JP2004312933A - 電動機用ステータコア - Google Patents
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Abstract
【課題】内径寸法精度・内径真円度、及び外径寸法精度・外径真円度が向上した多分割式ステータコアを提供すること。
【解決手段】1又は複数の磁極ティースごとに分割された構造を有し、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機のステータコアにおいて、だぼがしめする位置のレイアウト重心がステータコアの形状重心と一致するようにだぼがしめ位置を設計する。
【選択図】 図4
【解決手段】1又は複数の磁極ティースごとに分割された構造を有し、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機のステータコアにおいて、だぼがしめする位置のレイアウト重心がステータコアの形状重心と一致するようにだぼがしめ位置を設計する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機用のステータコアに係り、特に、だぼがしめ位置のレイアウト重心とステータコアの形状重心とが一致した電動機用ステータコアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1又は複数の磁極ティースごとに分割された構造を有し、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機用のステータコアにおいて、1ティースあたり3ヶ所のだぼがしめ位置を設ける構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−211574号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなモータが例えばステアリング転舵モータなどの高出力が要求される用途に用いられる場合、ステータコアには内径寸法精度及び内径真円度が確保され、エアーギャップを減少させることが必要となる。
【0005】
しかしながら、多分割式ステータコアでは、各分割コアがプレス工程でカシメられ積層された状態に加工されるため、カシメ後に反りが発生する(図1参照)。
【0006】
このように各分割コアに反りが発生した状態で巻き線を巻き、環状に成形すると、ティースが鼓状となり、焼きばめ代が安定せず、焼きばめ強度が確保できない(図2参照)。また、焼きばめ後の内径寸法・内径真円度が安定せず、エアーギャップも減少しないため、高出力が実現できない。
【0007】
このようなカシメによる反りが生ずる原因はプレス後のスプリングバックによる。ステータコアは複数の板がプロジェクションでかしめられることで積層されるが、その際、プレス工程中は上下から加えられた圧力により反りが生じないが、プレスから排出され、上下の圧力が解放されると、スプリングバックにより板と板との間に微量のクリアランスが生成され得る(図3参照)。
【0008】
ステータコアでは、通常120枚程度の板が積層されるため、各板間のクリアランスの差は微量でもステータコア全体で累積されると大きな反りとなる。
【0009】
図1〜3では、一例として、ステータコアがティースごとに分割されると共に図1に四角で示したような位置にだぼがしめ位置が設けられる場合について示しているため、だぼがしめの位置が外径側に偏っており、外径側の反りが大きくなっている。
【0010】
このようなクリアランスの偏りは、プロジェクション位置(だぼがしめ位置)のレイアウトに依存し、そのバランスが悪いと均一にかしめることができず、スプリングバック量も不均一となる。
【0011】
このように、従来の多分割式ステータコアでは、かしめた後に(プロジェクション後に)反りが発生しやすいという問題があった。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、内径寸法精度・内径真円度、及び外径寸法精度・外径真円度が向上した多分割式ステータコアを提供することを主たる目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、1又は複数の磁極ティースごとに分割された構造を有し、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機のステータコアであって、だぼがしめする位置のレイアウト重心がステータコアの形状重心と一致するようにだぼがしめ位置が設計されたことを特徴とする電動機用ステータコアである。
【0014】
この態様において、だぼがしめ位置のレイアウト重心とは、積層方向に見た場合のだぼがしめ位置の重心点であり、ステータコアの形状重心とは、同じく積層方向に見た場合のステータコアの重心点である。
【0015】
この態様によれば、だぼがしめ位置の重心とステータコアの形状重心とが一致しているため、バランス良くかしめることができ、ステータコア全域におけるプレス工程後のスプリングバック量を均一にすることができる。
【0016】
なお、上記態様において、ステータコア上のすべてのだぼがしめ位置についてのレイアウト重心とステータコア全体の形状重心とを一致させずに、1又は複数の分割コアに設けられただぼがしめ位置についてのレイアウト重心が上記1又は複数の分割コアについての形状重心と一致するようにだぼがしめ位置が設計されてもよい。
【0017】
例えば、12スロット(12ティース)を備えたステータコアがティースごとの分割構造を採る場合、12個それぞれの分割コアにおいて、だぼがしめ位置のレイアウト重心と分割コアの形状重心とが一致するようにだぼがしめ位置が設計されてもよく、3個の分割コアごとに(すなわちステータコア1/4ごとに)その中に位置するだぼがしめ位置のレイアウト重心と3個の分割コアの形状重心とが一致するようにだぼがしめ位置が設計されてもよい。
【0018】
また、上記態様において、ステータコア板を鋼板からプレス金型内で外形抜きする際に、ダイをインデックス方式にして回転移動させながら積層し、材料特性によるムラが均等に分散されるようにすることが好ましい。
【0019】
さらに、上記態様において、ステータコア内径側のティース連結部の厚さをつぶし、該連結部の磁気抵抗を大きくすることによって、トルクの悪化を防ぐことも可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、ティースごとに分割された、すなわち分割コアが一ティースを備える構造を持ったステータコアを前提として説明するが、これは一例に過ぎない。
【0021】
また、本実施形態では、一例として、分割コアごとにそれぞれ重心を一致させる態様について説明する。
【0022】
既述のように、だぼがしめするプロジェクション位置のレイアウトがいずれかの方向に偏っていれば、ステータコアを均一にかしめることができない。
【0023】
例えば、図4(a)に示す例では、一分割コアにおいて、3箇所のプロジェクション位置のレイアウト重心がティース形状の重心よりも外径側に位置している。このように重心がずれていれば、外径側により大きなスプリングバックが生じ、よってより大きなクリアランスが生ずることになる。
【0024】
そこで、本実施形態では、図4(b)に示すように、3ヶ所のプロジェクション位置のレイアウト重心がティース形状の重心と一致するようにプロジェクション位置を配置する。
【0025】
本実施形態によれば、該3ヶ所のプロジェクション位置でかしめた際に、分割コア全体に均一に圧力が掛かるため、分割コア全域においてスプリングバック量が均一となる。
【0026】
スプリングバック量が均一であれば、板間のクリアランスも安定するため、上述のような反りが生じない。反りが生じないことにより、内径寸法精度・内径真円度が向上し、エアーギャップを減少できるため、モータの高出力が可能となる。また、外径寸法精度・外径真円度が向上し、焼きばめ代が安定するため、固定強度が確保される。
【0027】
なお、このようなかしめ位置の重心と形状重心との一致は、分割コア単位で(すなわち各分割コアそれぞれで)実現される代わりに、複数の分割コアごとに実現されてもよく、ステータコア全体について実現されてもよい。当業者には明らかなように、複数の分割コアごとに実現される場合には、ステータコア1周を均等に分ける必要がある。例えば、12ティースを備えた12分割ステータコアであれば、2、3、4、又は6分割コアごとに上記重心合わせが実現される必要がある。
【0028】
ところで、クリアランスを均一にするためには、ステータコアに使用される鋼板の材料特性も影響し得る。すなわち、分割コアの形状に打ち抜かれる前の鋼板には、場所によって板厚、反り、含有成分などの材料特性に微小なムラが存在し得るため、上述のようにだぼがしめ位置のレイアウト重心とステータコアの形状重心とを一致させてもこれら材料特性による影響によりクリアランスが均一とならない場合が生じ得る。
【0029】
このような材料特性による影響を除去する方法としては、一体(非分割)ステータコア及び2分割ステータコアの場合については各板を回転させながら積層し、材料特性によるムラが均等に分散されるようにする手法が知られているが、多分割式ステータコアについてはこのような回転積層ができない。
【0030】
そこで、本発明においては、上述の重心位置合わせに加えて、図5に示すように、ステータコア板を鋼板からプレス金型内で外形抜きする際に、ダイをインデックス方式にして回転移動させながら積層する。図5に示す一例では、プレス1ショットごとにインデックスが1ピッチ回転することで、各ダイからはA、B、C、及びDが順に積層されることになる。
【0031】
これにより、多分割式ステータコアにおいても、回転積層と同等の材料特性のムラを分散させる効果が得られる。
【0032】
また、上記本発明の一実施形態の説明では、図2に示したように、ティースの先端左右に設けられたコア内径の輪郭となる部分が隣り合うティース同士で接触しない構造、すなわちスロットに開口部が設けられる構造を例に挙げた。
【0033】
しかしながら、本発明の適用はこのような形状のティースに限られない。知られているように、図6(a)に示すように、スロット開口部を広げるとトルクが良好になる代わりにコギングが悪化し、図6(b)に示すように、スロット開口部を閉じる(ティース同士を連結する)とコギングは良好になる代わりにトルクが悪化することが知られている。
【0034】
図6は一体ステータコアの場合であるが、一体ステータコアの場合には、図7(a)〜(c)に示すように、隣り合うティース同士を連結した上で該連結部を例えば1/2の厚さにつぶし、該連結部の磁気抵抗を大きくし、トルクの悪化を防ぐ手法が知られている。
【0035】
本発明は、このようなティース連結部をつぶした構成を多分割式ステータコアで実現したティース形状が採用されている場合であっても同様に適用できるものである。
【0036】
このようなティース形状の例を図8及び9に挙げる。図8に示す例は、図8(a)に示すようなAタイプの分割コア板とBタイプの分割コア板とを図8(b)に示すようにAタイプのみが1周分並べられたの層とBタイプのみが1周分並べたれた層とを交互に積層することによって、ティース先端部分をつなぐ部分の厚さを例えば約1/2にすることができる。また、AタイプとBタイプを交互に積層することで連結部のつなぎ目が積層方向について交互に配置されるため、ステータコア全体ではバランスが取れる。
【0037】
また、図9に示す例は、図9(a)に示すようなCタイプの分割コア板とDタイプの分割コア板とを図9(b)に示すように各層においてCタイプとDタイプとが交互に並べられると共に、積層方向においてもCタイプとDタイプが交互に積層されるように積層することによって、ティース連結部の厚さを例えば約1/2にすることができる。また、CタイプとDタイプを交互に積層することでCタイプに設けられた連結部とDタイプのティース先端とのつなぎ目が交互に配置されるため、ステータコア全体ではバランスが取れる。
【0038】
これら図8及び9に示したティース形状が用いられる場合であっても、本発明に係る重心合わせは適用可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内径寸法精度・内径真円度、及び外径寸法精度・外径真円度が向上した多分割式ステータコアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割コアを積層した際に外径側に反りが生じた様子を示す概略図である。
【図2】反りが生じた分割コアを環状にした様子を示す概略図である。
【図3】プレス工程後のスプリングバックが不均一である様子を示す概略図である。
【図4】(a) だぼがしめ位置のレイアウト重心が分割コアの形状重心より外径側に位置する場合を示す概略図である。
(b) 本発明の一実施形態に従ってだぼがしめ位置のレイアウト重心を分割コアの形状重心に一致させた場合を示す概略図である。
【図5】ステータコア板を鋼板からプレス金型内で外形抜きする際にダイをインデックス方式にして回転移動させながら積層する様子を示す概略図である。
【図6】(a) 一体ステータコアにおいてスロット開口部が空いている場合を示す概略図である。
(b) 一体ステータコアにおいてスロット開口部が空いていない場合を示す概略図である。
【図7】(a) 一体ステータコアにおいてティース連結部の厚さが1/2につぶされた様子を示す部分上面図である。
(b) 一体ステータコアにおいてティース連結部の厚さが1/2につぶされた様子を示す部分側面図である。
(c) 一体ステータコアにおいてティース連結部の厚さが1/2につぶされた様子を示す部分斜視図である。
【図8】(a) 多分割式ステータコアにおいてムラ無くティース連結部の厚さが1/2につぶされた状態を実現するための一ティース形状を示す概略図である。
(b) (a)のティース形状を積層した様子を概略的に示す模式図である。
【図9】(a) 多分割式ステータコアにおいてムラ無くティース連結部の厚さが1/2につぶされた状態を実現するための別の一ティース形状を示す概略図である。
(b) (a)のティース形状を積層した様子を概略的に示す模式図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機用のステータコアに係り、特に、だぼがしめ位置のレイアウト重心とステータコアの形状重心とが一致した電動機用ステータコアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1又は複数の磁極ティースごとに分割された構造を有し、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機用のステータコアにおいて、1ティースあたり3ヶ所のだぼがしめ位置を設ける構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−211574号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなモータが例えばステアリング転舵モータなどの高出力が要求される用途に用いられる場合、ステータコアには内径寸法精度及び内径真円度が確保され、エアーギャップを減少させることが必要となる。
【0005】
しかしながら、多分割式ステータコアでは、各分割コアがプレス工程でカシメられ積層された状態に加工されるため、カシメ後に反りが発生する(図1参照)。
【0006】
このように各分割コアに反りが発生した状態で巻き線を巻き、環状に成形すると、ティースが鼓状となり、焼きばめ代が安定せず、焼きばめ強度が確保できない(図2参照)。また、焼きばめ後の内径寸法・内径真円度が安定せず、エアーギャップも減少しないため、高出力が実現できない。
【0007】
このようなカシメによる反りが生ずる原因はプレス後のスプリングバックによる。ステータコアは複数の板がプロジェクションでかしめられることで積層されるが、その際、プレス工程中は上下から加えられた圧力により反りが生じないが、プレスから排出され、上下の圧力が解放されると、スプリングバックにより板と板との間に微量のクリアランスが生成され得る(図3参照)。
【0008】
ステータコアでは、通常120枚程度の板が積層されるため、各板間のクリアランスの差は微量でもステータコア全体で累積されると大きな反りとなる。
【0009】
図1〜3では、一例として、ステータコアがティースごとに分割されると共に図1に四角で示したような位置にだぼがしめ位置が設けられる場合について示しているため、だぼがしめの位置が外径側に偏っており、外径側の反りが大きくなっている。
【0010】
このようなクリアランスの偏りは、プロジェクション位置(だぼがしめ位置)のレイアウトに依存し、そのバランスが悪いと均一にかしめることができず、スプリングバック量も不均一となる。
【0011】
このように、従来の多分割式ステータコアでは、かしめた後に(プロジェクション後に)反りが発生しやすいという問題があった。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、内径寸法精度・内径真円度、及び外径寸法精度・外径真円度が向上した多分割式ステータコアを提供することを主たる目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、1又は複数の磁極ティースごとに分割された構造を有し、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機のステータコアであって、だぼがしめする位置のレイアウト重心がステータコアの形状重心と一致するようにだぼがしめ位置が設計されたことを特徴とする電動機用ステータコアである。
【0014】
この態様において、だぼがしめ位置のレイアウト重心とは、積層方向に見た場合のだぼがしめ位置の重心点であり、ステータコアの形状重心とは、同じく積層方向に見た場合のステータコアの重心点である。
【0015】
この態様によれば、だぼがしめ位置の重心とステータコアの形状重心とが一致しているため、バランス良くかしめることができ、ステータコア全域におけるプレス工程後のスプリングバック量を均一にすることができる。
【0016】
なお、上記態様において、ステータコア上のすべてのだぼがしめ位置についてのレイアウト重心とステータコア全体の形状重心とを一致させずに、1又は複数の分割コアに設けられただぼがしめ位置についてのレイアウト重心が上記1又は複数の分割コアについての形状重心と一致するようにだぼがしめ位置が設計されてもよい。
【0017】
例えば、12スロット(12ティース)を備えたステータコアがティースごとの分割構造を採る場合、12個それぞれの分割コアにおいて、だぼがしめ位置のレイアウト重心と分割コアの形状重心とが一致するようにだぼがしめ位置が設計されてもよく、3個の分割コアごとに(すなわちステータコア1/4ごとに)その中に位置するだぼがしめ位置のレイアウト重心と3個の分割コアの形状重心とが一致するようにだぼがしめ位置が設計されてもよい。
【0018】
また、上記態様において、ステータコア板を鋼板からプレス金型内で外形抜きする際に、ダイをインデックス方式にして回転移動させながら積層し、材料特性によるムラが均等に分散されるようにすることが好ましい。
【0019】
さらに、上記態様において、ステータコア内径側のティース連結部の厚さをつぶし、該連結部の磁気抵抗を大きくすることによって、トルクの悪化を防ぐことも可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、ティースごとに分割された、すなわち分割コアが一ティースを備える構造を持ったステータコアを前提として説明するが、これは一例に過ぎない。
【0021】
また、本実施形態では、一例として、分割コアごとにそれぞれ重心を一致させる態様について説明する。
【0022】
既述のように、だぼがしめするプロジェクション位置のレイアウトがいずれかの方向に偏っていれば、ステータコアを均一にかしめることができない。
【0023】
例えば、図4(a)に示す例では、一分割コアにおいて、3箇所のプロジェクション位置のレイアウト重心がティース形状の重心よりも外径側に位置している。このように重心がずれていれば、外径側により大きなスプリングバックが生じ、よってより大きなクリアランスが生ずることになる。
【0024】
そこで、本実施形態では、図4(b)に示すように、3ヶ所のプロジェクション位置のレイアウト重心がティース形状の重心と一致するようにプロジェクション位置を配置する。
【0025】
本実施形態によれば、該3ヶ所のプロジェクション位置でかしめた際に、分割コア全体に均一に圧力が掛かるため、分割コア全域においてスプリングバック量が均一となる。
【0026】
スプリングバック量が均一であれば、板間のクリアランスも安定するため、上述のような反りが生じない。反りが生じないことにより、内径寸法精度・内径真円度が向上し、エアーギャップを減少できるため、モータの高出力が可能となる。また、外径寸法精度・外径真円度が向上し、焼きばめ代が安定するため、固定強度が確保される。
【0027】
なお、このようなかしめ位置の重心と形状重心との一致は、分割コア単位で(すなわち各分割コアそれぞれで)実現される代わりに、複数の分割コアごとに実現されてもよく、ステータコア全体について実現されてもよい。当業者には明らかなように、複数の分割コアごとに実現される場合には、ステータコア1周を均等に分ける必要がある。例えば、12ティースを備えた12分割ステータコアであれば、2、3、4、又は6分割コアごとに上記重心合わせが実現される必要がある。
【0028】
ところで、クリアランスを均一にするためには、ステータコアに使用される鋼板の材料特性も影響し得る。すなわち、分割コアの形状に打ち抜かれる前の鋼板には、場所によって板厚、反り、含有成分などの材料特性に微小なムラが存在し得るため、上述のようにだぼがしめ位置のレイアウト重心とステータコアの形状重心とを一致させてもこれら材料特性による影響によりクリアランスが均一とならない場合が生じ得る。
【0029】
このような材料特性による影響を除去する方法としては、一体(非分割)ステータコア及び2分割ステータコアの場合については各板を回転させながら積層し、材料特性によるムラが均等に分散されるようにする手法が知られているが、多分割式ステータコアについてはこのような回転積層ができない。
【0030】
そこで、本発明においては、上述の重心位置合わせに加えて、図5に示すように、ステータコア板を鋼板からプレス金型内で外形抜きする際に、ダイをインデックス方式にして回転移動させながら積層する。図5に示す一例では、プレス1ショットごとにインデックスが1ピッチ回転することで、各ダイからはA、B、C、及びDが順に積層されることになる。
【0031】
これにより、多分割式ステータコアにおいても、回転積層と同等の材料特性のムラを分散させる効果が得られる。
【0032】
また、上記本発明の一実施形態の説明では、図2に示したように、ティースの先端左右に設けられたコア内径の輪郭となる部分が隣り合うティース同士で接触しない構造、すなわちスロットに開口部が設けられる構造を例に挙げた。
【0033】
しかしながら、本発明の適用はこのような形状のティースに限られない。知られているように、図6(a)に示すように、スロット開口部を広げるとトルクが良好になる代わりにコギングが悪化し、図6(b)に示すように、スロット開口部を閉じる(ティース同士を連結する)とコギングは良好になる代わりにトルクが悪化することが知られている。
【0034】
図6は一体ステータコアの場合であるが、一体ステータコアの場合には、図7(a)〜(c)に示すように、隣り合うティース同士を連結した上で該連結部を例えば1/2の厚さにつぶし、該連結部の磁気抵抗を大きくし、トルクの悪化を防ぐ手法が知られている。
【0035】
本発明は、このようなティース連結部をつぶした構成を多分割式ステータコアで実現したティース形状が採用されている場合であっても同様に適用できるものである。
【0036】
このようなティース形状の例を図8及び9に挙げる。図8に示す例は、図8(a)に示すようなAタイプの分割コア板とBタイプの分割コア板とを図8(b)に示すようにAタイプのみが1周分並べられたの層とBタイプのみが1周分並べたれた層とを交互に積層することによって、ティース先端部分をつなぐ部分の厚さを例えば約1/2にすることができる。また、AタイプとBタイプを交互に積層することで連結部のつなぎ目が積層方向について交互に配置されるため、ステータコア全体ではバランスが取れる。
【0037】
また、図9に示す例は、図9(a)に示すようなCタイプの分割コア板とDタイプの分割コア板とを図9(b)に示すように各層においてCタイプとDタイプとが交互に並べられると共に、積層方向においてもCタイプとDタイプが交互に積層されるように積層することによって、ティース連結部の厚さを例えば約1/2にすることができる。また、CタイプとDタイプを交互に積層することでCタイプに設けられた連結部とDタイプのティース先端とのつなぎ目が交互に配置されるため、ステータコア全体ではバランスが取れる。
【0038】
これら図8及び9に示したティース形状が用いられる場合であっても、本発明に係る重心合わせは適用可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内径寸法精度・内径真円度、及び外径寸法精度・外径真円度が向上した多分割式ステータコアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分割コアを積層した際に外径側に反りが生じた様子を示す概略図である。
【図2】反りが生じた分割コアを環状にした様子を示す概略図である。
【図3】プレス工程後のスプリングバックが不均一である様子を示す概略図である。
【図4】(a) だぼがしめ位置のレイアウト重心が分割コアの形状重心より外径側に位置する場合を示す概略図である。
(b) 本発明の一実施形態に従ってだぼがしめ位置のレイアウト重心を分割コアの形状重心に一致させた場合を示す概略図である。
【図5】ステータコア板を鋼板からプレス金型内で外形抜きする際にダイをインデックス方式にして回転移動させながら積層する様子を示す概略図である。
【図6】(a) 一体ステータコアにおいてスロット開口部が空いている場合を示す概略図である。
(b) 一体ステータコアにおいてスロット開口部が空いていない場合を示す概略図である。
【図7】(a) 一体ステータコアにおいてティース連結部の厚さが1/2につぶされた様子を示す部分上面図である。
(b) 一体ステータコアにおいてティース連結部の厚さが1/2につぶされた様子を示す部分側面図である。
(c) 一体ステータコアにおいてティース連結部の厚さが1/2につぶされた様子を示す部分斜視図である。
【図8】(a) 多分割式ステータコアにおいてムラ無くティース連結部の厚さが1/2につぶされた状態を実現するための一ティース形状を示す概略図である。
(b) (a)のティース形状を積層した様子を概略的に示す模式図である。
【図9】(a) 多分割式ステータコアにおいてムラ無くティース連結部の厚さが1/2につぶされた状態を実現するための別の一ティース形状を示す概略図である。
(b) (a)のティース形状を積層した様子を概略的に示す模式図である。
Claims (2)
- 1又は複数の磁極ティースごとに分割された構造を有し、同一形状の複数の板がだぼがしめにより積層されて成るインナーロータ型電動機のステータコアであって、
だぼがしめする位置のレイアウト重心がステータコアの形状重心と一致するようにだぼがしめ位置が設計されたことを特徴とする電動機用ステータコア。 - 請求項1記載の電動機用ステータコアであって、
1又は複数の分割コアに設けられただぼがしめ位置についてのレイアウト重心が前記1又は複数の分割コアについての形状重心と一致するようにだぼがしめ位置が設計されたことを特徴とする電動機用ステータコア。
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---|---|---|---|
JP2003105521A JP2004312933A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 電動機用ステータコア |
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JP2003105521A JP2004312933A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | 電動機用ステータコア |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7077355B2 (en) * | 2004-09-28 | 2006-07-18 | Toyo Denso Kabushiki Kaisha | Split-type stator core winding device |
EP2023465A2 (en) | 2007-08-09 | 2009-02-11 | Jtekt Corporation | Motor and electric power steering apparatus |
JP2009183032A (ja) * | 2008-01-29 | 2009-08-13 | Asmo Co Ltd | ステータコア、ブラシレスモータ及びブラシレスモータのステータの製造方法 |
JP2012147597A (ja) * | 2011-01-13 | 2012-08-02 | Toyota Motor Corp | ロータ用のコアプレート及び回転電機のロータ |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003105521A patent/JP2004312933A/ja active Pending
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