JP2004309514A - ピンホール素子および同素子を用いた光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピンホール素子において、レーザ光の焦点および光軸をピンホールに簡単に一致させることを可能にするとともに、製造コストを低減する。
【解決手段】ピンホール素子10は、上面を正方形状に形成した透明基板11を備えている。透明基板11上には、微小な円形の透光部で構成されるピンホール12と、4個の透光部13,14,15,16とを残して、非透光剤を塗布した遮光部17が形成されている。透光部13,14,15,16は、ピンホール12を中心にして周方向に90度ずつ隔てて放射状に配置された、長尺状の長形状の開口である。
【選択図】 図1
【解決手段】ピンホール素子10は、上面を正方形状に形成した透明基板11を備えている。透明基板11上には、微小な円形の透光部で構成されるピンホール12と、4個の透光部13,14,15,16とを残して、非透光剤を塗布した遮光部17が形成されている。透光部13,14,15,16は、ピンホール12を中心にして周方向に90度ずつ隔てて放射状に配置された、長尺状の長形状の開口である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピンホール素子および同ピンホール素子を用いて点光源を生成する光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ピンホールの周囲に、同ピンホールにて直交する2直線により4分割された遮光部を設けるとともに、4分割された各遮光部を光電変換素子でそれぞれ構成したピンホール素子は知られている。そして、このピンホール素子においては、4分割された光電変換素子の出力を用いて、レーザ光の焦点および光軸をピンホールに一致させるようにしている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−49210号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のピンホール素子にあっては、光電変換素子を用いているためにピンホール素子の製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
【発明の概略】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、レーザ光の焦点および光軸をピンホールに簡単に一致させることが可能で、低製造コストのピンホール素子を提供することにある。また、このピンホール素子を用いたレーザ光による点光源を生成する光学装置を提供することにもある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、透明基板上に微小な円形の透光部を残して同透光部の周囲に非透光剤を塗布した遮光部を設けることにより透明基板上にピンホールを形成したピンホール素子において、遮光部にピンホールを中心にして放射状に複数の長尺状の透光部を設けたことにある。
【0007】
この場合、複数の長尺状の透光部を、ピンホールを中心にそれぞれ等しい角度を隔てて放射状に配置するように構成するとよい。また、長尺状の透光部の数を4とするとよい。さらに、複数の長尺状の透光部をそれぞれ長方形に構成するとよい。
【0008】
上記構成のピンホール素子においては、透明基板上に非透光剤を塗布するだけでピンホール、遮光部および複数の長尺状の透光部を形成できるので、ピンホール素子を安価に製造できる。また、このピンホール素子によれば、ピンホール素子を介したレーザ光を、光学顕微鏡、NDフィルタおよび集光レンズを介してCCDカメラなどの撮像装置に導いて目視により、レーザ光の焦点および光軸がピンホールに一致するようにピンホール素子の位置調整を簡単に行なうことができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、前記のように構成したピンホール素子を有し、レーザ光による点光源を生成する光学装置にもある。これによれば、点光源から発生された理想的なコヒーレントなレーザビームを生成可能となる。
【0010】
【実施の形態】
a.ピンホール素子
以下、本発明の一実施形態に係るピンホール素子について図面を用いて説明する。図1(A)は、同実施形態に係るピンホール素子の斜視図である。図1(B)は、その一部の拡大図である。
【0011】
ピンホール素子10は、上面を正方形状に形成した透明基板11を備えている。透明基板11上には、微小な円形の透光部で構成されるピンホール12と、4個の透光部13,14,15,16とを残して、非透光剤を塗布した遮光部17が形成されている。透光部13,14,15,16は、ピンホール12を中心にして周方向に90度ずつ隔てて放射状に配置された、長尺状の長形状の開口である。
【0012】
図1(B)に示すように、ピンホール12の直径Dは、本実施形態では使用レーザ光の波長に相当する大きさである0.4μmに設定されているが、レーザ光の波長の1/2〜15倍程度に設定されていればよい。透光部13,14,15,16はそれぞれ同一形状に形成され、その長さL1は、本実施形態では1000μmに設定されているが、30μm〜2000μm程度に設定されていればよい。その幅Wは、本実施形態では40μmに設定されているが、10μm〜200μm程度に設定されていればよい。また、透光部13,14,15,16のピンホール12側の端部とピンホール12の中心までの距離L2は、本実施形態ではレーザ光の波長の150倍に設定されているが、10〜300倍程度に設定されていればよい。なお、後述するレーザ光によるピンホール素子10上の直径は、本実施形態ではレーザ光の波長の1.5倍に設定されているが、3/2〜100倍程度に設定されていればよい。
【0013】
このようなピンホール素子10においては、透明基板11上に非透光剤を塗布するだけでピンホール12、複数の長尺状の透光部13,14,15,16および遮光部17を形成できるので、ピンホール素子10を安価に製造できる。
【0014】
b.ピンホール素子を用いた光学装置
次に、前記のように構成したピンホール素子を用いて点光源を生成するための光学装置100について、図2を用いて説明する。
【0015】
ピンホール素子10は、ピンホールアジャスタ21に組み付けられる環状のピンホールホルダ22に組み込まれる。ピンホールアジャスタ21は、ピンホール素子10すなわちピンホール12の位置を調整可能に、円筒状のケーシング31の先端面に組み付けられる。ケーシング31には、集光レンズ24がピンホールアジャスタ21の後方位置にて組み込まれる。
【0016】
ピンホールアジャスタ21は、図2および図3に示すように、周囲を3箇所切り欠いた環状に構成されており、径方向に突出した3箇所の突起部21aにて3個の調整ねじ25によってケーシング31に組み付けられている。これらの調整ねじ25の締め付け程度により、ピンホール素子10はピンホールアジャスタ21とともにその軸線方向の位置が調整される。ピンホールアジャスタ21の3箇所の切り欠き部21bには、ケーシング31に螺着された3個の偏心カム26の各外周面がそれぞれ当接している。これらの偏心カム26を回動することにより、ピンホール素子10はピンホールアジャスタ21とともにその軸線方向に直交する2次元平面内の位置が調整される。
【0017】
このようにしてピンホールアジャスタ21および集光レンズ24を組み付けたケーシング31は、円筒状のハウジング32の先端部分に組み込まれている。ケーシング31内には、半導体レーザ33がレーザホルダ34に組み付けられて組み込まれているとともに、半導体レーザ33の前方位置にてコリメートレンズ35が組み込まれている。そして、ケーシング31内においては、半導体レーザ33から出射されたレーザ光がコリメートレンズ35を介して平行なレーザ光に変換されて集光レンズ24に導かれるようになっている。
【0018】
このように構成した光学装置100においては、集光レンズ24が、半導体レーザ33からコリメートレンズ35を介して供給される平行レーザ光をピンホール素子10のピンホール12にて焦点を結びスポットSPを形成する。このスポットSPの直径は、前述のようにレーザ光の波長の1.5倍が好ましいが、3/2〜100倍程度であってもよい。
【0019】
また、レーザ光の焦点がピンホール12に一致しない場合には、調整ねじ25を回動することによりピンホール素子10をレーザ光の光軸方向に移動させて、ピンホール12のレーザ光の光軸方向位置を調整する。レーザ光の光軸がピンホールと一致していなければ、偏心カム26を回動することによりピンホール素子10をレーザ光の光軸と直交する2次元平面内で移動させて、ピンホール12のレーザ光の光軸方向と直交する2次元平面内の位置を調整する。
【0020】
c.ピンホール素子の位置調整
次に、ピンホール素子10の位置調整について説明する。この位置調整においては、光学装置100の前方に、ピンホール素子10上に形成されるレーザスポットSPを観測するための観測装置200を配置する。観測装置200は、光学顕微鏡41、NDフィルタ42、集光レンズ43およびCCDカメラ44をこの順に配置したものである。光学顕微鏡41は、ピンホール素子10上のレーザ光を拡大する。NDフィルタ42は、通過するレーザ光の光量を調整するもので、複数種類用意されており、その選択によってCCDカメラ44に到達するレーザ光の光量が調整される。集光レンズ43は、光学顕微鏡41およびNDフィルタ42を介したレーザ光をCCDカメラ44の撮像素子に集光する。
【0021】
このような観測装置200を配置した結果、CCDカメラ44の撮像素子上に、ピンホール素子10上に形成されているレーザスポットSPが形成され、作業者はスポットSPを目視で観察できるようになる。
【0022】
次に、この観測装置200を用いたピンホール素子10の位置調整について具体的に説明する。レーザ光の焦点位置がピンホール素子10上に一致していなけければ、ピンホール素子10上に形成されるレーザスポットSPは、図5(A)に示すように、ピンホールに比べてかなり大きくなる。このレーザスポットSPは透光部13〜16のいずれかを介して作業者に目視で観察され、作業者はピンホール素子10のレーザ光の光軸方向における位置を調整する。具体的には、前述したように、調整ねじ25を回動して、ピンホール素子10の軸線方向の位置を調整する。その結果、レーザ光の焦点がピンホール素子10上に一致すれば、レーザスポットSPは、図5(B)(C)に示すように、ピンホールとほぼ同じ大きさ、詳しくは若干だけ大きくなる。図5(B)の場合には、透孔部16を介してレーザスポットSPを観察できる。図5(C)の場合には、遮光部17によってレーザスポットSPを観察できない。なお、作業者は、このときの調節ねじ25の回動位置を覚えておく。
【0023】
また、レーザ光の光軸がピンホール12に一致していなければ、レーザスポットSPは、図6(A)(B)に示すようにピンホール12から偏心して形成される。この場合、作業者は、調節ねじ25を前記覚えていた位置から回動して、レーザスポットSPの大きさを図6(A)(B)のように大きくする。このレーザスポットSPは、透光部13〜16のいずれかを介して作業者に目視で観察され、作業者はピンホール素子10の光軸方向と直交する2次元平面内の位置を調整する。具体的には、前述したように、偏心カム26を回動して、ピンホール素子10をレーザ光の軸線方向と直交する2次元平面における位置を調整する。その結果、レーザ光の光軸がピンホール12に一致すれば、レーザスポットSPは、図6(C)の示すように、ピンホール12と同心に形成される。この状態は、ピンホール12および透孔部13〜16を介して目視される。その後、作業者は、調節ねじ25を前記覚えておいた位置まで回動して、レーザ光の焦点がピンホール素子10上に一致するように戻す。
【0024】
上記説明からも理解できるとおり、上記実施形態によるピンホール素子10は安価に製造される。また、このピンホール素子10に形成されるレーザスポットSPをCCDカメラ44などの撮像装置を用いて目視することにより、レーザ光の焦点および光軸がピンホール12に一致するようにピンホール素子10の位置調整を簡単に行なうことができる。
【0025】
d.変形例
以上、本発明の一実施形態についてのみ説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
【0026】
例えば、上記実施形態においては、透明基板11上に4個の透孔部13〜16を設けるようにした。しかし、これに代えて、周方向に等角度間隔であれば、さらに多数の透孔部をピンホール12を中心に放射状に設けるようにしてもよい。図7は、透孔部13〜16の間に透孔部18a〜18dをさらに設け、45度間隔で8個の透孔部を設けたものである。なお、これらの透孔部18a〜18dも上記実施形態の透孔部13〜16と同一形状である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施形態に係るピンホール素子の斜視図であり、(B)は同ピンホール素子の一部の拡大図である。
【図2】前記ピンホール素子を組み込んだ光学装置の分解斜視図である。
【図3】図2のピンホールアジャスタ部の拡大正面図である。
【図4】ピンホール素子上に形成されるレーザスポットを観測するための観測装置の概略図である。
【図5】(A)〜(C)は、ピンホール素子上に形成されるレーザスポットの状態図である。
【図6】(A)〜(C)は、ピンホール素子上に形成されるレーザスポットの状態図である。
【図7】前記実施形態の変形例に係るピンホール素子の斜視図である。
【符号の説明】
10…ピンホール素子、11…透明基板、12…ピンホール、13〜16,18a〜18d…透光部、17…遮光部、21…ピンホールアジャスタ、22…ピンホールホルダ、25…調整ねじ、26…偏心カム、33…半導体レーザ、100…光学装置、200…観測装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピンホール素子および同ピンホール素子を用いて点光源を生成する光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ピンホールの周囲に、同ピンホールにて直交する2直線により4分割された遮光部を設けるとともに、4分割された各遮光部を光電変換素子でそれぞれ構成したピンホール素子は知られている。そして、このピンホール素子においては、4分割された光電変換素子の出力を用いて、レーザ光の焦点および光軸をピンホールに一致させるようにしている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−49210号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のピンホール素子にあっては、光電変換素子を用いているためにピンホール素子の製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
【発明の概略】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、レーザ光の焦点および光軸をピンホールに簡単に一致させることが可能で、低製造コストのピンホール素子を提供することにある。また、このピンホール素子を用いたレーザ光による点光源を生成する光学装置を提供することにもある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、透明基板上に微小な円形の透光部を残して同透光部の周囲に非透光剤を塗布した遮光部を設けることにより透明基板上にピンホールを形成したピンホール素子において、遮光部にピンホールを中心にして放射状に複数の長尺状の透光部を設けたことにある。
【0007】
この場合、複数の長尺状の透光部を、ピンホールを中心にそれぞれ等しい角度を隔てて放射状に配置するように構成するとよい。また、長尺状の透光部の数を4とするとよい。さらに、複数の長尺状の透光部をそれぞれ長方形に構成するとよい。
【0008】
上記構成のピンホール素子においては、透明基板上に非透光剤を塗布するだけでピンホール、遮光部および複数の長尺状の透光部を形成できるので、ピンホール素子を安価に製造できる。また、このピンホール素子によれば、ピンホール素子を介したレーザ光を、光学顕微鏡、NDフィルタおよび集光レンズを介してCCDカメラなどの撮像装置に導いて目視により、レーザ光の焦点および光軸がピンホールに一致するようにピンホール素子の位置調整を簡単に行なうことができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、前記のように構成したピンホール素子を有し、レーザ光による点光源を生成する光学装置にもある。これによれば、点光源から発生された理想的なコヒーレントなレーザビームを生成可能となる。
【0010】
【実施の形態】
a.ピンホール素子
以下、本発明の一実施形態に係るピンホール素子について図面を用いて説明する。図1(A)は、同実施形態に係るピンホール素子の斜視図である。図1(B)は、その一部の拡大図である。
【0011】
ピンホール素子10は、上面を正方形状に形成した透明基板11を備えている。透明基板11上には、微小な円形の透光部で構成されるピンホール12と、4個の透光部13,14,15,16とを残して、非透光剤を塗布した遮光部17が形成されている。透光部13,14,15,16は、ピンホール12を中心にして周方向に90度ずつ隔てて放射状に配置された、長尺状の長形状の開口である。
【0012】
図1(B)に示すように、ピンホール12の直径Dは、本実施形態では使用レーザ光の波長に相当する大きさである0.4μmに設定されているが、レーザ光の波長の1/2〜15倍程度に設定されていればよい。透光部13,14,15,16はそれぞれ同一形状に形成され、その長さL1は、本実施形態では1000μmに設定されているが、30μm〜2000μm程度に設定されていればよい。その幅Wは、本実施形態では40μmに設定されているが、10μm〜200μm程度に設定されていればよい。また、透光部13,14,15,16のピンホール12側の端部とピンホール12の中心までの距離L2は、本実施形態ではレーザ光の波長の150倍に設定されているが、10〜300倍程度に設定されていればよい。なお、後述するレーザ光によるピンホール素子10上の直径は、本実施形態ではレーザ光の波長の1.5倍に設定されているが、3/2〜100倍程度に設定されていればよい。
【0013】
このようなピンホール素子10においては、透明基板11上に非透光剤を塗布するだけでピンホール12、複数の長尺状の透光部13,14,15,16および遮光部17を形成できるので、ピンホール素子10を安価に製造できる。
【0014】
b.ピンホール素子を用いた光学装置
次に、前記のように構成したピンホール素子を用いて点光源を生成するための光学装置100について、図2を用いて説明する。
【0015】
ピンホール素子10は、ピンホールアジャスタ21に組み付けられる環状のピンホールホルダ22に組み込まれる。ピンホールアジャスタ21は、ピンホール素子10すなわちピンホール12の位置を調整可能に、円筒状のケーシング31の先端面に組み付けられる。ケーシング31には、集光レンズ24がピンホールアジャスタ21の後方位置にて組み込まれる。
【0016】
ピンホールアジャスタ21は、図2および図3に示すように、周囲を3箇所切り欠いた環状に構成されており、径方向に突出した3箇所の突起部21aにて3個の調整ねじ25によってケーシング31に組み付けられている。これらの調整ねじ25の締め付け程度により、ピンホール素子10はピンホールアジャスタ21とともにその軸線方向の位置が調整される。ピンホールアジャスタ21の3箇所の切り欠き部21bには、ケーシング31に螺着された3個の偏心カム26の各外周面がそれぞれ当接している。これらの偏心カム26を回動することにより、ピンホール素子10はピンホールアジャスタ21とともにその軸線方向に直交する2次元平面内の位置が調整される。
【0017】
このようにしてピンホールアジャスタ21および集光レンズ24を組み付けたケーシング31は、円筒状のハウジング32の先端部分に組み込まれている。ケーシング31内には、半導体レーザ33がレーザホルダ34に組み付けられて組み込まれているとともに、半導体レーザ33の前方位置にてコリメートレンズ35が組み込まれている。そして、ケーシング31内においては、半導体レーザ33から出射されたレーザ光がコリメートレンズ35を介して平行なレーザ光に変換されて集光レンズ24に導かれるようになっている。
【0018】
このように構成した光学装置100においては、集光レンズ24が、半導体レーザ33からコリメートレンズ35を介して供給される平行レーザ光をピンホール素子10のピンホール12にて焦点を結びスポットSPを形成する。このスポットSPの直径は、前述のようにレーザ光の波長の1.5倍が好ましいが、3/2〜100倍程度であってもよい。
【0019】
また、レーザ光の焦点がピンホール12に一致しない場合には、調整ねじ25を回動することによりピンホール素子10をレーザ光の光軸方向に移動させて、ピンホール12のレーザ光の光軸方向位置を調整する。レーザ光の光軸がピンホールと一致していなければ、偏心カム26を回動することによりピンホール素子10をレーザ光の光軸と直交する2次元平面内で移動させて、ピンホール12のレーザ光の光軸方向と直交する2次元平面内の位置を調整する。
【0020】
c.ピンホール素子の位置調整
次に、ピンホール素子10の位置調整について説明する。この位置調整においては、光学装置100の前方に、ピンホール素子10上に形成されるレーザスポットSPを観測するための観測装置200を配置する。観測装置200は、光学顕微鏡41、NDフィルタ42、集光レンズ43およびCCDカメラ44をこの順に配置したものである。光学顕微鏡41は、ピンホール素子10上のレーザ光を拡大する。NDフィルタ42は、通過するレーザ光の光量を調整するもので、複数種類用意されており、その選択によってCCDカメラ44に到達するレーザ光の光量が調整される。集光レンズ43は、光学顕微鏡41およびNDフィルタ42を介したレーザ光をCCDカメラ44の撮像素子に集光する。
【0021】
このような観測装置200を配置した結果、CCDカメラ44の撮像素子上に、ピンホール素子10上に形成されているレーザスポットSPが形成され、作業者はスポットSPを目視で観察できるようになる。
【0022】
次に、この観測装置200を用いたピンホール素子10の位置調整について具体的に説明する。レーザ光の焦点位置がピンホール素子10上に一致していなけければ、ピンホール素子10上に形成されるレーザスポットSPは、図5(A)に示すように、ピンホールに比べてかなり大きくなる。このレーザスポットSPは透光部13〜16のいずれかを介して作業者に目視で観察され、作業者はピンホール素子10のレーザ光の光軸方向における位置を調整する。具体的には、前述したように、調整ねじ25を回動して、ピンホール素子10の軸線方向の位置を調整する。その結果、レーザ光の焦点がピンホール素子10上に一致すれば、レーザスポットSPは、図5(B)(C)に示すように、ピンホールとほぼ同じ大きさ、詳しくは若干だけ大きくなる。図5(B)の場合には、透孔部16を介してレーザスポットSPを観察できる。図5(C)の場合には、遮光部17によってレーザスポットSPを観察できない。なお、作業者は、このときの調節ねじ25の回動位置を覚えておく。
【0023】
また、レーザ光の光軸がピンホール12に一致していなければ、レーザスポットSPは、図6(A)(B)に示すようにピンホール12から偏心して形成される。この場合、作業者は、調節ねじ25を前記覚えていた位置から回動して、レーザスポットSPの大きさを図6(A)(B)のように大きくする。このレーザスポットSPは、透光部13〜16のいずれかを介して作業者に目視で観察され、作業者はピンホール素子10の光軸方向と直交する2次元平面内の位置を調整する。具体的には、前述したように、偏心カム26を回動して、ピンホール素子10をレーザ光の軸線方向と直交する2次元平面における位置を調整する。その結果、レーザ光の光軸がピンホール12に一致すれば、レーザスポットSPは、図6(C)の示すように、ピンホール12と同心に形成される。この状態は、ピンホール12および透孔部13〜16を介して目視される。その後、作業者は、調節ねじ25を前記覚えておいた位置まで回動して、レーザ光の焦点がピンホール素子10上に一致するように戻す。
【0024】
上記説明からも理解できるとおり、上記実施形態によるピンホール素子10は安価に製造される。また、このピンホール素子10に形成されるレーザスポットSPをCCDカメラ44などの撮像装置を用いて目視することにより、レーザ光の焦点および光軸がピンホール12に一致するようにピンホール素子10の位置調整を簡単に行なうことができる。
【0025】
d.変形例
以上、本発明の一実施形態についてのみ説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
【0026】
例えば、上記実施形態においては、透明基板11上に4個の透孔部13〜16を設けるようにした。しかし、これに代えて、周方向に等角度間隔であれば、さらに多数の透孔部をピンホール12を中心に放射状に設けるようにしてもよい。図7は、透孔部13〜16の間に透孔部18a〜18dをさらに設け、45度間隔で8個の透孔部を設けたものである。なお、これらの透孔部18a〜18dも上記実施形態の透孔部13〜16と同一形状である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施形態に係るピンホール素子の斜視図であり、(B)は同ピンホール素子の一部の拡大図である。
【図2】前記ピンホール素子を組み込んだ光学装置の分解斜視図である。
【図3】図2のピンホールアジャスタ部の拡大正面図である。
【図4】ピンホール素子上に形成されるレーザスポットを観測するための観測装置の概略図である。
【図5】(A)〜(C)は、ピンホール素子上に形成されるレーザスポットの状態図である。
【図6】(A)〜(C)は、ピンホール素子上に形成されるレーザスポットの状態図である。
【図7】前記実施形態の変形例に係るピンホール素子の斜視図である。
【符号の説明】
10…ピンホール素子、11…透明基板、12…ピンホール、13〜16,18a〜18d…透光部、17…遮光部、21…ピンホールアジャスタ、22…ピンホールホルダ、25…調整ねじ、26…偏心カム、33…半導体レーザ、100…光学装置、200…観測装置。
Claims (5)
- 透明基板上に微小な円形の透光部を残して同透光部の周囲に非透光剤を塗布した遮光部を設けることにより透明基板上にピンホールを形成したピンホール素子において、前記遮光部に前記ピンホールを中心にして放射状に複数の長尺状の透光部を設けたことを特徴とするピンホール素子。
- 前記複数の長尺状の透光部は、前記ピンホールを中心にそれぞれ等しい角度を隔てて放射状に配置されている請求項1に記載したピンホール素子。
- 前記長尺状の透光部の数は4である請求項1または2に記載したピンホール素子。
- 前記複数の長尺状の透光部はそれぞれ長方形である請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載したピンホール素子。
- 前記請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載したピンホール素子を有し、レーザ光による点光源を生成する光学装置。
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