JP2004312890A - モータ制御回路及びモータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無負荷時の発熱を防ぐことができるモータ制御回路を提案する。
【解決手段】初期パラメータが測定できていない場合(S102:Yes)、ブラシレスモータ40を無負荷状態で正転させ(S104)、駆動電圧とホールセンサ信号との間の位相差をデータを読み込み(S106)、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定する(S108)。測定した位相差に基づきオフセット値を設定するため、通常制御において(S10)、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】初期パラメータが測定できていない場合(S102:Yes)、ブラシレスモータ40を無負荷状態で正転させ(S104)、駆動電圧とホールセンサ信号との間の位相差をデータを読み込み(S106)、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定する(S108)。測定した位相差に基づきオフセット値を設定するため、通常制御において(S10)、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御回路及び制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブラシレスモータを高速駆動する制御回路には、一般に速度制御フィードバック方式が用いられている。この速度制御フィードバック方式は、速度の指令値と検出された実際値とを制御増幅器により比較し、その誤差がなくなるように制御対象である電動機(ブラシレスモータ)を制御するフィードバック方式の一種である。ここで、ブラシレスモータの速度は、ブラシレスモータに取り付けられたロータ側の界磁マグネットの極性を検出するためのホールセンサの出力に基づき検出することができる。
【0003】
ブラシレスモータは、一般に、定速度駆動する場合に広く用いられ、高速のみならず、低速でも用いる場合には、変速度駆動が容易なブラシモータが用いられている。即ち、上記ブラシレスモータをホールセンサの出力に基づき速度制御フィードバック方式にて制御する場合、低速でブラシレスモータを駆動しようとすると、ホールセンサからの出力では情報量が少ないため、フィードバックの応答性が低くなり、回転が不安定になると共に負荷変動により回転が低下するという問題が発生する。
【0004】
この問題を解決するためには、本出願人は、特許文献1にて、高速時には速度制御フィードバック方式で制御を行い、低速回転において、正弦波PWN方式で駆動し、界磁マグネットの磁極位置と、コイル励磁電圧波形との位相差に応じてトルク制御する技術を提案した。この位相差について図6を参照して説明する。図6(A)は、無負荷時のコイル駆動電圧とホールセンサ信号(界磁マグネットの磁極位置)とを示すグラフであり、図6(B)は、負荷時の駆動電圧とホールセンサ信号とを示すグラフである。図6(A)中に示すように、無負荷状態では、正弦波(コイル駆動電圧)のゼロクロス点において、ホールセンサ信号の極性が変わっている。一方、図6(B)に示すように、負荷がかかった状態では、駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じている。この位相差が負荷量に対応するため、位相差に応じて電流量を増大させるトルク制御を行うことで、負荷変動による回転低下を防止し、回転を安定させている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−285980号公報
【特許文献2】
特開平10−285979号公報
【特許文献3】
特開2000−350485号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に係る技術を用いたブラシレスモータにおいて、無負荷時にも温度が上昇する場合があることが明らかになった。無負荷時には、電流量を抑えることでコイルでの発熱を防いでいるが、例えば、歯科機械用のハンドピース内に収容されるブラシレスモータで、無負荷時にも大きな電流が流れ、ハンドピースの温度を上昇させる物が数%程度発生した。
【0007】
この原因を調査したところ、組み立ての際に、コイルに対してホールセンサの位置がずれ、無負荷状態において、上述した駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じ、この位相差に応じて待機中(無負荷状態)においても負荷状態の電流を流し発熱するためであることが判明した。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、無負荷時の発熱を防ぐことができるモータ制御回路及び制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため請求項1の発明では、界磁マグネットを有するロータと、該ロータを回転するための複数相のコイルを有するステータと、前記コイルに相当する磁極位置を検出するセンサとから成るモータを、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御回路であって:
定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を測定する測定手段と;
測定した位相差を補正して定常制御を行う補正手段と;を備えることを技術的特徴とする。
【0010】
請求項1のモータ制御回路では、センサの取り付け位置が回磁マグネットからずれ、無負荷状態で、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との間で位相差が生じても、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差を補正して定常制御を行う。このため、定常運転において、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【0011】
また、請求項2の発明では、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定して、位相差がオフセット値以内である際には、無負荷状態での励磁電圧をコイルに印加する。このため、無負荷時の発熱を防ぐことができる。
【0012】
請求項3の発明では、モータが歯科機械用のブラシレスモータであるため、ハンドピースの温度が上昇することを防ぐことができる。
【0013】
請求項4の発明は、界磁マグネットを有するロータと、該ロータを回転するための複数相のコイルを有するステータと、前記コイルに相当する磁極位置を検出するセンサとから成るモータを、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御方法であって:
定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を測定測定し;
測定した位相差を補正して定常制御を行うことを技術的特徴とする。
【0014】
請求項4のモータ制御方法では、センサの取り付け位置が回磁マグネットからずれ、無負荷状態で、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との間で位相差が生じても、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差を補正して定常制御を行う。このため、定常運転において、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のモータ制御回路及び制御方法の実施形態について図を参照して説明する。図1は、第1実施態様に係る歯科機械のハンドピース内に収容されるブラシレスモータの機械的構成を示している。該ブラシレスモータ40は、歯の研削時に4万回転/分で駆動されると共に、歯根治療時には、100回転/分の超低速にて駆動される。
【0016】
セラミックスリーブから成るロータ50の外周にセラミックスリーブから成るステータ60が配設されており、該ステータ60にはエアーが供給されて、通孔66から排出されることでラジアル静圧軸受けを形成している。該ロータ50の外周には、4極の界磁マグネット52が配設されている。また、ステータ60の外周には、3組のコイル62が取り付けられている。更に、コイル62の外側には、ヨーク69が配設されている。このロータ50の図中右端部及び左端部には、マグネット54A、54Bが配設され、ステータ60側に取り付けられたマグネット64A、64Bとの反発力によりロータ50のスラスト方向への移動が規制される。なお、該ブラシレスモータには、界磁マグネット52の極性を検出するためのホールセンサ10が取り付けられている。
【0017】
図2は第1実施形態に係るブラシレスモータ制御回路を示している。ブラシレスモータ制御回路は、上記界磁マグネットの極性を検出するためのホールセンサ(ホールIC)10からの信号をフィルタするフィルタ12と、三角波を発生する三角波発生回路18と、ホールセンサ10からの信号をてい倍するてい倍回路13と、分周比を切り替える分周切替回路15、該ホールセンサからの信号を平滑化してブラシレスモータの回転速度を電圧値に変換したDA信号を生成するD/A変換回路19と、ブラシレスモータを高速時に方形波PWM方式で制御するため方形波PWM出力を送出するコンパレータ16とを備える。更に、CPU14には、モータの回転数を調整するための操作ペダル11、及び、モータの回転数を高速(5000〜40000rpm)と低速(100〜5000rpm)とに切り替える切替スイッチ17とが接続されている。
【0018】
CPU14は、フィルタ12からのホールセンサ10の信号と、該コンパレータ16からのPWM出力とに基づき、或いはCTで検出した負荷電流に基づきパワー回路20の駆動信号を生成する。
【0019】
先ず、図2を参照して制御回路のブラシレスモータ高速回転時(5000〜40000rpm)の制御動作につい説明する。
ブラシレスモータ制御回路は、上記切替スイッチ17が高速側に切り替られた5000rpmを越える高速回転時において、回転数をホールセンサ10からの信号により検出して速度フィードバック制御を実施する。この際に、三相120°導通型に基づいた方形波PWM方式を用いてコイルへ電流を印加する。
【0020】
即ち、ホールセンサ10がブラシレスモータのロータ50に取り付けられた界磁マグネット52の極性を検出した信号を出力する。D/A変換回路19が、この信号を平滑化してブラシレスモータの回転速度を電圧値に変換したDA信号を生成する。そして、コンパレータ16は、該DA信号と、三角波発生回路18からの三角波とを比較して、図3(イ)、(ロ)に示すような方形波PWM信号を生成する。該方形波PWM信号は、一定の周期T(20KHz)で、目標速度に対して実測速度が等しいときには、図3(イ)に示すように波幅t1の短い矩形波が出力され、目標速度に対して実測速度が低いときには、図3(ロ)に示すように波幅t1’の長い矩形波が出力される。
【0021】
CPU14は、フィルタ12からのホールセンサ(ホールIC)10の信号に基づきコイル62に導通するタイミングを120°導通型に基づき生成すると共に、該コンパレータ16からのPWM出力に基づき、パワー回路20の駆動信号を生成する。高回転時には、回転数を直接検出してフィードバックを行うため高い回転精度を実現できる。
【0022】
ここで、高速回転域では、ホールセンサの信号により回転数を検出して速度制御するとともに、回転数に応じて前記ホールセンサの信号を図2に示すてい倍回路13でてい倍比を切り替え、または、分周切替回路15にて、分周比を切り替え、回転数の検出精度を高め速度制御を行う。
【0023】
次に、該制御回路のブラシレスモータ低速回転(100〜5000rpm)時の動作につい説明する。
ブラシレスモータ制御回路は、上記切替スイッチ17が低速側に切り替られた100〜5000rpm未満の低速回転時に、上述した高速回転時の速度フィードバック制御の方形波PWM方式から、トルクフィードバック制御の正弦波PWM方式に切り換えてブラシレスモータを制御する。ここでは、図6(B)を参照して上述したように、負荷がかかった状態では、駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じている。この位相差が負荷量に対応するため、位相差に応じて電流量を増大させるトルク制御を行うことで、負荷変動による回転低下を防止し、回転を安定させている。具体的には、磁極位置とコイル励磁電圧波形(三相中の少なくとも1相分)との位相差により負荷を検出し、位相差が60°を越えないよう位相差(負荷)に応じてPWMのデューティ比を変えることで電流量を調整する。
【0024】
即ち、CPU14は、低速回転において、磁極位置とコイル励磁電圧波形との位相差により負荷を検出し、位相差が60°を越えないようにブラシレスモータのコイルを励磁する。この際に、該CPU14は、図3の(ハ)に示すように2つの正弦波と三角波とを組み合わせることにより、(へ)に示す正弦波PWM信号を生成する。この正弦波PWM信号は三相で120°ずつ位相の異なる。第1実施態様では、負荷を検出し、負荷に応じた電流を流してトルク制御するようにフィードバックを行うため、低回転で発生し易い脱調を未然に防ぐことができる。本実施態様では正弦波PWM信号を印加しているため、円滑に回転させることができ、脱調を発生させることがない。
【0025】
この第1実施態様では、ブラシレスモータの制御方式を低速(正弦波PWM方式)と高速(方形波PWM方式)とで切り換える動作を、切替スイッチ17の操作に応じてCPU14が行っている。なお、切替スイッチを設けず、回転数に応じて自動的に制御方式を切り替えることも可能である。
【0026】
以上記述したように第1実施態様の制御回路は、高速でブラシレスモータを制御する際には、界磁マグネットの極性検出用のホールセンサの出力に基づき回転数を検出するため、回転数検出用の素子を用いることなく速度フィードバック制御を行い得る。一方、低速でブラシレスモータを制御する際に、回転数を検出してフィードバックを行うにはホールセンサの出力では情報量が不足する。このため、低速時には、負荷電流に基づきトルクフィードバック制御を行い、ブラシレスモータの回転を安定させる。
【0027】
また、ブラシレスモータを低速(100〜5000rpm)で回転する際には、正弦波PWM方式にて駆動し、ブラシレスモータを高速(5000rpm以上)で回転する際には、方形波PWM方式にて駆動するため、低速及び高速にて安定してブラシレスモータを駆動することができる。
【0028】
ここで、図1に示す構成のブラシレスモータでは、組み立ての際に、コイル62に対してホールセンサ10の取り付け位置がずれ、無負荷状態において、図6(B)を参照して上述したように駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じる場合がある。係る場合に対応するため、第1実施形態のモータ制御回路では、定常制御を開始する以前に無負荷時の位相差を測定して、定常制御においてこれを補正する処理を行う。この処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
CPU14は、先ず、初期パラメータ測定モードかを判断する(S102)。初期パラメータが測定できていない場合(S102:Yes)、ブラシレスモータ40を無負荷状態で正転させ(S104)、図6(B)を参照して上述した駆動電圧とホールセンサ信号との間の位相差をデータを読み込み(S106)、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定して内蔵のメモリに格納する(S108)。逆転方向での測定が完了するまでは(S110:No)、S104へ戻り、ブラシレスモータ40を逆転させ(S104)、位相差を測定して(S106)、オフセット値を格納する(S108)。そして、読み込みデータ(無負荷時の位相差)が許容範囲にあるかを判断し(S112)、許容範囲を超えている場合には(S112:No)、S104に戻り測定をやり直す。一方、許容範囲内であるときには(S112:Yes)、パラメータ測定を完了する(S114)。
【0030】
上述した処理により初期パラメータ測定が完了すると(S102:No)、CPU14はブラシレスモータ40を通常制御する。この通常制御(トルクフィードバック制御)について、当該処理のサブルーチンを示す図5のフローチャートを参照して説明する。
CPU14は、駆動電圧とホールセンサ信号との間の位相差をデータを読み込む(S12)。そして、位相差が、メモリに格納したオフセット値以下かを判断する(S14)。ここで、位相差がオフセット値以下の場合には(S14:Yes)、無負荷時の電流値(例えば、0.5A)になるように、コイル62へ印加する電圧を調整する(S16)。他方、位相差がオフセット値を越える場合には(S14:No)、位相差に応じた電流値になるように、コイル62へ印加する電圧波形(PWMのデューティ比)を調整し(S18)、上述したように位相差が60°を越えないように電流量を調整する。
【0031】
第1実施形態のモータ制御回路及び制御方法では、ブラシレスモータ40のホールセンサ10の取り付け位置が回磁マグネット52からずれ、無負荷状態で、センサ10で検出される回磁マグネット52の磁極位置とコイル62の励磁電圧波形との間で位相差が生じても、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサ10で検出される回磁マグネット52の磁極位置とコイル62の励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定して定常制御を行う。定常運転において、位相差がオフセット値以内である際には、無負荷状態での励磁電圧をコイルに印加するため、無負荷時の発熱を防ぐことができる。
【0032】
第1実施形態のモータ制御回路及び制御方法では、歯科機械用のブラシレスモータの無負荷時の電流値を適正に制御することで、ハンドピースの温度が上昇することを防ぐことができる。
【0033】
ここで、特許文献1のモータ制御回路と第1実施形態のモータ制御回路とを比較した試験結果について説明する。
100個のブラシレスモータを用意し、特許文献1のモータ制御回路で制御した際には、3個のブラシレスモータにおいて発熱が観察された。これに対して、同じブラシレスモータを第1実施形態のモータ制御回路にて制御した際には、発熱が生じなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差を補正して定常制御を行う。このため、定常運転において、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施態様に係るブラシレスモータの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施態様に係るモータ制御回路のブロック図である。
【図3】図2に示すパワー回路の正弦波PWM制御用の信号及び方形波PWM制御用の信号を示す波形図である。
【図4】初期パラメータ設定の制御を示すフローチャートである。
【図5】通常時の制御を示すフローチャートである。
【図6】図6(A)は、無負荷時の駆動電圧とセンサ信号とを示すグラフであり、図6(B)は、負荷時の駆動電圧とセンサ信号とを示すグラフである。
【符号の説明】
10 ホールセンサ
11 操作ペダル
12 フィルタ
14 CPU
16 コンパレータ
17 切替スイッチ
18 三角波発生回路
20 パワー回路
40 ブラシレスモータ
50 ロータ
52 界磁マグネット
60 ステータ
62 コイル
【発明の属する技術分野】
この発明は、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御回路及び制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブラシレスモータを高速駆動する制御回路には、一般に速度制御フィードバック方式が用いられている。この速度制御フィードバック方式は、速度の指令値と検出された実際値とを制御増幅器により比較し、その誤差がなくなるように制御対象である電動機(ブラシレスモータ)を制御するフィードバック方式の一種である。ここで、ブラシレスモータの速度は、ブラシレスモータに取り付けられたロータ側の界磁マグネットの極性を検出するためのホールセンサの出力に基づき検出することができる。
【0003】
ブラシレスモータは、一般に、定速度駆動する場合に広く用いられ、高速のみならず、低速でも用いる場合には、変速度駆動が容易なブラシモータが用いられている。即ち、上記ブラシレスモータをホールセンサの出力に基づき速度制御フィードバック方式にて制御する場合、低速でブラシレスモータを駆動しようとすると、ホールセンサからの出力では情報量が少ないため、フィードバックの応答性が低くなり、回転が不安定になると共に負荷変動により回転が低下するという問題が発生する。
【0004】
この問題を解決するためには、本出願人は、特許文献1にて、高速時には速度制御フィードバック方式で制御を行い、低速回転において、正弦波PWN方式で駆動し、界磁マグネットの磁極位置と、コイル励磁電圧波形との位相差に応じてトルク制御する技術を提案した。この位相差について図6を参照して説明する。図6(A)は、無負荷時のコイル駆動電圧とホールセンサ信号(界磁マグネットの磁極位置)とを示すグラフであり、図6(B)は、負荷時の駆動電圧とホールセンサ信号とを示すグラフである。図6(A)中に示すように、無負荷状態では、正弦波(コイル駆動電圧)のゼロクロス点において、ホールセンサ信号の極性が変わっている。一方、図6(B)に示すように、負荷がかかった状態では、駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じている。この位相差が負荷量に対応するため、位相差に応じて電流量を増大させるトルク制御を行うことで、負荷変動による回転低下を防止し、回転を安定させている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−285980号公報
【特許文献2】
特開平10−285979号公報
【特許文献3】
特開2000−350485号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に係る技術を用いたブラシレスモータにおいて、無負荷時にも温度が上昇する場合があることが明らかになった。無負荷時には、電流量を抑えることでコイルでの発熱を防いでいるが、例えば、歯科機械用のハンドピース内に収容されるブラシレスモータで、無負荷時にも大きな電流が流れ、ハンドピースの温度を上昇させる物が数%程度発生した。
【0007】
この原因を調査したところ、組み立ての際に、コイルに対してホールセンサの位置がずれ、無負荷状態において、上述した駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じ、この位相差に応じて待機中(無負荷状態)においても負荷状態の電流を流し発熱するためであることが判明した。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、無負荷時の発熱を防ぐことができるモータ制御回路及び制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため請求項1の発明では、界磁マグネットを有するロータと、該ロータを回転するための複数相のコイルを有するステータと、前記コイルに相当する磁極位置を検出するセンサとから成るモータを、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御回路であって:
定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を測定する測定手段と;
測定した位相差を補正して定常制御を行う補正手段と;を備えることを技術的特徴とする。
【0010】
請求項1のモータ制御回路では、センサの取り付け位置が回磁マグネットからずれ、無負荷状態で、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との間で位相差が生じても、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差を補正して定常制御を行う。このため、定常運転において、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【0011】
また、請求項2の発明では、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定して、位相差がオフセット値以内である際には、無負荷状態での励磁電圧をコイルに印加する。このため、無負荷時の発熱を防ぐことができる。
【0012】
請求項3の発明では、モータが歯科機械用のブラシレスモータであるため、ハンドピースの温度が上昇することを防ぐことができる。
【0013】
請求項4の発明は、界磁マグネットを有するロータと、該ロータを回転するための複数相のコイルを有するステータと、前記コイルに相当する磁極位置を検出するセンサとから成るモータを、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御方法であって:
定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を測定測定し;
測定した位相差を補正して定常制御を行うことを技術的特徴とする。
【0014】
請求項4のモータ制御方法では、センサの取り付け位置が回磁マグネットからずれ、無負荷状態で、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との間で位相差が生じても、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差を補正して定常制御を行う。このため、定常運転において、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のモータ制御回路及び制御方法の実施形態について図を参照して説明する。図1は、第1実施態様に係る歯科機械のハンドピース内に収容されるブラシレスモータの機械的構成を示している。該ブラシレスモータ40は、歯の研削時に4万回転/分で駆動されると共に、歯根治療時には、100回転/分の超低速にて駆動される。
【0016】
セラミックスリーブから成るロータ50の外周にセラミックスリーブから成るステータ60が配設されており、該ステータ60にはエアーが供給されて、通孔66から排出されることでラジアル静圧軸受けを形成している。該ロータ50の外周には、4極の界磁マグネット52が配設されている。また、ステータ60の外周には、3組のコイル62が取り付けられている。更に、コイル62の外側には、ヨーク69が配設されている。このロータ50の図中右端部及び左端部には、マグネット54A、54Bが配設され、ステータ60側に取り付けられたマグネット64A、64Bとの反発力によりロータ50のスラスト方向への移動が規制される。なお、該ブラシレスモータには、界磁マグネット52の極性を検出するためのホールセンサ10が取り付けられている。
【0017】
図2は第1実施形態に係るブラシレスモータ制御回路を示している。ブラシレスモータ制御回路は、上記界磁マグネットの極性を検出するためのホールセンサ(ホールIC)10からの信号をフィルタするフィルタ12と、三角波を発生する三角波発生回路18と、ホールセンサ10からの信号をてい倍するてい倍回路13と、分周比を切り替える分周切替回路15、該ホールセンサからの信号を平滑化してブラシレスモータの回転速度を電圧値に変換したDA信号を生成するD/A変換回路19と、ブラシレスモータを高速時に方形波PWM方式で制御するため方形波PWM出力を送出するコンパレータ16とを備える。更に、CPU14には、モータの回転数を調整するための操作ペダル11、及び、モータの回転数を高速(5000〜40000rpm)と低速(100〜5000rpm)とに切り替える切替スイッチ17とが接続されている。
【0018】
CPU14は、フィルタ12からのホールセンサ10の信号と、該コンパレータ16からのPWM出力とに基づき、或いはCTで検出した負荷電流に基づきパワー回路20の駆動信号を生成する。
【0019】
先ず、図2を参照して制御回路のブラシレスモータ高速回転時(5000〜40000rpm)の制御動作につい説明する。
ブラシレスモータ制御回路は、上記切替スイッチ17が高速側に切り替られた5000rpmを越える高速回転時において、回転数をホールセンサ10からの信号により検出して速度フィードバック制御を実施する。この際に、三相120°導通型に基づいた方形波PWM方式を用いてコイルへ電流を印加する。
【0020】
即ち、ホールセンサ10がブラシレスモータのロータ50に取り付けられた界磁マグネット52の極性を検出した信号を出力する。D/A変換回路19が、この信号を平滑化してブラシレスモータの回転速度を電圧値に変換したDA信号を生成する。そして、コンパレータ16は、該DA信号と、三角波発生回路18からの三角波とを比較して、図3(イ)、(ロ)に示すような方形波PWM信号を生成する。該方形波PWM信号は、一定の周期T(20KHz)で、目標速度に対して実測速度が等しいときには、図3(イ)に示すように波幅t1の短い矩形波が出力され、目標速度に対して実測速度が低いときには、図3(ロ)に示すように波幅t1’の長い矩形波が出力される。
【0021】
CPU14は、フィルタ12からのホールセンサ(ホールIC)10の信号に基づきコイル62に導通するタイミングを120°導通型に基づき生成すると共に、該コンパレータ16からのPWM出力に基づき、パワー回路20の駆動信号を生成する。高回転時には、回転数を直接検出してフィードバックを行うため高い回転精度を実現できる。
【0022】
ここで、高速回転域では、ホールセンサの信号により回転数を検出して速度制御するとともに、回転数に応じて前記ホールセンサの信号を図2に示すてい倍回路13でてい倍比を切り替え、または、分周切替回路15にて、分周比を切り替え、回転数の検出精度を高め速度制御を行う。
【0023】
次に、該制御回路のブラシレスモータ低速回転(100〜5000rpm)時の動作につい説明する。
ブラシレスモータ制御回路は、上記切替スイッチ17が低速側に切り替られた100〜5000rpm未満の低速回転時に、上述した高速回転時の速度フィードバック制御の方形波PWM方式から、トルクフィードバック制御の正弦波PWM方式に切り換えてブラシレスモータを制御する。ここでは、図6(B)を参照して上述したように、負荷がかかった状態では、駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じている。この位相差が負荷量に対応するため、位相差に応じて電流量を増大させるトルク制御を行うことで、負荷変動による回転低下を防止し、回転を安定させている。具体的には、磁極位置とコイル励磁電圧波形(三相中の少なくとも1相分)との位相差により負荷を検出し、位相差が60°を越えないよう位相差(負荷)に応じてPWMのデューティ比を変えることで電流量を調整する。
【0024】
即ち、CPU14は、低速回転において、磁極位置とコイル励磁電圧波形との位相差により負荷を検出し、位相差が60°を越えないようにブラシレスモータのコイルを励磁する。この際に、該CPU14は、図3の(ハ)に示すように2つの正弦波と三角波とを組み合わせることにより、(へ)に示す正弦波PWM信号を生成する。この正弦波PWM信号は三相で120°ずつ位相の異なる。第1実施態様では、負荷を検出し、負荷に応じた電流を流してトルク制御するようにフィードバックを行うため、低回転で発生し易い脱調を未然に防ぐことができる。本実施態様では正弦波PWM信号を印加しているため、円滑に回転させることができ、脱調を発生させることがない。
【0025】
この第1実施態様では、ブラシレスモータの制御方式を低速(正弦波PWM方式)と高速(方形波PWM方式)とで切り換える動作を、切替スイッチ17の操作に応じてCPU14が行っている。なお、切替スイッチを設けず、回転数に応じて自動的に制御方式を切り替えることも可能である。
【0026】
以上記述したように第1実施態様の制御回路は、高速でブラシレスモータを制御する際には、界磁マグネットの極性検出用のホールセンサの出力に基づき回転数を検出するため、回転数検出用の素子を用いることなく速度フィードバック制御を行い得る。一方、低速でブラシレスモータを制御する際に、回転数を検出してフィードバックを行うにはホールセンサの出力では情報量が不足する。このため、低速時には、負荷電流に基づきトルクフィードバック制御を行い、ブラシレスモータの回転を安定させる。
【0027】
また、ブラシレスモータを低速(100〜5000rpm)で回転する際には、正弦波PWM方式にて駆動し、ブラシレスモータを高速(5000rpm以上)で回転する際には、方形波PWM方式にて駆動するため、低速及び高速にて安定してブラシレスモータを駆動することができる。
【0028】
ここで、図1に示す構成のブラシレスモータでは、組み立ての際に、コイル62に対してホールセンサ10の取り付け位置がずれ、無負荷状態において、図6(B)を参照して上述したように駆動電圧とホールセンサ信号との間に位相差が生じる場合がある。係る場合に対応するため、第1実施形態のモータ制御回路では、定常制御を開始する以前に無負荷時の位相差を測定して、定常制御においてこれを補正する処理を行う。この処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
CPU14は、先ず、初期パラメータ測定モードかを判断する(S102)。初期パラメータが測定できていない場合(S102:Yes)、ブラシレスモータ40を無負荷状態で正転させ(S104)、図6(B)を参照して上述した駆動電圧とホールセンサ信号との間の位相差をデータを読み込み(S106)、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定して内蔵のメモリに格納する(S108)。逆転方向での測定が完了するまでは(S110:No)、S104へ戻り、ブラシレスモータ40を逆転させ(S104)、位相差を測定して(S106)、オフセット値を格納する(S108)。そして、読み込みデータ(無負荷時の位相差)が許容範囲にあるかを判断し(S112)、許容範囲を超えている場合には(S112:No)、S104に戻り測定をやり直す。一方、許容範囲内であるときには(S112:Yes)、パラメータ測定を完了する(S114)。
【0030】
上述した処理により初期パラメータ測定が完了すると(S102:No)、CPU14はブラシレスモータ40を通常制御する。この通常制御(トルクフィードバック制御)について、当該処理のサブルーチンを示す図5のフローチャートを参照して説明する。
CPU14は、駆動電圧とホールセンサ信号との間の位相差をデータを読み込む(S12)。そして、位相差が、メモリに格納したオフセット値以下かを判断する(S14)。ここで、位相差がオフセット値以下の場合には(S14:Yes)、無負荷時の電流値(例えば、0.5A)になるように、コイル62へ印加する電圧を調整する(S16)。他方、位相差がオフセット値を越える場合には(S14:No)、位相差に応じた電流値になるように、コイル62へ印加する電圧波形(PWMのデューティ比)を調整し(S18)、上述したように位相差が60°を越えないように電流量を調整する。
【0031】
第1実施形態のモータ制御回路及び制御方法では、ブラシレスモータ40のホールセンサ10の取り付け位置が回磁マグネット52からずれ、無負荷状態で、センサ10で検出される回磁マグネット52の磁極位置とコイル62の励磁電圧波形との間で位相差が生じても、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサ10で検出される回磁マグネット52の磁極位置とコイル62の励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定して定常制御を行う。定常運転において、位相差がオフセット値以内である際には、無負荷状態での励磁電圧をコイルに印加するため、無負荷時の発熱を防ぐことができる。
【0032】
第1実施形態のモータ制御回路及び制御方法では、歯科機械用のブラシレスモータの無負荷時の電流値を適正に制御することで、ハンドピースの温度が上昇することを防ぐことができる。
【0033】
ここで、特許文献1のモータ制御回路と第1実施形態のモータ制御回路とを比較した試験結果について説明する。
100個のブラシレスモータを用意し、特許文献1のモータ制御回路で制御した際には、3個のブラシレスモータにおいて発熱が観察された。これに対して、同じブラシレスモータを第1実施形態のモータ制御回路にて制御した際には、発熱が生じなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、センサで検出される回磁マグネットの磁極位置とコイルの励磁電圧波形との位相差を測定し、測定した位相差を補正して定常制御を行う。このため、定常運転において、無負荷状態で、負荷状態の励磁電圧をコイルに印加することがなくなり、発熱を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施態様に係るブラシレスモータの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施態様に係るモータ制御回路のブロック図である。
【図3】図2に示すパワー回路の正弦波PWM制御用の信号及び方形波PWM制御用の信号を示す波形図である。
【図4】初期パラメータ設定の制御を示すフローチャートである。
【図5】通常時の制御を示すフローチャートである。
【図6】図6(A)は、無負荷時の駆動電圧とセンサ信号とを示すグラフであり、図6(B)は、負荷時の駆動電圧とセンサ信号とを示すグラフである。
【符号の説明】
10 ホールセンサ
11 操作ペダル
12 フィルタ
14 CPU
16 コンパレータ
17 切替スイッチ
18 三角波発生回路
20 パワー回路
40 ブラシレスモータ
50 ロータ
52 界磁マグネット
60 ステータ
62 コイル
Claims (4)
- 界磁マグネットを有するロータと、該ロータを回転するための複数相のコイルを有するステータと、前記コイルに相当する磁極位置を検出するセンサとから成るモータを、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御回路であって:
定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を測定する測定手段と;
測定した位相差を補正して定常制御を行う補正手段と;を備えることを特徴とするモータ制御回路。 - 前記補正手段は、測定した位相差よりも大きなオフセット値を設定して、位相差がオフセット値以内である際には、無負荷状態での励磁電圧を前記コイルに印加することを特徴とする請求項1のモータ制御回路。
- 前記モータは、歯科機械用のブラシレスモータであることを特徴とする請求項1又は請求項2のモータ制御回路。
- 界磁マグネットを有するロータと、該ロータを回転するための複数相のコイルを有するステータと、前記コイルに相当する磁極位置を検出するセンサとから成るモータを、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を検出してトルク制御を行うモータ制御方法であって:
定常制御を開始する以前に、無負荷状態で回転して、前記センサで検出される回磁マグネットの磁極位置と前記コイルの励磁電圧波形との位相差を測定し;
測定した位相差を補正して定常制御を行うことを特徴とするモータ制御方法。
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