JP2000042538A - 水中のリン除去方法 - Google Patents

水中のリン除去方法

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JP2000042538A
JP2000042538A JP10214271A JP21427198A JP2000042538A JP 2000042538 A JP2000042538 A JP 2000042538A JP 10214271 A JP10214271 A JP 10214271A JP 21427198 A JP21427198 A JP 21427198A JP 2000042538 A JP2000042538 A JP 2000042538A
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phosphorus
soil
volcanic ash
aluminum
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JP10214271A
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Nobuie Ayusawa
信家 鮎澤
Tamio Fujimoto
民雄 藤本
Kanji Hirakuri
寛治 平栗
Yuji Okubo
▲祐▼司 大久保
Masataka Takasugi
昌隆 高杉
Shibi Nakagawa
枝美 中川
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ASUKU TECHNICA KK
YAMAMASA SANGYO KK
Yamanashi Prefecture
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ASUKU TECHNICA KK
YAMAMASA SANGYO KK
Yamanashi Prefecture
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、容易に再利用が可能なアロフ
ェンを主成分とする火山灰土壌よりなる吸着用火山灰土
壌造粒物を使用し、低濃度のリン含有水中のリンを除去
し、且つ吸着用火山灰土壌造粒物の寿命を延ばすことに
ある。 【解決手段】本発明の水中のリン除去方法は、Si:1
8〜24重量%、Al:23〜29重量%、Fe:1〜
5重量%の化学組成を有し、アロフェンを主成分とする
火山灰土壌を造粒して得られる実質上添加剤を含まない
嵩比重0.5〜0.7、水中破壊率25%以下の球状造粒
物よりなる吸着用火山灰土壌造粒物を用いて水からのリ
ンの除去方法において、被処理水に凝集剤を添加した
後、前記吸着用火山灰造粒物の充填層に通液することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水、例えば排水中
のリン、特に微量なリンの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川や湖沼等の汚染源としては、各家庭
から排出される排水や工場等の排水等が大きな比重を占
めており、これらの排水中に含まれるリンは河川や湖沼
等の富栄養化を引き起こし、プランクトン発生の原因と
なる。そのため、様々な方法によって排水中のリンを除
去することが行われている。
【0003】例えば、特開昭60−87892号公報には、リ
ン酸イオン含有水を、アルミニウム化合物の存在下、か
つpH3〜8.5の条件下にアルミニウム含有粒状物の
充填層に通水することを特徴とする脱リン方法が開示さ
れている。また、該公報には、前記アルミニウム化合物
として塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン
酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、カリ明ばん、アンモ
ニア明ばん、ポリ塩化アルミニウム等が例示されてお
り、更に、アルミニウム含有粒状物として活性アルミ
ナ、シリカアルミナ、リン酸アルミニウム等が例示され
ており、また、アルミニウム化合物のリン酸イオンに対
する存在割合は、リン酸イオン:アルミニウムイオン当
量比1:0.5〜1.5、好ましくはほぼ1:1ないし少
過剰量であることも記載されている。
【0004】また、特開平8−197043号公報には、リン
を含有する水からリンを除去する方法において、リン含
有水に鉄イオンを添加して、アルミニウム化合物を含有
する粒状物の充填層に通すことを特徴とするリン除去方
法を開示している。また、該公報には、鉄イオン供給源
として、塩化第2鉄、硫酸鉄、ポリ硫酸第2鉄等の鉄イ
オンを解離する化合物や鉄金属から電気化学的に鉄イオ
ン溶出させる方法等が例示されており、更に、アルミニ
ウム化合物を含有する粒状物がリン吸着剤であることも
開示されている。
【0005】更に、特公昭42−24307号公報には、充分
水簸精製した膠質土(粟土、大沢土、浮石土又は鹿沼土
の如きアロファンを主成分とした土壌)にゼラチンの1
〜5%水溶液を加え又は加えず水分含量を45〜65%
(湿量基準)に乾燥した後更に充分混和圧練し顆粒機によ
り0.1〜3mmの顆粒を製造する第一工程と、次にこ
の顆粒を再び乾燥した水分25〜40%(湿量基準)と
し、乾燥物の一部を再粉砕し、斯くして得た粉砕物及び
粉砕前の顆粒を適当な混合比に混合し滑沢剤(ステアリ
ン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム)及び酸化鉄粉等を適量加えて良く混合する第二
工程と上記の工程を経た原料を成型機の金型枠中に入れ
これを300kg/cm以上に加圧して任意の形状と
大きさに成型し最後にこれを150℃〜300℃の下に
徐々に乾燥する第三工程との結合を特徴とする膠質土よ
り脱硫・脱酸及び水蒸気等の吸着用成型吸着剤の製造方
法が開示されている。
【0006】また、特公平4−21538号公報には、膠質
土をミックスマラー型混練機により線圧10t/cmま
での加圧力で加圧混練して予備圧縮し、この予備圧縮し
た原料を自然風乾により水分を5〜25%にコントロー
ルし、もって造粒原料とし、該造粒原料をブリケットマ
シンにより線圧2.0〜5.0t/cmの加圧力で加圧成
形して1mm以上の大きさに造粒するか、若しくは造粒
原料を平滑ロールにより線圧2.0〜5.0t/cmの加
圧力で平板上に成形した後粉砕機にかけて粉砕し、0.
5mm以上の大きさのものを篩別することを特徴とする
リン化合物吸着用粒土の製造方法が開示されている。ま
た、該公報には、膠質土がアロフェンを主成分とし、鹿
沼土に代表されるものであることも記載されている。
【0007】更に、特開平2−21941号公報には、火山
灰の焼成物からなるリン吸着剤が開示されており、ま
た、該公報には、火山灰の焼成物がAl20重量
%以上及びFe1重量%以上を含むアルミノケイ
酸塩を主体とする非晶質物であることも記載されてい
る。
【0008】また、特開平3−68445号公報には、アロ
フェンを主成分とする物質を焼成してなるリン除去材が
開示されており、更に、該公報には、アロフェンを主成
分とする物質がアルミニウムのケイ酸塩(nSiO
Al・nHO(n=1〜2))を主成分とする物
質であって、火山灰源の表土中に広く産するものである
ことも記載されている。
【0009】更に、特開平6−154594号公報には、Si
8〜24%、Al23〜29%、Fe1〜5%の化学組
成を有し、アロフェンを主成分とする火山灰土壌を造粒
して得られる実質上添加剤を含まない嵩比重0.5〜0.
7、水中破壊率25%以下の球状造粒物よりなることを
特徴とする吸着用火山灰土壌が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報のようなアルミニウム含有粒状物やアルミニウム化合
物を含有する化合物を使用した場合、比較的原材料が高
価であると言った問題が生ずる。また、飽和吸着した吸
着材は、再生あるいは破棄しなくてはならないが、再生
する場合、再生排液の処分が困難であり、破棄する場合
には破棄するための費用が嵩んでしまう。また、現在、
産業廃棄物の処理が問題となっているため、これら産業
廃棄物を排出するような装置は極めて好ましくない。
【0011】また、上記アロフェンを主成分とする火山
灰土壌からなるリン吸着剤は、原料である火山灰土壌は
地中に広く存在し、埋蔵量も多く安価である。そして、
これら火山灰土壌は、土壌改良材として園芸用に市販さ
れているため、リン含有水中に有害物が含まれていない
場合には、飽和吸着後の吸着剤は土中に戻しても差し支
えない。しかしながら、これらアロフェンを含む火山灰
土壌よりなる吸着剤は、リン濃度が低い場合には、条件
によって変化するものの、吸着剤単位重量当たりのリン
除去量が低い。そのため、吸着剤の寿命が短く、従っ
て、吸着剤を多量に使用するか、頻繁に吸着剤を交換す
る必要があった。そのため、原料である火山灰土壌は安
価であるものの、装置を大型にする、あるいは吸着剤交
換のための維持、管理費が嵩む等の問題がある。
【0012】そこで、本発明では、上記のような従来技
術の諸問題を解決し、容易に再利用が可能なアロフェン
を主成分とする火山灰土壌よりなる吸着用火山灰土壌造
粒物を使用し、低濃度のリン含有水中のリンを除去し、
且つ吸着用火山灰土壌造粒物の寿命を延ばすことを目的
としたものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明は、S
i:18〜24重量%、Al:23〜29重量%、F
e:1〜5重量%の化学組成を有し、アロフェンを主成
分とする火山灰土壌を造粒して得られる実質上添加剤を
含まない嵩比重0.5〜0.7、水中破壊率25%以下の
球状造粒物よりなる吸着用火山灰土壌造粒物を用いて水
からのリンの除去方法において、被処理水に凝集剤を添
加した後、前記吸着用火山灰土壌造粒物の充填層に通液
することを特徴とする水中のリン除去方法に係る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明方法に使用可能な凝集剤
は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム等を含む
水中のリンを凝集沈殿させるものであれば特に制限され
ない。一例を挙げれば、アルミニウムを含むものとして
は、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸カリウムアル
ミニウム、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、水酸化アル
ミニウム、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸
アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等がある。カルシ
ウムを含むものとしては、石灰、消石灰、塩化カルシウ
ム、硫酸カルシウム等があり、また、マグネシウムを含
むものとしては、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム等が挙げられる。
【0015】凝集剤の被処理水への添加量は、凝集剤中
のアルミニウム、カルシウム、マグネシウム等として被
処理水中のリン濃度に対して10〜300%の範囲内で
ある。ここで、該添加量が10%未満では凝集剤の添加
効果が発揮されないために好ましくなく、また、該添加
量が300%を超えると添加量の増加に伴うコストの上
昇に見合うだけの効果が期待できないために好ましくな
い。
【0016】本発明方法に使用する吸着用火山灰土壌造
粒物は、Si:18〜24重量%、Al:23〜29重
量%、Fe:1〜5重量%の化学組成を有し、アロフェ
ンを主成分とする火山灰土壌を造粒して得られる実質上
添加剤を含まない嵩比重0.5〜0.7、水中破壊率25
%以下の球状造粒物である。
【0017】更に詳細には、本発明方法に使用する吸着
用火山灰土壌造粒物は、水分量を24〜37重量%に調
整した火山灰土壌を混合撹拌型造粒機により造粒し、そ
の後乾燥することにより製造することができる。
【0018】ここで、アロフェンは組成式lAl
・mSiO・nFe(l:m:n=1:1.4〜
2.0:0.05〜0.25)で表される非晶質のアルミノ
珪酸塩であり、関東地方や八ヶ岳山麓などの火山灰中に
広く存在する物質である。アロフェンは土壌改良等の効
果をもつため、アロフェンを含んだ火山灰土壌は鹿沼土
などの名称で園芸用土壌として市販されている。しかし
ながら、火山灰土壌は極めて脆く、水中にいれた場合、
徐々に崩壊していくため、このままではカラムなどには
使用できない。
【0019】アロフェンを含む火山灰土壌には、石英、
長石、雲母、角閃石、浮石等の夾雑物が含まれている。
本発明方法に使用する吸着用火山灰土壌造粒物は、これ
らの夾雑物を含んでいるものでも良いし、リン除去能力
をもつアロフェンを分離精製して造粒したものであって
も良い。しかし、これらの夾雑物は硬度の高い鉱物であ
るため、造粒処理の際に装置を摩耗する恐れがある。ま
た、夾雑物を含まない方が吸着剤としての単位重量当た
りのリン吸着量が増加するため、吸着剤としての寿命が
延びるといった観点から、アロフェンを分離精製して造
粒したものの方が好ましい。アロフェンの粒子は他の夾
雑物に比べて粒径が小さいため、気流分級あるいは水簸
法によって分離できる。しかし、水簸法を用いると、リ
ン除去に寄与していると思われるAl−(OH)が水中
に溶出し、リン除去能を低下させるため、気流分級によ
る方法の方が好ましい。気流分級による方法では、例え
ば採掘した火山灰土壌を乾燥して含水率を下げた後、夾
雑物を壊さない程度に粉砕して気流中に分散させ、サイ
クロンなどで粗粉とアロフェン微粉に分離することがで
きる。
【0020】吸着用火山灰土壌造粒物は、カラムに該造
粒物を充填し、通液する際に、造粒物の破壊あるいは有
害物の溶出がなければ形状等は特に制限されるものでは
ない。しかし、強度、流動性、表面積及びカラム等を傷
つけないと言った点から真球に近いものが好ましい。そ
のため、得られる造粒物が均質で真球に近く、高い嵩密
度が得られる混合撹拌型造粒機を使用して造粒すること
が好ましい。また、造粒助剤としては、有害物の溶出が
なく、また、費用も安いことから水を使用することが好
ましい。造粒助剤量や造粒の条件を検討することで、造
粒助剤として水を使用しても混合撹拌型造粒機により、
カラムに適した吸着用火山灰土壌造粒物が得られる。
【0021】本発明方法に使用する吸着用火山灰土壌造
粒物は、アロフェンを主成分とする火山灰土壌を、風乾
または強制乾燥するか、または必要により水分を添加し
て水分量を24〜37重量%に調整し、次に、混合撹拌
型造粒機により最大周速40m/秒以下で造粒し、その
後乾燥することによって得られたもので、該造粒物の嵩
比重が0.5〜0.7で、水中破壊率が25%以下のもの
で、実質上添加剤を含まないものである。
【0022】吸着用火山灰土壌造粒物を製造するに当た
り、水分量が上記の範囲を超える場合には、目的とする
粒径あるいは嵩比重の造粒物の収率が極端に低下するた
めに好ましくない。また、得られた造粒物の嵩比重が
0.5より小さい場合には、水中破壊率が極端に悪化す
るために好ましくなく、また、嵩比重が0.7を超える
場合には、混合撹拌型造粒機では造粒を行うことができ
ないために好ましくない。
【0023】吸着用火山灰土壌造粒物の粒径は、0.5
〜5mm、好ましくは0.6〜1.2mm程度が良い。該
粒径が5mmを超えると、被処理水との接触面積が減っ
て吸着効率が低下すると共に、逆洗時に多量の水を必要
とするために好ましくない。逆に、該粒径が0.5mm
未満であると、カラム等からの造粒物の流出の危険性が
あるために好ましくない。なお、混合撹拌型造粒機によ
る造粒は、ある程度の粒径以上でないと均質で高密度な
造粒物を得ることが難しい。
【0024】上述のように、アロフェンを含んだ吸着用
火山灰土壌は、園芸用土壌として市販されている。そこ
で、例えば家庭用雑排水中のリンの吸着剤として使用し
た場合、飽和吸着した吸着用火山灰土壌造粒物を加熱等
により殺菌すれば、植物の栄養素であるリンを含み、ア
ロフェンによる土壌改良等の効果も得られるため、リン
含有肥料として容易に再利用することができる。従っ
て、吸着用火山灰土壌造粒物を再生する必要がなく、ま
た、産業廃棄物として廃棄する必要もないため、設備が
安価に済み、環境を汚染する心配もない。
【0025】
【作用】本発明方法によれば、被処理水に凝集剤を添加
し、吸着用火山灰土壌造粒物のカラム等のような充填床
に通液することにより、低濃度のリンが除去でき、且つ
吸着用火山灰土壌造粒物の寿命を延長することもでき
る。凝集剤の添加量は理論量よりも少なくても、凝集剤
のみの吸着量あるいは吸着用火山灰土壌造粒物のみの吸
着量を合計した以上の吸着量が得られる。また、凝集剤
の添加量を増やすことによって吸着用火山灰土壌造粒物
の寿命が著しく延びる。この著しい効果を生ずる原因は
不明であるが、凝集剤添加後同程度の粒径を有する濾過
砂に通液しても同様な効果は得られず、単なる濾過では
なく、何らかの特殊な機構によるものと推測される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
いことを理解されたい。 実験例1〜3 実験例1として下記のような実験を行った。被処理水
は、イオン交換水によりリン酸二水素ナトリウムをリン
濃度が5mg/リットルとなるように溶解した水溶液を
使用した。この水溶液2000ミリリットルを2000
ミリリットル三角フラスコに入れ、初期濃度を測定し
た。その後、凝集剤として硫酸アルミニウム(硫酸バン
ド)を、凝集剤中のアルミニウムがリン濃度の250%
になるように添加した後、吸着用火山灰土壌造粒物(S
i24重量%、Al23重量%、Fe3重量%;粒径
0.6〜1.2mm;嵩比重0.61g/cm;水中破
壊率23%)1gを添加した。次に、三角フラスコを振
とう、所定時間ごとに被処理水中のリン濃度を測定し
た。その結果を図1のAに示す。また、実験例2とし
て、凝集剤を添加しない以外は実験例1と同条件にて実
験を行った。得られたリン濃度を図1のBに示す。更
に、実験例3として、吸着用火山灰土壌造粒物を使用し
ない以外は実験例1と同条件にて実験を行った。得られ
たリン濃度を図1のCに示す。
【0027】図1に示す結果から明らかなように、反応
時間120分後のリン濃度は、実験例1では、0.7m
g/リットルとなり、実験例2の3.7mg/リット
ル、実験例3の1.9mg/リットルよりも顕著に低い
値を示した。また、その時点でのリン除去量は、実験例
2で1.3mg/リットル、実験例3で1.9mg/リッ
トルであり、両者を合計しても3.2mg/リットルで
ある。この値は、実験例1のリン除去量の4.2mg/
リットルよりも少ない。よって、この結果より、凝集剤
+吸着用火山灰土壌造粒物を使用した場合、相乗効果が
現れて、それぞれを単独で使用した時よりもリンを多量
に除去できることが判明した。
【0028】実施例1〜2、比較例1 実施例1〜2では、内径14.4mm、高さ308.0m
mの硝子製カラム下部に硝子フィルターG2を取り付
け、上記実験例1〜3と同様の吸着用火山灰土壌造粒物
を充填した。次に、イオン交換水に、リン酸二水素ナト
リウムをリン濃度が5mg/リットルとなるように溶解
し、これに凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)
を、実施例1においては、凝集剤のアルミニウムがリン
濃度の50%、実施例2においては、同様にリン濃度の
200%となるように添加したものを使用し、ポンプに
よりカラムへ空間速度(SV)=約2で通液した。この
時、カラムからの流出流中のリン濃度の経時変化を測定
した。実施例1のリン濃度の経時変化を図2のAに、実
施例2のリン濃度の経時変化を図2のBにそれぞれ示
す。また、比較例1として、凝集剤を添加しない以外
は、上記と同条件にて実験を行った。得られた結果を図
2のCに示す。
【0029】図2の結果から、カラムからの流出流中の
リン濃度が1.0mg/リットルに到達した時間は、比
較例1で52時間、実施例1で104時間であり、実施
例2では192時間まで濃度を測定したが流出流中のリ
ン濃度は1.0mg/リットルを超えなかった。上述の
ように、凝集剤の添加量がリン濃度の50%と少ない場
合にも、吸着用火山灰土壌造粒物単体よりも極めてリン
の除去量が増え、また、凝集剤の添加量が増加すると、
カラム流出流中のリン濃度が1.0mg/リットルを超
える時間は著しく延び、リンの除去量が増加することが
認められた。
【0030】実施例3 図3に示すように、内径107mm、高さ1000mm
のカラム(5)に、支持層(濾過砂)(7)を約200mm充填
し、その上に、上記実験例1〜3と同様の吸着用火山灰
土壌造粒物(6)を400mm充填した。被処理水は、合
併浄化槽処理後の家庭用雑排水(リン濃度2.7〜4.0
mg/リットル)である。該被処理水(2)を被処理水供給
槽(1)からポンプP1により空間速度(SV)=約2.6で
通液し、その途中で凝集剤供給槽(3)に入れた凝集剤(4)
をポンプP2により添加し、カラムに通液した。凝集剤
は、硫酸カリウムアルミニウムを凝集剤のアルミニウム
がリン濃度の50%になるように添加した。次に、カラ
ムからの流出流のリン濃度の経時変化を測定した。得ら
れた結果を図4のAに示す。カラム流出流のリン濃度が
1.0mg/リットルに達するまでの時間は約60日で
あった。
【0031】比較例2 凝集剤を添加しない以外は、実施例3と同条件でカラム
からの流出流(8)のリン濃度を測定した。その結果を図
4のBに示す。流出流(8)のリン濃度が1.0mg/リッ
トルに達した時間は、18日と実施例3に比較して極め
て短く、吸着用火山灰土壌造粒物のみのリン除去量は、
実施例3に比べて著しく少なかった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、低濃度のリン含有水か
らリンを効率的に除去することができ、且つ吸着用火山
灰土壌造粒物の寿命も大幅に延長することができる。よ
って、従来の吸着用火山灰土壌造粒物を使用できない低
濃度のリン含有水からリンを除去することができ、吸着
用火山灰土壌造粒物の交換頻度が低減できることから維
持費等の削減が図れる。また、飽和吸着した吸着用火山
灰土壌造粒物はリン含有肥料としての再利用が容易にで
き、従来のリン処理技術での問題点を解決することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1〜3におけるリン濃度を示すグラフで
ある。
【図2】実施例1〜2及び比較例1におけるリン濃度を
示すグラフである。
【図3】実施例3において使用した装置の概略図であ
る。
【図4】実施例3及び比較例2におけるリン濃度を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 被処理水供給槽 2 被処理水 3 凝集剤供給槽 4 凝集剤 5 カラム 6 吸着用火山灰土壌造粒物 7 支持層 8 流出流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鮎澤 信家 山梨県甲府市大津町2094 山梨県工業技術 センター内 (72)発明者 藤本 民雄 山梨県甲府市大手3−4−25 (72)発明者 平栗 寛治 山梨県甲府市山宮町2947−7 (72)発明者 大久保 ▲祐▼司 山梨県西八代郡市川大門町1527 (72)発明者 高杉 昌隆 山梨県大月市初狩町下初狩462番地 山正 産業株式会社内 (72)発明者 中川 枝美 山梨県大月市初狩町下初狩462番地 山正 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D015 BA04 CA18 DA02 DA19 DA22 4D024 AA04 AB12 BA05 BB01 BB05 DB21 4D038 AA08 AB43 BB06 BB18 4D062 BA04 CA18 DA19 DA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:18〜24重量%、Al:23〜
    29重量%、Fe:1〜5重量%の化学組成を有し、ア
    ロフェンを主成分とする火山灰土壌を造粒して得られる
    実質上添加剤を含まない嵩比重0.5〜0.7、水中破壊
    率25%以下の球状造粒物よりなる吸着用火山灰土壌造
    粒物を用いて水からのリンの除去方法において、被処理
    水に凝集剤を添加した後、前記吸着用火山灰造粒物の充
    填層に通液することを特徴とする水中のリン除去方法。
  2. 【請求項2】 吸着用火山灰土壌造粒物は、水分量を2
    4〜37重量%に調整した火山灰土壌を混合撹拌造粒機
    により造粒し、その後乾燥することによって得られたも
    のである、請求項1記載の水中のリン除去方法。
  3. 【請求項3】 火山灰土壌が実質上アロフェンからな
    る、請求項1または2記載の水中のリン除去方法。
  4. 【請求項4】 凝集剤が、ポリ塩化アルミニウム、硫酸
    カリウムアルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸化アル
    ミニウム、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸
    アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、石灰、消石灰、
    塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム及
    び水酸化マグネシウムからなる群から選択された1種ま
    たは2種以上である、請求項1記載の水中のリン除去方
    法。
JP10214271A 1998-07-29 1998-07-29 水中のリン除去方法 Pending JP2000042538A (ja)

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