JP3704683B2 - 2段式脱水乾燥装置及び脱水乾燥方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業廃液を高効率で濃縮乾燥し高効率で固形産業廃棄物を得、産業廃液から清浄な分離留出排水を分離する産業廃液処理装置と、産業廃液処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業廃液の処理方法としては、対象物が多岐にわたり統一的な処理方法を具体的に記述できないが、産業廃液をもたらす反応生成系には製造目的化合物(製品)及び原料内に包含される不純物、反応副生物、反応触媒、反応残渣、廃酸、廃アルカリ、廃塩類、反応溶媒などが存在し、産業廃棄物処理法としてその反応生成系から内容物の物性差を利用し内容物を分離・回収或いは無害化する不溶化固液分離法、常圧蒸発濃縮法、減圧(真空)蒸発濃縮法、凍結乾燥法、逆浸透圧法、陽イオン交換樹脂回収法、吸着回収法などの各反応生成系に最適の反応系から不純物、反応副生物、反応触媒、同残渣、廃酸、廃アルカリ、廃塩類、反応溶媒などの分離・回収・無害化・廃棄処分する方法が開発され行われている。
【0003】
一般に、反応生成系の製造目的物始め原材料・反応溶媒など大多数の有価内容物が蒸留分離・精製が可能の場合は、先ず蒸留により製造目的物始め大多数の有価蒸留可能物質を分離・精製・取得回収し、濃縮或いは乾燥された所謂釜残を適切な方法で無害化し産業廃棄物として廃棄・焼却処分に付す方法が、一方反応生成物(或いは産業廃液自体)が蒸留可能物質でない場合は先ず反応生成物を適切な方法で分離・取得後、残渣廃液から反応媒体である溶媒(分散媒)を蒸発分離・捕集し、濃縮或いは乾燥された蒸発残渣内容物に最適の分離・精製法を適用して有価物質を取得し、その残渣に必要に応じ無害化処理を施し焼却処分に付す等の方法が一般に取られている。
なお、この際必要ならば溶媒分離に先立ち溶媒外の揮発性成分(揮発性有機酸など)の不揮発化処理を行うことも有り得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、産業廃液処理に多く適用される蒸留による分離が不適な産業廃液処理前段階にも相当する、産業廃液濃縮→濃縮産業廃棄物処理プロセスにおける、産業廃液濃縮プロセスの改善に関するものである。
即ち、前述の如く蒸留法による分離或いは回収が不可能な産業廃棄物を包含する産業廃液処理においては、多くの場合産業廃液中に溶存する有価物質の分離・回収及び有害廃棄物質の無害化処理をより効率的に行うため、該産業廃液から溶媒(多くの場合水)を先ず蒸発除去し、産業廃棄物を濃縮或いは乾燥し廃棄物中に存在する内容物を分離し有価物質の回収、有害物質の無害化或いは焼却処分を行うのが通常である。
更に、この手段・処理は産業廃液排出企業が中小企業で高度の産業廃棄物処理技術を持たず、又は該処理設備を設置できない場合に、しばしば適用される産業廃液処理の前段処理であり、かかる産業廃液排出企業で先ず産業廃液を濃縮し専門の産業廃棄物処理業者に搬送し、産業廃棄物処分を依頼する場合に適用される手段でもある。
【0005】
かかる産業廃液濃縮プロセスとしては常圧蒸発乾燥法、減圧(真空)蒸発乾燥法が既に常用されており、特に、減圧蒸発乾燥法は効率が良く多く用いられている。
しかしながら、蒸発乾燥法における問題としては、産業廃液の蒸発乾燥時に溶媒(水)の蒸発除去・産業廃液の濃縮化に伴い、溶媒(水)の除去速度が沸点上昇のため低下し、希薄産業廃溶液時の操業(蒸発除去)条件では溶媒の蒸発除去速度が低下し、産業廃液の溶媒除去進行に伴い操業条件(温度・減圧度)の強化が要求され、更に蒸発濃縮度が進行し内容物がスラリー化して来ると伝熱状態も悪化するため、更に操業条件の強化が必要となる問題が発生する。
産業廃液の蒸発・濃縮・乾燥プロセスはこのような問題を内蔵するため、従来の如く1段のバッチシステムで行えば操業効率は悪く、又所要時間も必要以上に長くかかる問題点を有しているのである。
【0006】
更に、上記問題は単に経時的に蒸発乾燥条件を強化すれば良いと言う問題のみではなく、該産業廃液蒸発・濃縮・乾燥設備は蒸留装置ではないため産業廃液の濃縮に伴う沸点上昇の結果余儀なくされる操業条件の強化は、その留出物中に溶媒(水)とともに産業廃棄物中の不純物の留出を伴い、産業廃液から蒸発除去するために留出させた溶媒(水)の純度・質(電気伝導度・COD他)を落とし、かかる操業工程で分離捕集した溶媒(水)がそのまま放流(利用)出来なくなり、更なる廃液処理が必要となり本プロセスの目的・効果を無となしてしまう問題点を有するのである。
【0007】
更にまた、この問題は、実操業面に於いても産業廃液自体は品質一定の物で有り得ないため、予め蒸発濃縮進行に伴い操業条件を強化する如くプログラミングし自動制御・操業することも不可能であり、ケースバイケースで付きっきりで操業管理をせねばならず、常に最適条件での操業実施は不可能となり溶媒(水)と伴に留出する産廃不純物の量・組成も一定せず産業廃液から蒸発・流出させ捕集した留出成分組成が一定しないものとなり、その後始末により一層の混乱を招くのである。
本発明は、かかる産業廃液濃縮処理プロセスにおける、留出捕集溶媒の質の不一定・悪化・そのままでの放流(利用)不可能化を解消し、且つ操業効率の悪化などの問題点を解消する有効な手段を提供するものである。
【0008】
【課題を解消するための手段】
本発明は、前記従来の課題を解消する手段として設備構成を下記に記述した通りの方法を適用し、課題解消に成功したのである。即ち、
1.産業廃液からの水の排出及び産業廃棄物の濃縮・乾燥を下記構造の真空乾燥装置で行わしめる。
即ち、該真空乾燥装置の構成・構造は、
「スティーム加熱用ジャケット構造を有し内部に攪拌移送装置を備えた真空乾燥装置の一端に産業廃液を送り込む送液管を配し、送り込まれる産業廃液を攪拌加熱し、該真空乾燥機の一方の他端に配した補助排気装置及び真空ポンプに繋がる排気管を通じ真空下で該廃液中の水分を吸引・蒸発せしめ、生じる水蒸気を排気しコンデンサーに導き凝縮水として凝縮・分離させ、濃縮・脱水される産業廃液を固形廃棄物残渣と清浄な水に分離する」
構造より構成させる。
【0009】
2.上記仕様の真空乾燥装置を用い前記の解決すべき課題の解決手段として、設備構成を次記のように構成せしめる。
「該廃液処理用真空乾燥装置を直列に2基配置・連結し、第1の真空乾燥装置においては、水分の多い産業廃液原液の濃縮・脱水処理を、不純分の留出が少なく清浄な水として廃棄できる留出水が得られる比較的緩やかな操業条件で実施し、水分の迅速な留出・除去と該産業廃液に含まれる固形廃棄物成分の濃縮を行い、次いで濃縮した該産業廃液を第1の該真空乾燥装置の廃液排出口と第2の真空乾燥装置産業廃液供給口とを連結した連結管とを介して、第2の真空乾燥装置に送り残余の水分を迅速に除去するに足りるより厳しい操業条件下で該濃縮産業廃液の残余水分の留出・排除を行い、その留出水蒸気をコンデンサーに導き凝縮水として凝縮・分離させ、該凝縮水の排水配管を直接排水せずに産業廃液原液と合流して第1の真空乾燥装置に再供給するように連結配管し、かくして操業条件厳格化により水に伴い留出する不純分を含む凝縮水を系外に排出することを防止するとともに、濃縮された産業廃棄物への熱伝達低下による乾燥効率・速度低下を解消し迅速な乾燥を行えるように設備構成させた、産業廃液から清浄な排水を分離・廃棄し、高効率で固形産業廃棄物を乾燥・分離できる機能を有する2段式産業廃液の脱水乾燥装置及び脱水乾燥方法」を開発し目的を達成したのである。
【0010】
本発明の内容をより明確に解説すると、
a.従来の産業廃液の処理において、処理に先立ち廃液処理をより効率的に実施するために、廃液の濃縮処理を真空(減圧)乾燥プロセスを適用して行うことはしばしばあり公知の方法であるが、このようなプロセスにおいては廃液濃縮初期において、廃液の主体をなす水の蒸発・排除が極めて効率よく迅速に行われ、又留出する水も略純水に近く有害な不純物を包含しないものであるが、産業廃液中の水の排出が進み産業廃液の濃度が上昇すると共に、沸点上昇が進み含有水分の蒸発・排除速度の低下を来たし、産業廃液処理において求められる所定の蒸発・排水・乾燥速度を維持するためには、操業条件の強化、即ち操業温度上昇・操業圧力の減少を余儀なくされるのである。
【0011】
しかしながら、操業条件の強化は、産業廃液から蒸発排除される排出成分を水のみに留めず、比較的低沸点域の産業廃棄物中の不純物(有害物質)と、水と共沸する産業廃棄物中の不純物(有害物質)を伴い留出することとなるため、蒸発・排除される排出水がそのまま放流できる品位を逸脱し、排水するためには再度の廃液処理を要する状態となり、廃液処理工程の本来の目的・意義を喪失するようになってしまうのである。
更に該廃液の蒸発・排水が進行すれば更なる操業条件の強化が要求され、留出水の有害不純分含有率も上昇し更に深刻な状態となるのである。
一方、操業面においても該廃液中の水の排除を求められる所定の蒸発・排水・乾燥速度を維持して実施するためには、状態を観測しながら操業条件の強化を実施せねばならず極めて非効率的であり、かかる操作を自動的に行わしめるべくプログラムをインプットして自動操業しようにも、対象物たる産業廃液は種々雑多で一定品質の物で有り得ないため、手間の懸かる非効率な操業が強いられることになるのである。
【0012】
他方、濃縮・乾燥・乾固される産業廃材固形成分の方も、産業廃液の濃縮が進みスラリー化し更に含水率の少ない泥状物になるに従い、該乾燥装置機壁との接触状態・面積が減ずるため定常的な伝熱が行えなくなり又、伝熱効率が低下し効率よく所定の蒸発・排水・乾燥速度を維持して水の蒸発・排除・乾燥を行うことが不可能になり、不必要に操業条件の強化を繰り返すようになるのである。
そこでかかる問題点を解消すべく、本発明は2つの真空乾燥装置を直列に配置させた設備構成となし、第1段の真空乾燥装置においては、多量の水分を含む産業廃液を該産業廃液中に含む比較的低沸点域の不純物(有害物質)及び、水と共沸する不純物(有害物質)の留出を伴わない比較的緩やかな操業条件下において高効率で希薄産業廃液の濃縮・含有水の蒸発・排除のみを行わせ、第2の真空乾燥装置においては、より厳しい操業条件下で産業廃材固形分の蒸発・乾燥・乾固と、残余の含有水の蒸発・留出・除去を行わしめ、但しここで蒸発・留出・除去される有害不純分を含有する水は放流・排水することなく、該留出凝縮水を第1の真空乾燥機への産業廃水供給ラインに戻す方法を取ることにより、産業廃液から清浄な排水を分離・廃棄し、高効率で固形産業廃棄物を乾燥・分離できる機能を有する産業廃液処理装置と、該処理プロセスを構築することに成功したのである。
【0013】
かかる設備構成を取れば第2の真空乾燥装置は、留出水成分の不純分混入を心配する必要がないため、装置内の濃縮された産業廃液(材)の乾燥・乾固にのみ専念すればよいため、乾燥・乾固に最適の厳しい操業条件に絞り条件選択して操業すればよく、安心して高効率で安易な操業を実施できるのである。
なお、第1の真空乾燥装置内の濃縮産業廃液を第2の真空乾燥装置に移行する時期は、第1の真空乾燥装置の留出・廃棄水の電気伝導度或いはCODなどの産業廃液の環境安全基準値を自動計測し管理限界値に到達すれば、該濃縮産業廃液第2の真空乾燥装置に移せばよい。
【0014】
【発明の実施の態様】
本発明の内容をより詳細且つ具体的に開示するために、具体的設備構成並びに具体的操業方法を以下に示し説明を行う。
本発明の設備の基本構成は、図1に示すようなものであり、真空乾燥装置Aと真空乾燥装置Bを直列に配置結合させて構成される。
真空乾燥装置A,Bは基本的に同一仕様・構造のものであり、その典型的構造は図示するとおり内部に攪拌移送装置18,18‘を備えたジャ ケット構造を有する横置き型2重缶真空容器2,2’であり、該2重缶真空容器2,2’はジャ ケット外壁に穿孔して設けた水蒸気(熱媒)供給孔に接続した水蒸気(熱媒)供給管3,3’より所定圧の水蒸気を供給し、同じくジャケット外壁に穿孔して設けて接続した配管とドレーン排出管4,4’よりドレーンを排出し所定温度に加温される構造である。
【0015】
真空乾燥装置Aにおける第1段の産業廃液の脱水・濃縮・乾燥は、2重缶真空容器2の一端の側壁に穿孔された産業廃液供給孔から、産業廃液貯槽7に接続された送液ポンプ8及び産業廃液供給管5を介し真空乾燥容器2内に、産業廃液又は真空乾燥装置Bからの有害不純物を包含する還流留出水を所定量供給し、供給された内容物は攪拌移送装置18を用いて攪拌されながら、加熱用ジャケットに供給する所定圧の水蒸気により所定温度に加温され、該真空乾燥機の一方の上部他端に設けた排気口に接続した排気管11,12を介して繋がる補助排気装置10及び真空ポンプ9により所定減圧度に減圧(真空)され、真空下で該廃液中の水分を吸引・蒸発させ、生じる水蒸気を該排気管11を介して排気し、該真空容器2内の産業廃液の濃縮を行うと共に、留出する水蒸気をコンデンサー13に導き凝縮水として凝縮・分離させ、該凝縮水は配管12を介してレシーバータンク16に送り一時貯蔵する。
【0016】
なお、真空乾燥装置Aにおいては、コンデンサー13からレシーバータンク16に至るラインには逆止弁21、サイトグラス22、スティームエジェクター10が配置され、レシーバータンク後に真空ポンプ9が接続されている。
脱水乾燥装置Aで処理される産業廃液は不特定多数に上るため、普遍的な標準操業条件を規定できないが、通常の希薄な産業廃液の第1段処理においては200〜300mmHgの減圧度、加温用ジャケットに飽和水蒸気(1Kg/cm2G)を供給して行うのがよい。
そしてレシーバータンク16に流下する留出水の代表的環境汚染管理基準値CODや電気伝導度を自動的に計測し、これ等の管理基準値が法的に定められる値以内の場合は捕集した凝縮水は放流し、該測定値が法的に定められた管理限界値に達した際には、該真空乾燥装置Aでのそれ以上の脱水・濃縮を中断し、真空乾燥容器2内の濃縮産業廃液を送液管5’を介して送液ポンプ6を駆動し、第2段の真空乾燥装置Bに移送し、ここで第2段の脱水・乾燥を実施する。
【0017】
真空乾燥装置Bにおける脱水・乾燥操作も基本的には第1段の真空乾燥装置Aにおける操作と同一であり、設備仕様も基本的には同一である。
しかしながら、乾燥装置Bにおける産業廃液は濃縮され沸点上昇をしており、更に脱水・濃縮・乾燥の進行に従いより一層の沸点上昇をきたすため、脱水・濃縮・乾燥のための操業条件を強化しない限り好ましい操業効率で好ましい速度で脱水・濃縮・乾燥を実施することが出来ないので、加温用ジャケットの温度を目的に合致する様上昇させて操業する。
更に、脱水・乾燥が進み内容物たる産業廃棄物がスラリー化して来たり、一層乾燥が進み固化して来ると、伝熱効率が低下してより一層ジャケットに供給する加熱用水蒸気の蒸気圧を上昇させ、加熱温度を上げる必要が生じる。
当然のことながら、このような操業条件をとれば留出する成分は最早純度の高い水蒸気ではなくなり、水と共沸する有害不純物や比較的沸点の低い有害不純物を伴うことになる。
そこで第2の真空乾燥装置Bでは、産業廃材の脱水・乾燥に主眼をおき、加熱温度・減圧度など操業条件を強化し効率的脱水・乾燥を行うことに努め、その代わり留出する不純分を含む凝縮水は、レシーバータンク16’に接続した配管25’と送液ポンプ8’を介し全て第1段の真空乾燥装置Aの産業廃液貯槽7に還流して、産業廃液原液と合流し第1の真空乾燥装置Aで改めて再び希薄産業廃液として脱水・濃縮・乾燥工程にかけるようにする。
【0018】
このように、産業廃液の脱水・濃縮・乾燥を2段階に分け直列に接続した真空乾燥装置A,Bにかけて行うことにより、第1段の真空乾燥装置Aでは希薄な産業廃液が包含するの多量の水の排出を緩やかな脱水・濃縮・乾燥条件下で迅速に有害不純物の共沸混入を招くことなく実施し、迅速に産業廃液を濃縮するとともに該廃液を構成する多量の水の大部分を清浄な留出・凝縮水として分離・廃棄・放流させ、濃縮された産業廃液を第2の真空乾燥装置Bに送り、より効率的に脱水・乾燥が実施可能な操業条件を選択して脱水・乾燥を行い、迅速且つ効率的に乾燥産業廃材を得、一方かかる操業条件下では有害不純物を伴い留出する環境保全基準を満足できない留出・凝縮水は、系外に流出させることなく第1の真空乾燥設備Aの産業廃液原液貯槽7に還流させる産業廃棄処理設備構成と操業方法となしたことにより、目的とする産業廃液から迅速且つ効率的に清浄な排水を分離・廃棄し、高効率で固形産業廃棄物を乾燥・分離できる機能を有する設備と操業方法の確立に成功したのである。
【0019】
【実施例】
本発明の装置・プロセスを用いて産業廃液を処理した場合の実施例を以下に示しその効果を証明する。
実施例の産業廃液はメッキ廃液であり汚染度の低い廃液例1と汚染度の高い廃液例2に対する結果を示した。
なお、実験データーは本発明の仕様の脱水乾燥装置による産業廃液の脱水と乾燥に関するデーターで、本廃液処理システムにおいては該産業廃液の脱水により取得される産業廃材は、専門業者に廻し有価物質の回収と有害物質の無害化或いは焼却処分を依頼するシステムであるので、その内容には触れず、目的とする産業廃液の脱水・濃縮・乾燥時に留出する留出凝縮水(レシーバータンク16内の回収水)の品位が環境維持基準を満たす状態であるか否かについてのみ触れる。
【0020】
【表1】
表中単位:mg/l
以上の結果本脱水・濃縮・乾燥プロセスて留出する留出凝縮水は、そのまま放流しても環境汚染を引き起こすことはない。
【0021】
【発明の効果】
本発明の装置による産業廃液処理プロセスを産業廃液前段処理として採用すれば、迅速に且つ高効率で産業廃液の脱水・濃縮・乾燥が実施でき、真空乾燥方式を取るため比較的低温での脱水・乾燥が行われ、回収する産業廃材の酸化劣化・熱分解などの品質低下が防止でき、且つ真空乾燥装置を2基直列に配置接続して脱水・濃縮・乾燥を実施するため、産業廃材の迅速な脱水・乾燥と、産業廃液を構成する多量に水の留出・排除において留出する凝縮水の産業廃材中に包含される有害不純物による汚染を防止し、迅速に清浄な留出水分離と排除が実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の産業廃液真空脱水乾燥装置の概要を示すフローシートである。
【符号の説明】
A :第1の真空乾燥装置
B :第2の真空乾燥装置
1,1’ :産業廃液
2,2’ :横置き型ジャケット方式2重円筒缶真空乾燥容器
3,3’ :加熱用水蒸気供給管
4,4’ :加熱用水蒸気ドレーン排出弁&ドレーン配管
5 :産業廃液送液配管
5’ :濃縮産業廃液送液管
6 :濃縮産業廃液送液ポンプ
7 :産業廃液貯層
8 :産業廃液送液ポンプ
9,9’ :真空ポンプ
10,10’:補助減圧機(スティームエジェクター)
11,11’:生成水蒸気吸引・排気配管
12,12’:同上
13,13’:水冷式コンデンサー
16,16’:留出・凝縮水レシバータンク
17,17’:産業廃液・廃材攪拌移送装置駆動機構(正逆回転可)
18,18’:産業廃液・廃材攪拌移送装置
Claims (2)
- スティーム加熱用ジャケット構造を有し内部に攪拌移送装置を備えた真空乾燥容器の一端に産業廃液を送り込む送液管を設け、該真空乾燥容器の他端にコンデンサーを接続するとともに補助排気装置、レシーバタンク及び真空ポンプに繋がる排気管を設けた脱水乾燥装置を直列に2基配置・連結し、第1の真空乾燥装置の廃液排出口と第2の真空乾燥装置産業廃液供給口とを連結した連結管とを設け、第2の真空乾燥装置のレシーバタンクの配管を第1の真空乾燥容器に連結配管したことを特徴とする2段式産業廃液脱水乾燥装置。
- スティーム加熱用ジャケット構造を有し内部に攪拌移送装置を備えた真空乾燥容器の一端に産業廃液を送り込む送液管を配し、送り込まれた産業廃液を攪拌加熱し、該真空乾燥容器の他端に設けた補助排気装置、レシーバタンク及び真空ポンプに繋がる排気管を通じ真空下で該廃液中の水分を吸引・蒸発せしめ、生じる水蒸気を排気しコンデンサーに導き凝縮水として凝縮・分離させ、濃縮・脱水される産業廃液を固形廃棄物残渣と清浄な水に分離する真空乾燥方式の産業廃液処理方法において、該廃液処理用真空乾燥装置を直列に2基配置・連結し、第1の真空乾燥装置においては、水分の多い産業廃液原液の濃縮・脱水処理を、不純分の留出が少なく清浄な水として廃棄できる留出水が得られる比較的緩やかな操業条件で実施し、水分の迅速な留出・除去と該産業廃液に含まれる固形廃棄物成分の濃縮を行い、次いで濃縮した該産業廃液を第1の該真空乾燥容器の廃液排出口と第2の真空乾燥容器の産業廃液供給口とを連結した連結管と送液ポンプを介して、第2の真空乾燥装置に送り残余の水分を迅速に除去するに足りるより厳しい操業条件下で該濃縮産業廃液の残余水分の留出・排除を行い、その留出水蒸気をコンデンサーに導き凝縮水として凝縮・分離させ、該凝縮水の排水配管を直接排水せずに産業廃液原液と合流して第1の真空乾燥装置に再供給するように連結配管し、操業条件厳格化により水に伴い留出する不純分を含む凝縮水を系外に排出することを防止するとともに、濃縮された産業廃棄物への熱伝達低下による乾燥効率・速度低下を解消し迅速な乾燥を行えるように構成させた、産業廃液から清浄な排水を分離・廃棄し、高効率で固形産業廃棄物を乾燥・分離できる機能を有することを特徴とする2段式産業廃液脱水乾燥方法。
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