JP2004308185A - 縦穴掘削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラムシェルを備えた縦穴掘削装置において、比較的簡易な構成で障害物を効率的に切削可能として、所定の障害物を含んだ地山であっても容易に掘削を進められるようにする。
【解決手段】所定の作業機械に支持され、縦穴2の所定深さ位置に係止させるグリッパ7,7を備えた本体フレーム3に、先端部に油圧シリンダ5c,5cで駆動されて地山を掴んで掘削する一対のクラムシェル5a,5bが設けられた旋回フレーム4を、油圧モータ8を備えた回転機構によりその軸線を中心に回転駆動可能に設けた縦穴掘削装置において、旋回フレーム4の先端部に切削ドラム6aを縦穴2の内周面に向かって突設させ、旋回フレーム4を回転させることで切削ドラム6aを旋回させながら縦穴2の底部を切削するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】所定の作業機械に支持され、縦穴2の所定深さ位置に係止させるグリッパ7,7を備えた本体フレーム3に、先端部に油圧シリンダ5c,5cで駆動されて地山を掴んで掘削する一対のクラムシェル5a,5bが設けられた旋回フレーム4を、油圧モータ8を備えた回転機構によりその軸線を中心に回転駆動可能に設けた縦穴掘削装置において、旋回フレーム4の先端部に切削ドラム6aを縦穴2の内周面に向かって突設させ、旋回フレーム4を回転させることで切削ドラム6aを旋回させながら縦穴2の底部を切削するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、深礎工法や立杭、マンホールなどを構築する縦穴掘削作業に好適な縦穴掘削装置に関し、殊にクラムシェルにより土砂を掴んで排出しながら掘削作業を行う縦穴掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の大きさの径を有する縦穴を掘削する縦穴掘削装置としては、地上に配置された圧入装置により所定のケーシングチューブを地中に圧入しつつ、作業車両の伸縮アーム先端に設けたクラムシェルを用いてケーシングチューブの底部土砂を掴み出しながら掘削する装置が知られている。この装置は、ケーシングチューブ内に食い込んだ地山(露出した地盤)をクラムシェルで掴んでそのまま縦穴外に排出できることから、掘削と土砂の排出を同時に行えるのが特徴である。しかし、掘削する地山が軟質な場合はいいが、堅い岩盤や、ある程度以上の大きさの岩石を含む場合、ケーシングチューブの先端が斯かる障害物に当たって、これを圧入できなくなるとともに、クラムシェルを用いて地山の掘削・排出できなくなり、工事の進行が滞ってしまう場合も多い。
【0003】
これに対し、特開2000−212989号公報において、ケーシングチューブ内に挿入したクラムシェルを縦穴底部で拡開させて、これを掘削する地山に圧接させ、所定の動力で回転させながらその爪先で地山中の障害物を切削除去する装置が提示されている。これは、クラムシェルに掘削・土砂排出機能に加えて障害物切削機能を付加し、所定の障害物を含んだ地山であっても掘削できるようにした点で優れた技術である。
【0004】
しかしながら、斯かる装置においては、掘削する縦穴の径に略等しい径を構成する一対の拡開したクラムシェルを地山に圧接させて、これを回転させながら地山を掘削するには大きな回転力(トルク)が必要となる。そのため、大きな駆動力を必要とするとともに、クラムシェル及び掘削装置に大きなトルクがかかってこれらを破損しやすくなるという問題があり、これに対応できる堅固で強力な掘削装置とするにはコスト高となりやすい。
【0005】
また、ケーシングチューブの端部円周の延長線上にある地山部分は、クラムシェルの先端爪部分を当接・回転させながら集中して切削することもできるが、これより内側部分の地山はクラムシェルの側面下端縁の爪が当たるところ、斯かる部分に岩石等の硬度の高い障害物が存在する場合、これを効率的に切削することは容易ではない。また、場合によってはクラムシェルの回転が岩石等によって停止させられる場合もある。即ち、硬度が高い障害物を切削するには切削ビットを高速回転させて押圧し、障害物を集中的に切削する必要があるため、クラムシェルの回転のみでは切削困難となりやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、クラムシェルを備えた縦穴掘削装置において、比較的簡易な構成で障害物を効率的に切削可能として、所定の障害物を含んだ地山であっても容易に掘削を進められるようにすることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、所定の作業機械に支持され、縦穴の所定深さ位置に係止させる係止機構を備えた本体フレームに、先端部に所定の開閉機構で駆動されて地山を掴んで掘削する一対のクラムシェルが設けられた可動フレームを、所定の回転機構によりその軸線を中心に回転駆動可能に設けた縦穴掘削装置において、前記可動フレームの先端部において切削ドラムが前記縦穴の内周面に向かって突設されており、前記可動フレームを回転させることにより前記切削ドラムを旋回させながら前記縦穴の底部を切削可能としたことを特徴とする縦穴掘削装置とした。
【0008】
これにより、比較的低出力のモータであっても、切削ドラムを高速回転させて、縦穴底部において岩盤や比較的大きな岩石等の障害物に集中的に当接させれば、これを容易に切削することができる。そして、係止機構により本体フレームが縦穴の所定深さに堅固に係止されることで、安定して切削を行うことができる。さらに、切削ドラムが設けられた可動フレームを回転させることにより切削ドラムを旋回させて、縦穴底部をドーナツ状に切削することができるため、障害物が地山中に多数存在しても掘削作業を順調に進めることができる。尚、切削されたガレキや土砂をクラムシェルを用いて掴んで縦穴外に排出したり、軟質地盤をクラムシェルを用いて掘削できるのは、従来のクラムシェル式縦穴掘削装置と同様である。
【0009】
さらに、前記本体部に、前記可動フレームを掘削方向に送り出す、送り出し機構を備えれば、縦穴内壁に前記係止機構を用いて縦穴掘削装置の本体フレームを係止させたまま、送り出しストロークの範囲で切削を進めることができるとともに、縦穴底部に切削ドラムを強力に押圧することができるため、堅固な障害物を効果的に掘削できるようになる。
【0010】
さらにまた、切削ドラムをその軸線方向においてスライド動作可能とすれば、縦穴から縦穴掘削装置を出し入れする際、これを縮退させることで挿入しやすくなる。また、これにより、縦穴底部の底面のみならず、その内周である側壁に存在する障害物に切削ドラムを押圧して掘削することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いながら以下に詳細に説明する。尚、異なる実施の形態であっても、同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0012】
図1は、本発明における好ましい実施の形態を示すものであり、図2は図1の縦穴掘削装置1の右側面部分図であり、図3は平面図である。縦穴掘削装置1は、図示しない作業機械にワイヤーロープ等で懸吊される本体フレーム3と、本体フレーム3に摺動可能かつ回転可能に挿入された旋回フレーム4とからなる。本体フレーム3は、筒体3aと、筒体3aの基端部に設けられた油圧ホース等を接続させる回転継手13と、前記筒体3aの基端部付近の外周面から支持部材17bにより支持された支柱17と、筒体3aの外周を3等分して放射状に突設された3基のグリッパ7,7,7からなる係止機構と、ガイドローラ3を縦穴2の内周3等分位置で接するように支持する3基の支持アーム9,9,9とを備えている。
【0013】
筒体3aは、後述する旋回フレーム4の内筒4aの外周より僅かに大きな内周を有する基端部が閉鎖された円筒からなり、その基端部外面に作業機械のワイヤーロープ等で懸吊される懸吊フランジ3b、3bを備えている。各グリッパ7は、各々油圧シリンダ7bを備えており、押圧板7aを縦穴2の内壁に前進・押圧して本体フレーム3を係止させることができるとともに、本体フレーム3の位置を移動させる場合には、押圧板7aを後退させられるようになっている。尚、図3に示すように、グリッパ7は等間隔で放射状に3基配置設されることで、縦穴掘削装置1の中心軸を縦穴2の中心軸に合致させることが容易となる。
【0014】
支持アーム9,9,9は、各先端により形成される径が掘削する縦穴2の径より僅かに小さくなるように、筒体3aの先端部の外周を3等分して放射状に配置されている。また、各支持アーム9の内部にはガイドローラ10を先端に備えた油圧シリンダ9aが設けられ、各ガイドローラ10を縦穴2の内壁に押圧することで、縦穴掘削装置1を縦穴2内で安定して上下移動できるようになっている。
【0015】
旋回フレーム4は、本体フレーム3の筒体3aに下方から回転・摺動可能に挿入された内筒4aと、内筒4aの先端部において切削ドラム6aをその回転軸を縦穴2の内壁に向けて水平に備えた切削機6と、切削機6の一部に開閉可能に軸支されて一対の油圧シリンダ5c,5cにより駆動される一対のクラムシェル5a,5bを備えるとともに、筒体3aの略中央部において、筒体3aを回転させる回転機構を備えた旋回フレーム支持基台11が周設されている。
【0016】
切削機6は、内筒4aの先端部を水平に貫通して設けられ、油圧モータ12により切削ドラム6aを高速回転できるようになっている。また、切削機6は、油圧モータ12の基端部側にその軸線上に油圧シリンダ6bを備え、油圧モータ12を回転軸の延長方向に突出及び後退させて、切削ドラム6aを縦穴2内壁方向に対しスライド動作させることができる。従って、縦穴掘削装置1を縦穴2に出し入れする場合に、切削ドラム6aを後退させれば、縦穴2の内壁にこれが接触しないため、作業が容易となる。
【0017】
一対のクラムシェル5a,5bは、軸継ぎ手6c,6dを介して切削機6の一部に軸支されて、内筒4aの先端部のセンターポスト4bの下方において開閉可能に設けられており、図2に示すように、旋回フレーム支持基台11に各々基端部を支持された油圧シリンダ5c,5c,5c,5c(2基のみ図示)により開閉動作できるようになっている。また、一対のクラムシェル5a,5bは、これを完全に拡開させると、その両端部は掘削する縦穴の外周に略一致するため、これに切削ビットを設ければ、回転させることにより、縦穴2の底部外周に存在する硬度の高くない障害物であれば切削することもできる。
【0018】
旋回フレーム支持基台11は、内筒4aの略中央部分に回転可能に周設された円盤状の基台であり、前述の本体部3に基端部を固定された支柱17が摺動可能に貫通しているため、本体フレーム3に対し上下にスライドするのみで、相対的に回転しないように支持されている。また、旋回フレーム支持基台11の内部において、内筒4aの外周に大歯車14が周設され、これと噛合する小歯車15を旋回フレーム支持基台11上面に配置された油圧モータ8により回転させることにより、内筒4aをその軸線を中心に回転させることができる。また、図3に示すように、支柱17が貫通する位置の略対向位置に、油圧ジャッキ18がその先端を本体フレーム3のグリッパ7の下面に当接されて設けられ、旋回フレーム4全体を本体フレーム3に対し相対的に上下のスライド動作をさせることができる。
【0019】
次に本実施の形態である、縦穴掘削装置1の動作を説明する。
図4に示すように、縦穴掘削装置1はクレーン車両50のアーム先端からワイヤーロープにより懸吊されて、縦穴2に垂直に挿入される。この際、一対のクラムシェル5a,5bは閉じた状態にするとともに、切削ドラム6a及び3基のグリッパ7の押圧板7aは各々後退させて、挿入動作中に縦穴2の内壁(ケーシングチューブ61)にこれらが引っ掛からないようにする。
【0020】
縦穴掘削装置1の挿入作業において、縦穴掘削装置1の自由落下を利用してこれを縦穴2の底部に衝突させれば、そのセンターポスト4bを底部地山に食い込ませることができるが、この衝撃により、ある程度の障害物を破砕することもできる。縦穴掘削装置1が底部に到達したら、グリッパ7の押圧板7aを各々突出させて縦穴2内壁に押圧させる。これにより、縦穴掘削装置1は縦穴2の底部付近においてその中心位置に堅固に係止されるため、切削・掘削作業が容易となる(図5)。
【0021】
次に、旋回フレーム支持基盤11の油圧ジャッキ18を作動させて、旋回フレーム4全体を掘削方向(下方)にスライドさせるとともに、切削ドラム6aを回転させながら、これを底部地山に食い込ませる(図6)。そして、油圧モータ8により内筒4aを回転させれば、切削ドラム6aが旋回して、縦穴2の底部をドーナツ状に切削することができる(図7)。この際、切削機6の油圧シリンダ6bを作動させ、切削ドラム6aをその回転軸上でスライド動作させれば、切削範囲を広げることができるとともに、縦穴2の底部側壁も切削することができる。
【0022】
そして、ある程度障害物を切削したら、切削されたガレキや土砂が縦穴2の底部に溜まるが、これをクラムシェル5a,5bで掴み、各グリッパ7や回転切削ヘッド6aを後退させて、クレーン車両50により縦穴掘削装置1ごと縦穴2の外に出すことにより、排出することができる。尚、障害物が除去された地盤においては、通常のクラムシェル式縦穴掘削装置と同様にクラムシェルの掴み動作のみで掘削することができるのはいうまでもない。
以上の動作を繰り返すことにより、縦穴底部の地山中に障害物が存在しても比較的容易に掘削作業を進めることができる。
【0023】
尚、本発明を実施するための最良の形態は以上の説明で十分に示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本実施の形態に示したような、圧入装置60によりケーシングチューブ61を挿入する工法に限らず、縦穴掘削装置のみで直接掘削作業を進めるような場合にも使用することができる。また、切削ドラムは1つに限らず、複数設けたものでもよい。さらに、センターポストにおいても、切削ドラムを下向きに突設すれば、縦穴掘削装置の直下に存在する障害物を容易に切削することができるようになる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明である縦穴掘削装置により、クラムシェルを備えた縦穴掘削装置において、比較的簡易な構成で障害物を効率的に切削可能となり、所定の障害物を含んだ地山であっても容易に掘削を進められるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における好ましい実施の形態の縦穴掘削装置を示す縦断面図である。
【図2】図1の縦穴掘削装置の右側面部分図である。
【図3】図1の縦穴掘削装置の平面図である。
【図4】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【図5】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【図6】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【図7】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【符号の説明】
1 縦穴掘削装置、2 縦穴、3 本体フレーム、3a 筒体、3b 懸吊フランジ、4 旋回フレーム、4a 内筒、4b センターポスト、5a,5b クラムシェル、5c,6b,7b,9a 油圧シリンダ、6 切削機、6a 切削ドラム、6c,6d 軸継ぎ手、7 グリッパ、7a 押圧板、8,12 油圧モータ、9 支持アーム、10 ガイドローラ、11 旋回フレーム支持基盤、13 回転継ぎ手、14 大歯車、15 小歯車、17 支柱、17b 支持部材、18 油圧ジャッキ、50 クレーン車両、60 圧入装置、61 ケーシングチューブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、深礎工法や立杭、マンホールなどを構築する縦穴掘削作業に好適な縦穴掘削装置に関し、殊にクラムシェルにより土砂を掴んで排出しながら掘削作業を行う縦穴掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の大きさの径を有する縦穴を掘削する縦穴掘削装置としては、地上に配置された圧入装置により所定のケーシングチューブを地中に圧入しつつ、作業車両の伸縮アーム先端に設けたクラムシェルを用いてケーシングチューブの底部土砂を掴み出しながら掘削する装置が知られている。この装置は、ケーシングチューブ内に食い込んだ地山(露出した地盤)をクラムシェルで掴んでそのまま縦穴外に排出できることから、掘削と土砂の排出を同時に行えるのが特徴である。しかし、掘削する地山が軟質な場合はいいが、堅い岩盤や、ある程度以上の大きさの岩石を含む場合、ケーシングチューブの先端が斯かる障害物に当たって、これを圧入できなくなるとともに、クラムシェルを用いて地山の掘削・排出できなくなり、工事の進行が滞ってしまう場合も多い。
【0003】
これに対し、特開2000−212989号公報において、ケーシングチューブ内に挿入したクラムシェルを縦穴底部で拡開させて、これを掘削する地山に圧接させ、所定の動力で回転させながらその爪先で地山中の障害物を切削除去する装置が提示されている。これは、クラムシェルに掘削・土砂排出機能に加えて障害物切削機能を付加し、所定の障害物を含んだ地山であっても掘削できるようにした点で優れた技術である。
【0004】
しかしながら、斯かる装置においては、掘削する縦穴の径に略等しい径を構成する一対の拡開したクラムシェルを地山に圧接させて、これを回転させながら地山を掘削するには大きな回転力(トルク)が必要となる。そのため、大きな駆動力を必要とするとともに、クラムシェル及び掘削装置に大きなトルクがかかってこれらを破損しやすくなるという問題があり、これに対応できる堅固で強力な掘削装置とするにはコスト高となりやすい。
【0005】
また、ケーシングチューブの端部円周の延長線上にある地山部分は、クラムシェルの先端爪部分を当接・回転させながら集中して切削することもできるが、これより内側部分の地山はクラムシェルの側面下端縁の爪が当たるところ、斯かる部分に岩石等の硬度の高い障害物が存在する場合、これを効率的に切削することは容易ではない。また、場合によってはクラムシェルの回転が岩石等によって停止させられる場合もある。即ち、硬度が高い障害物を切削するには切削ビットを高速回転させて押圧し、障害物を集中的に切削する必要があるため、クラムシェルの回転のみでは切削困難となりやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、クラムシェルを備えた縦穴掘削装置において、比較的簡易な構成で障害物を効率的に切削可能として、所定の障害物を含んだ地山であっても容易に掘削を進められるようにすることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、所定の作業機械に支持され、縦穴の所定深さ位置に係止させる係止機構を備えた本体フレームに、先端部に所定の開閉機構で駆動されて地山を掴んで掘削する一対のクラムシェルが設けられた可動フレームを、所定の回転機構によりその軸線を中心に回転駆動可能に設けた縦穴掘削装置において、前記可動フレームの先端部において切削ドラムが前記縦穴の内周面に向かって突設されており、前記可動フレームを回転させることにより前記切削ドラムを旋回させながら前記縦穴の底部を切削可能としたことを特徴とする縦穴掘削装置とした。
【0008】
これにより、比較的低出力のモータであっても、切削ドラムを高速回転させて、縦穴底部において岩盤や比較的大きな岩石等の障害物に集中的に当接させれば、これを容易に切削することができる。そして、係止機構により本体フレームが縦穴の所定深さに堅固に係止されることで、安定して切削を行うことができる。さらに、切削ドラムが設けられた可動フレームを回転させることにより切削ドラムを旋回させて、縦穴底部をドーナツ状に切削することができるため、障害物が地山中に多数存在しても掘削作業を順調に進めることができる。尚、切削されたガレキや土砂をクラムシェルを用いて掴んで縦穴外に排出したり、軟質地盤をクラムシェルを用いて掘削できるのは、従来のクラムシェル式縦穴掘削装置と同様である。
【0009】
さらに、前記本体部に、前記可動フレームを掘削方向に送り出す、送り出し機構を備えれば、縦穴内壁に前記係止機構を用いて縦穴掘削装置の本体フレームを係止させたまま、送り出しストロークの範囲で切削を進めることができるとともに、縦穴底部に切削ドラムを強力に押圧することができるため、堅固な障害物を効果的に掘削できるようになる。
【0010】
さらにまた、切削ドラムをその軸線方向においてスライド動作可能とすれば、縦穴から縦穴掘削装置を出し入れする際、これを縮退させることで挿入しやすくなる。また、これにより、縦穴底部の底面のみならず、その内周である側壁に存在する障害物に切削ドラムを押圧して掘削することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いながら以下に詳細に説明する。尚、異なる実施の形態であっても、同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0012】
図1は、本発明における好ましい実施の形態を示すものであり、図2は図1の縦穴掘削装置1の右側面部分図であり、図3は平面図である。縦穴掘削装置1は、図示しない作業機械にワイヤーロープ等で懸吊される本体フレーム3と、本体フレーム3に摺動可能かつ回転可能に挿入された旋回フレーム4とからなる。本体フレーム3は、筒体3aと、筒体3aの基端部に設けられた油圧ホース等を接続させる回転継手13と、前記筒体3aの基端部付近の外周面から支持部材17bにより支持された支柱17と、筒体3aの外周を3等分して放射状に突設された3基のグリッパ7,7,7からなる係止機構と、ガイドローラ3を縦穴2の内周3等分位置で接するように支持する3基の支持アーム9,9,9とを備えている。
【0013】
筒体3aは、後述する旋回フレーム4の内筒4aの外周より僅かに大きな内周を有する基端部が閉鎖された円筒からなり、その基端部外面に作業機械のワイヤーロープ等で懸吊される懸吊フランジ3b、3bを備えている。各グリッパ7は、各々油圧シリンダ7bを備えており、押圧板7aを縦穴2の内壁に前進・押圧して本体フレーム3を係止させることができるとともに、本体フレーム3の位置を移動させる場合には、押圧板7aを後退させられるようになっている。尚、図3に示すように、グリッパ7は等間隔で放射状に3基配置設されることで、縦穴掘削装置1の中心軸を縦穴2の中心軸に合致させることが容易となる。
【0014】
支持アーム9,9,9は、各先端により形成される径が掘削する縦穴2の径より僅かに小さくなるように、筒体3aの先端部の外周を3等分して放射状に配置されている。また、各支持アーム9の内部にはガイドローラ10を先端に備えた油圧シリンダ9aが設けられ、各ガイドローラ10を縦穴2の内壁に押圧することで、縦穴掘削装置1を縦穴2内で安定して上下移動できるようになっている。
【0015】
旋回フレーム4は、本体フレーム3の筒体3aに下方から回転・摺動可能に挿入された内筒4aと、内筒4aの先端部において切削ドラム6aをその回転軸を縦穴2の内壁に向けて水平に備えた切削機6と、切削機6の一部に開閉可能に軸支されて一対の油圧シリンダ5c,5cにより駆動される一対のクラムシェル5a,5bを備えるとともに、筒体3aの略中央部において、筒体3aを回転させる回転機構を備えた旋回フレーム支持基台11が周設されている。
【0016】
切削機6は、内筒4aの先端部を水平に貫通して設けられ、油圧モータ12により切削ドラム6aを高速回転できるようになっている。また、切削機6は、油圧モータ12の基端部側にその軸線上に油圧シリンダ6bを備え、油圧モータ12を回転軸の延長方向に突出及び後退させて、切削ドラム6aを縦穴2内壁方向に対しスライド動作させることができる。従って、縦穴掘削装置1を縦穴2に出し入れする場合に、切削ドラム6aを後退させれば、縦穴2の内壁にこれが接触しないため、作業が容易となる。
【0017】
一対のクラムシェル5a,5bは、軸継ぎ手6c,6dを介して切削機6の一部に軸支されて、内筒4aの先端部のセンターポスト4bの下方において開閉可能に設けられており、図2に示すように、旋回フレーム支持基台11に各々基端部を支持された油圧シリンダ5c,5c,5c,5c(2基のみ図示)により開閉動作できるようになっている。また、一対のクラムシェル5a,5bは、これを完全に拡開させると、その両端部は掘削する縦穴の外周に略一致するため、これに切削ビットを設ければ、回転させることにより、縦穴2の底部外周に存在する硬度の高くない障害物であれば切削することもできる。
【0018】
旋回フレーム支持基台11は、内筒4aの略中央部分に回転可能に周設された円盤状の基台であり、前述の本体部3に基端部を固定された支柱17が摺動可能に貫通しているため、本体フレーム3に対し上下にスライドするのみで、相対的に回転しないように支持されている。また、旋回フレーム支持基台11の内部において、内筒4aの外周に大歯車14が周設され、これと噛合する小歯車15を旋回フレーム支持基台11上面に配置された油圧モータ8により回転させることにより、内筒4aをその軸線を中心に回転させることができる。また、図3に示すように、支柱17が貫通する位置の略対向位置に、油圧ジャッキ18がその先端を本体フレーム3のグリッパ7の下面に当接されて設けられ、旋回フレーム4全体を本体フレーム3に対し相対的に上下のスライド動作をさせることができる。
【0019】
次に本実施の形態である、縦穴掘削装置1の動作を説明する。
図4に示すように、縦穴掘削装置1はクレーン車両50のアーム先端からワイヤーロープにより懸吊されて、縦穴2に垂直に挿入される。この際、一対のクラムシェル5a,5bは閉じた状態にするとともに、切削ドラム6a及び3基のグリッパ7の押圧板7aは各々後退させて、挿入動作中に縦穴2の内壁(ケーシングチューブ61)にこれらが引っ掛からないようにする。
【0020】
縦穴掘削装置1の挿入作業において、縦穴掘削装置1の自由落下を利用してこれを縦穴2の底部に衝突させれば、そのセンターポスト4bを底部地山に食い込ませることができるが、この衝撃により、ある程度の障害物を破砕することもできる。縦穴掘削装置1が底部に到達したら、グリッパ7の押圧板7aを各々突出させて縦穴2内壁に押圧させる。これにより、縦穴掘削装置1は縦穴2の底部付近においてその中心位置に堅固に係止されるため、切削・掘削作業が容易となる(図5)。
【0021】
次に、旋回フレーム支持基盤11の油圧ジャッキ18を作動させて、旋回フレーム4全体を掘削方向(下方)にスライドさせるとともに、切削ドラム6aを回転させながら、これを底部地山に食い込ませる(図6)。そして、油圧モータ8により内筒4aを回転させれば、切削ドラム6aが旋回して、縦穴2の底部をドーナツ状に切削することができる(図7)。この際、切削機6の油圧シリンダ6bを作動させ、切削ドラム6aをその回転軸上でスライド動作させれば、切削範囲を広げることができるとともに、縦穴2の底部側壁も切削することができる。
【0022】
そして、ある程度障害物を切削したら、切削されたガレキや土砂が縦穴2の底部に溜まるが、これをクラムシェル5a,5bで掴み、各グリッパ7や回転切削ヘッド6aを後退させて、クレーン車両50により縦穴掘削装置1ごと縦穴2の外に出すことにより、排出することができる。尚、障害物が除去された地盤においては、通常のクラムシェル式縦穴掘削装置と同様にクラムシェルの掴み動作のみで掘削することができるのはいうまでもない。
以上の動作を繰り返すことにより、縦穴底部の地山中に障害物が存在しても比較的容易に掘削作業を進めることができる。
【0023】
尚、本発明を実施するための最良の形態は以上の説明で十分に示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本実施の形態に示したような、圧入装置60によりケーシングチューブ61を挿入する工法に限らず、縦穴掘削装置のみで直接掘削作業を進めるような場合にも使用することができる。また、切削ドラムは1つに限らず、複数設けたものでもよい。さらに、センターポストにおいても、切削ドラムを下向きに突設すれば、縦穴掘削装置の直下に存在する障害物を容易に切削することができるようになる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明である縦穴掘削装置により、クラムシェルを備えた縦穴掘削装置において、比較的簡易な構成で障害物を効率的に切削可能となり、所定の障害物を含んだ地山であっても容易に掘削を進められるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における好ましい実施の形態の縦穴掘削装置を示す縦断面図である。
【図2】図1の縦穴掘削装置の右側面部分図である。
【図3】図1の縦穴掘削装置の平面図である。
【図4】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【図5】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【図6】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【図7】図1の縦穴掘削装置の動作を説明するための正面概略図である。
【符号の説明】
1 縦穴掘削装置、2 縦穴、3 本体フレーム、3a 筒体、3b 懸吊フランジ、4 旋回フレーム、4a 内筒、4b センターポスト、5a,5b クラムシェル、5c,6b,7b,9a 油圧シリンダ、6 切削機、6a 切削ドラム、6c,6d 軸継ぎ手、7 グリッパ、7a 押圧板、8,12 油圧モータ、9 支持アーム、10 ガイドローラ、11 旋回フレーム支持基盤、13 回転継ぎ手、14 大歯車、15 小歯車、17 支柱、17b 支持部材、18 油圧ジャッキ、50 クレーン車両、60 圧入装置、61 ケーシングチューブ
Claims (3)
- 所定の作業機械に支持され、縦穴の所定深さ位置に係止させる係止機構を備えた本体フレームに、先端部に所定の開閉機構で駆動されて地山を掴んで掘削する一対のクラムシェルが設けられた可動フレームを、所定の回転機構によりその軸線を中心に回転駆動可能に設けた縦穴掘削装置において、前記可動フレームの先端部において切削ドラムが前記縦穴の内周面に向かって突設されており、前記可動フレームを回転させることにより前記切削ドラムを旋回させながら前記縦穴の底部を切削可能としたことを特徴とする縦穴掘削装置。
- 前記本体フレームに、前記可動フレームを掘削方向に送り出す、送り出し機構を備えた請求項1記載の縦穴掘削装置。
- 前記切削ドラムが、その軸線方向においてスライド動作可能な請求項1または2記載の縦穴掘削装置。
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JP2008105339A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 孔壁目荒らし装置及び孔壁目荒らし方法 |
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-
2003
- 2003-04-04 JP JP2003101173A patent/JP2004308185A/ja active Pending
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