JP2004304757A - オフセットビートキャンセラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 オフセットビートキャンセラにおいて、テレビ放送信号を選局するのに用いられる局部発振器から位相ノイズを含む発振信号が出力されても、その位相ノイズの影響を受けることなくテレビ放送画像を再生できるようにする。
【解決手段】 所定放送チャンネルのテレビ放送信号を選局部30で選局することにより得られる映像IF信号を直交検波し、直交検波後のQ信号から妨害波信号成分を生成して、この信号成分を直交検波後のI信号から除去することにより、妨害波信号成分のない映像信号を生成するオフセットビートキャンセラにおいて、選局部30を構成する映像IF信号生成用の局部発振器70から出力される位相ノイズの内、局部発振器70の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域の位相ノイズを選択的に抑制することで、局部発振器70の位相ノイズによって再生画像が劣化するのを防止する。
【選択図】 図2
【解決手段】 所定放送チャンネルのテレビ放送信号を選局部30で選局することにより得られる映像IF信号を直交検波し、直交検波後のQ信号から妨害波信号成分を生成して、この信号成分を直交検波後のI信号から除去することにより、妨害波信号成分のない映像信号を生成するオフセットビートキャンセラにおいて、選局部30を構成する映像IF信号生成用の局部発振器70から出力される位相ノイズの内、局部発振器70の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域の位相ノイズを選択的に抑制することで、局部発振器70の位相ノイズによって再生画像が劣化するのを防止する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、受信アンテナにて受信したテレビ放送信号の中から、希望波に対して送信周波数が所定周波数オフセットされた妨害波信号成分を除去するオフセットビートキャンセラに関する。
従来より、近接する地域で同一の放送チャンネルを利用したテレビ放送を行う際には、各テレビ放送信号の送信周波数に±10.01kHzのオフセットを設けて、テレビ受像器で映像信号を再生した際に画面に現れる縞模様(ビート)を目立たなくするようにしている。しかし、妨害波の量が多ければビートも顕著に現れることになるし、聴視者からはよりよい画質の要求がある。
そこで、近年では、こうしたビート障害を防止するために、ビート障害が発生する放送チャンネルのテレビ放送信号を所定周波数帯に周波数変換した映像中間周波信号(以下、映像IF信号ともいう)から、希望波の映像搬送波を抽出し、この映像搬送波を用いて映像IF信号を直交検波することにより、妨害波信号成分を含むQ信号を生成し、更に、アナログフィルタを用いて、その生成したQ信号から妨害波信号成分を抽出して、この妨害波信号成分を映像IF信号から除去するオフセットビートキャンセラが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平8−98061号公報
特開平9−55671号公報
ところで、上記提案のオフセットビートキャンセラは、何れも、映像IF信号を信号処理することによって、妨害波信号成分を除去した映像IF信号を生成するものであるため、ホーム共同受信等で複数の受信端末(テレビチューナ等)に伝送される受信信号の中から妨害波信号成分を除去するようにするには、受信信号の中から妨害波を除去すべき放送チャンネルのテレビ放送信号を選局する選局部や、妨害波信号成分を除去した映像IF信号を用いてテレビ放送信号を生成する変調部を別途設ける必要がある。
そして、このようにオフセットビートキャンセラに選局部を設けた場合、選局部にてテレビ放送信号を選局する際(換言すれば受信信号を周波数変換する際)に用いる局部発振器の出力に位相ノイズが存在すると、選局部で得られる映像IF信号にその位相ノイズ成分が重畳されてしまい、映像IF信号の信号劣化を招くことになる。
一方、こうした問題を防止するには、選局部で用いる局部発振器を純度の高い局部発振信号を発生できるように、局部発振器や局部発振器の発振周波数を制御する制御回路の精度を上げればよいが、そのためには、局部発振器や制御回路に高価なものを使用しなければならず、オフセットビートキャンセラのコストアップを招くという問題が生じる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、テレビ放送信号選局用の選局部を備えたオフセットビートキャンセラにおいて、選局部でテレビ放送信号を選局するのに用いられる局部発振器から位相ノイズを含む発振信号が出力されても、その位相ノイズの影響を受けることなく、テレビ放送画像を綺麗に再生できるようにすることを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、受信アンテナから入力される受信信号の中から、希望波に対して送信周波数が所定周波数オフセットされた妨害波を含む所定放送チャンネルのテレビ放送信号を選局して、該テレビ放送信号の映像中間周波数信号及び音声中間周波信号を出力する選局手段と、該選局手段から出力される映像中間周波信号を直交検波することにより、該映像中間周波信号に含まれる妨害波信号成分を抽出し、該抽出した妨害波信号成分を除去した映像信号若しくは映像中間周波信号を生成する映像信号処理手段と、該映像信号処理手段にて生成された映像信号若しくは映像中間周波信号と、前記選局復調手段から出力される音声中間周波信号とに基づき、所定放送チャンネルのテレビ放送信号を生成するテレビ放送信号生成手段とを備え、該生成されたテレビ放送信号を受信信号として出力するオフセットビートキャンセラであって、前記選局手段が前記受信信号から所定放送チャンネルのテレビ放送信号の映像信号を前記映像中間周波信号に周波数変換するのに使用する局部発振器の出力特性を、該局部発振器の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域のノイズ信号レベルが、該周波数領域よりも更に高周波側及び低周波側のノイズ信号レベルよりも小さくなるように設定したことを特徴とする。
つまり、選局手段がテレビ放送信号を選局するのに使用する局部発振器(詳しくは選局手段が受信信号から所定放送チャンネルのテレビ放送信号の映像信号を映像中間周波信号に周波数変換するのに使用する局部発振器)から出力される位相ノイズの内、テレビ放送の再生画像に最も影響を与えるのは、映像信号の水平同期周波数付近(具体的には10kHz〜20kHz)のノイズ信号成分であり、他の周波数域のノイズ信号成分については、その信号レベルがある程度低ければ、再生画像に影響を与えることはない。
そこで、本発明では、選局手段が受信信号からテレビ放送信号の映像信号を映像中間周波信号に周波数変換するのに使用する局部発振器の出力特性の内、局部発振器の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分(具体的には10kHz〜20kHz)だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域のノイズ信号レベルを、その周波数領域よりも更に高周波側及び低周波側のノイズ信号レベルよりも小さくなるように、重点的に改善することによって、局部発振器から出力された位相ノイズによってテレビ放送の再生画像が劣化するのを防止するようにしているのである。
そして、このようにすれば、選局手段に設けられる局部発振器やこの局部発振器の発振周波数を制御する制御回路の精度を高めて、局部発振器から出力される位相ノイズを全周波数領域で抑制する必要がないので、選局手段、延いては、オフセットビートキャンセラを、比較的安価に実現できることになる。
ここで、本発明(請求項1)のように、局部発振器から出力される位相ノイズの内、局部発振器の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域の位相ノイズを重点的に抑制する際には、請求項2に記載のように、その周波数領域のノイズ信号レベルと局部発振器の発振周波数の信号レベルとのレベル差を95dB以上(より好ましくは100dB以上)にすることが望ましい。
なお、この数値は、局部発振器の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域のノイズ信号レベルと局部発振器の発振周波数の信号レベルとのレベル差を変化させて画質を評価した評価結果に基づくものである。つまり、画質評価の結果、上記レベル差が95dBよりも低いと画像にビートが残ってしまい、ビートを確認できなくなるのは、上記レベル差を95dB以上にしたときであったことから、請求項2に記載のオフセットビートキャンセラでは、上記レベル差を95dB以上に設定するようにしているのである。
また、本発明(請求項1)のように局部発振器から出力される位相ノイズの一部を改善するに当たって、選局手段が、発振周波数を制御可能な周波数可変発振器からなる局部発振器と、発振周波数が固定された基準発振器と、基準発振器からの出力と局部発振器からの出力との周波数の比が予め設定された値となるように局部発振器の発振周波数を制御するPLL回路と、このPLL回路から局部発振器への制御信号の出力経路に設けられたローパスフィルタとを備えている場合には、請求項3に記載のように、ローパスフィルタのフィルタ特性を調整するようにすればよい。
なお、本発明(請求項1〜請求項3)のオフセットビートキャンセラにおいて、映像信号処理手段としては、従来技術の項で説明した従来のオフセットビートキャンセラと同様に、選局手段から出力される映像中間周波信号の中から希望波の映像搬送波を抽出し、この映像搬送波を用いて映像中間周波信号を直交検波することにより、妨害波信号成分を含むQ信号を生成し、その生成したQ信号から妨害波信号成分を抽出して、この妨害波信号成分を映像中間周波信号から除去するように構成してもよい。
しかし、こうした従来のオフセットビートキャンセラでは、直交検波後のQ信号から妨害波信号成分を抽出するのにアナログフィルタを用いているため、フィルタ特性を安定化させるために温度変化の小さい環境下で使用しなければならないという問題がある。
そこで、本発明のオフセットビートキャンセラを温度変化の大きい環境下で使用できるようにするには、映像信号処理手段を、請求項4に記載のように構成するとよい。
即ち、請求項4に記載のオフセットビートキャンセラにおいて、映像信号処理手段は、映像中間周波信号を直交検波することによりI信号とQ信号とを生成し、その生成したQ信号をA/D変換してデジタル処理することによりI信号に含まれる妨害波信号成分を生成し、その生成した妨害波信号成分をI信号から除去することにより、妨害波信号成分を除去した映像信号を生成するように構成されている。
即ち、請求項4に記載のオフセットビートキャンセラにおいて、映像信号処理手段は、映像中間周波信号を直交検波することによりI信号とQ信号とを生成し、その生成したQ信号をA/D変換してデジタル処理することによりI信号に含まれる妨害波信号成分を生成し、その生成した妨害波信号成分をI信号から除去することにより、妨害波信号成分を除去した映像信号を生成するように構成されている。
従って、この請求項4に記載のオフセットビートキャンセラによれば、映像信号処理手段において、Q信号をデジタル処理することにより妨害波信号成分を生成することから、妨害波信号成分を周囲温度の影響を受けることなく安定して生成することができるようになり、例えば、ホーム共同受信等を行うために温度変化の大きい環境下に設置しても、受信信号から妨害波信号成分を良好に除去することができるようになる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は本発明が適用された第1実施例のテレビ放送受信システム全体の構成を表わす概略構成図である。なお、本実施例のテレビ放送受信システムは日本国内用のものであり、以下に説明するVHF帯及びUHF帯のテレビ放送は、帯域幅が6MHzのNTSC方式で行われるものとする。
図1は本発明が適用された第1実施例のテレビ放送受信システム全体の構成を表わす概略構成図である。なお、本実施例のテレビ放送受信システムは日本国内用のものであり、以下に説明するVHF帯及びUHF帯のテレビ放送は、帯域幅が6MHzのNTSC方式で行われるものとする。
図1に示す如く、本実施例のテレビ放送受信システムは、屋外に設置したアンテナからの受信信号を伝送線を介して建造物内の各部屋に伝送する共同受信システムであり、テレビ放送受信用の受信アンテナとして、地上局から送信されたVHF帯及びUHF帯の放送電波をそれぞれ受信するVHFアンテナ2及びUHFアンテナ4と、放送衛星(BS)や通信衛星(CS)からの送信電波を受信するBS/CSアンテナ6とを備える。
なお、BS/CSアンテナ6は、反射鏡6aと、支持腕を介して反射鏡6aの焦点位置に配置された受信部6bとからなり、受信部6bに内蔵されたコンバータによって、受信信号をBS/CS−IF信号に周波数変換(ダウンコンバート)して出力する。
そして、これら各受信アンテナ2〜6からの受信信号(VHF受信信号、UHF受信信号、BS/CS−IF信号)は、それぞれ、同軸ケーブルからなる伝送線を介して、ブースタ(増幅器)8まで伝送され、このブースタ8にて所定レベルまで増幅される。また、ブースタ8にて増幅された各受信信号(VHF受信信号、UHF受信信号、BS/CS−IF信号)は、ブースタ8内で混合されて、後段のオフセットビートキャンセラ20に入力され、このオフセットビートキャンセラ20から端末側の伝送線上に出力される。
また、端末側の伝送線には、分配器10が接続されており、オフセットビートキャンセラ20から出力された受信信号は、分配器10にて複数系統(図では4系統)に分配され、更に、その分配された各系統の伝送線上に直列に接続された複数の直列ユニット12を介して、各直列ユニット12が設置された各部屋の受信端末まで伝送される。
次に、このオフセットビートキャンセラ20の構成を図2を用いて詳しく説明する。
図2に示すように、オフセットビートキャンセラ20は、ブースタ8から出力された受信信号を伝送線(同軸ケーブル)を介して入力するための入力端子Tinと、受信信号を出力するための出力端子Toutとを備える。
図2に示すように、オフセットビートキャンセラ20は、ブースタ8から出力された受信信号を伝送線(同軸ケーブル)を介して入力するための入力端子Tinと、受信信号を出力するための出力端子Toutとを備える。
そして、入力端子Tinに入力された受信信号の内、BS/CS−IF信号は、この信号のみを選択的に通過させるハイパスフィルタ(以下、ハイパスフィルタをHPFと記載する)24を介して内部に取り込まれ、ビートキャンセラ20内に形成されたBS/CS−IF信号用の通過経路、及び、出力端子Tout側に設けられたHPF26を介して、出力端子Toutまで伝送されて、出力端子Toutから端末側に出力される。
また、入力端子Tinに入力された受信信号の内、VHF受信信号及びUHF受信信号は、VHF及びUHF帯の受信信号のみを選択的に通過させるローパスフィルタ(以下、ローパスフィルタをLPFと記載する)22を介して内部に取り込まれ、分配回路28にて2分配される。そして、この分配回路28にて分配された一方の受信信号(VHF・UHF信号)は、ビートキャンセラ20内に形成されたVHF・UHF信号用の通過経路を介して、出力端子Tout側の混合回路42まで伝送される。
一方、分配回路28にて分配された他方の受信信号は、UHF選局部30に入力される。このUHF選局部30は、制御部50から選局チャンネル制御信号によって指定されたUHF帯で所定放送チャンネルのテレビ放送信号を選局して、映像搬送波が所定周波数(例えば、58.75MHz)となる映像中間周波信号(映像IF信号)と、音声搬送波がNTSC方式で規定された所定周波数(4.5MHz)となる音声中間周波信号(音声IF信号)とを出力する。なお、このUHF選局部30は、本発明の選局手段に相当する。
そして、UHF選局部30から出力された映像IF信号は、直交検波部32に入力され、この直交検波部32にて、映像IF信号に含まれる映像搬送波を用いて直交検波される。また、この直交検波部32で直交検波されたI信号とQ信号とは、それぞれ、ビートキャンセル用のデジタル処理部34に入力され、デジタル処理部34にて、妨害波信号成分を除去したベースバンドの映像信号に変換される。
そして、この映像信号と、UHF選局部30から出力された音声IF信号とは、それぞれ、UHF変調部36に入力され、このUHF変調部36にて、制御部50から出力チャンネル制御信号によって指定された所定放送チャンネル(出力チャンネル)のUHF帯のテレビ放送信号に変換される。
なお、このUHF変調部36は、本発明のテレビ放送信号生成手段に相当するものであるが、このテレビ放送信号生成手段としては、本実施例のUHF変調部36のように、必ずしもUHF帯のテレビ放送信号を生成する必要はなく、VHF帯のチャンネル或いはCATVチャンネルのテレビ放送信号を生成するようにしてもよい。
次に、このUHF変調部36にて生成されたテレビ放送信号は、UHF帯のテレビ放送信号のみを選択的に通過させるバンドパスフィルタ(以下、バンドパスフィルタをBPFと記載する)38を介して、ゲインコントロール(GC)用のボリュームVRを備えた増幅部40に入力され、この増幅部40にて所定レベルまで増幅された後、混合回路42に入力される。
この結果、混合回路42では、VHF・UHF信号用の通過経路を通過したVHF・UHF信号とUHF変調部36で生成された所定出力チャンネルのテレビ放送信号とが混合されることになる。
そして、この混合回路42にて混合されたVHF・UHF信号は、増幅回路44にて所定レベルまで更に増幅された後、VHF及びUHF帯の受信信号のみを選択的に通過させるLPF46を介して、出力端子Toutまで伝送され、出力端子Toutから、BS/CS−IF信号と一緒に端末側に出力される。
ここで、デジタル処理部34と直交検波部32とは、本発明の映像信号処理手段に相当するものであり、本実施例では、デジタル処理部34において、Q信号をデジタル処理することにより、I信号に含まれる妨害波信号成分を生成し、I信号からこの妨害波信号成分を除去する。
つまり、映像IF信号に含まれる希望波映像信号をA(t)、その搬送波(映像搬送波)をcos(ωt)とし、妨害波映像信号をB(t)、その搬送波(映像搬送波)をcos{(ω+δ)t+Φ}とした場合、映像IF信号は、
映像IF信号=A(t)cos(ωt)
+B(t)cos{(ω+δ)t+Φ}
と記述でき、直交検波後のI信号及びQ信号は、それぞれ、
I信号=A(t)+B(t)cos(δt+Φ)
Q信号=B(t)sin(δt+Φ)
となることから、デジタル処理部34では、Q信号をデジタル処理することにより、I信号に含まれる妨害波信号成分である「B(t)cos(δt+Φ)」を生成し、この妨害波信号成分をI信号から除去するのである。
映像IF信号=A(t)cos(ωt)
+B(t)cos{(ω+δ)t+Φ}
と記述でき、直交検波後のI信号及びQ信号は、それぞれ、
I信号=A(t)+B(t)cos(δt+Φ)
Q信号=B(t)sin(δt+Φ)
となることから、デジタル処理部34では、Q信号をデジタル処理することにより、I信号に含まれる妨害波信号成分である「B(t)cos(δt+Φ)」を生成し、この妨害波信号成分をI信号から除去するのである。
具体的には、再生したテレビ画像からビートを除去するには、映像信号の低域成分(周波数:0〜数十kHz)に関して妨害波信号成分を除去できれば充分であることから、デジタル処理部34では、図3に示すように、まず、Q信号をA/D変換部60を介してデジタルデータとして取り込み、その取り込んだQ信号を、LPFとして機能するフィルタ部62にてフィルタ処理することにより、Q信号の低域成分のみを抽出し、ビート成分生成部64にて、その抽出したQ信号の低域成分から、上記妨害波信号成分「B(t)cos(δt+Φ)」を生成する。
また、デジタル処理部34では、I信号をA/D変換部61を介してデジタルデータとして取り込み、その取り込んだI信号を、LPFとして機能するフィルタ部63と、HPFとして機能するフィルタ部67とを用いて、I信号の低域成分と高域成分とに分離する。
そして、ビート成分生成部64から出力される妨害波信号成分は、ビート成分生成部64の処理動作によって、各フィルタ部63、67を通過したI信号の低域成分及び高域成分よりも遅れることから、フィルタ部63、67を通過したI信号の低域成分及び高域成分を、ビート成分生成部64で生成された妨害波信号成分と同期させるために、I信号の低域成分及び高域成分を、それぞれ、遅延処理部65、68で遅延処理する。
そして、最後に、減算処理部66にて、遅延処理後のI信号の低域成分からビート成分生成部64で生成された妨害波信号成分を減算する減算処理を行い、更に、その減算処理後のI信号の低域成分と遅延処理後のI信号の高域成分とを加算処理部69にて加算処理することにより、妨害波信号成分を除去した映像信号(詳しくは映像データ)を生成し、これをD/A変換部69aにてアナログの映像信号に変換した後、BPF38に出力する。
従って、デジタル処理部34からは、オフセットビート障害の原因となる妨害波信号成分を除去した映像信号が出力されることになり、しかも、デジタル処理部34では、直交検波後のI信号及びQ信号を一旦デジタルデータに変換してデジタル処理することにより、妨害波信号成分を除去した映像信号を生成することから、周囲温度の影響を受けることなく、妨害波信号成分を除去した映像信号を安定して生成することができる。
次に、オフセットビートキャンセラ20には、UHF変調部36が生成するテレビ放送信号の放送チャンネル(出力チャンネル)を外部操作によって設定できるようにするために、出力チャンネル設定部48が設けられている。
そして、制御部50は、マイクロコンピュータにて構成されており、この出力チャンネル設定部48から入力される出力チャンネルの設定指令に従い、UHF変調部36がテレビ放送信号を生成する際の放送チャンネル(出力チャンネル)を制御する。
また、UHF選局部30の選局チャンネルは、予めEEPROM52に記憶されており、制御部50は、UHF選局部30の選局チャンネルを、このEEPROM52に記憶された選局チャンネルに固定する。
なお、オフセットビートキャンセラ20には、図示しないDCアダプタ等から例えば直流15Vの直流電源を供給するための電源入力端子Tdcが設けられており、上述した各内部回路には、この電源入力端子Tdcに供給された直流電源から上述した内部回路を動作させるための各種電源電圧を生成する電源部56を介して、動作用の電源電圧を供給するようにされている。
ところで、本実施例のオフセットビートキャンセラ20においては、デジタル処理部34において、直交検波部32で得られたQ信号をデジタル処理することによって、映像信号に含まれる妨害波信号成分を生成し、これをI信号から除去するようにしているので、妨害波信号成分をアナログフィルタを用いて生成する従来のオフセットビートキャンセラに比べて、周囲温度の影響を受けることなく妨害波信号成分を除去することができるようになるのであるが、UHF選局部30で受信信号から映像IF信号を生成するのに用いられる局部発振器70(図4参照)から出力される位相ノイズの信号レベルが高いと、オフセットビートキャンセラ20でオフセットビート障害の原因となる妨害波信号成分を除去したにも関わらず、オフセットビートキャンセラ20から出力されるテレビ放送信号を受信端末で再生した際の再生画像にビートが発生してしまうことがある。
そこで、本実施例では、こうした問題を防止するため、UHF選局部30に内蔵された局部発振器70の出力特性を、局部発振器70の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分(詳しくは10kHz〜20kHz)だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域のノイズ信号レベルが、その周波数領域よりも更に高周波側及び低周波側のノイズ信号レベルよりも小さくなり、しかも、その周波数領域のノイズ信号レベルと局部発振器70の発振周波数の信号レベルとのレベル差が95dB以上となるように設定している。
即ち、UHF選局部30は、図4に示すように、電圧制御型の周波数可変発振器(VCO)からなる局部発振器70を備え、この局部発振器70から出力される局部発振信号Loと分配回路28を介して入力される受信信号(VHF・UHF信号)とを混合することにより、制御部50から指定された所定チャンネルのテレビ放送信号の映像搬送波が所定周波数(例えば、58.75MHz)となるように受信信号を周波数変換し、更に、映像・音声分離フィルタ74にて、その周波数変換後の受信信号の中から、所定チャンネルのテレビ放送信号の映像信号(詳しくは映像IF信号)と音声信号とをそれぞれ分離し、更に、その分離した音声信号を周波数変換部78で周波数変換することにより、音声信号を所定周波数(4.5MHz)の音声IF信号に変換し、この音声IF信号と映像・音声分離フィルタ74にて分離した映像信号(映像IF信号)とを、それぞれ、出力するように構成されている。
また、UHF選局部30には、制御部50から指定された所定チャンネルのテレビ放送信号を選局して、その映像IF信号及び音声IF信号を出力できるようにするために、発振周波数が固定された基準発振器80と、この基準発振器80からの出力と局部発振器70からの出力との周波数の比が制御部50からの選局チャンネル制御信号に対応した値となるように局部発振器70の発振周波数を制御するPLL回路82と、PLL回路82から局部発振器70への制御信号の出力経路に設けられたLPF(ローパスフィルタ)84とが備えられている。
そして、本実施例では、このLPF84のフィルタ特性を調整することによって、局部発振器70の出力特性を上記のように設定し、局部発振器70から出力される位相ノイズによって再生画像が劣化するのを防止しているのである。
従って、本実施例のオフセットビートキャンセラ20によれば、受信信号に含まれる妨害波信号成分によって所定放送チャンネルのテレビ放送信号を受信端末側で再生した際に生じるオフセットビート障害を防止できるだけでなく、オフセットビート障害を防止するためにUHF選局部30でテレビ放送信号を選局するのに用いられる局部発振器70からの位相ノイズによって再生画像が劣化するのも防止でき、UHF選局部30で選局したテレビ放送信号を受信端末側で綺麗に再生できることになる。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、デジタル処理部34において、I信号を低域成分と高域成分とに分離するものとして説明したが、I信号は必ずしも分離する必要はなく、単にA/D変換部61でA/D変換したI信号をそのまま遅延処理部で遅延させて、そのI信号から妨害波信号成分を除去するようにしてもよい。
例えば、上記実施例では、デジタル処理部34において、I信号を低域成分と高域成分とに分離するものとして説明したが、I信号は必ずしも分離する必要はなく、単にA/D変換部61でA/D変換したI信号をそのまま遅延処理部で遅延させて、そのI信号から妨害波信号成分を除去するようにしてもよい。
また、上記実施例では、妨害波信号成分を除去するためにデジタル処理部34を用いるものとして説明したが、上述した従来装置のように、映像IF信号を直交検波することにより得られるQ信号からアナログフィルタを用いて妨害波信号成分を生成し、この妨害波信号成分を映像IF信号に対応した周波数にアップコンバートして、そのアップコンバート後の妨害波信号成分を映像IF信号から除去するようにしてもよい。但し、この場合には、オフセットビートキャンセラの特性が変化することのないよう、オフセットビートキャンセラを、温度変化が小さい環境下で使用する必要はある。
2…VHFアンテナ、4…UHFアンテナ、6…BS/CSアンテナ、8…ブースタ、10…分配器、12…直列ユニット、20…オフセットビートキャンセラ、22,46,82…LPF、24,26…HPF、28…分配回路、30…UHF選局部、32…直交検波部、34…デジタル処理部、36…UHF変調部、38…BPF、40…増幅部、42…混合回路、44…増幅回路、48…出力チャンネル設定部、50…制御部、52…EEPROM、56…電源部、60,61…A/D変換部、62,63,67…フィルタ部、64…ビート成分生成部、65,68…遅延処理部、66…減算処理部、69…加算処理部、69a…D/A変換部、70…局部発振器、72…ミキサ、74…映像・音声分離フィルタ、78…周波数変換部、80…基準発振器、82…PLL回路、Tdc…電源入力端子、Tin…入力端子、Tout…出力端子、VR…ボリューム。
Claims (4)
- 受信アンテナから入力される受信信号の中から、希望波に対して送信周波数が所定周波数オフセットされた妨害波を含む所定放送チャンネルのテレビ放送信号を選局して、該テレビ放送信号の映像中間周波数信号及び音声中間周波信号を出力する選局手段と、
該選局手段から出力される映像中間周波信号を直交検波することにより、該映像中間周波信号に含まれる妨害波信号成分を抽出し、該抽出した妨害波信号成分を除去した映像信号若しくは映像中間周波信号を生成する映像信号処理手段と、
該映像信号処理手段にて生成された映像信号若しくは映像中間周波信号と、前記選局復調手段から出力される音声中間周波信号とに基づき、所定放送チャンネルのテレビ放送信号を生成するテレビ放送信号生成手段と、
を備え、該生成されたテレビ放送信号を受信信号として出力するオフセットビートキャンセラであって、
前記選局手段が前記受信信号から所定放送チャンネルのテレビ放送信号の映像信号を前記映像中間周波信号に周波数変換するのに使用する局部発振器の出力特性を、該局部発振器の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域のノイズ信号レベルが、該周波数領域よりも更に高周波側及び低周波側のノイズ信号レベルよりも小さくなるように設定したことを特徴とするオフセットビートキャンセラ。 - 前記局部発振器の発振周波数から映像信号の水平同期周波数分だけ高周波側及び低周波側にずれた周波数領域のノイズ信号レベルと、前記局部発振器の発振周波数の信号レベルとのレベル差は、95dB以上であることを特徴とする請求項1記載のオフセットビートキャンセラ。
- 前記選局手段において受信信号を前記映像中間周波信号に変換するのに使用される局部発振器は、発振周波数を制御可能な周波数可変発振器からなり、
前記選局手段には、該局部発振器に加えて、発振周波数が固定された基準発振器と、該基準発振器からの出力と前記局部発振器からの出力との周波数の比が予め設定された値となるように前記局部発振器の発振周波数を制御するPLL回路と、該PLL回路から前記局部発振器への制御信号の出力経路に設けられたローパスフィルタと、が備えられ、
前記局部発振器の出力特性は、前記ローパスフィルタのフィルタ特性を調整することによって設定されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオフセットビートキャンセラ。 - 前記映像信号処理手段は、前記直交検波回路を用いて前記映像中間周波信号を直交検波することによりI信号とQ信号とを生成し、該生成したQ信号をA/D変換してデジタル処理することにより前記I信号に含まれる妨害波信号成分を生成し、該生成した妨害波信号成分を前記I信号から除去することにより、前記妨害波信号成分を除去した映像信号を生成することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載のオフセットビートキャンセラ。
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