JP2004305992A - 脱リン材及びその製造方法並びに脱リン方法 - Google Patents

脱リン材及びその製造方法並びに脱リン方法 Download PDF

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Abstract

【課題】pH調整槽が不要で、しかも、凝集沈殿槽も縮小或いは不要とすることができる上に、脱リン性能にも優れ、脱リン施設の省スペース性や操作の簡便性、処理効率の向上に有効な脱リン材及びその製造方法と、この脱リン材を用いた脱リン方法を提供する。
【解決手段】硫酸バンドと消石灰を含む水溶液を乾燥してなる脱リン材。この脱リン材の硫酸バンドと消石灰との混合割合を調整することにより、脱リン処理水のpHを所望のpH値に制御する脱リン方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場排水や下水処理排水等のリン含有排水中に含まれるリンを不溶性の塩として除去する際に用いられる脱リン材及びその製造方法と、この脱リン材を用いた脱リン方法に関する。詳しくは、凝集沈澱処理に使用される従来の脱リン材よりも取り扱いが容易であり、また、吸着処理に使用される既存のリン吸着材よりも単位重量当りの脱リン量が高い脱リン材及びその製造方法と、この脱リン材を用いた脱リン方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場排水や下水処理排水等に含まれるリンを除去する方法として、生物処理法、凝集沈殿法、吸着法等が一般的に知られている。
【0003】
生物処理法の場合、リンが生物に取り込まれる量は、BOD濃度やその他の因子によって左右されるため、安定処理が困難である上に、生物中に取り込まれたリンの回収も困難である。
【0004】
凝集沈殿法の場合、リンを不溶性の塩として除去する脱リン材を直接使用できるため、低コストで処理を行うことができ、また、脱リン材当たりの脱リン量も多いが、反応によって生成する不溶性の塩を凝集沈殿させるための凝集沈殿槽や、pHを放流基準に満たすためのpH調整槽が必要となり、設備費や敷地に余裕がない場合は導入することが難しい。即ち、凝集沈殿法の一般的な薬剤として知られているものに、水酸化カルシウム(消石灰)や硫酸バンドがあるが、水酸化カルシウム(Ca(OH))は、脱リン効果は非常に高いが、処理水のpHが大きく上昇し、通常10以上となる。一方、硫酸バンドは硫酸アルミニウムを主成分としており、硫酸バンドの8%水溶液のpHは3程度であるため、単独で使用すると、被処理水のpHが中性であれば処理水は酸性となる。このため、これらの薬剤を用いる脱リン処理では、凝集沈殿後にpH調整を行う必要がある。
【0005】
一方、吸着法の場合、リン吸着材を充填したカラム等で脱リンを行うことによって、省スペース性や操作の簡便性が得られる可能性があるため、既存の設備に追加導入する際は有効な脱リン手法となり得る。
【0006】
しかし、吸着法における省スペース性や操作の簡便性は、用いるリン吸着材の性能に左右される。例えば、5mg/Lのリンを1mg/L以下にまで除去する場合、既存のリン吸着材のリン吸着量は1g当たり0.01g以下である。これは、一日300mの排水を処理する施設で、毎日120kg以上の吸着材が必要になることを意味している。そのため、頻繁に吸着材を交換するか、再生しなければならず、保管場所や余分な操作が必要となり、省スペース性や操作の簡便性が大きく損なわれてしまうことが問題となる。
【0007】
凝集沈殿処理に用いる脱リン材、例えば、水酸化カルシウムの場合、1g当たり0.1g以上のリンを除去できるため、脱リン材としての消費量は吸着材に比べて1/10以下となるという利点があるが、前述の如く、凝集沈殿槽やpH調整槽などを必要とするため、設備費やスペースの面で問題がある。
【0008】
このようなことから、凝集沈殿槽やpH調整槽などの設備を設置するための設備費や敷地に余裕がない排水処理施設において使用可能で、しかも吸着法で使用される既存のリン吸着材よりも高い脱リン性能を有し、省スペース性や操作の簡便性に優れた脱リン材が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、pH調整槽が不要で、しかも、凝集沈殿槽も縮小或いは不要とすることができる上に、脱リン性能にも優れ、脱リン施設の省スペース性や操作の簡便性、処理効率の向上に有効な脱リン材及びその製造方法と、この脱リン材を用いた脱リン方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1,3)の脱リン材は、次の通りである。
[請求項1] カルシウム化合物とアルミニウム化合物とを含む水溶液を乾燥した固形分よりなることを特徴とする脱リン材。この脱リン材において、カルシウム化合物としては消石灰が挙げられ、アルミニウム化合物としては硫酸バンドが挙げられる。
[請求項3] カルシウム含有物質及びアルミニウム含有物質と、酸性物質及び/又はアルカリ性物質とを混合してなることを特徴とする脱リン材。
【0011】
本発明(請求項5,7)の脱リン材の製造方法は、次の通りである。
[請求項5] カルシウム及びアルミニウムを含む水溶液を乾燥することを特徴とする脱リン材の製造方法。この方法において、カルシウム化合物としては消石灰が挙げられ、アルミニウム化合物としては硫酸バンドが挙げられる。
[請求項7] カルシウム含有物質及びアルミニウム含有物質と、酸性物質及び/又はアルカリ性物質とを混合することを特徴とする脱リン材の製造方法。
【0012】
本発明者は、凝集沈殿法で使用されるカルシウム及びアルミニウムを含む薬剤を混合して得られた脱リン材を用いることによって、前記課題が解決されることを見出した。
【0013】
この脱リン材であれば、脱リン材の製造に用いる各成分の比率や混合系のpHを調整することにより、この脱リン材を用いる脱リン処理で得られる処理水のpHを制御することが可能となり、従来の凝集沈澱処理法におけるpH調整槽が不要となる。また、固形の脱リン材をカラムに充填して被処理水を通水することにより、脱リン材と接触して不溶化したリン塩が脱リン材表面に付着ないしはカラム内で凝集して残留するようになるため、凝集沈殿槽も縮小あるいは不要とすることが可能となる。しかも、本発明の脱リン材は、従来の凝集沈殿法で使用される水酸化カルシウム等のカルシウム化合物やアルミニウム化合物の高い脱リン性能を有するもので構成されるため、得られる脱リン材の脱リン量も高く、脱リン施設の省スペース性や操作の簡便性を高めることができる。
【0014】
本発明(請求項9,10)の脱リン方法は、かかる本発明の脱リン材をリン含有排水と接触させることにより、該リン含有排水中のリンを除去した処理水を得る脱リン方法に関するものである。
【0015】
請求項9の脱リン方法は、水溶液中のカルシウム化合物とアルミニウム化合物の含有割合、或いは、前記水溶液のpHを調整することにより、処理水のpHを制御する。
【0016】
請求項10の脱リン方法では、カルシウム含有物質とアルミニウム含有物質と、酸性物質及び/又はアルカリ性物質との混合割合を調整することにより、処理水のpHを制御する。
【0017】
なお、脱リン処理水のpHは、消石灰と硫酸バンドとを併用添加し、これらの添加量を変えることにより、制御することも考えられる。しかし、この場合には、脱リン性能を保ちながら、これらの薬剤の使用量を最低限度に抑えた上で、処理水のpHを制御するための薬注制御が煩雑となる。しかも、薬剤を被処理水に投入し、不溶化した塩を凝集沈殿させて除去する限りにおいては、凝集沈殿槽が必須となる。
【0018】
本発明によれば、このような煩雑な薬注制御は不要となり、また、凝集沈殿槽の縮小、又は省略も可能である。
【0019】
ところで、反応槽又は反応管において、前記脱リン材を適宜投入する場合は、脱リン材の徐放性を制御する必要はないが、固形の脱リン材をカラムに充填した場合に、脱リン性能を長期的に持続させるためには、充填された脱リン材の消費量を制御する必要がある。しかし、例えば、硫酸カルシウムは、水に0.2重量%以上溶解するため、カラムに充填した場合、殆どのカルシウムがリンと結合する前に溶出してしまう。逆に、リン酸カルシウムよりも溶解度の低いカルシウム塩ではカルシウムが十分に放出されないことが問題となる。
【0020】
これに対して、粒状の本発明の脱リン材を高分子で被覆することにより、脱リン材成分が少しずつ溶出するようになるため、脱リン効果を長期的に持続させることが可能となり、脱リン材の消費量を更に少なくし、省スペース性や操作の簡便性をより一層高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明の第1の態様に係る脱リン材は、消石灰等のカルシウム化合物と、硫酸バンド等のアルミニウム化合物とを含む水溶液を乾燥固化させることにより製造される。この脱リン材であれば、カルシウム化合物とアルミニウム化合物との混合割合を調整することにより、リン含有排水の脱リン処理に用いた場合、得られる処理水のpHを制御することができる。即ち、例えば、消石灰と硫酸バンドとを混合する場合、消石灰の割合を多くすることにより、得られる処理水のpHを高くすることができ、また、硫酸バンドの割合を多くすることにより、得られる処理水のpHを低くすることができる。
【0023】
従って、被処理水のpHと、所望とされる処理水のpHとに応じて、この混合割合を調整すれば良い。
【0024】
通常、消石灰と硫酸バンドとを水溶液中で混合して脱リン材を製造する場合、8%硫酸バンドに対する消石灰の混合割合を3〜35重量%の範囲で調整することにより、各種リン含有排水の脱リン処理に好適な脱リン材を製造することができる。
【0025】
なお、消石灰等のカルシウム化合物と硫酸バンド等のアルミニウム化合物との混合に際しては、必要に応じて更に、酸又はアルカリ剤を添加してpH調整を行っても良い。
【0026】
このようにして得られる脱リン材は、適宜粉砕、及び粒度調整を行って、粒径0.2〜2mmとすることが、取り扱い性、脱リン性能等の面で好ましい。
【0027】
本発明は、カルシウムを含有する薬剤とアルミニウムを含有する薬剤を使用して、それらのリン酸塩を生成させることによって脱リンを行い、薬剤の混合比を変化させることで、処理水のpHを制御するという目的においては、消石灰や硫酸バンドの替わりに別のカルシウムやアルミニウム含有する薬剤、更には、pHを制御するための酸性塩やアルカリ性塩を用いても構わない。また、これらの薬剤の混合物が必ずしも水溶液である必要はなく、固体でも構わない。また、水溶液を乾燥する工程が省かれても構わない。
【0028】
従って、本発明の脱リン材は、消石灰と硫酸バンドとを用いる他、カルシウム含有物質としての塩化カルシウムと、アルミニウム含有物質としてのアルミン酸ナトリウムと、必要に応じて酸性物質としての硫酸及び/又はアルカリ性物質としての水酸化ナトリウムとの混合割合とを調整して製造することもできる。
【0029】
また、粒状の本発明の脱リン材については、前述の如く、高分子で被覆することにより、徐放性を付与し、脱リン効果を長期間持続させることが可能となる。この場合、被覆に用いる高分子としては、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、アクリル系重合体、ろう物質等が挙げられ、その被覆量は、通常の場合、粒径0.2〜2mm程度の粒状脱リン材に対して、0〜10重量%の範囲で、所望の徐放性の程度によって適宜決定される。また、この高分子の被覆方法としては、特に限定されず、相分離法、界面沈殿法、噴霧乾燥法、乾式混合法などを採用することができる。
【0030】
以下に本発明の脱リン材の製造手順の一例を挙げるが、本発明の脱リン材の製造方法は何ら以下の方法に限定されるものではない。
【0031】
[脱リン材の製造例]
(1) 8%硫酸バンドと消石灰を混合して3〜8時間撹拌する。
(2) 80〜120℃、好ましくは105℃で12〜24時間乾燥させる。
(3) 乾燥により得られた固形物を適当な大きさに粉砕する。
(4) 篩で分級し、0.2〜2mmの大きさのものを脱リン材として回収する。
【0032】
以下に、このようにして得られる脱リン材を高分子により被覆する手順の一例を挙げるが、高分子による被覆方法は、何ら以下の方法に限定されるものではない。
【0033】
[高分子による被覆例]
(1) 所定量の被覆用高分子を加温した溶媒に溶解させる。
(2) 得られた高分子の溶液に脱リン材を投入する。
(3) 脱リン材投入後、溶液の温度を低下させ、脱リン材表面に高分子を析出させる。
(4) 高分子で被覆した脱リン材を濾過分離する。
(5) 分離した脱リン材を洗浄して余分な高分子や溶媒を除去した後、乾燥させる。
【0034】
「マイクロカプセル その機能と応用」(近藤保 他編、日本規格協会,p8)や「最新マイクロカプセル化技術」(近藤保監修、(株)総合技術センター発行、p214)では、高分子被覆に用いる高分子として、エチルセルロース、溶媒としてシクロヘキサン、洗浄溶媒としてシクロヘキサンやn−ヘキサンが記載されているが、何らこれらに限定されるものではない。
【0035】
本発明の脱リン材の使用方法としては、反応槽や凝集沈殿槽への添加など、特に限定するものではないが、カラムに充填して被処理水を通水する使用方法が望ましい。このような使用方法を採ることで、脱リン材と反応して不溶化したリン塩が、脱リン材表面へ付着、ないしはカラム内で凝集して残留するため、後段の凝集沈殿槽を縮小、或いは不要とすることが可能となる。
【0036】
本発明の脱リン材の除去対象とするリンの形態としては、カルシウム塩やアルミニウム塩として不溶化する、オルトリン酸、ポリリン酸などが挙げられるが、これらに何ら限定されず、カルシウム塩やアルミニウム塩として不溶化し得るものであれば、いずれも効率的に除去することができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0038】
実施例1〜3
8%硫酸バンドに対する水酸化カルシウムの比率を表1に示す通りに変化させて、以下の手順に従って、本発明の脱リン材を製造した。
(1) 8%硫酸バンドと消石灰を混合して3時間撹拌した。
(2) 105℃で24時間乾燥させた。
(3) 乾燥により得られた固形物を粒径0.05〜5mm程度に粉砕した。
(4) 粉砕物を篩で分級し、粒径0.2〜2mmの大きさのものを回収した。
【0039】
得られた脱リン材について、各々、下記脱リン試験を行って、結果を表1に示した。
【0040】
[脱リン試験方法]
リン酸水素二ナトリウムでリン濃度6.37mg/Lに調製した厚木市水200mL(pH7.8)を被処理水として、製造した脱リン材を各々0.05g投入して混合し、2時間後のリン濃度と、脱リン材の単位重量当たりの脱リン量を求めた。
【0041】
【表1】
Figure 2004305992
【0042】
表1より、水酸化カルシウムの比率を変化させることにより、処理水のpHを酸性、中性、アルカリ性と任意に変化させることが可能であることが分かる。また、いずれの条件でも、処理水リン濃度は被処理水リン濃度の10分の1以下であり、単位脱リン材当たりの脱リン量20mg/g以上が得られている。
【0043】
比較例1
市販のリン吸着材数種(鉄・アルミニウム系、ジルコニウム・鉄系、希土類系)について、実施例1と同様にして脱リン試験を行って脱リン性能を評価したところ、いずれの吸着材も単位重量当たりの脱リン量は10m/g以下であり、処理水pHは7.4〜7.8であった。
【0044】
これに対して、実施例1〜3の本発明の脱リン材では、処理水pHを酸性〜アルカリ性領域まで任意に制御することができ、かつ単位重量当たりの脱リン量は20mg/g以上であり、本発明の脱リン材は、既存の吸着材にはない優位性があることが明らかである。
【0045】
実施例4,5
実施例2で製造した脱リン材を用い、以下の手順に従って、高分子被覆を行って脱リン材重量に対して高分子1重量%で被覆した脱リン材(実施例4)と、脱リン材重量に対して高分子4重量%で被覆した脱リン材(実施例5)とを得た。
(1) 被覆高分子(エチルセルロース)0.02g(実施例4の場合)又は0.08g(実施例5の場合)を80℃に加温した溶媒(シクロヘキサン)20mLに溶解させた。
(2) 得られた高分子溶液に脱リン材2gを投入した。
(3) 脱リン材投入後、溶液の温度を14℃に低下させ、脱リン材表面に高分子を析出させた。
(4) 高分子が析出した脱リン材を濾過により分離した。
(5) 高分子被覆された脱リン材をn−ヘキサンで洗浄した。
(6) 105℃で120分間乾燥させた。
【0046】
得られた脱リン材(実施例4,5)と、未被覆の脱リン材(実施例2)とを用い、各々1gをカラムに充填し、輸送機械工場排水(リン濃度3mg/L)を13mL/hrで通水して脱リン性能を評価し、結果を図1に示した。図1において、横軸は、処理水重量を脱リン材重量で除した値であり、ベッドボリュームとほぼ一致する。縦軸は、処理水(カラム流出水)のリン濃度である。
【0047】
図1より、高分子被覆を行った実施例4,5は、未被覆の実施例2のものと比較して、処理水中のリン濃度を低く保てる処理水重量が多いことが分かる。また、この処理水中のリン濃度を低く保てる処理水重量は、高分子を1重量%被覆した実施例4の脱リン材よりも、高分子を4重量%被覆した実施例5の脱リン材の方が多いことが分かる。このことから、高分子被覆が、脱リン材の溶出を抑制し、脱リン性能を維持するのに効果的であることが分かる。なお、被処理水と処理水の濁度を測定したところ、高分子で被覆した実施例4,5の脱リン材の場合は、処理水の濁度は被処理水と同等、或いはそれ以下であり、凝集沈殿槽を必要としないことが分かった。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、従来のリン吸着材よりも脱リン性能が格段に高く、しかも、従来の凝集沈殿法で用いられていた脱リン材よりも取り扱い性に優れた脱リン材が提供され、リン含有排水の脱リン処理において、次のような優れた作用効果を得ることができる。
▲1▼ 現場における薬剤の混合やpH制御の工程を省くことができ、混合槽やpH調整槽を必要としない。
▲2▼ 被処理水中のリン濃度やpH、処理水として要求されるリン濃度やpHに応じて、適当な脱リン材を調製することができる。
▲3▼ 固形脱リン材の表面に生成した不溶性のリン酸塩が付着ないし凝集するため、凝集操作を簡略化、或いは省くことができ、凝集沈殿槽のための設備費と場所を削減することができる。
▲4▼ 高分子被覆により、徐放性を付与し、脱リン効果を長期間持続させることが可能であり、また、被覆する高分子の種類や量を変えることで、より脱リン材の徐放性を制御することができる。
【0049】
従って、本発明によれば、脱リン施設の省スペース化、操作の簡便化を図った上で、脱リン処理効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2及び実施例4,5で得られた脱リン材の脱リン性能の評価結果を示すグラフである。

Claims (11)

  1. カルシウム化合物とアルミニウム化合物とを含む水溶液を乾燥した固形分よりなることを特徴とする脱リン材。
  2. 請求項1において、該水溶液は、消石灰と硫酸バンドとを含む水溶液であることを特徴とする脱リン材。
  3. カルシウム含有物質及びアルミニウム含有物質と、酸性物質及び/又はアルカリ性物質とを混合してなることを特徴とする脱リン材。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該脱リン材は粒状であって、高分子により被覆されていることを特徴とする脱リン材。
  5. カルシウム化合物及びアルミニウム化合物を含む水溶液を乾燥することを特徴とする脱リン材の製造方法。
  6. 請求項5において、該水溶液が、消石灰と硫酸バンドとを含む水溶液であることを特徴とする脱リン材の製造方法。
  7. カルシウム含有物質及びアルミニウム含有物質と、酸性物質及び/又はアルカリ性物質とを混合することを特徴とする脱リン材の製造方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、該脱リン材を粒状に粉砕又は成形した後、高分子により被覆することを特徴とする脱リン材の製造方法。
  9. 請求項1,2又は4に記載の脱リン材をリン含有排水と接触させることにより、該リン含有排水中のリンを除去した処理水を得る脱リン方法であって、
    前記水溶液中のカルシウム化合物とアルミニウム化合物の含有割合、或いは、前記水溶液のpHを調整することにより、該処理水のpHを制御することを特徴とする脱リン方法。
  10. 請求項3又は4に記載の脱リン材をリン含有排水と接触させることにより、該リン含有排水中のリンを除去した処理水を得る脱リン方法であって、
    前記カルシウム含有物質とアルミニウム含有物質と、酸性物質及び/又はアルカリ性物質との混合割合を調整することにより、該処理水のpHを制御することを特徴とする脱リン方法。
  11. 請求項9又は10において、該脱リン材を充填したカラムにリン含有排水を通水させることにより、該脱リン材をリン含有排水に接触させることを特徴とする脱リン方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007090153A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Hitachi Housetec Co Ltd 固形リン除去剤の製造方法

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