JP4885114B2 - 吸着剤基本構造体及びそれを用いた吸着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、下水処理場、農業集落排水、工場、厨房等から発生する悪臭ガスを吸着する目的で使用する吸着剤や、これらの吸着剤などに使用可能な吸着剤基本構造体に関するものである。
わが国の国民の環境に対する関心は高く、特に市民生活を快適におくるための重要な要因の一つに臭気がある。臭気はあらゆる市民活動や生産過程等から放出されるが、都市化が進んだ人工密集地帯等では下水処理場、工場、厨房等の臭気が大きな社会問題となっている。また、地方においても、生活水準の高度化により、農業集落排水や堆肥工場の臭気に対する苦情が増加している。
一般に、下水処理場、工場、厨房、農業集落排水や堆肥工場の臭気は、活性炭で除去されることが多い。活性炭による臭気成分の吸着除去は多くの成分に有効であることから幅広く使用されている。しかし、活性炭は、高濃度の臭気成分に対して破過し易く、また、湿気を多く含む臭気を吸着すると寿命が極端に短くなるという欠点を持っている。
しかも、活性炭を製造するにあたって、大量の二酸化炭素が排出されるため、地球温暖化の観点からも活性炭の大量使用は問題となる。
塩基性悪臭成分の代表とも言えるアンモニアに対しては、除去性能を上げるために粒状活性炭にリン酸等の酸類を添着し、中和のメカニズムを利用してアンモニアを除去する技術も開発されている(特許文献1参照)。
特許第3370374号
このリン酸添着活性炭は産業用吸着でも多く使用されている。しかしながら、リン酸添着の活性炭は、水分を多く含む空気を処理した場合には、空気中の水分が活性炭表面に多く残る。このため、添着したリン酸が、水溶化し活性炭から遊離することとなり、強酸性のリン酸溶液が発生し、さらに、該溶液が吸着装置の鉄等の塔体を腐食するという問題を生じている。
また、活性炭は空気中の水分を吸着する性能が強いため、リン酸添着炭は処理対象ガスの湿度が高い場合は使用し難く、実際にアンモニア悪臭の発生源である下水処理場・トイレ・厨房などはいずれも処理対象ガスの湿度が高い場合が多く、適用できないことが多くあった。
この改善策として、以下の特許文献2乃至5に示すように、土壌を使用した脱臭剤が開発された。このような脱臭剤は、主に湿気を多く含んだ、水処理場、工場、厨房、農業集落排水や堆肥工場等の主に硫化水素臭の除去を目的に開発されている。一般に、土壌吸着剤は、湿気を剤自体が吸収し、また適当な含水率になると吸着した水分は放出されるため、湿気の多い臭気でも活性炭のように寿命が短くなることはない。また、製造時に大量の二酸化炭素を放出することもない。
特開昭61−209039号公報 特開昭62−32960号公報 特開平2−131137号公報 特許第3417398号公報
これまで使用されてきた土壌脱臭剤は、その主体となる土壌成分は黒土等の腐植質土壌を用い、有効成分として酸を主体とする有効成分を配合したものであった。しかし、このような土壌吸着剤は、基本構造体となる部分が活性炭等に比べると剛性面で劣るため、製造時や輸送時の振動等による擦れで多く粉末を発生するなど、耐摩耗性に問題があった。
また、水分を多く含む排ガスの処理を行う場合には、ガスに含まれる水分により基本構造体部分の剛性が一層劣化し、さらに、酸を有効成分とする土壌吸着剤で処理すると、有効成分の酸が水に溶解して流出するなど、吸着剤の耐水性が著しく低くなる。
このため、アンモニア等のアルカリ成分の吸着剤においては、土壌脱臭剤の普及が殆ど進んでいない。
本発明が解決しようとする課題は、以上のような吸着剤、特に土壌脱臭剤の問題点を解消し、耐水性と耐磨耗性に優れた吸着剤基本構造体を提供すると共に、該吸着剤基本構造体を利用し、吸着対象に対して安定して高い除去性能をもつ吸着剤を提供するものである。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明は、シリカ粒子を含む珪藻土を主成分とし、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上となる金属鉄粒子を添加し、加水混練工程を経て該金属鉄粒子の酸化により金属鉄粒子間及び金属鉄粒子とシリカ粒子が融着していることを特徴とする吸着剤基本構造体である。
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の吸着剤基本構造体において、該金属鉄粒子が鉄粉であり、その平均粒度が300μm以下であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の吸着剤基本構造体には、酸類が添加され、構造体中の微細孔内に担持されていることを特徴とする吸着剤である。
請求項4に係る発明では、請求項3に記載の吸着剤において、該酸類はリン酸又はポリリン酸であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の吸着剤基本構造体には、活性炭又は水酸化カルシウムが添加され、構造体中の微細孔内に担持されていることを特徴とする吸着剤である。
請求項6に係る発明は、シリカ粒子を含む珪藻土を主成分とし、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上となる金属鉄粒子を添加し、さらに吸着の有効成分を加えて、加水混練工程を経て該金属鉄粒子の酸化により金属鉄粒子間及び金属鉄粒子とシリカ粒子が融着している構造を備えたことを特徴とする吸着剤である。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の吸着剤において、前記吸着の有効成分は、酸類、活性炭又は水酸化カルシウムのいずれかであることを特徴とする吸着剤である。
請求項1に係る発明により、吸着剤基本構造体を、シリカ粒子を含む珪藻土を主成分とし、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上となる金属鉄粒子を添加して構成しているため、珪藻土に含まれるシリカが高い硬度を有する上、金属鉄が酸化する過程で、金属鉄粒子間および金属鉄粒子とシリカ粒子とが融着し、基本構造体内に強固な構造を形成でき、耐磨耗性や耐水性の優れた吸着剤基本構造体を提供することが可能となる。
請求項2に係る発明により、金属鉄粒子が鉄粉であり、その平均粒度が300μm以下であるため、吸着剤基本構造体の剛性・耐水性を一層向上させることが可能となる。
請求項3に係る発明により、酸類が添加されているため、塩基性成分の臭気に対する吸着剤を提供することが可能となる。
請求項4に係る発明により、酸類はリン酸又はポリリン酸であるため、珪藻土への吸着性が高い吸着剤を提供することが可能となる。しかも、これらの吸着剤は、製造時の安全性も高く、環境に対する負荷も少ない、そして、製造に掛かるコストも抑制することができる。
請求項に係る発明により、吸着剤基本構造体に活性炭又は水酸化カルシウムが添加されているため、硫化メチル・二硫化メチル等の中性成分の臭気や硫化水素・メチルメルカプタン等の酸性成分の臭気を吸着可能な吸着剤を提供することが可能となる。
請求項6に係る発明により、シリカ粒子を含む珪藻土を主成分とし、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上となる金属鉄粒子を添加し、さらに吸着の有効成分を加えて、加水混練工程を経て該金属鉄粒子の酸化により金属鉄粒子間及び金属鉄粒子とシリカ粒子が融着している構造を備えているため、基本構造体内に強固な構造を形成でき、耐磨耗性や耐水性の優れた吸着剤基本構造体を備えた吸着剤を提供することが可能となる。
請求項7に係る発明により、吸着の有効成分は、酸類、活性炭又は水酸化カルシウムのいずれかであるため、塩基性成分の臭気、硫化メチル・二硫化メチル等の中性成分の臭気や硫化水素・メチルメルカプタン等の酸性成分の臭気を吸着可能な吸着剤を提供することが可能となる。
本発明に係る吸着剤基本構造体及びそれを用いた吸着剤について、以下に詳細に説明する。
本発明の吸着剤基本構造体は、珪藻土を主成分とし、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上となる金属鉄を添加して構成している。
本発明の特徴は、従来の土壌脱臭剤として広く使用されてきた黒土に代わり、硬度の高いシリカを主成分とする珪藻土を主原料としている。これにより吸着剤の剛性と耐磨耗性を大きくすることが可能となり、さらに、金属鉄を添加することにより、金属鉄が酸化する過程で、金属鉄粒子間および金属鉄粒子とシリカ粒子とが融着し、基本構造体内に強固な構造を形成し、耐水性をより大きく向上させたことを特徴としている。
本発明に記載する珪藻土とは、藻類の1種である珪藻の殻の化石を主成分とするもので化学成分的にはシリカを主成分とする。その特徴として顕微鏡像を見ると図1にモデル的に示したような多孔質構造を持ち、その細孔の部分に多種多様な化学物質を担持できる点にある。
また、珪藻土は、有機物を多く含む黒土と同様に保湿性が高い一方、シリカ成分からなる珪藻細胞の殻を構造体としているため硬さがあり、これを吸着剤の主成分として使用すると耐磨耗性に優れた特性を持つことがわかっている。
なお、本発明に用いる場合、原料とする珪藻土の産地等は特に限定されない。
また、シリカは、多孔質構造を持っているため、金属鉄が酸化する過程で、融着性をより高める特徴を有している。
吸着剤の剛性・耐水性を更に向上させる目的で添加する金属鉄は、鉄粉として添加するのが望ましい。鉄粉の由来としては切削くず鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉等どのようなものでも差し支えないが、粉末の粒径は300μm以下のものが望ましい。
吸着剤製造時は、珪藻土と鉄に吸着の際に有効となる成分を適宜加えて、加水混錬後、使用目的によっては造粒装置を使用して使用に適した粒度に造粒し乾燥することによって吸着剤を得る。この乾燥の際に添加した金属鉄が酸化する過程で、金属鉄粒子間および金属鉄粒子とシリカ粒子が融着し、基本構造体内に強固な構造を形成し吸着剤基本構造体に大きな耐水性が付与される。
本発明に使用する鉄粉の量は、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上であれば剤の耐水性強化に効果が見られるが、鉄成分を加えすぎると、吸着剤に担持させる有効成分の量が少なくなってしまうために、吸着剤としての性能が低くなってしまう。また同時に吸着剤のかさ比重が高くなり、吸着剤の単位重量当たりの吸着性能が落ちてしまう。
このことから鉄の添加量は、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上で、最も脱臭に効果があり経済性がある濃度に設定することが好ましい。塩基性ガス吸着用の脱臭剤の場合、最も好ましいのは総乾燥重量比で5%程度であった。
このようにして構築した基礎構造体を基本として、有効成分として機能する成分をこの構造体に添着・担持することにより、有効な吸着剤を形成する。
次に、上述した吸着剤基本構造体を用いた吸着剤について説明する。
本発明の吸着剤に係る第1の例としては、吸着剤基本構造体に酸類が添加されている吸着剤である。
塩基性成分の臭気に対する吸着剤を調製する場合には、臭気に対する有効成分となる酸は、液体もしくは固体の酸類を添加する。これら酸成分がアンモニア等の塩基性成分を吸着剤表面に捕捉し、中和によって除去する効果を持つ。
使用する酸は、リン酸もしくはリン酸が重合したポリリン酸が最も好適であるが、それ以外にも硫酸・硝酸などの無機酸、クエン酸、シュウ酸、フタル酸、リンゴ酸などの有機酸も本発明の対象とすることが可能である。
この中で珪藻土への吸着性の良さや製造時の安全性や環境への配慮、使用時のコスト等を考慮すると、最も好適な酸はリン酸又はリン酸が重合したポリリン酸であった。
これら酸類は、珪藻土特有の構造である殻中に微細孔内に担持されるために、黒土などの他の基本構造体を使用するときに比べて、水分と接触した際に酸類が溶け出し難い状態となっている。
塩基性成分の吸着剤として製造する場合、使用する酸の量は多いほど剤の吸着性能が増加する。ただし酸の量を増加させすぎると、硬度・耐水性などの吸着剤の基礎物性の低下や、水分が過剰に入ったときに基本構造体が酸を捕捉しきれずに、酸性の溶液が吸着剤から発生し剤を充填する塔体を腐食する危険性が出てくる。
このことから、添加する酸の量は塔体を腐食しない範囲内で大きな値が望ましい。
本発明の吸着剤に係る第2の例としては、吸着剤基本構造体に活性炭等が添加されている吸着剤である。
本発明を硫化水素・メチルメルカプタン等の酸性成分や硫化メチル・二硫化メチル等の中性成分を対象とした吸着剤に適用する場合、本発明の基本構造体に粉末活性炭や水酸化カルシウムなどの塩基性の有効成分を添加することにより、塩基性成分の吸着時と同じような耐水性・耐摩耗性に優れた剤を作製することが可能となる。
なお、第1の例で示した塩基性成分に加え、中性成分の臭気についても吸着する場合には、第1の例の基本構造体への酸類の添加に加え、活性炭も併せて添加することが好ましい。
吸着剤の製造方法としては、珪藻土と金属鉄に、吸着の際に有効となる成分を適宜加えて、加水混錬後、使用目的によっては造粒装置を使用して使用に適した粒度に造粒し、乾燥することによって吸着剤を得る。この乾燥の際に添加した金属鉄が酸化する過程で、金属鉄粒子間および金属鉄粒子とシリカ粒子が融着し、基本構造体内に強固な構造体を形成する。このため、吸着剤基本構造体には大きな耐水性が付与される。
本発明の吸着剤基本構造体又は吸着剤は、珪藻土に鉄を添加し、耐水性を強化したものであれば、円柱状・球状のペレット、ハニカム構造、シート状構造などどのような形態であっても差し支えないが、一般的に最も多く使用する形態として、活性炭と同様に造粒成型することが望ましい。
造粒成型する場合は細かいほど、吸着時の効果は大きいが、実際に産業運用する場合の圧損等を考慮すると直径2〜6mm、長さ3〜15mmの円柱状、もしくは直径2〜10mm程度の球状に成型したものが、使用しやすい形態である。
塩基性成分の吸着剤として使用する場合の好適例の一つとしては、乾燥重量で珪藻土約65%、金属鉄粉約5%、リン酸約30%を原料とし、混合機で混合後、造粒機を使用して直径4mm、長さ10mm程度の円筒状に造粒後乾燥したものを吸着剤として使用できる。
本実施例は、本発明を利用して作製したアンモニア吸着用の吸着剤に関する性能に関する事例である。
吸着剤の作製、試験条件は以下のとおりとした。
配合は、乾燥重量比で珪藻土62%、含有量85%のリン酸32%、金属鉄粉6%とした。
これら成分をヘンシェルミキサー(三井三池製作所製FM−10)及びディスクペレッター(不二パウダル製F−5−S)を用いて造粒した。造粒後剤を乾燥させ1週間以上経過したものを完成剤(実施例1)として各種試験を実施した。
次に各測定値の名称の定義を示す。
JIS硬さ:剤の耐摩耗性を示すJIS活性炭試験方法(硬さ)による測定値
硬度:剤のつぶしに対する強度で、筒井理化学器械製の簡易硬度計を用いて測定した値
浸漬後硬度:剤の耐水性を示す、剤を水道水に30分浸漬した後上記硬度の測定値
硬度、浸漬後硬度の単位は、剤に荷重を加えていき、崩壊するときの硬度計の読み[g]で表す。
吸着剤のつぶしに対する強度を硬さで評価し、また、吸着剤の耐水性は浸漬後硬度で評価した。
吸着剤の耐摩耗性の評価はJIS硬さに準じた測定で行った。
吸着剤のJIS硬さ、硬度、浸漬後硬度の合格基準は、実用上それぞれ95%以上、2500g以上、1000g以上に設定した。
表1に、実施例1の吸着剤のJIS硬さ及び浸漬後硬度の測定結果を示す。浸漬後硬度は、後に示す脱臭試験(図2に係る脱臭試験)の使用前後の値を示した。なお、実施例と対比するため、実施例1の珪藻土の代わりに黒土を使用した土壌吸着剤である比較例1(土壌吸着剤従来品)と、粒状活性炭である比較例2(粒状活性炭)とを併せて例示した。
Figure 0004885114
珪藻土をベースにした実施例1の吸着剤は、黒土をベースにした比較例1の土壌吸着剤従来品よりも、耐磨耗性を示すJIS硬さが上回った。
比較例2の粒状活性炭と比較すると、一般的に活性炭メーカーは粒状活性炭のJIS硬さの規格を95〜98%としており、実際の測定では100%近くの極めて高い値を示す。
実施例1は実測の数値上は粒状活性炭に劣るものの、99%以上のJIS硬さを持ち、粒状活性炭と同様の使用方法においては実用上耐摩耗性の問題は生じないと考えられる。
吸着剤の浸漬後硬度は、「脱臭試験使用前」では、実施例1と比較例1との間に大きな差はないが、「脱臭試験使用後」では、比較例1の浸漬後硬度は非常に弱いレベルであり、吸着剤は手で軽く握るだけで破砕してしまうレベルであった。これに対し、実施例1の吸着剤は、脱臭試験使用後においても高い浸漬後硬度を保持していた。このことは、実施例1の吸着剤は、湿度を多く含むアンモニアガスなど処理した場合には、むしろ浸漬後硬度が高くなることを意味している。つまり、本発明による吸着剤では、従来の土壌吸着剤に多く見られた耐水性の問題は発生しない。
次に、実施例1の吸着剤について、塩基性成分の臭気であるアンモニアに関して、吸着剤の吸着性能を試験した。具体的には、吸着剤を検知管のカラム(内径20mm)に高さ300mmとなるように充填し、該カラム内に100ppmのアンモニアガスを含んだ湿潤空気を5リットル/分で連続的に供給し、出口部のアンモニア濃度を測定することによって吸着性能の評価を行った。
実施例1に関する吸着試験の結果を、図2に示す。
比較例1として上述した黒土を用いた吸着剤(土壌吸着剤従来品)の試験結果も併せて示す。
実施例1の吸着剤は、比較例1の土壌吸着剤従来品と同等か、それを上回るアンモニアガスの除去性能を持つことが、図2より理解される。
次に、硫化水素・メチルメルカプタン等の酸性成分の除去に用いる吸着剤について、次の実施例2のような吸着剤を作製した。
吸着剤の配合(重量%)として、珪藻土を約40%、鉄粉約20%、脱臭有効成分として粉末活性炭30%、消石灰を10%を、実施例1の塩基性成分の吸着剤と同様に、混錬・造粒を行い、乾燥して実施例2の吸着剤を得た。
実施例2の吸着剤についても、実施例1と同様に、硬度・耐水性を測定し、その結果を表2に示す。
なお、実施例と対比するため、実施例2の珪藻土の代わりに黒土を使用した土壌吸着剤である比較例3(土壌吸着剤従来品)と、粒状活性炭である比較例4(粒状活性炭)とを併せて例示した。
Figure 0004885114
実施例2の吸着剤は、比較例3の土壌吸着剤従来品と比較すると、JIS硬さには差がなく、耐水性に関しては、脱臭試験(図3に係る脱臭試験)使用後においては、実施例2の吸着剤の方が、比較例3のものより、浸漬後硬度が高くなっている。このことから、本発明の実施例2は、従来の黒土をベースとした土壌吸着剤と比較し、耐水性をより向上させていることが、理解される。
次に、硫化水素ガスに対する吸着性能を試験するため、200ppmの硫化水素ガスを使用した以外は、実施例1と同様に試験を行い、図3に示す除去試験の結果を得た。
図3より、実施例2の吸着剤は、比較例3の黒土をベースとした土壌吸着剤従来品と比較しても、同等以上の吸着性能を発揮することが理解される。
本実施例3は、鉄の含有率による吸着剤の耐水性特性の違いを示したものである。
鉄の含有率を0〜20%まで段階的に設定し、実施例1の作製方法と同様に吸着剤を作製し、作製された吸着剤の耐水性を評価した。
図4に、鉄含有量の変化に対する耐水性特性の変化の様子を示す。
図4により、鉄成分が全くない吸着剤は耐水性を全く示さなかったが、総乾燥重量に対し、3%以上鉄が含有することによって製造された吸着剤には、耐水性が付与されていた。
しかし直接吸着に関与しない鉄の含有率を高くしすぎると耐水性が高い剤になるものの吸着性能が低く抑えられてしまう。このため、現実的に吸着剤に添加する鉄の量は5%程度が好適であった。
以上、吸着剤基本構造体の原料に、珪藻土と鉄を用いることにより、耐摩耗性と耐水性の高い吸着剤の基本構造体の構築が可能となる。また、この構造体に有効成分として酸などを担持することによって、使用に伴う酸の流出などの問題が発生しない吸着剤を供給でき、吸着剤の充填塔への腐食が少なく、安定して使用できる好適な吸着剤を供給することも可能となる。
珪藻土の顕微鏡像の模式図である。 実施例1で作製した吸着剤のアンモニアガスの除去試験の結果を示すグラフである。 実施例2で作製した吸着剤の硫化水素ガスの除去試験の結果を示すグラフである。 実施例3で作製した吸着剤の鉄含有率に対する吸着剤の耐水性を示すグラフである。

Claims (7)

  1. シリカ粒子を含む珪藻土を主成分とし、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上となる金属鉄粒子を添加し、加水混練工程を経て該金属鉄粒子の酸化により金属鉄粒子間及び金属鉄粒子とシリカ粒子が融着していることを特徴とする吸着剤基本構造体。
  2. 請求項1に記載の吸着剤基本構造体において、該金属鉄粒子は鉄粉であり、その平均粒度が300μm以下であることを特徴とする吸着剤基本構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の吸着剤基本構造体には、酸類が添加され、構造体中の微細孔内に担持されていることを特徴とする吸着剤。
  4. 請求項3に記載の吸着剤において、該酸類はリン酸又はポリリン酸であることを特徴とする吸着剤。
  5. 請求項1又は2に記載の吸着剤基本構造体には、活性炭又は水酸化カルシウムが添加され、構造体中の微細孔内に担持されていることを特徴とする吸着剤。
  6. シリカ粒子を含む珪藻土を主成分とし、吸着剤を構成する原料の総乾燥重量に対する比が3%以上となる金属鉄粒子を添加し、さらに吸着の有効成分を加えて、加水混練工程を経て該金属鉄粒子の酸化により金属鉄粒子間及び金属鉄粒子とシリカ粒子が融着している構造を備えたことを特徴とする吸着剤。
  7. 請求項6に記載の吸着剤において、前記吸着の有効成分は、酸類、活性炭又は水酸化カルシウムのいずれかであることを特徴とする吸着剤。
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