JP2004312614A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送線の路が長くなっても、スイッチング時のドライバ出力波形が鈍ることなく、高速データ伝送を可能とする半導体装置を提供すること。
【解決手段】データ信号を入力し、伝送用信号として出力する出力回路20aと、該出力回路20aから出力される伝送用信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけるプリエンファシス回路40cとを具備し、信号劣化の少ない高速伝送を可能としたものである。
【選択図】 図8
【解決手段】データ信号を入力し、伝送用信号として出力する出力回路20aと、該出力回路20aから出力される伝送用信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけるプリエンファシス回路40cとを具備し、信号劣化の少ない高速伝送を可能としたものである。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特に、小振幅の伝送用信号を高速に伝送することが可能な半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速データ伝送の要求を満たすため、LVDS(小振幅差動信号、Low Voltage Differential Signalの略)と呼ばれる 小振幅差動伝送が注目されている。
【0003】
LVDS回路は図3に示されているように、ドライバ1とレシーバ2の間を、50Ωの往路伝送線路3と復路伝送線路4により結び、伝送線路3,4をレシーバ入力において100Ωの抵抗5で終端している。ドライバ1は、約3mAの電流を駆動し、終端抵抗5において約300mVの電圧を発生する。往路伝送線路3と復路伝送線路4は電気的特性が等しい、いわゆる平衡伝送路を形成しており、LVDS回路ではこの2本の伝送路により1つの信号の伝送を行うようになっている。ドライバ1は入力端子6からの入力信号に基づいて、往路伝送線路3、復路伝送線路4の間に電位差を生ずるような互いに反転関係の差動信号を生成する。これに対して、レシーバ2は往路伝送線路3、復路伝送線路4の間に生成された差動信号をコンパレータで受けて、これを出力端子7から出力する。
【0004】
LVDSは、ドライバ1側で発生した信号電流Isを、往路伝送線路3と復路伝送線路4の平衡伝送線と、レシーバ2側の終端抵抗5とに流すことにより、終端抵抗5の部分に信号電圧を発生させて信号を伝送する。信号の“1”、“0”(或いはH,Lレベル)は、ドライバ側で信号電流Isの流れる向きを切り替えることにより伝送し、レシーバ側でその向きを信号電圧の大小として検出することにより識別する。この構成によれば、往路伝送線路3および復路伝送線路4を流れる信号電流Isは、大きさが同じで、向きが逆であるため、平衡伝送線全体の電流により生成される磁界が互いにキャンセルされる。その結果、伝送系の電流変動によって生じるノイズが小さくなり、隣接ポート間の伝送線同士の干渉やLSI間の同時スイッチング干渉が小さいため高速信号の伝送に適していると言うことができる。このような小振幅高速データ伝送においては、伝送線路が長いと、伝送線路上に存在する浮遊容量などに基づき高周波損失して波形が鈍るという問題がある。
【0005】
このような問題は、通信機器や映像機器等に用いられる電圧制御発振器においても、水晶振動子にバリキャプ(可変リアクタンス素子)が接続されていると、その容量値のばらつきによって周波数制御特性にばらつきを生ずる問題に似ている(例えば、特開2000−31741号公報参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−31741号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、高速データ伝送においては、伝送線路が長いと、伝送線路上に存在する浮遊容量などに基づき高周波損失して波形が鈍るという問題がある。例えば、500Mbps以上の高速データ信号を伝送する時、信号の“1”→“0”或いは“0”→“1”への切り替わり時(以下、スイッチング時という)に、波形の立上り時間tr,立下り時間tfが大きくなり、受信(レシーバ)側での信号波形のアイパターンが小さくなりマージンが減って(信号劣化して)、結果として高速伝送が不可能になるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、伝送線路が長くなっても、スイッチング時のレシーバ端での波形が鈍ることなく、高速データ伝送を可能とする半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による半導体装置は、データ信号を入力し、伝送用信号として出力する出力回路と、該出力回路からの伝送用信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけるプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0010】
本発明のこのような構成によれば、プリエンファシス回路をドライバ側における伝送用信号に用いることによって、信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送し、単線伝送方式での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0011】
本発明による半導体装置は、第1の信号を入力し、第2の信号を出力する出力回路と、第1の信号を所定時間遅延させる遅延回路と、この遅延回路の出力を反転する反転回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、第1の信号を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記反転回路からの所定時間遅延しかつ反転したデータ信号を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の第2の信号の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のこのような構成によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路においても、プリエンファシス回路を用い且つ簡単な回路構成により、伝送用信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0013】
また、本発明による半導体装置は、第1の信号を入力し、第2の信号を出力する出力回路と、前記出力回路に入力する前記データ信号を所定時間遅延させる遅延回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路と、一方の入力端に前記遅延回路からの所定時間遅延したデータ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力されるナンド回路と、一方の入力端に前記遅延回路からの所定時間遅延したデータ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力されるノア回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、第1の信号を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記ナンド回路の出力を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記ノア回路の出力を前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の第2の信号の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続したことを特徴とするものである。
【0014】
本発明のこのような構成によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路においても、データ信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質の高速伝送が可能となる。また、プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失が大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0015】
また、本発明による半導体装置は、差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、該出力回路からの伝送用差動信号それぞれの立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1,第2のプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0016】
本発明のこのような構成によれば、プリエンファシス回路をLVDSのようなドライバ回路における一対の差動信号それぞれに用いることによって、2線伝送方式の伝送信号の劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0017】
さらに、本発明による半導体装置は、差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路と、前記第1の遅延回路の出力を反転する第1の反転回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の一方の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1のプリエンファシス回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路と、前記第2の遅延回路の出力を反転する第2の反転回路と、第3,第4のPMOSトランジスタを直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタを直列に接続した第4の直列回路とを有し、前記第3の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第3の直列回路のドレインを前記第4の直列回路のドレインに接続し、前記第4の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第2のプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0018】
本発明のこのような構成によれば、線路長が長く高周波損失が大きくなる伝送線路を使用する場合でも、プリエンファシス回路を用い、且つ簡単な回路構成によって、伝送用差動信号の劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0019】
また、本発明による半導体装置は、差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路と、一方の入力端に前記第1の遅延回路からの所定時間遅延した一方の差動データ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力される第1のナンド回路と、一方の入力端に前記第1の遅延回路からの所定時間遅延した一方の差動データ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力される第1のノア回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1のナンド回路の出力を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1のノア回路の出力を前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の一方の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1のプリエンファシス回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路と、第3,第4のPMOSトランジスタを直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタを直列に接続した第4の直列回路と、一方の入力端に前記第2の遅延回路からの所定時間遅延した他方の差動データ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力されるナンド回路と、一方の入力端に前記第2の遅延回路からの所定時間遅延した他方の差動データ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力される第2のノア回路とを有し、前記第3の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第3の直列回路のドレインを前記第4の直列回路のドレインに接続し、前記第4の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2のナンド回路の出力を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2のノア回路の出力を前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第2のプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0020】
本発明のこのような構成によれば、伝送用差動信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけることで、レシーバ側での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能とする一方、プリエンファシスの有効又は無効に切り替えることが可能である。プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失が大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態の半導体装置の回路図を示し、図2は図1の動作を説明する波形図である。図3はLVDS回路の構成例を示す図である。
【0023】
図1の実施の形態に示す半導体装置は、図3におけるドライバ1に相当する部分、すなわち、LVDSの出力回路部分を対象としている。本実施の形態以降の他の実施の形態についても同様である。
【0024】
図1の半導体装置は、入力端子11に入力するデータ信号を入力し、互いに極性の反転した一対の差動データ信号を生成するデータ信号発生回路10と、この反転関係の一対の差動データ信号を入力し、各差動データ信号に対応して、ラインL1,L2に互いに逆向きの信号電流を生成し、小振幅な第1,第2の伝送用差動信号(以下、小振幅差動信号という)として出力する出力回路20と、この出力回路20から出力される信号電流の値を設定するためのPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタという)P3のゲートに与えるバイアス電圧を生成するバイアス電圧作成回路30と、前記出力回路20からの第1の小振幅差動信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて出力する第1のプリエンファシス回路40と、前記出力回路20からの第2の小振幅差動信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて出力する第2のプリエンファシス回路50と、を有して構成されている。
【0025】
上記データ信号発生回路10は、入力端子11に対して、反転回路INV1,INV2の直列回路と、バッファBUF1及び反転回路INV3の直列回路とを、並列に接続して構成されている。反転回路INV1,INV2の直列回路からは正相のデータ信号が出力され、バッファBUF1及び反転回路INV3の直列回路からは逆相のデータ信号が出力される。
【0026】
上記出力回路20で、P1,P2は高電位VDD側の電流スイッチング素子としての一対のPMOSトランジスタ、N1,N2は低電位GND側の電流スイッチング素子としての一対のNチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタという)である。PMOSトランジスタP1のドレインはNMOSトランジスタN1のドレインに直列に接続し、PMOSトランジスタP2のドレインはNMOSトランジスタN2のドレインに直列に接続している。又、PMOSトランジスタP1,P2のソースは共に信号電流設定用のPMOSトランジスタP3のドレイン・ソースを介して高電位VDD側に接続され、NMOSトランジスタN1,N2のソースは共に出力電圧レベル(コモンモード電圧)を決定する負荷素子である抵抗R1を介して低電位GND側に接続されている。
【0027】
上記バイアス電圧作成回路30は、PMOSトランジスタP4と、オペアンプOP1と、可変基準電圧源Vrefと、電流決定用抵抗R2で構成され、PMOSトランジスタP4のソースを高電位VDD点に接続し、そのドレインを抵抗R2を介して低電位GND点に接続しかつオペアンプOP1の+端子に接続する一方、オペアンプOP1の−端子を可変基準電圧源Vrefに接続し、可変基準電圧源Vrefの出力端を前記出力回路20の信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲートに接続した構成となっている。ここで、信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲート電圧はバイアス電圧作成回路30のオペアンプOP1からの出力電圧によって設定される。
【0028】
このバイアス電圧作成回路30では、直流電源電圧VDDに基づいてPMOSトランジスタP4から抵抗R2を通して基準電位GND点に流れる電流によって抵抗R2に発生する電圧降下値が基準電圧源Vrefの電圧と等しくなるように、オペアンプOP1からPMOSトランジスタP4に与えられるゲート電圧が制御される。その結果、基準電圧Vrefを調整することにより、オペアンプOP1の出力電圧を可変設定、すなわち、信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲートに供給されるバイアス電圧を可変設定することができる。
【0029】
第1のプリエンファシス回路40は、前記出力回路20に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路を構成するバッファBUF2と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位VDD点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、第2の直列回路(N11,N12)のソースを低電位GND点に接続し、前記差動データ信号の一方を第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給している。さらに、第1の遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延した一方の差動データ信号Cを第1のナンド回路NAND1の一方の入力端に入力し、この第1のナンド回路NAND1の他方の入力端にはイネーブル信号EN1を入力し、第1のナンド回路NAND1の出力を第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲートに供給し、第1の遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延した前記一方の差動データ信号Cを第1のノア回路NOR1の一方の入力端に入力し、この第1のノア回路NOR1の他方の入力端には前記イネーブル信号EN1を反転した信号/EN1を入力し、第1のノア回路NOR1の出力を前記第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給する。そして、前記出力回路20のPMOSトランジスタP1のドレインとNMOSトランジスタN1のドレインとの直列接続点を、プリエンファシス回路40のPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に接続し、この接続点の端子41を一方の差動データ信号電流の出力端子としている。プリエンファシス回路40のPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に、前記出力回路20からの小振幅差動信号電流の一方を出力させることで、出力回路20から出力される小振幅差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける構成となっている。なお、第1のプリエンファシス回路40は、上記イネーブル信号EN1がハイレベル(以下、Hレベル)に設定されているときプリエンファシス機能が有効に働き、イネーブル信号EN1がローレベル(以下、Lレベル)に設定されているときプリエンファシス機能が無効となり働かない。通常動作ではプリエンファシスを有効とするので、イネーブル信号EN1はHレベルに設定されている。
【0030】
同様に、第2のプリエンファシス回路50は、前記出力回路20に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路を構成するバッファBUF3と、第3,第4のPMOSトランジスタP21,P22を直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタN21,N22を直列に接続した第4の直列回路とを有し、第3の直列回路(P21,P22)のソースを高電位VDD点に接続し、第3の直列回路(P21,P22)のドレインを第4の直列回路(N21,N22)のドレインに接続し、第4の直列回路(N21,N22)のソースを低電位GND点に接続し、前記差動データ信号の他方を第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタP22のゲート及び第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタN21のゲートに供給している。さらに、第2の遅延回路であるバッファBUF3からの所定時間遅延した他方の差動データ信号を第2のナンド回路NAND2の一方の入力端に入力し、第2のナンド回路NAND2の他方の入力端にはイネーブル信号EN2を入力し、第2のナンド回路NAND2の出力を前記第3の直列回路(P21,P22)の第3のPMOSトランジスタP21のゲートに供給し、第2の遅延回路であるバッファBUF3からの所定時間遅延した他方の差動データ信号を第2のノア回路NOR2の一方の入力端に入力し、第2のノア回路NOR2の他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号/EN2を入力し、第2のノア回路NOR2の出力を前記第4の直列回路(N21,N22)の第4のNMOSトランジスタN22のゲートに供給する。そして、前記出力回路20のPMOSトランジスタP2のドレインとNMOSトランジスタN2のドレインとの直列接続点を、プリエンファシス回路50のPMOSトランジスタP22のドレインとNMOSトランジスタN21のドレインとの直列接続点に接続し、この接続点の端子51を他方の差動データ信号電流の出力端子としている。プリエンファシス回路50のPMOSトランジスタP22のドレインとNMOSトランジスタN21のドレインとの直列接続点に、前記出力回路20からの小振幅差動信号電流のもう一方を出力させることで、出力回路20から出力されるもう一方の小振幅差動信号に対してその信号の立上り,立下り時にプリエファシスをかける構成となっている。なお、イネーブル信号EN2についても、前記イネーブル信号EN1と同様である。すなわち、第2のプリエンファシス回路50は、上記イネーブル信号EN2がHレベルに設定されているときプリエンファシス機能が有効に働き、イネーブル信号EN2がLレベルに設定されているときプリエンファシス機能が無効となり働かない。通常動作ではプリエンファシスを有効とするので、イネーブル信号EN2はHレベルに設定されている。
【0031】
次に、図1の回路動作を、図2を参照して説明する。
【0032】
データ入力端子11には、図2(a)に示すようなH,Lレベル(‘0’,‘1’に対応)のデータ信号が入力し、データ信号発生回路10に供給される。データ信号発生回路10では、入力されたデータ信号が2つの反転回路INV1,INV2を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延して、図2(b)に示すような正相のデータ信号として出力される一方、バッファBUF1及び反転回路INV3を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延して、逆相のデータ信号(図2(b)の信号とは逆位相)となって出力される。従って、データ信号発生回路10からは互いに位相が反対の一対の差動データ信号が出力されることになる。
【0033】
差動データ信号の一方(正相信号)は出力回路20のPMOSトランジスタP1のゲート及びNMOSトランジスタN1のゲートに入力し、差動データ信号の他方(逆相信号)は出力回路20のPMOSトランジスタP2のゲート及びNMOSトランジスタN2のゲートに入力する。
【0034】
前述したように、出力回路20の信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲート電圧はバイアス電圧作成回路30のオペアンプOP1からの出力電圧によって設定されている。
【0035】
出力回路20は、入力された差動データ信号の正,逆相信号それぞれについてのH,Lレベル(電圧)に応じて、発生する信号電流の向きを変える機能を有している。すなわち、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにLレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のHレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN2がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP1→ラインL1→出力端子41→伝送線路3→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路4→出力端子51→ラインL2→NMOSトランジスタN2→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路3側がプラス、線路4側がマイナスとなるように電圧を発生する。また、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにHレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のLレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN1がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP2→ラインL2→出力端子51→伝送線路4→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路3→出力端子41→ラインL1→NMOSトランジスタN1→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路4側がプラス、線路3側がマイナスとなるように電圧を発生する。終端抵抗5の一端に発生する電圧の高低がレシーバ2でH,Lレベルとして検出されることにより、データ信号のH,Lレベルが伝送されることになるが、ドライバ1からレシーバ2へはデータ信号の内容が電流によってかつその電流の向きによって伝送されるので、振幅が非常に小さくしかも高速にスイッチングする(向きを変える)ことができる一方、伝送線路3,4の各抵抗を終端抵抗5の半分に設計することで容易にインピーダンスマッチングがとれ、反射波がなく明確な信号を高速に伝送できる。
【0036】
図2で説明すれば、差動データ信号の一方B(図2(b)参照)がLレベルになっている期間には、信号電流は正方向の向き(図3の実線Isの方向)に流れ、差動データ信号の一方B(図2(b)参照)がHレベルになっている期間は、信号電流は負方向の向き(図3の破線Isの方向)に流れる。
【0037】
次に、プリエンファシス回路40,50の動作について説明する。ここでは、イネーブル信号EN1,EN2はいずれもHレベルに設定されているものとする。
【0038】
第1,第2のプリエンファシス回路40,50によって、出力回路20の出力端子41に接続する伝送線路3,終端抵抗5,及び伝送線路4に信号電流の立上り,立下り時には大きな電流が付加され、プリエンファシスがかかる。第1,第2のプリエンファシス回路40,50は、そこに通過する信号電流の向きが互いに反対であるのみで、同様に動作するので、以下に第1のプリエンファシス回路40の動作について説明する。
【0039】
データ信号発生回路10からの差動データ信号の一方(正相信号)B(図2(b)参照)は第1のプリエンファシス回路40のPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0040】
また、差動データ信号の一方(正相信号)B(図2(b)参照)を第1の遅延回路であるバッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立上り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1の一方の入力端に入力しており、ナンド回路NAND1のもう一方の入力端42にイネーブル信号EN1(=Hレベル)が供給されているのでナンド回路NAND1の出力Dは図2(d)に示すようになる。さらに、バッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立下り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのノア回路NOR1の一方の入力端に入力しており、ノア回路NOR1のもう一方の入力端43にイネーブル信号/EN1(=Lレベル)が供給されているのでノア回路NOR1の出力Eは図2(e)に示すようになる。信号Dと信号Eとは同様な信号波形であり、信号Cを反転した信号を各ゲート回路NAND1,NOR1で若干遅延した信号となっている。
【0041】
差動データ信号の一方BがHレベルの期間でかつノア回路NOR1の出力信号EがHレベルの期間は、信号電流の立下り時に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、負方向の信号電流が伝送線路3から出力端子41,NMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ流れ出す結果、信号電流の立下り時に負方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0042】
また、差動データ信号の一方BがLレベルの期間でかつナンド回路NAND1の出力信号DがLレベルの期間は、信号電流の立上り時に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、正方向の信号電流に対して、電圧VDDの高電位電源からPMOSトランジスタP11,P12,出力端子41を経て電流が付加される結果、信号電流の立上り時に正方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0043】
その結果、ドライバ1(図3参照)からは図4(a)に示すような立上り,立下り時にプリエンファシスのかかったドライバ出力が端子1a(41),1b(51)に出力され、レシーバ2の終端抵抗5に検出(受信)される出力は図4(b)に示すような鈍りのない出力信号が得られる。なお、図4(c)は、プリエンファシスがかかっていない従来のドライバ出力(実線の波形)と、そのドライバ出力に対するレシーバ側の受信出力(点線の鈍った波形)とを示したものである。
【0044】
第1の実施の形態によれば、伝送信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけることで、レシーバ側での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能とする一方、プリエンファシスの有効又は無効に切り替えることが可能である。イネーブル信号EN1,EN2の双方をHレベルとするかLレベルとするかで、プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失が大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0045】
また、例えば図3のようなLVDSV回路で、伝送線路3と伝送線路4とで、どちらか一方の線路の伝送信号にプリエンファシスをかけることが可能である。すなわち、イネーブル信号EN1,EN2のうちの一方をHレベルとし、もう一方をLレベルに設定することにより、必要に応じて一方の伝送線路の伝送信号にプリエンファシスをかけ、もう一方の伝送線路の伝送信号にはプリエンファシスをかけないようにすることもできる。
【0046】
図5は本発明の第2の実施の形態の半導体装置の回路図を示し、図6は図5の動作を説明する波形図である。
【0047】
図5において、図1と異なる点は、第1,第2のプリエンファシス回路の構成が異なっていることである。すなわち、図5の装置における第1,第2のプリエンファシス回路40a,50aでは、プリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1,NAND2及びノア回路NOR1,NOR2を削除し、常にプリエンファシスを有効に働くように構成したものである。従って、イネーブル信号EN1,EN2は不要である。その他の、データ信号発生回路10、出力回路20、バイアス電圧作成回路30の構成については、図1と同様であるので説明を省略する。図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0048】
第1のプリエンファシス回路40aは、前記出力回路20に入力する差動データ信号の一方Bを所定時間遅延させる第1の遅延回路を構成するバッファBUF2と、このバッファBUF2の出力を反転する第1の反転回路INV4と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方Bを第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給し、第1の反転回路INV4からの反転した差動データ信号の一方Cを第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給し、前記出力回路20の小振幅差動信号の一方の出力端子を第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路20からの小振幅差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路20から出力される小振幅差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける構成となっている。
【0049】
また、第2のプリエンファシス回路50aは、前記出力回路20に入力する差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路を構成するバッファBUF3と、このバッファBUF3の出力を反転する第2の反転回路INV5と、第3,第4のPMOSトランジスタP21,P22を直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタN21,N22を直列に接続した第4の直列回路とを有し、第3の直列回路(P21,P22)のソースを高電位VDD点に接続し、第3の直列回路(P21,P22)のドレインを第4の直列回路(N21,N22)のドレインに接続し、第4の直列回路(N21,N22)のソースを低電位GND点に接続し、前記差動データ信号の他方を第3の直列回路(P21,P22)の第4のPMOSトランジスタP22のゲート及び第4の直列回路(N21,N22)の第3のNMOSトランジスタN21のゲートに供給し、第2の反転回路INV5からの反転した差動データ信号の他方を第3の直列回路(P21,P22)の第3のPMOSトランジスタP21のゲート及び第4の直列回路(N21,N22)の第4のNMOSトランジスタN22のゲートに供給し、前記出力回路20の小振幅差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路20からの小振幅差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路20から出力される小振幅差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける構成となっている。
【0050】
次に、図5の回路動作を図6を参照して説明する。
【0051】
データ入力端子11には、図6(a)に示すようなH,L(‘0’,‘1’に対応)レベルのデータ信号が入力され、データ信号発生回路10に供給される。データ信号発生回路10では、入力されたデータ信号が2つの反転回路INV1,INV2を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延して、図6(b)に示すような正相のデータ信号Bとして出力される一方、バッファBUF1及び反転回路INV3を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延しかつ反転した逆相のデータ信号(図示しないが図6(b)の信号とは逆位相の信号)となって出力される。従って、データ信号発生回路10からは互いに位相が反対の一対の差動データ信号が出力されることになる。
【0052】
差動データ信号の一方(正相信号)Bは出力回路20のPMOSトランジスタP1のゲート及びNMOSトランジスタN1のゲートに入力し、差動データ信号の他方(逆相信号)は出力回路20のPMOSトランジスタP2のゲート及びNMOSトランジスタN2のゲートに入力する。
【0053】
前述したように、出力回路20の信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲート電圧は、バイアス電圧作成回路30のオペアンプOP1からの出力電圧によって設定されている。
【0054】
出力回路20は、入力された差動データ信号の正,逆相信号それぞれについてのH,Lレベル(電圧)に応じて、発生する信号電流の向きを変える機能を有している。すなわち、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにLレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のHレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN2がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP1→ラインL1→出力端子41→伝送線路3→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路4→出力端子51→ラインL2→NMOSトランジスタN2→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路3側がプラス、線路4側がマイナスとなるように電圧を発生する。
【0055】
また、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにHレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のLレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN1がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP2→ラインL2→出力端子51→伝送線路4→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路3→出力端子41→ラインL1→NMOSトランジスタN1→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路4側がプラス、線路3側がマイナスとなるように電圧を発生する。終端抵抗5の一端に発生する電圧の高低がレシーバ2でH,Lレベルとして検出されることにより、データ信号のH,Lレベルが伝送されることになるが、ドライバ1からレシーバ2へはデータ信号の内容が電流によってかつその電流の向きによってH,Lレベルとして伝送されるので、振幅が非常に小さくしかも高速にスイッチングする(向きを変える)ことができる一方、伝送線路3,4の各抵抗を終端抵抗5の半分に設計することで容易にインピーダンスマッチングがとれ、反射波がなく劣化の少ない高品質な信号を高速に伝送できる。
【0056】
図6で説明すれば、差動データ信号の一方B(図6(b)参照)がLレベルになっている期間には、信号電流は正方向の向き(図3の実線Isの方向)に流れ、差動データ信号の一方B(図6(b)参照)がHレベルになっている期間は、信号電流は負方向の向き(図3の破線Isの方向)に流れる。
【0057】
次に、プリエンファシス回路40a,50aの動作について説明する。
【0058】
第1,第2のプリエンファシス回路40a,50aによって、出力回路20の出力端子41に接続する伝送線路3,終端抵抗5,及び伝送線路4に信号電流の立上り,立下り時には大きな電流が付加され、プリエンファシスがかかる。第1,第2のプリエンファシス回路40a,50aは、そこに通過する信号電流の向きが互いに反対であるのみで、同様に動作するので、以下に第1のプリエンファシス回路40aの動作について説明する。
【0059】
データ信号発生回路10からの差動データ信号の一方(正相信号)B(図6(b)参照)は、第1のプリエンファシス回路40aのPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0060】
また、差動データ信号の一方(正相信号)B(図6(b)参照)を第1の遅延回路であるバッファBUF2及び反転回路INV4で一定時間(例えば0.2ns)遅延しかつ反転した信号/C(図6(c)参照)は、PMOSトランジスタP11及びNMOSトランジスタN12の各ゲートに入力している。
【0061】
差動データ信号の一方BがHレベルの期間でかつ信号CがHレベルの期間は、信号電流の立下り時に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、負方向の信号電流が伝送線路3から出力端子41,NMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ流れる結果、信号電流の立下り時に負方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0062】
また、差動データ信号の一方BがLレベルの期間でかつ信号CがLレベルの期間は、信号電流の立上り時に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、正方向の信号電流に対して、電源電圧VDDの高電位電源からPMOSトランジスタP11,P12,出力端子41を経て電流が付加される結果、信号電流の立上り時に正方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0063】
その結果、ドライバ1(図3参照)からは図4(a)に示すような立上り,立下り時にプリエンファシスのかかったドライバ出力が端子1a(41),1b(51)に出力され、レシーバ2の終端抵抗5に検出(受信)される出力は図4(b)に示すような鈍りのない出力信号が得られる。
【0064】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態のようにプリエンファシスを有効又は無効に切り替えることはできないが、ナンド回路及びノア回路を省略でき、回路構成が簡単になるという利点がある。線路長が長く高周波損失が大きくなる伝送線路を使用する場合でも、伝送用差動信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送が可能となる。
【0065】
以上述べた第1,第2の実施の形態は、本発明の特徴となるプリエンファシス回路を2相型のLVDS回路における一対の差動信号それぞれに用いることによって2線伝送方式の伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能としたものであった。
【0066】
次に、1線伝送式の半導体装置について図7及び図8を参照して説明する。
【0067】
図7は本発明の第3の実施の形態の半導体装置の回路図を示している。
【0068】
図7の実施の形態では、図1の回路におけるバイアス電圧作成回路30を省略してあり、図1の出力回路20における信号電流設定用PMOSトランジスタP3に代えて抵抗R3を用いている。また、図1におけるデータ信号発生回路10は削除してある。更に、伝送線路4も削除されている。その他の構成は図1と同様となり、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0069】
図7の半導体装置は、データ信号を入力し、伝送用信号を出力する出力回路20aと、出力回路からの信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけるプリエンファシス回路40bとを有して構成されている。
【0070】
上記出力回路20aで、P1は高電位VDD側の電流スイッチング素子としてのPMOSトランジスタ、N1は低電位GND側の電流スイッチング素子としてのNMOSトランジスタである。PMOSトランジスタP1のドレインはNMOSトランジスタN1のドレインに直列に接続している。又、PMOSトランジスタP1のソースは抵抗R3を介して高電位VDD側に接続され、NMOSトランジスタN1のソースは出力電圧レベル(コモンモード電圧)を決定する負荷素子である抵抗R1を介して低電位GND側に接続されている。なお、抵抗R1,R3を削除した構成も可能である。
【0071】
プリエンファシス回路40bは、前記出力回路20aに入力する前記データ信号Bを所定時間遅延させる遅延回路を構成するバッファBUF2と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位VDD点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、第2の直列回路(N11,N12)のソースを低電位GND点に接続し、前記データ信号Bを第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給している。さらに、遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延したデータ信号Cをナンド回路NAND1の一方の入力端に入力し、このナンド回路NAND1の他方の入力端にはイネーブル信号EN1を入力し、ナンド回路NAND1の出力を第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲートに供給し、遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延した前記データ信号Cをノア回路NOR1の一方の入力端に入力し、このノア回路NOR1の他方の入力端には前記イネーブル信号EN1を反転した信号/EN1を入力し、ノア回路NOR1の出力を前記第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給する。そして、前記出力回路20aのPMOSトランジスタP1のドレインとNMOSトランジスタN1のドレインとの直列接続点を、プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に接続し、この接続点の端子41をプリエンファシスをデータ信号の出力端子としている。プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に、前記出力回路20aからのデータ信号電圧の一方を出力させることで、出力回路20aから出力されるデータ信号電圧に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスがかかる構成となっている。
【0072】
図7の回路動作は、図2における(b)〜(e)の波形が、図7における信号B〜Eの波形と対応したものとなっている。すなわち、図7における動作を説明する波形図は、図2から図2(a)を削除したものとなっている。
【0073】
入力端子11に入力するデータ信号BがLレベルであれば、出力回路20aにおけるPMOSトランジスタP1がオンし、信号ラインL1には電圧VDDに基づくHレベルが出力され、また入力端子11に入力するデータ信号BがHレベルであれば、出力回路20aにおけるNMOSトランジスタN1がオンし、信号ラインL1には基準電位GNDに基づくLレベルが出力される。ラインL1に出力されるデータ入力とは反転関係のデータ信号は、プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12とNMOSトランジスタN11の共通接続点(共通ドレイン)に接続した出力端子41を経て伝送線路3へ出力される。
【0074】
次に、プリエンファシス回路40bの動作について説明する。
【0075】
プリエンファシス回路40bによって、出力回路20aの出力端子41に接続する伝送線路3は、信号電圧の立上り,立下り時に電源電圧VDD,基準電位GNDに接続され、プルアップ,プルダウンの形でプリエンファシスがかかる。
【0076】
入力端子11からのデータ信号B(図2(b)参照)はプリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0077】
また、データ信号B(図2(b)参照)を遅延回路であるバッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立上り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1の一方の入力端に入力しており、ナンド回路NAND1のもう一方の入力端42にイネーブル信号ENが供給されている時はナンド回路NAND1の出力Dは図2(d)に示すようになる。さらに、バッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立下り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのノア回路NOR1の一方の入力端に入力しており、ノア回路NOR1のもう一方の入力端43にイネーブル信号/ENが供給されている時はノア回路NOR1の出力Eは図2(e)に示すようになる。信号Dと信号Eとは同様な信号波形であり、信号Cを反転した信号を若干遅延した信号となっている。
【0078】
データ信号BがHレベルの期間でかつノア回路NOR1の出力信号EがHレベルの期間は、信号電圧の立下り期間に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、信号ラインL1がNMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ接続される結果、信号電圧の立下り時に基準電位GNDへプルダウンされてプリエンファシスがかかる。
【0079】
また、データ信号BがLレベルの期間でかつナンド回路NAND1の出力信号DがLレベルの期間は、信号電圧の立上り期間に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、信号ラインL1がPMOSトランジスタP11,P12を経て高電位VDD側へ接続される結果、信号電圧の立上り時に電源電圧VDDへプルアップされてプリエンファシスがかかる。
【0080】
第3の実施の形態によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路においても、データ信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質の高速伝送が可能となる。また、プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0081】
図8は本発明の第4の実施の形態の半導体装置の回路図を示している。
【0082】
図8において、図7と異なる点は、プリエンファシス回路の構成が異なっていることである。出力回路20aについては、図7と同様である。図7と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0083】
図8の装置では、プリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1及びノア回路NOR1を削除した構成とするものである。
【0084】
すなわち、プリエンファシス回路40cは、前記出力回路20aに入力するデータ信号Bを所定時間遅延させる遅延回路を構成するバッファBUF2と、このバッファBUF2の出力を反転する反転回路INV4と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方Bを第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給し、反転回路INV4からの反転したデータ信号Cを第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給し、前記出力回路20aのデータ信号電圧の出力端子を第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路20aからのデータ信号電圧を出力させることで、前記出力回路20aから出力されるデータ信号電圧に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスがかかる構成となっている。
【0085】
図8の回路動作は、図6における(b),(c)の波形が、図8における信号B,Cの波形と対応したものとなっている。すなわち、図8における動作を説明する波形図は、図6から図6(a)を削除したものとなっている。
【0086】
入力端子11に入力するデータ信号BがLレベルであれば、出力回路20aにおけるPMOSトランジスタP1がオンし、信号ラインL1には電圧VDDに基づくHレベルが出力され、また入力端子11に入力するデータ信号BがHレベルであれば、出力回路20aにおけるNMOSトランジスタN1がオンし、信号ラインL1には基準電位GNDに基づくLレベルが出力される。ラインL1に出力されるデータ入力とは反転関係となったデータ信号は、プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12とNMOSトランジスタN11の共通接続点(共通ドレイン)に接続した出力端子41を経て伝送線路3へ出力される。
【0087】
次に、プリエンファシス回路40cの動作について説明する。
【0088】
プリエンファシス回路40cによって、出力回路20aの出力端子41に接続する伝送線路3は、信号電圧の立上り,立下り時に電源電圧VDD,基準電位GNDに接続され、プルアップ,プルダウンの形でプリエンファシスがかかる。
【0089】
入力端子11からのデータ信号B(図6(b)参照)はプリエンファシス回路40cのPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0090】
また、データ信号B(図6(b)参照)を遅延回路であるバッファBUF2及び反転回路INV4で一定時間(例えば0.2ns)遅延しかつ反転した信号/C(図6(c)参照)は、PMOSトランジスタP11及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力している。
【0091】
データ信号BがHレベルの期間でかつ信号/C(図6(c)参照)がHレベルの期間は、信号電圧の立下り期間に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、信号ラインL1がNMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ接続される結果、信号電圧の立下り時に基準電位GNDへプルダウンされてプリエンファシスがかかる。
【0092】
また、データ信号BがLレベルの期間でかつ信号/C(図6(c)参照)がLレベルの期間は、信号電圧の立上り期間に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、信号ラインL1がPMOSトランジスタP11,P12を経て高電位VDD側へ接続される結果、信号電圧の立上り時に電源電圧VDDへプルアップされてプリエンファシスがかかる。
【0093】
第4の実施の形態によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路において、第3の実施の形態のようにプリエンファシスを有効又は無効に切り替えることはできないが、ナンド回路及びノア回路を省略でき、回路構成が簡単になるという利点がある。線路長が長く高周波損失が大きくなる伝送線路を使用する場合でも、データ信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0094】
以上述べた第3,第4の実施の形態は、本発明の特徴となるプリエンファシス回路を一相型のドライバ回路におけるデータ信号に用いることによって単線伝送方式での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能とする。
【0095】
以上述べたように本発明によれば、伝送線の路が長くなっても、スイッチング時のドライバ出力波形が鈍ることなく、高速データ伝送を可能とする半導体装置を提供することが可能となる。
【0096】
本発明は、以上述べた実施の形態に限るものではなく、本発明の要旨を変えない範囲で各実施の形態を適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の回路図。
【図2】図1の動作を説明する波形図。
【図3】LVDS回路の構成例を示す図。
【図4】本発明の効果を説明する図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の半導体装置の回路図。
【図6】図6は図5の動作を説明する波形図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の半導体装置の回路図。
【図8】本発明の第4の実施の形態の半導体装置の回路図。
【符号の説明】
10…データ信号発生回路、20,20a…出力回路、40,40a…第1のプリエンファシス回路、40b,40c…プリエンファシス回路、50,50a…第2のプリエンファシス回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特に、小振幅の伝送用信号を高速に伝送することが可能な半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速データ伝送の要求を満たすため、LVDS(小振幅差動信号、Low Voltage Differential Signalの略)と呼ばれる 小振幅差動伝送が注目されている。
【0003】
LVDS回路は図3に示されているように、ドライバ1とレシーバ2の間を、50Ωの往路伝送線路3と復路伝送線路4により結び、伝送線路3,4をレシーバ入力において100Ωの抵抗5で終端している。ドライバ1は、約3mAの電流を駆動し、終端抵抗5において約300mVの電圧を発生する。往路伝送線路3と復路伝送線路4は電気的特性が等しい、いわゆる平衡伝送路を形成しており、LVDS回路ではこの2本の伝送路により1つの信号の伝送を行うようになっている。ドライバ1は入力端子6からの入力信号に基づいて、往路伝送線路3、復路伝送線路4の間に電位差を生ずるような互いに反転関係の差動信号を生成する。これに対して、レシーバ2は往路伝送線路3、復路伝送線路4の間に生成された差動信号をコンパレータで受けて、これを出力端子7から出力する。
【0004】
LVDSは、ドライバ1側で発生した信号電流Isを、往路伝送線路3と復路伝送線路4の平衡伝送線と、レシーバ2側の終端抵抗5とに流すことにより、終端抵抗5の部分に信号電圧を発生させて信号を伝送する。信号の“1”、“0”(或いはH,Lレベル)は、ドライバ側で信号電流Isの流れる向きを切り替えることにより伝送し、レシーバ側でその向きを信号電圧の大小として検出することにより識別する。この構成によれば、往路伝送線路3および復路伝送線路4を流れる信号電流Isは、大きさが同じで、向きが逆であるため、平衡伝送線全体の電流により生成される磁界が互いにキャンセルされる。その結果、伝送系の電流変動によって生じるノイズが小さくなり、隣接ポート間の伝送線同士の干渉やLSI間の同時スイッチング干渉が小さいため高速信号の伝送に適していると言うことができる。このような小振幅高速データ伝送においては、伝送線路が長いと、伝送線路上に存在する浮遊容量などに基づき高周波損失して波形が鈍るという問題がある。
【0005】
このような問題は、通信機器や映像機器等に用いられる電圧制御発振器においても、水晶振動子にバリキャプ(可変リアクタンス素子)が接続されていると、その容量値のばらつきによって周波数制御特性にばらつきを生ずる問題に似ている(例えば、特開2000−31741号公報参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−31741号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、高速データ伝送においては、伝送線路が長いと、伝送線路上に存在する浮遊容量などに基づき高周波損失して波形が鈍るという問題がある。例えば、500Mbps以上の高速データ信号を伝送する時、信号の“1”→“0”或いは“0”→“1”への切り替わり時(以下、スイッチング時という)に、波形の立上り時間tr,立下り時間tfが大きくなり、受信(レシーバ)側での信号波形のアイパターンが小さくなりマージンが減って(信号劣化して)、結果として高速伝送が不可能になるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、伝送線路が長くなっても、スイッチング時のレシーバ端での波形が鈍ることなく、高速データ伝送を可能とする半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による半導体装置は、データ信号を入力し、伝送用信号として出力する出力回路と、該出力回路からの伝送用信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけるプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0010】
本発明のこのような構成によれば、プリエンファシス回路をドライバ側における伝送用信号に用いることによって、信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送し、単線伝送方式での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0011】
本発明による半導体装置は、第1の信号を入力し、第2の信号を出力する出力回路と、第1の信号を所定時間遅延させる遅延回路と、この遅延回路の出力を反転する反転回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、第1の信号を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記反転回路からの所定時間遅延しかつ反転したデータ信号を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の第2の信号の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のこのような構成によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路においても、プリエンファシス回路を用い且つ簡単な回路構成により、伝送用信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0013】
また、本発明による半導体装置は、第1の信号を入力し、第2の信号を出力する出力回路と、前記出力回路に入力する前記データ信号を所定時間遅延させる遅延回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路と、一方の入力端に前記遅延回路からの所定時間遅延したデータ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力されるナンド回路と、一方の入力端に前記遅延回路からの所定時間遅延したデータ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力されるノア回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、第1の信号を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記ナンド回路の出力を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記ノア回路の出力を前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の第2の信号の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続したことを特徴とするものである。
【0014】
本発明のこのような構成によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路においても、データ信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質の高速伝送が可能となる。また、プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失が大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0015】
また、本発明による半導体装置は、差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、該出力回路からの伝送用差動信号それぞれの立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1,第2のプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0016】
本発明のこのような構成によれば、プリエンファシス回路をLVDSのようなドライバ回路における一対の差動信号それぞれに用いることによって、2線伝送方式の伝送信号の劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0017】
さらに、本発明による半導体装置は、差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路と、前記第1の遅延回路の出力を反転する第1の反転回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の一方の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1のプリエンファシス回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路と、前記第2の遅延回路の出力を反転する第2の反転回路と、第3,第4のPMOSトランジスタを直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタを直列に接続した第4の直列回路とを有し、前記第3の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第3の直列回路のドレインを前記第4の直列回路のドレインに接続し、前記第4の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第2のプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0018】
本発明のこのような構成によれば、線路長が長く高周波損失が大きくなる伝送線路を使用する場合でも、プリエンファシス回路を用い、且つ簡単な回路構成によって、伝送用差動信号の劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0019】
また、本発明による半導体装置は、差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路と、一方の入力端に前記第1の遅延回路からの所定時間遅延した一方の差動データ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力される第1のナンド回路と、一方の入力端に前記第1の遅延回路からの所定時間遅延した一方の差動データ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力される第1のノア回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1のナンド回路の出力を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1のノア回路の出力を前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の一方の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1のプリエンファシス回路と、前記出力回路に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路と、第3,第4のPMOSトランジスタを直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタを直列に接続した第4の直列回路と、一方の入力端に前記第2の遅延回路からの所定時間遅延した他方の差動データ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力されるナンド回路と、一方の入力端に前記第2の遅延回路からの所定時間遅延した他方の差動データ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力される第2のノア回路とを有し、前記第3の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第3の直列回路のドレインを前記第4の直列回路のドレインに接続し、前記第4の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2のナンド回路の出力を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2のノア回路の出力を前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第2のプリエンファシス回路と、を具備したものである。
【0020】
本発明のこのような構成によれば、伝送用差動信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけることで、レシーバ側での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能とする一方、プリエンファシスの有効又は無効に切り替えることが可能である。プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失が大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態の半導体装置の回路図を示し、図2は図1の動作を説明する波形図である。図3はLVDS回路の構成例を示す図である。
【0023】
図1の実施の形態に示す半導体装置は、図3におけるドライバ1に相当する部分、すなわち、LVDSの出力回路部分を対象としている。本実施の形態以降の他の実施の形態についても同様である。
【0024】
図1の半導体装置は、入力端子11に入力するデータ信号を入力し、互いに極性の反転した一対の差動データ信号を生成するデータ信号発生回路10と、この反転関係の一対の差動データ信号を入力し、各差動データ信号に対応して、ラインL1,L2に互いに逆向きの信号電流を生成し、小振幅な第1,第2の伝送用差動信号(以下、小振幅差動信号という)として出力する出力回路20と、この出力回路20から出力される信号電流の値を設定するためのPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタという)P3のゲートに与えるバイアス電圧を生成するバイアス電圧作成回路30と、前記出力回路20からの第1の小振幅差動信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて出力する第1のプリエンファシス回路40と、前記出力回路20からの第2の小振幅差動信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて出力する第2のプリエンファシス回路50と、を有して構成されている。
【0025】
上記データ信号発生回路10は、入力端子11に対して、反転回路INV1,INV2の直列回路と、バッファBUF1及び反転回路INV3の直列回路とを、並列に接続して構成されている。反転回路INV1,INV2の直列回路からは正相のデータ信号が出力され、バッファBUF1及び反転回路INV3の直列回路からは逆相のデータ信号が出力される。
【0026】
上記出力回路20で、P1,P2は高電位VDD側の電流スイッチング素子としての一対のPMOSトランジスタ、N1,N2は低電位GND側の電流スイッチング素子としての一対のNチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタという)である。PMOSトランジスタP1のドレインはNMOSトランジスタN1のドレインに直列に接続し、PMOSトランジスタP2のドレインはNMOSトランジスタN2のドレインに直列に接続している。又、PMOSトランジスタP1,P2のソースは共に信号電流設定用のPMOSトランジスタP3のドレイン・ソースを介して高電位VDD側に接続され、NMOSトランジスタN1,N2のソースは共に出力電圧レベル(コモンモード電圧)を決定する負荷素子である抵抗R1を介して低電位GND側に接続されている。
【0027】
上記バイアス電圧作成回路30は、PMOSトランジスタP4と、オペアンプOP1と、可変基準電圧源Vrefと、電流決定用抵抗R2で構成され、PMOSトランジスタP4のソースを高電位VDD点に接続し、そのドレインを抵抗R2を介して低電位GND点に接続しかつオペアンプOP1の+端子に接続する一方、オペアンプOP1の−端子を可変基準電圧源Vrefに接続し、可変基準電圧源Vrefの出力端を前記出力回路20の信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲートに接続した構成となっている。ここで、信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲート電圧はバイアス電圧作成回路30のオペアンプOP1からの出力電圧によって設定される。
【0028】
このバイアス電圧作成回路30では、直流電源電圧VDDに基づいてPMOSトランジスタP4から抵抗R2を通して基準電位GND点に流れる電流によって抵抗R2に発生する電圧降下値が基準電圧源Vrefの電圧と等しくなるように、オペアンプOP1からPMOSトランジスタP4に与えられるゲート電圧が制御される。その結果、基準電圧Vrefを調整することにより、オペアンプOP1の出力電圧を可変設定、すなわち、信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲートに供給されるバイアス電圧を可変設定することができる。
【0029】
第1のプリエンファシス回路40は、前記出力回路20に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路を構成するバッファBUF2と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位VDD点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、第2の直列回路(N11,N12)のソースを低電位GND点に接続し、前記差動データ信号の一方を第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給している。さらに、第1の遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延した一方の差動データ信号Cを第1のナンド回路NAND1の一方の入力端に入力し、この第1のナンド回路NAND1の他方の入力端にはイネーブル信号EN1を入力し、第1のナンド回路NAND1の出力を第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲートに供給し、第1の遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延した前記一方の差動データ信号Cを第1のノア回路NOR1の一方の入力端に入力し、この第1のノア回路NOR1の他方の入力端には前記イネーブル信号EN1を反転した信号/EN1を入力し、第1のノア回路NOR1の出力を前記第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給する。そして、前記出力回路20のPMOSトランジスタP1のドレインとNMOSトランジスタN1のドレインとの直列接続点を、プリエンファシス回路40のPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に接続し、この接続点の端子41を一方の差動データ信号電流の出力端子としている。プリエンファシス回路40のPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に、前記出力回路20からの小振幅差動信号電流の一方を出力させることで、出力回路20から出力される小振幅差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける構成となっている。なお、第1のプリエンファシス回路40は、上記イネーブル信号EN1がハイレベル(以下、Hレベル)に設定されているときプリエンファシス機能が有効に働き、イネーブル信号EN1がローレベル(以下、Lレベル)に設定されているときプリエンファシス機能が無効となり働かない。通常動作ではプリエンファシスを有効とするので、イネーブル信号EN1はHレベルに設定されている。
【0030】
同様に、第2のプリエンファシス回路50は、前記出力回路20に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路を構成するバッファBUF3と、第3,第4のPMOSトランジスタP21,P22を直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタN21,N22を直列に接続した第4の直列回路とを有し、第3の直列回路(P21,P22)のソースを高電位VDD点に接続し、第3の直列回路(P21,P22)のドレインを第4の直列回路(N21,N22)のドレインに接続し、第4の直列回路(N21,N22)のソースを低電位GND点に接続し、前記差動データ信号の他方を第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタP22のゲート及び第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタN21のゲートに供給している。さらに、第2の遅延回路であるバッファBUF3からの所定時間遅延した他方の差動データ信号を第2のナンド回路NAND2の一方の入力端に入力し、第2のナンド回路NAND2の他方の入力端にはイネーブル信号EN2を入力し、第2のナンド回路NAND2の出力を前記第3の直列回路(P21,P22)の第3のPMOSトランジスタP21のゲートに供給し、第2の遅延回路であるバッファBUF3からの所定時間遅延した他方の差動データ信号を第2のノア回路NOR2の一方の入力端に入力し、第2のノア回路NOR2の他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号/EN2を入力し、第2のノア回路NOR2の出力を前記第4の直列回路(N21,N22)の第4のNMOSトランジスタN22のゲートに供給する。そして、前記出力回路20のPMOSトランジスタP2のドレインとNMOSトランジスタN2のドレインとの直列接続点を、プリエンファシス回路50のPMOSトランジスタP22のドレインとNMOSトランジスタN21のドレインとの直列接続点に接続し、この接続点の端子51を他方の差動データ信号電流の出力端子としている。プリエンファシス回路50のPMOSトランジスタP22のドレインとNMOSトランジスタN21のドレインとの直列接続点に、前記出力回路20からの小振幅差動信号電流のもう一方を出力させることで、出力回路20から出力されるもう一方の小振幅差動信号に対してその信号の立上り,立下り時にプリエファシスをかける構成となっている。なお、イネーブル信号EN2についても、前記イネーブル信号EN1と同様である。すなわち、第2のプリエンファシス回路50は、上記イネーブル信号EN2がHレベルに設定されているときプリエンファシス機能が有効に働き、イネーブル信号EN2がLレベルに設定されているときプリエンファシス機能が無効となり働かない。通常動作ではプリエンファシスを有効とするので、イネーブル信号EN2はHレベルに設定されている。
【0031】
次に、図1の回路動作を、図2を参照して説明する。
【0032】
データ入力端子11には、図2(a)に示すようなH,Lレベル(‘0’,‘1’に対応)のデータ信号が入力し、データ信号発生回路10に供給される。データ信号発生回路10では、入力されたデータ信号が2つの反転回路INV1,INV2を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延して、図2(b)に示すような正相のデータ信号として出力される一方、バッファBUF1及び反転回路INV3を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延して、逆相のデータ信号(図2(b)の信号とは逆位相)となって出力される。従って、データ信号発生回路10からは互いに位相が反対の一対の差動データ信号が出力されることになる。
【0033】
差動データ信号の一方(正相信号)は出力回路20のPMOSトランジスタP1のゲート及びNMOSトランジスタN1のゲートに入力し、差動データ信号の他方(逆相信号)は出力回路20のPMOSトランジスタP2のゲート及びNMOSトランジスタN2のゲートに入力する。
【0034】
前述したように、出力回路20の信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲート電圧はバイアス電圧作成回路30のオペアンプOP1からの出力電圧によって設定されている。
【0035】
出力回路20は、入力された差動データ信号の正,逆相信号それぞれについてのH,Lレベル(電圧)に応じて、発生する信号電流の向きを変える機能を有している。すなわち、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにLレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のHレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN2がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP1→ラインL1→出力端子41→伝送線路3→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路4→出力端子51→ラインL2→NMOSトランジスタN2→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路3側がプラス、線路4側がマイナスとなるように電圧を発生する。また、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにHレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のLレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN1がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP2→ラインL2→出力端子51→伝送線路4→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路3→出力端子41→ラインL1→NMOSトランジスタN1→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路4側がプラス、線路3側がマイナスとなるように電圧を発生する。終端抵抗5の一端に発生する電圧の高低がレシーバ2でH,Lレベルとして検出されることにより、データ信号のH,Lレベルが伝送されることになるが、ドライバ1からレシーバ2へはデータ信号の内容が電流によってかつその電流の向きによって伝送されるので、振幅が非常に小さくしかも高速にスイッチングする(向きを変える)ことができる一方、伝送線路3,4の各抵抗を終端抵抗5の半分に設計することで容易にインピーダンスマッチングがとれ、反射波がなく明確な信号を高速に伝送できる。
【0036】
図2で説明すれば、差動データ信号の一方B(図2(b)参照)がLレベルになっている期間には、信号電流は正方向の向き(図3の実線Isの方向)に流れ、差動データ信号の一方B(図2(b)参照)がHレベルになっている期間は、信号電流は負方向の向き(図3の破線Isの方向)に流れる。
【0037】
次に、プリエンファシス回路40,50の動作について説明する。ここでは、イネーブル信号EN1,EN2はいずれもHレベルに設定されているものとする。
【0038】
第1,第2のプリエンファシス回路40,50によって、出力回路20の出力端子41に接続する伝送線路3,終端抵抗5,及び伝送線路4に信号電流の立上り,立下り時には大きな電流が付加され、プリエンファシスがかかる。第1,第2のプリエンファシス回路40,50は、そこに通過する信号電流の向きが互いに反対であるのみで、同様に動作するので、以下に第1のプリエンファシス回路40の動作について説明する。
【0039】
データ信号発生回路10からの差動データ信号の一方(正相信号)B(図2(b)参照)は第1のプリエンファシス回路40のPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0040】
また、差動データ信号の一方(正相信号)B(図2(b)参照)を第1の遅延回路であるバッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立上り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1の一方の入力端に入力しており、ナンド回路NAND1のもう一方の入力端42にイネーブル信号EN1(=Hレベル)が供給されているのでナンド回路NAND1の出力Dは図2(d)に示すようになる。さらに、バッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立下り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのノア回路NOR1の一方の入力端に入力しており、ノア回路NOR1のもう一方の入力端43にイネーブル信号/EN1(=Lレベル)が供給されているのでノア回路NOR1の出力Eは図2(e)に示すようになる。信号Dと信号Eとは同様な信号波形であり、信号Cを反転した信号を各ゲート回路NAND1,NOR1で若干遅延した信号となっている。
【0041】
差動データ信号の一方BがHレベルの期間でかつノア回路NOR1の出力信号EがHレベルの期間は、信号電流の立下り時に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、負方向の信号電流が伝送線路3から出力端子41,NMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ流れ出す結果、信号電流の立下り時に負方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0042】
また、差動データ信号の一方BがLレベルの期間でかつナンド回路NAND1の出力信号DがLレベルの期間は、信号電流の立上り時に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、正方向の信号電流に対して、電圧VDDの高電位電源からPMOSトランジスタP11,P12,出力端子41を経て電流が付加される結果、信号電流の立上り時に正方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0043】
その結果、ドライバ1(図3参照)からは図4(a)に示すような立上り,立下り時にプリエンファシスのかかったドライバ出力が端子1a(41),1b(51)に出力され、レシーバ2の終端抵抗5に検出(受信)される出力は図4(b)に示すような鈍りのない出力信号が得られる。なお、図4(c)は、プリエンファシスがかかっていない従来のドライバ出力(実線の波形)と、そのドライバ出力に対するレシーバ側の受信出力(点線の鈍った波形)とを示したものである。
【0044】
第1の実施の形態によれば、伝送信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけることで、レシーバ側での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能とする一方、プリエンファシスの有効又は無効に切り替えることが可能である。イネーブル信号EN1,EN2の双方をHレベルとするかLレベルとするかで、プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失が大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0045】
また、例えば図3のようなLVDSV回路で、伝送線路3と伝送線路4とで、どちらか一方の線路の伝送信号にプリエンファシスをかけることが可能である。すなわち、イネーブル信号EN1,EN2のうちの一方をHレベルとし、もう一方をLレベルに設定することにより、必要に応じて一方の伝送線路の伝送信号にプリエンファシスをかけ、もう一方の伝送線路の伝送信号にはプリエンファシスをかけないようにすることもできる。
【0046】
図5は本発明の第2の実施の形態の半導体装置の回路図を示し、図6は図5の動作を説明する波形図である。
【0047】
図5において、図1と異なる点は、第1,第2のプリエンファシス回路の構成が異なっていることである。すなわち、図5の装置における第1,第2のプリエンファシス回路40a,50aでは、プリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1,NAND2及びノア回路NOR1,NOR2を削除し、常にプリエンファシスを有効に働くように構成したものである。従って、イネーブル信号EN1,EN2は不要である。その他の、データ信号発生回路10、出力回路20、バイアス電圧作成回路30の構成については、図1と同様であるので説明を省略する。図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0048】
第1のプリエンファシス回路40aは、前記出力回路20に入力する差動データ信号の一方Bを所定時間遅延させる第1の遅延回路を構成するバッファBUF2と、このバッファBUF2の出力を反転する第1の反転回路INV4と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方Bを第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給し、第1の反転回路INV4からの反転した差動データ信号の一方Cを第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給し、前記出力回路20の小振幅差動信号の一方の出力端子を第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路20からの小振幅差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路20から出力される小振幅差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける構成となっている。
【0049】
また、第2のプリエンファシス回路50aは、前記出力回路20に入力する差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路を構成するバッファBUF3と、このバッファBUF3の出力を反転する第2の反転回路INV5と、第3,第4のPMOSトランジスタP21,P22を直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタN21,N22を直列に接続した第4の直列回路とを有し、第3の直列回路(P21,P22)のソースを高電位VDD点に接続し、第3の直列回路(P21,P22)のドレインを第4の直列回路(N21,N22)のドレインに接続し、第4の直列回路(N21,N22)のソースを低電位GND点に接続し、前記差動データ信号の他方を第3の直列回路(P21,P22)の第4のPMOSトランジスタP22のゲート及び第4の直列回路(N21,N22)の第3のNMOSトランジスタN21のゲートに供給し、第2の反転回路INV5からの反転した差動データ信号の他方を第3の直列回路(P21,P22)の第3のPMOSトランジスタP21のゲート及び第4の直列回路(N21,N22)の第4のNMOSトランジスタN22のゲートに供給し、前記出力回路20の小振幅差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路20からの小振幅差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路20から出力される小振幅差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける構成となっている。
【0050】
次に、図5の回路動作を図6を参照して説明する。
【0051】
データ入力端子11には、図6(a)に示すようなH,L(‘0’,‘1’に対応)レベルのデータ信号が入力され、データ信号発生回路10に供給される。データ信号発生回路10では、入力されたデータ信号が2つの反転回路INV1,INV2を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延して、図6(b)に示すような正相のデータ信号Bとして出力される一方、バッファBUF1及び反転回路INV3を通過することによって一定時間(例えば0.2ns)遅延しかつ反転した逆相のデータ信号(図示しないが図6(b)の信号とは逆位相の信号)となって出力される。従って、データ信号発生回路10からは互いに位相が反対の一対の差動データ信号が出力されることになる。
【0052】
差動データ信号の一方(正相信号)Bは出力回路20のPMOSトランジスタP1のゲート及びNMOSトランジスタN1のゲートに入力し、差動データ信号の他方(逆相信号)は出力回路20のPMOSトランジスタP2のゲート及びNMOSトランジスタN2のゲートに入力する。
【0053】
前述したように、出力回路20の信号電流設定用PMOSトランジスタP3のゲート電圧は、バイアス電圧作成回路30のオペアンプOP1からの出力電圧によって設定されている。
【0054】
出力回路20は、入力された差動データ信号の正,逆相信号それぞれについてのH,Lレベル(電圧)に応じて、発生する信号電流の向きを変える機能を有している。すなわち、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにLレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のHレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN2がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP1→ラインL1→出力端子41→伝送線路3→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路4→出力端子51→ラインL2→NMOSトランジスタN2→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路3側がプラス、線路4側がマイナスとなるように電圧を発生する。
【0055】
また、出力回路20のPMOSトランジスタP1及びNMOSトランジスタN1の各ゲートにHレベルが印加されているときは、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN2の各ゲートには逆相のLレベルが印加されるので、PMOSトランジスタP2及びNMOSトランジスタN1がオンし、信号電流はVDDの高電位電源→PMOSトランジスタP2→ラインL2→出力端子51→伝送線路4→レシーバ側の終端抵抗5(図3参照)→伝送線路3→出力端子41→ラインL1→NMOSトランジスタN1→出力電圧レベル設定用抵抗R1→低電位GND側と流れる。この時は、レシーバ側の終端抵抗5には図3の線路4側がプラス、線路3側がマイナスとなるように電圧を発生する。終端抵抗5の一端に発生する電圧の高低がレシーバ2でH,Lレベルとして検出されることにより、データ信号のH,Lレベルが伝送されることになるが、ドライバ1からレシーバ2へはデータ信号の内容が電流によってかつその電流の向きによってH,Lレベルとして伝送されるので、振幅が非常に小さくしかも高速にスイッチングする(向きを変える)ことができる一方、伝送線路3,4の各抵抗を終端抵抗5の半分に設計することで容易にインピーダンスマッチングがとれ、反射波がなく劣化の少ない高品質な信号を高速に伝送できる。
【0056】
図6で説明すれば、差動データ信号の一方B(図6(b)参照)がLレベルになっている期間には、信号電流は正方向の向き(図3の実線Isの方向)に流れ、差動データ信号の一方B(図6(b)参照)がHレベルになっている期間は、信号電流は負方向の向き(図3の破線Isの方向)に流れる。
【0057】
次に、プリエンファシス回路40a,50aの動作について説明する。
【0058】
第1,第2のプリエンファシス回路40a,50aによって、出力回路20の出力端子41に接続する伝送線路3,終端抵抗5,及び伝送線路4に信号電流の立上り,立下り時には大きな電流が付加され、プリエンファシスがかかる。第1,第2のプリエンファシス回路40a,50aは、そこに通過する信号電流の向きが互いに反対であるのみで、同様に動作するので、以下に第1のプリエンファシス回路40aの動作について説明する。
【0059】
データ信号発生回路10からの差動データ信号の一方(正相信号)B(図6(b)参照)は、第1のプリエンファシス回路40aのPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0060】
また、差動データ信号の一方(正相信号)B(図6(b)参照)を第1の遅延回路であるバッファBUF2及び反転回路INV4で一定時間(例えば0.2ns)遅延しかつ反転した信号/C(図6(c)参照)は、PMOSトランジスタP11及びNMOSトランジスタN12の各ゲートに入力している。
【0061】
差動データ信号の一方BがHレベルの期間でかつ信号CがHレベルの期間は、信号電流の立下り時に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、負方向の信号電流が伝送線路3から出力端子41,NMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ流れる結果、信号電流の立下り時に負方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0062】
また、差動データ信号の一方BがLレベルの期間でかつ信号CがLレベルの期間は、信号電流の立上り時に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、正方向の信号電流に対して、電源電圧VDDの高電位電源からPMOSトランジスタP11,P12,出力端子41を経て電流が付加される結果、信号電流の立上り時に正方向の電流が増大してプリエンファシスがかかる。
【0063】
その結果、ドライバ1(図3参照)からは図4(a)に示すような立上り,立下り時にプリエンファシスのかかったドライバ出力が端子1a(41),1b(51)に出力され、レシーバ2の終端抵抗5に検出(受信)される出力は図4(b)に示すような鈍りのない出力信号が得られる。
【0064】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態のようにプリエンファシスを有効又は無効に切り替えることはできないが、ナンド回路及びノア回路を省略でき、回路構成が簡単になるという利点がある。線路長が長く高周波損失が大きくなる伝送線路を使用する場合でも、伝送用差動信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送が可能となる。
【0065】
以上述べた第1,第2の実施の形態は、本発明の特徴となるプリエンファシス回路を2相型のLVDS回路における一対の差動信号それぞれに用いることによって2線伝送方式の伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能としたものであった。
【0066】
次に、1線伝送式の半導体装置について図7及び図8を参照して説明する。
【0067】
図7は本発明の第3の実施の形態の半導体装置の回路図を示している。
【0068】
図7の実施の形態では、図1の回路におけるバイアス電圧作成回路30を省略してあり、図1の出力回路20における信号電流設定用PMOSトランジスタP3に代えて抵抗R3を用いている。また、図1におけるデータ信号発生回路10は削除してある。更に、伝送線路4も削除されている。その他の構成は図1と同様となり、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0069】
図7の半導体装置は、データ信号を入力し、伝送用信号を出力する出力回路20aと、出力回路からの信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけるプリエンファシス回路40bとを有して構成されている。
【0070】
上記出力回路20aで、P1は高電位VDD側の電流スイッチング素子としてのPMOSトランジスタ、N1は低電位GND側の電流スイッチング素子としてのNMOSトランジスタである。PMOSトランジスタP1のドレインはNMOSトランジスタN1のドレインに直列に接続している。又、PMOSトランジスタP1のソースは抵抗R3を介して高電位VDD側に接続され、NMOSトランジスタN1のソースは出力電圧レベル(コモンモード電圧)を決定する負荷素子である抵抗R1を介して低電位GND側に接続されている。なお、抵抗R1,R3を削除した構成も可能である。
【0071】
プリエンファシス回路40bは、前記出力回路20aに入力する前記データ信号Bを所定時間遅延させる遅延回路を構成するバッファBUF2と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位VDD点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、第2の直列回路(N11,N12)のソースを低電位GND点に接続し、前記データ信号Bを第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給している。さらに、遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延したデータ信号Cをナンド回路NAND1の一方の入力端に入力し、このナンド回路NAND1の他方の入力端にはイネーブル信号EN1を入力し、ナンド回路NAND1の出力を第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲートに供給し、遅延回路であるバッファBUF2からの所定時間遅延した前記データ信号Cをノア回路NOR1の一方の入力端に入力し、このノア回路NOR1の他方の入力端には前記イネーブル信号EN1を反転した信号/EN1を入力し、ノア回路NOR1の出力を前記第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給する。そして、前記出力回路20aのPMOSトランジスタP1のドレインとNMOSトランジスタN1のドレインとの直列接続点を、プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に接続し、この接続点の端子41をプリエンファシスをデータ信号の出力端子としている。プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12のドレインとNMOSトランジスタN11のドレインとの直列接続点に、前記出力回路20aからのデータ信号電圧の一方を出力させることで、出力回路20aから出力されるデータ信号電圧に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスがかかる構成となっている。
【0072】
図7の回路動作は、図2における(b)〜(e)の波形が、図7における信号B〜Eの波形と対応したものとなっている。すなわち、図7における動作を説明する波形図は、図2から図2(a)を削除したものとなっている。
【0073】
入力端子11に入力するデータ信号BがLレベルであれば、出力回路20aにおけるPMOSトランジスタP1がオンし、信号ラインL1には電圧VDDに基づくHレベルが出力され、また入力端子11に入力するデータ信号BがHレベルであれば、出力回路20aにおけるNMOSトランジスタN1がオンし、信号ラインL1には基準電位GNDに基づくLレベルが出力される。ラインL1に出力されるデータ入力とは反転関係のデータ信号は、プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12とNMOSトランジスタN11の共通接続点(共通ドレイン)に接続した出力端子41を経て伝送線路3へ出力される。
【0074】
次に、プリエンファシス回路40bの動作について説明する。
【0075】
プリエンファシス回路40bによって、出力回路20aの出力端子41に接続する伝送線路3は、信号電圧の立上り,立下り時に電源電圧VDD,基準電位GNDに接続され、プルアップ,プルダウンの形でプリエンファシスがかかる。
【0076】
入力端子11からのデータ信号B(図2(b)参照)はプリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0077】
また、データ信号B(図2(b)参照)を遅延回路であるバッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立上り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1の一方の入力端に入力しており、ナンド回路NAND1のもう一方の入力端42にイネーブル信号ENが供給されている時はナンド回路NAND1の出力Dは図2(d)に示すようになる。さらに、バッファBUF2で一定時間(例えば0.2ns)遅延した信号C(図2(c)参照)は、立下り時のプリエンファシスを有効又は無効にするためのノア回路NOR1の一方の入力端に入力しており、ノア回路NOR1のもう一方の入力端43にイネーブル信号/ENが供給されている時はノア回路NOR1の出力Eは図2(e)に示すようになる。信号Dと信号Eとは同様な信号波形であり、信号Cを反転した信号を若干遅延した信号となっている。
【0078】
データ信号BがHレベルの期間でかつノア回路NOR1の出力信号EがHレベルの期間は、信号電圧の立下り期間に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、信号ラインL1がNMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ接続される結果、信号電圧の立下り時に基準電位GNDへプルダウンされてプリエンファシスがかかる。
【0079】
また、データ信号BがLレベルの期間でかつナンド回路NAND1の出力信号DがLレベルの期間は、信号電圧の立上り期間に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、信号ラインL1がPMOSトランジスタP11,P12を経て高電位VDD側へ接続される結果、信号電圧の立上り時に電源電圧VDDへプルアップされてプリエンファシスがかかる。
【0080】
第3の実施の形態によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路においても、データ信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質の高速伝送が可能となる。また、プリエンファシスを有効又は無効に切り替えることができるので、伝送線路が長く高周波損失大きい場合にはプリエンファシスを有効とし、伝送線路が非常に短い場合などプリエンファシスを使うと逆に信号波形が歪んでしまう場合にはプリエンファシスを無効とすることができる。
【0081】
図8は本発明の第4の実施の形態の半導体装置の回路図を示している。
【0082】
図8において、図7と異なる点は、プリエンファシス回路の構成が異なっていることである。出力回路20aについては、図7と同様である。図7と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0083】
図8の装置では、プリエンファシスを有効又は無効にするためのナンド回路NAND1及びノア回路NOR1を削除した構成とするものである。
【0084】
すなわち、プリエンファシス回路40cは、前記出力回路20aに入力するデータ信号Bを所定時間遅延させる遅延回路を構成するバッファBUF2と、このバッファBUF2の出力を反転する反転回路INV4と、第1,第2のPMOSトランジスタP11,P12を直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタN11,N12を直列に接続した第2の直列回路とを有し、第1の直列回路(P11,P12)のソースを高電位点に接続し、第1の直列回路(P11,P12)のドレインを第2の直列回路(N11,N12)のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方Bを第1の直列回路(P11,P12)の第2のPMOSトランジスタP12のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第1のNMOSトランジスタN11のゲートに供給し、反転回路INV4からの反転したデータ信号Cを第1の直列回路(P11,P12)の第1のPMOSトランジスタP11のゲート及び第2の直列回路(N11,N12)の第2のNMOSトランジスタN12のゲートに供給し、前記出力回路20aのデータ信号電圧の出力端子を第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路20aからのデータ信号電圧を出力させることで、前記出力回路20aから出力されるデータ信号電圧に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスがかかる構成となっている。
【0085】
図8の回路動作は、図6における(b),(c)の波形が、図8における信号B,Cの波形と対応したものとなっている。すなわち、図8における動作を説明する波形図は、図6から図6(a)を削除したものとなっている。
【0086】
入力端子11に入力するデータ信号BがLレベルであれば、出力回路20aにおけるPMOSトランジスタP1がオンし、信号ラインL1には電圧VDDに基づくHレベルが出力され、また入力端子11に入力するデータ信号BがHレベルであれば、出力回路20aにおけるNMOSトランジスタN1がオンし、信号ラインL1には基準電位GNDに基づくLレベルが出力される。ラインL1に出力されるデータ入力とは反転関係となったデータ信号は、プリエンファシス回路40bのPMOSトランジスタP12とNMOSトランジスタN11の共通接続点(共通ドレイン)に接続した出力端子41を経て伝送線路3へ出力される。
【0087】
次に、プリエンファシス回路40cの動作について説明する。
【0088】
プリエンファシス回路40cによって、出力回路20aの出力端子41に接続する伝送線路3は、信号電圧の立上り,立下り時に電源電圧VDD,基準電位GNDに接続され、プルアップ,プルダウンの形でプリエンファシスがかかる。
【0089】
入力端子11からのデータ信号B(図6(b)参照)はプリエンファシス回路40cのPMOSトランジスタP12及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力される。
【0090】
また、データ信号B(図6(b)参照)を遅延回路であるバッファBUF2及び反転回路INV4で一定時間(例えば0.2ns)遅延しかつ反転した信号/C(図6(c)参照)は、PMOSトランジスタP11及びNMOSトランジスタN11の各ゲートに入力している。
【0091】
データ信号BがHレベルの期間でかつ信号/C(図6(c)参照)がHレベルの期間は、信号電圧の立下り期間に相当し、NMOSトランジスタN11,N12が同時にオンしているので、信号ラインL1がNMOSトランジスタN11,N12を経て基準電位GND側へ接続される結果、信号電圧の立下り時に基準電位GNDへプルダウンされてプリエンファシスがかかる。
【0092】
また、データ信号BがLレベルの期間でかつ信号/C(図6(c)参照)がLレベルの期間は、信号電圧の立上り期間に相当し、PMOSトランジスタP11,P12が同時にオンしているので、信号ラインL1がPMOSトランジスタP11,P12を経て高電位VDD側へ接続される結果、信号電圧の立上り時に電源電圧VDDへプルアップされてプリエンファシスがかかる。
【0093】
第4の実施の形態によれば、単線式の信号伝送を行うドライバ回路において、第3の実施の形態のようにプリエンファシスを有効又は無効に切り替えることはできないが、ナンド回路及びノア回路を省略でき、回路構成が簡単になるという利点がある。線路長が長く高周波損失が大きくなる伝送線路を使用する場合でも、データ信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけて伝送することで、受信側での信号劣化を防ぎ、高品質な高速伝送が可能となる。
【0094】
以上述べた第3,第4の実施の形態は、本発明の特徴となるプリエンファシス回路を一相型のドライバ回路におけるデータ信号に用いることによって単線伝送方式での伝送信号の劣化を防ぎ、高品質の高速伝送を可能とする。
【0095】
以上述べたように本発明によれば、伝送線の路が長くなっても、スイッチング時のドライバ出力波形が鈍ることなく、高速データ伝送を可能とする半導体装置を提供することが可能となる。
【0096】
本発明は、以上述べた実施の形態に限るものではなく、本発明の要旨を変えない範囲で各実施の形態を適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の回路図。
【図2】図1の動作を説明する波形図。
【図3】LVDS回路の構成例を示す図。
【図4】本発明の効果を説明する図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の半導体装置の回路図。
【図6】図6は図5の動作を説明する波形図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の半導体装置の回路図。
【図8】本発明の第4の実施の形態の半導体装置の回路図。
【符号の説明】
10…データ信号発生回路、20,20a…出力回路、40,40a…第1のプリエンファシス回路、40b,40c…プリエンファシス回路、50,50a…第2のプリエンファシス回路。
Claims (6)
- データ信号を入力し、伝送用信号として出力する出力回路と、該出力回路からの伝送用信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかけるプリエンファシス回路と、
を具備したことを特徴とする半導体装置。 - 第1の信号を入力し、第2の信号を出力する出力回路と、
第1の信号を所定時間遅延させる遅延回路と、この遅延回路の出力を反転する反転回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、第1の信号を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記反転回路からの所定時間遅延しかつ反転したデータ信号を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の第2の信号の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続したことを特徴とする半導体装置。 - 第1の信号を入力し、第2の信号を出力する出力回路と、
前記出力回路に入力する前記データ信号を所定時間遅延させる遅延回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路と、一方の入力端に前記遅延回路からの所定時間遅延したデータ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力されるナンド回路と、一方の入力端に前記遅延回路からの所定時間遅延したデータ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力されるノア回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、第1の信号を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記ナンド回路の出力を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記ノア回路の出力を前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の第2の信号の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続したことを特徴とする半導体装置。 - 差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、
該出力回路からの伝送用差動信号それぞれの立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1,第2のプリエンファシス回路と、
を具備したことを特徴とする半導体装置。 - 差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、
前記出力回路に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路と、前記第1の遅延回路の出力を反転する第1の反転回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の一方の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1のプリエンファシス回路と、
前記出力回路に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路と、前記第2の遅延回路の出力を反転する第2の反転回路と、第3,第4のPMOSトランジスタを直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタを直列に接続した第4の直列回路とを有し、前記第3の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第3の直列回路のドレインを前記第4の直列回路のドレインに接続し、前記第4の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第2のプリエンファシス回路と、
を具備したことを特徴とする半導体装置。 - 差動データ信号を入力し、伝送用差動信号として出力する出力回路と、
前記出力回路に入力する前記差動データ信号の一方を所定時間遅延させる第1の遅延回路と、第1,第2のPMOSトランジスタを直列に接続した第1の直列回路と、第1,第2のNMOSトランジスタを直列に接続した第2の直列回路と、一方の入力端に前記第1の遅延回路からの所定時間遅延した一方の差動データ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力される第1のナンド回路と、一方の入力端に前記第1の遅延回路からの所定時間遅延した一方の差動データ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力される第1のノア回路とを有し、前記第1の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第1の直列回路のドレインを前記第2の直列回路のドレインに接続し、前記第2の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第2のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第1のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の一方を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲート及び前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1のナンド回路の出力を前記第1の直列回路の第1のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第1のノア回路の出力を前記第2の直列回路の第2のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の一方の出力端子を前記第1,第2の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の一方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の一方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第1のプリエンファシス回路と、
前記出力回路に入力する前記差動データ信号の他方を所定時間遅延させる第2の遅延回路と、第3,第4のPMOSトランジスタを直列に接続した第3の直列回路と、第3,第4のNMOSトランジスタを直列に接続した第4の直列回路と、一方の入力端に前記第2の遅延回路からの所定時間遅延した他方の差動データ信号が入力され、他方の入力端にはイネーブル信号が入力されるナンド回路と、一方の入力端に前記第2の遅延回路からの所定時間遅延した他方の差動データ信号が入力され、他方の入力端には前記イネーブル信号を反転した信号が入力される第2のノア回路とを有し、前記第3の直列回路のソースを高電位点に接続し、前記第3の直列回路のドレインを前記第4の直列回路のドレインに接続し、前記第4の直列回路のソースを低電位点に接続し、前記差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第4のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第3のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2の反転回路からの所定時間遅延しかつ反転した差動データ信号の他方を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲート及び前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2のナンド回路の出力を前記第3の直列回路の第3のPMOSトランジスタのゲートに供給し、前記第2のノア回路の出力を前記第4の直列回路の第4のNMOSトランジスタのゲートに供給し、前記出力回路の伝送用差動信号の他方の出力端子を前記第3,第4の直列回路の直列接続点に接続し、その直列接続点に前記出力回路からの伝送用差動信号の他方を出力させることで、前記出力回路から出力される伝送用差動信号の他方に対してその信号の立上り,立下り時にプリエンファシスをかける第2のプリエンファシス回路と、
を具備したことを特徴とする半導体装置。
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