JP2004303039A - 工事原価管理処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の工事原価管理システムでは、要素項目(最小工種)以下の単位毎に原価管理を行なっているので、取決予定や支出予定が予算の要素項目(最小工種)と対応していない状況になりやすく、原価管理の全体把握に時間がかかってしまったり、予算に対する精算予測の精度が低下するという課題があった。
【解決手段】本発明は、コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムにおいて、コンピュータ1を、工事の最小工種を複数まとめた想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させたり、コンピュータ1を、工事の1つの最小工種であって工事経過に伴い複数回発注する最小工種を想定工種としてこの想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラム11を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムにおいて、コンピュータ1を、工事の最小工種を複数まとめた想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させたり、コンピュータ1を、工事の1つの最小工種であって工事経過に伴い複数回発注する最小工種を想定工種としてこの想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラム11を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の工事原価管理は、おおよそ以下のような流れで行われる。
まず、作業所で工事の実行予算書を作成し、その実行予算書のデータを建設会社の支社,支店あるいは本社(以下「管理側」という)に送信して実行予算の承認を受ける。承認を受けた作業所では、実行予算書から発注を希望する工事の最小工種のデータをいくつか抜粋して集めたデータを取決伺いデータとして管理側に送信する。管理側は取決伺いデータに基づいて協力業者との契約の決済を行う。管理側では協力業者との契約の決済を行って決済を行った注文書のデータを作業所に送信する。そして、注文書に対する協力業者からの請求書のデータ及びこの請求書データに基いて管理側が協力業者に支払う取決額を作業所に送信する。作業所では、実行予算と支出、それによる出来高等を整理した収支報告書を管理側に送信する。
上述のような実行予算書,取決伺い書,注文書,請求書,支払額,収支報告書等のデータを電子データ化してインターネット等の通信網を介して送受信を行い、工事原価管理を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−123572号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の工事原価管理システムによれば、要素項目(最小工種)毎に実行予算を作成し(特許文献1の図4参照)、要素項目(最小工種)単位で原価管理を行っている(同図5,図7,図8,図9参照)。また、要素項目(最小工種)を更に分割して管理している(同図6参照)。つまり、特許文献1の工事原価管理システムでは、要素項目(最小工種)以下の単位毎に原価管理を行なっている。このため、取決予定や支出予定が予算の要素項目(最小工種)と対応していない状況になりやすく、原価管理の全体把握に時間がかかってしまったり、予算に対する精算予測の精度が低下するという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムにおいて、コンピュータを、工事の最小工種を複数まとめた想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させたり、コンピュータを、工事の1つの最小工種であって工事経過に伴い複数回発注する最小工種を想定工種としてこの想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の差異欄に実行予算額と工事契約取決額との差異を表示させる原価管理表を作成する手段として機能させる原価管理表作成処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の工事契約取決額と今後契約予定額を足した精算予測値を表示するとともに、想定工種毎の差異欄に想定工種毎の精算予測値と実行予算値との差異を表示する精算予測表を作成する手段として機能させる精算予測表作成処理プログラムを備えた。
また、変更工事が生じた場合に、コンピュータを、想定工種を作成する手段及びこの想定工種に割り当てた仮実行予算額を精算予測表において他の想定工種の実行予算額と区別して表示する手段として機能させる変更工事管理処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の月次の工事費支払実績及び想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定を管理する手段として機能させる支払管理処理プログラムを備えた。
また、支払管理処理プログラムは、コンピュータを、想定工種単位の将来の工事費支払予定総額を支払う予定の残月毎の工事費支払予定欄とこの残月毎の工事費支払予定欄に対応する指標数値入力欄とを備えた支払管理表を作成する手段として機能させる支払管理表作成処理プログラムを備えるとともに、指標数値入力欄に指標数値が入力された場合に、算出式=(想定工種単位の将来の工事費支払予定総額÷指標数値の合計)×指標数値に基いて、想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定額を算出する手段として機能させる将来月次支払予定額算出処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種を構成する最小工種の組み替え処理や増減処理を行う手段、あるいは、想定工種の削除処理を行う手段として機能させる想定工種編集処理プログラムを備えた。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による工事原価管理処理プログラムを図に基いて説明する。尚、実施の形態では、建築原価管理処理プログラムを例にして説明する。
図1は実施の形態の建築原価管理プログラムを使用して実現される建築原価管理システムを示す概略図であり、1は実行予算書を作成する作業所や本社、支社、支店の積算部門に設置されたコンピュータであり、コンピュータ本体2と表示装置3と入力装置4とを備える。コンピュータ本体2は、建築原価管理プログラム10の命令を受けて処理を実行する処理装置(以下「CPU」という)5と、建築原価管理プログラム10を記憶する主記憶装置6と、データ入出力手段8とを備える。
9は管理側のコンピュータであり、各種データを記憶する記憶装置7を備える。
100はコンピュータ1とコンピュータ9とを電話回線,専用線,ISDN,LAN等により接続したインターネット、イントラネット等の通信網である。
建築原価管理プログラム10は、後述する実行予算書作成処理プログラム11、想定工種編集処理プログラム12、精算予測表作成処理プログラム13、変更工事管理処理プログラム14、支払管理処理プログラム15等により構成される。
【0007】
実施の形態による建築原価管理処理の流れを図2のフローに基いて説明する。
まず、作業所や本社、支社、支店の積算部門でコンピュータ1により実行予算書を作成する(ステップS1)。この処理は実行予算書作成処理プログラム11により実現される。まず、作業所や本社、支社、支店の積算部門において管理者がコンピュータ1の電源を入れ、表示装置3の表示画面3aに表示される画面中の建築原価管理システム選択コマンドを原価管理者がキーボードやマウス等の入力装置4により指定すると、建築原価管理システムの起動プログラムにより表示装置3の表示画面3aに建築原価管理システムの初期画面が表示される。初期画面中に表示される実行予算書作成コマンドを指定すると、図3に示すような、建築工事を大工種20,中工種21に分けた工種表22が表示される。この工種表22の中から例えば1つの中工種21を入力装置4により指定すると、図4に示すような実行予算書作成画面24が表示される。即ち、指定した中工種21に含まれる最小工種23単位での実行予算書作成画面24が表示される。実行予算書作成画面24には、指定した中工種21及びこの中工種21に含まれる最小工種23が表示される工種欄25と、最小工種23,…毎の仕様欄26,単位欄27,実行予算欄28とが設けられている。実行予算欄28には、数量欄29,単価欄30,金額欄31が設けられている。図3では「仮設工事費」、「建築主体工事費」、「建築仕上工事費」が大工種20に該当し、大工種20である「仮設工事費」の下に並べて表示されている「準備費」、「仮設物費」、「機械器具費」等が中工種21に該当する。図4では中工種21である「仮設物費」の下に並べて表示されている「仮囲架払い」、「ゲート架払い」、「仮囲維持管理」等が最小工種23に該当する。
【0008】
上述した最小工種23の種類は過去の実績が反映されて予め決められており、実行予算書作成画面24のそれぞれの最小工種23,…毎の仕様欄26,単位欄27,実行予算欄28には前回のデータが残されている。
そして、最小工種23,…毎の仕様欄26,単位欄27,実行予算欄28に今回の最小工種23,…毎の仕様、単位、実行予算額を入力することにより、最小工種23単位の実行予算書を作成できる。
尚、実行予算書作成画面24において、最小工種追加コマンドを指定することにより、最小工種23を追加でき、また、最小工種削除コマンドを指定することにより、最小工種23を削除することが可能である。
【0009】
次に、既に作成された最小工種23単位の実行予算書中に想定工種を作成する。この処理は実行予算書作成処理プログラム11に含まれる想定工種編集処理プログラム12により実現される。即ち、実行予算書作成画面24あるいは初期画面において想定工種編集コマンドを入力装置4により指定すると、想定工種編集画面が表示され、この想定工種編集画面には、既に作成された最小工種23単位の実行予算書が表示され、この実行予算書中において、一の業者に工事をまとめて発注依頼できる可能性のある複数の最小工種23,…を指定すると、図5に示すように、指定した最小工種23,…が上下に連続するように表示されるとともに、この最小工種23,…群から成る想定工種32の上には想定工種欄33が設けられ、この想定工種欄33の横に対応して実行予算欄28Aが設けられる。そして、想定工種欄33に想定工種名33A(例えば図5の「仮囲架払」、「仮設事務所」、「足場資材他」等)を入力装置4により入力すると、実行予算欄28Aの金額欄31Aには想定工種32の実行予算額、即ち、想定工種32を構成する最小工種23,…群の合計の実行予算額が表示される(例えば図5において1つの想定工種「仮囲架払」を構成する3つの最小工種「仮囲架払い」、「ゲート架払い」、「仮囲維持管理」の合計の実行予算額が想定工種「仮囲架払」の実行予算額として表示される)。
以上により、想定工種32を導入した図5に示すような実行予算書24Aが作成される。
したがって、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位の実行予算書24Aを作成できるため、原価管理において全体を把握しやすくなり、予算に対する精算予測の精度を向上させることが可能となる。
尚、実行予算書24Aの仕様欄26、単位欄27には、実行予算書作成画面24あるいは想定工種編集画面において入力されたデータが転記される。
【0010】
尚、図5の実行予算書24Aでは、想定工種を、外注(施工)費用と資材費用とで分けており、想定工種「仮囲架払」から「通路設備」までの外注小計実行予算額が算出されて金額欄31Bに表示され、想定工種「足場資材他」から「関連資材」までの資材他小計実行予算額が算出されて金額欄31Cに表示され、これら小計実行予算額の合計が算出されて仮設物費の合計実行予算として金額欄31Dに表示される。
【0011】
また、想定工種32を構成する最小工種23の組み替えは、上述した想定工種編集画面において自由に設定でき、また、想定工種32を構成する最小工種23の増減についても、最小工種追加コマンドや最小工種削除コマンドを指定することによって実現できる。また、想定工種32の削除についても、想定工種削除コマンドを指定することによって実現できる。
【0012】
次に、想定工種32を導入して作成した実行予算書24Aのデータを通信網100を介して管理側のコンピュータ9に送信し、実行予算の承認を受ける(ステップS2)。管理側から通信網100を介して実行予算の承認を受けた作業所のコンピュータ1では取決伺い書を作成する(ステップS3)。
【0013】
取決伺いは、実行予算書24Aの想定工種32,…のデータを取決伺い書として管理側のコンピュータ9に送信する。例えば想定工種「仮囲架払」を構成する「仮囲架払い」、「ゲート架払い」、「仮囲維持管理」の3つの最小工種23の工種名、3つの最小工種23の実行予算額、及び、3つの最小工種23を発注依頼する契約業者名等のデータをまとめて取決伺い書として管理側のコンピュータ9に送信する。この際、実行予算書24Aの想定工種32中の最小工種23のうちいずれかの取決伺いのみ行う場合がある。例えば、図5の想定工種「足場資材他」中の「単管・クランプ資材」、「フェンスバリケード」、「アルミゲート」の3つの最小工種に関する取決伺いのみを行う場合があり、この場合は想定工種「足場資材他」中のその他の「基礎ブロック」、「仮設事務所関連資材」の2つの最小工種23に関しては予定部分であり未取決の最小工種23となるが、この未取決の最小工種23も想定工種32(ここでは「足場資材他」)に対応させておく。
【0014】
管理側のコンピュータ9では、この取決伺いデータに基いて契約業者への注文書(実行予算額データは取除く)を作成し、この注文書のデータを契約業者に送信し、管理側は契約業者と取決めた取決額で契約する。その後、契約した取決額を含む注文書のデータをコンピュータ1に送信する。
コンピュータ1では、注文書のデータを取込んで記憶装置7に記憶する(ステップS3)。この注文書のデータは表示装置3の表示画面3aに表示でき、適宜確認できる。
【0015】
次に、変更工事が発生していなければ(ステップS4でのNO)、原価管理者は精算予測を行う(ステップS6)。これは、例えば初期画面に表示される精算予測コマンドを指定すると、表示装置3の表示画面3aに図6に示すような精算予測表35が表示され、この精算予測表35を見て行う。
精算予測表35は上述した実行予算書24A及び注文書のデータに基づいて精算予測表作成処理プログラム13により作成される。即ち、精算予測表35は、工種欄25Aに中工種21,想定工種32,想定工種名欄33,最小工種23が表示され、想定工種名33Aが表示された想定工種名欄33の横に並ぶように実行予算欄36,業者名欄37,取決額欄38,今後契約予定欄39,差異欄40が設けられる。実行予算欄36には実行予算書の想定工種32毎及び最小工種23,…毎の実行予算額が表示され、取決額欄38には契約業者と契約した想定工種32毎の取決額が表示され、業者名欄37には契約した契約業者名が想定工種32毎に表示される。
今後契約予定欄39には今後契約予定額が入力されて表示される。この今後契約予定額は以前の実績値を実行予算作成画面24の実行予算欄28Aから転記することができる。この今後契約予定額と取決額との合計が精算予測値になる。例えば、図6の資材費用中の想定工種32である関連資材については最小工種「通路敷鉄板」「地盤改良材」の今後契約予定額「350」「200」が入力され、その合計「550」が想定工種32である「関連資材」の今後契約予定欄に表示される。従って、「関連資材」については取決額「400」+今後契約予定額「550」=950が精算予測値になり、想定工種32である「関連資材」についての精算予測が行えるようになる。また、外注費用中の想定工種32である「仮面架払」「仮設事務所01」「通路設備01」については今後契約予定がなければ図6のように今後契約予定欄39には「0」が入力され、今後契約予定がある場合には今後契約予定欄39には今後契約予定額が入力される。従って、精算予測値=取決額+今後契約予定額により、想定工種32毎に精算予測が行える。
実施の形態では、外注費用においては、複数の最小工種である建築工事を一の業者に発注する単位で想定工種を作成しており、また、資材費用においては、複数の最小工種である資材を1まとめにした単位あるいは一つの資材であっても工事経過に伴い複数回発注する資材については一つの資材単位で想定工種を作成している。つまり、取決予定や支出予定と対応した想定工種を作成している。したがって、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位での原価管理が行えるため、原価管理において全体を把握しやすくなり、また、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位毎に今後契約予定額を入力できるので、これらの想定工種単位毎に将来の予想を加味した精度の高い精算予測を行えるようになる。また、想定工種単位毎に将来の予想を加味した精算予測値と実行予算値との差異、即ち、将来の収支も表示されるので、精度の高い将来の収支予想も行えるようになる。
【0016】
尚、資材に関しては、最小工種23である資材の種類毎に発注依頼するので、最小工種23,…毎に契約業者名,取決額が表示され、また、未取決部分(例えば図6の「基礎ブロック」、「仮設事務所関連資材」)があるので、この未決部分に対応する今後契約予定欄39には、未取決部分の今後契約予定額が入力される。そして、未取決部分を有する想定工種、例えば図6において未取決部分である「基礎ブロック」「仮設事務所関連資材」を有する想定工種「足場資材他」に対応する差異欄40には、現在の想定工種「足場資材他」の実行予算値「1010」−精算予測値(即ち、取決額「605」+今後契約予定額「350」)により算出される額「55」が表示される。
【0017】
また、変更工事が発生していれば(ステップS4でのYES)、変更工事管理処理を行う。この処理は変更工事管理処理プログラム14により実現される。これは、例えば初期画面中に表示される変更工事管理コマンドを指定すると、図4に示すような実行予算書作成画面24が表示される。この実行予算書作成画面24に表示される最小工種23の中から変更工事となる例えば追加の最小工種(1つでも複数でもよい)を選択して想定工種32を作成した後、実行予算書作成画面24中に設けられた精算予測コマンドを指定すると、図6の精算予測表35には、変更工事となる最小工種23が追加表示されるとともにその最小工種23の上に想定工種名33Aが追加表示され、想定工種名欄33の横に実行予算欄36、業者名欄37、取決額欄38、今後契約予定欄39、差異欄40が追加表示される。さらに、その変更工事による想定工種32の実行予算欄36及び取決額欄38、契約今後予定欄39にはこの想定工種32の作成時に入力した実行予算額が仮実行予算として入力されると他の想定工種の実行予算と区別できるように()付きで表示される。また、仮実行予算は契約が終わるまで実際は「0」として変更工事に対する差異40(後述する支払管理表45では精算予測48)を集計する。例えば、図6のように最小工種「現場便所」、「通路敷鉄板架払手間」が追加工事になった場合には、「現場便所」が想定工種名「仮設事務所02」として管理され、「通路敷鉄板架払手間」が想定工種名「通路設備02」として管理され、その追加工事による想定工種の実行予算欄36に仮実行予算値が入力されるとこの仮実行予算値は不確定要素として例えば図6に示すように(300),(400)のように()付きで表示され、また、これが今後契約予定欄39にも表示される。また、追加した想定工種32と同種の想定工種32は例えば想定工種名「仮設事務所01」、「通路設備01」として管理される。また、業者名欄37には、変更により生じた想定工種32を契約する予定の契約業者名を入力できる。
尚、仮実行予算値を他の実行予算値と区別できるよう色付きで表示してもよい。また、仮実行予算値が採用(承認)される確率をランク欄510(後述する支払管理表45でも同様)に段階を付けて表示したり、採用される確率の高低により異なる色表示をしてもよい。なお、仮実行予算が採用される確率によっては、取決額欄38、今後契約予定欄39の()付きを取り除き実数で集計してもよい(後述する支払管理表45では、支払額欄46、今後支払予定欄47、精算予測欄48について同様)。
【0018】
よって、精算予測表35を見て、想定工種32,…毎の実行予算と取決額との差異及び契約今後予定額等を確認することで、想定工種毎の将来を見越した精算予測を行える(ステップS6)。
また、契約を終えていない変更工事において仮実行予算の段階でも想定工種単位での原価管理が行え、あいまいになりがちな変更工事の原価把握を明確にできる。また、仮実行予算であることを精算予測表35に明示的に表示できるので、変更工事も含めた精算予測がやりやすくなる。
尚、例えば、想定工種32の実行予算額と取決額との差の大小により、想定工種32を構成する最小工種23を組み替えるよう修正し、この修正した想定工種32の取決伺いをやり直すことができる。また、最小工種23の削除、変更等の変更工事に対しても想定工種32を修正して対応できる。以上のことは、上述した想定工種編集処理プログラム12に基づく処理により自由に行える。
【0019】
次に、処理日が月末でなければ(ステップS7でNO)、ステップS3に戻って必要があればS3〜S6の作業を行う。
処理日が月末であれば(ステップS7でYES)、支払管理処理を行う。この処理は支払管理処理プログラム15により実現される。例えば初期画面中に表示される支払管理コマンドを指定すると、支払管理処理プログラム15中の支払管理表作成処理プログラム16に基いて図7に示すような支払管理表45が表示される。支払管理表45には、精算予測表35の工種欄25A,実行予算欄36,業者名欄37のデータが転記されるとともに、支払額欄46、今後支払予定欄47、精算予測欄48、実績欄49、予定欄50が設けられる。精算予測欄48には想定工種32の実行予算に対する取決額が表示されるか、あるいは、変更工事による想定工種32に対しては実際の予算は0なので仮実行予算額そのものが表示される。即ち、この支払管理表45の精算予測欄48には、精算予測表35の取決額か、あるいは、精算予測表35の仮実行予算額が転記される。そして、契約業者から管理側に送られ管理側から作業所に送信されてくる請求書データの請求額を支払額として支払管理表45の実績欄49の該当月に入力する。請求書データの請求は、外注費用の場合は、想定工種単位のデータなので、想定工種32に対応する実績欄49の該当月にその額を入力する。また、資材の場合には、発注単位毎、即ち、最小工種23毎に対応する実績欄49の該当月にその額を入力することにより、対応する実績欄49の該当月には想定工種32中の最小工種23の支払額の合計が算出され表示される。支払額欄46には想定工種に対する現在までの累計支払額が表示される。今後支払予定欄47には精算予測欄48に表示された額から支払額欄46に表示された額を引いた額が表示される。例えば、図7の想定工種「足場資材他」を例にして説明する。12月の月末であるとすれば、「足場資材他」中の最小工種「単管・クランプ資材」、「フェンスバリケード」の12月の実績欄49a,49bにそれぞれ実績値「50」、「40」をに入力すると、想定工種「足場資材他」の12月の実績欄49cには「90」が表示される。支払額欄46aには想定工種「足場資材他」に対する現在までの累計支払額「605」が表示され、今後支払予定欄47aには「350」が表示される。
【0020】
支払管理表45の予定欄50は、想定工種32に対応する将来の月次毎の支払予定額欄51と、この支払予定額欄51の下に設けられた指標数値入力欄52とから成る。そして、支払い残り月に対応する指標数値入力欄52に100%、75%、50%、25%のいずれかの指標数値を入力すると、今後支払予定額を指標数値により按分した額が支払予定額欄51に表示される。例えば、図7において、12月末であるとすると、想定工種「足場資材他」の今後支払予定額は350(千円)、支払い残り月が1月〜5月である。図7のように、1月〜3月に対応する指標数値入力欄52に「100(%)」を入力し、4月に対応する指標数値入力欄52に「75(%)」を入力し、5月に対応する指標数値入力欄52に「25(%)」を入力したとすると、「100(%)」を入力した指標数値入力欄52に対応する支払予定額欄51には、次のように算出される値が表示される。つまり、今後支払予定額350を指標数値の合計(100+100+100+75+25)で割った値(=0.875)に100を掛けた値、即ち、87.5を四捨五入した値「88(千円)」が表示される。4月の場合、同様に、「75(%)」を入力した指標数値入力欄52に対応する支払予定額欄51には、0.875×75=65.625を四捨五入した「66(千円)」が表示される。5月の場合、同様に、「25(%)」を入力した指標数値入力欄52に対応する支払予定額欄51には、0.875×25=21.875を四捨五入した「22(千円)」が表示される。この算出処理は支払管理処理プログラム15中の将来月次支払予定額算出処理プログラム17により実現される。尚、この算出処理は(今後支払予定額÷指標数値の合計)×指標数値を算出する算出処理プログラムにより実現できるので、指標数値としてはどのような数値を入力しても構わない。
尚、支払管理表45においても、変更工事に該当する実行予算欄36、支払額欄46、今後支払予定欄47、精算予測欄48は()付きで表示される。
この支払管理表45により、月次で指標化した支払予定を毎月見直すことが可能となり、これにより工事途中においても精算予測見直しを行え(ステップS9)、工事の途中時点での予測精度も上がる。また、想定工種毎に月次で指標化した支払予定を長期収支や進行基準の元データとして活用できる。
【0021】
そして、支払管理表45のデータに基いて実行予算状況集計表を作成し(ステップS10)、収支報告書を作成する(ステップS11)。収支報告書において実行予算と精算予測値との乖離が規定値以内でなければ(ステップS12でNO)、改訂変更実行予算書を作成し(ステップS13a)、承認を受けて処理をやり直す。実行予算と精算予測値との乖離が規定値以内であり(ステップS12でYES)、工事が終了していなければ(ステップS14でNO)、ステップS3に戻って以後の処理を行う。工事が終了したならば(ステップS14でYES)、実行予算精算書を作成し(ステップS15)、終了する。
【0022】
尚、上記では、図6に示したように今後契約予定を加味した精算予測表35を作成する例について説明したが、短期間の工事においては、今後契約予定欄を省いた原価管理表を作成させるプログラムとしてもよい。即ち、コンピュータ1に、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,差異欄を表示させ、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄に入力される情報に基いて、コンピュータ1に想定工種毎の差異欄に実行予算額と工事契約取決額との差異を表示させる原価管理表作成処理プログラムを備えた工事原価管理処理プログラムとしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明の工事原価管理処理プログラムによれば、コンピュータを、工事の最小工種を複数まとめた想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させたり、コンピュータを、工事の1つの最小工種であって工事経過に伴い複数回発注する最小工種を想定工種としてこの想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位の実行予算書を作成できるため、原価管理において全体を把握しやすくなり、予算に対する精算予測の精度を向上させることが可能となる。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の差異欄に実行予算額と工事契約取決額との差異を表示させる原価管理表を作成する手段として機能させる原価管理表作成処理プログラムを備えたので、全体を把握しやすい原価管理が可能となる。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の工事契約取決額と今後契約予定額を足した精算予測値を表示するとともに、想定工種毎の差異欄に想定工種毎の精算予測値と実行予算値との差異を表示する精算予測表を作成する手段として機能させる精算予測表作成処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位毎に今後契約予定額を入力でき、これらの想定工種単位毎に将来の予想を加味した精度の高い精算予測を行えるようになる。また、想定工種単位毎に将来の予想を加味した精算予測値と実行予算値との差異、即ち、将来の収支も表示されるので、精度の高い将来の収支予想も行えるようになる。
また、変更工事が生じた場合に、コンピュータを、想定工種を作成する手段及びこの想定工種に割り当てた仮実行予算額を精算予測表において他の想定工種の実行予算額と区別して表示する手段として機能させる変更工事管理処理プログラムを備えたので、契約を終えていない変更工事において仮実行予算の段階でも想定工種単位での原価管理が行え、あいまいになりがちな変更工事の原価把握を明確にでき、また、仮実行予算であることを精算予測管理表に明示的に表示できるので、変更工事も含めた精算予測がやりやすくなる。また、変更工事についても取決予定や支出予定と対応した想定工種単位で精算予測を行える。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の月次の工事費支払実績及び想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定を管理する手段として機能させる支払管理処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位での工事費支払実績及び工事費支払予定を管理できる。
また、支払管理処理プログラムは、コンピュータを、想定工種単位の将来の工事費支払予定総額を支払う予定の残月毎の工事費支払予定欄とこの残月毎の工事費支払予定欄に対応する指標数値入力欄とを備えた支払管理表を作成する手段として機能させる支払管理表作成処理プログラムを備えるとともに、指標数値入力欄に指標数値が入力された場合に、算出式=(想定工種単位の将来の工事費支払予定総額÷指標数値の合計)×指標数値に基いて、想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定額を算出する手段として機能させる将来月次支払予定額算出処理プログラムを備えたので、月次で指標化した支払予定を毎月見直すことが可能となり、これにより工事途中においても精算予測見直しを行え、工事の途中時点での予測精度も上がる。また、想定工種毎に月次で指標化した支払予定を長期収支や進行基準の元データとして活用できる。
また、コンピュータを、想定工種を構成する最小工種の組み替え処理や増減処理を行う手段、あるいは、想定工種の削除処理を行う手段として機能させる想定工種編集処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種の作成および変更などを自由に行え、柔軟な原価管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による建築原価管理プログラムを使用して実現される建築原価管理システムの概略構成図。
【図2】建築原価管理処理の流れを示すフロー図。
【図3】建築原価管理システムの表示装置の表示画面に表示される工種表を示す図。
【図4】最小工種単位の実行予算書作成画面を示す図。
【図5】想定工種単位の実行予算書を示す図。
【図6】精算予測表を示す図。
【図7】支払管理表を示す図。
【符号の説明】
1 コンピュータ、2 コンピュータ本体、5 処理装置(CPU)、11 実行予算書作成処理プログラム、12 想定工種編集処理プログラム、
13 積算予測表作成処理プログラム、14 変更工事管理処理プログラム、
15 支払管理処理プログラム、16 支払管理表作成処理プログラム、
17 将来月次支払予定額算出処理プログラム、23 最小工種、
24 実行予算書、32 想定工種、35 精算予測表。
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の工事原価管理は、おおよそ以下のような流れで行われる。
まず、作業所で工事の実行予算書を作成し、その実行予算書のデータを建設会社の支社,支店あるいは本社(以下「管理側」という)に送信して実行予算の承認を受ける。承認を受けた作業所では、実行予算書から発注を希望する工事の最小工種のデータをいくつか抜粋して集めたデータを取決伺いデータとして管理側に送信する。管理側は取決伺いデータに基づいて協力業者との契約の決済を行う。管理側では協力業者との契約の決済を行って決済を行った注文書のデータを作業所に送信する。そして、注文書に対する協力業者からの請求書のデータ及びこの請求書データに基いて管理側が協力業者に支払う取決額を作業所に送信する。作業所では、実行予算と支出、それによる出来高等を整理した収支報告書を管理側に送信する。
上述のような実行予算書,取決伺い書,注文書,請求書,支払額,収支報告書等のデータを電子データ化してインターネット等の通信網を介して送受信を行い、工事原価管理を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−123572号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の工事原価管理システムによれば、要素項目(最小工種)毎に実行予算を作成し(特許文献1の図4参照)、要素項目(最小工種)単位で原価管理を行っている(同図5,図7,図8,図9参照)。また、要素項目(最小工種)を更に分割して管理している(同図6参照)。つまり、特許文献1の工事原価管理システムでは、要素項目(最小工種)以下の単位毎に原価管理を行なっている。このため、取決予定や支出予定が予算の要素項目(最小工種)と対応していない状況になりやすく、原価管理の全体把握に時間がかかってしまったり、予算に対する精算予測の精度が低下するという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムにおいて、コンピュータを、工事の最小工種を複数まとめた想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させたり、コンピュータを、工事の1つの最小工種であって工事経過に伴い複数回発注する最小工種を想定工種としてこの想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の差異欄に実行予算額と工事契約取決額との差異を表示させる原価管理表を作成する手段として機能させる原価管理表作成処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の工事契約取決額と今後契約予定額を足した精算予測値を表示するとともに、想定工種毎の差異欄に想定工種毎の精算予測値と実行予算値との差異を表示する精算予測表を作成する手段として機能させる精算予測表作成処理プログラムを備えた。
また、変更工事が生じた場合に、コンピュータを、想定工種を作成する手段及びこの想定工種に割り当てた仮実行予算額を精算予測表において他の想定工種の実行予算額と区別して表示する手段として機能させる変更工事管理処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の月次の工事費支払実績及び想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定を管理する手段として機能させる支払管理処理プログラムを備えた。
また、支払管理処理プログラムは、コンピュータを、想定工種単位の将来の工事費支払予定総額を支払う予定の残月毎の工事費支払予定欄とこの残月毎の工事費支払予定欄に対応する指標数値入力欄とを備えた支払管理表を作成する手段として機能させる支払管理表作成処理プログラムを備えるとともに、指標数値入力欄に指標数値が入力された場合に、算出式=(想定工種単位の将来の工事費支払予定総額÷指標数値の合計)×指標数値に基いて、想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定額を算出する手段として機能させる将来月次支払予定額算出処理プログラムを備えた。
また、コンピュータを、想定工種を構成する最小工種の組み替え処理や増減処理を行う手段、あるいは、想定工種の削除処理を行う手段として機能させる想定工種編集処理プログラムを備えた。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による工事原価管理処理プログラムを図に基いて説明する。尚、実施の形態では、建築原価管理処理プログラムを例にして説明する。
図1は実施の形態の建築原価管理プログラムを使用して実現される建築原価管理システムを示す概略図であり、1は実行予算書を作成する作業所や本社、支社、支店の積算部門に設置されたコンピュータであり、コンピュータ本体2と表示装置3と入力装置4とを備える。コンピュータ本体2は、建築原価管理プログラム10の命令を受けて処理を実行する処理装置(以下「CPU」という)5と、建築原価管理プログラム10を記憶する主記憶装置6と、データ入出力手段8とを備える。
9は管理側のコンピュータであり、各種データを記憶する記憶装置7を備える。
100はコンピュータ1とコンピュータ9とを電話回線,専用線,ISDN,LAN等により接続したインターネット、イントラネット等の通信網である。
建築原価管理プログラム10は、後述する実行予算書作成処理プログラム11、想定工種編集処理プログラム12、精算予測表作成処理プログラム13、変更工事管理処理プログラム14、支払管理処理プログラム15等により構成される。
【0007】
実施の形態による建築原価管理処理の流れを図2のフローに基いて説明する。
まず、作業所や本社、支社、支店の積算部門でコンピュータ1により実行予算書を作成する(ステップS1)。この処理は実行予算書作成処理プログラム11により実現される。まず、作業所や本社、支社、支店の積算部門において管理者がコンピュータ1の電源を入れ、表示装置3の表示画面3aに表示される画面中の建築原価管理システム選択コマンドを原価管理者がキーボードやマウス等の入力装置4により指定すると、建築原価管理システムの起動プログラムにより表示装置3の表示画面3aに建築原価管理システムの初期画面が表示される。初期画面中に表示される実行予算書作成コマンドを指定すると、図3に示すような、建築工事を大工種20,中工種21に分けた工種表22が表示される。この工種表22の中から例えば1つの中工種21を入力装置4により指定すると、図4に示すような実行予算書作成画面24が表示される。即ち、指定した中工種21に含まれる最小工種23単位での実行予算書作成画面24が表示される。実行予算書作成画面24には、指定した中工種21及びこの中工種21に含まれる最小工種23が表示される工種欄25と、最小工種23,…毎の仕様欄26,単位欄27,実行予算欄28とが設けられている。実行予算欄28には、数量欄29,単価欄30,金額欄31が設けられている。図3では「仮設工事費」、「建築主体工事費」、「建築仕上工事費」が大工種20に該当し、大工種20である「仮設工事費」の下に並べて表示されている「準備費」、「仮設物費」、「機械器具費」等が中工種21に該当する。図4では中工種21である「仮設物費」の下に並べて表示されている「仮囲架払い」、「ゲート架払い」、「仮囲維持管理」等が最小工種23に該当する。
【0008】
上述した最小工種23の種類は過去の実績が反映されて予め決められており、実行予算書作成画面24のそれぞれの最小工種23,…毎の仕様欄26,単位欄27,実行予算欄28には前回のデータが残されている。
そして、最小工種23,…毎の仕様欄26,単位欄27,実行予算欄28に今回の最小工種23,…毎の仕様、単位、実行予算額を入力することにより、最小工種23単位の実行予算書を作成できる。
尚、実行予算書作成画面24において、最小工種追加コマンドを指定することにより、最小工種23を追加でき、また、最小工種削除コマンドを指定することにより、最小工種23を削除することが可能である。
【0009】
次に、既に作成された最小工種23単位の実行予算書中に想定工種を作成する。この処理は実行予算書作成処理プログラム11に含まれる想定工種編集処理プログラム12により実現される。即ち、実行予算書作成画面24あるいは初期画面において想定工種編集コマンドを入力装置4により指定すると、想定工種編集画面が表示され、この想定工種編集画面には、既に作成された最小工種23単位の実行予算書が表示され、この実行予算書中において、一の業者に工事をまとめて発注依頼できる可能性のある複数の最小工種23,…を指定すると、図5に示すように、指定した最小工種23,…が上下に連続するように表示されるとともに、この最小工種23,…群から成る想定工種32の上には想定工種欄33が設けられ、この想定工種欄33の横に対応して実行予算欄28Aが設けられる。そして、想定工種欄33に想定工種名33A(例えば図5の「仮囲架払」、「仮設事務所」、「足場資材他」等)を入力装置4により入力すると、実行予算欄28Aの金額欄31Aには想定工種32の実行予算額、即ち、想定工種32を構成する最小工種23,…群の合計の実行予算額が表示される(例えば図5において1つの想定工種「仮囲架払」を構成する3つの最小工種「仮囲架払い」、「ゲート架払い」、「仮囲維持管理」の合計の実行予算額が想定工種「仮囲架払」の実行予算額として表示される)。
以上により、想定工種32を導入した図5に示すような実行予算書24Aが作成される。
したがって、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位の実行予算書24Aを作成できるため、原価管理において全体を把握しやすくなり、予算に対する精算予測の精度を向上させることが可能となる。
尚、実行予算書24Aの仕様欄26、単位欄27には、実行予算書作成画面24あるいは想定工種編集画面において入力されたデータが転記される。
【0010】
尚、図5の実行予算書24Aでは、想定工種を、外注(施工)費用と資材費用とで分けており、想定工種「仮囲架払」から「通路設備」までの外注小計実行予算額が算出されて金額欄31Bに表示され、想定工種「足場資材他」から「関連資材」までの資材他小計実行予算額が算出されて金額欄31Cに表示され、これら小計実行予算額の合計が算出されて仮設物費の合計実行予算として金額欄31Dに表示される。
【0011】
また、想定工種32を構成する最小工種23の組み替えは、上述した想定工種編集画面において自由に設定でき、また、想定工種32を構成する最小工種23の増減についても、最小工種追加コマンドや最小工種削除コマンドを指定することによって実現できる。また、想定工種32の削除についても、想定工種削除コマンドを指定することによって実現できる。
【0012】
次に、想定工種32を導入して作成した実行予算書24Aのデータを通信網100を介して管理側のコンピュータ9に送信し、実行予算の承認を受ける(ステップS2)。管理側から通信網100を介して実行予算の承認を受けた作業所のコンピュータ1では取決伺い書を作成する(ステップS3)。
【0013】
取決伺いは、実行予算書24Aの想定工種32,…のデータを取決伺い書として管理側のコンピュータ9に送信する。例えば想定工種「仮囲架払」を構成する「仮囲架払い」、「ゲート架払い」、「仮囲維持管理」の3つの最小工種23の工種名、3つの最小工種23の実行予算額、及び、3つの最小工種23を発注依頼する契約業者名等のデータをまとめて取決伺い書として管理側のコンピュータ9に送信する。この際、実行予算書24Aの想定工種32中の最小工種23のうちいずれかの取決伺いのみ行う場合がある。例えば、図5の想定工種「足場資材他」中の「単管・クランプ資材」、「フェンスバリケード」、「アルミゲート」の3つの最小工種に関する取決伺いのみを行う場合があり、この場合は想定工種「足場資材他」中のその他の「基礎ブロック」、「仮設事務所関連資材」の2つの最小工種23に関しては予定部分であり未取決の最小工種23となるが、この未取決の最小工種23も想定工種32(ここでは「足場資材他」)に対応させておく。
【0014】
管理側のコンピュータ9では、この取決伺いデータに基いて契約業者への注文書(実行予算額データは取除く)を作成し、この注文書のデータを契約業者に送信し、管理側は契約業者と取決めた取決額で契約する。その後、契約した取決額を含む注文書のデータをコンピュータ1に送信する。
コンピュータ1では、注文書のデータを取込んで記憶装置7に記憶する(ステップS3)。この注文書のデータは表示装置3の表示画面3aに表示でき、適宜確認できる。
【0015】
次に、変更工事が発生していなければ(ステップS4でのNO)、原価管理者は精算予測を行う(ステップS6)。これは、例えば初期画面に表示される精算予測コマンドを指定すると、表示装置3の表示画面3aに図6に示すような精算予測表35が表示され、この精算予測表35を見て行う。
精算予測表35は上述した実行予算書24A及び注文書のデータに基づいて精算予測表作成処理プログラム13により作成される。即ち、精算予測表35は、工種欄25Aに中工種21,想定工種32,想定工種名欄33,最小工種23が表示され、想定工種名33Aが表示された想定工種名欄33の横に並ぶように実行予算欄36,業者名欄37,取決額欄38,今後契約予定欄39,差異欄40が設けられる。実行予算欄36には実行予算書の想定工種32毎及び最小工種23,…毎の実行予算額が表示され、取決額欄38には契約業者と契約した想定工種32毎の取決額が表示され、業者名欄37には契約した契約業者名が想定工種32毎に表示される。
今後契約予定欄39には今後契約予定額が入力されて表示される。この今後契約予定額は以前の実績値を実行予算作成画面24の実行予算欄28Aから転記することができる。この今後契約予定額と取決額との合計が精算予測値になる。例えば、図6の資材費用中の想定工種32である関連資材については最小工種「通路敷鉄板」「地盤改良材」の今後契約予定額「350」「200」が入力され、その合計「550」が想定工種32である「関連資材」の今後契約予定欄に表示される。従って、「関連資材」については取決額「400」+今後契約予定額「550」=950が精算予測値になり、想定工種32である「関連資材」についての精算予測が行えるようになる。また、外注費用中の想定工種32である「仮面架払」「仮設事務所01」「通路設備01」については今後契約予定がなければ図6のように今後契約予定欄39には「0」が入力され、今後契約予定がある場合には今後契約予定欄39には今後契約予定額が入力される。従って、精算予測値=取決額+今後契約予定額により、想定工種32毎に精算予測が行える。
実施の形態では、外注費用においては、複数の最小工種である建築工事を一の業者に発注する単位で想定工種を作成しており、また、資材費用においては、複数の最小工種である資材を1まとめにした単位あるいは一つの資材であっても工事経過に伴い複数回発注する資材については一つの資材単位で想定工種を作成している。つまり、取決予定や支出予定と対応した想定工種を作成している。したがって、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位での原価管理が行えるため、原価管理において全体を把握しやすくなり、また、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位毎に今後契約予定額を入力できるので、これらの想定工種単位毎に将来の予想を加味した精度の高い精算予測を行えるようになる。また、想定工種単位毎に将来の予想を加味した精算予測値と実行予算値との差異、即ち、将来の収支も表示されるので、精度の高い将来の収支予想も行えるようになる。
【0016】
尚、資材に関しては、最小工種23である資材の種類毎に発注依頼するので、最小工種23,…毎に契約業者名,取決額が表示され、また、未取決部分(例えば図6の「基礎ブロック」、「仮設事務所関連資材」)があるので、この未決部分に対応する今後契約予定欄39には、未取決部分の今後契約予定額が入力される。そして、未取決部分を有する想定工種、例えば図6において未取決部分である「基礎ブロック」「仮設事務所関連資材」を有する想定工種「足場資材他」に対応する差異欄40には、現在の想定工種「足場資材他」の実行予算値「1010」−精算予測値(即ち、取決額「605」+今後契約予定額「350」)により算出される額「55」が表示される。
【0017】
また、変更工事が発生していれば(ステップS4でのYES)、変更工事管理処理を行う。この処理は変更工事管理処理プログラム14により実現される。これは、例えば初期画面中に表示される変更工事管理コマンドを指定すると、図4に示すような実行予算書作成画面24が表示される。この実行予算書作成画面24に表示される最小工種23の中から変更工事となる例えば追加の最小工種(1つでも複数でもよい)を選択して想定工種32を作成した後、実行予算書作成画面24中に設けられた精算予測コマンドを指定すると、図6の精算予測表35には、変更工事となる最小工種23が追加表示されるとともにその最小工種23の上に想定工種名33Aが追加表示され、想定工種名欄33の横に実行予算欄36、業者名欄37、取決額欄38、今後契約予定欄39、差異欄40が追加表示される。さらに、その変更工事による想定工種32の実行予算欄36及び取決額欄38、契約今後予定欄39にはこの想定工種32の作成時に入力した実行予算額が仮実行予算として入力されると他の想定工種の実行予算と区別できるように()付きで表示される。また、仮実行予算は契約が終わるまで実際は「0」として変更工事に対する差異40(後述する支払管理表45では精算予測48)を集計する。例えば、図6のように最小工種「現場便所」、「通路敷鉄板架払手間」が追加工事になった場合には、「現場便所」が想定工種名「仮設事務所02」として管理され、「通路敷鉄板架払手間」が想定工種名「通路設備02」として管理され、その追加工事による想定工種の実行予算欄36に仮実行予算値が入力されるとこの仮実行予算値は不確定要素として例えば図6に示すように(300),(400)のように()付きで表示され、また、これが今後契約予定欄39にも表示される。また、追加した想定工種32と同種の想定工種32は例えば想定工種名「仮設事務所01」、「通路設備01」として管理される。また、業者名欄37には、変更により生じた想定工種32を契約する予定の契約業者名を入力できる。
尚、仮実行予算値を他の実行予算値と区別できるよう色付きで表示してもよい。また、仮実行予算値が採用(承認)される確率をランク欄510(後述する支払管理表45でも同様)に段階を付けて表示したり、採用される確率の高低により異なる色表示をしてもよい。なお、仮実行予算が採用される確率によっては、取決額欄38、今後契約予定欄39の()付きを取り除き実数で集計してもよい(後述する支払管理表45では、支払額欄46、今後支払予定欄47、精算予測欄48について同様)。
【0018】
よって、精算予測表35を見て、想定工種32,…毎の実行予算と取決額との差異及び契約今後予定額等を確認することで、想定工種毎の将来を見越した精算予測を行える(ステップS6)。
また、契約を終えていない変更工事において仮実行予算の段階でも想定工種単位での原価管理が行え、あいまいになりがちな変更工事の原価把握を明確にできる。また、仮実行予算であることを精算予測表35に明示的に表示できるので、変更工事も含めた精算予測がやりやすくなる。
尚、例えば、想定工種32の実行予算額と取決額との差の大小により、想定工種32を構成する最小工種23を組み替えるよう修正し、この修正した想定工種32の取決伺いをやり直すことができる。また、最小工種23の削除、変更等の変更工事に対しても想定工種32を修正して対応できる。以上のことは、上述した想定工種編集処理プログラム12に基づく処理により自由に行える。
【0019】
次に、処理日が月末でなければ(ステップS7でNO)、ステップS3に戻って必要があればS3〜S6の作業を行う。
処理日が月末であれば(ステップS7でYES)、支払管理処理を行う。この処理は支払管理処理プログラム15により実現される。例えば初期画面中に表示される支払管理コマンドを指定すると、支払管理処理プログラム15中の支払管理表作成処理プログラム16に基いて図7に示すような支払管理表45が表示される。支払管理表45には、精算予測表35の工種欄25A,実行予算欄36,業者名欄37のデータが転記されるとともに、支払額欄46、今後支払予定欄47、精算予測欄48、実績欄49、予定欄50が設けられる。精算予測欄48には想定工種32の実行予算に対する取決額が表示されるか、あるいは、変更工事による想定工種32に対しては実際の予算は0なので仮実行予算額そのものが表示される。即ち、この支払管理表45の精算予測欄48には、精算予測表35の取決額か、あるいは、精算予測表35の仮実行予算額が転記される。そして、契約業者から管理側に送られ管理側から作業所に送信されてくる請求書データの請求額を支払額として支払管理表45の実績欄49の該当月に入力する。請求書データの請求は、外注費用の場合は、想定工種単位のデータなので、想定工種32に対応する実績欄49の該当月にその額を入力する。また、資材の場合には、発注単位毎、即ち、最小工種23毎に対応する実績欄49の該当月にその額を入力することにより、対応する実績欄49の該当月には想定工種32中の最小工種23の支払額の合計が算出され表示される。支払額欄46には想定工種に対する現在までの累計支払額が表示される。今後支払予定欄47には精算予測欄48に表示された額から支払額欄46に表示された額を引いた額が表示される。例えば、図7の想定工種「足場資材他」を例にして説明する。12月の月末であるとすれば、「足場資材他」中の最小工種「単管・クランプ資材」、「フェンスバリケード」の12月の実績欄49a,49bにそれぞれ実績値「50」、「40」をに入力すると、想定工種「足場資材他」の12月の実績欄49cには「90」が表示される。支払額欄46aには想定工種「足場資材他」に対する現在までの累計支払額「605」が表示され、今後支払予定欄47aには「350」が表示される。
【0020】
支払管理表45の予定欄50は、想定工種32に対応する将来の月次毎の支払予定額欄51と、この支払予定額欄51の下に設けられた指標数値入力欄52とから成る。そして、支払い残り月に対応する指標数値入力欄52に100%、75%、50%、25%のいずれかの指標数値を入力すると、今後支払予定額を指標数値により按分した額が支払予定額欄51に表示される。例えば、図7において、12月末であるとすると、想定工種「足場資材他」の今後支払予定額は350(千円)、支払い残り月が1月〜5月である。図7のように、1月〜3月に対応する指標数値入力欄52に「100(%)」を入力し、4月に対応する指標数値入力欄52に「75(%)」を入力し、5月に対応する指標数値入力欄52に「25(%)」を入力したとすると、「100(%)」を入力した指標数値入力欄52に対応する支払予定額欄51には、次のように算出される値が表示される。つまり、今後支払予定額350を指標数値の合計(100+100+100+75+25)で割った値(=0.875)に100を掛けた値、即ち、87.5を四捨五入した値「88(千円)」が表示される。4月の場合、同様に、「75(%)」を入力した指標数値入力欄52に対応する支払予定額欄51には、0.875×75=65.625を四捨五入した「66(千円)」が表示される。5月の場合、同様に、「25(%)」を入力した指標数値入力欄52に対応する支払予定額欄51には、0.875×25=21.875を四捨五入した「22(千円)」が表示される。この算出処理は支払管理処理プログラム15中の将来月次支払予定額算出処理プログラム17により実現される。尚、この算出処理は(今後支払予定額÷指標数値の合計)×指標数値を算出する算出処理プログラムにより実現できるので、指標数値としてはどのような数値を入力しても構わない。
尚、支払管理表45においても、変更工事に該当する実行予算欄36、支払額欄46、今後支払予定欄47、精算予測欄48は()付きで表示される。
この支払管理表45により、月次で指標化した支払予定を毎月見直すことが可能となり、これにより工事途中においても精算予測見直しを行え(ステップS9)、工事の途中時点での予測精度も上がる。また、想定工種毎に月次で指標化した支払予定を長期収支や進行基準の元データとして活用できる。
【0021】
そして、支払管理表45のデータに基いて実行予算状況集計表を作成し(ステップS10)、収支報告書を作成する(ステップS11)。収支報告書において実行予算と精算予測値との乖離が規定値以内でなければ(ステップS12でNO)、改訂変更実行予算書を作成し(ステップS13a)、承認を受けて処理をやり直す。実行予算と精算予測値との乖離が規定値以内であり(ステップS12でYES)、工事が終了していなければ(ステップS14でNO)、ステップS3に戻って以後の処理を行う。工事が終了したならば(ステップS14でYES)、実行予算精算書を作成し(ステップS15)、終了する。
【0022】
尚、上記では、図6に示したように今後契約予定を加味した精算予測表35を作成する例について説明したが、短期間の工事においては、今後契約予定欄を省いた原価管理表を作成させるプログラムとしてもよい。即ち、コンピュータ1に、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,差異欄を表示させ、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄に入力される情報に基いて、コンピュータ1に想定工種毎の差異欄に実行予算額と工事契約取決額との差異を表示させる原価管理表作成処理プログラムを備えた工事原価管理処理プログラムとしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明の工事原価管理処理プログラムによれば、コンピュータを、工事の最小工種を複数まとめた想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させたり、コンピュータを、工事の1つの最小工種であって工事経過に伴い複数回発注する最小工種を想定工種としてこの想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位の実行予算書を作成できるため、原価管理において全体を把握しやすくなり、予算に対する精算予測の精度を向上させることが可能となる。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の差異欄に実行予算額と工事契約取決額との差異を表示させる原価管理表を作成する手段として機能させる原価管理表作成処理プログラムを備えたので、全体を把握しやすい原価管理が可能となる。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の工事契約取決額と今後契約予定額を足した精算予測値を表示するとともに、想定工種毎の差異欄に想定工種毎の精算予測値と実行予算値との差異を表示する精算予測表を作成する手段として機能させる精算予測表作成処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位毎に今後契約予定額を入力でき、これらの想定工種単位毎に将来の予想を加味した精度の高い精算予測を行えるようになる。また、想定工種単位毎に将来の予想を加味した精算予測値と実行予算値との差異、即ち、将来の収支も表示されるので、精度の高い将来の収支予想も行えるようになる。
また、変更工事が生じた場合に、コンピュータを、想定工種を作成する手段及びこの想定工種に割り当てた仮実行予算額を精算予測表において他の想定工種の実行予算額と区別して表示する手段として機能させる変更工事管理処理プログラムを備えたので、契約を終えていない変更工事において仮実行予算の段階でも想定工種単位での原価管理が行え、あいまいになりがちな変更工事の原価把握を明確にでき、また、仮実行予算であることを精算予測管理表に明示的に表示できるので、変更工事も含めた精算予測がやりやすくなる。また、変更工事についても取決予定や支出予定と対応した想定工種単位で精算予測を行える。
また、コンピュータを、想定工種単位毎の月次の工事費支払実績及び想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定を管理する手段として機能させる支払管理処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種単位での工事費支払実績及び工事費支払予定を管理できる。
また、支払管理処理プログラムは、コンピュータを、想定工種単位の将来の工事費支払予定総額を支払う予定の残月毎の工事費支払予定欄とこの残月毎の工事費支払予定欄に対応する指標数値入力欄とを備えた支払管理表を作成する手段として機能させる支払管理表作成処理プログラムを備えるとともに、指標数値入力欄に指標数値が入力された場合に、算出式=(想定工種単位の将来の工事費支払予定総額÷指標数値の合計)×指標数値に基いて、想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定額を算出する手段として機能させる将来月次支払予定額算出処理プログラムを備えたので、月次で指標化した支払予定を毎月見直すことが可能となり、これにより工事途中においても精算予測見直しを行え、工事の途中時点での予測精度も上がる。また、想定工種毎に月次で指標化した支払予定を長期収支や進行基準の元データとして活用できる。
また、コンピュータを、想定工種を構成する最小工種の組み替え処理や増減処理を行う手段、あるいは、想定工種の削除処理を行う手段として機能させる想定工種編集処理プログラムを備えたので、取決予定や支出予定と対応した想定工種の作成および変更などを自由に行え、柔軟な原価管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による建築原価管理プログラムを使用して実現される建築原価管理システムの概略構成図。
【図2】建築原価管理処理の流れを示すフロー図。
【図3】建築原価管理システムの表示装置の表示画面に表示される工種表を示す図。
【図4】最小工種単位の実行予算書作成画面を示す図。
【図5】想定工種単位の実行予算書を示す図。
【図6】精算予測表を示す図。
【図7】支払管理表を示す図。
【符号の説明】
1 コンピュータ、2 コンピュータ本体、5 処理装置(CPU)、11 実行予算書作成処理プログラム、12 想定工種編集処理プログラム、
13 積算予測表作成処理プログラム、14 変更工事管理処理プログラム、
15 支払管理処理プログラム、16 支払管理表作成処理プログラム、
17 将来月次支払予定額算出処理プログラム、23 最小工種、
24 実行予算書、32 想定工種、35 精算予測表。
Claims (8)
- コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムにおいて、
コンピュータを、工事の最小工種を複数まとめた想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラムを備えたことを特徴とする工事原価管理処理プログラム。 - コンピュータを工事原価管理システムとして機能させる工事原価管理処理プログラムにおいて、
コンピュータを、工事の1つの最小工種であって工事経過に伴い複数回発注する最小工種を想定工種としてこの想定工種単位の実行予算書を作成する手段として機能させる実行予算書作成処理プログラムを備えたことを特徴とする工事原価管理処理プログラム。 - コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の差異欄に実行予算額と工事契約取決額との差異を表示させる原価管理表を作成する手段として機能させる原価管理表作成処理プログラムを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の工事原価管理処理プログラム。
- コンピュータを、想定工種単位毎の実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄,差異欄を表示し、これら実行予算値入力欄,工事契約業者名入力欄,工事契約取決額入力欄,今後契約予定額入力欄に入力される情報に基いて、想定工種毎の工事契約取決額と今後契約予定額を足した精算予測値を表示するとともに、想定工種毎の差異欄に想定工種毎の精算予測値と実行予算値との差異を表示する精算予測表を作成する手段として機能させる精算予測表作成処理プログラムを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の工事原価管理処理プログラム。
- 変更工事が生じた場合に、コンピュータを、想定工種を作成する手段及びこの想定工種に割り当てた仮実行予算額を精算予測表において他の想定工種の実行予算額と区別して表示する手段として機能させる変更工事管理処理プログラムを備えたことを特徴とする請求項4に記載の工事原価管理処理プログラム。
- コンピュータを、想定工種単位毎の月次の工事費支払実績及び想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定を管理する手段として機能させる支払管理処理プログラムを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の工事原価管理処理プログラム。
- 支払管理処理プログラムは、コンピュータを、想定工種単位の将来の工事費支払予定総額を支払う予定の残月毎の工事費支払予定欄とこの残月毎の工事費支払予定欄に対応する指標数値入力欄とを備えた支払管理表を作成する手段として機能させる支払管理表作成処理プログラムを備えるとともに、指標数値入力欄に指標数値が入力された場合に、算出式=(想定工種単位の将来の工事費支払予定総額÷指標数値の合計)×指標数値に基いて、想定工種単位毎の将来の月次の工事費支払予定額を算出する手段として機能させる将来月次支払予定額算出処理プログラムを備えることを特徴とする請求項6に記載の工事原価管理処理プログラム。
- コンピュータを、想定工種を構成する最小工種の組み替え処理や増減処理を行う手段、あるいは、想定工種の削除処理を行う手段として機能させる想定工種編集処理プログラムを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の工事原価管理処理プログラム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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