JP2004303877A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トレンチ構造の絶縁ゲート型FET等の半導体素子を生産性良く製造することができなかった。
【解決手段】P型半導体領域1とN型半導体領域2とN+型半導体領域3とを有する半導体基板4にトレンチ12を設ける。制御装置16に接続された赤外線ランプ13から半導体基板4に赤外線を照射し、半導体基板4の表面領域を流動化させ、トレンチ12の入口の角部12cと底の角部12dとに丸みを付け、同時にダメージ及びラフネスを除去する。赤外線の強さ及び照射時間を制御装置16で制御する。トレンチ12の側面にゲート絶縁膜17を設ける。ゲート絶縁膜17を介してトレンチ12の中にゲート電極としての多結晶シリコン導電体層を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】P型半導体領域1とN型半導体領域2とN+型半導体領域3とを有する半導体基板4にトレンチ12を設ける。制御装置16に接続された赤外線ランプ13から半導体基板4に赤外線を照射し、半導体基板4の表面領域を流動化させ、トレンチ12の入口の角部12cと底の角部12dとに丸みを付け、同時にダメージ及びラフネスを除去する。赤外線の強さ及び照射時間を制御装置16で制御する。トレンチ12の側面にゲート絶縁膜17を設ける。ゲート絶縁膜17を介してトレンチ12の中にゲート電極としての多結晶シリコン導電体層を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレンチ等の凹部又は凸部を有する半導体素子の製造方法に関し、特に角部に丸みを付ける工程を有する半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−16080号公報
【特許文献2】特開平3−34541号公報
近年、半導体集積回路の高集積化(微細化)や半導体素子のON抵抗の低減化等を目的として、トレンチ(溝)構造の半導体素子が実用化されている。例えば、前記特許文献1にゲ−トをトレンチ構造としたMOSFET(トレンチゲ−ト型MOSFET)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような半導体素子のトレンチ構造は、半導体基板に周知の異方性エッチング(例えばRIE;Reactive Ion Etching)を施すことにより形成される。
しかし、このエッチングによって得られたトレンチの側壁面はダメ−ジ層を有する。また、トレンチの側壁面は、平坦な面ではなく、粗い凹凸を有する。更に、トレンチ開口部の縁部には、種々の半導体製造プロセスを経る過程において応力が加わり、結晶欠陥が発生することもある。
このような、ダメ−ジ層、凹凸(ラフネス)、結晶欠陥等が発生すると、例えばトレンチゲ−ト型MOSFETにおいては、トレンチの側壁面に薄く均一なゲ−ト酸化膜を良好に形成することができず、ゲ−ト酸化膜の破壊耐量の低下等を招来する。特に、トレンチ開口部の縁部においては、このような問題が発生し易い。
【0004】
上述の問題を解決するために、トレンチの開口縁に曲率部又は傾斜部を形成して、結晶欠陥を除去すると共に、ゲ−ト酸化膜のカバレッジを向上させる技術がある。
前記特許文献2に、トレンチの開口側、即ち半導体基板の表面側に相対的に不純物濃度の高い拡散領域を形成し、この不純物領域のエッチングレ−トが高いことを利用して、等方性エッチングによりトレンチ開口縁に曲率部を形成する方法が開示されている。
上述の方法によると、トレンチ開口縁に丸みが付けられ、ゲ−ト酸化膜のカバレッジ等が向上するが、エッチング工程の数が増加するため、生産コストが高くなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、半導体基板の凹部又は凸部の角部即ち縁部に丸みを容易且つ良好に付けることができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、凹部又は凸部を有する半導体基板の表面に水素雰囲気中で電磁波を投射して熱処理を施すことにより前記凹部又は凸部の角部に丸み又は傾斜を付けることを特徴とする半導体素子の製造方法に係わるものである。
【0007】
なお、請求項2に示すように、前記電磁波は光であり、光を電気的制御可能な光投射源から投射することが望ましい。
また、請求項3に示すように、前記半導体基板は凹部を有するものであり、更に、前記熱処理によって前記凹部の角部に丸み又は傾斜を付けた後に、前記凹部の壁面に絶縁膜を形成する工程と、前記凹部の中に前記絶縁膜を介して導電体層を形成する工程とを有していることが望ましい。
また、請求項4に示すように、第1導電型の第1の半導体領域とこの第1の半導体領域に隣接配置された第2導電型の第2の半導体領域とを有する半導体基板を用意する工程と、第1の半導体領域と第2の半導体領域との間のPN接合の位置よりも深い溝を前記半導体基板に形成する工程と、前記溝を有する半導体基板の表面に、水素雰囲気中で、電磁波を投射して熱処理を施すことによって前記溝の入口の角部に丸み又は傾斜を付ける工程と、前記溝の壁面に絶縁膜を形成する工程と、前記溝の中に前記絶縁膜を介してゲ−ト電極用導電体層を形成する工程と、前記第1の半導体領域に第2導電型不純物を拡散してソ−ス領域を形成する工程と、前記ソ−ス領域に接続されたソ−ス電極を形成する工程と、前記第2の半導体領域に接続されたドレイン電極を形成する工程とを有していることが望ましい。
【0008】
【発明の作用及び効果】
各請求項の発明は次の作用及び効果を有する。
(1) 光波等の電磁波による熱処理によって半導体基板の角部に丸み又は傾斜を付けるので、従来の化学的エッチングによる方法に比べて製造が容易になり、且つ丸み又は傾斜の制御も容易になる。
(2) 水素雰囲気中で熱処理することによって半導体基板の表面領域の流動化が良好に得られ、丸み又は傾斜を良好に生じさせることができる。
また請求項2の発明によれば、電気的制御によって熱処理が容易且つ正確に制御でき、角部の丸み又は傾斜を良好に得ることができる。
また、請求項3の発明によれば、凹部に絶縁膜及び導電体を有する半導体素子を容易且つ良好に形成することができる。
また、請求項4の発明によれば、絶縁ゲ−ト型電界効果トランジスタ(FET)を容易且つ良好に形成することができる。
【0009】
【実施形態】
次に、本発明の一実施形態に従う半導体素子としてのトレンチ構造の絶縁ゲ−ト型FET及びその製造方法を図1〜図3を参照して説明する。
【0010】
図3(C)に示すトレンチ構造の絶縁ゲ−ト型FETを製造する際には、まず、図1(A)に示す第一導電型の第1の半導体領域としてのP型半導体領域1と第2導電型の第2の半導体領域としてのN型半導体領域2と第3の半導体領域としてのN+型半導体領域3とから成るシリコン半導体基板4を用意する。P型半導体領域1の一部は最終的にボデイ領域又はベ−ス領域として機能する。N型半導体領域2はドリフト領域又は高抵抗ドレイン領域として機能する。N+型半導体領域3はN型半導体領域2よりもN型(第2導電型)不純物を高い濃度で含み、低抵抗ドレイン領域として機能する。P型半導体領域1は半導体基板4の一方の主面5に露出するように配置されている。N型半導体領域2はP型半導体領域1とN+型半導体領域3との間に配置されている。N+型半導体領域3は半導体基板4の他方の主面6に露出するように配置されている。P型半導体領域1とN型半導体領域2との間のPN接合7は半導体基板4の一方の主面5及び他方の主面6に対して平行に配置されている。
図1(A)の半導体基板1は、N型半導体領域2を含むN型基板を母材とし、このN型半導体基板の一方の主面と他方の主面にそれぞれP型不純物とN型不純物を拡散導入して、P型半導体領域1と、N+型半導体領域3を形成したものである。勿論、P型半導体領域1を、N型半導体領域2の上に周知のエピタキシャル成長によって形成することもできる。
実際のFETは微小FET(セル)の集合体から成るが、図1〜図3には1個の微小FET(セル)部分のみが示されている。また、多数のFETを製造する時には1枚の半導体基板(ウエハ)に多数のFET領域を設け、多数のFETを同時に形成する。
【0011】
次に、半導体基板4の一方の主面5の上に周知のCVD方法等によってシリコン酸化膜8を形成する。このシリコン酸化膜8は後述のようにトレンチをエッチングで形成する際のマスクを構成するものである。このため、マスク機能が十分に得られるように、シリコン酸化膜8の厚みは5000オングストロ−ム程度に設定されている。
【0012】
次に、図1(B)に示すように、周知のフォトリソグラフィ−技術を使用して、シリコン酸化膜8の上に所定の開口10を有するレジスト層9を形成する。次に、レジスト層9をマスクとしてシリコン酸化膜8に選択的エッチングを施し、図1(B)に示す開口11を形成する。開口11の平面形状は丸形であるが、四角形、格子状、ストライプ状等の任意の形状に変形できる。シリコン酸化膜5の開口11の部分にはP形半導体領域1の表面が露出している。図1〜図2には1個の微少FET(セル)のための1個の開口11が示されているが、半導体基板4の図示されていない領域に別の微小FET(セル)のための開口11も設けられている。多数の微小FET(セル)のための開口11は実質的に同一面積及び同一パタ−ンを有して均一又はほぼ均一に分布している。
【0013】
次に、アッシャ−によってレジスト層9を灰化することで、図1(C)に示すようにシリコン酸化膜8の上面からレジスト層9を除去する。
【0014】
次に、シリコン酸化膜5から成るマスクを使用して、半導体基板4に周知のRIE等を用いた異方性エッチングを施して、図2(A)に示す凹部としてのトレンチ12即ち溝を形成する。トレンチ12は、図示のように、半導体基板4の一方の主面5から他方の主面6に向かってほぼ垂直に延伸する側壁面12aと、この側壁面12aの下端部に形成された底面12bとを有する。トレンチ12の半導体基板4の一方の主面5からの深さは、一方の主面5からPN接合7までの深さよりも深い。従って、トレンチ12の底面12bにN型半導体領域2が露出し、トレンチ12の側壁面12aにはPN接合7が露出している。半導体基板4の一方の主面5におけるトレンチ12の入口即ち縁部に90度又はほぼ90度の角部12cが生じている。また、側壁面12aと底面12bとの間に90度又はほぼ90度の角部12dが生じている。
なお、本実施形態のトレンチ12の平面形状即ち一方の主面5に垂直な方向から見た形状は円形であるが、四角形、格子状、ストライプ状等の任意の形状にすることができる。
【0015】
異方性エッチング直後のトレンチ12の側壁面12aの近傍には、上述の異方性エッチングによって不可避的に発生するダメージ層が形成されている。また、このダメージ層の表面は平坦ではなく、粗い凹凸面(ラフネス)となっている。もし、この状態でトレンチ側壁面12aにゲート酸化膜を形成すると、厚みが均一な薄いゲート酸化膜を設けることができず、ゲート酸化膜の破壊耐量低下等を引き起こしてしまう。
【0016】
次に、シリコン酸化膜8を、HF系のエッチング液(BHF)を使用したウェットエッチングによって半導体基板4の主面5から除去する。これにより、半導体基板4の主面5には、トレンチ12が形成されたP型半導体領域1の上面が露出する。
【0017】
次に、トレンチ12が形成された半導体基板4に対して、水素雰囲気中でランプアニール法による熱処理を施す。即ち、水素ガスで満たされて密閉されたチャンバー(容器)内に半導体基板4を配置し、図2(B)に示すように半導体基板4のトレンチ12が形成された一方の主面5に対して電磁波放射源としての赤外線ランプ13から電磁波の一種である赤外線14を照射して熱処理を施す。赤外線ランプ13とこの駆動電源端子15との間には制御装置16が接続されている。従って、赤外線ランプ13の光出力の強さ及び照射時間を制御装置16によって電気的に制御することができる。水素雰囲気中で半導体基板4の表面に赤外線14を照射すると、半導体基板4が加熱され、この表面領域が流動化状態になる。本実施形態では、半導体基板4に対して常圧の水素雰囲気中において、加熱温度が1000℃、加熱時間が30秒の熱処理を施した。なお、チャンパ内に導入した半導体基板4に赤外線を照射しても、瞬時には半導体基板4の温度が1000℃に達しないで、例えば20℃/sec程度の昇温レートを有して徐々に上昇する。また、赤外線照射を止めても、瞬時には半導体基板の温度が常温まで低下しないで、例えば、−10℃/secの降温レートで徐々に低下する。
【0018】
半導体基板4の熱処理時の水素雰囲気を熱処理の全期間維持することが望ましいが、800℃よりも高い温度の期間のみに限定して水素雰囲気とし、800℃以下の温度範囲では不活性ガス(例えばN2ガス)雰囲気とすることができる。800℃よりも高い範囲で水素雰囲気にするのは、半導体基板4の表面部分の流動化を可能にするためである。もし、昇温過程で800℃よりも高い温度範囲においてN2ガス等の不活性ガス雰囲気で半導体基板4を熱処理すると、半導体と不活性ガス(N2ガス)との反応層(例えばシリコン窒化膜)が形成され、半導体基板4の表面領域に所望の流動性を持たせることができない。即ち、反応層が半導体基板4の表面をガードし、半導体基板4の形状を保持してしまい、所望の流動性を得ることができない。なお、800℃以下では、上述の反応層は形成されない。
降温過程においても800℃よりも高い範囲では水素雰囲気に保つのが望ましい。もし、降温過程において800℃よりも高い温度範囲の期間中に水素雰囲気から不活性ガス雰囲気に切り換えると、半導体基板4の流動化が急激に抑制され、トレンチ12の入口の角部12c又は下側の角部12dの丸みの度合、即ち曲率の制御を良好に行うことができなくなる。また、条件によっては、半導体基板4に残留応力が発生してしまう虞もある。従って、半導体基板4の温度が800℃よりも高い全期間によって水素雰囲気とすることが望ましい。なお、熱処理時の水素雰囲気は、水素100%の雰囲気であることが望ましいが、40%以上の水素と60%より少ない不活性ガスとの混合ガス雰囲気とすることもできる。従って、本発明における水素雰囲気は少なくとも水素を含む雰囲気である。
【0019】
半導体基板4を、水素雰囲気中で800℃を超える温度で加熱すると、図2(B)に示すように半導体基板4が流動化し、トレンチ12の入口の角部12c及び底の角部12dに丸み部分12c´,12d´が生じ、同時にトレンチ側壁面12aのダメージ、及びトレンチ側壁面12aに形成されたラフネスが除去される。なお、加熱温度と加熱時間は、要求される流動化の程度、換言すれば除去すべきダメージの程度、半導体基板4の材料、及び半導体基板4の不純物濃度等に応じて、それぞれ800〜1150℃、1〜60秒の任意の値に設定することができる。
【0020】
図2(B)に示すように制御装置16によって赤外線14の強さ、照射時間等を高精度に制御することができ、熱処理温度、熱処理時間の制御性が容易且つ良好になる。このため、半導体基板に対する丸み付け、及びダメージ除去等を化学的エッチングによる場合よりも容易且つ良好に達成できる。要するに、所望の丸み付け及びダメージ除去を再現性良く達成することができる。
また、ランプアニールによれば、短時間で半導体基板4を所望の温度に加熱できるため、半導体基板4内に既に形成されている不純物拡散領域等に与える熱処理の影響を最小限に抑えて、半導体基板4を流動化することができる。熱拡散炉を使用した通常の熱処理では、昇温時のレートは10℃/min、降温時のレ−トは−2.5℃/min程度が限界であり、これでは不純物拡散領域等に与える影響が大きく、また1回の処理に数時間を要してしまうため、実用的ではない。更に、ランプアニールを使用した熱処理は、通常の熱拡散炉を使用した水素熱処理に比較して、チャンバー容積が小さく、使用する水素も少量で済むため、安全性にも優れている。
【0021】
トレンチ12の丸め加工が終了したら、半導体基板4をチャンバーから取り出し、半導体基板4に酸化性雰囲気中で熱処理を施し、図2(C)に示すように、半導体基板4のトレンチ12内及び一方の主面5にシリコン酸化膜から成る絶縁膜17を形成する。絶縁膜17は、トレンチ12の底面に露出したN型半導体領域2の表面、トレンチ12の側壁に露出したN型半導体領域2及びP型半導体領域1の表面、半導体基板4の一方の主面5に露出したP型半導体領域1の表面を被覆するように形成される。絶縁膜17は、FETのゲート絶縁膜として使用するためのものであり、650オングストローム程度の厚みに形成される。
【0022】
本実施形態では、トレンチ12の入口及び底面の角部12c,12dがランプアニールの熱処理によって丸みを有する部分12c´,12d´に変えられ、所望の曲率を有していること、及びトレンチ側壁面12aのラフネスが良好に除去されていることにより、トレンチ12の全表面及び半導体基板4の一方の主面5に、クラックやピンホールの無い絶縁膜17を均一な厚みで形成することができる。
【0023】
次に、例えば周知のCVD法によって、半導体基板4の上面及びトレンチ12内に絶縁膜17を介して多結晶シリコン層を形成し、更にこの多結晶シリコン層に不純物をドープして図3(A)に示す多結晶シリコン導電体層18を得る。この多結晶シリコン導電体層18はゲート電極として使用される。
【0024】
次に、図3(B)に示すように、半導体基板4の主面5上に形成された多結晶シリコン導電体層18を除去した後、P型半導体領域1にN型不純物を拡散し、N+型半導体領域19を形成する。N+型半導体領域19はFETのソース領域として機能する。
【0025】
次に、図3(C)に示すようにN+型半導体領域19の上面にソース電極20を形成し、N+型半導体領域3の下面にドレイン電極21を形成し、Nチャネル絶縁ゲート型FETを完成させる。なお、ドレイン電極21を、ソース電極20よりも先に形成すること、又は同時に形成することもできる。ゲート電極としての多結晶シリコン導電体層18にソース電極20の電位よりも高い電位を与えると、P型半導体領域1のトレンチ12の側壁面に隣接する領域にチャネルが形成され、ドレイン電極21からソース電極20に向って電流が流れる。
【0026】
本実施形態は次の効果を有する。
(1) ランプアニール法によってトレンチ12の入口の角部12c及び底の角部12dに丸みを付け、同時にダメージ及びラフネス除去を行うので、従来の化学的エッチング又は加熱炉による熱処理による丸め加工よりも生産性が向上し、生産コストの低減を図ることができる。
(2) 赤外線ランプ13の光出力の強さ、時間を制御装置16で容易且つ正確に制御できるので、角部12c,12dの丸み付け、トレンチ12の側壁のダメージ及びラフネスの除去を容易且つ良好に達成することができ、電気的特性及び信頼性に優れた半導体素子即ち絶縁ゲート型FETを提供することができる。
【0027】
【変形例】
本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) トレンチ12の角部12c,12dの丸み付け、トレンチ側壁部のダメージ除去等をランプアニールのみで行なわずに、必要に応じて犠牲酸化等の技術を併用することもできる。
(2) トレンチ12の角部12c,12dをランプアニールによって傾斜面と見なせるような形状に変形することもできる。
(3) 赤外線と同様に加熱可能な別の電磁波を使用して半導体基板4を加熱することができる。
(4) トレンチ12のような凹部の角部の丸み付けのみでなく、半導体基板の凸部の角部の丸み付けにも本発明を適用することができる。
(5) 絶縁ゲート型FET以外の半導体素子にも本発明を適用することができる。
(6) N+型半導体領域3を省いてドレイン電極21をN型半導体領域2に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に従う絶縁ゲート型FETの製造工程を示す断面図である。
【図2】図1の工程に続く工程を示す断面図である。
【図3】図2の工程に続く工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ボディ領域用P型半導体領域
2 ドリフト領域用N型半導体領域
3 ドレイン領域用N+型半導体領域
12 トレンチ
13 赤外線ランプ
17 絶縁膜
18 ゲート用多結晶シリコン導電体層
19 ソース領域用N+型半導体領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレンチ等の凹部又は凸部を有する半導体素子の製造方法に関し、特に角部に丸みを付ける工程を有する半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−16080号公報
【特許文献2】特開平3−34541号公報
近年、半導体集積回路の高集積化(微細化)や半導体素子のON抵抗の低減化等を目的として、トレンチ(溝)構造の半導体素子が実用化されている。例えば、前記特許文献1にゲ−トをトレンチ構造としたMOSFET(トレンチゲ−ト型MOSFET)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような半導体素子のトレンチ構造は、半導体基板に周知の異方性エッチング(例えばRIE;Reactive Ion Etching)を施すことにより形成される。
しかし、このエッチングによって得られたトレンチの側壁面はダメ−ジ層を有する。また、トレンチの側壁面は、平坦な面ではなく、粗い凹凸を有する。更に、トレンチ開口部の縁部には、種々の半導体製造プロセスを経る過程において応力が加わり、結晶欠陥が発生することもある。
このような、ダメ−ジ層、凹凸(ラフネス)、結晶欠陥等が発生すると、例えばトレンチゲ−ト型MOSFETにおいては、トレンチの側壁面に薄く均一なゲ−ト酸化膜を良好に形成することができず、ゲ−ト酸化膜の破壊耐量の低下等を招来する。特に、トレンチ開口部の縁部においては、このような問題が発生し易い。
【0004】
上述の問題を解決するために、トレンチの開口縁に曲率部又は傾斜部を形成して、結晶欠陥を除去すると共に、ゲ−ト酸化膜のカバレッジを向上させる技術がある。
前記特許文献2に、トレンチの開口側、即ち半導体基板の表面側に相対的に不純物濃度の高い拡散領域を形成し、この不純物領域のエッチングレ−トが高いことを利用して、等方性エッチングによりトレンチ開口縁に曲率部を形成する方法が開示されている。
上述の方法によると、トレンチ開口縁に丸みが付けられ、ゲ−ト酸化膜のカバレッジ等が向上するが、エッチング工程の数が増加するため、生産コストが高くなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、半導体基板の凹部又は凸部の角部即ち縁部に丸みを容易且つ良好に付けることができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、凹部又は凸部を有する半導体基板の表面に水素雰囲気中で電磁波を投射して熱処理を施すことにより前記凹部又は凸部の角部に丸み又は傾斜を付けることを特徴とする半導体素子の製造方法に係わるものである。
【0007】
なお、請求項2に示すように、前記電磁波は光であり、光を電気的制御可能な光投射源から投射することが望ましい。
また、請求項3に示すように、前記半導体基板は凹部を有するものであり、更に、前記熱処理によって前記凹部の角部に丸み又は傾斜を付けた後に、前記凹部の壁面に絶縁膜を形成する工程と、前記凹部の中に前記絶縁膜を介して導電体層を形成する工程とを有していることが望ましい。
また、請求項4に示すように、第1導電型の第1の半導体領域とこの第1の半導体領域に隣接配置された第2導電型の第2の半導体領域とを有する半導体基板を用意する工程と、第1の半導体領域と第2の半導体領域との間のPN接合の位置よりも深い溝を前記半導体基板に形成する工程と、前記溝を有する半導体基板の表面に、水素雰囲気中で、電磁波を投射して熱処理を施すことによって前記溝の入口の角部に丸み又は傾斜を付ける工程と、前記溝の壁面に絶縁膜を形成する工程と、前記溝の中に前記絶縁膜を介してゲ−ト電極用導電体層を形成する工程と、前記第1の半導体領域に第2導電型不純物を拡散してソ−ス領域を形成する工程と、前記ソ−ス領域に接続されたソ−ス電極を形成する工程と、前記第2の半導体領域に接続されたドレイン電極を形成する工程とを有していることが望ましい。
【0008】
【発明の作用及び効果】
各請求項の発明は次の作用及び効果を有する。
(1) 光波等の電磁波による熱処理によって半導体基板の角部に丸み又は傾斜を付けるので、従来の化学的エッチングによる方法に比べて製造が容易になり、且つ丸み又は傾斜の制御も容易になる。
(2) 水素雰囲気中で熱処理することによって半導体基板の表面領域の流動化が良好に得られ、丸み又は傾斜を良好に生じさせることができる。
また請求項2の発明によれば、電気的制御によって熱処理が容易且つ正確に制御でき、角部の丸み又は傾斜を良好に得ることができる。
また、請求項3の発明によれば、凹部に絶縁膜及び導電体を有する半導体素子を容易且つ良好に形成することができる。
また、請求項4の発明によれば、絶縁ゲ−ト型電界効果トランジスタ(FET)を容易且つ良好に形成することができる。
【0009】
【実施形態】
次に、本発明の一実施形態に従う半導体素子としてのトレンチ構造の絶縁ゲ−ト型FET及びその製造方法を図1〜図3を参照して説明する。
【0010】
図3(C)に示すトレンチ構造の絶縁ゲ−ト型FETを製造する際には、まず、図1(A)に示す第一導電型の第1の半導体領域としてのP型半導体領域1と第2導電型の第2の半導体領域としてのN型半導体領域2と第3の半導体領域としてのN+型半導体領域3とから成るシリコン半導体基板4を用意する。P型半導体領域1の一部は最終的にボデイ領域又はベ−ス領域として機能する。N型半導体領域2はドリフト領域又は高抵抗ドレイン領域として機能する。N+型半導体領域3はN型半導体領域2よりもN型(第2導電型)不純物を高い濃度で含み、低抵抗ドレイン領域として機能する。P型半導体領域1は半導体基板4の一方の主面5に露出するように配置されている。N型半導体領域2はP型半導体領域1とN+型半導体領域3との間に配置されている。N+型半導体領域3は半導体基板4の他方の主面6に露出するように配置されている。P型半導体領域1とN型半導体領域2との間のPN接合7は半導体基板4の一方の主面5及び他方の主面6に対して平行に配置されている。
図1(A)の半導体基板1は、N型半導体領域2を含むN型基板を母材とし、このN型半導体基板の一方の主面と他方の主面にそれぞれP型不純物とN型不純物を拡散導入して、P型半導体領域1と、N+型半導体領域3を形成したものである。勿論、P型半導体領域1を、N型半導体領域2の上に周知のエピタキシャル成長によって形成することもできる。
実際のFETは微小FET(セル)の集合体から成るが、図1〜図3には1個の微小FET(セル)部分のみが示されている。また、多数のFETを製造する時には1枚の半導体基板(ウエハ)に多数のFET領域を設け、多数のFETを同時に形成する。
【0011】
次に、半導体基板4の一方の主面5の上に周知のCVD方法等によってシリコン酸化膜8を形成する。このシリコン酸化膜8は後述のようにトレンチをエッチングで形成する際のマスクを構成するものである。このため、マスク機能が十分に得られるように、シリコン酸化膜8の厚みは5000オングストロ−ム程度に設定されている。
【0012】
次に、図1(B)に示すように、周知のフォトリソグラフィ−技術を使用して、シリコン酸化膜8の上に所定の開口10を有するレジスト層9を形成する。次に、レジスト層9をマスクとしてシリコン酸化膜8に選択的エッチングを施し、図1(B)に示す開口11を形成する。開口11の平面形状は丸形であるが、四角形、格子状、ストライプ状等の任意の形状に変形できる。シリコン酸化膜5の開口11の部分にはP形半導体領域1の表面が露出している。図1〜図2には1個の微少FET(セル)のための1個の開口11が示されているが、半導体基板4の図示されていない領域に別の微小FET(セル)のための開口11も設けられている。多数の微小FET(セル)のための開口11は実質的に同一面積及び同一パタ−ンを有して均一又はほぼ均一に分布している。
【0013】
次に、アッシャ−によってレジスト層9を灰化することで、図1(C)に示すようにシリコン酸化膜8の上面からレジスト層9を除去する。
【0014】
次に、シリコン酸化膜5から成るマスクを使用して、半導体基板4に周知のRIE等を用いた異方性エッチングを施して、図2(A)に示す凹部としてのトレンチ12即ち溝を形成する。トレンチ12は、図示のように、半導体基板4の一方の主面5から他方の主面6に向かってほぼ垂直に延伸する側壁面12aと、この側壁面12aの下端部に形成された底面12bとを有する。トレンチ12の半導体基板4の一方の主面5からの深さは、一方の主面5からPN接合7までの深さよりも深い。従って、トレンチ12の底面12bにN型半導体領域2が露出し、トレンチ12の側壁面12aにはPN接合7が露出している。半導体基板4の一方の主面5におけるトレンチ12の入口即ち縁部に90度又はほぼ90度の角部12cが生じている。また、側壁面12aと底面12bとの間に90度又はほぼ90度の角部12dが生じている。
なお、本実施形態のトレンチ12の平面形状即ち一方の主面5に垂直な方向から見た形状は円形であるが、四角形、格子状、ストライプ状等の任意の形状にすることができる。
【0015】
異方性エッチング直後のトレンチ12の側壁面12aの近傍には、上述の異方性エッチングによって不可避的に発生するダメージ層が形成されている。また、このダメージ層の表面は平坦ではなく、粗い凹凸面(ラフネス)となっている。もし、この状態でトレンチ側壁面12aにゲート酸化膜を形成すると、厚みが均一な薄いゲート酸化膜を設けることができず、ゲート酸化膜の破壊耐量低下等を引き起こしてしまう。
【0016】
次に、シリコン酸化膜8を、HF系のエッチング液(BHF)を使用したウェットエッチングによって半導体基板4の主面5から除去する。これにより、半導体基板4の主面5には、トレンチ12が形成されたP型半導体領域1の上面が露出する。
【0017】
次に、トレンチ12が形成された半導体基板4に対して、水素雰囲気中でランプアニール法による熱処理を施す。即ち、水素ガスで満たされて密閉されたチャンバー(容器)内に半導体基板4を配置し、図2(B)に示すように半導体基板4のトレンチ12が形成された一方の主面5に対して電磁波放射源としての赤外線ランプ13から電磁波の一種である赤外線14を照射して熱処理を施す。赤外線ランプ13とこの駆動電源端子15との間には制御装置16が接続されている。従って、赤外線ランプ13の光出力の強さ及び照射時間を制御装置16によって電気的に制御することができる。水素雰囲気中で半導体基板4の表面に赤外線14を照射すると、半導体基板4が加熱され、この表面領域が流動化状態になる。本実施形態では、半導体基板4に対して常圧の水素雰囲気中において、加熱温度が1000℃、加熱時間が30秒の熱処理を施した。なお、チャンパ内に導入した半導体基板4に赤外線を照射しても、瞬時には半導体基板4の温度が1000℃に達しないで、例えば20℃/sec程度の昇温レートを有して徐々に上昇する。また、赤外線照射を止めても、瞬時には半導体基板の温度が常温まで低下しないで、例えば、−10℃/secの降温レートで徐々に低下する。
【0018】
半導体基板4の熱処理時の水素雰囲気を熱処理の全期間維持することが望ましいが、800℃よりも高い温度の期間のみに限定して水素雰囲気とし、800℃以下の温度範囲では不活性ガス(例えばN2ガス)雰囲気とすることができる。800℃よりも高い範囲で水素雰囲気にするのは、半導体基板4の表面部分の流動化を可能にするためである。もし、昇温過程で800℃よりも高い温度範囲においてN2ガス等の不活性ガス雰囲気で半導体基板4を熱処理すると、半導体と不活性ガス(N2ガス)との反応層(例えばシリコン窒化膜)が形成され、半導体基板4の表面領域に所望の流動性を持たせることができない。即ち、反応層が半導体基板4の表面をガードし、半導体基板4の形状を保持してしまい、所望の流動性を得ることができない。なお、800℃以下では、上述の反応層は形成されない。
降温過程においても800℃よりも高い範囲では水素雰囲気に保つのが望ましい。もし、降温過程において800℃よりも高い温度範囲の期間中に水素雰囲気から不活性ガス雰囲気に切り換えると、半導体基板4の流動化が急激に抑制され、トレンチ12の入口の角部12c又は下側の角部12dの丸みの度合、即ち曲率の制御を良好に行うことができなくなる。また、条件によっては、半導体基板4に残留応力が発生してしまう虞もある。従って、半導体基板4の温度が800℃よりも高い全期間によって水素雰囲気とすることが望ましい。なお、熱処理時の水素雰囲気は、水素100%の雰囲気であることが望ましいが、40%以上の水素と60%より少ない不活性ガスとの混合ガス雰囲気とすることもできる。従って、本発明における水素雰囲気は少なくとも水素を含む雰囲気である。
【0019】
半導体基板4を、水素雰囲気中で800℃を超える温度で加熱すると、図2(B)に示すように半導体基板4が流動化し、トレンチ12の入口の角部12c及び底の角部12dに丸み部分12c´,12d´が生じ、同時にトレンチ側壁面12aのダメージ、及びトレンチ側壁面12aに形成されたラフネスが除去される。なお、加熱温度と加熱時間は、要求される流動化の程度、換言すれば除去すべきダメージの程度、半導体基板4の材料、及び半導体基板4の不純物濃度等に応じて、それぞれ800〜1150℃、1〜60秒の任意の値に設定することができる。
【0020】
図2(B)に示すように制御装置16によって赤外線14の強さ、照射時間等を高精度に制御することができ、熱処理温度、熱処理時間の制御性が容易且つ良好になる。このため、半導体基板に対する丸み付け、及びダメージ除去等を化学的エッチングによる場合よりも容易且つ良好に達成できる。要するに、所望の丸み付け及びダメージ除去を再現性良く達成することができる。
また、ランプアニールによれば、短時間で半導体基板4を所望の温度に加熱できるため、半導体基板4内に既に形成されている不純物拡散領域等に与える熱処理の影響を最小限に抑えて、半導体基板4を流動化することができる。熱拡散炉を使用した通常の熱処理では、昇温時のレートは10℃/min、降温時のレ−トは−2.5℃/min程度が限界であり、これでは不純物拡散領域等に与える影響が大きく、また1回の処理に数時間を要してしまうため、実用的ではない。更に、ランプアニールを使用した熱処理は、通常の熱拡散炉を使用した水素熱処理に比較して、チャンバー容積が小さく、使用する水素も少量で済むため、安全性にも優れている。
【0021】
トレンチ12の丸め加工が終了したら、半導体基板4をチャンバーから取り出し、半導体基板4に酸化性雰囲気中で熱処理を施し、図2(C)に示すように、半導体基板4のトレンチ12内及び一方の主面5にシリコン酸化膜から成る絶縁膜17を形成する。絶縁膜17は、トレンチ12の底面に露出したN型半導体領域2の表面、トレンチ12の側壁に露出したN型半導体領域2及びP型半導体領域1の表面、半導体基板4の一方の主面5に露出したP型半導体領域1の表面を被覆するように形成される。絶縁膜17は、FETのゲート絶縁膜として使用するためのものであり、650オングストローム程度の厚みに形成される。
【0022】
本実施形態では、トレンチ12の入口及び底面の角部12c,12dがランプアニールの熱処理によって丸みを有する部分12c´,12d´に変えられ、所望の曲率を有していること、及びトレンチ側壁面12aのラフネスが良好に除去されていることにより、トレンチ12の全表面及び半導体基板4の一方の主面5に、クラックやピンホールの無い絶縁膜17を均一な厚みで形成することができる。
【0023】
次に、例えば周知のCVD法によって、半導体基板4の上面及びトレンチ12内に絶縁膜17を介して多結晶シリコン層を形成し、更にこの多結晶シリコン層に不純物をドープして図3(A)に示す多結晶シリコン導電体層18を得る。この多結晶シリコン導電体層18はゲート電極として使用される。
【0024】
次に、図3(B)に示すように、半導体基板4の主面5上に形成された多結晶シリコン導電体層18を除去した後、P型半導体領域1にN型不純物を拡散し、N+型半導体領域19を形成する。N+型半導体領域19はFETのソース領域として機能する。
【0025】
次に、図3(C)に示すようにN+型半導体領域19の上面にソース電極20を形成し、N+型半導体領域3の下面にドレイン電極21を形成し、Nチャネル絶縁ゲート型FETを完成させる。なお、ドレイン電極21を、ソース電極20よりも先に形成すること、又は同時に形成することもできる。ゲート電極としての多結晶シリコン導電体層18にソース電極20の電位よりも高い電位を与えると、P型半導体領域1のトレンチ12の側壁面に隣接する領域にチャネルが形成され、ドレイン電極21からソース電極20に向って電流が流れる。
【0026】
本実施形態は次の効果を有する。
(1) ランプアニール法によってトレンチ12の入口の角部12c及び底の角部12dに丸みを付け、同時にダメージ及びラフネス除去を行うので、従来の化学的エッチング又は加熱炉による熱処理による丸め加工よりも生産性が向上し、生産コストの低減を図ることができる。
(2) 赤外線ランプ13の光出力の強さ、時間を制御装置16で容易且つ正確に制御できるので、角部12c,12dの丸み付け、トレンチ12の側壁のダメージ及びラフネスの除去を容易且つ良好に達成することができ、電気的特性及び信頼性に優れた半導体素子即ち絶縁ゲート型FETを提供することができる。
【0027】
【変形例】
本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) トレンチ12の角部12c,12dの丸み付け、トレンチ側壁部のダメージ除去等をランプアニールのみで行なわずに、必要に応じて犠牲酸化等の技術を併用することもできる。
(2) トレンチ12の角部12c,12dをランプアニールによって傾斜面と見なせるような形状に変形することもできる。
(3) 赤外線と同様に加熱可能な別の電磁波を使用して半導体基板4を加熱することができる。
(4) トレンチ12のような凹部の角部の丸み付けのみでなく、半導体基板の凸部の角部の丸み付けにも本発明を適用することができる。
(5) 絶縁ゲート型FET以外の半導体素子にも本発明を適用することができる。
(6) N+型半導体領域3を省いてドレイン電極21をN型半導体領域2に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に従う絶縁ゲート型FETの製造工程を示す断面図である。
【図2】図1の工程に続く工程を示す断面図である。
【図3】図2の工程に続く工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ボディ領域用P型半導体領域
2 ドリフト領域用N型半導体領域
3 ドレイン領域用N+型半導体領域
12 トレンチ
13 赤外線ランプ
17 絶縁膜
18 ゲート用多結晶シリコン導電体層
19 ソース領域用N+型半導体領域
Claims (4)
- 凹部又は凸部を有する半導体基板の表面に水素雰囲気中で電磁波を投射して熱処理を施すことにより前記凹部又は凸部の角部に丸み又は傾斜を付けることを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 前記電磁波の投射は、電気的制御可能な光投射源から光を投射することであることを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
- 前記半導体基板は凹部を有するものであり、
更に、前記熱処理によって前記凹部の角部に丸み又は傾斜を付けた後に、前記凹部の壁面に絶縁膜を形成する工程と、
前記凹部の中に前記絶縁膜を介して導電体層を形成する工程とを有していることを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 第1導電型の第1の半導体領域とこの第1の半導体領域に隣接配置された第2導電型の第2の半導体領域とを有する半導体基板を用意する工程と、
前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域との間のPN接合の位置よりも深い溝を前記半導体基板に形成する工程と、
前記溝を有する半導体基板の表面に、水素雰囲気中で、電磁波を投射して熱処理を施すことによって前記溝の入口の角部に丸み又は傾斜を付ける工程と、
前記溝の壁面に絶縁膜を形成する工程と、
前記溝の中に前記絶縁膜を介してゲ−ト電極用導電体層を形成する工程と、
前記第1の半導体領域に第2導電型不純物を拡散してソ−ス領域を形成する工程と、
前記ソ−ス領域に接続されたソ−ス電極を形成する工程と、
前記第2の半導体領域に接続されたドレイン電極を形成する工程と
を有していることを特徴とする半導体素子の製造方法。
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JP2012039127A (ja) * | 2009-03-11 | 2012-02-23 | Mitsubishi Electric Corp | 炭化珪素半導体装置の製造方法 |
JP2012054347A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-03-15 | Denso Corp | 炭化珪素半導体装置の製造方法 |
JP2017107895A (ja) * | 2015-12-07 | 2017-06-15 | サンケン電気株式会社 | 半導体装置 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003093670A patent/JP2004303877A/ja active Pending
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