JP2015107456A - 水溶性ガスを除去する方法およびシステム - Google Patents

水溶性ガスを除去する方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】水分を多く含む水溶性ガスを効率よく除去できる、水溶性ガスから水溶性ガスを除去する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】本発明の水溶性ガスを除去する方法は、メンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿する工程(40)および除湿した水溶性ガスを吸着剤に吸着させる工程(61〜63)を含む。本発明の水溶性ガスを除去するシステムは、水溶性ガスを除湿するメンブレン式除湿装置(40)、およびメンブレン式除湿装置(40)により除湿した水溶性ガスを吸着する吸着剤を有する吸着カラム(61〜63)を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、水溶性ガスを除去する方法およびシステムに関し、とくにアンモニアガスを除去する方法およびシステムに関する。
人類の産業活動の結果として、有害であったり、地球の環境に悪影響を与えたりする様々な水溶性ガスが排出されている。たとえば、下水処理場や畜産糞尿処理場で発生する汚泥や畜産糞尿をコンポスト化(堆肥化)するときには、湿度の高い雰囲気の中、多量のアンモニアガスが発生し、悪臭の原因となっている。このアンモニアガスを除去する方法として、ヤシ殻活性炭に2価の銅化合物を担持させたアンモニアガス用吸着剤を充填した吸着塔にアンモニアガスを通す方法が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1参照)。このアンモニアガスを除去する方法によれば、高濃度アンモニアガスに対しても、吸着剤を長期間交換しないでアンモニアガスを除去できる。また、吸着剤に付着する微生物、たとえばカビの増殖を抑制できる。さらに、吸着操作に必要な装置は、吸着塔があればよく、運転管理も容易である。
特開2003−236372号公報
しかしながら、水分を多く含むアンモニアガスの量がかなり多い場合もあり、特許文献1に記載されているようなアンモニアガスを除去する方法よりも、水分を多く含むアンモニアガスをさらに効率よく除去できる方法が望まれている。
本発明は、アンモニアガスに限らず、アンモニアガス以外の水溶性ガスについても、水分を多く含む水溶性ガス(たとえば、相対湿度が70%以上の水溶性ガス)中の水溶性ガスを効率よく除去できる、水溶性ガスを除去する方法およびシステムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、水溶性ガスを吸着剤に吸着させる前に、メンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿することによって、水分を多く含む水溶性ガスを効率よく除去できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]メンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿する工程、および除湿した水溶性ガスを吸着剤に吸着させる工程を含む、水溶性ガスを除去する方法。
[2]水溶性ガスを除湿する工程の前に、水溶性ガスを冷却する工程をさらに含む、上記[1]に記載の水溶性ガスを除去する方法。
[3]水溶性ガスはアンモニアであり、吸着剤は、酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物と活性炭との少なくとも一種を含む、上記[1]または[2]に記載の水溶性ガスを除去する方法。
[4]水溶性ガスを除湿するメンブレン式除湿装置、およびメンブレン式除湿装置により除湿した水溶性ガスを吸着する吸着剤を有する吸着カラムを含む、水溶性ガスを除去するシステム。
[5]水溶性ガスを冷却する冷却装置をさらに含み、メンブレン式除湿装置は、冷却装置により冷却された水溶性ガスを除湿する、上記[4]に記載のシステム。
[6]水溶性ガスはアンモニアであり、吸着剤は、酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物と活性炭との少なくとも一種を含む、上記[4]または[5]に記載のシステム。
[7]システムは、複数の吸着カラムを含み、複数の吸着カラムの中で、水溶性ガスを吸着する吸着カラムを切り替える切り替え手段をさらに含む、上記[4]〜[6]のいずれかに記載のシステム。
本発明によれば、水分を多く含む水溶性ガスを効率よく除去できる、水溶性ガスを除去する方法およびシステムを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の水溶性ガスを除去するシステムの概略図である。 図2は、メンブレン式除湿装置の一例により水溶性ガスを除湿する原理を説明するための図である。
本発明の水溶性ガスを除去する方法は、メンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿する工程(A)および除湿した水溶性ガスを吸着剤に吸着させる工程(B)を含む。以下、本発明の水溶性ガスを除去する方法を詳細に説明する。なお、本発明では、主に、空気に含まれている水溶性ガスを、水溶性ガスを含んでいる空気から除去する。
[工程(A)]
工程(A)では、メンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿する。なお、工程(A)では、水溶性ガスは、主に、空気に含まれている状態で除湿される。
(水溶性ガス)
水溶性ガスは、水に溶解しやすい気体であり、たとえば、20℃の1cm3の水に対して、0℃および1気圧の気体に換算して2cm3以上溶解することができる気体である。水溶性ガスには、たとえばアンモニア(溶解度:702cm3)、塩化水素(溶解度:442cm3)、二酸化硫黄(溶解度:39cm3)、硫化水素(溶解度:2.58cm3)および塩素(溶解度:2.30cm3)などが挙げられる。相互に反応しない限り、水溶性ガスは、これらの水溶性ガスのうち、2種以上を含んでいてもよい。とくに水に溶解しやすい水溶性ガスはアンモニアである。
(メンブレン式除湿装置)
図1を参照してメンブレン式除湿装置の一例を説明する。図1の符号40は、メンブレン式除湿装置の一例を示す。メンブレン式除湿装置40は、メンブレン式除湿装置40に水溶性ガスを導入する水溶性ガス入口41、水溶性ガス入口41から導入された水溶性ガスを内部に流通させ除湿する中空糸膜42、中空糸膜42を流通した水溶性ガスをメンブレン式除湿装置40から排出させる水溶性ガス出口43、中空糸膜42の周囲に乾燥ガスを流すために中空糸膜42の周囲に設けられた乾燥ガス室44、乾燥ガス室44に乾燥ガスを導入する乾燥ガス入口45および乾燥ガス室44から乾燥ガスを排出させる乾燥ガス出口46を備える。中空糸膜42は、水蒸気を透過するフッ素系非多孔膜で構成される。フッ素系非多孔膜に使用されるフッ素系樹脂には、たとえば、旭硝子(株)製のフレミオン(登録商標)などがある。
次に、図2を参照して、メンブレン式除湿装置40が水溶性ガスを除湿する原理を説明する。水溶性ガス入口41(図1参照)から導入された水溶性ガス71は、中空糸膜42の内部に入る。一方、中空糸膜42の周囲には乾燥ガス(温度:20℃、相対湿度:35%、流量:9L/分)が流れている(矢印72参照)。このため、中空糸膜42の内部と外部とでは、水分濃度差が生じる。そして、この水分濃度差が駆動力となり、中空糸膜42の内部に流通している水溶性ガスから水分73が中空糸膜42を通過して中空糸膜42の外部に排出される。これにより、水溶性ガスは除湿される。中空糸膜42の外部に排出され水分は、乾燥ガスの流れ72によりメンブレン式除湿装置40から速やかに排出される。このため、中空糸膜42の周囲は常に乾燥した状態になる。また、水溶性ガスから除去された水分が水溶性ガスに再び入り込むことはない。そして、除湿された水溶性ガス74は中空糸膜42から排出される。
このようなメンブレン式除湿装置には、たとえば、AGCエンジニアリング(株)製のサンセップ(登録商標)などがある。
なお、工程(A)では、他のタイプのメンブレン式除湿装置を使用することができる。たとえば、ポリイミド製の多孔質膜の中空糸膜を使用するメンブレン式除湿装置(たとえば、宇部興産(株)製の「UBEメンブレインドライヤーなど)を使用してもよい。
水溶性ガスを除湿するときに使用するメンブレン式除湿装置の台数は、除湿する水溶性ガスの量により適宜選択することができる。たとえば、1台のメンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿してもよいし、複数台のメンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿してもよい。
水溶性ガスがメンブレン式除湿装置を通過できるほどの圧力を有していない場合、メンブレン式除湿装置に水溶性ガスを導入するとき、ブロアーおよび吸引ポンプなどを使用して、水溶性ガスを加圧してもよい。たとえば、加圧した水溶性ガスの圧力は約0.5MPaである。
[工程(B)]
工程(B)では、除湿した水溶性ガスを吸着剤に吸着させる。
(吸着剤)
本発明の方法に使用される吸着剤は、水溶性ガスを吸着する吸着剤であればとくに限定されない。たとえば、水溶性ガスがアンモニアの場合、好ましい吸着剤は、たとえば酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物と活性炭との少なくとも一種を含む。水溶性ガスが塩化水素の場合、好ましい吸着剤には、たとえば消石灰(Ca(OH)2)、アルミン酸ナトリウムおよび活性炭などが挙げられる。
水溶性ガスが二酸化硫黄の場合、好ましい吸着剤には、たとえば過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムおよび活性炭などが挙げられる。水溶性ガスが硫化水素の場合、好ましい吸着剤には、たとえば水酸化第二鉄、過マンガン酸カリウムおよび活性炭などが挙げられる。水溶性ガスが塩素の場合、好ましい吸着剤には、たとえば活性炭およびゼオライトなどが挙げられる。水溶性ガスがアンモニア、塩化水素、二酸化硫黄、塩化水素および水素からなる群から選ばれる2種以上である場合、水溶性ガスの成分に応じて、上述の吸着剤を組み合わせてもよい。
吸着剤の例として、水溶性ガスがアンモニアの場合に使用される吸着剤を挙げて、以下、詳細に説明する。
上述したように、水溶性ガスがアンモニアの場合、好ましい吸着剤は、たとえば酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物と活性炭との少なくとも一種を含む。より好ましい吸着剤は、酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物である。
吸着剤の原料として使用される、酸処理および塩基処理前の汚泥焼却灰、すなわち、原料の汚泥焼却灰は、下水処理場で発生する汚泥、ならびに、し尿、家庭用雑排水および産業用排水などの処理によって発生した汚泥などを焼却した焼却灰である。汚泥焼却灰は、シリカ、リン酸カルシウム、アルミナおよび酸化鉄などを含む。これらの汚泥は、一般に処理場で含水率60〜90質量%程度まで脱水処理された後、焼却される。下水処理場で発生する汚泥(以下、下水汚泥と呼ぶ)の量は、下水道の普及とともに増加しており、下水汚泥量の増加への対策が急がれている。したがって、下水汚泥の再資源化は有用であるので、本発明の一実施形態で使用する汚泥焼却灰は、好ましくは下水汚泥焼却灰である。
汚泥焼却灰には、高分子凝集剤を使用した汚泥を焼却したものと、石灰系凝集剤を使用した汚泥を焼却したものとがある。汚泥の減容化対策から最近では高分子凝集剤を使用した汚泥焼却灰が多い。本発明においては両者とも利用可能であるが、石灰系凝集剤を使用した場合は、汚泥焼却灰に中和塩(たとえば塩化カルシウムなど)が多量に生成されるため、高分子凝集剤を使用した汚泥焼却灰の方が好ましい。汚泥焼却灰の形態は、とくに制限されず、粉体状の汚泥焼却灰のみならず、ペレット状、板状および錠剤状などに成形された汚泥焼却灰も使用できる。
上述の原料の汚泥焼却灰を多孔質化するために、原料の汚泥焼却灰は、たとえば、原料の汚泥焼却灰に酸水溶液を添加することによって、酸処理される。酸水溶液は、酸の水溶液であればとくに限定されず、無機酸の水溶液であってもよいし、有機酸の水溶液であってもよい。吸着剤において、アンモニアガスが主に吸着すると予想される孔径の小さい孔(たとえば、2nm以下の孔)の細孔容積を大きくできることから、酸水溶液は、好ましくは無機酸の水溶液であり、より好ましくは塩酸水溶液、硫酸水溶液および硝酸水溶液からなる群から選択される1種または2種以上のものであり、さらに好ましくは塩酸水溶液である。塩酸水溶液、硫酸水溶液または硝酸水溶液には、市販品のもの、金属精錬工業などから発生する廃塩酸、廃硫酸および廃硝酸の水溶液などを使用することができる。酸水溶液の濃度は、通常、0.1〜13規定程度である。また、酸水溶液が塩酸水溶液、硫酸水溶液または硝酸水溶液である場合、原料の汚泥焼却灰に添加される酸水溶液の添加量は、原料の汚泥焼却灰100質量部に対し、100%の硫酸、塩酸および硝酸などに換算して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは4.0〜25質量部である。
酸処理により、原料の汚泥焼却灰中の酸可溶性成分が溶解除去されて、汚泥焼却灰は多孔質化する。たとえば、原料の汚泥焼却灰のBET比表面積は3m2/g程度であるのに対し、酸処理後の汚泥焼却灰のBET比表面積は、好ましくは6.5m2/g以上であり、より好ましくは10〜50m2/gである。ここで、汚泥焼却灰のBET比表面積は、N2ガスを使用したBET法で測定した汚泥焼却灰の比表面積である。汚泥焼却灰のBET比表面積は、たとえば、比表面積測定装置(日本ベル社製、BELSORP−MINI)で測定した値である。
酸処理後の汚泥焼却灰は、たとえば、酸処理後の汚泥焼却灰に塩基性添加剤を添加することによって塩基処理される。塩基性添加剤は、塩基性を有する化合物であればとくに限定されない。好ましい塩基性添加剤には、たとえば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、CaCO3を主成分とするライムストーン(石灰岩)、およびコーラルサンドなどのアルカリ性薬剤などが挙げられる。より好ましい塩基性添加剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムである。
酸処理後の汚泥焼却灰は酸性である。したがって、塩基処理により汚泥焼却灰の酸性度は低くなる。汚泥焼却灰が中和する量までは、酸処理後の汚泥焼却灰に塩基性添加剤を添加してもよいが、汚泥焼却灰が中和する量までは、酸処理後の汚泥焼却灰に塩基性添加剤を添加しないことが好ましい。すなわち、塩基処理後の汚泥焼却灰は依然として酸性であることが好ましい。酸処理および塩基処理した汚泥焼却灰を乾燥して作製した乾燥汚泥焼却灰10gと水100mLとを混合したものを1分間撹拌して混合物含有水を作製した場合、この混合物含有水のpHが2.5〜5.5、好ましくは3.0〜5.1になるような量の塩基添加剤を酸処理後の汚泥焼却灰に添加することが好ましい。混合物含有水のpHが2.5〜5.5であると、吸着剤はアンモニアガスを効率よく吸収できる。たとえば、塩基性添加剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化カルシウムである場合、原料の汚泥焼却灰の100質量部に対して1〜6質量部の塩基性添加剤を酸処理後の汚泥焼却灰に添加することが好ましい。なお、塩基性添加剤を酸処理後の汚泥焼却灰に添加して汚泥焼却灰を中和した場合、混合物含有水のpHは7程度の値になる。また、酸処理後の汚泥焼却灰のpHは1になる。これより、塩基処理を行わない汚泥焼却灰は、酸性度が非常に高いものであることがわかる。このような酸性度が高い汚泥焼却灰は、取り扱いが難しくなる。
塩基処理後の汚泥焼却灰は、周知の方法で乾燥される。たとえば、回転ドラム式乾燥機、パドル式乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機および遠心薄膜式乾燥機などの乾燥機を使用して、塩基処理後の汚泥焼却灰は乾燥される。乾燥温度は、たとえば、90〜300℃である。乾燥後の塩基処理後の汚泥焼却灰の含水率は5質量%以下が好ましい。乾燥が不十分であると、水により吸着剤の細孔が塞がれて吸着剤の細孔容積が減少し、アンモニアガスの吸着性能が低下する場合がある。
上述の乾燥の前に、塩基処理後の汚泥焼却灰を所定の形状に成形してもよい。たとえば、押出成形、圧縮成形、転動成形、振動成形、混合成形、流動成形および解砕成形などの成形方法で、塩基処理後の汚泥焼却灰を成形することができる。とくに、塩基処理後の汚泥焼却灰は、押出成形により成形することが好ましい。押出成形は、半乾式低水分造粒機(ディスクペレッター)、スクリュー型成形機およびペレットミル型成形機などの成形機を用いて行うのが好ましい。とくに、塩基処理後の汚泥焼却灰の押出成形には、半乾式低水分造粒機が最適である。
塩基処理後の汚泥焼却灰と混合するシリカゲルは球状の形状を有していることが好ましい。これにより、上記混合物中にシリカゲルを均一に分布させることができる。シリカゲルの粒径は、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは1.4mm以上であり、さらに好ましくは1.4〜4.0mmである。また、シリカゲルは、好ましくは2.0〜3.0nmの平均細孔径を有する。さらに、シリカゲルは、好ましくは650〜800m2/gのBET比表面積を有する。シリカゲルの粒径は、たとえば、JIS篩(5〜12mesh)を使用して測定した値である。また、シリカゲルの平均細孔径は、たとえば、水銀圧入式ポロシメータ(Quantachrome社製、PoreMaster 60GT)を使用して測定した値であり、シリカゲルのBET比表面積は、たとえば、比表面積測定装置(日本ベル社製、日本ベル社製、BELSORP−MINI)を使用して測定した値である。
酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物合物中のシリカゲルの割合は、酸処理および塩基処理後の汚泥焼却灰の乾燥質量およびシリカゲルの質量の合計質量に対して、好ましくは50〜90質量%である。ここで汚泥焼却灰の乾燥質量とは、5質量%以下の含水率になるまで乾燥した汚泥焼却灰の質量である。
酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物の代わりに、または一緒に、アンモニアガスの吸着剤として活性炭を使用することができる。アンモニアガスの吸着剤として使用する活性炭は、比表面積が非常に大きな黒色の炭素系物質である。活性炭の主成分はアモルファス炭素であり、活性炭は原料に由来する微量の無機成分をさらに含む。活性炭は、例えば、木材、木炭、ヤシ殻および石炭などを炭化した後、活性化し精製することにより作製される。好ましい活性炭は、アンモニアガスを吸着できるものであればとくに限定されない。市販されている活性炭も、吸着剤として使用することができる。
(吸着剤による水溶性ガスの吸着)
吸着剤を吸着カラムなどの容器に充填して、吸着剤を使用することが好ましい。これにより、吸着剤の交換などの取り扱いが容易になる。
[水溶性ガスを冷却する工程]
工程(A)の前に、水溶性ガスを冷却する工程を実施してもよい。これにより、メンブレン式除湿装置に直接使用できないほど高い温度のガスを、メンブレン式除湿装置を使用して除湿することができる。なお、水溶性ガスを冷却する工程では、水溶性ガスは、主に、空気に含まれている状態で冷却される。
(冷却)
水溶性ガスを冷却する温度は、メンブレン式除湿装置に使用可能な気体の温度であればとくに限定されない。たとえば、水溶性ガスを冷却する温度は、好ましくは55℃以下の温度である。また、メンブレン式除湿装置に導入する水溶性ガスを予め除湿するために、露点以下の温度で水溶性ガスを冷却してもよい。これにより、メンブレン式除湿装置を通過した水溶性ガスはさらに乾燥したものとなる。
水溶性ガスを冷却するための冷却手段は、水溶性ガスを冷却できればとくに限定されない。たとえば、リービッヒ式冷却管、アイリーン式冷却管、グラハム式冷却管、ジムロート式冷却管およびフリードリヒ式冷却管などの冷却管を使用した冷却装置を使用して、好ましくはグラハム式冷却管を使用した冷却装置を使用して、水溶性ガスを冷却してもよい。たとえば、冷却管の冷却のために冷却管を流通させる媒体には、水、鉱物油、窒素および乾燥空気などが挙げられる。また、冷却管の冷却のために冷却管を流通させる媒体に、乾燥空気としてメンブレン式除湿装置に導入されメンブレン式除湿装置から排出された空気を使用してもよい。これにより、メンブレン式除湿装置に乾燥空気として使用した空気を冷却管の冷却に再利用できるので、水溶性ガスを冷却するための費用を低減することができる。
水溶性ガスを冷却するときに発生する凝縮水は、冷却装置から速やかに除去されることが好ましい。凝縮水の一部が蒸発して冷却された水溶性ガスに混入すると、水溶性ガスの湿度が上昇し、次の工程(A)で除去しなければならない水分量が大きくなるからである。また、水溶性ガスが凝縮水に溶解することを抑制できる。
水溶性ガスの発生量が大きい場合、冷却部の水溶性ガスとの接触面積が大きい、ラジエター式冷却装置などの冷却装置を使用して、水溶性ガスを冷却してもよい。
[水溶性ガスを除去するシステム]
本発明の方法は、たとえば、本発明の一実施形態における水溶性ガスを除去するシステムを使用して実施することができる。以下、図1を参照して、本発明の一実施形態における水溶性ガスを除去するシステムを説明する。図1は、本発明の一実施形態の水溶性ガスを除去するシステムの概略図である。なお、本発明のシステムは、本発明の一実施形態における水溶性ガスを除去するシステムに限定されない。
本発明の一実施形態における水溶性ガスを除去するシステム1は、冷却装置20、吸引ポンプ30、メンブレン式除湿装置40、切り替え手段50および吸着カラム61〜63を含む。
(冷却装置)
冷却装置20は、グラハム式冷却管を使用した冷却装置であり、上述の水溶性ガスを冷却する工程で使用される。冷却装置20は、水溶性ガス入口21、水溶性ガス冷却室22、水溶性ガス出口23、冷媒入口24,冷却管25、冷媒出口26および凝縮水排出口27を備える。
水溶性ガスは、水溶性ガス入口21から冷却装置20に導入される。水溶性ガス入口21から導入された水溶性ガスは水溶性ガス却室22内を流通する。水溶性ガス冷却室22内には冷却管25が設けられている。冷却管25には、水及び空気などの冷媒が流通している。これにより、冷却管25に接触した水溶性ガスは、冷却管25により冷却される。冷却した水溶性ガスは、水溶性ガス出口23から排出される。排出された水溶性ガスは、吸引ポンプ30に導入される。
冷却管25を流通している冷媒は、冷媒入口24から冷却管25に導入され、冷媒出口26から排出される。冷却管25を流通する冷媒として、たとえば、乾燥空気としてメンブレン式除湿装置40に導入され、メンブレン式除湿装置40から排出される空気を使用してもよい。これにより、メンブレン式除湿装置に乾燥空気として使用した空気を冷却管の冷却に再利用できるので、水溶性ガスを冷却するための費用を低減することができる。
冷却装置20のグラハム式冷却管は、好ましくは水平に対して傾けて配置される。これにより、水溶性ガスを冷却するときに水溶性ガス冷却室22内に発生する凝縮水は、グラハム式冷却管の下側に設けられた凝縮水排出口27に集まり、凝縮水排出口27から冷却装置20の外部に速やかに排出される。
冷却装置20は、水溶性ガスを冷却することができれば、上述の冷却装置に限定されない。たとえば、リービッヒ式冷却管、アイリーン式冷却管、ジムロート式冷却管およびフリードリヒ式冷却管などの他の冷却管を使用した冷却装置ならびにラジエター式冷却装置などを冷却装置として使用できる。
水溶性ガスの温度が、メンブレン式除湿装置に使用可能である温度範囲内である場合、水溶性ガスを冷却する必要はないので、システム1は冷却装置20を含まなくてもよい。
(吸引ポンプ)
吸引ポンプ30は、メンブレン式除湿装置40に導入される水溶性ガスを加圧する。これにより、水溶性ガスはメンブレン式除湿装置40内を確実に流通することができる。吸引ポンプ30は、水溶性ガスを、たとえば約0.5MPaに加圧する。なお、メンブレン式除湿装置40に導入される水溶性ガスを加圧することができれば、吸引ポンプ30の代わりにブロアーなどを使用してもよい。また、メンブレン式除湿装置に導入される水溶性ガスが、メンブレン式除湿装置40内を流通するのに十分な圧力を有している場合、システム1は吸引ポンプ30を含まなくてもよい。
(メンブレン式除湿装置)
メンブレン式除湿装置40は水溶性ガスを除湿する。上述の工程(A)の説明でメンブレン式除湿装置を説明したので、メンブレン式除湿装置40の説明は省略する。
(切り替え手段)
切り替え手段50は、水溶性ガスを吸着するために使用される吸着カラム61を他の吸着カラム(吸着カラム62または吸着カラム63)に切り替える。切り替え手段50は、複数のバルブ51〜53を有し、複数のバルブ51〜53の開閉を組み合わせることにより、水溶性ガスを吸着するために使用される吸着カラム61〜63を切り替えることができる。たとえば、バルブ51を開き、バルブ52,53を閉じることにより、吸着カラム61が水溶性ガスを吸着する。また、バルブ52を開き、バルブ51,53を閉じることにより、吸着カラム62が水溶性ガスを吸着する。さらに、バルブ53を開き、バルブ51,52を閉じることにより、吸着カラム63が水溶性ガスを吸着する。なお、切り替え手段50が有するバルブの数は、吸着カラムの数に基づいて適宜選択することができる。
システム1は1つの吸着カラムのみを有する場合、水溶性ガスを吸着する吸着カラムを切り替える必要はないので、システム1は切り替え手段50を含まなくてもよい。また、システム1が複数の吸着カラムを同時に全部使用する場合も、水溶性ガスを吸着する吸着カラムを切り替える必要はないので、システム1は切り替え手段50を含まなくてもよい。
(吸着カラム)
吸着カラム61〜63は、メンブレン式除湿装置40により除湿した水溶性ガスを吸着する吸着剤を有する。これにより、吸着カラム61〜63は水溶性ガスを除去する。吸着カラム61〜63の数は、3つに限定されず、1つ、2つまたは4つ以上でもよい。なお、上述の工程(B)の説明で水溶性ガスおよび吸着剤を説明したので、水溶性ガスおよび吸着剤の説明は省略する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例は、本発明を限定するものではない。
[評価方法]
実施例および比較例のシステムを次の評価方法で評価した。
(アンモニア吸着量)
アンモニア濃度が1000ppmである乾燥空気を圧縮してガスボンベ(容量:7m3)に充填した。このアンモニア濃度は、畜糞堆肥化設備から発生するアンモニアの濃度に相当する。
上記ガスボンベから供給したアンモニア含有空気(アンモニア濃度:1000ppm)を、60℃の温度に設定した、ウォーターバス(東京理化器械(株)社製、型番NCB2600)の水上に通過させて、アンモニア含有空気を加熱および加湿した。なお、ウォーターバスの開口部にフードを設置して、ガスボンベから供給したアンモニア含有空気がウォーターバスの外部に漏れることを防いだ。そして、加熱および加湿したアンモニア含有空気中のアンモニア濃度を、NH3濃度測定器(新コスモス電機(株)製、XP−3160)を使用して測定し、アンモニア含有ガス中のアンモニア濃度が900〜1000ppmであることを確認した。アンモニア濃度を測定したアンモニア含有空気を3L/分の流量で実施例および比較例のシステムに12時間供給し、実施例および比較例のシステムの吸着カラムの中の吸着剤にアンモニアを吸着させた。なお、ウォーターバスに通過させたアンモニア含有空気の温度は58℃であり、相対湿度は95%であった。
次に、アンモニアを吸着させた吸着剤を含む吸着カラムを100℃の温度の設定した熱風循環式乾燥機(アズワン(株)製、型番DO−600FPA)の中に配置した。そして、乾燥機の中に配置した吸着カラムに窒素ガスを3L/分の流量で12時間供給して吸着剤からアンモニアを脱離させた。吸着カラムから排出される窒素ガスを、氷水により0℃に冷却した100mLのホウ酸溶液(ホウ酸の濃度:5g/L)に通過させ、ホウ酸溶液を通過した窒素ガスを、氷水により0℃に冷却した100mLのホウ酸溶液(ホウ酸の濃度:5g/L)にさらに通過させ、吸着剤から離脱した、窒素ガス中のアンモニアをホウ酸溶液に全て吸収させた。そして、イオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス(株)製、型番DX−100)を用いてホウ酸溶液中のアンモニア濃度を測定した。ホウ酸溶液中のアンモニア濃度からホウ酸溶液に吸収されたアンモニアの質量(W1)を算出した。また、吸着カラム中のアンモニアを脱離した後の吸着剤の質量(W2)を測定した。そして、次の式からアンモニア吸着量(Ad)を算出した。
Ad(質量%)=W1/W2×100
[システムの構築]
以下のようにして、実施例および比較例のシステムを構築した。
(実施例1)
実施例1のシステムは、グラハム式冷却管((株)三商製、管長さ360mm、商品コード:82−1041)、吸引ポンプ(柴田科学(株)製ミニポンプ、型番MP−Σ500N)、メンブレン式除湿装置(旭硝子(株)製、サンセップ(登録商標)SWB−01−100)および吸着カラムから構成される。吸着カラムの容量は60mLであり、吸着カラムには、吸着剤A(住友大阪セメント(株)製、床下調湿材「マジカルファイン」)が30g配置される。以下のようにして、実施例1のシステムの吸着カラムの吸着剤Aにアンモニアを吸着させた。なお、吸着剤Aは、水酸化カルシウムの添加量を後述の吸着剤Bよりも増やして、酸処理した下水汚泥焼却灰をpH7付近に中和させた点およびシリカゲルを含まない点で後述の吸着剤Bと異なる。
NH3濃度測定器によりアンモニア濃度を測定したアンモニア含有空気を3L/分の流量でグラハム式冷却管に通過させ、アンモニア含有空気を40℃に冷却した。グラハム式冷却管の冷却には、メンブレン式除湿装置から排出された乾燥空気(温度:約23℃)を使用した。吸引ポンプを使用して、冷却したアンモニア含有空気を0.5MPaに加圧し、加圧したアンモニア含有空気をメンブレン式除湿装置に導入した。アンモニア含有空気を除湿するためにメンブレン式除湿装置に供給した乾燥空気の温度は20℃であり、相対湿度は35%であり、流量は9L/分であった。そして、除湿したアンモニア含有空気を吸着カラムに12時間導入し、吸着カラムの吸着剤にアンモニアを吸着させた。
(実施例2)
実施例2のシステムは、吸着剤Aの代わりに後述の吸着剤Bを吸着カラムの吸着剤として使用した点を除いて、実施例2のシステムは、実施例1のシステムと同じ構成であった。また、実施例1のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Bにアンモニアを吸着させた。
吸着カラムに設置された吸着剤Bは以下のようにして作製した。下水汚泥焼却灰100gを攪拌機(ホバートミキサー((株)共和技研製)に入れた。工業用塩酸(35%)水溶液(11.2N)20g(下水汚泥焼却灰100質量部に対して20質量部に相当)を攪拌機に入れた。そして、攪拌機を使用して下水汚泥焼却灰および工業用塩酸(35%)溶液の混合物を3分間混合した。さらに、水酸化カルシウム1g(下水汚泥焼却灰100質量部に対して1質量部に相当)を混合物に添加した。そして、3分間混合して酸処理および塩基処理後の汚泥焼却灰を作製した。その後、半乾式低水分造粒機(ディスクペレッター)(不二パウダル(株)製、型番F−5)を使用して、直径3mmおよび平均長さ8mmを有する円柱形状になるように、酸処理および塩基処理後の汚泥焼却灰を造粒し、熱風循環式乾燥機(アズワン(株)製、型番DO−600FPA)を使用して100℃の乾燥温度で8時間乾燥し、酸処理および塩基処理後の汚泥焼却灰の造粒成形物を得た。なお、乾燥する前の処理混合物1の造粒成形物の含水率は26質量%であるのに対し、乾燥後の含水率は1.5質量%であり、5質量%以下であった。
40gの酸処理および塩基処理後の汚泥焼却灰の造粒成形物および60gの球状シリカゲル(関東化学(株)製、青(中粒)、CAS番号7631−86−9、粒度1.68〜4.00mm(80%以上)、比表面積:700m2/g、平均細孔径:2.5nm、密度:2.2g/cm3(20℃))(酸処理および塩基処理後の汚泥焼却灰の造粒成形物と球状シリカゲルとの質量比は40:60)を撹拌機ホバートミキサー((株)共和技研製)に入れ、5分間混合して、酸処理および塩基処理後の汚泥焼却灰と球状シリカゲルとの混合物からなる吸着剤Bを作製した。
(実施例3)
実施例3のシステムは、吸着剤Aの代わりに吸着剤C(活性炭(関東化学製、CAS番号7440-44-0、平均直径:4mm、平均長さ:6mm、比表面積:1000m2/g、平均細孔径:10nm、密度:2.1g/ml(20℃))を吸着カラムも吸着剤として使用した点を除いて、実施例3のシステムは、実施例1のシステムと同じ構成であった。また、実施例1のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Cにアンモニアを吸着させた。
(比較例1)
グラハム式冷却管およびメンブレン式除湿装置の代わりに、低温恒温水槽(東京理化器械(株)、型番NCB2600)から冷却水を流量1L/分で流したラジエター(クーリングラボ社製、Magicool 120D Radiator)を冷却および除湿装置として使用した点、および吸引ポンプを含まない点を除いて、比較例1のシステムは、実施例1のシステムと同じ構成であった。また、実施例1のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Aにアンモニアを吸着させた。なお、コンプレッサーにより冷却された媒体が冷却フィンを冷却し、冷却した冷却フィンにアンモニア含有空気が接触することにより、アンモニア含有空気は冷却されるとともに除湿される。
(比較例2)
グラハム式冷却管およびメンブレン式除湿装置の代わりに、低温恒温水槽(東京理化器械(株)、型番NCB2600)から冷却水を流量1L/分で流したラジエター(クーリングラボ社製、Magicool 120D Radiator)を冷却および除湿装置として使用した点、および吸引ポンプを含まない点を除いて、比較例2のシステムは、実施例2のシステムと同じ構成であった。また、実施例2のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Bにアンモニアを吸着させた。
(比較例3)
グラハム式冷却管およびメンブレン式除湿装置の代わりに、低温恒温水槽(東京理化器械(株)、型番NCB2600)から冷却水を流量1L/分で流したラジエター(クーリングラボ社製、Magicool 120D Radiator)を冷却および除湿装置として使用した点、および吸引ポンプを含まない点を除いて、比較例3のシステムは、実施例3のシステムと同じ構成であった。また、実施例3のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Cにアンモニアを吸着させた。
(比較例4)
グラハム式冷却管およびメンブレン式除湿装置を含まない点を除いて、比較例4のシステムは、実施例1のシステムと同じ構成であった。また、実施例1のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Aにアンモニアを吸着させた。
(比較例5)
グラハム式冷却管およびメンブレン式除湿装置を含まない点を除いて、比較例5のシステムは、実施例2のシステムと同じ構成であった。また、実施例2のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Bにアンモニアを吸着させた。
(比較例6)
グラハム式冷却管およびメンブレン式除湿装置を含まない点を除いて、比較例6のシステムは、実施例3のシステムと同じ構成であった。また、実施例3のシステムと同様な方法で吸着カラムの吸着剤Cにアンモニアを吸着させた。
[結果]
実施例および比較例のシステムの吸着カラムにおける吸着剤のアンモニア吸着量を表1〜表3に示す。
Figure 2015107456
Figure 2015107456
Figure 2015107456
[結果]
実施例1では、吸着剤のアンモニア吸着量は大きかった。一方、比較例1では吸着剤のアンモニア吸着量は実施例1に比べて少なくなっていた。また、比較例4では吸着剤のアンモニア吸着量は実施例1に比べて非常に少なくなっていた。これより、本発明よれば、吸着剤における水溶性ガスの吸着量を大きくすることができ、水溶性ガスを効率的に除去できることがわかった。比較例1では、吸着剤のアンモニア吸着量が実施例1に比べて少なくなっていたのは、比較例1では、冷却フィンにより水溶性ガスから除去された水分の一部が水溶性ガスに吸収されたため、吸着カラムに導入される水溶性ガスの湿度が、実施例1に比べて高かったためであると予測される。一方、実施例1では、水溶性ガスから除去された水分は、乾燥ガス室44(図1参照)の中を流れる乾燥空気によりメンブレン式除湿装置から速やかに排出されるので、水溶性ガスから除去された水分の一部が水溶性ガスに吸収されることはない。
同様に、実施例2と、比較例2および比較例5とを比較することにより、および実施例3と、比較例3および比較例6とを比較することにより、本発明よれば、吸着剤における水溶性ガスの吸着量を大きくすることができ、水溶性ガスを効率的に除去できることがわかった。
本発明の水溶性ガスを除去する方法およびシステムは、養鶏畜産業で発生する臭気および糞尿堆肥処理で発生する臭気などの原因になる、高温で湿度の高い雰囲気中のアンモニアガスの除去に対してとくに有用である。
1 水溶性ガスを除去するシステム
20 冷却装置
22 水溶性ガス冷却室
25 冷却管
30 吸引ポンプ
40 メンブレン式除湿装置
42 中空糸膜
50 切り替え手段
61〜63 吸着カラム

Claims (7)

  1. メンブレン式除湿装置を使用して水溶性ガスを除湿する工程、および
    除湿した前記水溶性ガスを吸着剤に吸着させる工程を含む、水溶性ガスを除去する方法。
  2. 前記水溶性ガスを除湿する工程の前に、水溶性ガスを冷却する工程をさらに含む、請求項1に記載の水溶性ガスを除去する方法。
  3. 前記水溶性ガスはアンモニアであり、
    前記吸着剤は、酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物と活性炭との少なくとも一種を含む、請求項1または2に記載の水溶性ガスを除去する方法。
  4. 水溶性ガスを除湿するメンブレン式除湿装置、および
    前記メンブレン式除湿装置により除湿した前記水溶性ガスを吸着する吸着剤を有する吸着カラムを含む、水溶性ガスを除去するシステム。
  5. 水溶性ガスを冷却する冷却装置をさらに含み、
    前記メンブレン式除湿装置は、前記冷却装置により冷却された水溶性ガスを除湿する、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記水溶性ガスはアンモニアであり、
    前記吸着剤は、酸処理により多孔質化された後、塩基処理された汚泥焼却灰およびシリカゲルの混合物と活性炭との少なくとも一種を含む、請求項4または5に記載のシステム。
  7. 前記システムは、複数の吸着カラムを含み、
    前記複数の吸着カラムの中で、前記水溶性ガスを吸着する吸着カラムを切り替える切り替え手段をさらに含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載のシステム。
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