JP2004308678A - 自動変速装置 - Google Patents

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誠 大森
Seiji Usami
誠司 宇佐見
Hiroshi Hotta
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Abstract

【課題】選択歯車式変速機のギヤシフトを自動的に行う自動変速装置において、制御のロバスト性を損なうことなく構造を簡略化する。
【解決手段】シフトアンドセレクトシャフト21は、第1アクチュエータA1により軸線方向に往復動され、第2アクチュエータA2により回動されて、選択歯車式変速機のギヤシフトを行う。第1アクチュエータは、制御装置40により作動が制御されるモータ27と、このモータに直結されてシフトアンドセレクトシャフトの一部に形成されたラック23と噛合するピニオン26よりなるものとする。シフトアンドセレクトシャフトまたはこれと一体的に設けられた部材には複数の凹部24cを軸線方向に整列して形成し、この凹部の何れか1つと弾性的に係合してシフトアンドセレクトシャフトを所定位置に位置決め保持する係合部材33を有するデテント装置30を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、選択歯車式変速機のギヤシフトをアクチュエータにより行うようにした自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の自動変速装置としては、シフトフォークを介して選択歯車式変速機のギヤシフトを行うシフトアンドセレクトシャフトの作動を、アクセル開度や車速などの車両の作動状態に応じて自動的に制御される油圧式のアクチュエータにより行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。この自動変速装置では、アクチュエータは、シフトアンドセレクトシャフトを軸線方向に往復駆動して複数のシフトフォークの1つを選択する第1アクチュエータと、シフトアンドセレクトシャフトを往復回動して選択されたシフトフォークによるギヤシフトを行う第2アクチュエータよりなり、各アクチュエータにより作動されるシフトアンドセレクトシャフトの軸線方向および回動方向の各位置は、ストロークセンサにより検出されてフィードバック制御されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−208178公報(図5〜図7)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の自動変速装置は、油圧式のアクチュエータを使用しているので構造が複雑化し、また製造コストが増大するという問題がある。これを解決するにはサーボモータ式のアクチュエータを使用することが考えられる。そのような構造としては、シフトアンドセレクトシャフトにラックとスプラインを形成し、第1モータにより回転される第1ピニオンをラックと噛合させてシフトアンドセレクトシャフトを軸線方向に往復駆動してシフトフォークの選択を行い、スプラインに摺動可能に係合したセクタギヤにシフトモータにより回転される第2ピニオンを噛合させることによりシフトアンドセレクトシャフトを回動してシフトフォークによるギヤシフトを行うようにしたものが知られているが、公知文献は見当たらなかった。この場合にも、確実な作動を行うには、シフトアンドセレクトシャフトの軸線方向および回動方向の各位置をストロークセンサにより検出して、制御装置により指令された停止位置と実際の停止位置に差があればその差分に相当する微少量だけシフトアンドセレクトシャフトを移動させて、正確な位置に停止させるようにフィードバック制御を行っている。
【0005】
このようなサーボモータ式のアクチュエータでは、製造コストを低下させるためにアクチュエータの動力伝達機構を極力簡略化する必要があるので、シフトアンドセレクトシャフトを軸線方向および回動方向に往復駆動する各ピニオンは、減速機構を介することなく各モータに直結したものとすることが好ましい。しかしながらそのようにすると、シフトアンドセレクトシャフトの軸線方向において、実際の停止位置から指令位置に向けて微少量移動させる際に往復動を繰り返して停止するまでの時間が増大し、第1モータが過熱するなどの不都合を生じることがある。これは、第1モータに直結される第1ピニオンの径の最小値には限度があるので、第1モータの回転量に対するシフトアンドセレクトシャフトの移動量の減速比を充分大きくすることができず、このため第1アクチュエータやストロークセンサを含む制御装置のヒステリシスが大きくなると制御性能が劣化して、制御のロバスト性が低下するためである。この問題は、第1モータと第1ピニオンの間に減速機構を設けて上述した減速比を大きくしたり、ストロークセンサの分解能を向上させることにより解決することはできるが、それによりストロークセンサおよび第1アクチュエータの製造コストが増大するという問題を生じるので好ましくない。
【0006】
本発明は、構造簡単で安価なデテント装置を追加することによりこのような問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このために、本発明による自動変速装置は、ハウジング内に、選択歯車式変速機のギヤシフトを行うためのシフトフォークにそれぞれ連結された複数のシフトピースを設けるとともに、作動アーム部材が一体的に設けられたシフトアンドセレクトシャフトを軸線方向摺動および回動可能に支持してなり、シフトアンドセレクトシャフトは、第1アクチュエータにより軸線方向に往復駆動されて作動アーム部材から半径方向に突出した係合アームを複数のシフトピースの何れか1つの被係合部に選択的に係合させるとともに、第2アクチュエータにより往復回動されて係合アームに係合されたシフトピースを作動させて同シフトピースに連結されたシフトフォークによりギヤシフトを行い、第1および第2アクチュエータは車輌の作動状態に応じて制御装置により自動的に制御されるよう構成してなる自動変速装置において、第1アクチュエータは、制御装置により作動が制御されるモータと、このモータに直結されてシフトアンドセレクトシャフトの一部に形成されたラックと噛合するピニオンよりなるものとし、シフトアンドセレクトシャフトまたはこれと一体的に設けられた部材の外周の少なくとも一部に各被係合部の位置と対応する所定のピッチで複数の凹部を軸線方向に整列して形成し、ハウジングには凹部の何れか1つと弾性的に係合して作動アーム部材をその係合アームが選択された被係合部のみと係合する所定位置に位置決め保持する係合部材を有するデテント装置を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
前項に記載の自動変速装置において、凹部は、作動アーム部材の外周の少なくとも一部に形成されたシフトアンドセレクトシャフトの回転軸心を中心とする複数の円弧溝とすることが好ましい。
【0009】
前2項に記載の自動変速装置において、デテント装置は、シフトアンドセレクトシャフトとほゞ直交する方向に摺動自在にハウジングに案内支持されて作動アーム部材に向かう向きにスプリングにより付勢されたスライド部材を備え、係合部材はスライド部材の先端部に設けられていることが好ましい。
【0010】
前3項に記載の自動変速装置において、デテント装置は、シフトアンドセレクトシャフトとほゞ直交する向きにハウジングに固定された円筒状のケースと、このケースの内面により案内支持されて作動アーム部材に向かう向きにスプリングにより付勢されたスライド部材と、このスライド部材の先端部に回転自在に支持されて係合部材を構成するボールよりなるユニット化されたロックボール機構とすることが好ましい。
【0011】
【発明の作用および効果】
本発明によれば、第1アクチュエータは、シフトアンドセレクトシャフトの一部に形成されたラックと、モータと、このモータに直結されてラックと噛合するピニオンよりなるものとしたので第1アクチュエータの構造が簡略化され、自動変速装置の製造コストを低下させることができる。またシフトアンドセレクトシャフトが第1アクチュエータにより軸線方向に移動されて作動アーム部材の係合アームが選択された被係合部と係合する位置付近に移動されれば、デテント装置の係合部材が対応する凹部と弾性的に係合するので、第1アクチュエータやストロークセンサを含む制御装置のヒステリシスにかかわらず、作動アーム部材はその係合アームが選択された被係合部のみと係合する所定位置に位置決め保持され、実際の停止位置は制御装置による停止指令位置と一致する。これによりシフトアンドセレクトシャフトは実際の停止位置に一旦停止した後に停止指令位置に向けて微少量移動されることがなくなるので、停止までの時間が減少してモータの過熱のおそれはなくなり、制御のロバスト性も向上する。
【0012】
凹部を、作動アーム部材の外周の少なくとも一部に形成されたシフトアンドセレクトシャフトの回転軸心を中心とする複数の円弧溝とした自動変速装置によっても、前項と同じ効果が得られる。
【0013】
デテント装置は、シフトアンドセレクトシャフトとほゞ直交する方向に摺動自在にハウジングに案内支持されて作動アーム部材に向かう向きにスプリングにより付勢されたスライド部材を備えたものとして、スライド部材の先端部に係合部材を設けるようにした自動変速装置によれば、構造簡単で確実に作動するデテント装置が得られる。
【0014】
デテント装置を、シフトアンドセレクトシャフトとほゞ直交する向きにハウジングに固定された円筒状のケースと、このケースの内面により案内支持されて作動アーム部材に向かう向きにスプリングにより付勢されたスライド部材と、このスライド部材の先端部に回転自在に支持されたボールよりなるユニット化されたロックボール機構とした自動変速装置によれば、作動アーム部材の円弧溝にロックボール機構のボールが係合する際の摩擦が減少するのでロックボール機構による作動アーム部材の位置決め保持は一層円滑かつ確実に行われ、またロックボール機構を予め組み立てておくことができるので自動変速装置の生産ラインにおける組立の手間を減少させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図1〜図4に示す実施の形態により、本発明による自動変速装置の説明をする。図1および図2に示すように、自動変速装置のハウジングHはねじ止めなどにより互いに固定された変速機ハウジング10とアクチュエータハウジング20よりなり、変速機ハウジング10内には選択歯車式変速機(図示省略)、およびこの選択歯車式変速機のギヤシフトを行うためのシフト装置11〜17が設けられている。両ハウジング10,20内にはシフト装置11〜17を作動させるためのシフトアンドセレクトシャフト21、作動アーム部材24、2つのアクチュエータA1,A2などが設けられ、また変速機ハウジング10には本発明の要部をなすデテント装置(ロックボール機構)30が設けられている。
【0016】
図1に示すように、変速機ハウジング10には、互いに平行な3本のフォークシャフト11,13,15が、図1の紙面と直交する軸線方向に摺動可能に案内支持され、各フォークシャフト11,13,15には、選択歯車式変速機の一部(例えば図示を省略したシンクロメッシュ機構のクラッチハブスリーブ)と係合してギヤシフトを行うシフトフォーク17(1個のみを二点鎖線で示す)が固定されている。各フォークシャフト11,13,15の回動は、それぞれのシフトフォーク17がクラッチハブスリーブなどと係合することにより、あるいは各シフトピース12,14,16を他のフォークシャフト11,13,15とも摺動可能に係合させることにより、拘束されている。各フォークシャフト11,13,15に一体的に設けられた各シフトピース12,14,16は、互いにほゞ平行となるようにシフトアンドセレクトシャフト21の方向に延びている。図1および図2に示すように、各シフトピース12,14,16の先端部の厚さおよび幅はほゞ同一で、軸線方向のある位置では、各先端部は多少の隙間をおいて互いに重ねられ、各先端部には先端側が開いた互いに同一寸法のコ字形の切欠き(被係合部)12a,14a,16aが形成されている。
【0017】
図1に示すように、シフトアンドセレクトシャフト21は、各フォークシャフト11,13,15と平行に配設されて、その両端部21a,21bは変速機ハウジング10に形成された突部10aとアクチュエータハウジング20に形成された有底筒部20aに、軸受10b,10cを介して軸線方向摺動および回動可能に支持されている。両端部21a,21bを除くシフトアンドセレクトシャフト21の中間部のうち、アクチュエータハウジング20内となる一部には台形断面形状の多数の環状溝よりなるラック23が形成され、残る部分にはスプライン22が形成されている。
【0018】
図1に示すように、アクチュエータハウジング20に取り付けられた第1モータ(モータ)27は、その出力軸27aがシフトアンドセレクトシャフト21と立体的に直交するように配設され、出力軸27aは最先端部27bがアクチュエータハウジング20により軸支され、最先端部27bの手前にはラック23と噛合する第1ピニオン(ピニオン)26が形成されている。これらのラック23と噛合する第1ピニオン26、出力軸27aおよび第1モータ27が、シフトアンドセレクトシャフト21を軸線方向に往復駆動する第1アクチュエータA1を構成している。またシフトアンドセレクトシャフト21に軸線方向摺動自在に係合されたセクタギヤ28はアクチュエータハウジング20に設けられた筒部20bおよび板部材20cによりアクチュエータハウジング20に対する軸線方向移動が拘束されており、このセクタギヤ28には第2モータ(図示省略)に直結された第2ピニオン29が噛合されている。これらのスプライン22に係合されたセクタギヤ28、第2ピニオン29および第2モータが、シフトアンドセレクトシャフト21を往復回動する第2アクチュエータA2を構成している。第1および第2モータは、何れも後述する制御装置40により作動されるサーボモータである。
【0019】
図1に示すように、シフトアンドセレクトシャフト21のスプライン22の一端部21a側には、作動アーム部材24とインターロック部材25が設けられている。作動アーム部材24は略円筒形状でその中央にはスプライン22と係合可能なスプライン孔が形成され、外周の一部には各シフトピース12,14,16の各先端部とほゞ同じ厚さの係合アーム24aが半径方向に突出され、係合アーム24aと反対側には、軸線方向の相当な長さにわたって扇形断面形状の突起部24bが形成されている。
【0020】
インターロック部材25は、図1および図2に示すように、板材を背部25aと側面部25bよりなるコ字状に折り曲げ、さらに両側面部25bに続く各先端部25cを内側に折り曲げたもので、両側面部25bの内面の間の距離は作動アーム部材24の軸線方向厚さより僅かに大きく、また互いに対向する両先端部25cの間には、作動アーム部材24の係合アーム24aの厚さよりやや大きい隙間が形成されている。インターロック部材25の各側面部25bには、シフトアンドセレクトシャフト21のスプライン22の歯先円と一端部21aの外周面に回動自在に嵌合される丸穴25e,25fが形成されている。また背部25aには長方形の開口25dが形成され、この開口25dの互いに平行な両側縁の間の距離は、後述するロックボール機構30のケース31の先端側の外径よりやや大きくなっている。
【0021】
作動アーム部材24は、スプライン孔と各丸穴25e,25fが整列され、かつ係合アーム24aがインターロック部材25の両先端部25cの間の隙間内に位置されるようにインターロック部材25の両側面部25bの間に挿入される。このように組み合わせた状態で、スプライン22が作動アーム部材24のスプライン孔に係合され、スプライン22の歯先円と一端部21aがインターロック部材25の各丸穴25e,25fに嵌合されるように、シフトアンドセレクトシャフト21を挿入し、作動アーム部材24とシフトアンドセレクトシャフト21をピン18により一体的に結合する。この状態では、インターロック部材25はシフトアンドセレクトシャフト21に対し回動自在であるが、軸線方向の相対移動は拘束されている。
【0022】
作動アーム部材24の係合アーム24aは、図2に示すようにの軸線方向から見た状態では、シフトアンドセレクトシャフト21とともに回動しても僅かな隙間をおいて各フォークシャフト11,13,15の各切欠き12a,14a,16aと係合可能なように、先端部が円弧状に膨出した形状となっている。また、インターロック部材25の各先端部25cの幅は他の部分よりも狭く、係合アーム24aと同様、各シフトピース12,14,16先端部の切欠き12a,14a,16aに僅かな隙間をおいて係合されている。係合アーム24aと反対側に形成された扇形の突起部24bの外周面には、シフトアンドセレクトシャフト21の回転軸心を中心とする3本の円弧溝(凹部)24cが、前述したシフトピース12,14,16の先端部の重ね方向のピッチと同じピッチで、軸線方向に整列して形成されている。
【0023】
ロックボール機構30は、途中に外向きの折り畳みフランジが形成された有底円筒状のケース31と、このケース31の内面により案内支持されて内底面との間に介装したスプリング34により開口側に付勢されたスライド部材32と、このスライド部材32の先端部に小さいボールを介して回転自在に支持されたボール(係合部材)33よりなるものである。このロックボール機構30はケース31の先端側をやや薄肉とし、その先端縁を内向きに折り曲げてスライド部材32の抜け止めを行い、またスライド部材32の先端縁を内向きに折り曲げてボール33の抜け止めを行って、1つのユニット化された部品としている。
【0024】
このロックボール機構30は、そのケース31の外周を外向きフランジの位置まで、シフトアンドセレクトシャフト21とほゞ直交する向きに変速機ハウジング10に形成した穴に圧入することによりハウジングHに取り付け固定され、この取り付け状態ではスプリング34が撓んで、3本の円弧溝24cが形成された作動アーム部材24の突起部24bの外周面にボール33が弾性的に押圧されるようになっている。またケース31の先端側の外周面がインターロック部材25の開口25dの両側縁に摺動自在に係合してシフトアンドセレクトシャフト21回りのインターロック部材25の回動を拘束しており、従って作動アーム部材24が回動されても、インターロック部材25は回動されない。
【0025】
図3に示すように、第1および第2アクチュエータA1,A2を介してこの自動変速装置の作動を制御する制御装置40には、シフトアンドセレクトシャフト21の軸線方向移動量を検出する第1ストロークセンサ41およびシフトアンドセレクトシャフト21の回動方向移動量を検出する第2ストロークセンサ42が接続され、またエンジンのアクセル開度を検出するアクセル開度センサ43、車速を検出する車速センサ44およびエンジンの出力軸の回転速度を検出するエンジン回転数センサ45が接続されている。なお図示は省略したが、制御装置40には、変速段をシフトアップする手動のシフトアップボタンスイッチ、変速段をシフトダウンする手動のシフトダウンボタンスイッチ、および自動変速と手動変速を切り換える切換スイッチを備えている。
【0026】
この制御装置40は、切換スイッチを自動変速とした状態では、各センサ43,44,45により検出されるアクセル開度や車速やエンジン回転数などの車両の作動状態に基づいて適切な変速段を演算し、演算された変速段に対応するシフトアンドセレクトシャフト21のセレクト方向停止位置およびシフト方向停止位置を決定し、それぞれの停止位置に対応する位置指令信号を第1アクチュエータA1および第2アクチュエータA2に出力する。そして第1および第2アクチュエータA1,A2は、制御装置40からの出力に基づきシフトアンドセレクトシャフト21を軸線方向および回動方向に停止指令位置まで移動させて、選択歯車式変速機を所定の変速段にする。また切換スイッチを手動変速とした状態では、運転者が手動によりシフトアップボタンスイッチを1回押せば、制御装置40は1段上の変速段に対応するシフトアンドセレクトシャフト21のセレクト方向停止位置およびシフト方向停止位置に対応する位置指令信号を第1および第2アクチュエータA1,A2に出力する。そして両アクチュエータA1,A2は、前述と同様、シフトアンドセレクトシャフト21を軸線方向および回動方向に停止指令位置まで移動させて、選択歯車式変速機を1段上の変速段にする。シフトダウンボタンスイッチを1回押せば、制御装置40は同様にして、選択歯車式変速機を1段下の変速段にする。各変速段とセレクトおよびシフト方向の各位置の関係は図4に示すとおりである。
【0027】
第1および第2ストロークセンサ41,42は、それぞれラック23およびセクタギヤ28に関連して設けられて(図1には図示省略)、シフトアンドセレクトシャフト21の軸線方向および回動方向における実際の停止位置を検出するものである。各ストロークセンサ41,42により検出された実際の停止位置は制御装置40にフィードバックされ、制御装置40はこの実際の停止位置と停止指令位置に差があればその差分に相当する微少量だけシフトアンドセレクトシャフト21を移動させる信号を第1モータ27および第2モータに対して出力し、これによりシフトアンドセレクトシャフト21は所定の停止指令位置となるように微少量移動され、必要ならば複数回これを繰り返して、シフトアンドセレクトシャフト21を所定の停止指令位置に停止させる。
【0028】
軸線方向においてシフトアンドセレクトシャフト21が所定の停止指令位置となった状態では、作動アーム部材24の係合アーム24aは、その変速段で選択されるシフトピースの切欠き(例えば図1の状態では最も下のシフトピース12の切欠き12a)のみと係合する所定位置に位置決めされる。またこの状態では、ロックボール機構30の弾性的に付勢されるボール33は、そのときに選択されるシフトピース(例えば12)と対応する円弧溝24c(図1では最も上の円弧溝24c)と丁度係合されるうになっている。
【0029】
次に以上に述べた実施の形態の作動の説明をする。自動変速装置のニュートラル状態では、図1および図2に示すように、各シフトピース12,14,16および各切欠き12a,14a,16aは、シフトアンドセレクトシャフト21の軸線方向に沿って整列されている。この状態では、係合アーム24aは軸線方向から見てインターロック部材25各先端部25cと重なった位置にあり、第1アクチュエータA1によるシフトアンドセレクトシャフト21の軸線方向のセレクト移動は自由である。
【0030】
図1および図2に示すように、作動アーム部材24が第1シフトピース12の切欠き12aのみと係合されたニュートラル状態において、制御装置40が第2アクチュエータA2を一方向に作動させて作動アーム部材24を図2において反時計回転方向に回動すれば、第1シフトピース12および第1フォークシャフト11は図2において上方にシフトされて、選択歯車式変速機は1速となる。これと逆に第2アクチュエータA2を反対方向に作動させて作動アーム部材24を時計回転方向に回動すれば、第1シフトピース12および第1フォークシャフト11は下方にシフトされて、選択歯車式変速機は2速となる。
【0031】
次に、ニュートラル状態において、制御装置40が第1アクチュエータA1を作動させシフトアンドセレクトシャフト21を軸線方向に移動させて、係合アーム24aが切欠き14aのみに係合された状態とし、第2アクチュエータA2を一方向に作動させて作動アーム部材24を反時計回転方向に回動すれば、第2シフトピース14および第2フォークシャフト13が上方にシフトされて選択歯車式変速機は3速となり、逆に第2アクチュエータA2を反対方向に作動させて作動アーム部材24を時計回転方向に回動すれば、第2シフトピース14および第2フォークシャフト13が下方にシフトされて、選択歯車式変速機は4速となる。同様に、制御装置40が第1アクチュエータA1を作動させシフトアンドセレクトシャフト21を軸線方向に移動させて、係合アーム24aが切欠き16aのみに係合された状態として、第2アクチュエータA2により作動アーム部材24を反時計回転方向に回動すれば、選択歯車式変速機は5速となり、第2アクチュエータA2により作動アーム部材24を時計回転方向に回動すれば、選択歯車式変速機はバックとなる。
【0032】
なお、作動アーム部材24がニュートラル状態から何れか一方に回動した状態では、係合アーム24aが隣接するシフトピースの先端部と干渉するので、第1アクチュエータA1を作動させても作動アーム部材24の軸線方向移動は阻止される。また、作動アーム部材24の係合アーム24aが隣接する2つの切欠きと係合された状態では、この2つの切欠きがインターロック部材25の2つの先端部25cと干渉するので、第2アクチュエータA2を作動させても作動アーム部材24の回動は阻止される。
【0033】
以上は、制御装置40が第1アクチュエータA1の第1モータ27に対し、演算された停止位置指令信号を出力すれば、シフトアンドセレクトシャフト21および作動アーム部材24は直ちに所定の停止位置に移動して停止されるものとして説明したが、第1ピニオン26が第1モータ27に直結されるアクチュエータを用いた従来の技術では、所定の停止位置に停止されるまでに時間がかかり、このために第1モータ27の作動時間が増大して過熱するなどの不都合を生じることがある。例えば、制御装置40が第1アクチュエータA1の第1モータ27に対し、係合アーム24aが第2シフトピース14の被係合部14aのみと係合する所定位置となるような位置指令信号を出力したとする。これにより第1モータ27が作動して第1ピニオン26およびラック23を介してシフトアンドセレクトシャフト21および作動アーム部材24を軸線方向に移動させ、係合アーム24aが第2シフトピース14の被係合部14aのみと係合する所定の停止指令位置となったところで第1モータ27が停止するはずである。しかし作動アーム部材24の外周に形成した3本の円弧溝24cと係合するロックボール機構30が設けれられていない従来技術では、各部の摩擦抵抗や隙間あるいは製造誤差などにより、シフトアンドセレクトシャフト21および作動アーム部材24の実際の停止位置は所定の停止指令位置とはならない。
【0034】
そのような場合には制御装置40は第1ストロークセンサ41により検出したシフトアンドセレクトシャフト21のの実際の停止位置と停止指令位置との差分に相当する微少量だけシフトアンドセレクトシャフト21を移動させる出力を第1モータ27に対し行い、これによりシフトアンドセレクトシャフト21は再び移動されて所定の停止指令位置とする。しかしながらこの場合にも各部の摩擦抵抗や隙間などによるヒステリシスのため、必ずしも所定の停止位置とはならず、その場合は所定の停止位置に停止されるまで、第1モータ27は複数回繰り返して作動される。このために第1モータ27が停止するまでの時間が増大して過熱するなどの不都合を生じることがある。
【0035】
しかしながら本発明によれば、シフトアンドセレクトシャフト21が第1アクチュエータA1により軸線方向に移動されて、作動アーム部材24の係合アーム24aが選択された被係合部のみと係合する所定位置付近に移動されれば、ロックボール機構30のボール33が対応する円弧溝24cと弾性的に係合するので、第1アクチュエータやストロークセンサを含む制御装置のヒステリシスにかかわらず、作動アーム部材24はその係合アーム24aが選択された被係合部12a,14a,16aのみと係合する所定位置に強制的に位置決め保持され、実際の停止位置は制御装置による停止指令位置と一致する。これによりシフトアンドセレクトシャフトは実際の停止位置に一旦停止した後に停止指令位置に向けて微少量移動されることがなくなるので、停止までの時間が減少して第1モータ27の過熱のおそれはなくなり、制御のロバスト性も向上する。なお、第2アクチュエータA2はその構造上、セクタギヤ28と第2ピニオン29を備えており、これによる減速比によりロバスト性が向上されているので、ロックボール機構などのデテント装置は不要である。
【0036】
この実施の形態では、上述のように第1モータ27の過熱のおそれはなくなり、制御のロバスト性も向上するにもかかわらず、第1アクチュエータA1の第1ピニオン26は第1モータ27と直結したものとしているので動力伝達機構の構造が簡略化され、これにより自動変速装置の製造コストを低下させることができる。なお、ロックボール機構30は小形で高精度の部品を必要としないので、これによるコストアップはわずかである。
【0037】
またこの実施の形態では、係合アーム24aが選択された被係合部12a,14a,16aのみと係合する所定位置に作動アーム部材24を強制的に位置決め保持するロックボール機構30は、有底円筒状のケース31と、このケース31により案内支持されてスプリング34により開口側に付勢されたスライド部材32と、このスライド部材32の先端部に回転自在に支持されたボール33よりなるユニット化された部品としており、ロックボール機構30を予め組み立てておくことができるので自動変速装置の生産ラインにおける組立の手間を減少させることができる。またボール33は小さいボールを介してスライド部材32の先端部に回転自在に支持されており、きわめて軽く回転するので、ロックボール機構30による作動アーム部材24の位置決め保持はきわめて円滑かつ確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速装置の一実施形態の要部を示す断面図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図1に示す実施形態の制御系統を示すブロック図である。
【図4】図1に示す実施形態の各変速段とセレクトおよびシフト方向の各位置の関係を示す図である。
【符号の説明】
12,14,16…シフトピース、12a,14a,16a…被係合部(切欠き)、17…シフトフォーク、21…シフトアンドセレクトシャフト、23…ラック、24…作動アーム部材、24a…係合アーム、24c…凹部(円弧溝)、26…ピニオン26(第1ピニオン)、27…モータ(第1モータ)、30…デテント装置(ロックボール機構)、31…ケース、32…スライド部材、33…係合部材(ボール)、34…スプリング、40…制御装置、A1…第1アクチュエータ、A2…第2アクチュエータ、H…ハウジング。

Claims (4)

  1. ハウジング内に、選択歯車式変速機のギヤシフトを行うためのシフトフォークにそれぞれ連結された複数のシフトピースを設けるとともに、作動アーム部材が一体的に設けられたシフトアンドセレクトシャフトを軸線方向摺動および回動可能に支持しており、前記シフトアンドセレクトシャフトは、第1アクチュエータにより軸線方向に往復駆動されて前記作動アーム部材から半径方向に突出した係合アームを前記複数のシフトピースの何れか1つの被係合部に選択的に係合させるとともに、第2アクチュエータにより往復回動されて前記係合アームに係合された前記シフトピースを作動させて同シフトピースに連結された前記シフトフォークにより前記ギヤシフトを行い、前記第1および第2アクチュエータは車輌の作動状態に応じて制御装置により自動的に制御されるよう構成してなる自動変速装置において、
    前記第1アクチュエータは、前記制御装置により作動が制御されるモータと、このモータに直結されて前記シフトアンドセレクトシャフトの一部に形成されたラックと噛合するピニオンよりなるものとし、
    前記シフトアンドセレクトシャフトまたはこれと一体的に設けられた部材の外周の少なくとも一部に前記各被係合部の位置と対応する所定のピッチで複数の凹部を軸線方向に整列して形成し、
    前記ハウジングには前記凹部の何れか1つと弾性的に係合して前記作動アーム部材をその係合アームが前記選択された被係合部のみと係合する所定位置に位置決め保持する係合部材を有するデテント装置を設けたことを特徴とする自動変速装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速装置において、前記凹部は、前記作動アーム部材の外周の少なくとも一部に形成された前記シフトアンドセレクトシャフトの回転軸心を中心とする複数の円弧溝としたことを特徴とする自動変速装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の自動変速装置において、前記デテント装置は、前記シフトアンドセレクトシャフトとほゞ直交する方向に摺動自在に前記ハウジングに案内支持されて前記作動アーム部材に向かう向きにスプリングにより付勢されたスライド部材を備え、前記係合部材は前記スライド部材の先端部に設けられていることを特徴とする自動変速装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動変速装置において、前記デテント装置は、前記シフトアンドセレクトシャフトとほゞ直交する向きに前記ハウジングに固定された円筒状のケースと、このケースの内面により案内支持されて前記作動アーム部材に向かう向きにスプリングにより付勢されたスライド部材と、このスライド部材の先端部に回転自在に支持されて前記係合部材を構成するボールよりなるユニット化されたロックボール機構であることを特徴とする自動変速装置。
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