JP2004303517A - プラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Abstract

【課題】基板単位で、検査が十分な検査性能の下で行われているかを判断することができるプラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】基板上に電極、誘電体層、隔壁および蛍光体層から選ばれた全てまたは一部の構成層が形成され、かつ、該構成層の点灯表示に寄与しない非有効領域に欠陥を具備したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネル。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、一般的な交流型(AC型)プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)の構造について述べる。PDPは、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にNe、Xe、He等を主体とするガスを封入した構造になっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行うようにしている。
【0003】
2枚の対向して配置されるガラス基板はそれぞれ表示面側を前面板、非表示面側を背面板と称される。前面板にはガラス基板上に維持電極とバス電極からなる複合電極が互いに平行に配置され、それを覆うように誘電体層が形成され、その全表面に酸化マグネシウムからなる保護層が形成されている。一方、背面板にはガラス基板上にアドレス電極が互いに平行に配置され、それを覆うように背面誘電体層が形成され、その上には隔壁(以下、リブと呼ぶ)と蛍光体層が形成されている。
【0004】
これらの製造工程において、形成した各構成物に欠陥が発生する場合がある。パターン形状を有する電極やリブ、蛍光体層については、パターン太りやパターン細り、あるいは隣接する電極やリブが設定パターン以外で繋がっていたり、パターンが欠けたり切れたりする欠陥が発生する場合がある。全面に形成される誘電体層、保護層については穴(ピンホール)が空いたり、亀裂が入ったりする欠陥が発生する場合がある。
【0005】
この欠陥検査方法としては、その欠陥の大きさ、種類の多様さ、個数等の問題から、目視による検査は困難であり、それに代わって欠陥検査装置(外観検査装置とも呼ぶ)を用いることが一般的になってきている。この欠陥検査装置の基本原理は、形成面上に照明を当て、CCDカメラで撮像し、その撮像画像を特定のアルゴリズムによる画像処理によって欠陥検出を行うものである。撮像に関しては、CCDで構成されるラインセンサやエリアセンサが用いられ、モノクロCCDの場合には輝度情報を、カラーCCDの場合には輝度情報と色度情報を得る。また、画像処理に用いるアルゴリズムにはいくつかあり、例えば画素間の情報を比較する隣接比較法(例えば、特許文献1参照)や、パターンの膨張・圧縮を行うDRC法や、パターンをライン化するスケルトン法や、線幅を比較する線幅比較法や、連続する画素間の積分値の変動を見るトレンドセンシング法や、周期相関・自己相関法などがある。
【0006】
欠陥検査装置(外観検査装置)以外にも、電極の重大欠陥である断線やショートを検出したり抵抗値を測定するための導通検査装置や蛍光体の発光輝度を測定する輝度測定装置等が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−55817号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの検査装置、特に欠陥検査装置(外観検査装置)においては、検出性能の低下によって、実際には欠陥がある基板を良品と判定してしまう場合があった。例えば照明の寿命や不意の事故等で照明が暗くなった場合、得られる検査画像も暗くなり、欠陥検出を行うための十分なコントラストが得られなくなるが、検査装置や画像処理に用いるアルゴリズムによっては、このような照明の異常を検知できず、検査が続行され、欠陥があったとしても欠陥検出を行うための十分なコントラストがないために欠陥を検出することができなかった。さらに、近年のPDPにおける高精細化による微小欠陥の検出要求に伴って、検査装置の照明やフォーカス、必要コントラスト量等の検査条件マージンがシビアになってきていることもあり、不意の検査条件のずれ(照度の低下やフォーカスのずれ等)による欠陥検出性能低下が発生しやすくなってきている。
【0009】
このような欠陥検出性能低下、特に後者のような場合は、例えオペレーターが始終監視していたとしても発見しにくく、時として欠陥の有る基板を多量に良品として判定してしまったり、仮に発見できたとしても、いつから異常が発生していたのかが分からず製造工程に混乱を来すことがあった。
【0010】
そこで本発明の目的は、基板単位で、検査が十分な検出性能の下で行われているかを判断することができるプラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
【0012】
基板上に電極、誘電体層、隔壁および蛍光体層から選ばれた全てまたは一部の構成層が形成され、かつ、該構成層の点灯表示に寄与しない非有効領域に欠陥を具備したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネル。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のプラズマディスプレイパネル用部材(PDP用部材)およびプラズマディスプレイパネル(PDP)は、少なくとも基板上に電極、誘電体層、隔壁、蛍光体層の全てまたは一部が形成され、かつ、形成された電極、誘電体層、隔壁および蛍光体層の全てまたは一部の構成物において、点灯表示に寄与しない非有効領域に欠陥を具備したものである。
【0014】
本発明における欠陥とは、通常のPDPの検査工程において「異常」として検出される欠陥を指す。例えば、電極に対しては断線やパターン欠け、パターン太り、ショートといった欠陥が挙げられる。誘電体層に対してはピンホールや突起、隔壁に対してはパターン欠けやパターン太り、蛍光体層に対してはピンホールや混色等が例として挙げられる。
【0015】
このように、検査対象に意図的に欠陥を存在させることにより、検査工程において、検査装置の欠陥検出性能を確認しながら、検査を行うことができる。すなわち、意図的に設けた欠陥部分を検査装置が「異常」として検出すれば、検査装置の欠陥検出性能が適正なレベルにあると判断できる。一方、意図的に設けた欠陥部分を検査装置が「異常」として検出しない場合には、検査装置の欠陥検出性能が不適正であると判断することができる。
【0016】
これによって、欠陥の有る基板を多量に良品として判定してしまったり、仮に発見できたとしても、いつから異常が発生していたのかが分からず製造工程に混乱を来すようなことを防ぎ、常に十分な検出性能の下で検査を行うことができる。
【0017】
ところで、通常、PDP用部材ならびにPDPの製造においては、品質の確保と歩留まりの向上の観点から、小さな欠陥に対しては良品と判断しても良いという許容規格値が定められることが多い。例えば、電極のパターン欠けに対してならば、電圧印加に支障が出ない、応答速度に支障が出ないレベル、例えば電極幅の半分まで長さは1mmまで、が許容規格値となる。検査工程においては、許容規格値を超える欠陥を欠陥として検出する。ここで、ちょうど許容規格値となる欠陥を規格限界欠陥と呼ぶ。
【0018】
一方で、外観検査装置で検査を行う場合は、検査対象をCCD等で撮像した画像に対して画像処理を行うため、画像の解像度やその画像内でのコントラスト差等が欠陥検出性能を左右する。このため、同一の欠陥に対しても、照明の当たり方やフォーカス等のわずかなずれによって、検査装置内で判断される欠陥のサイズに違いが生じる。そのため、通常、許容規格値よりも小さい値(厳しい値)を検査閾値として設定する工夫を行っている。検査工程においては、検査閾値を越える欠陥を欠陥として検出することにより、多少欠陥検出性能がばらついても許容規格値を越える欠陥を検出することができる。ここで、ちょうど検査閾値となる欠陥を検査閾値欠陥と呼ぶ。
【0019】
本発明において、意図的に設ける欠陥の種類やサイズは、検査工程において用いる欠陥検査装置に応じて設ければよい。検査工程において許容規格値に基づいた検査を行う場合は、規格限界欠陥とすることが好ましい。一方、検査工程において検査閾値に基づいた検査を行う場合は、検査閾値欠陥とすることが好ましい。両方の規格値を用いる場合は、規格限界欠陥と検査閾値欠陥の両方を具備することが好ましい。
【0020】
以下、図面を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1にPDPにおける点灯表示領域を図示する。本発明では、PDPにおける点灯表示領域1とは、製品化された状態で正面から観察できる点灯部分を指す。たとえば、製品規格として表示領域の規格が定まっている場合、例えばVGA規格なら水平方向640画素分×垂直方向480画素分、のことを指す。製品規格が謳われていない場合は、製品化された状態で正面から観察できる点灯部分を指す。つまり、製品化の際のフレーム4に隠れる部分や製品規格で謳われる表示領域以外の部分で、点灯することができる部分があっても、本発明の点灯表示領域1には含めない。
【0021】
また、本発明において、点灯表示に寄与する領域とは、上記の点灯表示領域を点灯させるために寄与する構成物が存在する領域を指す。ここで、点灯表示領域を点灯させるために寄与する構成物が存在する領域とは、誘電体層や背面誘電体層、隔壁、蛍光体層の場合は点灯表示領域と一致する。一方、電極の場合は、点灯表示領域に加えて、点灯表示領域から駆動回路と接続される端子部分までを含む領域を指す。電極の場合は、これらの領域全てが、点灯表示に関わるからである。
【0022】
それに対して、基板の全領域のうち、上記の点灯表示に寄与する領域以外の領域を、点灯表示に寄与しない非有効領域と呼ぶ。図2〜4にPDPの表示面側となる前面板(表面板とも呼ぶ)およびその点灯表示に寄与する領域と点灯表示に寄与しない非有効領域との関係を図示する。
【0023】
たとえば、電極について見ると、図2に示すように、電極6は、図中においてHおよびV示される製品規格によって定められた点灯表示領域以外にも形成されている。電極6については、図3に示すように、点灯表示領域に含まれる電極、および、その電極から駆動回路と接続される端子部分までを含む領域が点灯表示に寄与する領域2である。それ以外の領域において、電極が形成されていても、それは、点灯表示に寄与しない非有効領域3に含まれる。誘電体層7については、図4に示すように、製品規格で定められた点灯表示領域と、点灯表示に寄与する領域2は一致する。
【0024】
同様に、図5〜7にPDPの非表示面側となる背面板およびその点灯表示に寄与する領域と点灯表示に寄与しない非有効領域との関係を図示する。
【0025】
図8に本発明のPDP用前面板の一例を図示した。点灯表示に寄与しない非有効領域の電極に断線欠陥が、同じく誘電体層にピンホール欠陥が設けられている。また、図9には本発明のPDP用背面板の一例を図示した。点灯表示に寄与しない非有効領域の電極に断線欠陥が、誘電体層にピンホール欠陥が、隔壁にパターン欠け欠陥が、蛍光体層にピンホール欠陥が、それぞれ設けられている。
【0026】
なお、図中では各構成物に1つずつの欠陥を示したが、本発明では、必ずしも全ての構成物に欠陥を具備する必要はない。ただし、検査の対象となる構成物については、全て本発明における欠陥を具備することがより好ましい。欠陥の数、サイズ等も限定されないが、検査工程において使用する検査装置や検査規格において、判断がしやすい欠陥の数、サイズで形成することが好ましい。欠陥の種類も限定されないが、例えば、電極に対しては断線欠陥、誘電体層に対してはピンホール欠陥、隔壁に対してはパターン欠け欠陥、蛍光体層に対してはピンホール欠陥が、それぞれ設計された数、サイズで欠陥を形成し易いので、好ましい例として挙げられる。
【0027】
所定の位置に所定のサイズの欠陥を形成する方法としては、たとえば、以下の方法が挙げられる。
【0028】
電極や隔壁、蛍光体層のようなパターンを有する構成物に対しては、そのパターニングに用いられるマスクやスクリーン版等の所定の位置に必要とする欠陥のパターンを配置し、それを用いてパターニングすることにより簡便に所望の欠陥を具備させることができる。例えば、感光性レジストや感光性ペーストを用いてパターニングする場合には、露光に用いるフォトマスク上の所定の位置に必要とする欠陥パターンを描画等により配置することで、そのフォトマスクを用いてパターニングすると、PDP用部材の所定の位置に必要とする欠陥パターンを形成することができる。
【0029】
また、誘電体層のような所定の領域の全領域において一定厚みに形成(いわゆる、ベタ形成)する構成物に対しては、領域内の一部の領域のみ該構造物を形成しない仕掛けを用いると良い。例えば、スクリーン版により誘電体層を形成する場合、スクリーン版の所定の位置に必要とする欠陥のパターンを配置することにより、その位置にピンホール欠陥を形成することができる。
【0030】
以下にプラズマディスプレイの作製手順の一例について詳細に説明する。
【0031】
背面板に用いる基板としては、特に限定されないが、ガラス基板、セラミックス基板などを用いることができる。
【0032】
基板を好ましくは洗浄したのち、電極を形成する。電極の形成には、例えば、銀、銅などを含有する導電性ペーストを用いることができる。
【0033】
電極の形成方法としては、例えば、導電性ペーストをスクリーンパターン印刷したのち焼成する方法、感光性導電ペーストをスクリーン印刷したのち電極パターン露光し焼成する方法、感光性導電ペーストをノズル等を用い塗布したのち電極パターン露光し焼成する方法などが好ましく用いられる。
【0034】
本発明に使用される導電性ペーストは導電性粉末、ガラスフリットを含有するものであることが好ましい。ガラスフリットを含有することで焼成後の接着性が良くなる。ガラスフリットの種類や添加割合は特に限定されるものではなく、電極パターンによって適宜選択される。例えば、酸化物換算表記で酸化ビスマスを30〜95重量%含有するものが使用される。1例を挙げれば、
酸化ビスマス 30〜85重量%
酸化珪素 5〜30重量%
酸化ホウ素 5〜20重量%
酸化ジルコニウム 3〜10重量%
酸化アルミニウム 1〜 5重量%
の組成範囲からなるものを80重量%以上含有し、かつ酸化ナトリウム、酸化リチウムを実質的に含有しない組成のガラスフリットなどが使用される。なお、ペーストの溶媒および樹脂成分も特に限定されるものでなく、適用する電極パターンによって適宜選択されるものである。
【0035】
本発明に使用される導電性ペーストの粘度(BROOKFIELD社製 恒温槽を用いて温度25℃に設定し、回転数3rpmで測定)は10〜1000ポイズであることが好ましく、50〜800ポイズであることがさらに好ましい。
【0036】
本発明に使用される導電性ペーストの導電性粉末としては、ガラス基板上に600℃以下の温度で焼き付けできる低抵抗の導体粉末であることが好ましい。例えば、銀、銅、金、パラジウム、ニッケルおよび白金の群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらは、単独または混合粉末として用いる事ができる。混合粉末としては例えば銀(80〜98)−パラジウム(20〜2)、銀(88〜96)−パラジウム(10〜2)−白金(2〜10)、銀(85〜98)−白金(15〜2)(( )内の数は重量%を表す)などの3元系或いは2元系の混合貴金属粉末が用いられる。これらの導電性粉末は、その平均粒子径が好ましくは0.1〜5.0μm、より好ましくは0.5〜4.0μmであるものが用いられる。平均粒子径を0.1μm以上とすることで凝集を抑え、均質なペーストとすることができる。また、平均粒子径を5.0μm以下とすることで、電極層中の導電性粒子の充填性が向上し、抵抗を小さくすることができ、また凹凸を小さくし電極パターンの表面粗さを抑えることができる。
【0037】
導電性粉末の形状は、粒状(粒子状)、多面体状、球状のものなど、特に限定することなく使用することができるが、単分散粒子で、凝集がなく、球状に近い形状であることが好ましい。
【0038】
導電性ペーストに用いる有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセロソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。また、感光性ペーストとする場合には、重合性官能基を持つモノマーやポリマーを用いてもよい。重合性官能基を持つモノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレート等のアクリル系モノマーを用いることができる。その他、ペースト調整に際し、有機溶媒などで粘度を適宜調整して用いても良い。
【0039】
PDP用背面板の電極は、電極厚みが1〜20μmであることが好ましく、2〜15μmであることがさらに好ましい。電極の厚みを1μm以上とすることで、導体膜が薄くなりすぎずピンホール等が発生するのを抑え、また、比抵抗値も低くなる。電極の厚みを20μm以下とすることで、電極上に絶縁のための誘電体層を形成した場合に電極の凸凹や熱膨張係数の違いによる熱応力が抑えられ、従って誘電体層に亀裂が発生したり、誘電体層に凹凸が生じるのを防ぐことができる。
【0040】
電極の線幅については、10〜200μmであることが好ましく、20〜180μmであることがさらに好ましい。10μm以上とすることで、断線欠陥が生じ難くなり、また比抵抗値も低くできる。また、200μm以下とすることで焼成収縮を抑え、断面形状で観察した場合、焼成後にエッジ部に角が出たような形になるのを防ぐことができる。
【0041】
電極の焼成条件としては、560〜610℃で15分〜60分間焼成し、ガラス基板上に焼き付けることが好ましい。焼成温度が低すぎると、焼成が不充分となり、導体膜の緻密性が低下し、比抵抗が高くなり、基板との接着強度が低下する傾向にある。高すぎるとガラス基板が熱変形する傾向にある。
【0042】
次に、電極を覆う形で誘電体層が好ましく形成される。誘電体層の形成は、基板上に直接、後述する隔壁を形成する場合に比べて隔壁の密着性が増大して剥がれが抑制されたり後述する蛍光体の劣化が防止できるため好ましい。
【0043】
誘電体層の厚みは、2〜20μm、さらには3〜18μmであることが均一な誘電体層の形成のために好ましい。厚みが厚すぎると、焼成の際、脱バインダーが困難でクラックが生じやすく、また基板にかかる応力が大きくなり基板が反る等の問題が生じる傾向にある。また、薄すぎると厚みの均一性を保持するのが困難な傾向にある。
【0044】
誘電体層には酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうち少なくとも1種類、さらに好ましくは酸化ビスマスを10〜60重量%含むガラスを用いることによって熱軟化温度、熱膨張係数のコントロールを容易に行うことができる。特に、酸化ビスマスを10〜60重量%含有するガラスを用いることは、ペーストの安定性などの利点がある。酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛の添加量は多すぎるとガラスの耐熱温度が低くなり過ぎてガラス基板上への焼き付けが難しくなる傾向にある。
【0045】
具体的なガラス組成の例としては、例えば酸化物換算表記で以下の組成を含むものが挙げられる。
酸化ビスマス 10〜60重量%
酸化珪素 3〜50重量%
酸化ホウ素 10〜40重量%
酸化バリウム 5〜20重量%
酸化亜鉛 10〜20重量%
誘電体層中に含有する無機材料としては、酸化チタン、アルミナ、シリカ、チタン酸バリウム、ジルコニア等の白色フィラーが用いられる。ガラスを50〜95重量%、フィラーを5〜50重量%含有する無機材料が用いられる。フィラーを上記範囲に含有することによって誘電体層の反射率を向上させ、高輝度のプラズマディスプレイが得られる。
【0046】
誘電体層は、無機材料粉末と有機バインダーからなる誘電体ペーストをガラス基板上に塗布または積層し、焼成することによって形成できる。誘電体層用ペーストに用いる無機材料粉末の量は、無機材料粉末と有機成分の和に対して50〜95重量%であるのが好ましい。無機粉末の量が少なすぎると、誘電体層の緻密性、表面の平坦性が欠如する傾向にあり、多すぎるとペースト粘度が上昇し、塗布時の厚みムラが大きくなる傾向にある。
【0047】
誘電体層の上に、放電空間を構成するために隔壁を設ける。隔壁の形状はストライプ状または格子状に形成される。隔壁の高さは50〜200μmであることが好ましく、線幅は20〜200μmであることが好ましい。線幅は同じでも良いし変えても良い。
【0048】
隔壁は、プラズマディスプレイ用背面板に形成しても良いしプラズマディスプレイ用前面板に形成しても良く、背面板・前面板の両方に形成してもよい。
【0049】
隔壁は、無機材料と有機成分からなる隔壁用ペーストを用いて、隔壁パターンを基板上に形成する工程および隔壁パターンを焼成する工程を経て、形成することができる。
【0050】
隔壁パターン形成方法には、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、リフトオフ法、フォトリソグラフィ法、母型押し当て法などを用いることができる。
【0051】
焼成は、400〜600℃で行うことができる。
【0052】
隔壁を形成した後に、RGBの各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布することにより、蛍光体層を形成することができる。その方法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、感光性を有する有機成分を有機バインダーとする感光性蛍光体ペーストを用いる感光性ペースト法等を採用することができる。
【0053】
蛍光体層を形成した基板を必要に応じて、400〜550℃で焼成し、本発明のディスプレイ用部材の一例としてプラズマディスプレイ用の背面板を作製することができる。
【0054】
次いでプラズマディスプレイ用の前面板は、基板上に所定のパターンで透明電極、バス電極、誘電体層、保護膜(MgO)を形成して作製することができる。
【0055】
透明電極の組成としては、ITOが好ましく用いることができる。透明電極の形成方法としては、所望のパターンを有したマスクを介在させた蒸着・スパッタリング法や、基板上の所望のパターン領域を含むエリアに、各種コーティング法や蒸着・スパッタリング法等により透明導電層をベタ形成した後、レジスト層を形成し、その後フォトプロセスによるレジスト層のパターン化、エッチング、レジスト層の剥離により所望のパターンを得る方法などを用いることができる。
【0056】
バス電極の形成については、前述した背面板の電極と同様に形成することができる。誘電体層の形成については、前述した背面板の誘電体層と同様に形成することができる。保護膜(MgO)は蒸着・スパッタリング法にて形成することができる。
【0057】
得られた前面板と背面板とを貼り合わせ封着した後、放電用ガスを封入し、駆動回路を接合してプラズマディスプレイを作製することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明では、基板上に電極、誘電体層、隔壁および蛍光体層から選ばれた全てまたは一部の構成層が形成されたプラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネルにおいて、点灯表示に寄与しない非有効領域に欠陥を具備することにより、検査工程で該欠陥を検出したか否かによって、基板単位で、検査が十分な検査条件の下で行われているかを判断することが可能となり、検査レベルの維持が的確に行えるため、検査精度や品質レベル、製造工程の安定化が達成でき、歩留まりの向上を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PDPにおける点灯表示領域の一例を示す模式図
【図2】PDPの前面板構成例
【図3】図2の電極における点灯表示に寄与する領域と点灯表示に寄与しない非有効領域との関係を示す図を示す図
【図4】図2の誘電体層における点灯表示に寄与する領域と点灯表示に寄与しない非有効領域との関係を示す図
【図5】PDPの背面板構成例を示す図
【図6】図5の電極における点灯表示に寄与する領域と点灯表示に寄与しない非有効領域との関係を示す図
【図7】図5の背面誘電体層、隔壁、蛍光体層における点灯表示に寄与する領域と点灯表示に寄与しない非有効領域との関係を示す図
【図8】本発明のPDP用前面板の一例を示す図
【図9】本発明のPDP用背面板の一例を示す図
【符号の説明】
1 点灯表示領域
2 点灯表示に寄与する有効領域
3 点灯表示に寄与しない非有効領域
4 フレーム
5 ガラス基板
6 維持電極とバス電極からなる複合電極
7 誘電体層
8 アドレス電極
9 背面誘電体層
10 隔壁(リブ)
11 蛍光体層
21 電極の断線欠陥
22 誘電体層のピンホール欠陥
23 隔壁のパターン欠け欠陥
24 蛍光体層のピンホール欠陥
H 点灯表示領域に関する水平方向製品規格
V 点灯表示領域に関する垂直方向製品規格

Claims (10)

  1. 基板上に電極、誘電体層、隔壁および蛍光体層から選ばれた全てまたは一部の構成物が形成され、かつ、該構成物の点灯表示に寄与しない非有効領域に欠陥を具備したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用部材。
  2. 非有効領域に具備される欠陥が、電極の断線欠陥である請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
  3. 非有効領域に具備される欠陥が、誘電体層のピンホール欠陥である請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
  4. 非有効領域に具備される欠陥が、隔壁のパターン欠け欠陥である請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
  5. 非有効領域に具備される欠陥が、蛍光体層のピンホール欠陥である請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用部材。
  6. 基板上に電極、誘電体層、隔壁および蛍光体層から選ばれた全てまたは一部の構成物が形成され、かつ、該構成物の点灯表示に寄与しない非有効領域に欠陥を具備したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  7. 非有効領域に具備される欠陥が、電極の断線欠陥である請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 非有効領域に具備される欠陥が、誘電体層のピンホール欠陥である請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 非有効領域に具備される欠陥が、隔壁のパターン欠け欠陥である請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 非有効領域に具備される欠陥が、蛍光体層のピンホール欠陥である請求項6記載のプラズマディスプレイパネル。
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