JP2004309180A - マイナスイオン発生具 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の燃焼効率を向上できるマイナスイオン発生具を提供する。
【解決手段】鉱物として石英と、長石と、緑泥石と、角閃石とを含有し、放射性同位元素としてタリウムと、カリウムと、鉛と、ビスマスとを含有し、希土類元素としてイットリウムと、セリウムと、ネオジウムと、トリウムとを含有する混合鉱物を含むマイナスイオン発生具であり、例えば、板材3の一面にβ線放射混合鉱物の粉末とバインダーを蒸着させてβ線放射層5を形成したマイナスイオン発生具1とする。これにより、マイナスイオン発生具が主にβ線を放射することにより、マイナスイオンを発生させ、発生したマイナスイオンの作用により燃焼効率が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】鉱物として石英と、長石と、緑泥石と、角閃石とを含有し、放射性同位元素としてタリウムと、カリウムと、鉛と、ビスマスとを含有し、希土類元素としてイットリウムと、セリウムと、ネオジウムと、トリウムとを含有する混合鉱物を含むマイナスイオン発生具であり、例えば、板材3の一面にβ線放射混合鉱物の粉末とバインダーを蒸着させてβ線放射層5を形成したマイナスイオン発生具1とする。これにより、マイナスイオン発生具が主にβ線を放射することにより、マイナスイオンを発生させ、発生したマイナスイオンの作用により燃焼効率が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイナスイオン発生具に係り、特に、放射線を放射することでマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生具に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車やオートバイなどをはじめとする内燃機関の燃焼効率を向上する技術の一つとして、内燃機関の燃焼用空気を吸入する流路や、内燃機関の燃料となるガソリンのタンクや流路などに放射線を照射する装置を取り付け、燃焼用空気や燃料に放射線を照射することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように、燃焼用空気や燃料に放射線を照射することにより燃焼効率を向上できるのは、α線、β線、γ線のイオン化作用によりマイナスイオンが発生し、このマイナスイオンの作用によって空気中の酸素や水などの分子や、燃料分子のクラスターが小さくなることによるものと考えられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−332303号公報(第2−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、放射線を放射するマイナスイオン発生具は、隔離された状況で用いるものではないため、人などに対する影響を考慮しなければならない。このため、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度の安全に対する規定などを考慮する必要がある。
【0005】
ところが、本願の発明者が検討したところ、γ線を主に放射する放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にした場合、マイナスイオンの発生効果が低下するか、または、ほとんどマイナスイオンの発生効果が得られなくなってしまうことがわかった。言い換えれば、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にすると、燃焼効率を向上できない場合があることがわかった。このため、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にしても燃焼効率を向上できること、つまり燃焼効率を確実に向上できることが必要である。なお、特許文献1ではこのような問題に関して何ら考慮されていない。
【0006】
本発明の課題は、燃焼効率を確実に向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイナスイオン発生具は、鉱物として石英と、長石と、緑泥石と、角閃石とを含有し、放射性同位元素としてタリウムと、カリウムと、鉛と、ビスマスとを含有し、希土類元素としてイットリウムと、セリウムと、ネオジウムと、トリウムとを含有する混合鉱物を含む構成とすることにより上記課題を解決する。
【0008】
このような構成とすることにより、γ線に比べて人への影響が少ない上、マイナスイオンの発生効果がγ線より大きく、さらにα線よりも透過力が強いβ線を主に放射させることができる。これにより、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にしても、マイナスイオンの発生効果が得られ、燃焼効率を確実に向上できる。
【0009】
さらに、板状部材の少なくとも一面に混合鉱物の粉体または粒体を含む層を形成した構成とする。このような構成とすれば、マイナスイオン発生具が板状であるため、燃焼用空気や燃料の流路やタンクなどへ粘着テープなどを用いて貼り付けることなどで取付ができ、マイナスイオン発生具の取り付けを容易にできる。
【0010】
また、混合鉱物の塊または破砕物の周囲をβ線が透過可能な多孔質層で覆った構成とすれば、混合鉱物の塊または破砕物を含むマイナスイオン発生具とする場合、マイナスイオン発生具を所望の大きさや形状にできる。
【0011】
さらに、容器内に形成された流路と、この流路の一端に設けられた流体の入口部と、この流路の他端に設けられた流体の出口部と、混合鉱物の塊または破砕物の周囲をβ線が透過可能な多孔質層で覆った複数のβ線放射部材とを備え、これら複数のβ線放射部材は、流路内に遊びを有した状態で収容されている構成とする。このような構成とすれば、流路に流体が通流したとき、流体の流れによってβ線放射部材が流路内で動くため、流路内を通流する流体とβ線放射部材との接触の機会が増え、流路内を通流する流体にまんべんなくβ線が放射され易くなり、流路内を通流する流体がまんべんなくマイナスイオンの作用を受け易くなる。したがって、燃焼効率をより確実に向上できる。
【0012】
また、容器内に形成された流路は、螺旋状または蛇行状に形成されている構成とすれば、同じ大きさの容器内により長い流路を形成することができるため、流路内を通流する流体とβ線放射部材との接触の機会がさらに増える。したがって、燃焼効率をさらに確実に向上できる。
【0013】
さらに、多孔質層の外面が球面状に形成されてなる構成とする。これにより、球形のマイナスイオン発生具、または、球形のβ線放射部材を流路内に収容したマイナスイオン発生具となる。このため、流体の流れや振動により球形のマイナスイオン発生具、または、球形のβ線放射部材がタンクや流路内で移動し易くなり、流体に一層まんべんなくβ線が放射され易くなり、流路内を通流する流体が一層まんべんなくマイナスイオンの作用を受け易くなる。したがって、燃焼効率を一層確実に向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなるマイナスイオン発生具の一実施形態について図1及び図5を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は本図(a)のI−I線での断面図である。図2は、本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具をインテークマニホールドに装着した例と効果を説明する断面図である。図3は、本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は本図(a)のII−II線での断面図である。図4は、本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具をガソリンタンクに用いた例を説明するガソリンタンクの断面図である。図5は、本発明を適用してなるユニット型のマイナスイオン発生具の概略構成を説明する図であり、(a)は燃料パイプに装着した状態の平面図、(b)は斜視図、(c)は、本図(a)のIII−III線での断面から見た矢視図である。
【0015】
本願の発明者は、主にβ線を放射する鉱物を探索した結果、火山帯または火山帯近傍の鉱脈から採掘される混合鉱物に主にβ線を放射する混合鉱物(以下、β線放射混合鉱物と称する)があることを見いだした。このβ線放射混合鉱物を分析した結果、鉱物として石英、長石、緑泥石、そして角閃石を含有し、放射性同位元素としてタリウム、カリウム、鉛、そしてビスマスを含有し、希土類元素としてイットリウム、セリウム、ネオジウム、そしてトリウムを含有する混合鉱物であることがわかった。このβ線放射混合鉱物は、上記以外の鉱物や放射性同位元素なども含有しているが、鉱物として石英、長石、緑泥石、そして角閃石を、そして、放射性同位元素としてタリウム、カリウム、鉛、そしてビスマスを主として含有するものである。また、この混合鉱物は、種々の元素を含んでいるが、希土類元素としては、主にイットリウム、セリウム、ネオジウム、そしてトリウムを含有している。
【0016】
このようなβ線放射混合鉱物は、以下のような方法で探索され採掘される。まず、火山帯または火山帯近傍でガイガーカウンタを用い、ガイガーカウンタに反応を示す鉱脈を探す。次に、探し当てた鉱脈から鉱物サンプルを採取し、このサンプルの組成を分析すると共に、マイナスイオンカウンタ(例えばアンデス電気社製)を用いて反応を調べる。これにより、サンプルがβ線を主に放射する鉱物組成であり、マイナスイオンカウンタに反応があれば、その鉱脈が、本発明のマイナスイオン発生具に用いるβ線放射混合鉱物の鉱脈である。
【0017】
このようにして探索したβ線放射混合鉱物の鉱脈から採掘したβ線放射混合鉱物は、様々な形状や状態に加工してマイナスイオン発生具とすることができる。本発明を適用してなるβ線放射混合鉱物を利用したマイナスイオン発生具は、自然に賦存する放射線を放出する同位元素及びその化合物並びにこれらの含有物で固体状のものであるため、放射性同位元素の濃度は、370ベクレル毎グラムまで含有でき、天然のものを利用していない場合に比べて約5倍の濃度にでき、マイナスイオンの発生量を増大できる。
【0018】
ここで、マイナスイオン発生具としての実施形態について説明する。一つの例としては、平板状に形成したプレート型のマイナスイオン発生具がある。プレート型のマイナスイオン発生具1は、図1に示すように、熱耐性を有する帯状の板材3の一面にβ線放射混合鉱物を含むβ線放射層5を形成したものである。板材3は、熱耐性を有していれば、種々の金属材料やエンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂材料など様々な材料を用いることができる。β線放射層5は、β線放射混合鉱物を粉砕して粉体状または粒体状にしたものを、1種類または複数種類のバインダーなどと共に、金属板3の一面に蒸着させることで形成したものである。
【0019】
このようなプレート型のマイナスイオン発生具1は、例えば、内燃機関の燃焼用空気の吸気系を構成する流路などに装着して用いる。自動車やオートバイなどのエンジンの場合には、図2に示すように、例えば吸気系を構成してエンジンへの燃焼用空気の入口部となるインテークマニホールド7の外側表面にマイナスイオン発生具1を耐熱性の粘着テープ、例えばアルミテープ9などを用いてβ線放射層5をインテークマニホールド7の外側表面側に装着する。
【0020】
このようにインテークマニホールド7にマイナスイオン発生具1を装着することにより、マイナスイオン発生具1が主にβ線からなる放射線を放射し、マイナスイオンを発生させる。マイナスイオン発生具1により発生したマイナスイオンは、インテークマニホールド7内を通流する空気中の酸素や水などの分子10のクラスターを細分化する。細分化された酸素などの分子10は、燃料と混合され易くなるため、エンジンの燃焼効率が向上する。
【0021】
さらに、燃焼効率が向上することにより、燃焼をより完全燃焼に近づけることができ、排気を清浄化することができる。例えば、マイナスイオン発生具1が、幅5mm程度、長さ60mm程度である場合、普通乗用車クラスのディーゼル車に、このマイナスイオン発生具1を2枚程度装着する。これにより、排ガス中の黒煙の量を半分以下にできる。加えて、燃焼時にエンジンのシリンダー内での黒煙の発生を低減できるため、エンジンオイルの汚れを低減でき、エンジンオイルの寿命を、例えば2〜3倍と言った程度に延ばすことができる。さらに、エンジンオイルの寿命が延びることにより、エンジンオイルによるエンジンの保護効果を向上でき、エンジンの寿命を延ばすことができる。
【0022】
加えて、燃焼効率が向上することにより、エンジンが発生するトルクや馬力を向上できる。さらに、トルクが向上することにより、燃費を向上できる。
【0023】
なお、プレート型のマイナスイオン発生具1は、燃焼用空気の吸気系や燃料供給系などの流路やエンジンヘッドなど任意の場所に装着することができる。吸気系に装着する場合には、ここに例示したように、できるだけエンジンに近いところに装着することによって効果をより向上できる。また、プレート型のマイナスイオン発生具1を形成する場合、耐熱性を有する粘着テープの粘着面の一部にβ線放射層を形成した構成などにすることもできる。
【0024】
他の例としては、球状に形成したボール型のマイナスイオン発生具11がある。ボール型のマイナスイオン発生具11は、図3に示すように、β線放射混合鉱物13の周囲に、外表面を球状にした保護層15を形成したものである。β線放射混合鉱物13は、形成する球体の大きさに合わせて、適当な大きさのものを用いるか、または破砕して大きさを調整して用いる。保護層15は、多孔質となる材料で、かつβ線を透過可能な材料、例えばセラミックなどで形成したものである。
【0025】
このようなボール型のマイナスイオン発生具11は、例えば、内燃機関の燃料を供給する燃料供給系を構成するタンクや流路などに投入または装着して用いる。自動車やオートバイなどのエンジンの場合には、図4に示すように、例えばガソリンタンク17内に適当な数、給油管路19の図示していない給油口から投入する。ガソリンタンク17のエンジンにガソリン18を供給するための燃料パイプ21が連結された流出口部23にストレーナー25などが設けられている場合、マイナスイオン発生具11の径が、このストレーナー25の目よりも大きければ、マイナスイオン発生具11が、ガソリンタンク17から流出することはない。
【0026】
このようにマイナスイオン発生具11をガソリンタンク17内に投入しておくことにより、マイナスイオン発生具11が主にβ線からなる放射線を放射し、マイナスイオンを発生させる。マイナスイオン発生具11により発生したマイナスイオンは、ガソリンタンク17内の燃料分子などのクラスターを細分化する。細分化された燃料分子などは、燃焼剤である酸素などと混合され易くなるため、エンジンの燃焼効率が向上する。
【0027】
さらに、燃焼効率が向上することにより、エンジンが発生するトルクや馬力を向上できる。加えて、トルクなどが向上することにより、燃費を向上できる。例えば、マイナスイオン発生具11がセラミック製の保護層15を有し、直径が12mm程度の場合、ガソリン10〜20リットルに1個の割合でボール型のマイナスイオン発生具11をガソリンタンク17内に投入する。これにより、トルクが向上し、例えばマイナスイオン発生具11を使用していないときのアクセル開度が50%であった場合、マイナスイオン発生具11の使用によりアクセル開度を40%程度にまで減すことができ、燃費を約10〜40%向上できる。
【0028】
一方、吸気系に装着したマイナスイオン発生具と組み合わせた場合、排ガスの清浄化、エンジンオイルの長寿命化、エンジンの長寿命化などの効果を一層向上することができる。
【0029】
さらに、保護層15が多孔質であるため、ガソリンが保護層15内に浸透してマイナスイオンの作用を受けやすくなる。加えて、マイナスイオン発生具11は、ボール型、つまり球形である。このため、マイナスイオン発生具11は、自動車やバイクの走行によってガソリンタンク17内で転がり、ガソリンタンク17内のガソリン18との接触の機会が他の形状に比べて増し、ガソリン18にまんべんなくマイナスイオンを作用させることができる。
【0030】
なお、ボール型のマイナスイオン発生具11は、ガソリンタンク17などに投入できる他、網状の袋や箱などのに収容し、中燃焼用空気の吸気系や燃料供給系などの流路やエンジンヘッドなど任意の場所に装着することもできる。ただし、吸気系には、プレート型のマイナスイオン発生具1を装着し、燃料供給系には、ボール型のマイナスイオン発生具11を燃料タンク内に投入することでマイナスイオン発生具を用いれば、マイナスイオン発生具の使用のために、吸気系や燃料供給系を加工する必要がない。また、β線放射混合鉱物を保護層で覆った構成の場合、球形でない形状にすることもできるが、球形にした方が、マイナスイオン発生具が転がることにより、マイナスイオンを作用させる流体によりまんべんなくマイナスイオンを作用させることができ、燃焼効率をより向上できる。
【0031】
また、別の例としては、マイナスイオン発生具11と同じ構成のβ線放射部材を形成し、複数のこのβ線放射部材を容器内に収容して1つのマイナスイオン発生具11のユニットとし、吸気系や燃料供給系を構成する管路に挿入し易くしたユニット型のマイナスイオン発生具がある。ユニット型のマイナスイオン発生具29は、図5に示すように、外形が円柱状の容器31内に螺旋状の流路33を形成し、この螺旋状の流路33の両端に、各々、容器31の外周面から、この外周面の接線方向に突設された2つの出入口管路35、37を形成したものである。2つの出入口管路35、37は、互いに反対方向に向かって延在している。
【0032】
螺旋状の流路33内には、マイナスイオン発生具11と同じ構成で、β線放射混合鉱物の周囲をセラミック製で外面を球状にした保護層で覆った構造のβ線放射部材39が複数収容されている。螺旋状の流路33の幅または径は、β線放射部材39の径よりも大きく形成されており、また、複数のβ線放射部材39は、隣り合うβ線放射部材39との間に互いに間隔が形成される状態で収容されている。したがって、β線放射部材39は、遊びを有した状態で螺旋状の流路33内に収容された状態となっており、螺旋状の流路33内で動くことができる。このような、マイナスイオン発生具29は、例えばガソリンタンクからエンジンに燃料を導く燃料パイプ41が合成樹脂製の場合、この燃料パイプ41を適当な場所で切断し、切断した燃料パイプ41の2つの切断部に各々2つの出入口管路35、37を挿入する。
【0033】
このようなユニット型のマイナスイオン発生具29は、ガソリンが内部の螺旋状の流路33を通流することにより、ガソリンとβ線放射部材39とが接触する。
これにより、β線放射部材39が主にβ線からなる放射線を放射し、マイナスイオンを発生させる。β線放射部材39により発生したマイナスイオンは、螺旋状の流路33内を通流するガソリンの分子などのクラスターを細分化する。細分化された燃料分子などは、燃焼剤である酸素などと混合され易くなるため、エンジンの燃焼効率が向上する。
【0034】
さらに、β線放射部材39が螺旋状の流路33内に遊びを有した状態で収容されているため、β線放射部材39がガソリンの通流により動き、β線放射部材39とガソリンとの接触の機会が増える。したがって、ガソリンがまんべんなくマイナスイオンの作用を受け易くなる。加えて、容器31内には、螺旋状の流路33が形成されているため、同じ外寸の容器内により長い流路が形成された状態となるため、より多くのβ線放射部材を収容でき、β線放射部材39とガソリンとの接触の機会が増やすことができる。また、ユニット型のマイナスイオン発生具の大きさを小型化できる。
【0035】
なお、ユニット型のマイナスイオン発生具は、容器の形状や容器内に形成する流路の形状などは、様々な形状にできる。また、ユニット型のマイナスイオン発生具は、燃料供給系に限らず、吸気系などにも用いることができる。
【0036】
また、本発明を適用してなるマイナスイオン発生具は、ここに例示したプレート型、ボール型、ユニット型などの形状及び構成に限らず、様々な形状及び構成にできる。例えば、β線放射混合鉱物を粉砕したものをバインダーなどと混合してペースと状にしたマイナスイオン発生具とし、このペースト状のマイナスイオン発生具を吸気系や燃料供給系の流路の内面や外面に塗布して固着させることなどもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を適用してなるマイナスイオン発生具の効果について実験した結果の一例を示す。
【0038】
(実施例1)
ディーゼルエンジンを搭載したトラックの燃料タンクに上記に例示した構成の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11を9個投入し、エンジン回転数4800rpmでマフラーからの排ガスを1時間の間フィルターでろ過し、黒煙の元となる排ガス中の煤煙を捕集した。実験は、同条件で3回行った。
【0039】
(実施例2)
9個の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11に加え、幅5mm、長さ60mmのプレート型のマイナスイオン発生具1を使用した。プレート型のマイナスイオン発生具1は、インレットマニホールドに5枚貼り付けた。実験は、実施例1と同条件で3回行った。
【0040】
(比較例1)
マイナスイオン発生具を使用せずに、実施例1、2と同条件で3回実験を行った。
【0041】
【表1】
この結果を表1に示す。比較例1では、排ガス中の黒煙の濃度は、平均で47%程度であったのに対し、実施例1では、平均で24%程度に減少し、実施例2では、平均で11%程度にまでさらに減少している。
【0042】
(実施例3)
ディーゼルエンジンを搭載したバンの燃料タンクに上記に例示した構成の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11を6個投入し、エンジン回転数5000rpmでマフラーからの排ガスを1時間の間フィルターでろ過し、黒煙の元となる排ガス中の煤煙を捕集した。実験は、同条件で3回行った。
【0043】
(実施例4)
6個の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11に加え、幅5mm、長さ60mmのプレート型のマイナスイオン発生具1を使用した。プレート型のマイナスイオン発生具1は、インレットマニホールド、エンジンヘッドカバー、燃料フィルターに計5枚貼り付けた。実験は、実施例3と同条件で3回行った。ただし、3回の実験のうち2回は、エンジン回転数4000rpmで行った。
【0044】
(比較例2)
マイナスイオン発生具を使用せずに、実施例3と同条件で3回実験を行った。
【0045】
【表2】
この結果を表1に示す。比較例1では、排ガス中の黒煙濃度は、平均で35%程度であったのに対し、実施例3では、平均で17%程度に減少し、実施例2では、エンジン回転数5000rpmで12%程度にまでさらに減少している。また、実施例2で、エンジン回転数4000rpmに下げると、平均で4%程度にまでさらに減少している。
【0046】
(実施例5)
ガソリンエンジンを搭載した普通乗用車のガソリンタンクに上記に例示した構成の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11を3個投入すると共に、幅5mm、長さ60mmのプレート型のマイナスイオン発生具1をインレットマニホールドに2枚貼り付けた。シャーシダイナモによりギアポジションを上げながら速度を上げて行き、このときの回転数に対するトルクと馬力の計測を行った。
【0047】
(比較例3)
マイナスイオン発生具を使用せずに、実施例5と同条件で実験を行った。
【0048】
この結果、図6及び図7に示すように、マイナスイオン発生具を使用していない比較例3に比べて、マイナスイオン発生具を使用した実施例5の方がトルク及び馬力ともに上昇した。特に、低回転から中回転域において、トルク及び馬力の上昇が顕著であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関の燃焼効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は本図(a)のI−I線での断面図である。
【図2】本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具をインテークマニホールドに装着した例と効果を説明する断面図である。
【図3】本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は本図(a)のII−II線での断面図である。
【図4】本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具をガソリンタンクに用いた例を説明するガソリンタンクの断面図である。
【図5】本発明を適用してなるユニット型のマイナスイオン発生具の概略構成を説明する図であり、(a)は燃料パイプに装着した状態の平面図、(b)は斜視図、(c)は、本図(a)のIII−III線での断面図である。
【図6】本発明を適用してなるマイナスイオン発生具を使用した場合と、使用していない場合のエンジンのトルクを比較した一例の図である
【図7】本発明を適用してなるマイナスイオン発生具を使用した場合と、マイナスイオン発生具を使用していない場合のエンジンの馬力を比較した一例の図である。
【符号の説明】
1、11、29 マイナスイオン発生具
3 板材
5 β線放射層
13 β線放射混合鉱物
15 保護層
31 容器
33 流路
39 β線放射部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイナスイオン発生具に係り、特に、放射線を放射することでマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生具に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車やオートバイなどをはじめとする内燃機関の燃焼効率を向上する技術の一つとして、内燃機関の燃焼用空気を吸入する流路や、内燃機関の燃料となるガソリンのタンクや流路などに放射線を照射する装置を取り付け、燃焼用空気や燃料に放射線を照射することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように、燃焼用空気や燃料に放射線を照射することにより燃焼効率を向上できるのは、α線、β線、γ線のイオン化作用によりマイナスイオンが発生し、このマイナスイオンの作用によって空気中の酸素や水などの分子や、燃料分子のクラスターが小さくなることによるものと考えられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−332303号公報(第2−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、放射線を放射するマイナスイオン発生具は、隔離された状況で用いるものではないため、人などに対する影響を考慮しなければならない。このため、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度の安全に対する規定などを考慮する必要がある。
【0005】
ところが、本願の発明者が検討したところ、γ線を主に放射する放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にした場合、マイナスイオンの発生効果が低下するか、または、ほとんどマイナスイオンの発生効果が得られなくなってしまうことがわかった。言い換えれば、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にすると、燃焼効率を向上できない場合があることがわかった。このため、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にしても燃焼効率を向上できること、つまり燃焼効率を確実に向上できることが必要である。なお、特許文献1ではこのような問題に関して何ら考慮されていない。
【0006】
本発明の課題は、燃焼効率を確実に向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイナスイオン発生具は、鉱物として石英と、長石と、緑泥石と、角閃石とを含有し、放射性同位元素としてタリウムと、カリウムと、鉛と、ビスマスとを含有し、希土類元素としてイットリウムと、セリウムと、ネオジウムと、トリウムとを含有する混合鉱物を含む構成とすることにより上記課題を解決する。
【0008】
このような構成とすることにより、γ線に比べて人への影響が少ない上、マイナスイオンの発生効果がγ線より大きく、さらにα線よりも透過力が強いβ線を主に放射させることができる。これにより、放射性同位元素や放射性同位元素を含む固体物の濃度を安全に対する規定などの範囲内にしても、マイナスイオンの発生効果が得られ、燃焼効率を確実に向上できる。
【0009】
さらに、板状部材の少なくとも一面に混合鉱物の粉体または粒体を含む層を形成した構成とする。このような構成とすれば、マイナスイオン発生具が板状であるため、燃焼用空気や燃料の流路やタンクなどへ粘着テープなどを用いて貼り付けることなどで取付ができ、マイナスイオン発生具の取り付けを容易にできる。
【0010】
また、混合鉱物の塊または破砕物の周囲をβ線が透過可能な多孔質層で覆った構成とすれば、混合鉱物の塊または破砕物を含むマイナスイオン発生具とする場合、マイナスイオン発生具を所望の大きさや形状にできる。
【0011】
さらに、容器内に形成された流路と、この流路の一端に設けられた流体の入口部と、この流路の他端に設けられた流体の出口部と、混合鉱物の塊または破砕物の周囲をβ線が透過可能な多孔質層で覆った複数のβ線放射部材とを備え、これら複数のβ線放射部材は、流路内に遊びを有した状態で収容されている構成とする。このような構成とすれば、流路に流体が通流したとき、流体の流れによってβ線放射部材が流路内で動くため、流路内を通流する流体とβ線放射部材との接触の機会が増え、流路内を通流する流体にまんべんなくβ線が放射され易くなり、流路内を通流する流体がまんべんなくマイナスイオンの作用を受け易くなる。したがって、燃焼効率をより確実に向上できる。
【0012】
また、容器内に形成された流路は、螺旋状または蛇行状に形成されている構成とすれば、同じ大きさの容器内により長い流路を形成することができるため、流路内を通流する流体とβ線放射部材との接触の機会がさらに増える。したがって、燃焼効率をさらに確実に向上できる。
【0013】
さらに、多孔質層の外面が球面状に形成されてなる構成とする。これにより、球形のマイナスイオン発生具、または、球形のβ線放射部材を流路内に収容したマイナスイオン発生具となる。このため、流体の流れや振動により球形のマイナスイオン発生具、または、球形のβ線放射部材がタンクや流路内で移動し易くなり、流体に一層まんべんなくβ線が放射され易くなり、流路内を通流する流体が一層まんべんなくマイナスイオンの作用を受け易くなる。したがって、燃焼効率を一層確実に向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなるマイナスイオン発生具の一実施形態について図1及び図5を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は本図(a)のI−I線での断面図である。図2は、本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具をインテークマニホールドに装着した例と効果を説明する断面図である。図3は、本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は本図(a)のII−II線での断面図である。図4は、本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具をガソリンタンクに用いた例を説明するガソリンタンクの断面図である。図5は、本発明を適用してなるユニット型のマイナスイオン発生具の概略構成を説明する図であり、(a)は燃料パイプに装着した状態の平面図、(b)は斜視図、(c)は、本図(a)のIII−III線での断面から見た矢視図である。
【0015】
本願の発明者は、主にβ線を放射する鉱物を探索した結果、火山帯または火山帯近傍の鉱脈から採掘される混合鉱物に主にβ線を放射する混合鉱物(以下、β線放射混合鉱物と称する)があることを見いだした。このβ線放射混合鉱物を分析した結果、鉱物として石英、長石、緑泥石、そして角閃石を含有し、放射性同位元素としてタリウム、カリウム、鉛、そしてビスマスを含有し、希土類元素としてイットリウム、セリウム、ネオジウム、そしてトリウムを含有する混合鉱物であることがわかった。このβ線放射混合鉱物は、上記以外の鉱物や放射性同位元素なども含有しているが、鉱物として石英、長石、緑泥石、そして角閃石を、そして、放射性同位元素としてタリウム、カリウム、鉛、そしてビスマスを主として含有するものである。また、この混合鉱物は、種々の元素を含んでいるが、希土類元素としては、主にイットリウム、セリウム、ネオジウム、そしてトリウムを含有している。
【0016】
このようなβ線放射混合鉱物は、以下のような方法で探索され採掘される。まず、火山帯または火山帯近傍でガイガーカウンタを用い、ガイガーカウンタに反応を示す鉱脈を探す。次に、探し当てた鉱脈から鉱物サンプルを採取し、このサンプルの組成を分析すると共に、マイナスイオンカウンタ(例えばアンデス電気社製)を用いて反応を調べる。これにより、サンプルがβ線を主に放射する鉱物組成であり、マイナスイオンカウンタに反応があれば、その鉱脈が、本発明のマイナスイオン発生具に用いるβ線放射混合鉱物の鉱脈である。
【0017】
このようにして探索したβ線放射混合鉱物の鉱脈から採掘したβ線放射混合鉱物は、様々な形状や状態に加工してマイナスイオン発生具とすることができる。本発明を適用してなるβ線放射混合鉱物を利用したマイナスイオン発生具は、自然に賦存する放射線を放出する同位元素及びその化合物並びにこれらの含有物で固体状のものであるため、放射性同位元素の濃度は、370ベクレル毎グラムまで含有でき、天然のものを利用していない場合に比べて約5倍の濃度にでき、マイナスイオンの発生量を増大できる。
【0018】
ここで、マイナスイオン発生具としての実施形態について説明する。一つの例としては、平板状に形成したプレート型のマイナスイオン発生具がある。プレート型のマイナスイオン発生具1は、図1に示すように、熱耐性を有する帯状の板材3の一面にβ線放射混合鉱物を含むβ線放射層5を形成したものである。板材3は、熱耐性を有していれば、種々の金属材料やエンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂材料など様々な材料を用いることができる。β線放射層5は、β線放射混合鉱物を粉砕して粉体状または粒体状にしたものを、1種類または複数種類のバインダーなどと共に、金属板3の一面に蒸着させることで形成したものである。
【0019】
このようなプレート型のマイナスイオン発生具1は、例えば、内燃機関の燃焼用空気の吸気系を構成する流路などに装着して用いる。自動車やオートバイなどのエンジンの場合には、図2に示すように、例えば吸気系を構成してエンジンへの燃焼用空気の入口部となるインテークマニホールド7の外側表面にマイナスイオン発生具1を耐熱性の粘着テープ、例えばアルミテープ9などを用いてβ線放射層5をインテークマニホールド7の外側表面側に装着する。
【0020】
このようにインテークマニホールド7にマイナスイオン発生具1を装着することにより、マイナスイオン発生具1が主にβ線からなる放射線を放射し、マイナスイオンを発生させる。マイナスイオン発生具1により発生したマイナスイオンは、インテークマニホールド7内を通流する空気中の酸素や水などの分子10のクラスターを細分化する。細分化された酸素などの分子10は、燃料と混合され易くなるため、エンジンの燃焼効率が向上する。
【0021】
さらに、燃焼効率が向上することにより、燃焼をより完全燃焼に近づけることができ、排気を清浄化することができる。例えば、マイナスイオン発生具1が、幅5mm程度、長さ60mm程度である場合、普通乗用車クラスのディーゼル車に、このマイナスイオン発生具1を2枚程度装着する。これにより、排ガス中の黒煙の量を半分以下にできる。加えて、燃焼時にエンジンのシリンダー内での黒煙の発生を低減できるため、エンジンオイルの汚れを低減でき、エンジンオイルの寿命を、例えば2〜3倍と言った程度に延ばすことができる。さらに、エンジンオイルの寿命が延びることにより、エンジンオイルによるエンジンの保護効果を向上でき、エンジンの寿命を延ばすことができる。
【0022】
加えて、燃焼効率が向上することにより、エンジンが発生するトルクや馬力を向上できる。さらに、トルクが向上することにより、燃費を向上できる。
【0023】
なお、プレート型のマイナスイオン発生具1は、燃焼用空気の吸気系や燃料供給系などの流路やエンジンヘッドなど任意の場所に装着することができる。吸気系に装着する場合には、ここに例示したように、できるだけエンジンに近いところに装着することによって効果をより向上できる。また、プレート型のマイナスイオン発生具1を形成する場合、耐熱性を有する粘着テープの粘着面の一部にβ線放射層を形成した構成などにすることもできる。
【0024】
他の例としては、球状に形成したボール型のマイナスイオン発生具11がある。ボール型のマイナスイオン発生具11は、図3に示すように、β線放射混合鉱物13の周囲に、外表面を球状にした保護層15を形成したものである。β線放射混合鉱物13は、形成する球体の大きさに合わせて、適当な大きさのものを用いるか、または破砕して大きさを調整して用いる。保護層15は、多孔質となる材料で、かつβ線を透過可能な材料、例えばセラミックなどで形成したものである。
【0025】
このようなボール型のマイナスイオン発生具11は、例えば、内燃機関の燃料を供給する燃料供給系を構成するタンクや流路などに投入または装着して用いる。自動車やオートバイなどのエンジンの場合には、図4に示すように、例えばガソリンタンク17内に適当な数、給油管路19の図示していない給油口から投入する。ガソリンタンク17のエンジンにガソリン18を供給するための燃料パイプ21が連結された流出口部23にストレーナー25などが設けられている場合、マイナスイオン発生具11の径が、このストレーナー25の目よりも大きければ、マイナスイオン発生具11が、ガソリンタンク17から流出することはない。
【0026】
このようにマイナスイオン発生具11をガソリンタンク17内に投入しておくことにより、マイナスイオン発生具11が主にβ線からなる放射線を放射し、マイナスイオンを発生させる。マイナスイオン発生具11により発生したマイナスイオンは、ガソリンタンク17内の燃料分子などのクラスターを細分化する。細分化された燃料分子などは、燃焼剤である酸素などと混合され易くなるため、エンジンの燃焼効率が向上する。
【0027】
さらに、燃焼効率が向上することにより、エンジンが発生するトルクや馬力を向上できる。加えて、トルクなどが向上することにより、燃費を向上できる。例えば、マイナスイオン発生具11がセラミック製の保護層15を有し、直径が12mm程度の場合、ガソリン10〜20リットルに1個の割合でボール型のマイナスイオン発生具11をガソリンタンク17内に投入する。これにより、トルクが向上し、例えばマイナスイオン発生具11を使用していないときのアクセル開度が50%であった場合、マイナスイオン発生具11の使用によりアクセル開度を40%程度にまで減すことができ、燃費を約10〜40%向上できる。
【0028】
一方、吸気系に装着したマイナスイオン発生具と組み合わせた場合、排ガスの清浄化、エンジンオイルの長寿命化、エンジンの長寿命化などの効果を一層向上することができる。
【0029】
さらに、保護層15が多孔質であるため、ガソリンが保護層15内に浸透してマイナスイオンの作用を受けやすくなる。加えて、マイナスイオン発生具11は、ボール型、つまり球形である。このため、マイナスイオン発生具11は、自動車やバイクの走行によってガソリンタンク17内で転がり、ガソリンタンク17内のガソリン18との接触の機会が他の形状に比べて増し、ガソリン18にまんべんなくマイナスイオンを作用させることができる。
【0030】
なお、ボール型のマイナスイオン発生具11は、ガソリンタンク17などに投入できる他、網状の袋や箱などのに収容し、中燃焼用空気の吸気系や燃料供給系などの流路やエンジンヘッドなど任意の場所に装着することもできる。ただし、吸気系には、プレート型のマイナスイオン発生具1を装着し、燃料供給系には、ボール型のマイナスイオン発生具11を燃料タンク内に投入することでマイナスイオン発生具を用いれば、マイナスイオン発生具の使用のために、吸気系や燃料供給系を加工する必要がない。また、β線放射混合鉱物を保護層で覆った構成の場合、球形でない形状にすることもできるが、球形にした方が、マイナスイオン発生具が転がることにより、マイナスイオンを作用させる流体によりまんべんなくマイナスイオンを作用させることができ、燃焼効率をより向上できる。
【0031】
また、別の例としては、マイナスイオン発生具11と同じ構成のβ線放射部材を形成し、複数のこのβ線放射部材を容器内に収容して1つのマイナスイオン発生具11のユニットとし、吸気系や燃料供給系を構成する管路に挿入し易くしたユニット型のマイナスイオン発生具がある。ユニット型のマイナスイオン発生具29は、図5に示すように、外形が円柱状の容器31内に螺旋状の流路33を形成し、この螺旋状の流路33の両端に、各々、容器31の外周面から、この外周面の接線方向に突設された2つの出入口管路35、37を形成したものである。2つの出入口管路35、37は、互いに反対方向に向かって延在している。
【0032】
螺旋状の流路33内には、マイナスイオン発生具11と同じ構成で、β線放射混合鉱物の周囲をセラミック製で外面を球状にした保護層で覆った構造のβ線放射部材39が複数収容されている。螺旋状の流路33の幅または径は、β線放射部材39の径よりも大きく形成されており、また、複数のβ線放射部材39は、隣り合うβ線放射部材39との間に互いに間隔が形成される状態で収容されている。したがって、β線放射部材39は、遊びを有した状態で螺旋状の流路33内に収容された状態となっており、螺旋状の流路33内で動くことができる。このような、マイナスイオン発生具29は、例えばガソリンタンクからエンジンに燃料を導く燃料パイプ41が合成樹脂製の場合、この燃料パイプ41を適当な場所で切断し、切断した燃料パイプ41の2つの切断部に各々2つの出入口管路35、37を挿入する。
【0033】
このようなユニット型のマイナスイオン発生具29は、ガソリンが内部の螺旋状の流路33を通流することにより、ガソリンとβ線放射部材39とが接触する。
これにより、β線放射部材39が主にβ線からなる放射線を放射し、マイナスイオンを発生させる。β線放射部材39により発生したマイナスイオンは、螺旋状の流路33内を通流するガソリンの分子などのクラスターを細分化する。細分化された燃料分子などは、燃焼剤である酸素などと混合され易くなるため、エンジンの燃焼効率が向上する。
【0034】
さらに、β線放射部材39が螺旋状の流路33内に遊びを有した状態で収容されているため、β線放射部材39がガソリンの通流により動き、β線放射部材39とガソリンとの接触の機会が増える。したがって、ガソリンがまんべんなくマイナスイオンの作用を受け易くなる。加えて、容器31内には、螺旋状の流路33が形成されているため、同じ外寸の容器内により長い流路が形成された状態となるため、より多くのβ線放射部材を収容でき、β線放射部材39とガソリンとの接触の機会が増やすことができる。また、ユニット型のマイナスイオン発生具の大きさを小型化できる。
【0035】
なお、ユニット型のマイナスイオン発生具は、容器の形状や容器内に形成する流路の形状などは、様々な形状にできる。また、ユニット型のマイナスイオン発生具は、燃料供給系に限らず、吸気系などにも用いることができる。
【0036】
また、本発明を適用してなるマイナスイオン発生具は、ここに例示したプレート型、ボール型、ユニット型などの形状及び構成に限らず、様々な形状及び構成にできる。例えば、β線放射混合鉱物を粉砕したものをバインダーなどと混合してペースと状にしたマイナスイオン発生具とし、このペースト状のマイナスイオン発生具を吸気系や燃料供給系の流路の内面や外面に塗布して固着させることなどもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を適用してなるマイナスイオン発生具の効果について実験した結果の一例を示す。
【0038】
(実施例1)
ディーゼルエンジンを搭載したトラックの燃料タンクに上記に例示した構成の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11を9個投入し、エンジン回転数4800rpmでマフラーからの排ガスを1時間の間フィルターでろ過し、黒煙の元となる排ガス中の煤煙を捕集した。実験は、同条件で3回行った。
【0039】
(実施例2)
9個の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11に加え、幅5mm、長さ60mmのプレート型のマイナスイオン発生具1を使用した。プレート型のマイナスイオン発生具1は、インレットマニホールドに5枚貼り付けた。実験は、実施例1と同条件で3回行った。
【0040】
(比較例1)
マイナスイオン発生具を使用せずに、実施例1、2と同条件で3回実験を行った。
【0041】
【表1】
この結果を表1に示す。比較例1では、排ガス中の黒煙の濃度は、平均で47%程度であったのに対し、実施例1では、平均で24%程度に減少し、実施例2では、平均で11%程度にまでさらに減少している。
【0042】
(実施例3)
ディーゼルエンジンを搭載したバンの燃料タンクに上記に例示した構成の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11を6個投入し、エンジン回転数5000rpmでマフラーからの排ガスを1時間の間フィルターでろ過し、黒煙の元となる排ガス中の煤煙を捕集した。実験は、同条件で3回行った。
【0043】
(実施例4)
6個の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11に加え、幅5mm、長さ60mmのプレート型のマイナスイオン発生具1を使用した。プレート型のマイナスイオン発生具1は、インレットマニホールド、エンジンヘッドカバー、燃料フィルターに計5枚貼り付けた。実験は、実施例3と同条件で3回行った。ただし、3回の実験のうち2回は、エンジン回転数4000rpmで行った。
【0044】
(比較例2)
マイナスイオン発生具を使用せずに、実施例3と同条件で3回実験を行った。
【0045】
【表2】
この結果を表1に示す。比較例1では、排ガス中の黒煙濃度は、平均で35%程度であったのに対し、実施例3では、平均で17%程度に減少し、実施例2では、エンジン回転数5000rpmで12%程度にまでさらに減少している。また、実施例2で、エンジン回転数4000rpmに下げると、平均で4%程度にまでさらに減少している。
【0046】
(実施例5)
ガソリンエンジンを搭載した普通乗用車のガソリンタンクに上記に例示した構成の直径12mmのボール型のマイナスイオン発生具11を3個投入すると共に、幅5mm、長さ60mmのプレート型のマイナスイオン発生具1をインレットマニホールドに2枚貼り付けた。シャーシダイナモによりギアポジションを上げながら速度を上げて行き、このときの回転数に対するトルクと馬力の計測を行った。
【0047】
(比較例3)
マイナスイオン発生具を使用せずに、実施例5と同条件で実験を行った。
【0048】
この結果、図6及び図7に示すように、マイナスイオン発生具を使用していない比較例3に比べて、マイナスイオン発生具を使用した実施例5の方がトルク及び馬力ともに上昇した。特に、低回転から中回転域において、トルク及び馬力の上昇が顕著であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関の燃焼効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は本図(a)のI−I線での断面図である。
【図2】本発明を適用してなるプレート型のマイナスイオン発生具をインテークマニホールドに装着した例と効果を説明する断面図である。
【図3】本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具の概略構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は本図(a)のII−II線での断面図である。
【図4】本発明を適用してなるボール型のマイナスイオン発生具をガソリンタンクに用いた例を説明するガソリンタンクの断面図である。
【図5】本発明を適用してなるユニット型のマイナスイオン発生具の概略構成を説明する図であり、(a)は燃料パイプに装着した状態の平面図、(b)は斜視図、(c)は、本図(a)のIII−III線での断面図である。
【図6】本発明を適用してなるマイナスイオン発生具を使用した場合と、使用していない場合のエンジンのトルクを比較した一例の図である
【図7】本発明を適用してなるマイナスイオン発生具を使用した場合と、マイナスイオン発生具を使用していない場合のエンジンの馬力を比較した一例の図である。
【符号の説明】
1、11、29 マイナスイオン発生具
3 板材
5 β線放射層
13 β線放射混合鉱物
15 保護層
31 容器
33 流路
39 β線放射部材
Claims (5)
- 鉱物として石英と、長石と、緑泥石と、角閃石とを含有し、放射性同位元素としてタリウムと、カリウムと、鉛と、ビスマスとを含有し、希土類元素としてイットリウムと、セリウムと、ネオジウムと、トリウムとを含有する混合鉱物を含むマイナスイオン発生具。
- 板状部材の少なくとも一面に前記混合鉱物の粉体または粒体を含む層を形成した請求項1に記載のマイナスイオン発生具。
- 前記混合鉱物の塊または破砕物の周囲をβ線が透過可能な多孔質層で覆った請求項1に記載のマイナスイオン発生具。
- 容器内に形成された流路と、該流路の一端に設けられた流体の入口部と、該流路の他端に設けられた流体の出口部と、前記混合鉱物の塊または破砕物の周囲をβ線が透過可能な多孔質層で覆った複数のβ線放射部材とを備え、該複数のβ線放射部材は、前記流路内に遊びを有した状態で収容されていることを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生具。
- 前記容器内に形成された流路は、螺旋状または蛇行状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のマイナスイオン発生具。
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Cited By (3)
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WO2008029560A1 (fr) * | 2006-09-04 | 2008-03-13 | Takeshi Kawahara | Appareil de traitement de déchets |
CN102226433A (zh) * | 2011-05-31 | 2011-10-26 | 青岛创恩康环保设备有限公司 | 内燃机用-高效率负离子发生装置 |
JP3195267U (ja) * | 2014-06-30 | 2015-01-15 | T・D・S株式会社 | 内燃機関の燃費と排出ガスの同時改善装置 |
-
2003
- 2003-04-02 JP JP2003099585A patent/JP2004309180A/ja active Pending
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