JP2004307714A - 冶金用改質炭の製造方法、ならびに冶金用改質炭を用いた還元金属および酸化非鉄金属含有スラグの製造方法 - Google Patents

冶金用改質炭の製造方法、ならびに冶金用改質炭を用いた還元金属および酸化非鉄金属含有スラグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来炭材内装法による還元金属製造法には不向きであった高揮発分炭などの低品位炭を、炭材内装法に適した冶金用改質炭に改質し、この冶金用改質炭を内装炭材として用いることにより、高品質の還元金属を製造する方法を提供する。
【解決手段】石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭111を製造する。この冶金用改質炭111と酸化金属含有原料112との混合物を造粒機113により塊成化し、この塊成物114を移動炉床炉115内で加熱還元したのち、引き続き加熱溶融して還元溶融物とする。この還元固化物を移動炉床炉115内において冷却・固化させて還元固化物116としたのち、この還元固化物116を炉外に排出してスラグ119をスクリーン117で分離除去し、メタル119を還元金属として回収する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、還元材として石炭を用いる、還元鉄をはじめとする還元金属および酸化非鉄金属含有スラグの製造技術の分野に属する。詳しくは高揮発分炭など低品位石炭の改質方法およびその改質炭を用いた還元金属および酸化非鉄金属含有スラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉法に代わる石炭ベース直接還元法のひとつとして炭材内装酸化鉄塊成物を回転炉床炉内で輻射加熱して還元鉄を得る方法(いわゆる炭材内装法)があり、商業的な規模での実用化が既に成功している(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このプロセスは還元材としての石炭の性状によっては塊成物の強度や塊成物内の伝熱が不十分となり、結果的に製品還元鉄の性状が劣化するため、利用できる石炭資源の範囲に制約があり、本プロセスの適用の拡大が図れないという問題点があった。
【0003】
また、本出願人は、上記炭材内装法を発展させて、炭材内装酸化鉄塊成物を回転炉床炉内で輻射加熱して還元鉄としたのち、引き続き、さらに高温で加熱して還元鉄を溶融させてメタルとスラグに分離し、メタルを回収する方法を開発し、商業的な規模での実用化を進めている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このプロセスは還元材としての石炭の性状によってはメタルとスラグの分離が不十分となり、スラグ中にメタルが残存するためメタルの回収歩留が低くなるという問題点があった。
【0004】
また、従来非鉄冶金の分野においては、例えばイルメナイト鉱などの酸化チタンと酸化鉄を含有する物質から鉄分を分離して酸化チタン含有スラグを製造する方法として、イルメナイト鉱を炭素質還元材とともに電気炉へ供給し、酸化鉄を還元・溶融して溶融鉄として取り出すとともに、酸化チタン含有スラグをチタン精錬原料用の中間製品として回収する方法が採用されていた(例えば、特許文献3参照)。しかし、この方法では、吸熱反応である酸化鉄の還元反応の進行によって炉内温度が低下するため、炉内温度を維持するのに多量の電力が消費される。しかも処理工程で大量の溶融FeOが発生し、この溶融FeOによる炉内耐火物の損傷が激しいという問題があって、電気炉では効率的な酸化チタン含有スラグの製造は困難であった。さらに酸化鉄を還元するためには炉内を高還元性雰囲気に維持しなければならず、この還元性雰囲気によって酸化チタンも還元されてしまうという問題が生じていた。そこで本出願人は、上記電気炉法に代わる製造方法として、上記特許文献2に開示した方法が原理的には非鉄冶金の中間製品である酸化非鉄金属含有スラグの製造に応用できると考え、実用化に向け研究開発を進めている。しかしながら、この方法は基本的に電力を不要とし、溶融FeOの生成がなく耐火物の損傷が防止されるものの、上記電気炉法と同様に石炭の灰分がスラグに混入してしまうために製品価値が低下するという問題が残っていた。また、還元材としての石炭の性状によってはメタルとスラグの分離が不十分となり、スラグに金属鉄が混入してスラグ中の酸化非鉄金属の濃度が低くなりさらに製品価値が低下してしまうという問題があった。
【0005】
一方、高揮発分炭などの低品位石炭を溶剤処理して冶金用炭材に改質する試みがなされている(例えば、非特許文献1,2参照)。流動性がない高揮発分炭を400℃程度の溶剤中で処理すると、溶剤に抽出される抽出物と残渣に分かれる。この抽出物は原炭にない流動性を有することが知られており、この抽出物と原炭等を混ぜることにより、高炉やキューポラで利用可能な高強度のコークスを製造できることが指摘されている。この従来の、溶剤による石炭改質法は高炉等の竪型炉での使用を目的とするため炭材の荷重強度が必要であり、流動性の他に粘結性を発現させる操作を加えなければならなかった。さらに、この従来の石炭改質法では溶剤として、石炭溶解力を上昇させるためテトラリンなどの水素供与性のある物、またはN−メチルピロリジノンやコールタール等の含窒素溶剤を用いているが、下記の理由で工業的な製造に難点があった。すなわち、水素供与性溶剤の場合は、抽出時に水素供与性を失ってしまうため、溶剤の循環使用のためには、溶剤を再水素化する必要があるが、水素は非常に高価であり、実質的に冶金利用の分野では商業化に至った例が見られない。また含窒素溶剤の場合は、石炭との融和性が高すぎて溶剤が抽出炭と結合してしまうため、溶剤の回収ができなくなってしまい溶剤の循環使用ができない問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特表平11−511511号公報(第2−4頁)
【特許文献2】
特開平9−256017号公報(第8頁)
【特許文献3】
米国特許第3996332号明細書(第2欄30−34行)
【非特許文献1】
蘆田隆一、中井敏隆、中川浩行、三浦浩一,「石炭からの高温溶剤抽出物を原料とした炭素材料製造の試み」,第39回石炭科学会議 要旨集,社団法人日本エネルギー学会,2002年
【非特許文献2】
佐藤芳樹、櫛山暁、丸山勝久、山田能生、荒牧寿弘,「液相分解法による低炭化度炭からの改質炭粘結性の検討」,第39回石炭科学会議 要旨集,社団法人日本エネルギー学会,2002年
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来炭材内装法には不向きであった高揮発分炭などの低品位炭を、炭材内装法に適した冶金用改質炭に改質する方法を提供することにある。また、このような冶金用改質炭を用いることにより、高品質の還元金属および酸化非鉄金属含有スラグを製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより冶金用改質炭を製造する方法であって、石炭と有機溶剤とを混合して原料スラリーとするスラリー調製工程と、この原料スラリーを加熱し熟成することにより、前記有機溶剤中に前記石炭から可溶分を抽出して抽出処理スラリーとする抽出工程と、この抽出処理スラリーから前記有機溶剤を蒸発除去することにより、固体残留物である冶金用改質炭を得る溶剤除去工程と、を備えたことを特徴とする冶金用改質炭の製造方法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより冶金用改質炭を製造する方法であって、石炭と有機溶剤とを混合して原料スラリーとするスラリー調製工程と、この原料スラリーを加熱し熟成して前記有機溶剤中に前記石炭から可溶分を抽出して抽出処理スラリーとする抽出工程と、この抽出処理スラリーを静置して前記石炭の未溶分を沈降させることにより、前記抽出された可溶分である抽出炭を含む上澄み液と、前記沈降した未溶分である残炭を含む残炭スラリーとに分離する沈降分離工程と、前記上澄み液から前記有機溶剤を蒸発除去して固体残留物である前記抽出炭を得る第1の溶剤除去工程と、前記前記残炭スラリーから前記有機溶剤を蒸発除去して固体残留物である前記残炭を得る第2の溶剤除去工程と、前記抽出炭に前記残炭を配合して軟化流動性を調整した冶金用改質炭を得る配合工程と、を備えたことを特徴とする冶金用改質炭の製造方法である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、冶金用改質炭に対する前記残炭の配合率を0質量%超70質量%以下とする請求項2に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより冶金用改質炭を製造する方法であって、石炭と有機溶剤とを混合して原料スラリーとするスラリー調製工程と、この原料スラリーを加熱し熟成して前記有機溶剤中に前記石炭から可溶分を抽出して抽出処理スラリーとする抽出工程と、この抽出処理スラリーを静置して前記石炭の未溶分を沈降させることにより、前記抽出された可溶分である抽出炭を含む上澄み液と、前記沈降した未溶分である残炭を含む残炭スラリーとに分離する沈降分離工程と、前記上澄み液から前記有機溶剤を蒸発除去して得られた前記抽出炭を冶金用改質炭とする溶剤除去工程と、を備えたことを特徴とする冶金用改質炭の製造方法である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記抽出工程における加熱温度を250〜550℃とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記抽出工程における熟成時間を5〜120minとする請求項1〜5のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記抽出工程における熟成を0.5MPa以上の窒素雰囲気下で行う請求項1〜6いずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記有機溶剤として、2環芳香族化合物を主成分とし、常圧における沸点が200〜300℃のものを使用する請求項1〜7のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記蒸発除去された有機溶剤を回収し、前記スラリー調整工程に循環させる溶剤回収工程を備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、前記回収された有機溶剤には一切の再水素化処理を施さない請求項1〜9のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0019】
請求項11に記載の発明は、前記有機溶剤を回収する手段が、減圧蒸留法またはスプレードライ法によるものである請求項9または10に記載の冶金用改質炭の製造方法である。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法で得られる冶金用改質炭である。
【0021】
請求項13に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物である還元金属を得る還元工程と、を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法である。
【0022】
請求項14に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物である還元金属を得る還元工程と、この還元混合物を前記移動炉床炉内で引き続き加熱して当該還元混合物中の還元金属を凝集させる凝集工程と、を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法。
【0023】
請求項15に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物を得る還元工程と、この還元混合物を溶解炉内で加熱し溶解してメタルとスラグとに分離する溶解工程と、このメタルを炉外へ排出し還元金属として回収する回収工程と、を備えた還元金属の製造方法である。
【0024】
請求項16に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物としたのち、引き続きこの還元混合物を加熱し溶融して還元溶融物である還元金属を得る還元・溶融工程と、を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法である。
【0025】
請求項17に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物としたのち、引き続きこの還元混合物を加熱し溶融して還元溶融物を得る還元・溶融工程と、この還元溶融物を、前記移動炉床炉内において冷却し固化させて還元固化物を得る固化工程と、この還元固化物を、炉外に排出してメタルとスラグとに分離し、このメタルを還元金属として回収する分離回収工程と、を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法。
【0026】
請求項18に記載の発明は、石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて酸化非鉄金属含有スラグを製造する方法であって、石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、この冶金用改質炭と酸化鉄および酸化非鉄金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、この混合物を移動炉床炉内で加熱してこの混合物中の酸化鉄を還元して金属鉄とした還元混合物としたのち、引き続きこの還元混合物を加熱し前記金属鉄を溶融させて酸化非鉄金属スラグから分離させる還元・溶融工程と、この酸化非鉄金属スラグと溶融した金属鉄との混合物を、前記移動炉床炉内において冷却し前記金属鉄を固化させて還元固化物を得る固化工程と、この還元固化物を、炉外に排出してスラグとメタルとに分離し、このスラグを酸化非鉄金属スラグとして回収する分離回収工程と、を備えたことを特徴とする酸化非鉄金属含有スラグの製造方法である。
【0027】
請求項19に記載の発明は、請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法で得られる還元金属である。
【0028】
請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の方法で得られる酸化非鉄金属含有スラグである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
〔実施形態1〕
図1に、本発明の冶金用改質炭の製造方法の実施形態に係るプロセスフローの一例を示す。原料となる石炭(原炭)1としては、瀝青炭、無煙炭、亜瀝青炭、褐炭など流動性のない乃至は流動性の低い低品位炭を用いることができる。
【0031】
[スラリー調製工程]:まず、石炭1と有機溶剤(以下、単に「溶剤」ともいう。)2とをスラリー調製槽3にて混合して原料スラリー4を作製する。
【0032】
[抽出工程]:この原料スラリー4をスラリーポンプ5で加熱器7に送り昇温する。加熱温度は250〜550℃、好ましくは350〜420℃とする。加熱器7の熱負荷を低減するために加熱器7の上流側に熱交換器6を設け、後述の循環溶剤16の顕熱を利用して原料スラリー4を予熱することが望ましい。
【0033】
加熱した原料スラリー4を熟成槽8に移送し、上記温度範囲に保持して熟成を行う。加熱温度(熟成温度)を250〜550℃としたのは、250℃未満では溶剤2中への石炭1の抽出率が低下するためであり、一方550℃を超えると熱分解により石炭が変質し、溶剤2中への石炭1の抽出率が低下する上に、一旦抽出された石炭(抽出炭)の熱分解が進行してメタン、エタン等の低沸点化合物の生成が促進され抽出炭の歩留が低下してしまうためである。熟成槽8における原料スラリー4の熟成時間は5〜120min、好ましくは30〜80minとする。
【0034】
熟成槽8の圧力は溶剤の蒸発を防ぐためには高いほうが良いが、高圧にすると装置コストが上昇するため、熟成温度(加熱温度)における溶剤の蒸気圧+50〜500kPa程度が推奨される。炭種や溶剤種によるが、具体的には1MPa程度(0.5〜1.5MPa)となる。熟成槽8内において、原料スラリー4中の石炭1の可溶分は溶剤2中に抽出物(抽出炭)として溶解するが、未溶解分は残炭として固体のまま残るため、これらはスラリー状態を維持する。
【0035】
[溶剤除去工程]:この処理後のスラリー(以下、「抽出処理スラリー」という。)25を溶剤除去装置(溶剤回収装置)12に移送し、溶剤除去装置(溶剤回収装置)12内で溶剤を蒸発させて除去し、固体残留物である、抽出炭と残炭との混合物32を得る。抽出処理スラリー25は温度・圧力を有するため、減圧すると溶剤はその顕熱により蒸発するが、抽出炭と残炭との混合物32は蒸気圧を有しないので固体として残る。したがって、溶剤除去装置(溶剤回収装置)12としては、減圧蒸留法、スプレードライ法等を用いることができる。
【0036】
上記溶剤処理により、残炭には流動性発現効果は生じないものの、抽出炭には流動性発現効果により原炭(石炭)1にない乃至は原炭1に比べて高い流動性が付与される。このため、抽出炭と残炭との混合物32も原炭1より高い流動性を有することとなり、この混合物32を冶金用改質炭(以下、単に「改質炭」ともいう。)として使用できる。
【0037】
本実施形態では、抽出炭のみならず残炭も全量回収して使用するため、所定の流動性を有する冶金用改質炭32を得るためには原炭の種類が制約されるという欠点があるものの、後述の実施形態2,3のように沈降槽9を必要とせず、溶剤除去装置(溶剤回収装置)も1基でよく、設備コストが少ない利点を有する。
【0038】
[溶剤回収工程]:なお、溶剤除去装置(溶剤回収装置)12により除去された溶剤16は循環使用するのがよい。すなわち、この溶剤(循環溶剤)16を、熱交換器6を通過させてその顕熱を原料スラリー4の予熱に利用した後、溶剤槽23、溶剤ポンプ24を経て溶剤2として循環利用することができる。
【0039】
有機溶剤2としては、石炭構造単位に近似した2環芳香族化合物を主成分とし、沸点が200〜300℃程度のものを用いることが、系内圧力を抽出処理に適した1MPa程度に維持でき、なおかつ抽出処理後の液から溶剤2の回収を容易とする上で好ましい。具体的にはメチルナフタレン、ジメチルナフタレン、ナフタレン、あるいはこれらに類する2環芳香族化合物、あるいはこれらが混合された2環芳香族化合物を主とするものであり、石炭乾留炉や石油類の上記沸点範囲にあるものなどを用いることができる。このようにして選択された溶剤2を上述の温度・圧力で溶剤処理に使用する限り、溶剤2の溶解能力を維持するために、循環溶剤16を水素化する必要はない。また、溶剤16が抽出炭と結合して回収(除去)不能となることはないため、溶剤16を繰り返し使用することに問題は生じない。これに加え、抽出工程での加熱処理によって石炭1から少量の油分が生成される。この油分の多くは2環芳香族化合物が中心であり、この自生油分により循環溶剤16を補填する効果がある。
【0040】
〔実施形態2〕
一般に、溶剤不溶分である残炭には流動性発現効果は期待できないため、上記実施形態1のように、溶剤処理後の抽出炭と残炭との混合物をそのまま冶金用改質炭として用いた場合には、原炭の種類によっては冶金用改質炭の流動性が不足して、炭材内装法による還元金属の製造等に十分適合しない場合がある。このような場合は、抽出炭と残炭とを混合状態で取り出すのではなく、別々に取り出し、炭材内装法による還元金属の製造等に適した流動性となるように、抽出炭に残炭を適量配合して用いればよい。
【0041】
図2に、上記技術的思想に基づく、本発明の冶金用改質炭の製造方法の別の実施形態に係るプロセスフローの一例を示す。なお、本実施形態の説明では、実施形態1と共通の部分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0042】
[沈降分離工程]:熟成槽8で熟成された抽出処理スラリー25を沈降槽9に移送し、所定時間静置する。これにより固体である残炭が槽底部に重力沈降する。沈降処理のための時間は石炭1の種類によるが、30〜120min程度が望ましい。この沈降処理により、石炭1が溶剤2に抽出された溶液中で残渣が沈降する。石炭1が溶剤2に抽出された溶液は上澄み液26として連続的に取り出すことは容易であるが、槽底部から残渣である残炭だけを連続的に取り出すことは通常困難であることから溶剤の一部を伴った残炭スラリー27として抜き出されることとなる。
【0043】
[第1,第2溶剤除去工程]:すなわち、上澄み液26と残炭スラリー27とを別々に取り出し、それぞれを別個に設けられた溶剤除去装置(溶剤回収装置)12,13で溶剤を蒸発させて除去することにより、抽出炭14と残炭17とを別々に回収する。なお、溶剤除去装置(溶剤回収装置)12,13としては、上記実施形態1の溶剤除去装置(溶剤回収装置)12と同様、減圧蒸留法、スプレードライ法等を用いることができる。
【0044】
[配合工程]:このようにして別個に回収した抽出炭14に残炭17を配合する割合を調整することによって、残炭17を有効利用しつつ、所望の軟化流動性を有する冶金用改質炭32が得られる。冶金用改質炭32に対する残炭17の配合率は0質量%超で、70質量%以下、好ましくは60質量%以下とする。
【0045】
[溶剤回収工程]:上記実施形態1と同様、溶剤除去装置(溶剤回収装置)12,13により除去された溶剤15,16は循環使用するのがよい。
【0046】
〔実施形態3〕
例えば、冶金用改質炭を炭材内装法による酸化非鉄金属含有スラグの製造に用いる場合には、製品であるスラグに石炭灰を混入させると製品の価値が低下するため、冶金用改質炭としては、灰分を含む残炭を混合することなく、灰分の含まれていない抽出炭のみを用いることが望ましい。
【0047】
図3に、上記技術的思想に基づく、本発明の冶金用改質炭の製造方法の別の実施形態に係るプロセスフローの一例を示す。なお、本実施形態は、実施形態2からは[配合工程]が不要なだけで他の部分は共通である。すなわち、本実施形態では、溶剤除去装置(溶剤回収装置)12で得られた抽出炭14のみをそのまま冶金用改質炭14として用いることにより、残炭17は別途利用方法を検討する必要があるものの、高流動性を有し、かつ灰分のない冶金用改質炭14が得られる。
【0048】
〔実施形態4〕
図4に、本発明の、冶金用改質炭を用いた炭材内装法による還元金属の製造方法の一実施形態として、酸化金属含有原料であるクロム含有原料の還元工程を示す。なお、酸化金属原料としては、本実施形態のFe、Crの酸化物を含むものに限定されるものではなく、Ni、Mn等の金属酸化物を含むものでもよく、またその形態は鉱石、精錬ダスト等いずれの形態であってもよい。もちろん製品としては、還元鉄や溶銑、溶鋼、粒鉄であってもよい。
【0049】
ここに、符号101は酸化クロムおよび酸化鉄を含有するクロム含有原料(以下、単に「原料」ともいう。)、符号102は冶金用改質炭、符号103は造粒機、符号104は塊成物(混合物)、符号105は移動炉床炉、符号106は還元塊成物(還元混合物)、符号107は溶解炉、符号108はメタル、符号109はスラグを示す。
【0050】
クロム含有原料101としては、クロム鉱石のほかフェロクロム製造工場で発生するダストやスラグなどのフェロクロム製造工程の残渣も使用できる。また、必要に応じて鉄鉱石やミルスケールを加えて成分調整してもよい。原料101中に水分を多く含む場合は、事前に乾燥しておくことが望ましい。乾燥の度合いは後工程の混合工程での混合手段(本実施形態では造粒機3)を考慮して決めるとよい。
【0051】
クロム含有原料101と冶金用改質炭102の粒度は、後述するように還元反応の面からは細かくなるほど接触機会が増すので好ましいが、細かすぎると造粒が困難となるので、ともに200メッシュ以下(−75μm)が70%程度とすることが好ましい。したがって、クロム含有原料101と冶金用改質炭102とは必要により事前に粉砕しておくとよい。
【0052】
冶金用改質炭102の塊成物(混合物)104中の配合率は、移動炉床炉105内で原料101中の酸化クロムおよび酸化鉄を還元するのに必要な炭素量と、溶解炉107で還元塊成物(還元混合物)106中の残留酸化クロムの還元等により消費される炭素量と、メタル108中に残存させる目標炭素量とから決定すればよい。なお、酸化クロムの還元が固相反応であることを考慮して、塊成物(混合物)104に配合する炭素量は、後述の理論必要炭素量より過剰とすることがクロム還元率を高める上で重要である。このように、理論必要炭素量より過剰の炭素を配合しても、冶金用改質炭102が加熱時に流動性を発揮してバインダーとして働くため、塊成物104や還元塊成物106の強度が維持される。
【0053】
[混合工程]:原料101と冶金用改質炭102とを混合するには図示しない混合機を用いるとよい。混合物はそのまま移動炉床炉105に装入してもよいが、造粒機103で塊成化することが好ましい。塊成化することにより、移動炉床炉105や溶解炉107からのダスト発生量が減るとともに、移動炉床炉105内における塊成物(混合物)104内部の伝熱効率が向上して還元速度が上昇するからである。特に、本発明においては、炭材として高流動性の冶金用改質炭102を用いているため、加熱時に炭材が流動化して塊成物104を構成する粒子が緊密化することにより高い伝熱効率が得られる。塊成物(混合物)104には造滓材などの副原料を添加してもよい。造粒機103としては、ブリケットプレスなどの圧縮成形機やディスク型ペレタイザーなどの転動造粒機のほか押出成形機を用いてもよい。造粒後の塊成物(混合物)104の水分が高い場合は移動炉床炉5に装入する前に乾燥してもよい。
【0054】
[還元工程]:造粒した塊成物(混合物)104は移動炉床炉105に装入し、輻射加熱する。移動炉床炉104としては回転炉床炉や直線炉、多段炉などが使用できる。また、輻射加熱には燃焼バーナ等を使用できる。
【0055】
塊成物(混合物)104は輻射加熱により急速昇温され、塊成物(混合物)104内部でクロム含有原料101中の酸化鉄と酸化クロムとが炭素質還元材102中の固定炭素により主として以下の反応式(1)および(2)により還元される(日本鉄鋼協会編、鉄鋼便覧、第3版、第2巻、発行所:日本鉄鋼協会、昭和54年10月15日発行、p.412−415参照)。
【0056】
FeO+C→Fe+CO−36.8kcal …(1)
ΔG=35350−35.9T
7Cr+27C→2Cr+21CO−1250.6kcal …(2)
ΔG=1230132−886.97T
【0057】
式(1)の反応開始温度は712℃であり、式(2)の反応開始温度は1114℃である。式(2)で還元されたFeはその一部が式(2)によって生成するCrに固溶して(Cr・Fe)となるものと考えられる。
【0058】
塊成物(混合物)104の輻射加熱が開始された時点から、塊成物(混合物)104の温度が酸化クロムの還元反応開始温度である1114℃に到達した時点までの、塊成物(混合物)104の平均昇温速度を13.6℃/s以上とするとよい。ここに、「塊成物(混合物)104の輻射加熱が開始された時点」とは、移動炉床炉105内において燃焼バーナ等で輻射加熱されている領域(輻射加熱領域)に塊成物(混合物)104が入った時点を指し、塊成物(混合物)104が炉床上に供給された時点から輻射加熱領域に入る時点までの領域は含まない。この塊成物(混合物)104が炉床上に供給された時点から輻射加熱領域に入る時点までの領域を含めない理由は、この領域では塊成物(混合物)104は主として炉床からの伝導伝熱だけで加熱され、かつ、この領域の滞留時間(通過時間)は通常短いので、FeOの還元反応開始温度である712℃まで昇温されず、還元反応による内装炭材の固定炭素分が実質的に消費されないためである。
【0059】
塊成物(混合物)104の輻射加熱を行う領域(還元工程)の雰囲気温度は1250〜1400℃とすることが好ましい。1250℃未満では塊成物(混合物)4の1114℃までの昇温速度が不十分となりやすいためであり、1400℃を超えると還元塊成物(還元混合物)106が軟化して還元塊成化物106同士が固着したり炉床に付着しやすくなるためである。
【0060】
また、塊成物(混合物)104の輻射加熱を行う領域(還元工程)の滞留時間は、例えば雰囲気温度1300℃の場合、5.3〜42.7minが好適である。
【0061】
また、還元生成したFeやCrが再酸化しないように、塊成物(混合物)104の輻射加熱を行う領域(還元工程)の雰囲気組成は、燃焼バーナの空気比の調整や移動炉床炉1内への還元ガスの吹込みなどによって還元性雰囲気とするのがよい。
【0062】
移動炉床炉105内で還元された還元塊成物(還元混合物)106は、移動炉床炉105内に設けられた輻射式冷却板や冷媒吹き付け装置などにより通常1000℃程度に冷却してから排出装置で排出する。
【0063】
なお、前述の理論必要炭素量とは、塊成物(混合物)106中の酸化鉄および酸化クロムを上記式(1)および(2)の反応を経て、(Cr・Fe)を生成するのに理論上必要とされる炭素量をいい、具体的には下式で定義される。
【0064】
理論必要炭素量(mol)=(Crのmol数)×27/7+(Feと結合しているOのmol数)+(Feのmol数)×3/7
【0065】
なお、上記還元工程において、塊成物(混合物)104とともに移動炉床炉105の炉床上に炭素質の雰囲気調整材を装入することも推奨される。雰囲気調整材は塊成物(混合物)104を炉床上に装入する前に、床敷として装入することが特に好ましいが、塊成物(混合物)104と同時に、あるいは塊成物(混合物)104の装入後に装入しても一定の効果が得られる。
【0066】
炭素質の雰囲気調整材を装入する効果は、(1)塊成物(混合物)104近傍を還元雰囲気に維持し、還元塊成物(還元混合物)106の再酸化を防止する、(2)雰囲気調整材から発生する揮発分やCOガス等が移動炉床炉105の燃料として利用でき移動炉床炉105での燃料消費量を削減できる、(3)炉床のビルドアップを防止して排出装置の負荷や刃先などの部材の磨耗を低減する、(4)還元塊成物(還元混合物)106とともに排出された脱揮後の雰囲気調整材は次工程の溶解工程で還元剤および/または熱源として利用できる、等である。
【0067】
炭素質の雰囲気調整材としては石炭や廃プラスチック、廃タイヤ、バイオマスが好ましい。例えば石炭やバイオマスを用いた場合は、移動炉床炉105内でチャー化され、揮発分は移動炉床炉105での燃料となり、チャー分は溶解炉での還元剤および/または熱源として利用できる。この他コークス、木炭、石油コークス、チャーなども使用できる。これらは揮発分が少ないため移動炉床炉105での燃料消費量の低減効果は石炭などに比べると小さい。
【0068】
雰囲気調整材のサイズ(粒径)は特に制限されるものではないが、好ましくは平均5mm以下、より好ましくは平均2mm以下とすることが推奨される。
【0069】
また、炉床上に供給する雰囲気調整材の厚みは1〜50mm程度が好ましい。
【0070】
また、雰囲気調整材に加えて、炉床へのビルドアップ防止のために炉床保護材を供給してもよい。この場合、雰囲気調整材は炉床保護材の上に装入するのが好ましい。炉床保護材としては高融点物質を含むものが望ましく、さらに炭素質物質を含むものが好ましい。高融点物質としては、アルミナおよび/またはマグネシアを含む酸化物、あるいは炭化珪素を含むものが推奨される。
【0071】
[凝集工程]:上記[還元工程]で還元された還元塊成物(還元混合物)106を移動炉床炉内で引き続き加熱して、この還元塊成物(還元混合物)106中の還元金属(Fe、Cr)を凝集させるようにしてもよい。加熱温度は上記[還元工程]と同程度乃至やや高めの温度で還元金属が溶融してしまわない程度の温度とし、加熱温度に応じて加熱時間を適宜調整すればよい。これにより、還元塊成物(還元混合物)106内部において還元金属が凝集してその凝集物の粒径が大きくなるため、本[凝集工程]を経ずに上記「還元工程」までで留めた還元塊成物(還元混合物)106に比べ、メタルとスラグの分離性が向上すること、還元金属からなる凝集物の表面積減少によって再酸化がされにくくなること等の効果が得られる。
【0072】
[溶解工程]:移動炉床炉105から排出された還元塊成物(還元混合物)106は好ましくはそれ以上冷却せずに高温のまま溶解炉107に装入する。溶解炉107はシュートなどで移動炉床炉105の排出部と直結してもよいし、コンベアなどの搬送機器を用いたり、一旦コンテナなどに貯えてから溶解炉107に装入してもよい。移動炉床炉105と溶解炉107とが近接していない場合や、溶解炉107の運転を停止しているような場合には、還元塊成物(還元混合物)106は常温まで冷却して半製品(フェロクロム精錬原料)とし、保管・輸送して用いてもよい。あるいは冷却せずに高温のまま熱間成形して表面積を小さくしてから冷却して耐再酸化性の良好な半製品とし、保管・輸送して用いることも好ましい。溶解炉107としては電気炉が使用できるが、石炭、重油、天然ガスなどの化石エネルギーを利用した溶解炉を使用してもよい。溶解炉107には必要に応じて造滓材などを装入し、1400〜1700℃の高温で還元塊成物(還元混合物)106を溶解し、メタル108とスラグ109に分離する。メタル108はそのままチャージクロムとするか、必要に応じて二次精錬を行ってフェロクロムとする。
【0073】
なお、前述したように、本発明では加熱時における炭材の流動化による塊成物104の緊密化により還元塊成物106も緻密化して見掛け密度が上昇するため、還元塊成物106が溶湯上に浮遊することがなく、溶湯中に浸漬されやすいことから溶解速度が上昇し、高い生産性が得られる。
【0074】
〔実施形態5〕
図5に、本発明の冶金用改質炭を用いた炭材内装法による還元金属の製造方法の別の実施形態として、酸化金属含有原料であるクロム含有原料の還元工程を示す。ここに、符号111は酸化クロムおよび酸化鉄を含有するクロム含有原料(以下、単に「原料」ともいう。)、符号112は炭素質還元材、符号113は造粒機、符号114は塊成物(混合物)、符号115は移動炉床炉、符号116は還元固化物、符号117はスクリーン、符号118はメタル、符号119はスラグを示す。
【0075】
本実施形態5において、原料111、炭素質還元材112、造粒機113および塊成物(混合物)114は、上記実施形態4の原料101、炭素質還元材102、造粒機103および塊成物(混合物)104と同様であり、[混合工程]についても上記実施形態4と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
[還元・溶融工程]:造粒した塊成物(混合物)114を移動炉床炉115に装入し、先ず雰囲気温度1250〜1400℃で輻射加熱する。この輻射加熱による塊成物(混合物)114の昇温速度は、上記実施形態4と同様、塊成物(混合物)114の輻射加熱が開始された時点から、塊成物(混合物)114の温度が酸化クロムの還元反応開始温度である1114℃に到達した時点までの、塊成物(混合物)114の平均昇温速度を13.6℃/s以上とするとよい。また、この領域における塊成物(混合物)114の滞留時間は5.3〜42.7minが好適である。
【0077】
引き続き移動炉床炉115内でこの還元塊成物(還元混合物)を、上記還元を行う領域の雰囲気温度(1250〜1400℃)より高い1350〜1700℃、好ましくは1350〜1650℃、より好ましくは1350〜1600℃の雰囲気温度で加熱し溶融し、還元溶融物とする。加熱溶融温度の下限を1350℃としたのは、この温度未満の温度では還元塊成物(還元混合物)の溶融が困難となるためであり、上限を1700℃としたのは、この温度を超えると還元炉の耐熱性に問題が生じやすくなるためである。この温度域での還元塊成物(還元混合物)の滞留時間は0.5〜10minの範囲で還元塊成物(還元混合物)が十分に溶融してメタルとスラグに分離するように適宜調整すればよい。還元塊成物(還元混合物)の滞留時間の下限を0.5minとしたのは、これより滞留時間が短いとメタルとスラグの分離が不十分となりやすいためであり、上限を10minとしたのは、これより滞留時間を延長してもメタルとスラグの分離の程度は飽和し、却って再酸化のおそれが増加するためである。
【0078】
なお、本発明では炭材として高流動性の冶金用改質炭を用いたことにより、後述の実施例で示すように、メタルの凝集性が向上し、メタルとスラグの分離が促進される。
【0079】
なお、上記のように移動炉床炉115内で2段階に雰囲気温度を変化させることなく、最初から1350〜1700℃の雰囲気温度により1段階で加熱して還元と溶融とを同時に進行させてもよく、より短時間で還元溶融物を得ることができる。
【0080】
なお、メタルとスラグの溶融の状態は、必ずしも両者とも溶融した状態である必要はなく、この両者が分離できる状態であれば、スラグのみが溶融した状態またはメタルのみが溶融した状態であってもよい。
また、雰囲気調整材と炉床保護材は実施の形態4と同様である。
【0081】
[固化工程]:この還元溶融物を移動炉床炉115内において1000℃程度に冷却し固化させて還元固化物116とする。移動炉床炉115内での冷却・固化手段としては上記実施の形態4で述べた輻射式冷却板や冷媒吹き付け装置などを用いることができる。また、移動炉床炉115から排出した後にさらに冷却してもよく、この際の冷却・固化手段としては、水砕、間接水冷、冷媒吹き付けなどの手段を用いることができる。
【0082】
[分離工程]:この還元固化物116を、必要に応じて解砕したのちスクリーン117によりメタル(粗フェロクロム)118とスラグ119に篩い分ける。分離されたスラグ119からは必要に応じてさらに磁選、浮選などの手段によりメタル分を回収することができる。分離されたメタル(粗フェロクロム)118は必要に応じて二次精錬を行って製品フェロクロムとする。あるいはメタル(粗フェロクロム)118は半製品(フェロクロム精錬原料)として、溶解炉での溶解原料として用いてもよい。半製品として用いる場合、上記実施の形態4の方法では半製品である還元塊成物中にはスラグ分が残存しているのに対し、本実施の形態5の方法によれば半製品であるメタル118からはすでにスラグ分が除去されているため、溶解炉でのスラグ分の溶解エネルギーが不要となり、溶解炉の消費エネルギーが大幅に減少する。また溶解炉でのスラグ生成量が著しく減少することから溶解炉の生産効率も格段に向上する。また、このメタル(粗フェロクロム)118はフェロクロムの原料とできるほか、このままでクロム含有合金製造の製鋼原料として使用することも可能である。また、スラグ分がない分半製品の重量が減少して保管や輸送コストが削減できるため、クロム鉱石の産出場所で本発明を実施すれば好適である。また、保管や輸送の便利のため必要に応じて塊成化などを行ってもよい。
【0083】
本発明では、[還元・溶解工程]においてメタル118とスラグ119の分離が十分に行われているため、[分離工程]における機械的分離操作により容易に高いメタル回収歩留が得られる。
【0084】
なお、雰囲気調整材は回収して再利用することも可能であり、またメタルとともに溶解炉に装入してもよい。さらに、炉床保護材は回収して再利用することが好ましい。
【0085】
〔実施形態6〕
図6に、本発明の、冶金用改質炭を用いた炭材内装法による酸化非鉄金属含有スラグの製造方法の一実施形態として、酸化鉄および酸化非鉄金属を含有する酸化金属含有原料であるチタン含有原料の還元工程を示す。なお、酸化金属原料としては、本実施形態のFe、Tiの酸化物を含むものに限定されるものではなく、V、Nb等の金属酸化物を含むものでもよく、またその形態は鉱石、精錬ダスト等いずれの形態であってもよい。ここに、符号211はチタン含有原料(以下、単に「原料」ともいう。)、符号212は冶金用改質炭、符号213は造粒機、符号214は塊成物(混合物)、符号215は移動炉床炉、符号216は還元固化物、符号217はスクリーン、符号218はメタル、符号219はスラグを示す。
【0086】
チタン含有原料211としては特に限定されないが、例えばチタン鉄鉱(イルメナイト鉱)、チタン磁鉄鉱、偽板チタン石などの天然鉱石以外にも、硫酸法による酸化チタン製造工程の遠心分離機での残渣やフィルター後の残渣、または塩素法での塩素化炉後に分離された残渣など酸化チタンやチタン製造時の副産物が使用できる。また、これらの原料は必要に応じて調合すればよく、例えば鉄鉱石や製鉄ダストなどを加えて酸化鉄量を調整したり、ルチル、アナターゼ、合成ルチルなどを加えて酸化チタン量を調整してもよい。以下、イルメナイト鉱211と冶金用改質炭212を混合した原料混合物214を代表例として説明するが、イルメナイト鉱211は、天然に存在するものでよく、チタンや鉄分などの割合については特に限定されない。
【0087】
なお、一般にイルメナイト鉱211は40〜60質量%の酸化チタン、30〜50質量%の酸化鉄を含有している。チタンスラグを効率的に製造するには、原料混合物214中の酸化鉄成分が酸化チタン成分の1/20以上、より好ましくは3/20以上であることが好ましい。
【0088】
また天然のイルメナイト鉱211には、脈石成分として相当量のSiOなどが含まれているが、Al、CaO、MgOなどを含めて脈石成分はチタンスラグに混入してチタン純度を低減させる要因となるため、原料混合物214中の含有量は少ない方が望ましい。
【0089】
冶金用改質炭212としては、上記実施例1〜3のいずれのものを用いてもよいが、上記実施例3の抽出炭のみからなる冶金用改質炭を用いることが、灰分を製品スラグ中に持ち込まないため望ましい。原料混合物214中への冶金用改質炭212の配合量は特に限定されないが、この冶金用改質炭212が酸化鉄の還元に十分な量となるように適宜配合量を変えることが望ましく、例えば原料混合物214中の固定炭素のモル数が酸化鉄として鉄に結合した酸素のモル数以上となるように配合することが好ましい。炭素の利用率は原料や炭素毎に異なるので、適宜調整することが望ましい。還元反応に余剰な炭素は還元鉄中に浸炭し、銑鉄中の炭素として利用することもできる。また、この混合物214とともに炭素質還元材を炉に装入したり、予め炉床に敷いておいてもよく、これにより還元時に酸化鉄近傍を高い還元性雰囲気に維持でき、還元鉄の再酸化を抑止できるので好ましい。
【0090】
[混合工程]:原料混合物(混合物)214は原料211、冶金用改質炭212等を粉末状にしたものをミキサーなど任意の図示しない混合手段を用いて混錬すればよく、混錬方法については特に限定されない。得られた混合物214は粉末状のままで用いてもよいが、取り扱い性を向上させるためには、ブリケットプレス、転動造粒や押出し成形などの任意成形法による造粒機213を用いて混合物214をブリケット状、ペレット状、板状などの塊成物にすることが望ましい。なお、本実施形態ではブリケット状の塊成物214を代表例として説明する。
【0091】
塊成物214を製造する際に、この塊成物214中に適量の酸化カルシウム源(例えば消石灰、石灰石など)を配合し、塊成物214中に含まれるチタンスラグ形成成分(酸化チタンおよび原料として用いた鉱石中の脈石成分や炭材中の灰分などとして含まれるSiO、Al、CaO等のスラグ成分)の組成を調整すれば、還元鉄の溶融時に生成するチタンスラグの融点が低下するとともに、このチタンスラグの流動性も高まり、チタンスラグと溶融鉄との分離性が高まるので望ましい。酸化カルシウム源は溶融処理時に存在していればよく、例えば酸化カルシウムを配合して塊成物214を造粒したり、塊成物214に酸化カルシウム源を外装して酸化処理してもよい。
【0092】
塊成物214の造粒にあたっては、必要に応じてベントナイト、澱粉、消石灰、有機粘結剤などのバインダーを使用してもよい。
【0093】
[還元・溶融工程]:本発明で使用される移動炉床炉215としては、移動タイプの炉床を含むものであれば限定されず、例えばストレートグレートタイプや回転炉床炉などあらゆる構造のものを活用できる。
【0094】
移動炉床炉215は温度制御が容易であり、従来の電気炉に比べて低温、すなわち酸化チタンの還元が開始する温度以下の温度に維持しつつ、酸化鉄を選択的に短時間で効率良く還元処理できるので望ましい。特に回転炉床炉は、設置に必要なスペースが比較的少なくてよく、また炉内の雰囲気調整も容易であり、二酸化チタンの還元を抑制しつつ酸化鉄の還元率を高めることができるので望ましい。
【0095】
以下、移動炉床炉215として回転炉床炉を用いた場合を代表例として説明するが、本発明の方法を回転炉床炉に限定する趣旨ではない。
【0096】
炉内温度は、1200〜1500℃、より好ましくは1200〜1400℃の範囲に保って還元を行うことが望ましい。1200〜1500℃の範囲であれば、酸化チタンを還元することなく、酸化鉄のみを選択的に効率よく還元できるからである。
【0097】
ちなみに加熱温度が1200℃未満では、酸化鉄の還元反応の進行が遅く、炉内滞留時間を長くしなければならないので生産性が悪くなる。一方炉内温度が1500℃を超えると、二酸化チタンの還元反応が進行してチタンスラグとしての回収率が低くなる。また1500℃を超えると還元期にFeOを含む低融点スラグの滲み出しが起こり、炉床耐火物の溶損が著しくなって連続操業が困難になることがある。なお塊成物の組成や配合量によっては、1400〜1500℃の温度領域で滲み出し現象を起すこともあるが、その頻度と可能性は比較的少ない。したがって還元期の好適温度としては1200〜1500℃、より好ましくは1200〜1400℃の範囲を採用することが望ましい。なお実操業においては、還元期の初期には炉内温度を1200℃以下に設定し、その後に1200〜1500℃に温度を高めて還元を進めることももちろん可能である。
【0098】
塊成物214を構成する酸化鉄や酸化チタンの割合、炭材(冶金用改質炭)の種類によって若干の違いはあるが、通常は5〜20min程度で酸化鉄の還元を完了させることができる。
【0099】
上記のように混合物(塊成物)214を還元処理すると、酸化鉄の大部分が金属鉄に還元されているにもかかわらず、酸化チタンはほとんど還元されていない還元混合物となる。
【0100】
引き続き炉内温度を1300〜1500℃に高め、一部残された酸化鉄を還元するとともに生成した還元鉄を溶融させる2段加熱方式を採用すれば、金属鉄とともに酸化チタンを安定して効率よく製造できる。したがってこのような2段加熱方式を採用する場合は、例えば回転炉床炉内を隔壁によって炉床の移動方向に少なくとも2以上に仕切り、仕切られた区画のうち上流側は還元区画、下流側は加熱溶融区画として、それぞれの区画で温度および雰囲気ガス組成を個別に制御できるような構造とすることが望ましい。なお、炉内を2枚以上の隔壁によって3区画以上に仕切り、より厳密な温度と雰囲気ガス組成の制御が行えるようにしてもよく、こうした分割区画の数は、移動炉床炉の規模や構造などに応じて任意に増減することが可能である。
【0101】
炉内温度は還元と溶融をより円滑かつ効率よく進行させるため、上記溶融時の温度を還元時の温度よりも100〜300℃、より好ましくは120〜250℃程度高温に設定することが望ましい。
【0102】
なお、チタンスラグは溶融しなくてもよい。排出物を粒鉄218とスラグ粒219の混合物として回収する場合には、下記[分離回収工程]で説明するように、炉外排出後に破砕してから磁選等の任意の手段で選別することによってチタン含有スラグ219を得ることができる。本発明においては、炭材として高流動性の冶金用改質炭212を用いているため、溶融鉄の凝集性を高めることができ、粒鉄218とスラグ粒219とが分離しやすくなっており、スラグ粒中に金属鉄が混入することが少なく、高品質のチタン含有スラグ219を得ることができる。
【0103】
[固化工程]:さらにこの炉内に任意の冷却手段を備えた冷却部を設けて溶融鉄を冷却・固化して還元固化物216とすれば、その下流側に設けた排出装置によって還元固化物216を容易に炉外に掻き出すことができる。
【0104】
[分離回収工程]:この還元固化物216を、必要に応じて解砕したのちスクリーン217により篩い分け、さらに必要により図示しない磁選等によりメタル(粒鉄)218とスラグ(スラグ粒)219に分離することにより、高品位のチタンスラグ219が得られる。
【0105】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0106】
〔実施例1〕
表1に示す2種類の石炭を有機溶剤として2環芳香族である1−メチルナフタレンを用いて表2に示す抽出温度(加熱温度)および抽出時間(熟成時間)で溶剤処理を行った。その結果、表2に併記したような収率で抽出炭と残炭が得られた。
【0107】
【表1】
Figure 2004307714
【0108】
【表2】
Figure 2004307714
【0109】
上記の石炭1(亜瀝青炭、高揮発分炭)に対する溶剤処理で得られた抽出炭と残炭を、配合割合を変えて混合して作製した改質炭を用いてギーセラー流動性試験を行ったところ、表3に示す結果が得られた。この表から明らかなように、本発明方法を用いることにより、本来流動性を示さない石炭を流動性を発現する石炭に改質できること、また抽出炭と残炭の配合割合により軟化流動性を変えられることがわかった。
【0110】
【表3】
Figure 2004307714
【0111】
また、石炭1に対する溶剤処理で、抽出炭と残炭との分離を行わず、溶剤中での加熱処理(400℃)のみで得られた改質炭についても、表4に示すように、軟化流動性が得られた。
【0112】
【表4】
Figure 2004307714
【0113】
表4に示すように、分離操作なしでも流動性を持たない石炭を溶剤加熱処理により流動性を持つ石炭に改質できる。ただし、抽出炭と残炭に一旦分ける場合(表3の試験No.3)の方が、同じ条件で加熱処理のみを行う場合(表4の試験No.4)より流動性が向上しているのがわかる。これは加熱により石炭分子の凝集状態を緩和して流動性を持つ成分を溶出させても、この成分が残炭と共存する場合は冷却によって流動性を持たない残炭成分分子との再凝集や一部の熱分解ラジカルが残炭と重合して安定化することにより、分離操作した場合よりも流動性が低下するためと考えられる。したがって、より良好な流動性を得るために、あるいは改質炭の灰分濃度および流動性を調整するために、一旦抽出炭と残炭とに分離したのち、適宜残炭の配合率を調整する方法を採用することが望ましい。
【0114】
なお、もともと軟化流動性を有する石炭2の場合も、その抽出炭はさらに良好な軟化流動性を示すことを確認した。また、残炭については石炭1、石炭2ともに軟化流動性を示さなかった。
【0115】
〔実施例2〕
石炭1と石炭2をそれぞれ上記実施例1で用いた2環芳香族溶剤である1−メチルナフタレン中で、抽出時間(熟成時間)は40min一定の条件で、抽出温度(加熱温度)を変えて溶剤処理したときの、抽出温度と石炭抽出率との関係を図7に示す。図7に示すように、200℃程度の加熱で石炭が溶け出し、抽出率は温度ともに上昇するが、一定の温度以上になると逆に低下する。これは石炭の熱分解が激しくなり、熱分解した分子同士の重合反応等により元の分子より大きくなるためであり、むやみに加熱すればよいということではなく、炭種ごとに最適温度が存在する。多くの石炭を用いて試験した結果として、加熱処理温度は350〜420℃程度が好ましいことがわかった。
【0116】
〔実施例3〕
石炭1と石炭2をそれぞれ上記実施例1で用いた2環芳香族溶剤である1−メチルナフタレン中で、抽出温度(加熱温度)は一定の条件で、抽出時間(加熱時間)を変えて溶剤処理したときの、抽出時間と石炭抽出率との関係を図8に示す。図8に示すように、石炭抽出率は抽出温度によらず抽出時間40〜120min程度でほとんど変化はなく飽和状態を示すが、抽出温度が420℃のような高温では、抽出時間は10min程度で十分であることがわかった。
【0117】
〔実施例4〕
上記実施例1で用いた2環芳香族である1−メチルナフタレンを初期溶剤として使用し、石炭1を用いて石炭抽出と溶剤回収を繰り返したときの繰り返し使用回数と石炭抽出率の関係を図9に示す。図9に示されるように、繰り返し使用しても抽出率にほとんど変化はなく、2環芳香族溶剤が安定的に循環使用できることがわかった。
【0118】
〔実施例5〕
炭材内装法による還元金属(還元鉄)の製造を模擬する還元試験を実施した。酸化金属とし鉄鉱石を用い、炭材として(1)溶剤処理していない高揮発分炭(石炭1)、(2)高揮発分炭(石炭1)を溶剤処理したまま抽出炭と残炭に分離しない改質炭(実施例1の試験No.4)、(3) 高揮発分炭(石炭1)を溶剤処理したのち抽出炭と残炭に分離し、双方を分離比率と同じ比率で再配合した改質炭(実施例1の試験No.3)の3種類をそれぞれ用いた。表8〜10に本実施例で用いた鉄鉱石および各炭材の成分組成および粒度を示す。鉄鉱石に炭材を混合して作製した混合原料5gを直径20mmのシリンダーに装入し、20トンの荷重を加えてタブレットに成形し、これを小型加熱炉内で1300℃、窒素雰囲気下で還元した。なお、混合原料中の炭材の配合率は、還元鉄中の残留炭素量が6質量%になるように調整した。
【0119】
還元試験により得られた還元鉄の圧潰強度を表5に示す。表5に示すように、軟化流動性を持たない石炭1(高揮発分炭)を用いると還元鉄の強度は非常に低くなる(試験No.1−1)が、元は軟化流動性を持たない石炭1(高揮発分炭)を溶剤処理により改質することによって軟化溶融性を示すようになり、このような改質炭を内装炭材として用いることにより還元鉄の強度が著しく改善されることがわかった(試験No.1−2、1−3)。なお、原炭1(高揮発分炭)からの改質炭の収率は96%であった。また、すべての試験において還元鉄の金属化率は約90%であった。
【0120】
【表5】
Figure 2004307714
【0121】
〔実施例6〕
上記実施例5とは異なり、還元温度を1450℃に上昇させて、メタルとスラグを溶融分離させる条件下における還元試験を実施した。また、混合原料中の炭材の配合率は、メタル(粒鉄)中の残留炭素量が4.5質量%になるように調整した。
【0122】
還元試験により生成した溶融物を冷却して得られた固化物を解砕し磁選により、粒鉄(メタル)とスラグに分離した。分離後回収できた粒鉄のうち0.5mm以上の粒径のものの割合を表6に示す。表6に示すように、軟化流動性を持たない石炭1(高揮発分炭)を用いると、得られた粒鉄は粒径が0.5mmより小さいものがほとんどである(試験No.2−1)が、軟化流動性を有する改質炭を用いると0.5mmより小さいものは大幅に減少し、大部分が0.5mmより大きいものとなった(試験No.2−2、2−3)。石炭を溶剤処理により改質することによって軟化溶融性が高くなり、このような改質炭を内装炭材として用いることにより溶融鉄の凝集性が改善され、粒鉄の粒径が大きくなったためと考えられる。なお、原炭からの改質炭の収率は、石炭1の高揮発分炭(試験No.2−2)で96%、石炭2の瀝青炭(試験NO.2−3)で97%であった。なお、すべての試験において粒鉄の金属化率はほぼ100%であった。
【0123】
【表6】
Figure 2004307714
【0124】
〔実施例7〕
炭材内装法による酸化非鉄金属含有スラグ(酸化チタンスラグ)の製造を模擬する還元試験を実施した。酸化金属としてイルメナイト鉱石を用い、炭材として(1)溶剤処理していない瀝青炭(石炭2)、(2) 瀝青炭(石炭2)を溶剤処理した抽出炭、(3) 高揮発分炭(石炭1)を溶剤処理した抽出炭(実施例1の試験No.1)の3種類をそれぞれ用いた。なお、上記(2)の炭材を用いる場合、イルメナイト鉱石のみと混合して混合原料とする場合のほか、スラグ組成のCaO/SiOが0.4になるように混合原料にさらに生石灰を添加する場合、混合原料中の全Fe分が40質量%になるようにFeO試薬を添加する場合についても還元試験を実施した。表8〜10に本実施例で用いたイルメナイト鉱石および各炭材の成分組成および粒度を併記して示す。イルメナイト鉱石に炭材等を混合して作製した混合原料5gを直径20mmのシリンダーに装入し、20トンの荷重を加えてタブレットに成形し、これを小型加熱炉内で1500℃、窒素雰囲気下で還元した。なお、混合原料中の炭材の配合率は、メタル(粒鉄)中の残留炭素量が2質量%になるように調整した。
【0125】
還元試験により生成した溶融物を冷却して得られた固化物を解砕し磁選により、粒鉄(メタル)とスラグに分離した。分離後回収できた粒鉄のうち0.5mm以上の粒径のものの割合とスラグの成分組成を表7に示す。元々ある程度の軟化流動性を有するものの溶剤処理していない石炭2(瀝青炭)を用いると、得られた粒鉄は粒径が0.5mmより小さいものがかなり多い(試験No.3−1)が、軟化流動性が著しく高められた改質炭を用いると0.5mmより小さいものは大幅に減少し、大部分が0.5mmより大きいものとなった(試験No.3−2〜3−5)。特に、石灰石を添加してスラグの塩基度を調整したもの(試験No.3−4)では、スラグ中のTiO純度が若干低下したものの、還元時にメタルのみならずスラグも溶融し、その結果メタルの凝集が容易になり、粒鉄は粒径が0.5mmより大きいものが大幅に増加した。また、FeO試薬を添加して混合原料中の鉄分を増加させたもの(試験No.3−5)では、還元時にスラグの溶融はほとんど認められなかったため上記塩基度調整したもの(試験No.3−4)ほどはメタルの凝集効果が大きくないものの、メタル(溶融鉄)の量が増加したことによりメタルの凝集が促進され、粒鉄は粒径が0.5mmより大きいものがやや増加した。ただし、この方法ではスラグ中のTiO純度は低下しない。
【0126】
また、灰分を有しない抽出炭を改質炭として用いた場合(試験No.3−2〜3−5)は、灰分を有する高揮発分炭を用いた場合(試験No.3−1)に比べ、スラグ中のTiO成分の割合(TiO純度)が上昇した。
【0127】
なお、高揮発分炭の改質炭(抽出炭)を用いた場合(試験No.3−3)には、抽出炭の揮発分も高くなり、還元および浸炭に寄与する固定炭素分が少ないため、瀝青炭の改質炭(抽出炭)を用いた場合(試験No.3−2、3―4、3−5)より炭材量を多く必要とした。
【0128】
なお、原炭からの改質炭(抽出炭)の収率は、高揮発分炭(試験No.3−2)で62%、瀝青炭(試験No.3−3〜3−5)で42%であった。なお、すべての試験において粒鉄の金属化率はほぼ100%であった。
【0129】
【表7】
Figure 2004307714
【0130】
【表8】
Figure 2004307714
【0131】
【表9】
Figure 2004307714
【0132】
【表10】
Figure 2004307714
【0133】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、従来炭材内装法には不向きであった高揮発分炭などの低品位炭を、炭材内装法に適した冶金用改質炭に改質する方法を提供することができる。また、このような冶金用改質炭を用いることにより、高品質の還元金属および酸化非鉄金属含有スラグを製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冶金用改質炭の製造方法の実施形態に係るプロセスフローを示すフロー図である。
【図2】本発明の冶金用改質炭の製造方法の別の実施形態に係るプロセスフローを示すフロー図である。
【図3】本発明の冶金用改質炭の製造方法の別の実施形態に係るプロセスフローを示すフロー図である。
【図4】本発明の、冶金用改質炭を用いた炭材内装法による還元金属の製造方法の実施形態に係る、クロム含有原料の還元工程を示すフロー図である。
【図5】本発明の、冶金用改質炭を用いた炭材内装法による還元金属の製造方法の別の実施形態に係る、クロム含有原料の還元工程を示すフロー図である。
【図6】本発明の、冶金用改質炭を用いた炭材内装法による酸化非鉄金属含有スラグの製造方法の実施形態に係る、チタン含有原料の還元工程を示すフロー図である。
【図7】抽出温度と石炭抽出率との関係を示すグラフ図である。
【図8】抽出時間と石炭抽出率との関係を示すグラフ図である。
【図9】溶剤繰り返し使用回数と石炭抽出率の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…石炭(原炭)
2…有機溶剤
3…スラリー調製槽
4…原料スラリー
5…スラリーポンプ
6…熱交換器
7…加熱器
8…熟成槽
9…沈降槽
12,13…溶剤除去装置(溶剤回収装置)
14…抽出炭
16…循環溶剤
17…残炭
24…溶剤ポンプ
25…処理後スラリー
26…上澄み液
27…残炭スラリー
32…冶金用改質炭(混合物)
101、111…クロム含有原料
102、112…冶金用改質炭
103、113…造粒機
104、114…塊成物(原料混合物、混合物)
105、115…移動炉床炉
106…還元塊成物(還元混合物)
107…溶解炉
108、118…メタル
109、119…スラグ
116…還元固化物
117…スクリーン
211…チタン含有原料
212…冶金用改質炭
213…造粒機
214…塊成物(混合物)
215…移動炉床炉
216…還元固化物
217…スクリーン
218…メタル
219…スラグ

Claims (20)

  1. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより冶金用改質炭を製造する方法であって、
    石炭と有機溶剤とを混合して原料スラリーとするスラリー調製工程と、
    この原料スラリーを加熱し熟成することにより、前記有機溶剤中に前記石炭から可溶分を抽出して抽出処理スラリーとする抽出工程と、
    この抽出処理スラリーから前記有機溶剤を蒸発除去することにより、固体残留物である冶金用改質炭を得る溶剤除去工程と、
    を備えたことを特徴とする冶金用改質炭の製造方法。
  2. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより冶金用改質炭を製造する方法であって、
    石炭と有機溶剤とを混合して原料スラリーとするスラリー調製工程と、
    この原料スラリーを加熱し熟成して前記有機溶剤中に前記石炭から可溶分を抽出して抽出処理スラリーとする抽出工程と、
    この抽出処理スラリーを静置して前記石炭の未溶分を沈降させることにより、前記抽出された可溶分である抽出炭を含む上澄み液と、前記沈降した未溶分である残炭を含む残炭スラリーとに分離する沈降分離工程と、
    前記上澄み液から前記有機溶剤を蒸発除去して固体残留物である前記抽出炭を得る第1の溶剤除去工程と、
    前記前記残炭スラリーから前記有機溶剤を蒸発除去して固体残留物である前記残炭を得る第2の溶剤除去工程と、
    前記抽出炭に前記残炭を配合して軟化流動性を調整した冶金用改質炭を得る配合工程と、
    を備えたことを特徴とする冶金用改質炭の製造方法。
  3. 冶金用改質炭に対する前記残炭の配合率を0質量%超70質量%以下とする請求項2に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  4. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより冶金用改質炭を製造する方法であって、
    石炭と有機溶剤とを混合して原料スラリーとするスラリー調製工程と、
    この原料スラリーを加熱し熟成して前記有機溶剤中に前記石炭から可溶分を抽出して抽出処理スラリーとする抽出工程と、
    この抽出処理スラリーを静置して前記石炭の未溶分を沈降させることにより、前記抽出された可溶分である抽出炭を含む上澄み液と、前記沈降した未溶分である残炭を含む残炭スラリーとに分離する沈降分離工程と、
    前記上澄み液から前記有機溶剤を蒸発除去して得られた前記抽出炭を冶金用改質炭とする溶剤除去工程と、
    を備えたことを特徴とする冶金用改質炭の製造方法。
  5. 前記抽出工程における加熱温度を250〜550℃とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  6. 前記抽出工程における熟成時間を5〜120minとする請求項1〜5のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  7. 前記抽出工程における熟成を0.5MPa以上の窒素雰囲気下で行う請求項1〜6いずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  8. 前記有機溶剤として、2環芳香族化合物を主成分とし、常圧における沸点が200〜300℃のものを使用する請求項1〜7のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  9. 前記蒸発除去された有機溶剤を回収し、前記スラリー調整工程に循環させる溶剤回収工程を備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  10. 前記回収された有機溶剤には一切の再水素化処理を施さない請求項1〜9のいずれか1項に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  11. 前記有機溶剤を回収する手段が、減圧蒸留法またはスプレードライ法によるものである請求項9または10に記載の冶金用改質炭の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法で得られる冶金用改質炭。
  13. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、
    石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、
    この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、
    この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物である還元金属を得る還元工程と、
    を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法。
  14. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、
    石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、
    この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、
    この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物である還元金属を得る還元工程と、
    この還元混合物を前記移動炉床炉内で引き続き加熱して当該還元混合物中の還元金属を凝集させる凝集工程と、
    を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法。
  15. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、
    石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、
    この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、
    この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物を得る還元工程と、
    この還元混合物を溶解炉内で加熱し溶解してメタルとスラグとに分離する溶解工程と、
    このメタルを炉外へ排出し還元金属として回収する回収工程と、
    を備えた還元金属の製造方法。
  16. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、
    石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、
    この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、
    この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物としたのち、引き続きこの還元混合物を加熱し溶融して還元溶融物である還元金属を得る還元・溶融工程と、
    を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法。
  17. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて還元金属を製造する方法であって、
    石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、
    この冶金用改質炭と酸化金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、
    この混合物を移動炉床炉内で加熱還元して還元混合物としたのち、引き続きこの還元混合物を加熱し溶融して還元溶融物を得る還元・溶融工程と、
    この還元溶融物を、前記移動炉床炉内において冷却し固化させて還元固化物を得る固化工程と、
    この還元固化物を、炉外に排出してメタルとスラグとに分離し、このメタルを還元金属として回収する分離回収工程と、
    を備えたことを特徴とする還元金属の製造方法。
  18. 石炭を有機溶剤で抽出処理することにより得られた冶金用改質炭を用いて酸化非鉄金属含有スラグを製造する方法であって、
    石炭を有機溶剤中で加熱し熟成することにより、前記石炭より軟化流動性を高めた冶金用改質炭を得る石炭改質工程と、
    この冶金用改質炭と酸化鉄および酸化非鉄金属を含有する酸化金属含有原料とを混合して混合物となす混合工程と、
    この混合物を移動炉床炉内で加熱してこの混合物中の酸化鉄を還元して金属鉄とした還元混合物としたのち、引き続きこの還元混合物を加熱し前記金属鉄を溶融させて酸化非鉄金属スラグから分離させる還元・溶融工程と、
    この酸化非鉄金属スラグと溶融した金属鉄との混合物を、前記移動炉床炉内において冷却し前記金属鉄を固化させて還元固化物を得る固化工程と、
    この還元固化物を、炉外に排出してスラグとメタルとに分離し、このスラグを酸化非鉄金属スラグとして回収する分離回収工程と、
    を備えたことを特徴とする酸化非鉄金属含有スラグの製造方法。
  19. 請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法で得られる還元金属。
  20. 請求項18に記載の方法で得られる酸化非鉄金属含有スラグ。
JP2003105454A 2003-04-09 2003-04-09 冶金用改質炭の製造方法、ならびに冶金用改質炭を用いた還元金属および酸化非鉄金属含有スラグの製造方法 Expired - Lifetime JP4295544B2 (ja)

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