JP4155517B2 - 梱包箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機・プリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置、その画像形成装置に取り付ける原稿自動読取装置(ADF装置)・ステイプラ装置・孔あけ装置・シート折り装置等の周辺機などの製品を輸送するときに、それらの製品を包装して梱包するのに使用する、段ボール製等の梱包箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の梱包箱の中には、底面を開放するカバー部材であるキャップ部材と、そのキャップ部材に、周囲に設けるフラップを介して連結してキャップ部材の底面を塞ぐ別のカバー部材であるベース部材とで構成するものがある。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2579080号公報
例えば特許文献1に記載される梱包箱では、ベース部材上に製品を載置してキャップ部材を被せ、キャップ部材とシート部材周囲のフラップとを、別部材である樹脂製等のジョイント部材を用いて連結して包装していた。
【0004】
しかし、このような梱包箱では、ジョイント部材を別途必要とすることから、部品点数が増加するとともに、その分、部品の保管管理が面倒となる問題があった。また、別部材がカバー部材と異なる材質であるときは、分別廃棄しなければならず、面倒であった。
【0005】
【特許文献2】
特開平11−171162号公報
従来の梱包箱の中には、例えば特許文献2に記載されるように、ベース部材のフラップに、頭部と首部とよりなる矢印形状の折り曲げ係止片を設け、その折り曲げ係止片の頭部をキャップ部材の係止孔に差し込んで孔縁に掛け止め、キャップ部材とベース部材とを、別部材を用いずに連結して包装するものもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献2に記載されるような梱包箱では、梱包を解くとき、キャップ部材の係止孔から折り曲げ係止片の頭部を強引に引き抜かなければならず、無理に引き抜くことにより折り曲げ係止片を破損し、仮に再使用するようなときには、折り曲げ係止片の掛け止めが不十分となったり、最悪の場合には再使用不可能となったりする問題があった。
【0007】
そこで、この発明の第1の目的は、2つのカバー部材の一方に係止孔を、他方に折り曲げ係止片を形成し、梱包時にその折り曲げ係止片を折り曲げて先端を係止孔に挿入してその孔縁に掛け止め、2つのカバー部材を連結する梱包箱において、開梱時の破損をなくして再使用を可能とすることにある。
【0008】
この発明の第2の目的は、そのような梱包箱において、2つのカバー部材であるキャップ部材とベース部材の連結を確実にすることにある。
【0009】
この発明の第3の目的は、上述したような梱包箱において、開梱時の作業性を向上することにある。
【0010】
この発明の第4の目的は、四角い箱形状の上述した梱包箱において、キャップ部材とベース部材とをバランスを取って確実に連結して包装の信頼性を向上することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上記第1の目的を達成すべく、底面を開放するキャップ部材と、そのキャップ部材に、周囲に設けるフラップを介して連結してキャップ部材の底面を塞ぐベース部材とで構成し、キャップ部材に係止孔を、ベース部材のフラップに折り曲げ係止片を形成し、梱包時にその折り曲げ係止片を折り曲げて先端を係止孔に挿入してその孔縁に掛け止め、キャップ部材とベース部材とを連結する梱包箱において、
折り曲げ係止片に、係止孔への挿入方向のスリットを設け、折り曲げ係止片を分割するとともに、スリットに対して出し入れ自在にフラップに規制片を設ける、ことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、上記第3の目的も達成すべく、請求項1に記載の梱包箱において、規制片につまみ部を設ける、ことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、同じく上記第3の目的も達成すべく、請求項1または2に記載の梱包箱において、キャップ部材に、内部に指を入れて、係止孔の孔縁に掛け止める折り曲げ係止片の先端に触れることができる開口を設ける、ことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、上記第4の目的も達成すべく、請求項1ないし3のいずれか1に記載の梱包箱において、四角い箱形状とし、対向側面の複数対向個所でそれぞれベース部材の折り曲げ係止片をキャップ部材に掛け止める、ことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき詳細に説明する。
図1には、2つのカバー部材で構成するこの発明による梱包箱の外観を示す。
【0018】
図示梱包箱は、直方体型の四角い箱形状で、底面を開放する第1のカバー部材であるキャップ部材10と、そのキャップ部材10に、周囲に設けるフラップ21A・21B・22A・22Bを介して連結してキャップ部材10の底面を塞ぐ第2のカバー部材であるベース部材20とで構成する。キャップ部材10およびベース部材20は、図示例ではともに段ボールでつくる。
【0019】
キャップ部材10は、長辺側の対向側面11A・11Bの、間隔を隔てた2つの対向個所にそれぞれ係止孔12を形成する。個々の係止孔12は、図2に示すように、横方向に細長な矩形状とし、水平に設けて、少し間隔をあけた両側にそれぞれ図示例では楕円形状の開口13を設ける。開口13は、1または数本の指が奥まで入る大きさとする。
【0020】
一方、ベース部材20は、図1に示すように、長方形のシート状で、四辺にフラップ21A・21B・22A・22Bを有する。そのうち、長辺側のフラップ21A・21Bには、間隔を隔てた2つの対向個所にそれぞれ先端から突出して折り曲げ係止片23を形成する。
【0021】
個々の折り曲げ係止片23は、図3に示すように、矢印形状をなし、台形状の頭部23aと首部23bとで構成し、第1の折り曲げ線L1で各フラップ21A・21Bに対して折り曲げ自在とする。そして、その折り曲げ係止片23には、中央に矢印の向き(後述するが、対応する係止孔12への挿入方向)の幅bのスリット24を設け、各折り曲げ係止片23を二分する。
【0022】
スリット24位置には、フラップ21A・21Bに対して第2の折り曲げ線L2で折り曲げてスリット24に対して出し入れ自在に幅bの規制片25を設ける。規制片25は、途中に第3の折り曲げ線L3を設けてつまみ部26を残して先端を内向きに折り曲げ可能とする。第3の折り曲げ線L3は、第1の折り曲げ線L1と同一直線上に位置している。
【0023】
個々の折り曲げ係止片23の少し間隔をあけた両側には、それぞれ図示例では半円状の切欠き27を設ける。
【0024】
そして、製品を梱包するときは、ベース部材20上に製品を載せ、四辺のフラップ21A・21B・22A・22Bを上向きに折り曲げてキャップ部材10を被せ、短辺側のフラップ22A・22Bをキャップ部材10内に入れ、長辺側のフラップ21A・21Bをキャップ部材10の外側に出す。
【0025】
このとき、キャップ部材10の各係止片12には、ベース部材20の各折り曲げ係止片23が対応する位置となり、キャップ部材10の各開口13には、ベース部材20の各切欠き27が対応する位置となってそれらの切欠き27および開口13を通して外部から梱包箱内に指を挿入可能とする。
【0026】
そして、図4に示すように、第2の折り曲げ線L2で折り曲げて規制片25をスリット24から出し、第1の折り曲げ線L1で各折り曲げ係止片23を内向きに折り曲げるとともに、第3の折り曲げ線L3で規制片25の先端を内向きに折り曲げる。
【0027】
それから、各折り曲げ係止片23の先端両側を内側(スリット24側)に逃がしながら、矢印Aで示すように先端を、対応する係止孔12に挿入して首部23bを係止孔12に位置し、図5に示すように頭部23aを孔縁に掛け止める。その後、図4中矢印Bで示すように第2の折り曲げ線L2で折り曲げてスリット24内に規制片25を入れ、図5および図6に示すようにつまみ部26を側面11A・11Bに突き当て、折り曲げ係止片23の先端両側が内側(スリット24側)に逃げることを規制し、キャップ部材10とベース部材20の連結を確実にする。
【0028】
これにより、図1に示すように、対向側面11A・11Bの2つの対向個所でそれぞれベース部材20の折り曲げ係止片23をキャップ部材10に掛け止めし、キャップ部材10とベース部材20とをバランスを取って確実に連結する。
【0029】
開梱時は、まず図6中矢印Cで示すようにつまみ部26を持って第2の折り曲げ線L2で折り曲げ、規制片25をスリット24から引き出す。次いで、図7中矢印Dで示すように両側の切欠き27および開口13から梱包箱の内部に指を入れて折り曲げ係止片23の先端を押し、矢印Eで示すように折り曲げ係止片23の先端両側を内側(スリット24側)にたわませて逃がし、キャップ部材10に対する各折り曲げ係止片23の掛け止めを外す。
【0030】
このように、包装箱の内部に指を入れて折り曲げ係止片23の先端に触れることができるようにキャップ部材10に開口13を、ベース部材20に切欠き27を設けると、キャップ部材10に対する各折り曲げ係止片23の掛け止め解除を容易とし、特に開梱時の作業性を向上することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、梱包時にベース部材のフラップに設ける折り曲げ係止片を折り曲げて先端を、キャップ部材に設ける係止孔に挿入してその孔縁に掛け止め、2つのカバー部材であるキャップ部材とベース部材とを連結するので、樹脂製のジョイント部材などの別部材を用いることなく、2つのカバー部材を直接連結することができる。
【0032】
また、折り曲げ係止片に、係止孔への挿入方向のスリットを設け、折り曲げ係止片を分割するので、折り曲げ係止片の先端両側を内側(スリット側)にたわませて逃がし、開梱時は、折り曲げ係止片を破損することなく係止孔から引き出し、再使用を可能とすることができる。
【0033】
加えて、2つのカバー部材を、底面を開放するキャップ部材と、そのキャップ部材に、周囲に設けるフラップを介して連結してキャップ部材の底面を塞ぐベース部材とで構成するので、別部材を用いることなく、キャップ部材とベース部材とを直接連結することができる。また、キャップ部材に係止孔を、ベース部材のフラップに折り曲げ係止片を形成するので、開梱時は、ベース部材の折り曲げ係止片を破損することなく係止孔から引き出し、再使用を可能とすることができる。
【0034】
さらに加えて、スリットに対して出し入れ自在にフラップに規制片を設けるので、梱包時にスリットに規制片を入れて折り曲げ係止片の先端両側が内側(スリット側)にたわむことを規制し、キャップ部材とベース部材の連結を確実にすることができる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、規制片につまみ部を設けるので、開梱時には、そのつまみ部を持ってスリットから規制片を容易に引き出し、折り曲げ係止片の先端両側が内側(スリット側)に逃げることを可能とし、開梱時の作業性を向上することができる。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、キャップ部材に、内部に指を入れて、係止孔の孔縁に掛け止める折り曲げ係止片の先端に触れることができる開口を設けるので、開梱時は、開口を通して内部に指を入れて折り曲げ係止片の先端を押し、折り曲げ係止片の先端両側を内側(スリット側)に逃がすことを可能とし、作業性を向上することができる。
【0037】
請求項4に記載の発明によれば、四角い箱形状とし、対向側面の複数対向個所でそれぞれベース部材の折り曲げ係止片をキャップ部材に掛け止めるので、キャップ部材とベース部材とをバランスを取って確実に連結して包装の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による梱包箱の外観斜視図である。
【図2】その梱包箱を構成するキャップ部材の1つの係止孔まわりを正面から見て示す拡大図である。
【図3】その梱包箱を構成するベース部材の1つの折り曲げ係止片まわりを正面から見て示す拡大図である。
【図4】キャップ部材に対する1つの折り曲げ係止片の掛け止めを説明する斜視図である。
【図5】図6のM−M線位置の矢示方向横断面図である。
【図6】図1のN−N線位置の矢示方向縦断面図である。
【図7】開梱時の手順を示す、1つの折り曲げ係止片まわりの横断面図である。
【符号の説明】
10 キャップ部材(カバー部材)
11A 側面
11B 側面
12 係止孔
13 開口
20 ベース部材(カバー部材)
21A フラップ
21B フラップ
22A フラップ
22B フラップ
23 折り曲げ係止片
24 スリット
25 規制片
26 つまみ部
27 切欠き
Claims (4)
- 底面を開放するキャップ部材と、そのキャップ部材に、周囲に設けるフラップを介して連結して前記キャップ部材の底面を塞ぐベース部材とで構成し、前記キャップ部材に係止孔を、前記ベース部材のフラップに折り曲げ係止片を形成し、梱包時にその折り曲げ係止片を折り曲げて先端を前記係止孔に挿入してその孔縁に掛け止め、前記キャップ部材と前記ベース部材とを連結する梱包箱において、
前記折り曲げ係止片に、前記係止孔への挿入方向のスリットを設け、前記折り曲げ係止片を分割するとともに、前記スリットに対して出し入れ自在に前記フラップに規制片を設けることを特徴とする、梱包箱。 - 前記規制片につまみ部を設けることを特徴とする、請求項1に記載の梱包箱。
- 前記キャップ部材に、内部に指を入れて、前記係止孔の孔縁に掛け止める前記折り曲げ係止片の先端に触れることができる開口を設けることを特徴とする、請求項1または2に記載の梱包箱。
- 四角い箱形状とし、対向側面の複数対向個所でそれぞれ前記ベース部材の前記折り曲げ係止片を前記キャップ部材に掛け止めることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載の梱包箱。
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