JP2004306970A - 紙製収納容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第2蓋片8の突端部8aから突出する差込片10を第1蓋片7に開口するスリット11に差込むと、差込片10の切欠部10cとスリット11の各端部とが係合することに加え、一対の突出片12が第2蓋片8の裏面に当接する。よって、第1蓋片7と第2蓋片8とは確実にロックされる。また、突出片12の突端部は自由端であるので、その反発力は大きく、ロックとその解除とを繰り返しても、ロック機能の低下を抑制することができる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、紙製収納容器に関し、特に、観音開き状に開閉する一対の蓋片を容易に且つ確実にロックすることができると共に、ロックとその解除とを繰り返してもロック機能の低下を抑制することができる紙製収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被収納物を出し入れするための収納口に対して観音開き状に開閉する一対の蓋片を備えた紙製収納容器がある。この一対の蓋片にはロック機構が備えられているものがあり、このロック機構により一対の蓋片は収納口を覆った状態でロックされ、被収納物が収納口から外部へ飛び出すのが防止されている。
【0003】
この種の紙製収納容器に関し、例えば、特開2000−238738号公報には、一方の蓋片にロックタブを形成し、他方の蓋片にロックスロットを形成し、一方の蓋片を他方の蓋片に重ねると共に、ロックタブをロックスロットに差込んで、ロックタブの係合部をロックスロットと係合させることで、両蓋片をロックする技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−238748号公報(第18段落第4行目〜第7行目等、第3図、第4図等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したロックスロットは他方の蓋片に切れ込み状に形成されているので、ロックタブを差込みにくいという問題点があった。
【0006】
そのためロックタブをロックスロットに差し込む場合には、ロックスロットと他方の蓋片の突端部との間の部分を内側に窪ませ、ロックスロットの開口を広げた状態でロックタブをロックスロットに差し込む必要があった。よって、ロックスロットと他方の蓋片の突端部との間の部分が窪んだ状態のままになり、ロック機能が低下するという問題点があり、特に、ロックと解除とを繰り返した場合には、この問題点が顕著に現れていた。
【0007】
本発明は、この問題を解消すべくなされたものであって、観音開き状に開閉する一対の蓋片を容易に且つ確実にロックすることができると共に、ロックとその解除とを繰り返してもロック機能の低下を抑制することができる紙製収納容器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の紙製収納容器は、底壁と、その底壁の周縁から起立する側壁と、その側壁の縁部で形成する収納口と、その収納口の一部を覆うために対峙する一方の側壁の縁部から延出する第1蓋片と、その第1蓋片の一部と前記収納口の他の部分とを覆うために対峙する他方の側壁の縁部から延出する第2蓋片とを備え、その第2蓋片と第1蓋片とを前記収納口に対して観音開き状に開閉可能な容器であって、前記第1蓋片に細幅状に開口するスリットと、そのスリットの各端部と係合する係合部を有し前記第2蓋片の突端部から突出する差込片と、その差込片の長手方向の幅より狭い所定幅で前記第1蓋片の突端部から前記スリットの途中に接続する開口部と、その開口部を挟む両側であって前記スリットの各端部に隣設され、互いに向き合う方向に突出し、前記差込片を前記スリットに差込み、前記差込片の係合部と前記スリットの各端部とを係合させた状態で前記第2蓋片の裏面に当接する一対の突出片とを備えている。
【0009】
この請求項1記載の紙製収納容器によれば、底壁と、その底壁の周縁から起立する側壁とに囲まれる空間によって被収納物を収納する収納空間が形成され、被収納物は側壁の縁部で形成する収納口から出し入れされる。また、収納口は対峙する一方の側壁の縁部から延出する第1蓋片によって一部が覆われ、対峙する他方の側壁の縁部から延出する第2蓋片によって第1蓋片の一部が覆われると共に収納口の他の部分が覆われて封止される。
【0010】
この際、第2蓋片の突端部から突出する差込片が第1蓋片に開口するスリットに差込まれ、差込片の係合部と前記スリットの各端部とが係合すると共に、開口部を挟む両側であってスリットの各端部に隣設され互いに向き合う方向に突出する一対の突出片が、第2蓋片の裏面に当接する。よって第1蓋片と第2蓋片とがロックされる。
【0011】
請求項2に記載の紙製収納容器は、請求項1に記載の紙製収納容器において、前記突出片の突出幅は、前記スリットの長手方向の幅の略7%から略11%の範囲で形成されている。
【0012】
請求項3に記載の紙製収納容器は、請求項1又は2に記載の紙製収納容器において、前記突出片の両角部は湾曲状に形成されており、前記両角部のうち前記スリット側の角部と、そのスリット側の角部と連設する側縁部とは、他方の角部よりも緩やかな連続した湾曲状に形成されている。
【0013】
請求項4に記載の紙製収納容器は、請求項1から3のいずれかに記載の紙製収納容器において、前記突出片の各側縁部間の最大幅は前記スリットの長手方向の幅の略22%から略26%の範囲で形成されている。
【0014】
請求項5に記載の紙製収納容器は、請求項1から4のいずれかに記載の紙製収納容器において、前記スリットの各端部の幅は、前記差込片の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成されている。
【0015】
請求項6に記載の紙製収納容器は、請求項1から5のいずれかに記載の紙製収納容器において、前記差込片は、前記第2蓋片の突端部から前記スリットの長手方向の幅と略同等の幅で延びる本体と、その本体の各側縁部から突出する一対の耳部と、その一対の耳部の各端部と前記第2蓋片の突端部との間であって互いに対向する位置に前記本体側に向けて切欠する一対の切欠部とを備え、前記スリットの各端部と係合する前記差込片の係合部は、前記一対の切欠部で構成されており、その一対の切欠部の間隔は前記スリットの長手方向の幅と略同様に形成されている。
【0016】
この請求項6に記載の紙製収納容器によれば、請求項1から5のいずれかに記載の紙製収納容器と同様に作用する上、差込片をスリットに差込む場合には、スリットの長手方向の幅より広い両耳部をスリットの各端部で押し曲げつつ、スリットの長手方向の幅と略同様に形成さている両切欠部をスリットの各端部の位置まで差込み、両切欠部とスリットの各端部とを係合させる。
【0017】
請求項7に記載の紙製収納容器は、請求項6に記載の紙製収納容器において、前記切欠部は、前記本体側から外側に向けて広がる略V字型に形成されており、その最大幅は前記第1蓋片の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成されている。
【0018】
請求項8に記載の紙製収納容器は、請求項6又は7に記載の紙製収納容器において、前記耳部の突出幅は、前記第2蓋片の突端部から前記本体の突端部に向けて減少し、その最大突出幅は、前記スリットの長手方向の幅の略2%以下で形成されている。
【0019】
請求項9に記載の紙製収納容器は、請求項6から8のいずれかに記載の紙製収納容器において、前記本体の角部と前記耳部の端部とは連続した湾曲状に形成されており、前記耳部は前記第2蓋片の突端部から前記本体の突端部までの間隔の略70%から略85%の範囲で前記本体の側端部に連設されている。
【0020】
【発明の効果】請求項1に記載の紙製収納容器によれば、第2蓋片の突端部から突出する差込片を第1蓋片に開口するスリットに差込むと、差込片の係合部とスリットの各端部とが係合することに加え、一対の突出片が第2蓋片の裏面に当接する。よって、第1蓋片と第2蓋片とを容易に且つ確実にロックすることができる。また、突出片の突端部は自由端であるので、その反発力は大きく、ロックとその解除とを繰り返しても、ロック機能の低下を抑制することができるという効果がある。
【0021】
請求項2に記載の紙製収納容器によれば、請求項1記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、突出片の突出幅は、スリットの長手方向の幅の略7%から略11%の範囲で形成されているので、突出片の反発力を一層効果的に発揮させることができるという効果がある。
【0022】
請求項3に記載の紙製収納容器によれば、請求項1又は2に記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、突出片の両角部は湾曲状に形成されているので、取扱上安全であると共に、被収納物が傷付けられるのを防止することができる。また、両角部のうちスリット側の角部と、そのスリット側の角部と連設する側縁部とは、他方の角部よりも緩やかな連続した湾曲状に形成されているので、差込片をスリットに容易に差し込むことができるという効果がある。
【0023】
請求項4に記載の紙製収納容器によれば、請求項1から3のいずれかに記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、突出片の各側縁部間の最大幅はスリットの長手方向の幅の略22%から略26%の範囲で形成されているので、突出片の反発力を一層効果的に発揮させることができるという効果がある。
【0024】
請求項5に記載の紙製収納容器によれば、請求項1から4のいずれかに記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、スリットの各端部の幅は、差込片の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成されているので、差込片を一層容易にスリットに差し込むことができるという効果がある。
【0025】
請求項6に記載の紙製収納容器によれば、請求項1から5のいずれかに記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、一対の切欠部の間隔はスリットの長手方向の幅と略同様に形成されているので、一対の切欠部とスリットの各端部とを確実に係合させることができ、ロック機能を向上させることができるという効果がある。
【0026】
請求項7に記載の紙製収納容器によれば、請求項6に記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、切欠部は、本体側から外側に向けて広がる略V字型に形成されており、その最大幅は前記第1蓋片の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成されているので、差込片をスリットに差し込む場合に切欠部とスリットとを容易に係合させることができるという効果がある。
【0027】
請求項8に記載の紙製収納容器によれば、請求項6又は7に記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、耳部の突出幅は、第2蓋片の突端部から本体の突端部に向けて減少し、その最大突出幅は、スリットの長手方向の幅の略2%以下で形成されているので、スリットの長手方向の幅よりも広い耳部であってもスリット内に容易に差し込むことができるという効果がある。
【0028】
請求項9に記載の紙製収納容器によれば、請求項6から8のいずれかに記載の紙製収納容器の奏する効果に加え、本体の角部と耳部の端部とは連続した湾曲状に形成されており、耳部は第2蓋片の突端部から本体の突端部までの間隔の略70%から略85%の範囲で本体の側端部に連設されているので、スリットの長手方向の幅よりも広い耳部であっても一層容易にスリット内に差し込むことができるという効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例である紙製収納容器1の斜視図であり一対の蓋片を開いた状態を示す図である。一方、図2は一対の蓋片を閉めた状態を示す紙製収納容器1の斜視図である。この紙製収納容器1は、被収納物としてクッキー、チョコレート、キャンディー等の小さな菓子を収納するため容器であり、収納口を封止するために観音開き状に開閉可能な一対の蓋片を備えている。尚、被収納物としては紙製である本収納容器1の耐重量性の許容範囲内であれば、特に、菓子に限定されるものではない。
【0030】
紙製収納容器1は、内部に被収納物を収納するための収納空間を有する略直方体状に形成されている。紙製収納容器1は、略長方形状の底壁2と、その底壁2の長辺の縁部から起立する一対の長側壁3,4と、底壁2の短辺の縁部から起立する一対の短側壁5,6と、その短側壁5,6と長側壁3,4との縁部によって形成される収納口と、その収納口の一部を覆うために長側壁3の縁部から延出する第1蓋片7と、その第1蓋片7の一部と収納口の他の部分とを覆うために長側壁4の縁部から延出する第2蓋片8と、その第2蓋片8の突端部8aから突出する差込片10と、その差込片10を差し込むために第1蓋片7に細幅状に開口するスリット11とを備えていてる。
【0031】
被収納物は、底壁2と長側壁3,4と短側壁5,6とによって囲まれる収納空間に収納されると共に、第1蓋片7と第2蓋片8とを収納口に対して観音開き状に開いた状態で収納口から出し入れされる。一方、収納口を覆うように第1蓋片7を閉じ、その第1蓋片7の一部と収納口の他の部分とを覆うように第2蓋片8を閉じると、収納口は第1蓋片7と第2蓋片8とによって封止される。この際、差込片10をスリット11に差し込むことによって第1蓋片7と第2蓋片8とはロックされ被収納物が収納口から外部に飛び出すのを防止することができる。
【0032】
図3は、紙製収納容器1の展開図である。紙製収納容器1は原紙シートを図中の実線で示す形状に切り抜いて、一点鎖線a〜eの位置で内側に折り曲げると共に、2点鎖線gの位置で外側に折り曲げて、図1に示すような略直方体状に組立られる。本実施例における紙製収納容器1は、略180mm(幅W)×略85mm(奥行きD)×略25mm(高さH)の大きさで構成されている。尚、紙製収納容器1のサイズは、このサイズに限定されるものではなく、如何様にも設定できることは言うまでもない。
【0033】
展開図において、底壁2の周縁には、一点鎖線aを介して長側壁3,4が連設され、一点鎖線bを介して短側壁5,6が連設されている。このうち長側壁3の縁部には、一点鎖線cを介して第1蓋片7が連設されており、第1蓋片7は略40mm(L1)の長さで形成されている。第1蓋片7の突端部付近には、細幅状に開口するスリット11が設けられている。
【0034】
ここで、図4(a)を参照してスリット11の付近を詳細に説明する。図4(b)は、スリット11の付近の拡大図である。スリット11は、差込片10を差し込むために第1蓋片7に形成される細幅状の開口であって、その長手方向の幅L2は略60mmで形成され、各端部の幅L3は差込片10の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成するのが好ましい。本実施例では、差込片10を含む原紙シートの厚みは略0.5mmで形成されており、スリット11の各端部の幅L3は差込片10の厚みの略2倍である略1.0mmで形成されている。
【0035】
スリット11の各端部には一対の突出片12が隣設されている。各突出片12は、差込片10をスリット11に差込んだ状態で、第2蓋片8の裏面に当接し、差込片10がスリット11から引き抜かれるのを防止するためのものである。各突出片12は互いに向き合う方向に突出しており、その突出量L4は、スリット11の長手方向の幅L2の略7%から略11%の範囲で形成するのが好ましく、本実施例では、突出量L4はスリット11の長手方向の幅の略8%である略5mmで形成されている。
【0036】
また、各突出片12の両角部12a,12bは湾曲状に形成されており、両角部12a,12bのうちスリット11側の角部12aと、そのスリット11側の角部12aと連設する側縁部12cとは、他方の角部12bよりも緩やかな連続した湾曲状に形成されている。よって、角部が直角の場合に比べ、取り扱い上安全である上、スリット11の幅が中央部に向けて広がるので、差込片10を容易にスリット11に差し込むことができる。
【0037】
突出片12の最大幅L5は、スリット11の長手方向の幅の略22%から略26%の範囲で形成することが好ましく、本実施例では、最大幅L5はスリット11の長手方向の幅の略23%である略14mmで形成されている。このような大きさに突出片12を形成することで、突出片12の反発力を効果的に発揮することができる。
【0038】
再び、図3に戻り説明を続ける。長側壁4の縁部には、一点鎖線dを介して第2蓋片8が連設されており、第2蓋片8は略62mm(L6)の長さで構成されている。第2蓋片8の突端部8aからは、差込片10が突出している。
【0039】
ここで、図4(b)を参照して差込片10について詳細に説明する。図4(b)は、差込片10の拡大図である。差込片10は、第2蓋片8の突端部8aから略18mm(L7)の長さで構成されている。具体的には、第2蓋片8の突端部8aからスリット11の長手方向の幅L2と略同等の幅で延びる本体10aと、その本体10aの各側縁部から突出する一対の耳部10bと、その一対の耳部10bの各端部と第2蓋片8の突端部8aとの間であって互いに対向する位置に本体10a側に向けて切欠する一対の切欠部10cとを備えている。
【0040】
耳部10bは、第2蓋片8の突端部8a側から本体10aの突端部側に向けて減少するように突出し、その最大突出幅L8は、スリット11の長手方向の幅L2の略2%以下で形成するのが好まい。本実施例では、最大突出幅L8は、スリット11の長手方向の幅L2の略0.8%である略0.4mmで形成されている。また、各耳部10bの各端部は、本体10aの各角部と連続した湾曲状に形成されており、本実施例では略10Rの湾曲状に形成されている。結局、耳部10bが本体10bの側端部に連設される部位は、第2蓋片8の突端部8aから本体10aの突端部までの間隔L7の略70%から略85%の範囲で形成される。
【0041】
このような大きさと形状で耳部10bを構成することにより、たとえ、本体10aと耳部10bと合計の幅がスリット11の長手方向の幅L2より広くても、差込片10を容易にスリット11に差し込むことができる。
【0042】
切欠部10cは、差込片10をスリット11に差し込んだ場合にスリット11の各端部と係合する部位である。一対の切欠部10cの間隔L2aは、スリット11の長手方向の幅L2と略同様に形成されている。また、各切欠部10cは、本体10a側から外側に向けて広がる略V字型に形成されており、その最大幅L10は第1蓋片7の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成するのが好ましい。本実施例では、第1蓋片7の厚みの略2倍の略1.0mmで形成されている。よって、スリット11の各端部と切欠部11cとを容易且つ確実に係合させることができる。
【0043】
再び、図3に戻り説明を続ける。短側壁5,6の縁部には、一点鎖線eを介してフラップ13,14が連設されている。各フラップ13,14は収納口の一部を覆い、被収納物が短側壁5,6側から外部に飛び出すのを防止すると共に、第1蓋片7と第2蓋片8とを支持するためのものであり、略20mm(L11)の長さで構成されている。また、各フラップ13,14を折り曲げ易くすべく、一点鎖線e上には所定間隔を開けて複数の切れ目15が形成されている。
【0044】
長側壁3,4の各縁部と、その長側壁3,4の各縁部と隣接する短側壁5,6の各縁部とには、一点鎖線fを介して連結片15が連設されている。連結片15は、長側壁3,4と短側壁5,6とを底壁2に対して起立させるためのものであり、略25mmの正方形状に形成されている。この連結片15は対角線上(2点鎖線g参照)に沿って外側に折り曲げられる。尚、連結片15、フラップ13,14、第1蓋片7、第2蓋片8の各角部は取り扱い上の安全のために円弧状に形成されている。
【0045】
上述したような展開図の原紙シートから、紙製収納容器1を組み立てる場合には、底壁2に対して長側壁3,4と短側壁5,6とを一点鎖線a,bを介して内側に起立させる。この際、連結片15も一緒に起立し、連結片15は2点鎖線gを介して外側に折り曲げられる。そして、連結片15の長側壁3,4の内側面と対峙する面(図中の着色部分)に接着剤を塗布し、連結片15と長側壁3,4とを接着する。こうして、底壁2を囲むように長側壁3,4と短側壁5,6とが起立し、底壁2と長側壁3,4と短側壁5,6とによって囲まれる収納空間が形成されると共に、長側壁3,4と短側壁5,6との縁部によって収納口が形成される。一方、その収納口を覆う蓋は、第1蓋片7と第2蓋片8とフラップ13,14とを1点鎖線c、d、eを介して内側に折り曲げることで形成される。
【0046】
次に、図1,図2,図5を参照して、上述のように構成された紙製収納容器1において、第1蓋片7と第2蓋片8とをロックする場合について説明する。図5は、図2のV−V断面線における部分的な断面図であり、(a)から(c)は差込片10をスリット11に差し込む様子を時系列に並べた図である。
【0047】
第1蓋片7と第2蓋片8とをロックする場合には、最初に、図1に示すように反発力によって反っている第1蓋片7を一方の手で押さえ、第1蓋片7の両端部をフラップ13,14の上に重ね合わせる(図5(a)参照)。
【0048】
そして、その状態を維持したままで、他方の手で差込片10を押さえつつ、差込片10をスリット11の内部に差し込む。この際、差込片10の耳部10bは、スリット11の長手方向の幅L2よりも広く形成されているので、耳部10bはスリット11の各端部によって押し曲げられながらスリット11の内部に差し込まれることになる。また、その影響でスリット11の各端部に隣設する突出片12は下向きに押圧される(図5(b)参照)。
【0049】
差込片10の切欠部10cの位置まで、差込片10をスリット11に差し込むと切欠部10cとスリット11の各端部とが係合する。よって、差込片10には、第2蓋片8の反発力により差込片10をスリット11から引き抜く方向に力が作用するものの、切欠部10cとスリット11の各端部との係合によって、差込片10がスリット11から引き抜かれるのを防止することができる。また、切欠部10cとスリット11の各端部とが係合すると、突出片12に影響を与えていた下向きの力が取り除かれ、突出片12は上方に向けて反発し第2蓋片8の裏面に当接する(図5(c)参照)。よって、差込片10がスリット11から引き抜かれるのを一層確実に防止することができ、第1蓋片8と第2蓋片9とを確実にロックすることができる。また、本実施例の突出片12は、その反発力が持続可能な大きさに形成されているので、たとえ、ロックと解除とを繰り返した場合であっても、ロック機能の低下を抑制することができる。
【0050】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0051】
例えば、本実施例の紙製収納容器1では、突出片12の側縁部を第1蓋片7の突端部と共通化する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、突出片12の側縁部を第1蓋片の突端部とは別に形成するようにしても良い。
【0052】
また、本実施例では、第1蓋片7と第2蓋片8とは上面に形成される収納口を封止する蓋として説明したが、第1蓋片7と第2蓋片8とを側面に形成される収納口に対する蓋として形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である紙製収納容器の斜視図であり、一対の蓋片を開いた状態を示す図である。
【図2】一対の蓋片を閉めた状態を示す紙製収納容器の斜視図である。
【図3】紙製収納容器の展開図である。
【図4】(a)は、スリットの付近の拡大図である。(b)は、差込片の拡大図である。
【図5】図2のV−V断面線における部分的な断面図であり、(a)から(c)はスリットに差込片を差し込む様子を時系列に並べた図である。
【符号の説明】
1 紙製収納容器
2 底壁
3,4 長側壁(側壁)
5,6 短側壁(側壁)
7 第1蓋片
8 第2蓋片
10 差込片
10a 本体
10b 耳部
10c 切欠部
11 スリット
Claims (9)
- 底壁と、その底壁の周縁から起立する側壁と、その側壁の縁部で形成する収納口と、その収納口の一部を覆うために対峙する一方の側壁の縁部から延出する第1蓋片と、その第1蓋片の一部と前記収納口の他の部分とを覆うために対峙する他方の側壁の縁部から延出する第2蓋片とを備え、その第2蓋片と第1蓋片とを前記収納口に対して観音開き状に開閉可能な紙製収納容器において、
前記第1蓋片に細幅状に開口するスリットと、
そのスリットの各端部と係合する係合部を有し前記第2蓋片の突端部から突出する差込片と、
その差込片の長手方向の幅より狭い所定幅で前記第1蓋片の突端部から前記スリットの途中に接続する開口部と、
その開口部を挟む両側であって前記スリットの各端部に隣設され、互いに向き合う方向に突出し、前記差込片を前記スリットに差込み、前記差込片の係合部と前記スリットの各端部とを係合させた状態で前記第2蓋片の裏面に当接する一対の突出片とを備えていることを特徴とする紙製収納容器。 - 前記突出片の突出幅は、前記スリットの長手方向の幅の略7%から略11%の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紙製収納容器。
- 前記突出片の両角部は湾曲状に形成されており、
前記両角部のうち前記スリット側の角部と、そのスリット側の角部と連設する側縁部とは、他方の角部よりも緩やかな連続した湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製収納容器。 - 前記突出片の各側縁部間の最大幅は前記スリットの長手方向の幅の略22%から略26%の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の紙製収納箱。
- 前記スリットの各端部の幅は、前記差込片の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の紙製収納容器。
- 前記差込片は、前記第2蓋片の突端部から前記スリットの長手方向の幅と略同等の幅で延びる本体と、その本体の各側縁部から突出する一対の耳部と、その一対の耳部の各端部と前記第2蓋片の突端部との間であって互いに対向する位置に前記本体側に向けて切欠する一対の切欠部とを備え、
前記スリットの各端部と係合する前記差込片の係合部は、前記一対の切欠部で構成されており、
その一対の切欠部の間隔は前記スリットの長手方向の幅と略同様に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の紙製収納容器。 - 前記切欠部は、前記本体側から外側に向けて広がる略V字型に形成されており、その最大幅は前記第1蓋片の厚みの略1.2倍から略2.2倍の範囲で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の紙製収納容器。
- 前記耳部の突出幅は、前記第2蓋片の突端部から前記本体の突端部に向けて減少し、その最大突出幅は、前記スリットの長手方向の幅の略2%以下で形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の記載の紙製収納容器。
- 前記本体の角部と前記耳部の端部とは連続した湾曲状に形成されており、
前記耳部は前記第2蓋片の突端部から前記本体の突端部までの間隔の略70%から略85%の範囲で前記本体の側端部に連設されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の紙製収納容器。
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JP2003098934A JP2004306970A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 紙製収納容器 |
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JP2016128878A (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | キヤノン株式会社 | ベルトモジュール及びベルト体の交換方法 |
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- 2003-04-02 JP JP2003098934A patent/JP2004306970A/ja active Pending
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