JP2004303666A - 支持膜式固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料ガスがバイパスすることをより有効に防止し、燃料利用率を向上させることができる支持膜式固体酸化物形燃料電池を得る。
【解決手段】燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
【選択図】図6
【解決手段】燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
【選択図】図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持膜式固体酸化物形燃料電池に関し、より詳しくは作動時における燃料ガス流のバイパスを防止するようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物形燃料電池〔SOFC(=Solid Oxide Fuel Cell):以下適宜SOFCと略称する〕は、作動温度が800〜1000℃程度、通常1000℃程度と高い。SOFCの単電池すなわち単セルは固体酸化物電解質を挟んで燃料極及び空気極(酸化剤として酸素が用いられる場合は酸素極)が配置され、燃料極/電解質(固体酸化物電解質)/空気極の3層ユニットで構成される。
【0003】
空気極に導入される空気は空気極で酸化物イオン(O2−)となり、固体酸化物電解質を通って燃料極に至る。ここで、燃料極に導入される燃料ガス(水素、一酸化炭素)と反応して電子を放出し、電気と水や一酸化炭素の反応生成物を生成する。空気極での利用済み空気は空気極オフガスとして排出され、燃料極での利用済み燃料は燃料極オフガスとして排出される。単電池1個の電圧は低いため、通常、単電池を複数層積層して構成される。
【0004】
図1はそのような単電池の2個を組込んだ平板方式のSOFCスタックの態様を説明する図である。SOFCには円筒方式や一体積層方式などもあるが、原理的には平板方式の場合と同じである。このSOFCは、固体酸化物電解質膜自体でその構造を保持するようになっており、この意味で自立膜式と称される。このため固体酸化物電解質膜はその膜自体を厚くする必要があり、その厚さは通常100μm程度と厚く構成される。
【0005】
電解質材料としては、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等のシート状焼結体が用いられ、燃料極としては、例えばニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物(Ni/YSZサーメット)等の多孔質体が用いられ、空気極としては、例えばSrドープのLaMnO3等の多孔質体が用いられ、通常、電解質材料の両面に燃料極と空気極を焼き付けることにより単電池が構成される。
【0006】
隣接する単電池(単セル)を電気的に接続すると同時に燃料極と空気極のそれぞれに燃料と空気とを適正に分配、供給し、また排出する目的で、セパレータ(=インターコネクタ=スペーサ)と単電池とが交互に積層される。図1では、単電池を二個、その間にセパレータを一個、上方単電池の上面及び下方単電池の下面にそれぞれ枠体(枠体も一種のセパレータである)を備えている。
【0007】
以上のように、従来のSOFCはその作動温度が800〜1000℃程度と高いが、最近では800℃程度以下、例えば750℃程度の温度で作動するSOFCも開発されつつある。本発明者らは、このような低温作動のSOFCに特に注目し開発を進めており、これまで幾つかの成果を得ている(特願2001−144034、特願2001−176739、特願2002−28847等)。
【0008】
図2〜4はその態様例を説明する図である。図2は単電池の構成例、図3は単電池を組込んだSOFCスタックの構成例、図4は図3中A−A線断面図である。各部材は上下密に配置されるが、図3ではそれらの位置関係等を示すため間隔を置き斜視図として記載している。図2のとおり、単電池は、燃料極の上に電解質膜が配置され、電解質膜の上に空気極が配置されて構成され、この単電池が、図3〜4のように組込まれてSOFCスタックが構成される。
【0009】
電解質膜として、例えばLaGaO3系やジルコニア系などの材料を用いて、その膜厚を例えば10μm程度というように薄くし、これを膜厚の厚い燃料極で支持するように構成されており、この意味で支持膜式と称される。支持膜式SOFCにおいては、電解質膜の膜厚を薄く構成できることなどから、前記自立膜式の場合に比べてより低温で運転できる。このため、その構成材料として例えばステンレス鋼などの安価な材料の使用を可能とし、また小型化が可能であるなど各種利点を有する。
【0010】
図3〜4のとおり、支持膜式SOFCを積層してスタック化する場合は、上部から下部へ順次セパレータA、セパレータB、セパレータC、接合材、単電池(単セル)、セパレータDが配置され、これらが複数層直列に積層して構成される。セパレータAの上部、セパレータDの下部には集電板等が配置されるが、図示は省略している。ここで、各セパレータは、耐熱性合金、例えばステンレス鋼等の材料で構成され、スタック化後は各単電池を囲ったフレームを構成している。
【0011】
このように、支持膜式SOFCをスタック化した場合には、燃料極部分に燃料ガスが流通する。各セパレータはステンレス鋼等の合金で構成される。図5はその状況を説明する図で、図4で言えば、セパレータBから上をカットし、斜視図として示したものに相当している。図5のとおり、燃料ガスを燃料極部分に流通させるために、燃料ガス導入部を形成し、各セルについて燃料ガスのガイド部分を設けて燃料極部分に均一に燃料ガスが導入できるようにされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図1のような自立膜式SOFCの場合には、燃料極部分が薄いため、燃料ガスの流通域を小さくすることが可能である。これに対して、図2〜5のように支持膜式SOFCの場合は、燃料極部分が厚いために、燃料極部分を含めた燃料流通域が大きくなってしまう。一般的に、積層(鉛直)方向すなわちスタック方向に見た場合に、燃料極や電解質部分に比べて、空気極部分は面積が小さくなっている。
【0013】
したがって、燃料極の表面中、スタック方向に見て空気極が形成されていない部分に相当する燃料極領域は電気化学反応に全く寄与しないことになる。加えて、図5に示すように、燃料ガスの流通方向に見て、燃料極の外部すなわち燃料極の左右両側を燃料ガスが通過する、すなわちバイパスすることに起因して、燃料利用率が上げられないという問題があった。
【0014】
本発明は、支持膜式固体酸化物形燃料電池において生じる以上のような問題点を解決するためになされたもので、燃料ガスがバイパスすることを防止し、燃料利用率を向上させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は(1)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0016】
本発明は(2)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面と間をシール材でシールしてなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0017】
本発明は(3)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面との間及び燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールしてなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0018】
本発明は(4)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをセパレータで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込せるとともに、回り込せた固体酸化物電解質膜とフレームとの間に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0019】
本発明は(5)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをセパレータで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側及び燃料極裏面の周縁部まで回り込ませるとともに、燃料極の左右両側に回り込ませた固体酸化物電解質膜とフレームとの間に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池を対象とする。そして、その作動時における燃料ガスのバイパスを防止し、燃料利用率を向上させるようにしてなることを特徴とする。
【0021】
固体酸化物電解質膜としては例えばLaGaO3系焼結体やイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等のシート状焼結体が用いられ、燃料極としては例えばニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の多孔質体(Ni/YSZサーメット)等が用いられ、空気極としては例えばSrドープのLaMnO3等の多孔質体が用いられる。フレームすなわち枠体としてはステンレス鋼等の耐熱性合金が用いられる。
【0022】
〈本発明(1)の態様〉
本発明(1)は、燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置する。すなわち、封止材を燃料極の左側面と相対するフレーム面間及び燃料極の右側面と相対するフレーム面間に配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのを防止し、燃料の利用率を高めることができる。封止材の構成材料としてはアルミナのバルク体やニッケルフェルトなどが用いられる。この点、以下で述べる封止材についても同様である。
【0023】
〈本発明(2)の態様〉
本発明(2)は、電解質を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面と間をシール材でシールする。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのを防止し、燃料の利用率を高めることができる。本発明(2)は、電解質を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置する点では本発明(1)と同様であるが、これに加えて、該封止材と燃料極側面と間をシール材でシールする。
【0024】
〈本発明(3)の態様〉
本発明(3)は、電解質を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面との間及び燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールする。本発明(3)は、該封止材と燃料極側面との間をシール材でシールする点では本発明(2)と同様であるが、これに加えて、燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールする。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0025】
〈本発明(4)の態様〉
本発明(4)は、電解質膜を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込ませるとともに、回り込ませた電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残して4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0026】
これに対して、本発明(4)では、その反対面と燃料ガス流通方向の両面を研磨して、片面(表面)及び4側面のうちの燃料ガス流通方向の左右両側面を残しておく。この時、電解質膜が燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込んだ状態となるが、本発明(4)においては、当該回り込んだ電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0027】
〈本発明(5)の態様〉
本発明(5)は、電解質膜を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側及び燃料極裏面の周縁部まで回り込ませるとともに、回り込ませた燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残して4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0028】
これに対して、本発明(5)では、その反対面すなわち燃料極裏面の周縁部を除く中央部と燃料ガス流通方向の両面を研磨する。この時、電解質膜が燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側と燃料極裏面の周縁部まで回り込んだ状態となるが、本発明(5)においては、当該回り込んだ燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を基に本発明をさらに詳しく説明するが、本発明が実施例に限定されないことはもちろんである。
【0030】
【実施例1】
図6は本発明(1)の実施例を示す図で、図6(a)は斜視図、図6(b)は図6(a)中横方向の断面図である。図6のとおり、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置する。すなわち、封止材を燃料極の左側面と相対するフレーム面間及び燃料極の右側面と相対するフレーム面間に配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのを防止し、燃料の利用率を高めることができる。
【0031】
【実施例2】
図7は本発明(2)の実施例を示す図である。図7のとおり、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、封止材と燃料極間にシール材を配置、介在させる。前述図4のとおり、単セルを囲ったフレームは、その上面にセパレータCが当接、接合されているが、その接合にはガラス接合材や金属ろう材等の接合材が用いられる。本実施例においては、その接合材を封止材と燃料極の間にまで延長して介在させることにより構成している。
【0032】
【実施例3】
図8は本発明(3)の実施例を示す図である。図8のとおり、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、封止材と燃料極側面との間、及び、燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールする。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0033】
【実施例4】
図9は本発明(4)の実施例を示す図である。図9のとおり、電解質膜を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込ませるとともに、回り込ませた電解質膜とフレームとの間に封止材を配置、介在させる。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残し、燃料極基板の4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0034】
これに対して、本実施例では、その反対面と燃料ガスの流通方向の両面すなわ燃料ガスの入り口側と出口側とを研磨して、片面(表面)及び4側面のうちの燃料ガスの流通方向の左右両側面を残しておく。この時、電解質膜が燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込んだ状態となるが、当該回り込んだ電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0035】
【実施例5】
図10は本発明(5)の実施例を示す図である。図10のとおり、電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側及び燃料極裏面の周縁部まで回り込ませるとともに、回り込ませた燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残して4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0036】
これに対して、本実施例では、その反対面すなわち燃料極裏面の周縁部を除く中央部と燃料ガスの流通方向の両面すなわ燃料ガスの入り口側と出口側を研磨する。この時、電解質膜が燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側と燃料極裏面の周縁部まで回り込んだ状態となるが、本実施例においては、当該回り込んだ燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、支持膜式固体酸化物形燃料電池において、燃料ガスがバイパスすることをより有効に防止し、燃料利用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自立膜式固体酸化物形燃料電池の一態様例を説明する図
【図2】支持膜式固体酸化物形燃料電池の一態様例を説明する図
【図3】支持膜式固体酸化物形燃料電池スタックの一態様例を説明する図
【図4】図4中、A−A線断面図
【図5】支持膜式固体酸化物形燃料電池での燃料ガスの流通状況を示す図
【図6】本発明の実施例1を示す図
【図7】本発明の実施例2を示す図
【図8】本発明の実施例3を示す図
【図9】本発明の実施例4を示す図
【図10】本発明の実施例5を示す図
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持膜式固体酸化物形燃料電池に関し、より詳しくは作動時における燃料ガス流のバイパスを防止するようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物形燃料電池〔SOFC(=Solid Oxide Fuel Cell):以下適宜SOFCと略称する〕は、作動温度が800〜1000℃程度、通常1000℃程度と高い。SOFCの単電池すなわち単セルは固体酸化物電解質を挟んで燃料極及び空気極(酸化剤として酸素が用いられる場合は酸素極)が配置され、燃料極/電解質(固体酸化物電解質)/空気極の3層ユニットで構成される。
【0003】
空気極に導入される空気は空気極で酸化物イオン(O2−)となり、固体酸化物電解質を通って燃料極に至る。ここで、燃料極に導入される燃料ガス(水素、一酸化炭素)と反応して電子を放出し、電気と水や一酸化炭素の反応生成物を生成する。空気極での利用済み空気は空気極オフガスとして排出され、燃料極での利用済み燃料は燃料極オフガスとして排出される。単電池1個の電圧は低いため、通常、単電池を複数層積層して構成される。
【0004】
図1はそのような単電池の2個を組込んだ平板方式のSOFCスタックの態様を説明する図である。SOFCには円筒方式や一体積層方式などもあるが、原理的には平板方式の場合と同じである。このSOFCは、固体酸化物電解質膜自体でその構造を保持するようになっており、この意味で自立膜式と称される。このため固体酸化物電解質膜はその膜自体を厚くする必要があり、その厚さは通常100μm程度と厚く構成される。
【0005】
電解質材料としては、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等のシート状焼結体が用いられ、燃料極としては、例えばニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物(Ni/YSZサーメット)等の多孔質体が用いられ、空気極としては、例えばSrドープのLaMnO3等の多孔質体が用いられ、通常、電解質材料の両面に燃料極と空気極を焼き付けることにより単電池が構成される。
【0006】
隣接する単電池(単セル)を電気的に接続すると同時に燃料極と空気極のそれぞれに燃料と空気とを適正に分配、供給し、また排出する目的で、セパレータ(=インターコネクタ=スペーサ)と単電池とが交互に積層される。図1では、単電池を二個、その間にセパレータを一個、上方単電池の上面及び下方単電池の下面にそれぞれ枠体(枠体も一種のセパレータである)を備えている。
【0007】
以上のように、従来のSOFCはその作動温度が800〜1000℃程度と高いが、最近では800℃程度以下、例えば750℃程度の温度で作動するSOFCも開発されつつある。本発明者らは、このような低温作動のSOFCに特に注目し開発を進めており、これまで幾つかの成果を得ている(特願2001−144034、特願2001−176739、特願2002−28847等)。
【0008】
図2〜4はその態様例を説明する図である。図2は単電池の構成例、図3は単電池を組込んだSOFCスタックの構成例、図4は図3中A−A線断面図である。各部材は上下密に配置されるが、図3ではそれらの位置関係等を示すため間隔を置き斜視図として記載している。図2のとおり、単電池は、燃料極の上に電解質膜が配置され、電解質膜の上に空気極が配置されて構成され、この単電池が、図3〜4のように組込まれてSOFCスタックが構成される。
【0009】
電解質膜として、例えばLaGaO3系やジルコニア系などの材料を用いて、その膜厚を例えば10μm程度というように薄くし、これを膜厚の厚い燃料極で支持するように構成されており、この意味で支持膜式と称される。支持膜式SOFCにおいては、電解質膜の膜厚を薄く構成できることなどから、前記自立膜式の場合に比べてより低温で運転できる。このため、その構成材料として例えばステンレス鋼などの安価な材料の使用を可能とし、また小型化が可能であるなど各種利点を有する。
【0010】
図3〜4のとおり、支持膜式SOFCを積層してスタック化する場合は、上部から下部へ順次セパレータA、セパレータB、セパレータC、接合材、単電池(単セル)、セパレータDが配置され、これらが複数層直列に積層して構成される。セパレータAの上部、セパレータDの下部には集電板等が配置されるが、図示は省略している。ここで、各セパレータは、耐熱性合金、例えばステンレス鋼等の材料で構成され、スタック化後は各単電池を囲ったフレームを構成している。
【0011】
このように、支持膜式SOFCをスタック化した場合には、燃料極部分に燃料ガスが流通する。各セパレータはステンレス鋼等の合金で構成される。図5はその状況を説明する図で、図4で言えば、セパレータBから上をカットし、斜視図として示したものに相当している。図5のとおり、燃料ガスを燃料極部分に流通させるために、燃料ガス導入部を形成し、各セルについて燃料ガスのガイド部分を設けて燃料極部分に均一に燃料ガスが導入できるようにされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図1のような自立膜式SOFCの場合には、燃料極部分が薄いため、燃料ガスの流通域を小さくすることが可能である。これに対して、図2〜5のように支持膜式SOFCの場合は、燃料極部分が厚いために、燃料極部分を含めた燃料流通域が大きくなってしまう。一般的に、積層(鉛直)方向すなわちスタック方向に見た場合に、燃料極や電解質部分に比べて、空気極部分は面積が小さくなっている。
【0013】
したがって、燃料極の表面中、スタック方向に見て空気極が形成されていない部分に相当する燃料極領域は電気化学反応に全く寄与しないことになる。加えて、図5に示すように、燃料ガスの流通方向に見て、燃料極の外部すなわち燃料極の左右両側を燃料ガスが通過する、すなわちバイパスすることに起因して、燃料利用率が上げられないという問題があった。
【0014】
本発明は、支持膜式固体酸化物形燃料電池において生じる以上のような問題点を解決するためになされたもので、燃料ガスがバイパスすることを防止し、燃料利用率を向上させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は(1)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0016】
本発明は(2)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面と間をシール材でシールしてなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0017】
本発明は(3)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面との間及び燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールしてなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0018】
本発明は(4)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをセパレータで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込せるとともに、回り込せた固体酸化物電解質膜とフレームとの間に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0019】
本発明は(5)燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをセパレータで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側及び燃料極裏面の周縁部まで回り込ませるとともに、燃料極の左右両側に回り込ませた固体酸化物電解質膜とフレームとの間に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池を対象とする。そして、その作動時における燃料ガスのバイパスを防止し、燃料利用率を向上させるようにしてなることを特徴とする。
【0021】
固体酸化物電解質膜としては例えばLaGaO3系焼結体やイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等のシート状焼結体が用いられ、燃料極としては例えばニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の多孔質体(Ni/YSZサーメット)等が用いられ、空気極としては例えばSrドープのLaMnO3等の多孔質体が用いられる。フレームすなわち枠体としてはステンレス鋼等の耐熱性合金が用いられる。
【0022】
〈本発明(1)の態様〉
本発明(1)は、燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置する。すなわち、封止材を燃料極の左側面と相対するフレーム面間及び燃料極の右側面と相対するフレーム面間に配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのを防止し、燃料の利用率を高めることができる。封止材の構成材料としてはアルミナのバルク体やニッケルフェルトなどが用いられる。この点、以下で述べる封止材についても同様である。
【0023】
〈本発明(2)の態様〉
本発明(2)は、電解質を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面と間をシール材でシールする。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのを防止し、燃料の利用率を高めることができる。本発明(2)は、電解質を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置する点では本発明(1)と同様であるが、これに加えて、該封止材と燃料極側面と間をシール材でシールする。
【0024】
〈本発明(3)の態様〉
本発明(3)は、電解質を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面との間及び燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールする。本発明(3)は、該封止材と燃料極側面との間をシール材でシールする点では本発明(2)と同様であるが、これに加えて、燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールする。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0025】
〈本発明(4)の態様〉
本発明(4)は、電解質膜を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込ませるとともに、回り込ませた電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残して4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0026】
これに対して、本発明(4)では、その反対面と燃料ガス流通方向の両面を研磨して、片面(表面)及び4側面のうちの燃料ガス流通方向の左右両側面を残しておく。この時、電解質膜が燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込んだ状態となるが、本発明(4)においては、当該回り込んだ電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0027】
〈本発明(5)の態様〉
本発明(5)は、電解質膜を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側及び燃料極裏面の周縁部まで回り込ませるとともに、回り込ませた燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残して4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0028】
これに対して、本発明(5)では、その反対面すなわち燃料極裏面の周縁部を除く中央部と燃料ガス流通方向の両面を研磨する。この時、電解質膜が燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側と燃料極裏面の周縁部まで回り込んだ状態となるが、本発明(5)においては、当該回り込んだ燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を基に本発明をさらに詳しく説明するが、本発明が実施例に限定されないことはもちろんである。
【0030】
【実施例1】
図6は本発明(1)の実施例を示す図で、図6(a)は斜視図、図6(b)は図6(a)中横方向の断面図である。図6のとおり、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置する。すなわち、封止材を燃料極の左側面と相対するフレーム面間及び燃料極の右側面と相対するフレーム面間に配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのを防止し、燃料の利用率を高めることができる。
【0031】
【実施例2】
図7は本発明(2)の実施例を示す図である。図7のとおり、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、封止材と燃料極間にシール材を配置、介在させる。前述図4のとおり、単セルを囲ったフレームは、その上面にセパレータCが当接、接合されているが、その接合にはガラス接合材や金属ろう材等の接合材が用いられる。本実施例においては、その接合材を封止材と燃料極の間にまで延長して介在させることにより構成している。
【0032】
【実施例3】
図8は本発明(3)の実施例を示す図である。図8のとおり、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、封止材と燃料極側面との間、及び、燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールする。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0033】
【実施例4】
図9は本発明(4)の実施例を示す図である。図9のとおり、電解質膜を燃料ガス流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込ませるとともに、回り込ませた電解質膜とフレームとの間に封止材を配置、介在させる。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残し、燃料極基板の4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0034】
これに対して、本実施例では、その反対面と燃料ガスの流通方向の両面すなわ燃料ガスの入り口側と出口側とを研磨して、片面(表面)及び4側面のうちの燃料ガスの流通方向の左右両側面を残しておく。この時、電解質膜が燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込んだ状態となるが、当該回り込んだ電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0035】
【実施例5】
図10は本発明(5)の実施例を示す図である。図10のとおり、電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側及び燃料極裏面の周縁部まで回り込ませるとともに、回り込ませた燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。単セルは、例えば燃料極基板に対して電解質をデイッピング法、すなわち電解質のスラリーを燃料極基板を浸漬した後、共焼結することにより作製されている。この場合、電解質膜が燃料極基板の全面を覆っているので、通常、その片面(表面)のみを残して4側面及び反対面(裏面)の電解質を研磨している。
【0036】
これに対して、本実施例では、その反対面すなわち燃料極裏面の周縁部を除く中央部と燃料ガスの流通方向の両面すなわ燃料ガスの入り口側と出口側を研磨する。この時、電解質膜が燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側と燃料極裏面の周縁部まで回り込んだ状態となるが、本実施例においては、当該回り込んだ燃料極の左右両側の電解質膜とフレームとの間に封止材を配置する。これにより、燃料ガスが燃料極とフレーム間をバイパスするのをさらに有効に防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、支持膜式固体酸化物形燃料電池において、燃料ガスがバイパスすることをより有効に防止し、燃料利用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自立膜式固体酸化物形燃料電池の一態様例を説明する図
【図2】支持膜式固体酸化物形燃料電池の一態様例を説明する図
【図3】支持膜式固体酸化物形燃料電池スタックの一態様例を説明する図
【図4】図4中、A−A線断面図
【図5】支持膜式固体酸化物形燃料電池での燃料ガスの流通状況を示す図
【図6】本発明の実施例1を示す図
【図7】本発明の実施例2を示す図
【図8】本発明の実施例3を示す図
【図9】本発明の実施例4を示す図
【図10】本発明の実施例5を示す図
Claims (7)
- 燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
- 燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面との間をシール材でシールしてなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
- 燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをフレームで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側に封止材を配置するとともに、該封止材と燃料極側面との間及び燃料極の下面の周縁部とフレームとの間をシール材でシールしてなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
- 請求項3に記載の支持膜式固体酸化物形燃料電池において、前記シール材がガラスシール材または金属ろう材であることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
- 燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをセパレータで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側まで回り込ませるとともに、回り込ませた固体酸化物電解質膜とフレームとの間に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
- 燃料極上に順次固体酸化物電解質膜及び空気極を配置した単セルをセパレータで囲い、燃料極側及び空気極側にそれぞれ燃料ガス及び空気を流通させるようにしてなる支持膜式固体酸化物形燃料電池において、該固体酸化物電解質膜を燃料ガスの流通方向に対する燃料極の左右両側及び燃料極裏面の周縁部まで回り込ませるとともに、燃料極の左右両側に回り込ませた固体酸化物電解質膜とフレームとの間に封止材を配置してなることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の支持膜式固体酸化物形燃料電池において、上記フレームがステンレス鋼製のフレームであることを特徴とする支持膜式固体酸化物形燃料電池。
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JP2003097455A JP2004303666A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 支持膜式固体酸化物形燃料電池 |
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Publications (1)
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ID=33409238
Family Applications (1)
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JP2003097455A Pending JP2004303666A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 支持膜式固体酸化物形燃料電池 |
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Cited By (3)
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JP2012190725A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 固体酸化物形燃料電池 |
JP2013257989A (ja) * | 2012-06-11 | 2013-12-26 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 固体酸化物形燃料電池 |
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003097455A patent/JP2004303666A/ja active Pending
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