JP2004305713A - 野球またはソフトボール用バットおよびその製造方法ならびにバット用基材 - Google Patents

野球またはソフトボール用バットおよびその製造方法ならびにバット用基材 Download PDF

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Abstract

【課題】 打球部の表面に弾性体を被覆一体化した野球またはソフトボール用バットにおいて、弾性体をバット用基材に容易に装着することが可能となるバットおよびその製造方法ならびにバット用基材を提供する。
【解決手段】 バット1は、基材2と弾性体3とを備える。基材2は、打球部5となる部分に設けられた凹部と、グリップ部7と、該凹部とグリップ部7間に位置するテーパ部6とを有する。弾性体3は、基材2の凹部表面に取付けられ、打球部5の表層部分を形成する。そして、基材2のテーパ部6の最大外径を、凹部の最小外径の101%以上140%以下とする。弾性体3は筒状であり、軟化あるいは膨張処理が施された後、グリップ部7側から基材2の凹部に嵌着される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、野球またはソフトボール用バット(以下、単に「バット」とも称する)およびその製造方法ならびにバット用基材に関し、特に打球部表面に弾性体を取付けたバットおよびその製造方法ならびに該バット用の基材に関する。
優れた耐久性を示すとともに、打球の飛距離を伸ばすことが可能なバットを提供するために、打球部の凹部に弾性体を被覆一体化したバットが、たとえば特開2003−19236号公報に記載されている。
特開2003−19236号公報
打球部の凹部に弾性体を被覆一体化したバットを実際に使用すると、打球の飛距離を伸ばすことは可能となるが、弾性体が比較的柔らかい材質で構成されているため基材と比較すると弾性体が破損しやすくなる。よって、弾性体をバットの基材に容易に着脱可能となることが望まれる。
上述のように弾性体は比較的柔らかい材質で構成されているため、バット用基材から取り外すのは比較的容易に行えるが、弾性体をバット用基材の凹部に実際に装着する作業は決して容易であるとは言えない。
特開2003−19236号公報に記載のように打球部の凹部に合成樹脂を射出成形や注型成形で被覆一体化するには、このための設備が必要となり、大掛かりな作業となってしまう。したがって、弾性体をバットの基材に容易に装着できるとは言えない。
また、弾性体を別途成形しておき、打球部の凹部に巻き付けるという手法も考えられるが、この場合には弾性体に切れ目が生じ、該切れ目から弾性体が破損し易くなるという問題が生じる。
なお、特開2003−19236号公報には、バット用基材の凹部の形状に合うように弾性体を別体に成形して凹部に接着してもよいという内容が記載されているが、バット用基材に筒状の弾性体を容易に装着可能となる具体的手法については記載されていない。したがって、当該文献の開示のみでは、当業者といえども、筒状の弾性体をバット用基材の凹部に装着可能な具体的手法を想到することは決して容易なことではない。
そこで、本発明は、打球部の表面に弾性体を被覆一体化した野球またはソフトボール用バットにおいて、筒状の弾性体をバット用基材に容易に装着することが可能となる野球またはソフトボール用バットおよびその製造方法ならびにバット用基材を提供することを目的とする。
本発明に係る野球またはソフトボール用バットは、1つの局面では、打球部となる部分に設けられた凹部と、グリップ部と、凹部とグリップ部間に位置するテーパ部とを有する基材と、上記凹部表面に取付けられ、打球部の表層部分を形成する弾性体とを備える。そして、上記テーパ部の最大外径を、凹部の最小外径の101%以上140%以下とする。
テーパ部の最大外径を、凹部の最小外径に対し上記の範囲内の値とすることにより、スムーズに基材のテーパ部外周上を通過させて筒状の弾性体を基材の凹部に装着することができる。
本発明に係る野球またはソフトボール用バットは、他の局面では、上記テーパ部の最大外径と、凹部の最小外径との差を0.3mm以上20mm以下としている。
テーパ部の最大外径と凹部の最小外径との差を上記の範囲内の値とした場合にも、スムーズに基材のテーパ部外周上を通過させて筒状の弾性体を基材の凹部に装着することができる。
上記弾性体は、筒状で一体の熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂で構成することが好ましい。より好ましくは、上記弾性体を、筒状で一体の熱可塑性ポリウレタン樹脂で構成する。
本発明に係る野球またはソフトボール用バットの製造方法は、1つの局面では、下記の各工程を備える。筒状で一体の弾性体を形成する。該弾性体を軟化させる。軟化した筒状の弾性体を、打球部となる部分に設けられた凹部と、グリップ部と、凹部とグリップ部間に位置するテーパ部とを有するバット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に嵌着する。
上記のように弾性体を軟化させているので、バット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に向かってスムーズに筒状の弾性体を移動させることができる。
本発明に係る野球またはソフトボール用バットの製造方法は、他の局面では、下記の各工程を備える。筒状で一体の弾性体を形成する。該弾性体を膨張させる。膨張した筒状の弾性体を、打球部となる部分に設けられた凹部と、グリップ部と、凹部とグリップ部間に位置するテーパ部とを有するバット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に嵌着する。
本局面の場合も、弾性体を膨張させているので、バット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に向かってスムーズに筒状の弾性体を移動させることができる。
本発明に係る野球またはソフトボール用バットの製造方法は、さらに他の局面では、下記の各工程を備える。筒状で一体の弾性体を形成する。打球部となる部分に設けられた凹部と、グリップ部と、該凹部とグリップ部間に位置するテーパ部とを有するバット用基材における上記凹部の表面と、テーパ部の表面と、弾性体の内表面との少なくとも一箇所に潤滑材を塗布する。筒状の弾性体を、バット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に嵌着する。
本局面の場合も、バット用基材の凹部の表面と、テーパ部の表面と、弾性体の内表面との少なくとも一箇所に潤滑材を塗布しているので、バット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に向かってスムーズに筒状の弾性体を移動させることができる。
上記テーパ部の最大外径を、初期状態の弾性体の最小内径よりも大きく(たとえば弾性体の最小内径の1.01倍以上)、かつ弾性体の最小内径の1.4倍以下とすることが好ましい。また、初期状態の上記弾性体の最小内径を、上記凹部の最小外径よりも小さくすることが好ましい。ここで、「初期状態」とは、筒状で一体に弾性体を形成した状態であって、弾性体を軟化させたり、膨張させたり、潤滑材を塗布する処理前の状態をいう。
本発明に係るバット用基材は、1つの局面では、野球またはソフトボール用バットの打球部となる部分に設けられた凹部と、グリップ部と、凹部とグリップ部間に位置するテーパ部とを備え、上記テーパ部の最大外径を、凹部の最小外径の101%以上140%以下とする。
バット用基材のテーパ部の最大外径を凹部の最小外径に対し上記の範囲とすることにより、筒状の弾性体をバット用基材の凹部に装着する際に、スムーズにバット用基材のテーパ部上を通過させることができる。
本発明に係るバット用基材は、他の局面では、上記テーパ部の最大外径と、凹部の最小外径との差を0.3mm以上20mm以下とする。
バット用基材のテーパ部の最大外径と凹部の最小外径との差を上記の範囲とした場合にも、筒状の弾性体をバット用基材の凹部に装着する際に、スムーズにバット用基材のテーパ部上を通過させることができる。
本発明によれば、スムーズにバット用基材のテーパ部上を通過させて筒状の弾性体を該基材の凹部に容易に装着することができるので、打球部の表面に弾性体を被覆一体化したバットにおいて弾性体の取替作業を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態における野球またはソフトボール用バットおよびその製造方法ならびにバット用基材について説明する。本実施の形態におけるバットは、後述する基材(芯材)と弾性体とを主に備える。
基材は、先端部と、打球部となる部分に設けられた凹部と、グリップ部と、凹部とグリップ部間に位置するテーパ部とを有する。この基材の先端部がバットの先端部となり、基材の凹部に弾性体を取り付けた部分がバットの打球部となり、基材のテーパ部がバットのテーパ部となり、基材のグリップ部がバットのグリップ部となる。
バットの先端部は、バットの打球部側の先端(一端)およびその近傍の部分であり、たとえばバットの打球部側の先端から50mm程度範囲の部分が該先端部に相当する。この先端部には、たとえばキャップ部材が取り付けられる場合がある。
バットの打球部は、実際にボールを打撃することが当初から予定されている部分であり、たとえば上記の先端部のグリップ部側の端部からグリップ部側に250mm〜300mm程度の範囲の部分が打球部に相当する。
バットのテーパ部は、打球部とグリップ部との間に位置し、打球部からグリップ部に向かって徐々に外径が小さくなる部分である。たとえば上記の打球部のグリップ部側の端部からグリップ部側に150mm〜220mm程度の範囲の部分がテーパ部に相当する。
バットのグリップ部は、打者が手で握ることが予定されている部分であり、テーパ部のグリップ部側の端部からバットの他端(グリップエンド)までの部分がグリップ部に相当する。グリップエンドは、典型的には、拡径部で構成される。該グリップエンドは基材と一体に形成することもできるが、基材とは別体に形成して基材に別途取付けるようにしてもよい。
上記の基材の材質としては、たとえば、木、金属、繊維強化プラスチックなどバットに使用可能な材質を採用することができるが、本実施の形態では、繊維強化プラスチックで構成することが好ましい。
弾性体は、上記の基材の凹部表面に取付けられ、バットの打球部の表層部分を形成する。該弾性体は、典型的には、筒状の形状を有し、一体的に成形され、たとえば接着剤や両面テープを用いて基材の凹部に固着される。
なお、打球した際に支障を来たさない程度の接着強度を確保することは必要であるが、その一方で弾性体を基材から容易に取り外すことができるように接着剤や両面テープによる接着強度があまり高くなりすぎないように配慮することが好ましい。
また、バット用基材の凹部の表面と、バット用基材のテーパ部の表面と、弾性体の内表面との少なくとも一箇所に潤滑材を塗布することが好ましいが、該潤滑材としては、上記の基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して該基材の表面上で滑らせるように筒状で一体の弾性体を移動させながら基材の凹部に嵌着することができるものであれば、任意の潤滑材を採用可能である。たとえば、エポキシ系接着材、ウレタン系接着材、ゴム系接着材、シリコン接着材などの各種接着材やプライマーなどを潤滑材として使用可能である。また、接着性を有しない潤滑材として、ワックス、油、ワセリン、シリコンオイル、水、溶剤などが考えられる。
上記弾性体の厚みは任意に設定可能であるが、弾性体の機能を発揮し、強度、質量および着脱容易性に鑑み、たとえば4mm〜25mm程度の範囲内に設定することが好ましい。弾性体の厚みが4mm未満であると、材質によっては弾性体の機能や強度を確保するのが困難となり、また弾性体が破損し易くなることが懸念される。他方、弾性体の厚みが25mmを超えると、弾性体の質量が大きくなり、また基材の凹部の外径が小さくなるため耐久性が低下するおそれがある。
また、弾性体の厚みは、バットのスイートスポットあるいはその近傍で最も厚くなり、この最も厚い部分から長手方向の両端に向かうにつれて徐々に厚みが薄くなる。
弾性体の材質としては、弾性変形の後、復元する際にエネルギー損失率の低い材質であればよいが、たとえば、アイオノマーやブタジエン系ラバーなどの熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂などを用いることができる。好ましくは、弾性体の材質として、熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いる。また、質量やエネルギー損失率、さらに製造コストや成形のし易さを考慮すると、硬度がJIS C硬度で20〜80、比重が0.25〜0.70、300%伸び時での引っ張り応力が1.0MPa〜4.0MPaの発泡ポリウレタンを採用することが考えられる。なお、本願明細書において、「JIS C硬度」とは、JIS K 7312の附属書2のスプリング硬さ試験タイプC試験方法に準拠して測定した硬度をいう。
本実施の形態では、基材(バット)のテーパ部の最大外径を、基材(バット)の凹部の最小外径の101%以上140%以下とする。好ましくは、101%以上125%以下とする。上記値が101%未満では、筒状の弾性体を基材の凹部に装着した後に、該弾性体が凹部から外れてグリップ側に位置ずれする可能性が高くなり、140%よりも大きいと、たとえば手でグリップ側から筒状の弾性体を移動させてテーパ部外周上を通過させることが容易ではなくなる。
また、上記テーパ部の最大外径と、凹部の最小外径との差を0.3mm以上20mm以下とする。好ましくは、0.3mm以上12.5mm以下とする。当該差の値が0.3mm未満では、筒状の弾性体を基材の凹部に装着した後に、該の弾性体が凹部から外れてグリップ側に位置ずれする可能性が高くなり、20mmよりも大きいと、たとえば手でグリップ側から筒状の弾性体を移動させてテーパ部外周上を通過させることが容易ではなくなる。
基材(バット)のテーパ部の最大外径と、凹部の最小外径との関係を上記の範囲内とすることにより、筒状の弾性体を基材の凹部に装着する際に、スムーズに基材のテーパ部上を通過させて筒状の弾性体を基材の凹部に容易に装着することができ、かつ装着後の弾性体の位置ずれや固着強度の低下をも抑制することができる。
次に、上述の構造を有する本実施の形態における野球またはソフトボール用バットの製造方法について説明する。
まず、筒状で一体の弾性体を作製する。たとえば、弾性体を熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂で作製する場合には、外型内に芯材を設置し、該芯材と外型との間の空間(キャビティ)に液状の材料を流し込んだ後に硬化させ、成形品を離型することで上記の弾性体を作製することができる。
このようにして弾性体を作製する一方で、バット用基材を作製する。たとえば繊維強化プラスチック製のバット用基材を作製する場合には、芯金に炭素繊維強化樹脂のプリプレグシートを巻き付け、芯金を先端側から外し、先端側から弾性体チューブを挿入し、先端をプリプレグシートで閉じて外型にセットし、プレス機に外型を挟んだ状態で弾性体チューブを介してプリプレグシートに内圧を加えた後、外型から取り出すことで上述の構造を有するバット用基材を作製することができる(内圧製法)。
次に、該弾性体を軟化あるいは膨張させる。弾性体を軟化あるいは膨張させる手法としては、弾性体をある種の溶剤などの液体に浸漬する手法を挙げることができる。この溶剤は、揮発性であることが好ましい。それにより、弾性体の装着後に溶剤を揮発させることができ、弾性体の硬度が低下したままとなることを阻止することができる。たとえば、弾性体を熱可塑性ポリウレタン樹脂で構成した場合には、ホワイトガソリンに弾性体を浸漬(膨潤)することで、弾性体を軟化あるいは膨張させることができる。
他方、バット用基材の凹部には、弾性体をバット用基材の凹部に接着するための両面テープなどの接着手段を設置しておく。なお、両面テープを使用する場合、該両面テープ上に上記の溶剤を塗布しておくことが望ましい。
次に、軟化あるいは膨張または潤滑材を塗布した筒状の弾性体を、バット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に嵌着する。弾性体が軟化している場合には、作業者による手作業などで容易に弾性体を径方向に変形させてテーパ部を通過させることができ、弾性体が膨張している場合には、そのままの状態あるいは作業者による手作業などで若干径方向に拡張するだけでテーパ部を通過させることができる。潤滑材は、バット用基材の凹部やテーパ部と、弾性体の内表面との少なくとも一方に塗布すればよく、また弾性体に上記のような軟化あるいは膨張処理を施した場合と施さない場合のいずれの場合においても塗布可能であるが、潤滑材を塗布することにより、作業者による手作業などで容易にバット用基材の表面上で弾性体を滑らせながらテーパ部を通過させることができる。このように弾性体を軟化あるいは膨張または潤滑材を塗布することで、バット用基材のグリップ部側からテーパ部上を経由して凹部に向かってスムーズに筒状の弾性体を移動させることができる。したがって、筒状の弾性体を基材の凹部に容易に装着することができる。
なお、バット用基材のテーパ部の最大外径を、弾性体を軟化させたり膨張させたり潤滑材を塗布する処理前(初期状態)の弾性体の最小内径よりも大きく(たとえば弾性体の最小内径の1.01倍以上)し、弾性体の最小内径の1.4倍以下とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、弾性体の特性を損うことなく弾性体を拡径してテーパ部を容易に通過させることができる。
また、初期状態の上記弾性体の最小内径を、上記凹部の最小外径よりも小さくすることが好ましい。それにより、両面テープなどの簡易な接着手法を採用した場合でも、弾性体の接着力を確保することができる。
上記のように弾性体をバット用基材の凹部に嵌着した後、弾性体を乾燥させる。それにより、弾性体自体が硬化あるいは収縮してバット用基材の凹部に適度な締付力を与えるとともに、両面テープなどの接着手段によって弾性体をバット用基材の凹部に固着することができる。
以上のように本実施の形態によれば、筒状の弾性体を基材の凹部に容易に装着することができるので、弾性体が破損した場合などに弾性体の取替作業を容易に行える。また、補修ミスによるバットの損傷をも回避することができる。
さらに、弾性体の取替作業が簡易となることで、バット用基材(芯材)の形状自体を変更しなくても、外形の異なる弾性体を装着してバットの最終形状を異ならせることもできる。この場合には、1本のバット用基材を購入するだけで様々な形状の打球部を有するバットを作製することができる。
その上、弾性体とバット用基材の間に何らかの部材を挿入したり、接着層の厚みを全体的あるいは局所的に厚くするなどして打球部の外形を変形することも容易に行える。この場合には、弾性体の種類を変更することなく、ユーザーの好みに応じた打球部の形状とすることができる。
以下、本発明の実施例について図1〜図5を用いて説明する。
図1に示すように、本実施例における野球またはソフトボール用バット1は、基材2と、円筒状の弾性体3とを主に備える。
基材2は、図1および図2に示すように、先端部4と、打球部5となる部分に設けられた凹部8と、グリップ部7と、凹部8とグリップ部7間に位置するテーパ部6とを有し、繊維強化プラスチック製である。この基材の先端部4、テーパ部6およびグリップ部7がそれぞれバット1の先端部4、テーパ部6およびグリップ部7となる。また、バット1の打球部5は、凹部8が設けられた部分の基材2と、後述する弾性体3とで主に構成される。
基材2の長さはバット1全体の長さと同じ840mm程度であり、先端部4の長さは50mm程度である、打球部5の長さは凹部8の長さとほぼ同じ280mm程度であり、テーパ部6の長さは260mm程度であり、グリップ部7の長さは250mm程度である。
図2に示すように、基材2におけるテーパ部6の最大外径D2は49mm程度であり、凹部8の最小外径D1は40mm程度である。したがって、本例では、テーパ部6の最大外径D2と凹部8の最小外径D1との差は9mm程度であり、テーパ部6の最大外径D2は、凹部8の最小外径D1の約123%である。
弾性体3は、図3に示す断面構造を有し、熱可塑性ポリウレタン樹脂で構成される。この弾性体3は、両面テープを介して基材2の凹部8に接着される。
図3に示すように、弾性体3は長手方向の両端に第1開口9と第2開口10とをそれぞれ有する。この第1開口9がバット1の先端部4側に配置され、第2開口10がバット1のグリップ部7側に配置される。図3の例では、第1開口9の内径D4が62mm程度であり、第2開口10の内径D5が42mm程度となっており、第1開口9の内径D4が第2開口10の内径D5よりも大きくなっている。
また、本例では、弾性体3の最小内径D3は、40mm程度であり、凹部8の最小外径D1と同程度となっているが、弾性体3の最小内径D3を凹部8の最小外径D1より小さくしてもよい。また、基材2のテーパ部6の最大外径D2は、弾性体3の最小内径D3の1.23倍程度である。
図3に示すように、弾性体3は、第1開口9から40mm程度の部分で最大の厚みを有しており、第1開口9からこの最大厚み部分に向かうにつれて徐々に弾性体3の厚みが増加し、最大厚み部分から第2開口10に向かうにつれて徐々に弾性体3の厚みが減少する。なお、図3の例では、弾性体3の最大厚み部分の厚みは13mm程度である。
次に、本実施例のバット1の製造方法について図4および図5を用いて説明する。
まず、弾性体3を作製する。該弾性体3を作製するには、図4に示すように、予め表面にポリテトラフルオロエチレンをコーティングした第1中芯材12を50℃に温めておいた外型11内にセットし、外型11内に液状の熱可塑性ポリウレタン樹脂材料を流し込む。その後、予め表面にポリテトラフルオロエチレンをコーティングした第2中芯材13を第1中芯材12と組合せるように外型11内にセットして蓋14を閉め、たとえば10分間放置する。それにより、樹脂材料を硬化させて弾性体3を成形することができる。弾性体3の成形が終了した後、蓋14を開け、第2中芯材13を取り出し、弾性体3の成形品とともに第1中芯材12を外型11から取り出す。それにより、弾性体3を作製することができる。他方、前述の内圧製法によって図2に示す形状の基材2を作製する。
次に、基材2の凹部8の底面に両面テープを貼り付ける。その後、弾性体3をホワイトガソリンに浸漬あるいはホワイトガソリンを弾性体3に塗布して弾性体3にホワイトガソリンを膨潤させる。それにより、弾性体3が軟化あるいは膨張する。他方、基材2の凹部8に貼付けられた両面テープ上にもホワイトガソリンを塗布しておく。
次に、図5に示すように、軟化あるいは膨張した筒状の弾性体3を、手作業で基材2のグリップ部7側の端部(グリップエンド)から基材2の外周上に装着する。より詳しくは、グリップエンドからグリップ部7上に軟化あるいは膨張した筒状の弾性体3を外嵌し、該弾性体3を図5の矢印にしたがって凹部8側に移動させ、テーパ部6上を通過させる。このとき、弾性体3が軟化あるいは膨張しているので、弾性体3を手で拡径するなどして容易に基材2の外周面上を移動させることができる。そして、弾性体3を基材2の凹部8に嵌着する。
上記のように弾性体3を基材2の凹部8に嵌着した後、弾性体3を乾燥させる。それにより、弾性体3自体が硬化あるいは縮径して基材2の凹部8に適度な締付力を与えるとともに、両面テープによって弾性体3を基材2の凹部8に固着することができる。
なお、弾性体3を軟化あるいは膨張させた後、または弾性体3を軟化あるいは膨張させることなく、弾性体3の内表面にエポキシ系接着剤を塗布し、手作業で基材2のグリップ部7側の端部(グリップエンド)から基材2の外周上に弾性体3を装着するようにしてもよい。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、今回開示した実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
本発明は、野球またはソフトボール用バットに適用される。
本発明の実施例における野球またはソフトボール用バットの平面図である。 本発明の実施例におけるバット用基材の平面図である。 本発明の実施例における弾性体の断面図である。。 本発明の実施例における弾性体の製造装置の一例を示す断面図である。 弾性体をバット用基材に装着している様子を示す模式図である。。
符号の説明
1 バット(野球またはソフトボール用バット)、2 基材、3 弾性体、4 先端部、5 打球部、6 テーパ部、7 グリップ部、8 凹部、9 第1開口、10 第2開口、11 外型、12 第1中芯材、13 第2中芯材、14 蓋。

Claims (10)

  1. 打球部(5)となる部分に設けられた凹部(8)と、グリップ部(7)と、前記凹部(8)と前記グリップ部(7)間に位置するテーパ部(6)とを有する基材(2)と、
    前記凹部(8)表面に取付けられ、前記打球部(5)の表層部分を形成する弾性体(3)とを備え、
    前記テーパ部(6)の最大外径(D2)を、前記凹部(8)の最小外径(D1)の101%以上140%以下とした、野球またはソフトボール用バット。
  2. 打球部(5)となる部分に設けられた凹部(8)と、グリップ部(7)と、前記凹部(8)と前記グリップ部(7)間に位置するテーパ部(6)とを有する基材(2)と、
    前記凹部(8)表面に取付けられ、前記打球部(5)の表層部分を形成する弾性体(3)とを備え、
    前記テーパ部(6)の最大外径(D2)と、前記凹部(8)の最小外径(D1)との差を0.3mm以上20mm以下とした、野球またはソフトボール用バット。
  3. 前記弾性体(3)を、筒状で一体の熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂で構成した、請求項1または請求項2に記載の野球またはソフトボール用バット。
  4. 筒状で一体の弾性体(3)を形成する工程と、
    前記弾性体(3)を軟化させる工程と、
    軟化した筒状の前記弾性体(3)を、打球部(5)となる部分に設けられた凹部(8)と、グリップ部(7)と、前記凹部(8)と前記グリップ部(7)間に位置するテーパ部(6)とを有するバット用基材(2)の前記グリップ部(7)側から前記テーパ部(6)上を経由して前記凹部(8)に嵌着する工程と、
    を備えた、野球またはソフトボール用バットの製造方法。
  5. 筒状で一体の弾性体(3)を形成する工程と、
    前記弾性体(3)を膨張させる工程と、
    膨張した筒状の前記弾性体(3)を、打球部(5)となる部分に設けられた凹部(8)と、グリップ部(7)と、前記凹部(8)と前記グリップ部(7)間に位置するテーパ部(6)とを有するバット用基材(2)の前記グリップ部(7)側から前記テーパ部(6)上を経由して前記凹部(8)に嵌着する工程と、
    を備えた、野球またはソフトボール用バットの製造方法。
  6. 筒状で一体の弾性体(3)を形成する工程と、
    打球部(5)となる部分に設けられた凹部(8)と、グリップ部(7)と、前記凹部(8)と前記グリップ部(7)間に位置するテーパ部(6)とを有するバット用基材(2)における前記凹部(8)の表面と、前記テーパ部(6)の表面と、前記弾性体(3)の内表面との少なくとも一箇所に潤滑材を塗布する工程と、
    前記筒状の弾性体(3)を、バット用基材(2)の前記グリップ部(7)側から前記テーパ部(6)上を経由して前記凹部(8)に嵌着する工程と、
    を備えた、野球またはソフトボール用バットの製造方法。
  7. 前記テーパ部(6)の最大外径(D2)を、初期状態の前記弾性体の最小内径(D3)よりも大きく、かつ前記弾性体の最小内径(D3)の1.4倍以下とした、請求項4から請求項6のいずれかに記載の野球またはソフトボール用バットの製造方法。
  8. 初期状態の前記弾性体(3)の最小内径(D3)を、前記凹部(8)の最小外径(D1)よりも小さくした、請求項4から請求項7のいずれかに記載の野球またはソフトボール用バットの製造方法。
  9. 野球またはソフトボール用バットの打球部(5)となる部分に設けられた凹部(8)と、
    グリップ部(7)と、
    前記凹部(8)と前記グリップ部(7)間に位置するテーパ部(6)とを備え、
    前記テーパ部(6)の最大外径(D2)を、前記凹部(8)の最小外径(D1)の101%以上140%以下とした、バット用基材。
  10. 野球またはソフトボール用バットの打球部(5)となる部分に設けられた凹部(8)と、
    グリップ部(7)と、
    前記凹部(8)と前記グリップ部(7)間に位置するテーパ部(6)とを備え、
    前記テーパ部(6)の最大外径(D2)と、前記凹部(8)の最小外径(D1)との差を0.3mm以上20mm以下とした、バット用基材。
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