JP2004302274A - レンズバリア付きレンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品配置の効率を上昇させ、かつレンズバリア機構を確実に固定する。
【解決手段】前筒32の先端側には、レンズバリアユニット33が設けられている。 レンズバリアユニット33は、前面カバー75、一対のバリア羽根76,77、バリア基板78、及びバリア駆動部材79とから構成される。バリア羽根76,77は、前カバー75及びバリア基板78によって挟み込まれて光軸方向に対して直交する方向に開閉自在に支持される。バリア駆動部材79は、バリア基板78の背面側に支持され、前筒39の進退に連動してバリア羽根76,77を開閉させる。レンズバリアユニット33は、前筒32の回転筒39に対して回転自在かつ光軸方向に位置が規制されて取り付けられ、直進筒40と係合し、回転が規制される。
【選択図】 図3
【解決手段】前筒32の先端側には、レンズバリアユニット33が設けられている。 レンズバリアユニット33は、前面カバー75、一対のバリア羽根76,77、バリア基板78、及びバリア駆動部材79とから構成される。バリア羽根76,77は、前カバー75及びバリア基板78によって挟み込まれて光軸方向に対して直交する方向に開閉自在に支持される。バリア駆動部材79は、バリア基板78の背面側に支持され、前筒39の進退に連動してバリア羽根76,77を開閉させる。レンズバリアユニット33は、前筒32の回転筒39に対して回転自在かつ光軸方向に位置が規制されて取り付けられ、直進筒40と係合し、回転が規制される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り出し及び沈胴に連動してレンズバリアが開閉するレンズバリア付きレンズ鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影レンズの前方にレンズバリアを設け、携帯時等の撮影を行なわない時に、撮影レンズに傷や埃,汚れなどが着かないように保護するレンズバリア機構を備えたカメラが従来よりある。レンズバリア機構は、レンズ鏡筒の先端部内に回動自在に取り付けられた1枚あるいは複数枚のバリア羽根などから構成され、これらのバリア羽根をレンズ鏡筒の移動もしくは回転に連動して回動させることで、撮影レンズの開放と保護とを行なっている。
【0003】
上述のようなレンズバリア機構は、複数の部品を組み合わせたユニット形態でレンズ鏡筒に組み込まれていることが多く、例えば特許文献1及び2に記載されているレンズバリア機構は、2枚のバリア羽根、このバリア羽根を回転自在に支持するバリア基板、レンズ鏡筒からの駆動に連動してバリア羽根を回動させるバリア駆動部材、及びこれらの前方を覆い隠し、撮影レンズを露呈させる開口が形成された前カバーなどからなり、このレンズバリア機構をレンズ鏡筒の先端部に固定している。
【0004】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−161185号公報
【特許文献2】
特開2000−231140号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載されているようなレンズバリア機構を備えたカメラでは、レンズバリア機構を撮影レンズの前方にネジ止め又は爪止めすることが一般的であり、ネジ止め又は爪止めするスペースをレンズ鏡筒の先端部に必要とするために、レンズ鏡筒の先端部に他の部品を配置することが非常に困難である。また、レンズバリア機構をネジ止め又は爪止めによって確実に固定する必要があるため、高い部品精度及び組立精度が必要となり、コストの上昇を招くことにもなる。
【0006】
特に、撮影レンズを保持する直進筒と、この直進筒を内蔵し、ヘリコイドのリードなどによって回転駆動を直進移動に変換する回転筒とから構成されるレンズ鏡筒などでは、回転筒と直進筒の回転位相差から、撮影レンズの焦点距離の位置を検出することが検討されており、この回転位相差を検出するためのセンサをレンズ鏡筒内に組み込むことが望まれている。そして、このようなレンズ鏡筒の場合、直進筒にレンズバリア機構ネジ止めなどによって固定すると、先端部の部品配置がさらに窮屈となる。また、回転筒にレンズバリア機構を固定すると、回転筒とともにレンズバリア機構も回転するため、レンズバリア機構を構成する前カバーも回転するので、前カバーが回転しても同じ状態で撮影レンズを露呈できるようにレンズ露呈用の開口を円形にしなければならず、この開口の形状を設計するうえでの自由度が低くなってしまう。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、先端部にレンズバリア機構が組み込まれたレンズ鏡筒で部品配置の効率を上昇させ、かつレンズバリア機構を確実に固定することが可能なレンズ鏡筒をローコストに提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレンズバリア付きレンズ鏡筒は、撮影レンズが組み込まれ、撮影光軸に直交する方向で移動して撮影レンズを開閉するバリア羽根、このバリア羽根を支持するバリア支持部材、及びこのバリア支持部材に対して回転自在に係合し、前記バリア羽根を開閉させるように駆動を伝達するバリア駆動部材からなるバリア部を備えたレンズバリア付きレンズ鏡筒において、前記レンズ鏡筒は、少なくともカメラ本体に対して撮影光軸の周りを回動し、かつ撮影光軸方向に沿って進退する回転筒、及びこの回転筒の内部に組み込まれ、撮影光軸方向に沿って進退し、かつ撮影光軸の周りの回転が規制されている直進筒からなり、前記バリア支持部材は、前記回転筒に対して撮影光軸の周りを回転自在に、且つ撮影光軸方向の位置が規制されて取り付けられる取り付け部、及び前記直進筒により係止され、撮影光軸の周りの回転が規制される回転規制部が設けられている設けられている。
【0009】
なお、前記バリア支持部材は、背面側から前記バリア羽根を支持する基板、及びこの基板と一体に係合し、バリア羽根の前面側に位置して前記バリア駆動部材、及び支持板を覆い隠す前カバーとからなることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したカメラ10を示す外観斜視図である。カメラ10のカメラボディ11は、各種撮影機構や電子部品等が組み付けられる本体基部12(図2参照)と、本体基部12の前面及び背面を覆う前カバー13及び後カバー14とから構成される。カメラボディ11の中央部には、撮影レンズ16が組み込まれている。この撮影レンズ16を内蔵するレンズバリア付きレンズ鏡筒(以下では、単にレンズ鏡筒とする。)17は、カメラ10の主電源がオフの時にはカメラボディ11の内部に収納され(実線)、後述するバリア羽根76,77によって撮影レンズ16の前面が覆われており、電源をオンにした後、広角端から望遠端に向けて変倍操作を行った時にカメラボディ11の前面から突出し(仮想線)、撮影レンズ16が露呈する。また、カメラボディ11の前面には、対物側ファインダ窓18,ストロボ発光窓19,測光窓20,オートフォーカス(パッシブ方式)用の受光窓21,22が設けられる。また、カメラボディ11の上部にはシャッタボタン23、ズームボタン24が設けられている。
【0011】
本発明に係るレンズ鏡筒17は、詳しくは図2に示すように、固定筒26,後筒30、中間筒31,前筒32、レンズバリアユニット33から構成されている。 固定筒26は、 本体基部12と一体に設けられており、後筒30、中間筒31、及び前筒32が固定筒26に対してそれぞれ繰り出し及び繰り込みすることによって変倍動作が行われる。後筒30は、直進筒35と後回転筒36とで構成され、また、中間筒31は、中間回転筒37と直進ガイド枠38とで構成されており、 前筒32は、 回転筒39と直進筒40とで構成されている。
【0012】
固定筒26は、直進筒35を光軸方向に移動自在に支持しており、かつ直進筒35を回転止めする。この回転止めは、固定筒26に設けたキー溝41と直進筒35に設けたキー突起42との係合によって行われている。直進筒35は、外周面で後回転筒36を回転自在に支持する。
【0013】
後回転筒36は、モータ(図示せず)の駆動が入力されることで固定筒26及び直進筒35に対して回転しながら、且つ直進筒35を保持したまま光軸方向αに移動する。光軸方向αへの移動は、外周後端に形成された雄ヘリコイド43と固定筒26の内周に設けた雌ヘリコイド44との螺合によって行われる。モータの駆動は、図示しないギア列を介して、固定筒26の内部に設けられた長尺ギア45に入力される。
【0014】
長尺ギア45は、固定筒26の一部を切り欠いた開口26aから内周に露呈しており、後回転筒36の雄ヘリコイド43の頂上に形成したギア46に噛合する。長尺ギア45は光軸方向αに軸方向が長く伸びるように形成されており、後回転筒36が光軸方向αに進退しても長尺ギア45とギア列46の噛合が解除されることがない。
【0015】
中間回転筒37には、キー突起47、雄ヘリコイド48、及び雌ヘリコイド49が形成されている。雄ヘリコイド48は中間回転筒37の外周後端に配置されており、直進筒35の内周に形成された雌ヘリコイド50に螺合する。キー突起47は、雄ヘリコイド48の外周の一部に形成されており、直進筒35に形成された貫通孔51を通過して後回転筒36の内周に形成されたキー溝52に係合している。これにより、後回転筒36の回転が中間回転筒37に伝達され、中間回転筒37は、後回転筒36の回転を利用してヘリコイド48,50のリードに従って光軸方向αに移動する。
【0016】
中間回転筒37は、直進ガイド枠38を回転自在に支持している。直進ガイド枠38は、環状の枠部53、及びその枠部53から光軸方向αに突出した直進キー54が形成されている。枠部53には、外周にキー突起55が形成されている。キー突起55は、直進筒35の内周に設けたキー溝56に係合し、直進ガイド枠38を回転止めする。直進キー54は、中間回転筒37の内部を通過して直進筒40に係合する。これにより、直進ガイド枠38は、中間回転筒37と一緒に光軸方向αに沿って移動し、かつ直進筒40を回転止めする。
【0017】
直進筒40は、外周面で回転筒39を回転自在に支持する。回転筒39には、外部にキー突起57が形成されている。キー突起57は、中間回転筒37の内周に設けたキー溝58に係合しており、中間回転筒37の回転を回転筒39に伝達する。直進筒40の外周後端には、雄ヘリコイド59が形成されている。雄ヘリコイド59は、中間回転筒37の内周に設けた雌ヘリコイド49に螺合する。これにより、直進筒40は、直進ガイド枠38に回転止めされた状態でヘリコイド49,59のリードに従って光軸方向αに沿って移動する。
【0018】
直進筒40は、図3及び図4に示すように、保持枠60と、撮影レンズ16を構成する第1レンズ群61、第2レンズ群63、第3レンズ群65とで構成されている。またこの直進筒40には、図示しないが、絞り兼用のプログラムシャッタなども内蔵している。第1レンズ群61は、保持枠60の先端側に固着され、第3レンズ群65は、保持枠60の後端側にピン止めにより固定される。第2レンズ群63は、第1及び第3レンズ群61,65との間で回転止めされた状態で光軸方向に移動自在となるように保持枠60に支持されており、内蔵されたバネ64により第1レンズ群61に向けて付勢されている。
【0019】
さらに保持枠60の先端側には、前方へ突出する突起60aが一体に形成されているとともに、エンコーダ接片72が設けられている。突起60aは、第1レンズ群61を通過して、直進筒40の最も前方に位置している。
【0020】
エンコーダ接片72は、回転筒39の内部に設けられたエンコーダ基板73とともに、回転位置検出用エンコーダ74を構成している。エンコーダ接片72がエンコーダ基板73と摺接し、回転筒39とともにエンコーダ基板73が回動することによって、エンコーダ基板72とエンコーダ接片73との間の抵抗値が変化するので、この抵抗値に基づく信号を出力する。このエンコーダ74から得られた信号から回転筒39と直進筒40との回転位相差を検出することができる。そして、カメラ10の制御部ではこのエンコーダ74から得られた回転位相差に応じた信号に基づいて、レンズ鏡筒17の焦点距離を算出する。
【0021】
第2レンズ群63の外周には、3個の直進ガイド部材68が設けられている。直進ガイド部材68は、保持枠60に設けた3つの直進ガイド開口69に各々係合して第2レンズ群63を保持枠60に対して光軸方向に直進移動させる。各直進ガイド部材68の上には、カムフォロワー70が形成されている。これらのカムフォロワー70は、回転筒39の内周に3箇所形成された第2レンズ群移動用のカム71にそれぞれ係合する。第2レンズ群移動用のカム71は、回転筒39の回転に応じて光軸方向αに変位して第2レンズ群63を保持筒60に対して光軸方向αに移動し、第1及び第3レンズ群61,65との間の間隔を変化させる。
【0022】
第1〜第3レンズ群61,63,65はモータの回転量に対して収納位置からワイド位置を通ってテレ位置に向けて移動する。この移動は、各ヘリコイド43,44,48〜50,59のリード、各回転止め、及びカム71とカムフォロワー70との係合による作用からなるものであり、ステップズーム方式の移動を行う。
【0023】
さらに、前筒32の先端側には、図5に示すように、レンズバリアユニット33が設けられている。 レンズバリアユニット33は、前面カバー75、一対のバリア羽根76,77、バリア基板78、及びバリア駆動部材79とから構成される。
【0024】
前カバー75及びバリア基板78は、バリア羽根76,77を挟み込んで支持するバリア支持部材として構成されている。バリア基板78は、中心部に、撮影開口78aが形成されているとともに、前面側には、 光軸方向αに沿って延びる円筒枠78bが一体に設けられている。バリア羽根76,77はこの円筒枠78bの内部を移動する。
【0025】
前カバー75は、回転筒39の内周に合わせた略円板状に形成されている。この前カバー75には、中心部に撮影開口75aが、周縁部には複数の係止爪75bが、背面側には、光軸方向αに沿って延びる支持軸75c,75dが一体に形成されている。各バリア羽根76,77は、略半円の板状に形成されており、前カバー75の支持軸75c,75dに係合して回転自在に軸支される。このバリア羽根76,77は、閉状態において互いに当接ないしは若干オーバーラップする直線状のエッジ76a,77aが形成されている。
【0026】
前カバー75の係止爪75bは所定の角度間隔で、互いに回転対称な位置に形成されており、バリア基板78の円筒枠78bに形成された被係止穴78cを係止する。この係止爪75bで被係止穴78cを係止することによって前カバー75とバリア基板78とが結合し、内部にバリア羽根76,77を挟み込んで収納する。
【0027】
各バリア羽根76,77の根元部には、支持軸75c,75dによって軸支される位置から所定距離隔てた位置において光軸方向αに沿って延びるピン76b,77bがそれぞれ一体に形成されている。このピン76b,77bは、バリア支持板78を貫通しており、このピン76b,77bには、 バリア羽根76,77を閉方向に付勢するコイルばね80の一端が係止されるとともに、後述するようにバリア羽根77,78を開状態とするときにバリア駆動部材79の突起79a,79bが当接してバリア羽根77,78を開方向に回動させる。
【0028】
バリア駆動部材79は略円環状に形成されており、中央の開口部79cの周囲には回転角規制溝79dが一体に形成されている。バリア基板78の背面側には、バリア駆動部材79の開口部79cが回転自在に係合するボス78dが形成されている。 このボス78dの周りには突起78eが一体に形成されており、ボス78dに開口部79cが係合し、突起78eが回転角規制溝79dの内部を移動することによって、バリア基板78に対してバリア駆動部材79が光軸方向αの周りに回転可能な位置が所定の角度範囲内に規制される。
【0029】
バリア基板78には、外周縁から中心に向かって切り欠かれた回転規制用切り欠き部78fが形成されている。この切り欠き部78fは、後述するように、直進筒40に設けられた突起60aと係合する。
【0030】
さらに、バリア駆動部材79には、各バリア羽根76,77をそれぞれ開位置に回動させるための一対の突片79a,79bと、バリア駆動部材79を反時計方向に付勢するためのコイルばね81の一端を係止する係止片79eと、バリア羽根76,77をそれぞれ閉方向に付勢するためのコイルばね80の一端を係止するための係止片79f,79gと、バリア駆動部材79を時計方向に回動するための連結レバー79hとをその外周に一体に備えている。 連結レバー79hは、 光軸方向αに沿って後方に延びている。
【0031】
そして、バリア駆動部材79がコイルばね81の付勢力によって反時計方向の回動端に係止されているときには、バリア駆動部材79の突起79a,79bがバリア羽根76,77のピン76b,77bに当接して、各バリア羽根76,77をコイルばね80の付勢力に抗して回動させることによりバリア羽根76,77は開位置に保持される。
【0032】
また、バリア駆動部材79がコイルばね81の付勢力に抗して時計方向に回動され、反時計方向の回動端に係止されると、バリア駆動部材79の突起79a,79bがピン76b,77bを開放するため、各バリア羽根76,77はコイルばね80の付勢力により支持軸75c,75dの周りで回動して閉位置に保持される。
【0033】
このレンズバリアユニット33は、上述したように、バリア羽根76,77が前カバー75及びバリア基板78の間に挟みこまれて収納され、さらにバリア基板78の背後に、バリア駆動部材79が係合することによって一体となったユニットの状態に組み立てられる。
【0034】
そして、レンズバリアユニット33は、図4に示すような状態で、前筒32の先端部に取り付けられている。なお、このレンズバリアユニット33となった状態のとき、前カバー75の係止爪75bは、バリア基板78の円筒枠78bを貫通して外周面に突出している。この円筒枠78bから突出した係止爪75bが回転筒39にバリアユニット33を取り付けるための取り付け部となる。
【0035】
レンズバリアユニット33を前筒32に取り付けるときには、まず前筒32の回転筒39に係合させる。回転筒39の内周面には、係止爪75bの位置に合わせた円環状の突起82が形成されている。この突起82に係止爪75bを係止させることによって、レンズバリアユニット33は、回転筒39に対して光軸方向αの周りを回転自在に係合するとともに、光軸方向αに沿って移動しないように位置が規制された状態で取り付けられる。
【0036】
さらに、回転筒39の内部に直進筒40を組み込むときに直進筒40の突起60aを、バリア基板78の切り欠き部78fに係合させる。これによって、レンズバリアユニット33は、光軸方向αの周りの回転が規制された状態となる。
【0037】
一方、 中間回転筒37の内周面には、 雌へリコイド49、キー溝58とともに、カム溝84が形成されている。このカム溝84は、隣接する直線的な雌へリコイド49の間に、これらへリコイド49と平行に形成されている。そして、このカム溝65に、作動レバー85の後端に突設されたカムピン(カムフオロワ)85aが係合している。
【0038】
この作動レバー85には、カムピン85aとともに、カムピン85bが一体に形成されている。このカムピン85bは、バリア駆動部材79の連結レバー79hと連結している。連結レバー79hには光軸方向αに対して斜めに形成されたカム溝79iが形成されており、このカム溝79jにカムピン85bが係合している。
【0039】
上記構成の作用について以下に説明する。レンズ鏡筒17が沈胴するとき、すなわち、モータの回転駆動が入力されると、各ヘリコイド43,44,48〜50、59のリード、各回転止め、及びカム71とカムフォロワー70との係合による作用から各回転筒35,37,39が光軸方向αの周りを回転しながら、後筒30、中間筒31、前筒32が後退していく。そして、回転筒39も回転しながら後退し、直進筒40は、回転止めされた状態で後退している。このとき、レンズバリアユニット33は、上述したように回転筒39に対して光軸方向αの周りを回転自在に、かつ光軸方向αに沿って移動しないように位置が規制され、さらに直進筒40と係合して光軸方向αの周りの回転が規制された状態となっているので、光軸方向αの周りを回転せずにレンズ鏡筒17の沈胴とともに光軸方向αに沿って後退する。
【0040】
そして、このとき同時に、中間回転筒37が光軸方向αの周りに回転しながらテレ端側から収納位置へ後退するので、カムピン85aがカム溝84の後端部まで移動すると、作動レバー85と連結するバリア駆動部79のカム溝79hの作用でバリア駆動部材79は回動し、中間回転筒37が沈胴位置まで回動すると、バリア羽根76,77は、バリア駆動部材79の回動によって押圧され、バリア羽根76,77は閉位置となる。そして、これとは反対に、レンズ鏡筒17が繰り出されるとき、すなわち、中間回転筒37が沈胴位置からテレ端側に回動されるときに、バリア羽根76,77は開位置に保持される。
【0041】
このように、簡単でかつバリア羽根76,77の開閉が容易に動作する構成で、レンズバリアユニット33をレンズ鏡筒17の先端部に確実に固定することが可能である。もし、このような構成とせずにネジ止めなどでレンズバリアユニット33を直進筒40に固定する場合には、直進筒40の先端部の部品配置が非常に窮屈なものになるが、本実施形態の場合、部品配置に余裕があり、上述したように、回転位置検出用エンコーダ74を配置することができる。
【0042】
また上述のような構成のレンズバリアユニット33とするとき、前カバー75は光軸方向αの周りを回転せず、直進筒40とともに進退するので、前カバー75に形成される撮影開口75aを円形状に限らず、他の形状に形成することができるので、設計の自由度が向上する。
【0043】
なお、上記実施形態においては、前カバー75の係止爪によって回転筒39に回転自在にかつ光軸方向αに位置を規制してレンズバリアユニット33を取り付けているがこれに限らず、バリア基板78に取り付け部を設けて回転自在に取り付けてもよい。また上記実施形態では、バリア羽根を2枚構成としているが、この枚数以外でも実施することができる。さらにまた、バリア羽根を支持する支持部材として、前カバー75とバリア基板78の2部品で構成しているが、1部品のみでバリア羽根を支持する構成としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズバリア付きレンズ鏡筒によれば、レンズ鏡筒は、少なくともカメラ本体に対して撮影光軸の周りを回動し、かつ撮影光軸方向に沿って進退する回転筒、及びこの回転筒の内部に組み込まれ、撮影光軸方向に沿って進退し、かつ撮影光軸の周りの回転が規制されている直進筒からなり、バリア支持部材は、回転筒に対して撮影光軸の周りを回転自在に、且つ撮影光軸方向の位置が規制されて取り付けられる取り付け部、及び直進筒により係止され、撮影光軸の周りの回転が規制される回転規制部が設けられているので、レンズ鏡筒の進退もしくは回転に連動してバリア羽根が開閉し、かつバリア部がレンズ鏡筒に確実に固定されるとともに、レンズ鏡筒の先端部にスペースの余裕を持つことが可能な構成をローコストに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明のレンズバリア付きレンズ鏡筒の要部を示す分解斜視図である。
【図3】前筒周辺の構成を示す分解斜視図である。
【図4】前筒の要部断面図である。
【図5】レンズバリアユニットの構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 カメラ
17 レンズバリア付きレンズ鏡筒
33 レンズバリアユニット
75 前カバー
76,77 バリア羽根
78 バリア基板
79 バリア駆動部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り出し及び沈胴に連動してレンズバリアが開閉するレンズバリア付きレンズ鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影レンズの前方にレンズバリアを設け、携帯時等の撮影を行なわない時に、撮影レンズに傷や埃,汚れなどが着かないように保護するレンズバリア機構を備えたカメラが従来よりある。レンズバリア機構は、レンズ鏡筒の先端部内に回動自在に取り付けられた1枚あるいは複数枚のバリア羽根などから構成され、これらのバリア羽根をレンズ鏡筒の移動もしくは回転に連動して回動させることで、撮影レンズの開放と保護とを行なっている。
【0003】
上述のようなレンズバリア機構は、複数の部品を組み合わせたユニット形態でレンズ鏡筒に組み込まれていることが多く、例えば特許文献1及び2に記載されているレンズバリア機構は、2枚のバリア羽根、このバリア羽根を回転自在に支持するバリア基板、レンズ鏡筒からの駆動に連動してバリア羽根を回動させるバリア駆動部材、及びこれらの前方を覆い隠し、撮影レンズを露呈させる開口が形成された前カバーなどからなり、このレンズバリア機構をレンズ鏡筒の先端部に固定している。
【0004】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−161185号公報
【特許文献2】
特開2000−231140号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載されているようなレンズバリア機構を備えたカメラでは、レンズバリア機構を撮影レンズの前方にネジ止め又は爪止めすることが一般的であり、ネジ止め又は爪止めするスペースをレンズ鏡筒の先端部に必要とするために、レンズ鏡筒の先端部に他の部品を配置することが非常に困難である。また、レンズバリア機構をネジ止め又は爪止めによって確実に固定する必要があるため、高い部品精度及び組立精度が必要となり、コストの上昇を招くことにもなる。
【0006】
特に、撮影レンズを保持する直進筒と、この直進筒を内蔵し、ヘリコイドのリードなどによって回転駆動を直進移動に変換する回転筒とから構成されるレンズ鏡筒などでは、回転筒と直進筒の回転位相差から、撮影レンズの焦点距離の位置を検出することが検討されており、この回転位相差を検出するためのセンサをレンズ鏡筒内に組み込むことが望まれている。そして、このようなレンズ鏡筒の場合、直進筒にレンズバリア機構ネジ止めなどによって固定すると、先端部の部品配置がさらに窮屈となる。また、回転筒にレンズバリア機構を固定すると、回転筒とともにレンズバリア機構も回転するため、レンズバリア機構を構成する前カバーも回転するので、前カバーが回転しても同じ状態で撮影レンズを露呈できるようにレンズ露呈用の開口を円形にしなければならず、この開口の形状を設計するうえでの自由度が低くなってしまう。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、先端部にレンズバリア機構が組み込まれたレンズ鏡筒で部品配置の効率を上昇させ、かつレンズバリア機構を確実に固定することが可能なレンズ鏡筒をローコストに提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレンズバリア付きレンズ鏡筒は、撮影レンズが組み込まれ、撮影光軸に直交する方向で移動して撮影レンズを開閉するバリア羽根、このバリア羽根を支持するバリア支持部材、及びこのバリア支持部材に対して回転自在に係合し、前記バリア羽根を開閉させるように駆動を伝達するバリア駆動部材からなるバリア部を備えたレンズバリア付きレンズ鏡筒において、前記レンズ鏡筒は、少なくともカメラ本体に対して撮影光軸の周りを回動し、かつ撮影光軸方向に沿って進退する回転筒、及びこの回転筒の内部に組み込まれ、撮影光軸方向に沿って進退し、かつ撮影光軸の周りの回転が規制されている直進筒からなり、前記バリア支持部材は、前記回転筒に対して撮影光軸の周りを回転自在に、且つ撮影光軸方向の位置が規制されて取り付けられる取り付け部、及び前記直進筒により係止され、撮影光軸の周りの回転が規制される回転規制部が設けられている設けられている。
【0009】
なお、前記バリア支持部材は、背面側から前記バリア羽根を支持する基板、及びこの基板と一体に係合し、バリア羽根の前面側に位置して前記バリア駆動部材、及び支持板を覆い隠す前カバーとからなることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したカメラ10を示す外観斜視図である。カメラ10のカメラボディ11は、各種撮影機構や電子部品等が組み付けられる本体基部12(図2参照)と、本体基部12の前面及び背面を覆う前カバー13及び後カバー14とから構成される。カメラボディ11の中央部には、撮影レンズ16が組み込まれている。この撮影レンズ16を内蔵するレンズバリア付きレンズ鏡筒(以下では、単にレンズ鏡筒とする。)17は、カメラ10の主電源がオフの時にはカメラボディ11の内部に収納され(実線)、後述するバリア羽根76,77によって撮影レンズ16の前面が覆われており、電源をオンにした後、広角端から望遠端に向けて変倍操作を行った時にカメラボディ11の前面から突出し(仮想線)、撮影レンズ16が露呈する。また、カメラボディ11の前面には、対物側ファインダ窓18,ストロボ発光窓19,測光窓20,オートフォーカス(パッシブ方式)用の受光窓21,22が設けられる。また、カメラボディ11の上部にはシャッタボタン23、ズームボタン24が設けられている。
【0011】
本発明に係るレンズ鏡筒17は、詳しくは図2に示すように、固定筒26,後筒30、中間筒31,前筒32、レンズバリアユニット33から構成されている。 固定筒26は、 本体基部12と一体に設けられており、後筒30、中間筒31、及び前筒32が固定筒26に対してそれぞれ繰り出し及び繰り込みすることによって変倍動作が行われる。後筒30は、直進筒35と後回転筒36とで構成され、また、中間筒31は、中間回転筒37と直進ガイド枠38とで構成されており、 前筒32は、 回転筒39と直進筒40とで構成されている。
【0012】
固定筒26は、直進筒35を光軸方向に移動自在に支持しており、かつ直進筒35を回転止めする。この回転止めは、固定筒26に設けたキー溝41と直進筒35に設けたキー突起42との係合によって行われている。直進筒35は、外周面で後回転筒36を回転自在に支持する。
【0013】
後回転筒36は、モータ(図示せず)の駆動が入力されることで固定筒26及び直進筒35に対して回転しながら、且つ直進筒35を保持したまま光軸方向αに移動する。光軸方向αへの移動は、外周後端に形成された雄ヘリコイド43と固定筒26の内周に設けた雌ヘリコイド44との螺合によって行われる。モータの駆動は、図示しないギア列を介して、固定筒26の内部に設けられた長尺ギア45に入力される。
【0014】
長尺ギア45は、固定筒26の一部を切り欠いた開口26aから内周に露呈しており、後回転筒36の雄ヘリコイド43の頂上に形成したギア46に噛合する。長尺ギア45は光軸方向αに軸方向が長く伸びるように形成されており、後回転筒36が光軸方向αに進退しても長尺ギア45とギア列46の噛合が解除されることがない。
【0015】
中間回転筒37には、キー突起47、雄ヘリコイド48、及び雌ヘリコイド49が形成されている。雄ヘリコイド48は中間回転筒37の外周後端に配置されており、直進筒35の内周に形成された雌ヘリコイド50に螺合する。キー突起47は、雄ヘリコイド48の外周の一部に形成されており、直進筒35に形成された貫通孔51を通過して後回転筒36の内周に形成されたキー溝52に係合している。これにより、後回転筒36の回転が中間回転筒37に伝達され、中間回転筒37は、後回転筒36の回転を利用してヘリコイド48,50のリードに従って光軸方向αに移動する。
【0016】
中間回転筒37は、直進ガイド枠38を回転自在に支持している。直進ガイド枠38は、環状の枠部53、及びその枠部53から光軸方向αに突出した直進キー54が形成されている。枠部53には、外周にキー突起55が形成されている。キー突起55は、直進筒35の内周に設けたキー溝56に係合し、直進ガイド枠38を回転止めする。直進キー54は、中間回転筒37の内部を通過して直進筒40に係合する。これにより、直進ガイド枠38は、中間回転筒37と一緒に光軸方向αに沿って移動し、かつ直進筒40を回転止めする。
【0017】
直進筒40は、外周面で回転筒39を回転自在に支持する。回転筒39には、外部にキー突起57が形成されている。キー突起57は、中間回転筒37の内周に設けたキー溝58に係合しており、中間回転筒37の回転を回転筒39に伝達する。直進筒40の外周後端には、雄ヘリコイド59が形成されている。雄ヘリコイド59は、中間回転筒37の内周に設けた雌ヘリコイド49に螺合する。これにより、直進筒40は、直進ガイド枠38に回転止めされた状態でヘリコイド49,59のリードに従って光軸方向αに沿って移動する。
【0018】
直進筒40は、図3及び図4に示すように、保持枠60と、撮影レンズ16を構成する第1レンズ群61、第2レンズ群63、第3レンズ群65とで構成されている。またこの直進筒40には、図示しないが、絞り兼用のプログラムシャッタなども内蔵している。第1レンズ群61は、保持枠60の先端側に固着され、第3レンズ群65は、保持枠60の後端側にピン止めにより固定される。第2レンズ群63は、第1及び第3レンズ群61,65との間で回転止めされた状態で光軸方向に移動自在となるように保持枠60に支持されており、内蔵されたバネ64により第1レンズ群61に向けて付勢されている。
【0019】
さらに保持枠60の先端側には、前方へ突出する突起60aが一体に形成されているとともに、エンコーダ接片72が設けられている。突起60aは、第1レンズ群61を通過して、直進筒40の最も前方に位置している。
【0020】
エンコーダ接片72は、回転筒39の内部に設けられたエンコーダ基板73とともに、回転位置検出用エンコーダ74を構成している。エンコーダ接片72がエンコーダ基板73と摺接し、回転筒39とともにエンコーダ基板73が回動することによって、エンコーダ基板72とエンコーダ接片73との間の抵抗値が変化するので、この抵抗値に基づく信号を出力する。このエンコーダ74から得られた信号から回転筒39と直進筒40との回転位相差を検出することができる。そして、カメラ10の制御部ではこのエンコーダ74から得られた回転位相差に応じた信号に基づいて、レンズ鏡筒17の焦点距離を算出する。
【0021】
第2レンズ群63の外周には、3個の直進ガイド部材68が設けられている。直進ガイド部材68は、保持枠60に設けた3つの直進ガイド開口69に各々係合して第2レンズ群63を保持枠60に対して光軸方向に直進移動させる。各直進ガイド部材68の上には、カムフォロワー70が形成されている。これらのカムフォロワー70は、回転筒39の内周に3箇所形成された第2レンズ群移動用のカム71にそれぞれ係合する。第2レンズ群移動用のカム71は、回転筒39の回転に応じて光軸方向αに変位して第2レンズ群63を保持筒60に対して光軸方向αに移動し、第1及び第3レンズ群61,65との間の間隔を変化させる。
【0022】
第1〜第3レンズ群61,63,65はモータの回転量に対して収納位置からワイド位置を通ってテレ位置に向けて移動する。この移動は、各ヘリコイド43,44,48〜50,59のリード、各回転止め、及びカム71とカムフォロワー70との係合による作用からなるものであり、ステップズーム方式の移動を行う。
【0023】
さらに、前筒32の先端側には、図5に示すように、レンズバリアユニット33が設けられている。 レンズバリアユニット33は、前面カバー75、一対のバリア羽根76,77、バリア基板78、及びバリア駆動部材79とから構成される。
【0024】
前カバー75及びバリア基板78は、バリア羽根76,77を挟み込んで支持するバリア支持部材として構成されている。バリア基板78は、中心部に、撮影開口78aが形成されているとともに、前面側には、 光軸方向αに沿って延びる円筒枠78bが一体に設けられている。バリア羽根76,77はこの円筒枠78bの内部を移動する。
【0025】
前カバー75は、回転筒39の内周に合わせた略円板状に形成されている。この前カバー75には、中心部に撮影開口75aが、周縁部には複数の係止爪75bが、背面側には、光軸方向αに沿って延びる支持軸75c,75dが一体に形成されている。各バリア羽根76,77は、略半円の板状に形成されており、前カバー75の支持軸75c,75dに係合して回転自在に軸支される。このバリア羽根76,77は、閉状態において互いに当接ないしは若干オーバーラップする直線状のエッジ76a,77aが形成されている。
【0026】
前カバー75の係止爪75bは所定の角度間隔で、互いに回転対称な位置に形成されており、バリア基板78の円筒枠78bに形成された被係止穴78cを係止する。この係止爪75bで被係止穴78cを係止することによって前カバー75とバリア基板78とが結合し、内部にバリア羽根76,77を挟み込んで収納する。
【0027】
各バリア羽根76,77の根元部には、支持軸75c,75dによって軸支される位置から所定距離隔てた位置において光軸方向αに沿って延びるピン76b,77bがそれぞれ一体に形成されている。このピン76b,77bは、バリア支持板78を貫通しており、このピン76b,77bには、 バリア羽根76,77を閉方向に付勢するコイルばね80の一端が係止されるとともに、後述するようにバリア羽根77,78を開状態とするときにバリア駆動部材79の突起79a,79bが当接してバリア羽根77,78を開方向に回動させる。
【0028】
バリア駆動部材79は略円環状に形成されており、中央の開口部79cの周囲には回転角規制溝79dが一体に形成されている。バリア基板78の背面側には、バリア駆動部材79の開口部79cが回転自在に係合するボス78dが形成されている。 このボス78dの周りには突起78eが一体に形成されており、ボス78dに開口部79cが係合し、突起78eが回転角規制溝79dの内部を移動することによって、バリア基板78に対してバリア駆動部材79が光軸方向αの周りに回転可能な位置が所定の角度範囲内に規制される。
【0029】
バリア基板78には、外周縁から中心に向かって切り欠かれた回転規制用切り欠き部78fが形成されている。この切り欠き部78fは、後述するように、直進筒40に設けられた突起60aと係合する。
【0030】
さらに、バリア駆動部材79には、各バリア羽根76,77をそれぞれ開位置に回動させるための一対の突片79a,79bと、バリア駆動部材79を反時計方向に付勢するためのコイルばね81の一端を係止する係止片79eと、バリア羽根76,77をそれぞれ閉方向に付勢するためのコイルばね80の一端を係止するための係止片79f,79gと、バリア駆動部材79を時計方向に回動するための連結レバー79hとをその外周に一体に備えている。 連結レバー79hは、 光軸方向αに沿って後方に延びている。
【0031】
そして、バリア駆動部材79がコイルばね81の付勢力によって反時計方向の回動端に係止されているときには、バリア駆動部材79の突起79a,79bがバリア羽根76,77のピン76b,77bに当接して、各バリア羽根76,77をコイルばね80の付勢力に抗して回動させることによりバリア羽根76,77は開位置に保持される。
【0032】
また、バリア駆動部材79がコイルばね81の付勢力に抗して時計方向に回動され、反時計方向の回動端に係止されると、バリア駆動部材79の突起79a,79bがピン76b,77bを開放するため、各バリア羽根76,77はコイルばね80の付勢力により支持軸75c,75dの周りで回動して閉位置に保持される。
【0033】
このレンズバリアユニット33は、上述したように、バリア羽根76,77が前カバー75及びバリア基板78の間に挟みこまれて収納され、さらにバリア基板78の背後に、バリア駆動部材79が係合することによって一体となったユニットの状態に組み立てられる。
【0034】
そして、レンズバリアユニット33は、図4に示すような状態で、前筒32の先端部に取り付けられている。なお、このレンズバリアユニット33となった状態のとき、前カバー75の係止爪75bは、バリア基板78の円筒枠78bを貫通して外周面に突出している。この円筒枠78bから突出した係止爪75bが回転筒39にバリアユニット33を取り付けるための取り付け部となる。
【0035】
レンズバリアユニット33を前筒32に取り付けるときには、まず前筒32の回転筒39に係合させる。回転筒39の内周面には、係止爪75bの位置に合わせた円環状の突起82が形成されている。この突起82に係止爪75bを係止させることによって、レンズバリアユニット33は、回転筒39に対して光軸方向αの周りを回転自在に係合するとともに、光軸方向αに沿って移動しないように位置が規制された状態で取り付けられる。
【0036】
さらに、回転筒39の内部に直進筒40を組み込むときに直進筒40の突起60aを、バリア基板78の切り欠き部78fに係合させる。これによって、レンズバリアユニット33は、光軸方向αの周りの回転が規制された状態となる。
【0037】
一方、 中間回転筒37の内周面には、 雌へリコイド49、キー溝58とともに、カム溝84が形成されている。このカム溝84は、隣接する直線的な雌へリコイド49の間に、これらへリコイド49と平行に形成されている。そして、このカム溝65に、作動レバー85の後端に突設されたカムピン(カムフオロワ)85aが係合している。
【0038】
この作動レバー85には、カムピン85aとともに、カムピン85bが一体に形成されている。このカムピン85bは、バリア駆動部材79の連結レバー79hと連結している。連結レバー79hには光軸方向αに対して斜めに形成されたカム溝79iが形成されており、このカム溝79jにカムピン85bが係合している。
【0039】
上記構成の作用について以下に説明する。レンズ鏡筒17が沈胴するとき、すなわち、モータの回転駆動が入力されると、各ヘリコイド43,44,48〜50、59のリード、各回転止め、及びカム71とカムフォロワー70との係合による作用から各回転筒35,37,39が光軸方向αの周りを回転しながら、後筒30、中間筒31、前筒32が後退していく。そして、回転筒39も回転しながら後退し、直進筒40は、回転止めされた状態で後退している。このとき、レンズバリアユニット33は、上述したように回転筒39に対して光軸方向αの周りを回転自在に、かつ光軸方向αに沿って移動しないように位置が規制され、さらに直進筒40と係合して光軸方向αの周りの回転が規制された状態となっているので、光軸方向αの周りを回転せずにレンズ鏡筒17の沈胴とともに光軸方向αに沿って後退する。
【0040】
そして、このとき同時に、中間回転筒37が光軸方向αの周りに回転しながらテレ端側から収納位置へ後退するので、カムピン85aがカム溝84の後端部まで移動すると、作動レバー85と連結するバリア駆動部79のカム溝79hの作用でバリア駆動部材79は回動し、中間回転筒37が沈胴位置まで回動すると、バリア羽根76,77は、バリア駆動部材79の回動によって押圧され、バリア羽根76,77は閉位置となる。そして、これとは反対に、レンズ鏡筒17が繰り出されるとき、すなわち、中間回転筒37が沈胴位置からテレ端側に回動されるときに、バリア羽根76,77は開位置に保持される。
【0041】
このように、簡単でかつバリア羽根76,77の開閉が容易に動作する構成で、レンズバリアユニット33をレンズ鏡筒17の先端部に確実に固定することが可能である。もし、このような構成とせずにネジ止めなどでレンズバリアユニット33を直進筒40に固定する場合には、直進筒40の先端部の部品配置が非常に窮屈なものになるが、本実施形態の場合、部品配置に余裕があり、上述したように、回転位置検出用エンコーダ74を配置することができる。
【0042】
また上述のような構成のレンズバリアユニット33とするとき、前カバー75は光軸方向αの周りを回転せず、直進筒40とともに進退するので、前カバー75に形成される撮影開口75aを円形状に限らず、他の形状に形成することができるので、設計の自由度が向上する。
【0043】
なお、上記実施形態においては、前カバー75の係止爪によって回転筒39に回転自在にかつ光軸方向αに位置を規制してレンズバリアユニット33を取り付けているがこれに限らず、バリア基板78に取り付け部を設けて回転自在に取り付けてもよい。また上記実施形態では、バリア羽根を2枚構成としているが、この枚数以外でも実施することができる。さらにまた、バリア羽根を支持する支持部材として、前カバー75とバリア基板78の2部品で構成しているが、1部品のみでバリア羽根を支持する構成としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズバリア付きレンズ鏡筒によれば、レンズ鏡筒は、少なくともカメラ本体に対して撮影光軸の周りを回動し、かつ撮影光軸方向に沿って進退する回転筒、及びこの回転筒の内部に組み込まれ、撮影光軸方向に沿って進退し、かつ撮影光軸の周りの回転が規制されている直進筒からなり、バリア支持部材は、回転筒に対して撮影光軸の周りを回転自在に、且つ撮影光軸方向の位置が規制されて取り付けられる取り付け部、及び直進筒により係止され、撮影光軸の周りの回転が規制される回転規制部が設けられているので、レンズ鏡筒の進退もしくは回転に連動してバリア羽根が開閉し、かつバリア部がレンズ鏡筒に確実に固定されるとともに、レンズ鏡筒の先端部にスペースの余裕を持つことが可能な構成をローコストに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明のレンズバリア付きレンズ鏡筒の要部を示す分解斜視図である。
【図3】前筒周辺の構成を示す分解斜視図である。
【図4】前筒の要部断面図である。
【図5】レンズバリアユニットの構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 カメラ
17 レンズバリア付きレンズ鏡筒
33 レンズバリアユニット
75 前カバー
76,77 バリア羽根
78 バリア基板
79 バリア駆動部材
Claims (2)
- 撮影レンズが組み込まれ、撮影光軸に直交する方向で移動して撮影レンズを開閉するバリア羽根、このバリア羽根を支持するバリア支持部材、及びこのバリア支持部材に対して回転自在に係合し、前記バリア羽根を開閉させるように駆動を伝達するバリア駆動部材からなるバリア部を備えたレンズバリア付きレンズ鏡筒において、
前記レンズ鏡筒は、少なくともカメラ本体に対して撮影光軸の周りを回動し、かつ撮影光軸方向に沿って進退する回転筒、及びこの回転筒の内部に組み込まれ、撮影光軸方向に沿って進退し、かつ撮影光軸の周りの回転が規制されている直進筒からなり、前記バリア支持部材は、前記回転筒に対して撮影光軸の周りを回転自在に、且つ撮影光軸方向の位置が規制されて取り付けられる取り付け部、及び前記直進筒により係止され、撮影光軸の周りの回転が規制される回転規制部が設けられていることを特徴とするレンズバリア付きレンズ鏡筒。 - 前記バリア支持部材は、背面側から前記バリア羽根を支持する基板、及びこの基板と一体に係合し、バリア羽根の前面側に位置して前記バリア駆動部材、及び支持板を覆い隠す前カバーとからなることを特徴とする請求項1記載のレンズバリア付きレンズ鏡筒。
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003096920A patent/JP2004302274A/ja active Pending
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