JP2876953B2 - 脱リン剤の製造方法 - Google Patents

脱リン剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脱リン剤の製造方法に係
り、特に、水酸化鉄を主成分とする粒状脱リン剤の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、瀬戸内海や琵琶湖、霞ケ浦などの
閉鎖性水域では、富栄養化現象による水質悪化が一段と
すすみ、利水上の障害が増加して、大きな社会問題とな
っている。その原因物質は窒素及びリンと言われてお
り、特に、排水中のリン酸イオンの除去は早急に解決す
べき重要な課題となっている。
【0003】従来、リンの除去方法としては 凝集沈殿法 リン酸含有排水に鉄やカルシウム、アルミニウムなどの
金属イオンを含む薬品を注入し、リン酸を難溶性のリン
酸塩として沈殿除去する。 晶析法 リン酸含有排水にカルシウムを添加し、pHをアルカリ
性として燐鉱石に通水し、ヒドロキシアパタイトとして
晶析脱リンする。 などの方法がある。
【0004】しかしながら、凝集沈殿法では大量の汚泥
が発生する、運転管理が煩雑であるなどの問題点があ
り、一方、晶析法では高度の管理技術を要する、装置が
複雑であるなどの問題点があり、いずれも工業的に有利
な方法とは言えなかった。
【0005】このような問題を解決するものとして、水
酸化鉄(オキシ水和鉄)が主成分の脱リン剤を利用する
リン除去技術が各種提案されている。
【0006】水酸化鉄が水中のリンを吸着する現象は文
献等により公知であり、例えば、「ゲル複合吸着剤によ
るリン除去について」(環境技術Vol.7,No.4
(1978)重富、渡辺、堀)には、α−オキシ水和
鉄、β−オキシ水和鉄、γ−オキシ水和鉄は、アニオ
ン、カチオンを良く吸着し、特に、β−オキシ水和鉄
は、リン酸イオンを良く吸着することが報告されてい
る。なお、ここで使用されるα,β,γ−オキシ水和鉄
は乾燥粉末である。
【0007】また、「鉄の酸化、水酸化、吸着過程から
みた底質からのリンの溶出機構」(水質汚濁研究,Vo
l.14,No.4(1991)小林、西村)には、湖
沼底質中の水酸化第二鉄,鉄(III) 水和酸化物上にリン
が吸着することが報告されている。これは泥質状態の鉄
化合物による吸着現象である。
【0008】更に、「底泥による水中からのリンの吸着
とその要因」(熊本県衛生公害研究所報第13号(19
83)吉永、久保、塘岡、永山)には、水酸化第二鉄は
リン酸イオンを良く吸着することが報告されている。
【0009】しかして、このように水酸化鉄が水中のリ
ンを吸着する現象を利用したものとして、粉状水酸化鉄
による排水中のリン酸イオン除去方法が提案されている
(特開昭61−153192号公報)。
【0010】しかし、粉状の脱リン剤では、排水と混合
してリンの吸着を行なった後に、固液分離工程が必要で
ある。このため、固液分離工程が不要な固定床方式にも
使える粒状の脱リン剤が望まれている。この場合、固定
床方式では、脱リン剤の目詰まりを除去するための逆洗
が不可欠であり、粒状脱リン剤はこの逆洗時の衝撃に耐
え得る強度を備えることが必要とされる。即ち、粒状脱
リン剤の強度が低いと逆洗時の衝撃により脱リン剤が破
壊されて粉状となり、処理水中に流出したり、脱リン剤
の目詰まりの原因となったりするなどの不具合を生じ
る。因みに、粒状脱リン剤の必要破壊強度は、8kgD
WL以上である。
【0011】従来、水酸化鉄を主成分とする粒状脱リン
剤の製造方法としては、各種提案されている。例えば、
「ゲル複合吸着剤によるリン除去について」(環境技術
Vol.7,No.4(1978)重富、渡辺、堀)に
は、オキシ水和鉄を有機高分子ゲルで固めた吸着剤が提
案されている。また、特公昭61−47134号公報、
特公昭62−1299号公報には、不飽和ポリエステル
樹脂又はポリウレタン樹脂により硬化させることが提案
されている。これら従来の粒状脱リン剤製造方法は水酸
化鉄を一旦、乾燥粉末としたのちに、成形・硬化させる
方法である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
粒状脱リン剤の製造方法では、いずれも、脱リンのため
の有効成分に加えて強度を確保するための副原料成分を
必要とすることから、次のような問題があった。 成形・硬化のために用いた副原料成分の配合量に応
じて得られる脱リン剤のリン吸着能が低下する。 副原料成分の材料コスト及び副原料成分の混合のた
めの処理コストがかかり、結果として製造コストが大幅
に高騰する。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決し、副原
料成分を用いることなく、実質的に脱リン剤の有効成
分、即ち水酸化鉄のみから十分な強度を有する粒状脱リ
ン剤を容易かつ効率的に製造する方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の脱リン剤の製
造方法は、鉄イオンを含む水溶液を中和して得られる水
酸化鉄の沈殿を品温120℃以下で乾燥して含水率20
%未満とすることなく含水率20〜50%の半乾燥物と
し、この半乾燥物を造粒した後品温120℃以下で乾燥
することを特徴とする。
【0015】請求項2の脱リン剤の製造方法は、鉄イオ
ンを含む水溶液を中和して得られる水酸化鉄の沈殿を品
温120℃以下で乾燥して含水率20%未満の乾燥物と
し、この乾燥物にミスト径30〜300μmの水を噴霧
しながら遠心転動型又は遠心転動流動型造粒機により造
粒時間5分以上で造粒し、その後この造粒物を品温12
0℃以下で乾燥することを特徴とする。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。まず、請
求項1の脱リン剤の製造方法について説明する。
【0017】請求項1の方法においては、まず、鉄イオ
ンを含む水溶液を中和して水酸化鉄を沈殿させる。具体
的には塩化鉄、硫酸鉄などの鉄化合物の水溶液に、水酸
化ナトリウム、消石灰などのアルカリを添加して水酸化
鉄を沈殿させる。或いは、金属表面処理工場で排出され
る排水中には、鉄イオンが含まれているので、この排水
をアルカリで中和して水酸化鉄の沈殿を得ることもでき
る。また、金属鉱山の坑水中にも鉄イオンが含まれてい
るので、上記と同様の中和処理により水酸化鉄の沈殿を
得ることができる。なお、金属表面処理排水や坑水につ
いては一般に、排水処理として水酸化鉄を沈殿させてこ
れを廃棄物として埋立て処分していることから、本発明
において、これらの排水や坑水を利用することにより、
廃棄物の減量を図ることができ、また、原料コストの低
減も図れる。
【0018】このようにして得られた水酸化鉄の沈殿
は、好ましくは、フィルタープレス、遠心分離機、ベル
トプレスなどにより脱水して含水率60〜80%程度の
脱水ケーキとした後、この脱水ケーキを品温120℃以
下の温度で乾燥させて含水率20%未満とすることなく
含水率20〜50%の半乾燥物とする。
【0019】ここで、乾燥温度が品温120℃を超える
と得られる脱リン剤のリン除去能が低下するため、乾燥
温度は品温120℃以下、好ましくは100℃以下とす
る。乾燥温度が高いとリン除去能が低下するのは、水酸
化鉄がリン除去能のない酸化鉄に変化するためと考えら
れる。この乾燥は常温風又は温風による風乾であっても
良い。ここで、温風の温度は120℃を超えても、脱水
ケーキの品温は、含水率の高いうちは水の蒸発により熱
を奪われて100℃以上には上昇しない。従って、脱水
ケーキの品温が120℃を超えない限り、温風の温度は
120℃を超えて例えば150℃とすることも可能であ
る。
【0020】なお、乾燥は脱水ケーキを混合機で練りな
がら行なうのが好ましく、これにより脱水ケーキ表面の
みならず、脱水ケーキ内部まで、均一に乾燥させること
ができる。
【0021】更に、乾燥時間短縮のために、この混合機
内を減圧して乾燥を行なっても良い。
【0022】このような乾燥による半乾燥物の含水率を
一旦、20%未満にすると、後の造粒工程で水を加えて
含水率20%以上に再調整しても得られる造粒物の強度
が不足する場合がある。これに対して、半乾燥物の含水
率を20%未満にすることなく含水率20%以上の半乾
燥物とすることにより、高強度の造粒物を得ることがで
きる。このような作用効果の原理の詳細は不明である
が、推定するに、半乾燥物の含水率が20%以上であれ
ば、下記構造式に示すポリマー状態にある水酸化鉄分子
が切断されて小さな水酸化鉄分子(破線で囲まれた部
分)に分離することなく、水酸化鉄分子はポリマー状態
を保持して、高強度造粒物を形成するためと考えられ
る。従来の粒状脱リン剤の製造方法において、造粒物の
強度不足から、強度を確保するための副原料を必要とせ
ざるを得なかったが、本発明の方法によれば、十分に高
強度の造粒物を得ることができるため、このような副原
料は不要である。一方、半乾燥物の含水率が50%を超
えると水分が多過ぎて造粒が困難となる。このため、半
乾燥物の含水率は20%未満とすることなく、即ち、一
旦、20%未満まで乾燥させてから加水調整するのでは
なく、湿潤状態から直接、含水率20〜50%となるよ
うに乾燥条件を調整する。
【0023】
【化1】
【0024】この半乾燥物は次いで遠心転動流動層造粒
又は押出造粒などにより造粒して粒状物とする。造粒に
あたり、遠心転動流動層造粒によれば球形の造粒物が、
また、押出造粒によれば円柱形の造粒物が得られる。本
発明において、これらの造粒物の粒径は0.3〜10m
m程度であることが好ましい。
【0025】このようにして得られた水酸化鉄造粒物
は、品温120℃以下で乾燥して含水率5%程度とする
ことにより粒状脱リン剤とする。この乾燥においても、
乾燥温度が品温120℃を超えると得られる脱リン剤の
リン除去能が低下するため、乾燥温度は品温120℃以
下、好ましくは100℃以下とする。この乾燥は常温風
又は温風による風乾であっても良い。この乾燥について
も前述の半乾燥の場合と同様、減圧下で行なうことによ
り、乾燥時間の短縮を図ることができる。
【0026】次に、請求項2の脱リン剤の製造方法につ
いて説明する。請求項2の方法においても、まず、前述
の請求項1の方法と同様にして水酸化鉄の沈殿を得る。
【0027】そして、得られた水酸化鉄の沈殿を、好ま
しくは、フィルタープレス、遠心分離機、ベルトプレス
などにより脱水して含水率60〜80%程度の脱水ケー
キとした後、この脱水ケーキを品温120℃以下の温度
で乾燥させて含水率20%未満の乾燥物とする。
【0028】ここで、乾燥温度が品温120℃を超える
と、前述の如く、得られる脱リン剤のリン除去能が低下
するため、乾燥温度は品温120℃以下、好ましくは1
00℃以下とする。乾燥は常温風又は温風による風乾で
あっても良いが、減圧下で行なうことにより、乾燥時間
の短縮を図れる。前述の如く、温風の温度は120℃を
超えても、脱水ケーキの品温は、含水率の高いうちは水
の蒸発により熱を奪われて100℃以上には上昇しな
い。従って、脱水ケーキの品温が120℃を超えない限
り、温風の温度は120℃を超えて例えば150℃とす
ることも可能である。なお、乾燥は特に脱水ケーキを混
合機で練りながら行なわなくても良い。
【0029】乾燥物は次いで粉砕機で粒径5〜50mm
程度に粉砕した後、ミスト径30〜300μmの水を噴
霧しながら、遠心転動型又は遠心転動流動型造粒機で造
粒する。
【0030】この造粒に当り、噴霧する水のミスト径が
300μmを超えると、水が乾燥物(乾燥粉)全体に行
き渡らず、水を含んで粒子化したものと乾燥粉とが混在
した状態となり、粒子の表面に乾燥粉が付着したような
造粒物となるため、造粒物表面の強度が弱いものとな
る。また、粒子の大きさについても大粒子〜小粒子の混
在したものとなり、粒子径の揃わない造粒物となる。水
の噴霧量を多くして乾燥粉を完全になくし造粒物の強度
を高めることは可能であるが、この場合には非常に粒子
径の大きな造粒物となるため、これを破壊して小粒径の
造粒物とする必要があり、造粒時間が長くなるという欠
点がある。逆に、ミスト径が30μm未満であると、超
音波加湿器のミストのように気中に漂ってしまい、乾燥
粉に対して十分に噴霧させることができない。また、気
中に漂ったミストが造粒機の容器内の湿度を高め、容器
内壁に結露して、上述の大径ミストを噴霧した場合と同
様の不具合を生じる。
【0031】このようなことから、噴霧する水のミスト
径は30〜300μm、好ましくは50〜100μm程
度とする。
【0032】なお、噴霧する水の量は、乾燥物(乾燥
粉)の含水率が35〜40%程度となる量とするのが好
ましい。この水噴霧量が少な過ぎても多過ぎても、造粒
が困難であり、強固な造粒物を得ることが難しい。
【0033】また、遠心転動型又は遠心転動流動型造粒
機での造粒時間は5分以上とする。即ち、通常の場合、
この種の造粒機による造粒時間は1〜3分程度である
が、請求項2の方法においては、造粒時間を5分以上、
好ましくは6〜10分程度とする。このような比較的長
い造粒時間を採用することにより、次のような効果が奏
される。即ち、造粒開始から1〜3分間で形成された一
次粒子が、その後の造粒の継続により互いに衝突し、粒
子内の気泡が抜けて、次第に緻密な粒子となる。また、
粒子表面が擦れ合い、表面を撫で付けるような力を受け
て、表面が滑らかで強固な造粒物となる。
【0034】請求項2の方法においても、このようにし
て得られる造粒物の粒径は0.3〜10mm程度である
ことが好ましい。得られた水酸化鉄造粒物は、品温12
0℃以下で乾燥して含水率5%程度とすることにより粒
状脱リン剤とする。この乾燥においても、乾燥温度が品
温120℃を超えると得られる脱リン剤のリン除去能が
低下するため、乾燥温度は品温120℃以下、好ましく
は100℃以下とする。この乾燥は常温風又は温風によ
る風乾であっても良い。この乾燥についても前述の半乾
燥の場合と同様、減圧下で行なうことにより、乾燥時間
の短縮を図ることができる。
【0035】このようにして得られる粒状脱リン剤は、
カラム等に充填して被処理水を通水することにより、容
易に脱リン処理を行なうことができる。この脱リン処理
に当り、粒状脱リン剤の粒径が小さ過ぎると原水中の懸
濁物質による目詰まりが起こり易く、逆に大き過ぎると
比表面積が小さくなり、脱リン反応に寄与する表面積割
合が小さくなることから、脱リン性能が低下する。従っ
て、粒状脱リン剤の粒径は前述の如く、0.3〜10m
mとするのが好ましい。
【0036】
【作用】水酸化鉄は一旦、完全乾燥すると、再度水を加
えても、造粒は困難であり、成形後の強度が低い場合が
多い。これに対して、請求項1の方法に従って、完全乾
燥していない、ある程度水分をもった状態の半乾燥物を
造粒した後乾燥させることにより、造粒のための副原料
を用いることなく、粒状脱リン剤として工業的に十分に
使用可能な強度を有する粒状物を得ることができる。
【0037】一方、請求項2の方法では、一旦含水率2
0%未満に乾燥させるものの、これに特定のミスト径の
水を噴霧しながら、特定の造粒機で特定の時間以上造粒
することにより、十分に高強度の粒状物を得ることがで
きる。
【0038】本発明によれば、通常の場合、8kgDW
L以上の破壊強度を有する粒状脱リン剤を製造すること
ができる。
【0039】
【実施例】以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本
発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】実験例1 10重量%硫酸鉄水溶液に苛性ソーダを加えてpH7と
し、得られた水酸化鉄の沈殿を脱水後、20〜300℃
の各温度で乾燥した。その後、乳鉢で粉砕し、フルイで
分級して250〜500μmの粒子を得た。1リットル
のNa2 HPO4 水溶液(50mg−P/l)に、この
粒子1gを入れ、ビーカー中にてスターラーで3時間撹
拌後、濾紙No.5Cで濾過し、濾液のリン濃度を測定
した。各々の乾燥粉について、リン濃度の減少量から、
水酸化鉄粒子1g当りのリン除去量(mg−P/g)を
算出し、結果を図1に示した。
【0041】図1より、乾燥温度が品温120℃を超え
るとリン除去能が低下するため、乾燥温度は品温120
℃以下とする必要があることがわかる。
【0042】実施例1〜4,比較例1,2 10重量%硫酸鉄水溶液に苛性ソーダを加えてpH7と
し、得られた水酸化鉄の沈殿をフィルタープレスで含水
率61%に脱水後、脱水ケーキを混合機内で混練しつつ
90℃で減圧下表1に示す含水率となるように半乾燥さ
せた。なお、含水率61%の脱水ケーキ10kgを含水
率38%に乾燥するに当り、混合機の内壁を90℃に加
熱すると共に、真空度−600mmHgに減圧すること
により、乾燥に要する時間は50分であった。
【0043】得られた半乾燥物を遠心転動流動造粒機に
より、90%以上の粒子の粒径が1〜2mmの範囲とな
るような大きさに造粒した。含水率18,20,25%
の半乾燥物については、水を加えて、造粒に適した含水
率38%に調整してから造粒した。次いで造粒物を2日
間常温で風乾することにより含水率5%程度にまで乾燥
した。なお、半乾燥により、含水率52%の半乾燥物と
した比較例2では、造粒することができなかった。
【0044】得られた粒状物の破壊強度を表1に示し
た。また、実施例1〜4及び比較例1で得られた粒状物
1gを1リットルのNa2 HPO4 水溶液(50mg−
P/l)に入れ、実験例1と同様にしてリン除去量を求
め、結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】また、得られた粒状物を脱リン剤としてカ
ラムに1mの高さに充填し、原水として共同住宅の生活
排水二次処理水(リン濃度:約3mg−P/l)をSV
=3(m3 /m3 ・hr)で通水した。原水及び処理水
(カラム流出水)のリン濃度の経時変化を図2に示し
た。
【0047】表1及び図2より次のことが明らかであ
る。即ち、脱水ケーキを一旦、含水率20%より低く乾
燥すると、再度水を加えても造粒物の強度が不足する。
逆に、半乾燥による含水率が50%より高いと、水分が
多すぎて造粒できない。また、脱リン性能についても、
含水率20〜50%の半乾燥物を造粒したものが良好で
ある。
【0048】実施例5,6、比較例3〜5 10重量%硫酸鉄水溶液に苛性ソーダを加えてpH7と
し、得られた水酸化鉄の沈殿をフィルタープレスで含水
率61%に脱水後、脱水ケーキを乾燥機内で90℃で含
水率10%となるように乾燥させた。
【0049】得られた乾燥物を遠心転動流動造粒機によ
り、表2に示すミスト径の水を、造粒に適した含水率3
8%となるように噴霧しながら、表2に示す造粒時間で
90%以上の粒子の粒径が1〜2mmの範囲となるよう
な大きさに造粒した。次いで造粒物を2日間常温で風乾
することにより含水率5%程度にまで乾燥した。得られ
た粒状物の破壊強度を表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】表2より、請求項2の方法によれば高強度
粒状物が得られることが明らかである。これに対し、ミ
スト径の小さい比較例3では乾燥粉が残り、高強度の粒
状物を得ることができない。また、ミスト径の大きい比
較例4でも高強度の粒状物が得られない。更に、造粒時
間の短い比較例5では粒状物の性状が劣るものであっ
た。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の脱リン剤の
製造方法によれば、造粒のための副原料成分を用いるこ
となく、実質的に水酸化鉄のみの粒状脱リン剤であっ
て、十分な強度を有するものを容易かつ効率的に製造す
ることができる。
【0053】本発明で製造される粒状脱リン剤はカラム
に充填して脱リン処理に供することができ、作業性、取
扱性に極めて優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1の結果を示すグラフである。
【図2】実施例1〜4及び比較例1における通水試験結
果を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄イオンを含む水溶液を中和して得られ
    る水酸化鉄の沈殿を品温120℃以下で乾燥して含水率
    20%未満にすることなく含水率20〜50%の半乾燥
    物とし、この半乾燥物を造粒した後品温120℃以下で
    乾燥することを特徴とする脱リン剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉄イオンを含む水溶液を中和して得られ
    る水酸化鉄の沈殿を品温120℃以下で乾燥して含水率
    20%未満の乾燥物とし、この乾燥物にミスト径30〜
    300μmの水を噴霧しながら遠心転動型又は遠心転動
    流動型造粒機により造粒時間5分以上で造粒し、その後
    この造粒物を品温120℃以下で乾燥することを特徴と
    する脱リン剤の製造方法。
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