒸発装置
F 管理型最終処分場

Claims (11)

  1. 管理型最終処分場の浸出水を放流可能な程度まで処理した後の処理水中に含まれるダイオキシン類含有の微量汚染物質を固形分として分離回収する浸出水処理装置であって、
    上記処理水を真空雰囲気下で加熱して、当該処理水の水分を80〜90%蒸発させることにより第1濃縮水を得る第1蒸発装置と、上記第1濃縮水を真空雰囲気下で加熱して、当該第1濃縮水の水分を50〜70%蒸発させることにより第2濃縮水を得る第2蒸発装置と、上記第2濃縮水を大気圧雰囲気下で加熱して、当該第2濃縮水の水分を蒸発させることにより上記微量汚染物質を固形物として分離回収する第3蒸発装置とを備えており、
    上記第3蒸発装置は、上記第2濃縮水を蒸発させる密閉された蒸発容器及びこの蒸発容器内の気体を吸引して、当該気体中に含まれるダストを回収するサイクロン並びにこのサイクロンと上記蒸発容器との間に介装され、上記気体中に含まれる水滴を捕集するミスト捕集器を有し、
    上記蒸発容器は、円筒形状の外周壁を有して、上下の端部が天板及び底板で覆われてなる容器本体と、この容器本体内に上下方向を仕切るように設置されて、それぞれ下方に通じかつ互いに重ならない位置に開口部が形成された複数枚の加熱皿と、これらの加熱皿の軸心部を貫通するように延在している回転軸と、この回転軸の外周面から上記加熱皿の上方を半径方向に延在する支持棒と、この支持棒に固定されて下方に垂れ下がり、上記加熱皿によって加熱される処理水を攪拌するレーキチェーンとを有し、
    上記容器本体には、最上位置の上記加熱皿に上記第2濃縮水を供給する供給口と、上記ミスト捕集器を介して上記サイクロンに接続されるガス排出口とが形成され、かつ上記底板には、上記第2の濃縮水から水分が蒸発することによって残った上記固形物を排出する排出口が形成されていることを特徴とする真空蒸発濃縮式浸出水処理装置。
  2. 上記第1蒸発装置は、密閉された蒸発容器と、この蒸発容器内に設置された加熱管と、この加熱管に向けて上記処理水を噴出するように上記蒸発容器の天井部に設けられたノズルと、上記処理水の加熱管の表面での薄膜蒸発により生成される水蒸気を吸引して、圧縮させるとともに温度上昇させて、上記加熱管に供給するヒートポンプと、このヒートポンプを通じて上記加熱管に供給した上記水蒸気が上記処理水の薄膜蒸発によって冷却凝縮されて生成された凝縮水と上記ノズルに供給する前記放流可能な程度まで処理した処理水とを流通させて、上記凝縮水の熱によって上記処理水を加熱する熱交換器とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置
  3. 上記第1蒸発装置は、前記放流可能な程度まで処理されて、上記熱交換器によって加熱された処理水が上記蒸発容器の底部に供給されるようになっており、この底部に供給された処理水および上記ノズルから噴出されて上記蒸発容器の底部に溜まった処理水を上記ノズルに供給する循環ポンプが介装された管路と、上記処理水の一部を上記第2蒸発装置に供給する管路とが設けられ、かつ上記循環ポンプが介装された管路には、消泡剤、分散剤及びスルファミン酸が供給されるようになっていることを特徴とする請求項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置
  4. 上記熱交換器から排出された凝縮水を加熱するボイラが設けられており、このボイラによって加熱された凝縮水が上記加熱管に再供給されるようになっていることを特徴とする請求項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置。
  5. 上記加熱皿は、上記開口部の一方の縁部から他方の縁部まで円弧状に延在し、かつ上記容器本体と同軸状に配置され、上記ボイラによって加熱された凝縮水を流通させる複数の加熱管が連結されて構成されており、上記供給口から供給されて、上記レーキチェーンによって攪拌される上記第2濃縮水を当該加熱皿によって蒸発させるようになっていることを特徴とする請求項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置。
  6. 請求項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理装置を用いて、管理型最終処分場の浸出水を放流可能な程度まで処理した後の処理水中に含まれるダイオキシン類含有の微量汚染物質を固形物として分離回収する真空蒸発濃縮式浸出水処理方法であって、
    上記処理水を真空雰囲気下で加熱して、当該処理水の水分を80〜90%蒸発させることにより第1濃縮水を得る第1蒸発工程と、上記第1濃縮水を真空雰囲気下で加熱して、当該第1濃縮水の水分を50〜70%蒸発させることにより第2濃縮水を得る第2蒸発工程と、上記第2濃縮水を大気圧雰囲気下で加熱して、当該第2濃縮水の水分を蒸発させることにより上記微量汚染物質を固形物として分離回収する第3蒸発工程とを備えており、
    上記第3蒸発工程は、上記供給口から最上位置の上記加熱皿に供給された上記第2濃縮水を、上記レーキチェーンで攪拌しながら当該加熱皿によって加熱して、水分を蒸発させつつ上記開口部を介して、下方の加熱皿に移動させることによって、上記第2濃縮水の水分を最下位置の加熱皿上で完全に蒸発させた状態にして、上記固形物として上記排出口から排出するとともに、上記サイクロンによって、上記ガス排出口から上記第3蒸発装置内の気体を吸引して、当該気体中に含まれるダストを回収し、かつ上記ミスト捕集器によって、当該気体中に含まれる水滴を捕集することを特徴とする真空蒸発濃縮式浸出水処理方法。
  7. 上記第1蒸発工程は、前記放流可能な程度まで処理した処理水を、上記熱交換器によって上記凝縮水の熱により加熱した後に、蒸発容器の天井部に設けられたノズルから水蒸気が流通する加熱管に向けて噴出させることにより、上記処理水の水分を上記加熱管の表面で薄膜蒸発させ、かつ上記蒸発容器の底部に溜まった処理水を上記循環ポンプが介装された管路によって上記ノズルに再供給するとともに、上記底部に溜まった処理水の一部を上記第1濃縮水として管路によって上記第2蒸発装置に供給することを特徴とする請求項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法
  8. 上記熱交換器によって加熱した処理水を、上記蒸発容器の底部に供給して、この底部に供給された処理水を上記循環ポンプが介装された管路に供給することよって上記ノズルから上記加熱管に向けて噴出させるとともに、上記底部に供給された処理水の一部を上記底部に溜まった処理水の一部とともに上記第1濃縮水として管路によって上記第2蒸発装置に供給することを特徴とする請求項7に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法。
  9. 上記処理水を上記ノズルに供給する上記循環ポンプが介装された路内に、消泡剤、分散剤及びスルファミン酸を供給することを特徴とする請求項7または8に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法。
  10. 上記処理水の水分が上記加熱管の表面で薄膜蒸発することにより生成される水蒸気を上記ヒートポンプによって吸引して圧縮するとともに、温度上昇させた高温の水蒸気、および/または上記凝縮水を上記ボイラによって加熱した高温の水蒸気を、上記加熱管に流通させることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか一項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法。
  11. 上記第1蒸発工程及び上記第2蒸発工程における上記真空雰囲気は、水の沸点が60℃〜80℃となる真空の雰囲気であることを特徴とする請求項6ないし10のいずれか一項に記載の真空蒸発濃縮式浸出水処理方法。
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