JP2015107455A - アンモニアガス用吸着剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを効率よく吸収できるアンモニアガス用吸着剤およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明のアンモニアガス用吸着剤の製造方法は、汚泥焼却灰に酸水溶液を添加して、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物を作製する工程(A)、および塩基性添加剤を混合物に添加して処理混合物を作製する工程(B)を含み、処理混合物を乾燥して作製した乾燥混合物10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、混合物含有水のpHが2.5〜5.5である。本発明のアンモニアガス用吸着剤は、上記アンモニアガス用吸着剤の製造方法によって製造される。【選択図】なし
Description
本発明は、アンモニアガス用吸着剤およびその製造方法に関する。
下水処理場や畜産ふん尿処理場で発生する汚泥や畜産ふん尿をコンポスト化(堆肥化)するときには、湿度の高い雰囲気の中、多量のアンモニアガスが発生し、悪臭の原因となっている。このアンモニアガスを除去する方法として、ヤシ殻活性炭に2価の銅化合物を担持させたアンモニアガス用吸着剤を充填した吸着塔にアンモニア含有ガスを通す方法が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1参照)。このアンモニアガスを除去する方法によれば、高濃度アンモニア含有ガスに対しても、吸着剤を長期間交換しないでアンモニアガスを除去できる。また、吸着剤に付着する微生物、たとえばカビの増殖を抑制できる。さらに、吸着操作に必要な装置は、吸着塔があればよく、運転管理も容易である。
特許文献1に記載の2価の銅化合物を担持させた活性炭などの活性炭は、アンモニアガス用吸着剤として使用されている。しかし、湿度の高い雰囲気中に発生するアンモニアガスの量がかなり多い場合もあり、特許文献1に記載されているような活性炭よりも、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスをさらに効率よく吸着できる吸着剤が望まれている。
本発明は、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを効率よく吸収できるアンモニアガス用吸着剤およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、汚泥焼却灰に酸水溶液を添加して、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物を作製し、塩基性添加剤を混合物に添加することにより、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを効率よく吸収できるアンモニアガス用吸着剤を得られることを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]汚泥焼却灰に酸水溶液を添加して、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物を作製する工程(A)、および塩基性添加剤を混合物に添加して処理混合物を作製する工程(B)を含み、処理混合物を乾燥して作製した乾燥混合物10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、混合物含有水のpHが2.5〜5.5である、アンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[2]処理混合物をシリカゲルと混合する工程(C)をさらに含む、上記[1]に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[3]工程(C)は、シリカゲルの割合が、処理混合物の乾燥質量およびシリカゲルの質量の合計質量に対して50〜90質量%になるような質量のシリカゲルと混合する、上記[2]に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[4]酸水溶液は、塩酸、硫酸および硝酸からなる群から選択される1種または2種以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[5]塩基性添加剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択される1種または2種以上である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法によって製造されたアンモニアガス用吸着剤。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]汚泥焼却灰に酸水溶液を添加して、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物を作製する工程(A)、および塩基性添加剤を混合物に添加して処理混合物を作製する工程(B)を含み、処理混合物を乾燥して作製した乾燥混合物10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、混合物含有水のpHが2.5〜5.5である、アンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[2]処理混合物をシリカゲルと混合する工程(C)をさらに含む、上記[1]に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[3]工程(C)は、シリカゲルの割合が、処理混合物の乾燥質量およびシリカゲルの質量の合計質量に対して50〜90質量%になるような質量のシリカゲルと混合する、上記[2]に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[4]酸水溶液は、塩酸、硫酸および硝酸からなる群から選択される1種または2種以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[5]塩基性添加剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択される1種または2種以上である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法によって製造されたアンモニアガス用吸着剤。
本発明によれば、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを効率よく吸収できるアンモニアガス用吸着剤およびその製造方法を提供することができる。
[アンモニアガス用吸着剤の製造方法]
本発明のアンモニアガス用吸着剤の製造方法は、汚泥焼却灰に酸水溶液を添加して、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物を作製する工程、および塩基性添加剤を混合物に添加して処理混合物を作製する工程(B)を含む。以下、本発明のアンモニアガス用吸着剤の製造方法を詳細に説明する。
本発明のアンモニアガス用吸着剤の製造方法は、汚泥焼却灰に酸水溶液を添加して、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物を作製する工程、および塩基性添加剤を混合物に添加して処理混合物を作製する工程(B)を含む。以下、本発明のアンモニアガス用吸着剤の製造方法を詳細に説明する。
[工程(A)]
(汚泥焼却灰)
本発明で使用される汚泥焼却灰は、下水処理場で発生する汚泥、ならびに、し尿、家庭用雑排水および産業用排水などの処理によって発生した汚泥などを焼却した焼却灰である。汚泥焼却灰は、シリカ、リン酸カルシウム、アルミナおよび酸化鉄などを含む。これらの汚泥は、一般に処理場で含水率60〜90質量%程度まで脱水処理された後、焼却される。下水処理場で発生する汚泥(以下、下水汚泥と呼ぶ)の量は、下水道の普及とともに増加しており、下水汚泥量の増加への対策が急がれている。したがって、下水汚泥の再資源化は有用であるので、本発明で使用する汚泥焼却灰は、好ましくは下水汚泥焼却灰である。
(汚泥焼却灰)
本発明で使用される汚泥焼却灰は、下水処理場で発生する汚泥、ならびに、し尿、家庭用雑排水および産業用排水などの処理によって発生した汚泥などを焼却した焼却灰である。汚泥焼却灰は、シリカ、リン酸カルシウム、アルミナおよび酸化鉄などを含む。これらの汚泥は、一般に処理場で含水率60〜90質量%程度まで脱水処理された後、焼却される。下水処理場で発生する汚泥(以下、下水汚泥と呼ぶ)の量は、下水道の普及とともに増加しており、下水汚泥量の増加への対策が急がれている。したがって、下水汚泥の再資源化は有用であるので、本発明で使用する汚泥焼却灰は、好ましくは下水汚泥焼却灰である。
汚泥焼却灰には、高分子凝集剤を使用した汚泥を焼却したものと、石灰系凝集剤を使用した汚泥を焼却したものとがある。汚泥の減容化対策から最近では高分子凝集剤を使用した汚泥焼却灰が多い。本発明においては両者とも利用可能であるが、石灰系凝集剤を使用した場合は、汚泥焼却灰に石膏が多量に生成されるため、高分子凝集剤を使用した汚泥焼却灰の方が好ましい。汚泥焼却灰の形態は、とくに制限されず、粉体状の汚泥焼却灰のみならず、ペレット状、板状および錠剤状などに成型された汚泥焼却灰も使用できる。
(酸水溶液)
本発明で使用される酸水溶液は、酸の水溶液であればとくに限定されず、無機酸の水溶液であってもよいし、有機酸の水溶液であってもよい。アンモニアガス用吸着剤における孔径の小さい孔(たとえば、2nm以下の孔)の細孔容積を大きくできることから、酸水溶液は、好ましくは無機酸の水溶液であり、より好ましくは塩酸水溶液、硫酸水溶液および硝酸水溶液からなる群から選択される1種または2種以上のものであり、さらに好ましくは塩酸水溶液である。塩酸水溶液、硫酸水溶液または硝酸水溶液には、市販品のもの、金属精錬工業などから発生する廃塩酸、廃硫酸および廃硝酸の水溶液などを使用することができる。酸水溶液の濃度は、通常、0.1〜13規定程度である。また、酸水溶液が塩酸水溶液、硫酸水溶液または硝酸水溶液である場合、汚泥焼却灰に添加される酸水溶液の添加量は、汚泥焼却灰100質量部に対し、100%の硫酸、塩酸および硝酸などに換算して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは4.0〜25質量部である。なお、アンモニアガスは、アンモニアガス用吸着剤の孔径の小さい孔(たとえば、2nm以下の孔)に主に吸着すると予想される。アンモニアガス用吸着剤の孔径は、たとえば、水銀圧入式ポロシメータ(Quantachrome 社製、PoreMaster 60GT)を使用して測定した値である。また、酸水溶液で処理する前の汚泥焼却灰の平均孔径は2.0〜5.0μmである。
本発明で使用される酸水溶液は、酸の水溶液であればとくに限定されず、無機酸の水溶液であってもよいし、有機酸の水溶液であってもよい。アンモニアガス用吸着剤における孔径の小さい孔(たとえば、2nm以下の孔)の細孔容積を大きくできることから、酸水溶液は、好ましくは無機酸の水溶液であり、より好ましくは塩酸水溶液、硫酸水溶液および硝酸水溶液からなる群から選択される1種または2種以上のものであり、さらに好ましくは塩酸水溶液である。塩酸水溶液、硫酸水溶液または硝酸水溶液には、市販品のもの、金属精錬工業などから発生する廃塩酸、廃硫酸および廃硝酸の水溶液などを使用することができる。酸水溶液の濃度は、通常、0.1〜13規定程度である。また、酸水溶液が塩酸水溶液、硫酸水溶液または硝酸水溶液である場合、汚泥焼却灰に添加される酸水溶液の添加量は、汚泥焼却灰100質量部に対し、100%の硫酸、塩酸および硝酸などに換算して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは4.0〜25質量部である。なお、アンモニアガスは、アンモニアガス用吸着剤の孔径の小さい孔(たとえば、2nm以下の孔)に主に吸着すると予想される。アンモニアガス用吸着剤の孔径は、たとえば、水銀圧入式ポロシメータ(Quantachrome 社製、PoreMaster 60GT)を使用して測定した値である。また、酸水溶液で処理する前の汚泥焼却灰の平均孔径は2.0〜5.0μmである。
なお、酸性水溶液中の酸の濃度および酸の種類を変えることにより、汚泥焼却灰のBET比表面積および2nm以下の孔の細孔容積を調整することができる。酸性水溶液中の酸の濃度および酸の種類を変えることにより、汚泥焼却灰のBET比表面積および2nm以下の孔の細孔容積を調整した一例を下記の表1に示す。
(混合物)
本発明で使用される混合物は汚泥焼却灰および酸水溶液を含む。これにより、汚泥焼却灰中の酸可溶性成分が溶解除去されて、汚泥焼却灰は多孔質化する。酸水溶液を添加する前の汚泥焼却灰のBET比表面積は3m2/g程度であるのに対し、多孔質化した汚泥焼却灰のBET比表面積は、好ましくは6.5m2/g以上であり、より好ましくは10〜50m2/gである。ここで、汚泥焼却灰のBET比表面積は、N2ガスを使用したBET法で測定した汚泥焼却灰の比表面積である。汚泥焼却灰のBET比表面積は、たとえば、比表面積測定装置(日本ベル社製、BELSORP-MINI)で測定した値である。
本発明で使用される混合物は汚泥焼却灰および酸水溶液を含む。これにより、汚泥焼却灰中の酸可溶性成分が溶解除去されて、汚泥焼却灰は多孔質化する。酸水溶液を添加する前の汚泥焼却灰のBET比表面積は3m2/g程度であるのに対し、多孔質化した汚泥焼却灰のBET比表面積は、好ましくは6.5m2/g以上であり、より好ましくは10〜50m2/gである。ここで、汚泥焼却灰のBET比表面積は、N2ガスを使用したBET法で測定した汚泥焼却灰の比表面積である。汚泥焼却灰のBET比表面積は、たとえば、比表面積測定装置(日本ベル社製、BELSORP-MINI)で測定した値である。
[工程(B)]
(塩基性添加剤)
本発明で使用される塩基性添加剤は、塩基性を有する化合物であればとくに限定されない。好ましい塩基性添加剤には、たとえば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、CaCO3を主成分とするライムストーン(石灰岩)、およびコーラルサンドなどのアルカリ性薬剤などが挙げられる。より好ましい塩基性添加剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムである。
(塩基性添加剤)
本発明で使用される塩基性添加剤は、塩基性を有する化合物であればとくに限定されない。好ましい塩基性添加剤には、たとえば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、CaCO3を主成分とするライムストーン(石灰岩)、およびコーラルサンドなどのアルカリ性薬剤などが挙げられる。より好ましい塩基性添加剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムである。
(処理混合物)
本発明の処理混合物は、上記混合物に塩基性添加剤を添加した混合物である。塩基性添加剤を添加する前の上記混合物は、酸水溶液を含むため酸性である。したがって、上記混合物に塩基性添加剤を添加することにより、処理混合物の酸性度は低くなる。しかし、混合物が中和する量までは、塩基性添加剤を上記混合物に添加しない。すなわち、塩基性添加剤を混合物に添加しても処理混合物は依然として酸性である。処理混合物を乾燥して作製した乾燥混合物10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、この混合物含有水のpHが2.5〜5.5、好ましくは3.0〜5.1になるような量の塩基添加剤を混合物に添加する。混合物含有水のpHが2.5〜5.5であると、アンモニアガス用吸着剤は湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを効率よく吸収できる。ここで、湿度の高い雰囲気とは、相対湿度が70%以上の空気および窒素などの雰囲気である。たとえば、塩基性添加剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化カルシウムである場合、酸水溶液が添加される前の汚泥焼却灰の100質量部に対して1〜6質量部の塩基性添加剤を混合物に添加することが好ましい。なお、塩基性添加剤を混合物に添加して処理混合物を中和した場合、混合物含有水のpHは7程度の値になる。また、塩基性添加剤を混合物に添加しない場合、混合物含有水のpHは1になる。これより、塩基性添加剤を添加しないで作製した吸着剤は、酸性度が非常に高いものであることがわかる。このような酸性度の高い吸着剤は、吸着剤を加工する装置などを腐食させる場合があるので、取り扱いが難しい場合がある。
本発明の処理混合物は、上記混合物に塩基性添加剤を添加した混合物である。塩基性添加剤を添加する前の上記混合物は、酸水溶液を含むため酸性である。したがって、上記混合物に塩基性添加剤を添加することにより、処理混合物の酸性度は低くなる。しかし、混合物が中和する量までは、塩基性添加剤を上記混合物に添加しない。すなわち、塩基性添加剤を混合物に添加しても処理混合物は依然として酸性である。処理混合物を乾燥して作製した乾燥混合物10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、この混合物含有水のpHが2.5〜5.5、好ましくは3.0〜5.1になるような量の塩基添加剤を混合物に添加する。混合物含有水のpHが2.5〜5.5であると、アンモニアガス用吸着剤は湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを効率よく吸収できる。ここで、湿度の高い雰囲気とは、相対湿度が70%以上の空気および窒素などの雰囲気である。たとえば、塩基性添加剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化カルシウムである場合、酸水溶液が添加される前の汚泥焼却灰の100質量部に対して1〜6質量部の塩基性添加剤を混合物に添加することが好ましい。なお、塩基性添加剤を混合物に添加して処理混合物を中和した場合、混合物含有水のpHは7程度の値になる。また、塩基性添加剤を混合物に添加しない場合、混合物含有水のpHは1になる。これより、塩基性添加剤を添加しないで作製した吸着剤は、酸性度が非常に高いものであることがわかる。このような酸性度の高い吸着剤は、吸着剤を加工する装置などを腐食させる場合があるので、取り扱いが難しい場合がある。
[乾燥工程]
処理混合物は、周知の方法で乾燥される。たとえば、回転ドラム式乾燥機、パドル式乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機および遠心薄膜式乾燥機などの乾燥機を使用して、塩基性添加剤を添加した混合物は乾燥される。乾燥温度は、たとえば、90〜300℃である。乾燥後の混合物の含水率は5質量%以下が好ましい。乾燥が不十分であると、アンモニアガス用吸着剤の細孔容積が減少し、アンモニアガスの吸着性能が低下する場合がある。
処理混合物は、周知の方法で乾燥される。たとえば、回転ドラム式乾燥機、パドル式乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機および遠心薄膜式乾燥機などの乾燥機を使用して、塩基性添加剤を添加した混合物は乾燥される。乾燥温度は、たとえば、90〜300℃である。乾燥後の混合物の含水率は5質量%以下が好ましい。乾燥が不十分であると、アンモニアガス用吸着剤の細孔容積が減少し、アンモニアガスの吸着性能が低下する場合がある。
[成形工程]
上記乾燥工程の前に、処理混合物を所定の形状に成形してもよい。たとえば、押出成形、圧縮成形、転動成形、振動成形、混合成形、流動成形および解砕成形などの成型方法で、処理混合物を成形することができる。とくに、処理混合物は、押出成形により成形することが好ましい。押出成形は、半乾式低水分造粒機(ディスクペレッター)、スクリュー型成形機およびペレットミル型成形機などの成形機を用いて行うのが好ましい。とくに、処理混合物の押出成形には、半乾式低水分造粒機が最適である。
上記乾燥工程の前に、処理混合物を所定の形状に成形してもよい。たとえば、押出成形、圧縮成形、転動成形、振動成形、混合成形、流動成形および解砕成形などの成型方法で、処理混合物を成形することができる。とくに、処理混合物は、押出成形により成形することが好ましい。押出成形は、半乾式低水分造粒機(ディスクペレッター)、スクリュー型成形機およびペレットミル型成形機などの成形機を用いて行うのが好ましい。とくに、処理混合物の押出成形には、半乾式低水分造粒機が最適である。
[処理混合物をシリカゲルと混合する工程(C)]
本発明のアンモニアガス用吸着剤の製造方法は、処理混合物をシリカゲルと混合する工程(C)をさらに含んでもよい。これにより、アンモニアガス用吸着剤におけるアンモニアガスの吸着量をさらに増やすことができる。なお、処理混合物をシリカゲルと混合するタイミングは、とくに限定されないが、処理混合物を乾燥した後のタイミングが好ましい。これにより、混合物の水分がシリカゲルに吸着することを抑制できる。
本発明のアンモニアガス用吸着剤の製造方法は、処理混合物をシリカゲルと混合する工程(C)をさらに含んでもよい。これにより、アンモニアガス用吸着剤におけるアンモニアガスの吸着量をさらに増やすことができる。なお、処理混合物をシリカゲルと混合するタイミングは、とくに限定されないが、処理混合物を乾燥した後のタイミングが好ましい。これにより、混合物の水分がシリカゲルに吸着することを抑制できる。
(シリカゲル)
シリカゲルは球状の形状を有していることが好ましい。これにより、上記混合物中にシリカゲルを均一に分布させることができる。シリカゲルの粒径は、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは1.4mm以上であり、さらに好ましくは1.4〜4.0mmである。また、シリカゲルは、好ましくは2.0〜3.0nmの平均細孔径を有する。さらに、シリカゲルは、好ましくは650〜800m2/gのBET比表面積を有する。シリカゲルの粒径は、たとえば、JIS篩(5〜12mesh)を使用して測定した値である。また、シリカゲルの平均細孔径は、たとえば、水銀圧入式ポロシメータ(Quantachrome 社製、PoreMaster 60GT)を使用して測定した値であり、シリカゲルのBET比表面積は、たとえば、比表面積測定装置(日本ベル社製、BELSORP-MINI)を使用して測定した値である。
シリカゲルは球状の形状を有していることが好ましい。これにより、上記混合物中にシリカゲルを均一に分布させることができる。シリカゲルの粒径は、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは1.4mm以上であり、さらに好ましくは1.4〜4.0mmである。また、シリカゲルは、好ましくは2.0〜3.0nmの平均細孔径を有する。さらに、シリカゲルは、好ましくは650〜800m2/gのBET比表面積を有する。シリカゲルの粒径は、たとえば、JIS篩(5〜12mesh)を使用して測定した値である。また、シリカゲルの平均細孔径は、たとえば、水銀圧入式ポロシメータ(Quantachrome 社製、PoreMaster 60GT)を使用して測定した値であり、シリカゲルのBET比表面積は、たとえば、比表面積測定装置(日本ベル社製、BELSORP-MINI)を使用して測定した値である。
シリカゲルの割合が、処理混合物の乾燥質量およびシリカゲルの質量の合計質量に対して、好ましくは50〜90質量%になるような質量のシリカゲルと混合物を混合する。これにより、アンモニアガス用吸着剤におけるアンモニアガスの吸着量をさらに増やすことができる。ここで、処理混合物の乾燥質量とは、5質量%以下の含水率になるまで乾燥した処理混合物の質量である。
以下の原理は本発明を限定するものではないが、処理混合物にシリカゲルを添加するとアンモニアガスの吸着量が増加するのは以下の理由によるものと考えられる。湿度が高い雰囲気中のアンモニアガスが吸着剤に吸着されにくくなるのは、アンモニアよりも先に水分子が吸着剤に吸着し、アンモニアガスが吸着するはずの微細な細孔を水分子が塞ぐためであると考えられる。シリカゲルは、吸湿材として用いられるように、水を吸着する能力は優れている。このため、アンモニアガスを吸着する微細な細孔を塞ぐ水分子をシリカゲルが吸着するために、処理混合物にシリカゲルを添加するとアンモニアガスの吸着量が増加すると考えられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例は、本発明を限定するものではない。
[評価方法]
塩基性添加剤を添加した、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物(以下、処理混合物と呼ぶ場合がある)と、実施例および比較例の吸着剤とを次の評価方法で評価した。
(処理混合物のpH)
アンモニアガス用吸着剤に含まれている乾燥した処理混合物10gを200mLのポリ容器に入れ、さらに、100mLの水をポリ容器に入れて処理混合物および水を混合したものを作製し、その中にスターラーチップを入れて、マグネチックスターラー撹拌装置(アズワン(株)製、型番RSH-1D、撹拌の条件:500rpm)を使用してその混合したものを1分間撹拌した。そして、撹拌後のポリ容器中の処理混合物を含有する水のpHを、pH計((株)堀場製作所製、型番 D-51)を使用して測定した。測定した値が処理混合物のpHとなる。
塩基性添加剤を添加した、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物(以下、処理混合物と呼ぶ場合がある)と、実施例および比較例の吸着剤とを次の評価方法で評価した。
(処理混合物のpH)
アンモニアガス用吸着剤に含まれている乾燥した処理混合物10gを200mLのポリ容器に入れ、さらに、100mLの水をポリ容器に入れて処理混合物および水を混合したものを作製し、その中にスターラーチップを入れて、マグネチックスターラー撹拌装置(アズワン(株)製、型番RSH-1D、撹拌の条件:500rpm)を使用してその混合したものを1分間撹拌した。そして、撹拌後のポリ容器中の処理混合物を含有する水のpHを、pH計((株)堀場製作所製、型番 D-51)を使用して測定した。測定した値が処理混合物のpHとなる。
(吸着剤の単位重さ当たりの湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量)
(1)シェフィールド管(60mL)の質量を測定した(W1g)。シェフィールド管に30gの吸着剤を充填して、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W2g)。次に、20℃の温度および98%の相対湿度を有するN2ガスを3L/分の流量で、ブランクガスとしてシェフィールド管の中を4時間通気させた後、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W3g)。
(2)別のシェフィールド管(60mL)の質量を測定した(W4g)。シェフィールド管に30gの吸着剤を充填して、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W5g)。次に、500ppmのアンモニアガスを含み20℃の温度および98%の相対湿度を有するN2ガスを3L/分の流量で、シェフィールド管の中を4時間通気させた後、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W6g)。
(3)次の式から吸着剤の単位重さ当たりのアンモニアガス吸着量を算出した。
吸着量(g/g)=(W6−W5)/(W5−W4)−(W3−W2)/(W2−W1)
(1)シェフィールド管(60mL)の質量を測定した(W1g)。シェフィールド管に30gの吸着剤を充填して、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W2g)。次に、20℃の温度および98%の相対湿度を有するN2ガスを3L/分の流量で、ブランクガスとしてシェフィールド管の中を4時間通気させた後、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W3g)。
(2)別のシェフィールド管(60mL)の質量を測定した(W4g)。シェフィールド管に30gの吸着剤を充填して、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W5g)。次に、500ppmのアンモニアガスを含み20℃の温度および98%の相対湿度を有するN2ガスを3L/分の流量で、シェフィールド管の中を4時間通気させた後、吸着剤を充填したシェフィールド管の質量を測定した(W6g)。
(3)次の式から吸着剤の単位重さ当たりのアンモニアガス吸着量を算出した。
吸着量(g/g)=(W6−W5)/(W5−W4)−(W3−W2)/(W2−W1)
(吸着剤の単位重さ当たりの湿度の低い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量)
20℃の温度および98%の相対湿度を有するN2ガスを20℃の温度のN2ガスに変更した以外は、上述の、吸着剤の単位重さ当たりの湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量の評価方法と同じ評価方法で、アンモニアガスの吸着量を評価した。
20℃の温度および98%の相対湿度を有するN2ガスを20℃の温度のN2ガスに変更した以外は、上述の、吸着剤の単位重さ当たりの湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量の評価方法と同じ評価方法で、アンモニアガスの吸着量を評価した。
[処理混合物の作製]
以下のようにして、処理混合物を作製した。
以下のようにして、処理混合物を作製した。
(処理混合物1)
下水汚泥焼却灰100gを攪拌機(ホバートミキサー((株)共和技研製)に入れた。工業用塩酸(35%)水溶液(11.2N)20g(下水汚泥焼却灰100質量部に対して20質量部に相当)を攪拌機に入れた。そして、攪拌機を使用して下水汚泥焼却灰および工業用塩酸(35%)溶液の混合物を3分間混合した。さらに、水酸化カルシウム1g(下水汚泥焼却灰100質量部に対して1質量部に相当)を混合物に添加した。そして、3分間混合して処理混合物1を作製した。その後、半乾式低水分造粒機(ディスクペレッター)(不二パウダル(株)製、型番F−5)を使用して、直径3mmおよび平均長さ8mmを有する円柱形状になるように処理混合物1を造粒し、熱風循環式乾燥機(アズワン(株)製、型番 DO-600FPA)を使用して100℃の乾燥温度で8時間乾燥し、処理混合物1の造粒成形物を得た。なお、乾燥する前の処理混合物1の造粒成形物の含水率は26質量%であるのに対し、乾燥後の含水率は1.5質量%であり、5質量%以下であった。
下水汚泥焼却灰100gを攪拌機(ホバートミキサー((株)共和技研製)に入れた。工業用塩酸(35%)水溶液(11.2N)20g(下水汚泥焼却灰100質量部に対して20質量部に相当)を攪拌機に入れた。そして、攪拌機を使用して下水汚泥焼却灰および工業用塩酸(35%)溶液の混合物を3分間混合した。さらに、水酸化カルシウム1g(下水汚泥焼却灰100質量部に対して1質量部に相当)を混合物に添加した。そして、3分間混合して処理混合物1を作製した。その後、半乾式低水分造粒機(ディスクペレッター)(不二パウダル(株)製、型番F−5)を使用して、直径3mmおよび平均長さ8mmを有する円柱形状になるように処理混合物1を造粒し、熱風循環式乾燥機(アズワン(株)製、型番 DO-600FPA)を使用して100℃の乾燥温度で8時間乾燥し、処理混合物1の造粒成形物を得た。なお、乾燥する前の処理混合物1の造粒成形物の含水率は26質量%であるのに対し、乾燥後の含水率は1.5質量%であり、5質量%以下であった。
(処理混合物2〜5)
下記の表2に示すように、下水汚泥焼却灰100質量部に対する水酸化カルシウムの添加量を変えて、処理混合物1と同様の方法により処理混合物2〜5を作製した。そして、処理混合物1と同様の方法により処理混合物2〜5の造粒成形物を作製した。
下記の表2に示すように、下水汚泥焼却灰100質量部に対する水酸化カルシウムの添加量を変えて、処理混合物1と同様の方法により処理混合物2〜5を作製した。そして、処理混合物1と同様の方法により処理混合物2〜5の造粒成形物を作製した。
[実施例および比較例の吸着剤の作製]
以下のようにして、実施例および比較例の吸着剤を作製した。
(実施例1)
実施例1の吸着剤は、処理混合物1の造粒成形物のみからなる。
以下のようにして、実施例および比較例の吸着剤を作製した。
(実施例1)
実施例1の吸着剤は、処理混合物1の造粒成形物のみからなる。
(実施例2)
実施例2の吸着剤は、処理混合物2の造粒成形物のみからなる。
実施例2の吸着剤は、処理混合物2の造粒成形物のみからなる。
(実施例3)
実施例3の吸着剤は、処理混合物3の造粒成形物のみからなる。
実施例3の吸着剤は、処理混合物3の造粒成形物のみからなる。
(実施例4)
実施例4の吸着剤は、処理混合物4の造粒成形物のみからなる。
実施例4の吸着剤は、処理混合物4の造粒成形物のみからなる。
(実施例5)
60gの処理混合物1の造粒成形物および40gの球状シリカゲル(関東化学(株)製、青(中粒)、CAS番号7631-86-9、粒度1.68〜4.00mm(80%以上)、比表面積:700m2/g、平均細孔径:2.5nm、密度:2.2g/cm3(20℃))(処理混合物1の造粒成形物および球状シリカゲルの質量比は60:40)を撹拌機ホバートミキサー((株)共和技研製)に入れ、5分間混合して、実施例5の吸着剤を作製した。
60gの処理混合物1の造粒成形物および40gの球状シリカゲル(関東化学(株)製、青(中粒)、CAS番号7631-86-9、粒度1.68〜4.00mm(80%以上)、比表面積:700m2/g、平均細孔径:2.5nm、密度:2.2g/cm3(20℃))(処理混合物1の造粒成形物および球状シリカゲルの質量比は60:40)を撹拌機ホバートミキサー((株)共和技研製)に入れ、5分間混合して、実施例5の吸着剤を作製した。
(実施例6〜8)
処理混合物1の造粒成形物および球状シリカゲルの質量比を60:40から50:50、10:90および5:95にそれぞれ変更した以外、実施例5の吸着剤と同様な方法で、実施例6〜8の吸着剤をそれぞれ作製した。
処理混合物1の造粒成形物および球状シリカゲルの質量比を60:40から50:50、10:90および5:95にそれぞれ変更した以外、実施例5の吸着剤と同様な方法で、実施例6〜8の吸着剤をそれぞれ作製した。
(実施例9〜12)
処理混合物1を処理混合物2に変更した以外、実施例5〜8の吸着剤と同様な方法で、実施例9〜12の吸着剤をそれぞれ作製した。
処理混合物1を処理混合物2に変更した以外、実施例5〜8の吸着剤と同様な方法で、実施例9〜12の吸着剤をそれぞれ作製した。
(実施例13〜16)
処理混合物1を処理混合物3に変更した以外、実施例5〜8の吸着剤と同様な方法で、実施例13〜16の吸着剤をそれぞれ作製した。
処理混合物1を処理混合物3に変更した以外、実施例5〜8の吸着剤と同様な方法で、実施例13〜16の吸着剤をそれぞれ作製した。
(実施例17〜20)
処理混合物1を処理混合物4に変更した以外、実施例17〜20の吸着剤と同様な方法で、実施例13〜16の吸着剤をそれぞれ作製した。
処理混合物1を処理混合物4に変更した以外、実施例17〜20の吸着剤と同様な方法で、実施例13〜16の吸着剤をそれぞれ作製した。
(比較例1)
比較例1の吸着剤は、処理混合物5の造粒成形物のみからなる。
比較例1の吸着剤は、処理混合物5の造粒成形物のみからなる。
(比較例2〜5)
処理混合物1を処理混合物5に変更した以外、実施例5〜8の吸着剤と同様な方法で、比較例2〜5の吸着剤をそれぞれ作製した。
処理混合物1を処理混合物5に変更した以外、実施例5〜8の吸着剤と同様な方法で、比較例2〜5の吸着剤をそれぞれ作製した。
(比較例6および7)
比較例6は、実施例5で使用した球状シリカゲルのみからなる。また、比較例7は活性炭(関東化学製、CAS番号7440-44-0、粒度 3.35〜4.75mm(4〜6mesh)、比表面積:1000m2/g、平均細孔径:10nm、密度:2.1g/ml(20℃))のみからなる。
比較例6は、実施例5で使用した球状シリカゲルのみからなる。また、比較例7は活性炭(関東化学製、CAS番号7440-44-0、粒度 3.35〜4.75mm(4〜6mesh)、比表面積:1000m2/g、平均細孔径:10nm、密度:2.1g/ml(20℃))のみからなる。
下水汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物に、下水汚泥焼却灰100質量部に対して1〜6質量部の塩基性添加剤を添加した場合、処理混合物1〜4は酸性であったが、下水汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物に、下水汚泥焼却灰100質量部に対して7質量部の塩基性添加剤を添加すると処理混合物5は中性になった。
(吸着剤の単位重さ当たりの水分を含んだアンモニアガス吸着量)
実施例1〜20および比較例1〜7の吸着剤の単位重さ当たりの高い湿度の雰囲気(98%の相対湿度)中のアンモニアガスの吸着量を表4に示し、低い湿度の雰囲気中のアンモニアガスの吸着量を表5に示す。
実施例1〜20および比較例1〜7の吸着剤の単位重さ当たりの高い湿度の雰囲気(98%の相対湿度)中のアンモニアガスの吸着量を表4に示し、低い湿度の雰囲気中のアンモニアガスの吸着量を表5に示す。
(1)実施例1〜4と比較例1とを比較することにより、処理混合物10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、混合物含有水のpHが2.5〜5.5なるような量の塩基性添加剤を、汚泥焼却灰および酸水溶液の混合物に添加することにより、吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量は増加することがわかった。
(2)実施例1〜4と実施例5〜20とを比較することにより、シリカゲルを吸着剤にさらに添加することによって吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量が増加することがわかった。比較例2〜5では、シリカゲルを吸着剤にさらに添加しても吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量は増加しなかったこと、および比較例6では吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量が非常に少なかったことを鑑みると、この結果は、驚くべきものである。
(3)実施例6、7、10、11、14、15、18および19と、実施例8、9、12、13、16、17および20とを比較することによって、シリカゲルの割合が、処理混合物の乾燥質量およびシリカゲルの質量の合計質量に対して50〜90質量%であると、吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量がさらに増加することがわかった。
(4)実施例1〜20と比較例6および7とを比較することにより、本発明の吸着剤は、シリカゲルおよび活性炭などの他の吸着剤に比べて、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量が著しく大きいことがわかった。
(5)実施例1の湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量と湿度の低い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量を比較することにより、本発明の吸着剤は、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを、湿度の低い雰囲気中のアンモニアガスと同程度に多量に吸着できることがわかった。
(2)実施例1〜4と実施例5〜20とを比較することにより、シリカゲルを吸着剤にさらに添加することによって吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量が増加することがわかった。比較例2〜5では、シリカゲルを吸着剤にさらに添加しても吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量は増加しなかったこと、および比較例6では吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量が非常に少なかったことを鑑みると、この結果は、驚くべきものである。
(3)実施例6、7、10、11、14、15、18および19と、実施例8、9、12、13、16、17および20とを比較することによって、シリカゲルの割合が、処理混合物の乾燥質量およびシリカゲルの質量の合計質量に対して50〜90質量%であると、吸着剤における湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量がさらに増加することがわかった。
(4)実施例1〜20と比較例6および7とを比較することにより、本発明の吸着剤は、シリカゲルおよび活性炭などの他の吸着剤に比べて、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量が著しく大きいことがわかった。
(5)実施例1の湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量と湿度の低い雰囲気中のアンモニアガスの吸着量を比較することにより、本発明の吸着剤は、湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスを、湿度の低い雰囲気中のアンモニアガスと同程度に多量に吸着できることがわかった。
Claims (6)
- 汚泥焼却灰に酸水溶液を添加して、前記汚泥焼却灰および前記酸水溶液の混合物を作製する工程(A)、および
塩基性添加剤を前記混合物に添加して処理混合物を作製する工程(B)を含み、
前記処理混合物を乾燥して作製した乾燥混合物10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、前記混合物含有水のpHが2.5〜5.5である、アンモニアガス用吸着剤の製造方法。 - 前記処理混合物をシリカゲルと混合する工程(C)をさらに含む、請求項1に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
- 前記工程(C)は、前記シリカゲルの割合が、前記処理混合物の乾燥質量および前記シリカゲルの質量の合計質量に対して50〜90質量%になるような質量の前記シリカゲルと混合する、請求項2に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
- 前記酸水溶液は、塩酸、硫酸および硝酸からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
- 前記塩基性添加剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンモニアガス用吸着剤の製造方法によって製造されたアンモニアガス用吸着剤。
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CN114950337A (zh) * | 2022-04-06 | 2022-08-30 | 南京长三角绿色发展研究院有限公司 | 一种常温氨气干式吸附材料及其制备方法 |
-
2013
- 2013-12-04 JP JP2013251307A patent/JP2015107455A/ja active Pending
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