JP2004311816A - マルチワイヤ配線板の製造方法 - Google Patents

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Yasuhiko Awano
康彦 阿波野
Yuichi Shimayama
裕一 島山
Eiitsu Shinada
詠逸 品田
Masao Sugano
雅雄 菅野
Shigeharu Ariga
茂晴 有家
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Abstract

【課題】工程中における基板の取扱い性を低下させることなく、位置精度に優れた高密度高多層のマルチワイヤ配線板を製造すること
【解決手段】ベース基板(1)の片面又は両面に、ベース基板から剥離可能な銅箔層(2)と絶縁層(3)を形成する工程と、絶縁層(3)の表面に絶縁被覆ワイヤを固定するための接着層(4)を形成する工程と、接着層(4)の表面に絶縁被覆ワイヤ(5)を固定する工程と、接着層(4)に絶縁被覆ワイヤ(5)を固定した表面に絶縁層(6)と銅箔層(7)を形成する工程と、銅箔層(2)から銅箔層(7)までの構成から成る基板(8)をベース基板(1)から剥離する工程と、基板(8)の表面にある銅箔層(2)と銅箔層(7)を、絶縁被覆ワイヤの位置を基準として回路形成する工程と、必要な箇所に穴をあけ、接続する工程を有するマルチワイヤ配線板の製造方法
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、絶縁被覆された金属ワイヤを回路導体に用いたマルチワイヤ配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に接着層を設け、導体回路形成のための絶縁被覆ワイヤ(以下、ワイヤと略す)をコンピュータ制御で駆動する専用のワイヤ布線機で配線(以下、布線と呼ぶ)布線、固定し、スルーホールによって層間を接続するマルチワイヤ配線板は、高密度の配線ができ、さらには、特性インピーダンスの整合やクロストークの低減に有利なプリント配線板として知られている。
(特許文献1〜4参照)
【0003】
このマルチワイヤ配線板は、絶縁基板上に形成した熱硬化性樹脂と硬化剤とゴムからなる接着層上で超音波振動と荷重をワイヤに与えることで溶融接着して固定した後、プリプレグ等をラミネートして、基板中にワイヤを固定し、接続の必要な箇所のワイヤを切断し基板を貫通する穴をあけて、その穴内壁を金属化することにより製造されている。プリプレグ等をラミネートして、基板中にワイヤを固定することにより、ドリル等による穴あけ時にワイヤが剥れてしまうのを防止したり、その後の穴内に金属層を設けるためのめっき工程において、ワイヤの被覆層が損傷を受けて信頼性が低下したりすることを防止している。
【0004】
銅箔に絶縁層及びワイヤを固定するための接着層を設けた基板を作製し、ワイヤを固定した後に内層板の両面にプリプレグを介して配置して、ピンラミネーション積層したマルチワイヤ配線板もある。
(特許文献5参照)
これらは基本的にワイヤが布線された層(布線層)が2層のものを対象としていた。
【0005】
さらに、近年、マルチワイヤ配線板を含むプリント配線板は、高密度実装に対応するため、高多層、微細化が進んでいる。この高多層、微細化をマルチワイヤ配線板で行う場合、第一には布線層数を増加(2層を超えるもの)させる方法が挙げられ、第二にはワイヤ間あるいはワイヤと内層回路間の位置精度を上げる方法が挙げられる。
前者については、従来の製法で作製した2層の布線層を持つ基板を複数枚重ねて多層化する方法があり、種々検討されてきた。後者については、ワイヤが配線、あるいは配線後の工程で動かないようにすることが必要である。これについてはフェノキシ樹脂、エポキシ樹脂とカチオン型光重合開始剤及びスズ化合物を組み合わせた光硬化型の接着層と、これを用いたマルチワイヤ配線板の製造方法によって、ワイヤの位置精度を向上可能である。
(特許文献6参照)
この接着層は、支持フィルム上に樹脂組成物のワニスを塗布・乾燥したドライフィルム状のものであり、絶縁基板や内層回路板に接着して用いる。この接着層にワイヤを布線し、その後、完全に硬化しない量の光を照射して、ワイヤの動きを最小限に抑制しつつ、ワイヤ交差部の空隙や接着層中の微少な空隙を無くすために加圧加熱し、その後完全に硬化した後プリプレグ等を用いて多層化する。
【0006】
工程中の基板に生じるそりを抑制するために、銅箔2枚を貼り合わせ、その両面に銅箔より若干大きなプリプレグを重ねて積層し、さらにこの基板面上にワイヤ配線を1層設け、その上にプリプレグと銅箔を順次重ねて一層のワイヤ配線を持つ多層基板とし、ワイヤに合わせて上下の銅箔層に内層回路を形成する方式もある。
(特許文献7参照)
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,097,684号
【特許文献2】米国特許第3,646,572号
【特許文献3】米国特許第3,674,914号
【特許文献4】米国特許第3,674,602号
【特許文献5】特開昭62−277795
【特許文献6】特開平7−22751号
【特許文献7】特開平6−209150
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、マルチワイヤ配線板を高密度にするために、ワイヤの位置精度を高めるのみでは限界が出てきた。特に、ワイヤを布線する際には基板の内層回路を基準にしてワイヤを布線するが、基板の表側と裏側のワイヤの位置にずれが生じることや、基板が製造工程中の加熱や加圧で収縮、膨張するが、この時に内層回路パターンの影響で位置精度にばらつきが出る。さらに、特開昭62−277795では、ワイヤ配線層が2層を超える多層基板が一回の多層化、穴あけ、めっきで形成できない事と、ワイヤを布線、固定した基板は製造工程中にそりがあり、取扱い性が非常に悪く、製造ラインで多くの不具合が発生してしまうという課題がある。この対策としては、特開平6−209150に示されたように、基板の層構成を対称にして、ワイヤは基板の表側と裏側の両面に布線するが、内層回路は一層のワイヤ配線を持つ多層基板が完成後に加工する方法が提案されている。しかし、この方法では、ワイヤを布線した後にワイヤ交差部の空隙を除去するための加圧加熱する工程で、背合せになっている基板の表面にワイヤの粗密や交差によって凹凸が発生したり、工程中の加熱によって生じる基板の寸法収縮に差が生じてしまい多層化時に層間の位置ずれによって不良が生じる。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、高密度なマルチワイヤ配線板を製造するために有効な、製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
1)本発明は、導体層の一部に絶縁被覆ワイヤを用い、接続の必要な箇所にスルーホールと、必要な場合にその表面に設けられた導体回路からなるマルチワイヤ配線板の製造法において、以下の工程を有する製造方法に関する。
a.ベース基板(1)の片面又は両面の表面に、ベース基板と銅箔の界面で剥離可能な銅箔層(2)とさらにその上部に絶縁層(3)を形成する工程
b.絶縁層(3)の表面に絶縁被覆ワイヤを固定するための接着層(4)を形成する工程
c.接着層(4)の表面上に絶縁被覆ワイヤ(5)を固定する工程
d.接着層(4)に絶縁被覆ワイヤ(5)を固定した表面上に絶縁層(6)とさらにその上部に銅箔層(7)を形成する工程
e.銅箔層(2)から銅箔層(7)までの構成から成る基板(8)をベース基板(1)から剥離する工程
f.基板(8)の表面にある銅箔層(2)と銅箔層(7)を絶縁被覆ワイヤの位置を基準として回路形成する工程
g.複数の基板(8)を絶縁層(9)と交互に重ねて一体化し、必要な箇所に穴をあけ、めっきする工程
2)また、本発明は、上記のaの工程で表面に銅めっきを施しても銅めっきが剥離可能な金属板をベース基板(1)とし、銅めっきで銅箔層(2)を形成し、さらにその上部に絶縁層(3)を形成する1)記載の製造法に関する。
3)また、本発明は、上記のaの工程で銅箔層(2)の代わりにキャリア箔と薄銅箔から成り、その界面が密着してはいるが剥離可能な2層構造のピーラブル銅箔を用いる1)記載の製造法に関する。
4)また、本発明は、銅張り積層板(23)を用いて、ベース基板から剥離可能な銅箔層(2)を形成する1)記載のマルチワイヤ配線板の製造方法に関する。
5)また、本発明は、ベース基板(1)と絶縁層(3)より銅箔層(2)が小さい1)、3)あるいは4)に記載のマルチワイヤ配線板の製造方法に関する。
【0011】
本発明によるマルチワイヤ配線板の製造法を、図1を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。またベース基板の下面にも上面と同じ構造を形成して製造してもよい。
【0012】
まず、図1(a)は、ベース基板表面(1)にベース基板から剥離可能な銅箔層(2)、さらに銅箔層(2)の上に絶縁層(3)を形成したものである。絶縁層(3)としては、プリント基板用プリプレグが好ましく、ベース基板表面に加熱加圧して形成することができる。
【0013】
ここで用いるベース基板としては、工程中で寸法変化を生じ難い基板が望ましい。具体的には、金属板やプリント基板に用いられるガラスクロス繊維で強化された銅張り積層板等が挙げられる。また、このベース基板(1)としては、銅箔をエッチング除去した銅張り積層板等も使用できる。
【0014】
次に、図1(b)は絶縁層表面に絶縁被覆ワイヤを固定するための接着層(4)を形成したものである。接着層としては、特に限定するものはないが、特開平7−22751号公報にあるものが好ましい。具体的には、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂とカチオン型光重合開始剤及びスズ化合物を組み合わせたワニスが挙げられるが、これらに限定されない。接着層を基板表面に形成する方法としては、スプレーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷法等で直接絶縁基板に塗布、乾燥する方法がある。しかし、これらの方法では、膜厚が不均一となり、マルチワイヤ配線板としたときに、特性インピーダンスが不均一になることがある。
特性インピーダンスを良くするためには、均一な膜厚が望ましい。
そこで、均一な膜厚の接着層を得るために、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート等のキャリアフィルムに、一旦ロールコートして塗工乾燥しドライフィルムとした後、絶縁基板にホットロールラミネートまたは積層プレスにより形成する方法が好ましい。このようなドライフィルムの例としてはAS−U01(商品名、日立化成製)が挙げられる。
【0015】
図1(c)は接着層上にワイヤ(5)を固定したものである。この固定を行うには以下の手順が好ましい。まず、ワイヤを専用の布線機で超音波振動と荷重を加えながら接着層に溶融接着する。布線に用いるワイヤは同一平面上に交差布線されてもショートしないように絶縁被覆されたものが用いられる。絶縁被覆の例としては、ポリイミドなどが挙げられる。ワイヤの芯材としては、安価で電気特性の良い材質が用いられる。芯材の例としては、銅または銅合金等が挙げられる。また、ワイヤ同士の交差部の密着力を高めるために絶縁被覆層の外側にさらに接着剤の層を設けることができる。前述したAS−U01(商品名、日立化成製)を接着層として用いる場合は、布線を終了した後、ワイヤの移動、動きを最小限に抑制するために接着層に光照射を行い、接着層を若干硬化させる。このとき、硬化が進みすぎると、空隙が残留して耐熱性の低下等を引き起し、硬化が不十分すぎると次のプレス工程でワイヤが移動してしまう。このため、接着層の硬化反応度合を適宜コントロールする。
【0016】
布線した基板は、布線時にワイヤを超音波加熱しながら布線する時や、ワイヤとワイヤの交差部付近に空隙(ボイド)が生じている。接着層中にボイドが残存すると部品実装時の加熱で基板の膨れを生じ易い。また、ワイヤの板厚方向の位置が均一でないと配線板の電気特性の一つである特性インピーダンスがばらつく。このため、ワイヤの板厚方向の位置を均一化すると共に、表面の凹凸を低減し、接着層に残存しているボイドを除去するために加熱プレスを行う。その後、さらに光を照射し、必要に応じて、加熱により接着層をほぼ完全に硬化させてワイヤを固定する。
【0017】
図1(d)は接着層上にワイヤを固定した表面上に絶縁層(6)とその上に銅箔層(7)を形成したものである。この絶縁層(6)と銅箔層(7)にはプリント基板用のプリプレグ及び銅箔を用いることができる。なお、銅箔層(7)の厚みは銅箔層(2)と同じにする方が、後工程での基板の反りを抑制でき、回路加工も容易となる。
【0018】
図1(e)は銅箔層(2)〜銅箔層(7)までの構成から成る基板(8)をベース基板(1)から剥離したものである。この基板表面にある銅箔層を通常のエッチング法で回路加工すれば、図1(f)に示す構造となる。その際には基板内部にあるワイヤパターンをX線装置等で認識しながら基準としてガイド穴を空けて、この穴を上下の銅箔層の回路形成用の基準穴とすることができ、上下の回路パターンの位置ずれが抑制できる。また、ワイヤを固定するための加圧、加熱の工程を終えてから回路パターンを形成するため、回路パターンにより基板の寸法変化がばらつくことへの影響が避けられる。
【0019】
この基板を多層用プリプレグと交互に重ねてピンラミネーション法で積層して多層化する。この時の位置合せピン用のガイド穴もワイヤパターンを基準として形成すれば、全ての布線層と位置合わせピンを個別に位置合わせしたことになり、位置ずれが抑制できる。その後、必要な箇所に穴をあけ、接続し、図1(g)に示す高密度高多層のマルチワイヤ配線板が完成する。
【0020】
また、上述したマルチワイヤ配線板の製造法において、図1(a)の工程で、表面に銅めっきを施した後、施した銅めっきを剥離可能な金属板をベース基板(1)とし、ベース基板表面への銅めっきにより銅箔層(2)を形成し、さらにその上部に絶縁層(3)を形成することによっても高密度高多層のマルチワイヤ配線板が得られる。
図2の(a1)に用いるベース基板にはステンレス基板が好ましく、これにはプリント基板で広く行われている電気銅めっきで銅箔層(2)を形成できる。さらに、この基板表面にプリプレグを積層することで、図2の(a2)に示すようなベース基板(1)と銅箔層(2)の界面が剥離可能な構造体を形成できる。
【0021】
また、上述したマルチワイヤ配線板の製造法において、図1(a)の工程で、銅箔層(2)に剥離可能な界面を持つ2層構造のピーラブル銅箔を用いることによっても、高密度高多層のマルチワイヤ配線板が得られる。
【0022】
ピーラブル銅箔とは、導体用銅箔(2’)とキャリア金属層(2’’)から成り、一般のプリント配線板で使用しているものが使用可能である。ピーラブル銅箔を基板にプリプレグと共に積層した後、キャリア金属層のみ剥離できるものである。
ピーラブル銅箔の例としては、MT35S5(商品名、三井金属鉱業株式会社製)、F−DP5/35(商品名、古河サーキットフォイル株式会社製)などが挙げられる。
図3(a3)に示す構成で積層することで、図3(a4)に示す構造体を形成できる。
【0023】
また、上述したマルチワイヤ配線板の製造法において、図1(a)の工程で、用いる銅箔層(2)と絶縁層(3)の代わりに、片面銅張り積層板(23)を用いることによっても高密度高多層のマルチワイヤ配線板が得られる。
ベース基板(1)と片面銅張り積層板(23)の固定は種々考えられるが、例えば図5の(a7)に示すように、基板端部の外周に粘着テープ(1’)で固定する方法が挙げられる。この固定に用いる粘着テープとしては、基材が強靭で以降の加熱加圧工程に耐えるものが必要である。具体的には、ポリエステルを基材とするNo.31B(日東電工株式会社製、商品名)や、耐熱性のあるポリイミドを基材とするNo.360UL(日東電工株式会社製、商品名)等が挙げられる。
【0024】
また、上述したマルチワイヤ配線板の製造法において、図1(a)の工程で、ベース基板(1)と絶縁層(3)より小さな大きさの銅箔層(2)を用いることによっても高密度高多層のマルチワイヤ配線板が得られる。
具体的な方法としては、図4(a5)に示すようにベース基板(1)の表面にベース基板の大きさより小さな銅箔を置き、さらにその上にベース基板(1)と同じ大きさの絶縁層(3)となるプリプレグを配置して、加圧加熱することで、図4(a6)に示すような基板端部のみベース基板に固定された銅箔層と絶縁層とを得ることが出来る。なお、この銅箔はベース基板に粘着テープ等で四隅を仮固定すれば、加圧加熱中に銅箔の位置ずれを抑制できる。銅箔の寸法はベース基板より小さければ良いが、ベース基板外周と絶縁層の接触部分の幅が5mm以上とすることが好ましい。この方法で、ベース基板に固定した場合、工程を進めた後、図5(e1)に示すように基板の端部でベース基板(1)と絶縁層(3)が接着固定されている部分を切断除去することで、基板をベース基板から容易に分離できる。
また、図6の(a8)に示すように、ベース基板(1)の表面にベース基板の大きさより小さな片面銅張り積層板(23)を置き、さらにその上にベース基板(1)と同じ大きさの絶縁層(3)となるプリプレグを配置して、加圧加熱することで、図6(a9)に示すような基板端部のみベース基板に固定された銅箔層と絶縁層を得ることができる。
【0025】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
【実施例1】
厚み1mmのガラスポリイミド銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)をベース基板とし、その両面に内側から順に35μm銅箔、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)と配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機で積層し、絶縁層を形成した。次に、接着層としてAS−U01(日立化成工業株式会社製、商品名)を両面にホットロールラミネータにて接着した。この基板の表面に専用の布線機を用いて、ポリイミド被覆絶縁ワイヤ(日立電線株式会社製、ワイヤHAW、銅線径0.08mm、商品名)を布線機により、超音波加熱を加えながら布線した。ついで、この基板表面に高圧水銀灯を用いて、両面に500mJ/cmの光照射を行った。ついで、この基板をシリコンゴムをクッション材として170℃、30分、20kgf/cmの条件で加熱プレスした。引き続き、高圧水銀灯により、両面に3J/cmの光照射を行ない、さらに硬化反応を完結させるため、175℃、60分加熱した。次にガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)及び35μmの銅箔を両面に配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレスで積層し、絶縁層を形成した。この後、ガラスポリイミド銅張り積層板の両面に形成された基板を剥離した。えられた基板には取扱いに支障となるような、そりは見られなかった。
この基板に、X線穴明機によりワイヤのパターンを基準として後工程の回路形成用マスクの基準穴及び多層化の際の位置決めピン用穴をあけた。続いて、エッチング用ドライフィルムH9025K(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、内層回路用マスクを基準穴に合せて焼付け、現像、銅エッチング、ドライフィルム剥離と進めて内層回路を形成した。さらに、この基板表面を酸化還元処理により銅パターン表面を粗化した後、位置決めピン用穴で位置合わせを行いながら、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)とこの基板4枚を交互に配置し、最外層には12μm銅箔を配置して170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機でピンラミネーション積層して多層化した。この多層基板の必要箇所に穴をあけ、ホールクリーニングなどの前処理を行い、さらに、無電解銅めっき液に浸漬し、40μmの厚さにスルーホールめっきを行い、最後に外層回路をエッチングにて形成した。その結果、従来の方法ではワイヤとスルーホールの位置ずれによってショート不良が多発する以下の仕様のマルチワイヤ配線板を作製できた。
作製したマルチワイヤ配線板の仕様は以下の通りである。
スルーホール径:φ0.3mm
スルーホールピッチ:1.0mm
ワイヤ配線密度:直交配線2本/1.0mm
45°斜め配線1本/1.0mm
布線層数:4層
内層回路層数:8層
【0027】
【実施例2】
厚み1mmのステンレス板をベース基板として、ベース基板にめっき厚が35μmとなるように両面に電気銅めっきを施し、剥離可能な銅箔層を形成した。この基板表面を酸化還元処理により銅箔表面を粗化した後、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)を両面に配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機で積層し、絶縁層を形成した。その後は、実施例1と同様に工程を進め、その後ベース基板から両面に形成された基板を剥離した。ベース基板から剥離した布線層を1層持つ基板には、取扱いに支障となるようなそりは見られなかった。
その後、実施例1と同様に工程を進め、ワイヤとスルーホールの位置ずれによるショート不良のないマルチワイヤ配線板を作製できた。
【0028】
【実施例3】
厚み1mmのガラスエポキシ銅張り積層板MCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)をベース基板とし、その両面に厚さが35μmのキャリア銅箔と、厚さが5μmの銅箔からなるピーラブル銅箔F−DP5/35(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)を、キャリア銅箔がベース基板側になるように配置し、さらにその外側にガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)を配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機で積層し、絶縁層を形成した。その後は、実施例1と同様の工程でワイヤの固定まで進めた。そして、基板両面に、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)と、厚さが35μmのキャリア銅箔と厚さが5μmの銅箔からなるピーラブル銅箔MT35S5(三井金属鉱業株式会社製、商品名)を、キャリア銅箔が外側になるように配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機で積層し、絶縁層を形成した。この後、ベース基板の両面に形成された基板を剥離した。えられた基板には、取扱いに支障となるようなそりは見られなかった。
この基板に、X線穴明機によりワイヤのパターンを基準として、スルーホール等の必要な穴を明けるための基準穴をあけた。ここで、ピーラブル銅箔のキャリア銅箔を剥した。引き続いて、スルーホール等必要な穴をあけ、その後、ホールクリーニングなどの前処理を行い、さらに、無電解銅めっき液に浸漬し、40μmの厚さにスルーホールめっきを行った。次にX線穴明機によりワイヤのパターンを基準として、回路形成用マスクの基準穴及び多層化のための位置決めピン用穴をあけた。続いて、エッチング用ドライフィルムH9025K(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、内層回路用マスクを基準穴に合せて焼付け、現像、銅エッチング、ドライフィルム剥離と進めて内層回路を形成した。
これと並行して、多層化する際に用いるガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)にも、基板にあけたのと同様の配列でスルーホール等を明け、さらにこれらの穴で必要な穴に対して導電性樹脂を充填しておいた。
内層回路を形成した基板表面を酸化還元処理により表面を粗化した後、位置決めピン用穴で位置合わせしながら、導電性樹脂を充填しておいた、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)と、この基板4枚を交互に配置し、最外層にはピーラブル銅箔を配置して170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機でピンラミネーション積層して多層化した。その後、外層回路を形成し、ワイヤとスルーホールの位置ずれによるショート不良のないマルチワイヤ配線板を作製できた。
【0029】
【実施例4】
厚み1mmのガラスポリイミド銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)をベース基板とし、その両面に内側から、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)、厚さ0.1mm、銅厚さ35μmの片面銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)、と配置し、120℃、5分、15kgf/cmの条件で加熱プレス機にて積層し絶縁層を形成した。その後は、実施例1と同様の工程でワイヤを布線した後、ベース基板から基板を剥離した。えられた基板には、取扱いに支障となるようなそりは見られなかった。その後、ワイヤを固定する工程を実施した後、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)及び35μmの銅箔を両面に配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機で積層し、絶縁層を形成した。その後は、実施例1と同様に工程を進め、ワイヤとスルーホールの位置ずれによるショート不良のないマルチワイヤ配線板を作製できた。
【0030】
【実施例5】
厚み1mmのガラスポリイミド銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)をベース基板とし、その両面に内側から順に、縦横の寸法がベース基板よりも5mmずつ短い35μm銅箔、ベース基板と縦横の寸法が等しいガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)と配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機で積層し、絶縁層を形成した。その後は、実施例1と同様の工程でワイヤの固定まで進めた。次にガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)及び35μmの銅箔を両面に配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機で積層し、絶縁層を形成した。その後、基板の端部でベース基板と絶縁層が接着固定されている部分を切断除去することで、基板をベース基板から分離した。えられた基板には、取扱いに支障となるようなそりは見られなかった。
その後は、実施例1と同様に工程を進め、ワイヤとスルーホールの位置ずれによるショート不良のないマルチワイヤ配線板を作製できた。
【0031】
【実施例6】
厚み1mmのガラスポリイミド銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)をベース基板とし、その両面に縦横の両端がベース基板よりも5mmずつ短い、厚さ0.1mm、銅厚さ35μmの片面銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)を、銅箔面をベース基板側にして、粘着テープ360UL(日東電工株式会社製、商品名)で端部を固定した。その後は、実施例1と同様の工程でワイヤの固定まで進めた。
その後、粘着テープを剥して基板をベース基板から分離した。えられた基板には、取扱いに支障となるようなそりは見られなかった。その後は、実施例1と同様に工程を進め、ワイヤとスルーホールの位置ずれによるショート不良のないマルチワイヤ配線板を作製できた。
【0032】
【比較例1】
厚み0.1mmのガラスポリイミド銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)の表面の銅を回路形成し、酸化還元処理により銅パターン表面を粗化した後、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)を両面に配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレスで積層し、絶縁層を形成した。次に、接着層としてAS−U01(日立化成工業株式会社製、商品名)を両面にホットロールラミネータにて接着した。この基板の表面に専用の布線機を用いて、ポリイミド被覆絶縁ワイヤ(日立電線株式会社製、商品名:ワイヤHAW、銅線径0.08mm)を布線機により、超音波加熱を加えながら布線した。この基板表面に高圧水銀灯により、両面に500mJ/cmの光照射を行った。次いで、この基板をシリコンゴムをクッション材として170℃、30分、20kgf/cmの条件で加熱プレスした。引き続き、高圧水銀灯により、両面に3J/cmの光照射を行い、硬化反応を完結させるため、さらに175℃、60分加熱して接着層を硬化させ、2層の布線層を持つ基板を作製した。
これと並行して、厚み0.1mmのガラスポリイミド基板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)の表面の銅を回路形成し、酸化還元処理により銅パターン表面を粗化した内層回路板を1枚作製した。
この基板を中央に配置し、外側に向かって、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)、布線層を2層持つ基板、ガラスポリイミド樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)、18μmの銅箔と配置し、170℃、60分、30kgf/cmの条件で加熱プレス機でピンラミネーション積層し、実施例と同じ仕様、層構成のマルチワイヤ配線板を作製した。しかし、ワイヤとスルーホールの位置ずれによるショート不良が多発した。
【0033】
【比較例2】
厚み0.1mmのガラスポリイミド銅張り積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社製、商品名)の片側の銅をエッチングで除去し、このエッチング面に接着層としてAS−U01(日立化成工業株式会社製、商品名)を両面にホットロールラミネータにて接着した。この基板の表面に専用の布線機を用いて、ポリイミド被覆絶縁ワイヤ(日立電線株式会社製、商品名:ワイヤHAW、銅線径0.08mm)を布線機により、超音波加熱を加えながら布線した。この基板表面に高圧水銀灯により、両面に500mJ/cmの光照射を行った。次いで、この基板をシリコンゴムをクッション材として170℃、30分、20kgf/cmの条件で加熱プレスした。引き続き、高圧水銀灯により、両面に3J/cmの光照射を行い、さらに硬化反応を完結させるため、175℃、60分加熱した。えられた基板は直径約15cmの円筒状にそり、平らに引き伸ばしたところ銅箔や基板に傷が入り、回路形成は不可能であった。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、工程中における基板の取扱い性を低下させることなく、位置精度に優れた高密度高多層のマルチワイヤ配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は本発明の各製造工程の断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す製造工程途中の図である。
【図3】本発明の実施例を示す製造工程途中の図である。
【図4】本発明の実施例を示す製造工程途中の図である。
【図5】本発明の実施例を示す製造工程途中の図である。
【図6】本発明の実施例を示す製造工程途中の図である。
【符号の説明】
(1):ベース基板
(1’):粘着テープ
(2):銅箔層
(2’):導体用銅箔
(2”):キャリア金属層
(3):絶縁層
(4):接着層
(5):絶縁被覆ワイヤ
(6):絶縁層
(7):銅箔層
(8):銅箔(2)から(7)までの構成から成る基板
(23):片面銅張り積層板

Claims (5)

  1. 導体層の一部に絶縁被覆ワイヤを用い、接続の必要な箇所にスルーホールと、必要な場合にその表面に設けられた導体回路からなり、以下の工程を有するマルチワイヤ配線板の製造方法
    a.ベース基板(1)の片面又は両面に、ベース基板から剥離可能な銅箔層(2)と絶縁層(3)を形成する工程
    b.絶縁層(3)の表面に絶縁被覆ワイヤを固定するための接着層(4)を形成する工程
    c.接着層(4)の表面に絶縁被覆ワイヤ(5)を固定する工程
    d.接着層(4)に絶縁被覆ワイヤ(5)を固定した表面に絶縁層(6)と銅箔層(7)を形成する工程
    e.銅箔層(2)から銅箔層(7)までの構成から成る基板(8)をベース基板(1)から剥離する工程
    f.基板(8)の表面にある銅箔層(2)と銅箔層(7)を、絶縁被覆ワイヤの位置を基準として回路形成する工程
    g.必要な箇所に穴をあけ、接続する工程
  2. ベース基板(1)に銅めっきを施すことにより、ベース基板から剥離可能な銅箔層(2)を形成する請求項1記載のマルチワイヤ配線板の製造方法
  3. キャリア箔と薄銅箔からなり、その界面が密着してはいるが剥離可能な2層構造のピーラブル銅箔を用いて、ベース基板から剥離可能な銅箔層(2)を形成する請求項1記載のマルチワイヤ配線板の製造方法
  4. 銅張り積層板(23)を用いて、ベース基板から剥離可能な銅箔層(2)を形成する請求項1記載のマルチワイヤ配線板の製造方法
  5. ベース基板(1)と絶縁層(3)より銅箔層(2)が小さい請求項1、3あるいは4に記載のマルチワイヤ配線板の製造方法
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