JP2004301281A - 斜板プランジャ式油圧ユニットの斜板サーボ装置 - Google Patents

斜板プランジャ式油圧ユニットの斜板サーボ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】斜板の揺動制御用のボールネジ機構において、ネジシャフトに形成される雄ネジの端部を有効活用できるようにする。
【解決手段】モータプランジャ孔32aが形成されたモータシリンダ32と、プランジャ孔内に嵌入配設されたモータプランジャ33と、傾転揺動して斜板角を可変調整可能なモータ揺動部材35とから油圧モータMが構成される。モータ揺動部材35(モータ斜板31)を傾転揺動させるモータサーボ機構SVが、雄ネジ61aが形成されたネジシャフト61と、雄ネジと螺合するボール雌ネジ62aを有し、モータ揺動部材のアーム部35aに繋がれたボールナット62と、ネジシャフトを回転駆動する斜板制御モータ67とを備える。ネジシャフトの端部に取り付けられるストッパ70が、雄ネジ部の端部に隣り合って位置するリング部71と、ボールナットの側面が当接するフランジ部72とから一体に形成されている。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜板プランジャポンプ、斜板プランジャモータ等の斜板プランジャ式油圧ユニットにおいて、斜板を傾転揺動させるための斜板サーボ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ポンプと油圧モータを組み合わせた油圧式無段変速機は従来から種々の形式の構成が知られており、実用化されている。例を挙げれば、本出願人の提案による特許文献1および特許文献2に開示の油圧式無段変速機がある。これら特許文献に開示の油圧式無段変速機は、斜板プランジャポンプと、斜板プランジャモータと、斜板プランジャポンプの吐出口および吸入口を斜板プランジャモータの吸入口および吐出口に繋ぐ油圧閉回路とを有して構成され、エンジンによりポンプ斜板部材が駆動されるように構成され、ポンプシリンダとモータシリンダとが結合されて出力シャフト上に結合配設され、モータ斜板部材が回転規制されるとともにモータ斜板角度が可変調整可能となっている。
【0003】
このような油圧式無段変速機においてはモータ斜板角度を可変調整してモータの容量を変化させ、モータ出力回転を無段階に変化させる無段変速制御を行うようになっている。このようなモータ斜板角度の可変調整は、変速機ハウジングの外部に取り付けた斜板制御モータ(電気モータ)の回転を、ボールネジ機構(回転・直線運動変換機構)を用いて直線運動に変換し、モータ揺動部材(モータ斜板)を揺動させて行うように構成されている(例えば、特許文献3参照)。なお、このボールネジ機構は、斜板制御モータにより回転駆動されるネジシャフトと、このネジシャフトに螺合して取り付けられるとともにモータ揺動部材の端部が連結されたナット部材とを有して構成されるが、ネジシャフトの両端にストッパを設け、ナット部材をストッパに当接させてその移動範囲を設定するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−2753号公報
【特許文献2】特公平7−88884号公報
【特許文献3】特開2001−343060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ボールネジ機構を構成するナット部材は、ナットボディの内周部にケージにより多数のボールを保持して構成されるボール雌ネジを有して構成されており、ナットボディの側端部をストッパに当接させてナット部材の移動範囲を設定するようになっている。ボール雌ネジはナットボディの側端部より内側に位置して配設されており、ナットボディの側端部がストッパに当接したときにボール雌ネジはストッパより内側においてネジシャフトの雄ネジと螺合する。このため、雄ネジの外端部が螺合には寄与せず、この部分の雄ネジが無駄になっており、このように螺合に寄与しない雄ネジ部をなくせば、それだけ雄ネジを有効利用でき、加工費用も低減できるという事情がある。逆に言えば、従来ではストッパとの当接に邪魔されてナット部材との螺合に用いられていない部分もナット部材との螺合に利用できるようにすれば、従来の雄ネジをそのまま用いてナット部材の移動範囲を大きくすることができる。
【0006】
本発明のこのような事情に鑑みたもので、斜板の揺動制御用の斜板サーボ装置に用いられるボールネジ機構(回転・直線運動変換機構)において、ネジシャフトに形成される雄ネジの端部を有効活用して、加工費低減を図ったり、ナット部材の移動範囲を拡大したりすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、回転自在に支持されるとともにその回転軸を囲む環状配列で軸方向に貫通する複数のプランジャ孔が形成されたシリンダと、プランジャ孔内に摺動自在に嵌入配設された複数のプランジャと、これらプランジャの外端部が当接する斜板面を有するとともに回転軸に直交する揺動軸を中心として傾転揺動して斜板面の傾動角を可変調整可能な斜板とから斜板プランジャ式油圧ユニットが構成される。そして、斜板を傾転揺動させる斜板サーボ装置(例えば、実施形態におけるモータサーボ機構SV)が、雄ネジが形成されたネジシャフトと、内周にボール雌ネジを有して構成され、雄ネジに螺合して取り付けられるとともに斜板に繋がれたナット部材(例えば、実施形態におけるボールナット62)と、ネジシャフトを回転駆動するサーボ駆動装置(例えば、実施形態における斜板制御モータ67)とを備え、サーボ駆動装置によりネジシャフトを回転駆動してナット部材をネジシャフト上で軸方向に移動させて斜板を傾転揺動するように構成される。さらに、ナット部材の移動範囲を制限するためにネジシャフトの端部に取り付けられるストッパが、雄ネジ部の外周径とほぼ同一の外周径を有し、雄ネジ部の端部に隣り合って位置する円筒状のリング部と、このリング部より径が大きくナット部材の側面が当接するフランジ部とから一体に形成されている。
【0008】
斜板サーボ装置をこのように構成すれば、ナット部材の側面がストッパのフランジ部に当接するとリング部はナット部材の内周に突出する状態となるが、この状態ではナット部材のボール雌ネジがネジシャフト上の雄ネジの端部と螺合し、雄ネジを端部までボール雌ネジとの螺合に有効利用することができる。このため、従来のように雄ネジの端部に螺合に用いられない部分が生じることがなく、雄ネジの端部も有効活用して、雄ネジの加工費低減を図ったり、ナット部材の移動範囲を拡大したりすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図2〜図4に本発明に係る斜板サーボ装置を備えた油圧式無段変速機を有して構成される不整地走行用車両RTVを示している。この車両RTVは、内部にフレーム構造を有した車体80にパワーユニットPUを内蔵し、このパワーユニットPUの出力を受けて駆動される左右の前後輪FW,RWを有する。なお、車体80は、フロントガード81aを有して車体前部に位置するフロントフェンダ部81と、車体中央に上方に盛り上がって前後に延びた鞍部82と、鞍部82の左右下部に左右に延びて形成された左右ステップ部84,84と、リアガード85aを有して車体後部に位置するリアフェンダ部85とからなり、鞍部82に運転者が跨って座るシート83が設けられている。このように鞍部82を跨いでシート83に座った運転者は、左右ステップ部84に足を置き、前方に位置して左右に揺動操作可能な操舵ハンドル86を揺動操作するようになっている。なお、鞍部82の前方に燃料タンクFTが図1に示すように配設されている。
【0010】
鞍部82の内部にはパワーユニットPUが配設されており、このパワーユニットPUは、後述するように、エンジンEと、メインクラッチCLと、油圧式無段変速機CVTと、伝達ギヤ列GTとから構成される。エンジンEは、エアフィルターAFを介して吸入した空気と燃料タンクFTの燃料とを気化器Cにおいて混合して作られた混合気を吸気し、シリンダ内で燃焼させて回転駆動力を発生する。なお、エンジンEで燃焼されて排出される排気は、排気管EPから消音器Mを通って排出される。
【0011】
エンジンEの回転駆動力はクランクシャフトから、メインクラッチCL、油圧式無段変速機CVTおよび伝達ギヤ列GTを介して変速されて伝達され、前後のプロペラシャフトFP,RPに出力される。前プロペラシャフトFPはフロントディファレンシャル機構FDに繋がり、前プロペラシャフトFPに出力された回転駆動力は、フロントディファレンシャル機構FDから左右のフロントアクスルシャフトFAを介して左右の前輪FWに伝達されて前輪FWが駆動される。後プロペラシャフトRPはリアディファレンシャル機構RDに繋がり、後プロペラシャフトRPに出力された回転駆動力は、リアディファレンシャル機構RDから左右のリアアクスルシャフトRAを介して左右の後輪RWに伝達されて後輪RWが駆動される。
【0012】
上記パワーユニットPUについて、図5を参照して説明する。パワーユニットPUは、回転駆動力を発生するエンジンEと、その回転駆動力の伝達制御を行うメインクラッチCLと、メインクラッチCLを介して伝達された回転駆動力を無段階に変速する油圧式無段変速機CVTと、この油圧式無段変速機CVTの出力回転の方向切換および伝達を行う伝達ギヤ列GTとを有して構成される。なお、このパワーユニットPUは、エンジンクランクシャフトが車体前後に延びるようにして、鞍部82の内部に配設されている。
【0013】
エンジンEは、ヘッド部に給排気バルブ1a,1bを有したシリンダ1内にピストン2を配設して構成される。エンジンEにおいては上述のように、エアフィルターAFを介して吸入した空気と燃料タンクFTの燃料とを気化器Cにおいて混合して混合気を作り、この混合気を吸気バルブ1aを所定タイミングで開放してシリンダ室内に吸入し、これをシリンダ室内で燃焼させてピストン2を往復動させ、このピストン2の往復運動が連結ロッド2aを介してクランク部3aに伝達され、クランクシャフト3が回転駆動される。クランクシャフト3の端部にはメインクラッチCLが設けられており、クランクシャフト3の上に回転自在に配設された入力駆動ギヤ4とクランクシャフト3との係脱制御が行われる。このため、メインクラッチCLの係脱制御に応じて入力駆動ギヤ4にクランクシャフト3の回転駆動力が伝達される。なお、メインクラッチCLは、例えば、遠心クラッチからなる。
【0014】
油圧式無段変速機CVTは斜板プランジャ式の油圧ポンプPと斜板プランジャ式の油圧モータMとを有して構成される。斜板プランジャ式の油圧ポンプPを構成するポンプケーシングに結合された入力従動ギヤ5が上記入力駆動ギヤ4と噛合しており、エンジンEの回転駆動力が入力従動ギヤ5に伝達されてポンプケーシングが回転駆動される。油圧式無段変速機CVTの詳細は後述するが、この油圧式無段変速機CVTにより無段階に変速された出力回転は、変速機出力シャフト6に出力されるように構成されている。
【0015】
変速機出力シャフト6には、上記伝達ギヤ列GTを構成する変速機出力ギヤ11が結合されており、変速機出力シャフト6の回転は変速機出力ギヤ11から伝達ギヤ列GTを介して伝達される。伝達ギヤ列GTは、変速機出力シャフト6と平行に配設されたカウンターシャフト15およびアイドラーシャフト13を有する。カウンターシャフト15には、前進ギヤ12および後進ギヤ14が回転自在に配設されており、出力駆動ギヤ17が結合配設されている。一方、アイドラシャフト13には第1アイドラギヤ13aおよび第2アイドラギヤ13bが結合配設されている。前進ギヤ12は変速機出力ギヤ11と噛合し、第1アイドラギヤ13aも変速機出力ギヤ11と噛合している。また、第2アイドラギヤ13bは後進ギヤ14と噛合している。
【0016】
前進ギヤ12および後進ギヤ14にはそれぞれ、内歯クラッチギヤ12aおよび14aが設けられ、前進ギヤ12と後進ギヤ14の間にカウンターシャフト15と一体回転して軸方向に移動可能なクラッチスリーブ16が設けられている。クラッチスリーブ16の外周には外歯クラッチギヤ16aが形成されており、クラッチスリーブ16を軸方向に移動させて内歯クラッチギヤ12a,14aと選択的に噛合するように構成されており、ドグ歯クラッチが構成されている。なお、このクラッチスリーブ16は運転者の前進側および後進側へのシフトレバー操作に応じて軸方向に移動されるようになっている。
【0017】
運転者が前進側へのシフトレバー操作を行うと、クラッチスリーブ16は図において左方向に移動され、外歯クラッチギヤ16aは内歯クラッチギヤ12aと噛合して前進ギヤ12がカウンターシャフト15と結合される。このため、この状態では、変速機出力ギヤ11の回転は前進ギヤ12からカウンターシャフト15に伝達され、出力駆動ギヤ17が回転駆動される。
【0018】
一方、運転者が後進側へのシフトレバー操作を行うと、クラッチスリーブ16は図において右方向に移動され、外歯クラッチギヤ16aは内歯クラッチギヤ14aと噛合して後進ギヤ14がカウンターシャフト15と結合される。この状態では、変速機出力ギヤ11の回転は第1アイドラギヤ13aからアイドラシャフト13を介して第2アイドラギヤ13bに伝達され、さらに第2アイドラギヤ13bからこれと噛合する後進ギヤ14を介してカウンターシャフト15に伝達され、出力駆動ギヤ17が回転駆動される。なお、このときの出力駆動ギヤ17の回転方向は上記前進側のシフトレバー操作の場合に対して逆方向(後進方向)となる。
【0019】
出力駆動ギヤ17は、ドライブシャフト19に結合されて取り付けられた出力従動ギヤ18と噛合しており、出力駆動ギヤ17の回転は出力従動ギヤ18を介してドライブシャフト19に伝達される。ドライブシャフト19の前端は前プロペラシャフトFPに繋がれ、ドライブシャフト19の後端は後プロペラシャフトRPに繋がれており、ドライブシャフト19に伝達された回転駆動力は前後プロペラシャフトFP,RPに伝達され、上述したように前後輪FW,RWが駆動される。
【0020】
次に、上記油圧式無段変速機CVTについて、図1および図6〜図8を参照して説明する。油圧式無段変速機CVTは斜板プランジャ式の油圧ポンプPと斜板プランジャ式の油圧モータMとを有して構成され、変速機出力シャフト6がその中心を貫通して延びて配設されている。なお、変速機出力シャフト6は変速機ハウジングHSGに対してボールベアリング7a,7bにより回転自在に支持されている。
【0021】
油圧ポンプPは、変速機出力シャフト6の上にこれと同軸且つ相対回転自在に配設されたポンプケーシング20と、ポンプケーシング20の内部にポンプケーシング20の回転中心軸に対して所定角度傾いて配設されたポンプ斜板部材21と、このポンプ斜板部材21と対向して配設されたポンプシリンダ22と、ポンプシリンダ22においてその中心軸を囲む環状配列で軸方向に延びて形成された複数のポンププランジャ孔22a内に摺動自在に配設された複数のポンププランジャ23とから構成される。ポンプケーシング20は、変速機出力シャフト6の上にベアリング8aにより回転自在に支持されるとともに変速機ハウジングHSGに対してベアリング8bにより回転自在支持されている。ポンプ斜板部材21は、ポンプケーシング20に対してベアリング21a,21bにより上記所定角度傾いた軸を中心として回転自在に配設されている。ポンプシリンダ22は、ベアリング22cにより、ポンプケーシング20に対して同軸上で相対回転自在に支持されている。
【0022】
ポンプケーシング20の外周には、ボルト5aにより締結されて入力従動ギヤ5が取り付けられている。また、ポンププランジャ23の外側端部は外方に突出してポンプ斜板部材21の斜板面21aに当接係合され、ポンププランジャ孔22a内に位置する内側端部は後述する分配バルブ50のバルブボディ51と対向してポンププランジャ孔22a内にポンプ油室23aを形成する。なお、ポンププランジャ孔22aの端部にはポンプ吐出口および吸入口として作用するポンプ開口22bが形成されている。上述したように入力従動ギヤ5が回転駆動されるとポンプケーシング20が回転駆動され、その内部に配設されたポンプ斜板部材21がポンプケーシング20の回転に伴って揺動され、ポンププランジャ23は斜板面21aの揺動移動に応じてポンププランジャ孔22a内を往復移動し、ポンプ油室23aの内部の作動油を圧縮したり、膨張させたりする。
【0023】
油圧モータMは、変速機ハウジングHSGに結合されて固定保持されたモータケーシング30と、モータケーシング30の内面に形成された支持球面30bに摺接して支持され、変速機出力シャフト6の中心軸に対して直角方向(紙面に垂直な方向)に延びる揺動中心Oを中心として揺動自在に支持されたモータ揺動部材35と、モータ揺動部材35内にベアリング31a,31bにより回転自在に支持されて配設されたモータ斜板部材31と、このモータ斜板部材31と対向するモータシリンダ32と、モータシリンダ32においてその中心軸を囲む環状配列で軸方向に貫通形成された複数のモータプランジャ孔32a内に摺動自在に配設された複数のモータプランジャ33とから構成される。なお、モータシリンダ32はその外周部においてベアリング32cを介してモータケーシング30により回転自在に支持されている。
【0024】
モータプランジャ33の外側端部は外方に突出してモータ斜板部材31の斜板面31aに当接係合され、プランジャ孔32a内に位置する内側端部はバルブボディ51と対向してモータプランジャ孔32a内にモータ油室33aを形成する。なお、モータプランジャ孔32aの端部にはモータ吐出口および吸入口として作用するモータ開口32bが形成されている。モータ揺動部材35の端部が外径側に突出して形成されたアーム部35aは径方向外方に突出してモータサーボ機構SVに連結されており、モータサーボ機構SVによりアーム部35aが図における左右に移動する制御が行われ、モータ揺動部材35を揺動中心Oを中心として揺動させる制御が行われる。このようにモータ揺動部材35が揺動されると、その内部に回転自在に支持されたモータ斜板部材31も一緒に揺動され、その斜板角度が変化する。
【0025】
ポンプシリンダ22およびモータシリンダ32の間に分配バルブ50が配設されている。この分配バルブ50のバルブボディ51は、ポンプシリンダ22及びモータシリンダ32の間に挟持されて一体結合され、且つ変速機出力シャフト6に結合されている。このため、ポンプシリンダ22、分配バルブ50、モータシリンダ32および変速機出力シャフト6は一体回転する。
【0026】
その符号を特に図7に分かりやすく示すように、分配バルブ50を構成するバルブボディ51内には、径方向に延びて円周方向に等間隔で形成された複数のポンプ側スプール孔51aおよび複数のモータ側スプール孔51bが2列に並んで形成されている。ポンプ側スプール孔51a内にポンプ側スプール53が、モータ側スプール孔51b内にモータ側スプール55がそれぞれ摺動自在に配設されている。
【0027】
ポンプ側スプール孔51aはポンププランジャ孔22aに対応して形成されており、バルブボディ51に、それぞれ対応するポンプ開口22b(ポンプ油室23a)とポンプ側スプール孔51aとを連通する複数のポンプ側連通路51cが形成されている。モータ側スプール孔51bはモータプランジャ孔32aに対応して形成されており、バルブボディ51に、それぞれ対応するモータ開口32b(モータ油室33a)とモータ側スプール孔51bとを連通する複数のモータ側連通路51dが形成されている(図1参照)。
【0028】
分配バルブ50においてはさらに、ポンプ側スプール53の外周端部を囲む位置にポンプ側カムリング52が配設され、モータ側スプール55の外周端部を囲む位置にモータ側カムリング54が配設されている。ポンプ側カムリング52は、ポンプケーシング20の先端内面にその回転中心軸から偏心して形成された偏心内周面20a内に取り付けられており、ポンプケーシング20と一体に回転される。モータ側カムリング54はモータケーシング30の先端内面にモータシリンダ32の回転中心軸から偏心して形成された偏心内周面30a内に取り付けられている。なお、ポンプ側カムリング52の内周面にポンプ側スプール53の外周端が相対回転自在に係止されており、モータ側カムリング54の内周面にモータ側スプール55の外周端が相対回転自在に係止されている。
【0029】
バルブボディ51の内周面と変速機出力シャフト6の外周面との間に内側通路56が形成されており、ポンプ側スプール孔51aおよびモータ側スプール孔51bの内周端部がこの内側通路56に連通している。また、バルブボディ51内にはポンプ側スプール孔51aとモータ側スプール孔51bとを連通する外側通路57が形成されている。
【0030】
ここで、上記構成の分配バルブ50の作動について説明する。エンジンEの駆動力が入力従動ギヤ5に伝達されてポンプケーシング20が回転駆動されると、この回転に応じてポンプ斜板部材21が揺動する。このため、ポンプ斜板部材21の斜板面21aに当接係合されたポンププランジャ23は、ポンプ斜板部材21の揺動によってポンププランジャ孔22a内を軸方向に往復移動され、ポンププランジャ23の内方への移動に応じてポンプ油室23aからポンプ開口22bを通って作動油が吐出され、且つ外方への移動に応じてポンプ開口22bを通ってポンプ室23a内に作動油が吸入される。
【0031】
このとき、ポンプケーシング20の端部に取り付けられたポンプ側カムリング52はポンプケーシング20とともに回転されるが、ポンプ側カムリング52はポンプケーシング20の回転中心に対して偏心して取り付けられているため、ポンプ側カムリング52の回転に応じてポンプ側スプール53がポンプ側スプール孔51a内を径方向に往復動される。このようにポンプ側スプール53が往復動され、図1の上半分側に示すようにポンプ側スプール53が内径側に移動されるとスプール溝53aを介してポンプ側連通路51cと外側通路57とが連通し、図1の下半分側に示すようにポンプ側スプール53が外径側に移動されるとスプール溝53aを介してポンプ側通路51cと内側通路56とが連通する。
【0032】
ここで、ポンプケーシング20の回転に伴って斜板部材21が揺動されてポンププランジャ23が往復移動されるときに、ポンププランジャ23が最も外側に押し出された位置(これを下死点と称する)から最も内側に押し込まれた位置(これを上死点と称する)まで移動されるポンプケーシング20の半回転において、ポンプ側カムリング52はポンプ側スプール53を内径側に移動させ、ポンププランジャ23が上死点から下死点まで移動されるポンプケーシング20の半回転において、ポンプ側カムリング52はポンプ側スプール53を外径側に移動させるように、偏心取り付け位置が設定されている。
【0033】
この結果、ポンプケーシング20の回転に伴ってポンププランジャ23が下死点から上死点に移動してポンプ油室23a内の作動油がポンプ開口22bから吐出されると、この作動油はポンプ側連通路51cを通って外側通路57内に送出される。一方、ポンプケーシング20の回転に伴ってポンププランジャ23が上死点から下死点に移動するときには、内側通路56内の作動油がポンプ側連通路51cおよびポンプ開口22bを通ってポンプ油室23a内に吸入される。このことから分かるように、ポンプケーシング20が回転駆動されると、外側通路57には油圧ポンプPから吐出された作動油が供給され、内側通路56からは油圧ポンプPに作動油が吸入される。
【0034】
一方、モータケーシング30の端部に取り付けられたモータ側カムリング54もモータケーシング30の回転中心に対して偏心して取り付けられているため、モータシリンダ32が回転されるとその回転に応じてモータ側スプール55がモータ側スプール孔51b内を径方向に往復動される。このようにモータ側スプール55が往復動され、図1の上半分側に示すようにモータ側スプール55が内径側に移動されるとスプール溝55aを介してモータ側連通路51dと外側通路57とが連通し、図1の下半分側に示すようにモータ側スプール55が外径側に移動されるとスプール溝55aを介してモータ側通路51dと内側通路56とが連通する。
【0035】
ここで、上述したように、油圧ポンプPから吐出された作動油が外側通路57に送られており、この作動油はモータ側連通路51dからモータ開口32bを通ってモータ油室33a内に供給され、モータプランジャ33は軸方向外方に押圧される。このように軸方向外方への押圧力を受けるモータプランジャ33の外側端部が図1のようにモータ揺動部材35が揺動された状態のモータ斜板部材31における上死点から下死点に至る部分に摺接するように構成されており、この軸方向外方への押圧力によりモータプランジャ33がモータ斜板部材31に沿って上死点から下死点まで移動するようにモータシリンダ32が回転駆動される。
【0036】
このような回転駆動を行わせるために、モータシリンダ32の回転に伴ってモータプランジャ33がモータ斜板部材31の傾斜に沿って往復移動されるときに、モータプランジャ33が最も外側に押し出された位置(下死点)から最も内側に押し込まれた位置(上死点)まで移動されるモータシリンダ32の半回転において、モータ側カムリング54はモータ側スプール55を外径側に移動させ、モータプランジャ33が上死点から下死点まで移動されるモータシリンダ32の半回転において、モータ側カムリング54はモータ側スプール55を外径側に移動させるように、モータ側カムリング54の偏心取り付け位置が設定されている。
【0037】
このようにしてモータシリンダ32が回転駆動されると、この回転に応じてモータプランジャ33がモータ斜板部材31に沿って下死点から上死点まで移動するときに内方に押されて移動し、モータ油室33a内の作動油がモータ開口32bからモータ側連通路51dを通って内側通路56に送られる。このようにして内側通路56に送られた作動油は、上述したように、ポンプ側連通路51cおよびポンプ開口22bを通ってポンプ油室23a内に吸入される。
【0038】
以上の説明から分かるように、エンジンEの回転駆動力を受けてポンプケーシング20が回転駆動されると、油圧ポンプPから外側通路57に作動油が吐出され、これが油圧モータMに送られてモータシリンダ32を回転駆動する。モータシリンダ32を回転駆動した作動油は内側通路56に送られ、内側通路56から油圧ポンプPに吸入される。このように油圧ポンプPと油圧モータMとを繋ぐ油圧閉回路が分配バルブ50により構成され、油圧ポンプPの回転に応じて油圧ポンプPから吐出された作動油が油圧閉回路を介して油圧モータMに送られてこれが回転駆動され、さらに油圧モータMの駆動を行って吐出された作動油は油圧閉回路を介して油圧ポンプPに戻される。
【0039】
このとき、ポンプシリンダ22とモータシリンダ32は変速機出力シャフト6に結合されて一体回転するため、上記のようにモータシリンダ32が回転駆動されるとポンプシリンダ22も一緒に回転し、ポンプケーシング20とポンプシリンダ22との相対回転速度が小さくなる。このため、ポンプケーシング20の回転速度Niと、変速機出力シャフト6の回転速度No(すなわち、ポンプシリンダ22およびモータシリンダ32の回転速度)との関係は、ポンプ容量Vpおよびモータ容量Vmとに対して次式(1)のようになる。
【0040】
【数1】
Vp・(Ni−No)=Vm・No (1)
【0041】
モータ容量Vmは、モータサーボ機構SVによりモータ揺動部材35を揺動させる制御により無段階に変化させることが可能である。このため、上記式(1)においてポンプ斜板部材21の回転速度Niが一定とした場合、モータ容量Vmを無段階に変化させる制御を行うと変速機出力シャフト6の回転が無段階に変速する変速制御が行われる。
【0042】
モータ揺動部材35の揺動角度を小さくする制御を行うと、モータ容量Vmは小さくなり、上記式(1)の関係においてポンプ容量Vpは一定で、ポンプ斜板部材21の回転速度Niが一定とした場合、変速機出力シャフト6の回転がポンプ斜板部材21の回転速度Niに近づくように増速される制御、すなわち、トップ変速段への無段階変速制御となる。そして、モータ斜板角度が零、すなわち直立状態となった時点で、理論的にはNi=Noの変速比(トップ変速比)となり、油圧ロック状態となってポンプケーシング20がポンプシリンダ22、モータシリンダ32および変速機出力シャフト6と一体回転して機械的な動力伝達がなされる。
【0043】
上記のようにモータ容量を無段階に変化させる制御はモータ揺動部材35を揺動させてモータ斜板角度を可変制御することにより行われるが、このようにモータ揺動部材35を揺動させるためのモータサーボ機構(斜板サーボ装置)SVについて、主として図6を参照して、以下に説明する。
【0044】
モータサーボ機構SVは、モータ揺動部材35のアーム部35aの近傍に位置して変速機出力シャフト6と平行に延び、ベアリング60a,60bにより変速機ハウジングHSGに対して回転自在に支持されたボールネジシャフト61と、このボールネジシャフト61の外周に形成された雄ネジ61aに螺合して配設されたボールナット62とを有する。なお、ボールナット62の内周にはケージによりネジ状に並んで保持された多数のボールによりボール雌ネジ62aが形成されており、このボール雌ネジ62aが雄ネジ61aに螺合する。ボールナット62はモータ揺動部材35のアーム部35aと連結されており、ボールネジシャフト61を回転駆動するとボールナット62がこのシャフト61上を左右に移動され、モータ揺動部材35が揺動される。
【0045】
このようにボールネジシャフト61を回転駆動するために、変速機ハウジングHSGの外側面に斜板制御モータ(電気モータ)67が取り付けられている。この斜板制御モータ67の駆動軸67aはカップリング66を介してスペーサシャフト65と連結されている。スペーサシャフト65は、変速機ハウジングHSG内を変速機出力シャフト6と平行に延び、入力従動ギヤ5の外周を超えて上記ボールネジシャフト61の端部近傍まで延びており、変速機ハウジングHSGにより回転自在に支持されている。一方、スペーサシャフト65と平行に延びるアイドルシャフト64cが変速機ハウジングHSGに支持されて配設されており、このアイドルシャフト64cの上にアイドルギヤ部材64が回転自在に取り付けられている。
【0046】
スペーサシャフト65の先端には第1ギヤ65aが形成されており、これがアイドルギヤ部材64に一体に設けられた第2ギヤ64bと噛合している。また、アイドルギヤ部材64に一体に設けられた第3ギヤ64aは上記ボールネジシャフト61の端部に結合されて取り付けられた第4ギヤ63と噛合している。このため、斜板制御モータ67の回転駆動制御を行って駆動軸67aを回転させると、この回転がアイドルギヤ部材64を介して第4ギヤ部材63に伝達され、ボールネジシャフト61を回転駆動させ、ボールナット62がこのシャフト61上を左右に移動され、モータ揺動部材35を揺動させる制御が行われる。
【0047】
以上の構成のモータサーボ機構SVにおいて、ボールネジシャフト61およびボールナット62により構成されるボールネジ機構が、斜板制御モータ67の回転を直線運動に変換してモータ揺動部材35を揺動させるのであるが、このボールネジ機構の構成を図9および図10を参照して詳しく説明する。
【0048】
図示のように、ボールナット62は、ナットボディ62cの内周にボール雌ネジ62aを配設して構成される。ボール雌ネジ62aは多数の小さなボール62bをケージによりネジ状に並んで保持しており、このように並んだボール62bがボールネジシャフト61の雄ネジ61aのネジ溝内に入り込むようにしてボールナット62がボールネジシャフト61の上に螺合して取り付けられる。なお、ボールナット62において、その構造上の理由から、ボール雌ネジ62aの左右端部はナットボディ62cの左右端部より軸方向内方に位置している。一方、ボールネジシャフト61の雄ネジ61aの両端部にはそれぞれ左右ストッパ70,75が設けられている。左ストッパ70は、雄ネジ61aの外周径とほぼ同一の外周径を有して雄ネジ61aの左端部に隣り合って位置する円筒状のリング部71と、このリング部71より大きな径のフランジ部72とから構成される。右ストッパ75はフランジ部72と同一径の円筒状に形成され、雄ネジ61aの右端部に隣り合って取り付けられる。
【0049】
このようにボールネジ機構を有するモータサーボ機構SVにおいて、斜板制御モータ67によりボールネジシャフト61が回転駆動されると、その雄ネジ61aに螺合したボールナット62が図10に矢印Aで示す方向に移動され(回転運動が直線運動に変換され)、モータ揺動部材35を揺動させる。このようにボールナット62がボールネジシャフト61上を左端まで移動した状態を図9に示しており、ナットボディ62cが左ストッパ70のフランジ部72に当接して左方向に移動限界が決められる。このとき、ボール雌ネジ62aは雄ネジ61aの左端部に螺合しており、雄ネジ61aを有効に利用して螺合している。
【0050】
すなわち、左ストッパ70のリング部71は、雄ネジ61aにおけるボール雌ネジ62aとの螺合に用いられない部分をカバーするものであり、これにより雄ネジ61aの長さを必要最小限にしてこれを有効利用し、且つ雄ネジ61aの加工工数、費用を低減している。逆に、左ストッパを従来のように全体がフランジ部72と同一径の円筒状部材から形成した場合(右ストッパ75と同様な形状とした場合)、ナットボディ62cの左側端はこの左ストッパの右側面に当接する位置で左方向への移動が規制され、リング部72を有する上記左ストッパ70の場合より左方向への移動量が小さくなる。すなわち、本発明の実施形態に係る左ストッパ70を用いることにより、従来に比較して左方向への移動量を大きくすることができる。
【0051】
なお、本実施形態においてボールナット62の右方向への移動量を大きくする要求が無いため、右ストッパ75は全体を円筒状としているが、必要に応じて左ストッパ70と同様にリング部を設け、ボールナット62の右方向への移動量を大きくするような構成としても良い。
【0052】
ところで、上記のように油圧閉回路を介して油が流れて油圧ポンプPと油圧モータMとの間で油圧力の伝達が行われるときに、油圧閉回路からの油の漏れおよびポンプ及びモータプランジャ孔22a,32aとポンプおよびモータプランジャ23,33との嵌合部からの油の漏れが発生する。このため、変速機出力シャフト6に軸方向に延びてチャージ油供給孔6aが形成されており、これが、図7に示すように、変速機出力シャフト6に形成された油路6bおよびポンプシリンダ22に形成された油路51eを介して、ポンプシリンダ22内に配設された第1チェックバルブCV1と繋がり、さらに、第1チェックバルブCV1から油路51fを介して内側通路56に繋がっている。このため、図示しないチャージ油供給源からチャージ油供給孔6aに供給されたチャージ油が、必要に応じて第1チェックバルブCV1を通って内側通路56に供給される。
【0053】
なお、チャージ油供給孔6aは、変速機出力シャフト6に形成された油路6cおよびポンプシリンダ22に形成された油路51gを介して、ポンプシリンダ22内に配設された第2チェックバルブCV2と繋がり、さらに、第2チェックバルブCV2から油路51hを介して外側通路57に繋がっている。このため、チャージ油供給孔6aに供給されたチャージ油は、必要に応じて第2チェックバルブCV2を通って外側通路57に供給される。
【0054】
上記の油圧ポンプPおよび油圧モータMの作動説明から分かるように、通常の走行状態すなわち油圧ポンプPからの作動油供給を受けて油圧モータMが回転駆動される状態では、外側通路57内が高圧で内側通路56内が低圧となるため、第1チェックバルブCV1を介して内側通路56内にチャージ油供給が行われる。しかしながら、エンジンブレーキ作用を行わせて走行している状態では、外側通路57内が低圧で内側通路56内が高圧となるため、第2チェックバルブCV2を介して外側通路57内にチャージ油供給が行われる。
【0055】
図8に示すように、ポンプシリンダ22内には第1および第2リリーフバルブRV1,RV2も配設されている。まず、第1リリーフバルブRV1は、外側通路57と内側通路56とを繋いで配設され、外側通路57内の油圧が所定圧以上となると開放して内側通路56に逃がし、外側通路57内の油圧が過度に高くなるのを防止する。第2リリーフバルブRV2は、内側通路56と外側通路57とを繋いで配設され、内側通路56内の油圧が所定圧以上となると開放して外側通路57に逃がし、内側通路56内の油圧が過度に高くなるのを防止する。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、斜板プランジャ式油圧ユニットの斜板を傾転揺動させる斜板サーボ装置が、雄ネジが形成されたネジシャフトと、内周にボール雌ネジを有して構成され、雄ネジに螺合して取り付けられるとともに斜板に繋がれたナット部材と、ネジシャフトを回転駆動するサーボ駆動装置とを備え、サーボ駆動装置によりネジシャフトを回転駆動してナット部材をネジシャフト上で軸方向に移動させて斜板を傾転揺動するように構成され、ナット部材の移動範囲を制限するためにネジシャフトの端部に取り付けられるストッパが、雄ネジ部の外周径とほぼ同一の外周径を有し、雄ネジ部の端部に隣り合って位置する円筒状のリング部と、このリング部より径が大きくナット部材の側面が当接するフランジ部とから一体に形成されている。
【0057】
斜板サーボ装置をこのように構成することにより、ナット部材の側面がストッパのフランジ部に当接するとリング部はナット部材の内周に突出する状態となり、この状態ではナット部材のボール雌ネジがネジシャフト上の雄ネジの端部と螺合し、雄ネジを端部までボール雌ネジとの螺合に有効利用することができる。このため、従来のように雄ネジの端部に螺合に用いられない部分が生じることがなく、雄ネジの端部も有効活用して、雄ネジの加工費低減を図ったり、ナット部材の移動範囲を拡大したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る斜板サーボ装置を有した油圧式無段変速機の断面図である。
【図2】上記油圧式無段変速機を有した不整地走行用車両の側面図である。
【図3】上記油圧式無段変速機を有した不整地走行用車両の平面図である。
【図4】上記油圧式無段変速機を有した不整地走行用車両の背面図である。
【図5】上記油圧式無段変速機を有して構成されるパワーユニットの動力伝達経路構成を示す概略図である。
【図6】上記油圧式無段変速機の断面図である。
【図7】上記油圧式無段変速機の断面図である。
【図8】上記油圧式無段変速機の断面図である。
【図9】上記油圧式無段変速機を構成するモータサーボ機構(斜板サーボ装置)を詳しく示す断面図である。
【図10】上記油圧式無段変速機を構成するモータサーボ機構(斜板サーボ装置)を詳しく示す断面図である。
【符号の説明】
20 ポンプケーシング
21 ポンプ斜板部材
22 ポンプシリンダ
23 ポンププランジャ
30 モータケーシング
31 モータ斜板部材
32 モータシリンダ
33 モータプランジャ
35 モータ揺動部材
61 ボールネジシャフト61
61a 雄ネジ
62 ボールナット
62a ナットボディ
62b ボール雌ネジ
70 左ストッパ
71 リング部
72 フランジ部
CVT 油圧式無段変速機
P 油圧ポンプ
M 油圧モータ
SV モータサーボ機構

Claims (1)

  1. 回転自在に支持されるとともにその回転軸を囲む環状配列で軸方向に貫通する複数のプランジャ孔が形成されたシリンダと、前記プランジャ孔内に摺動自在に嵌入配設された複数のプランジャと、前記プランジャの外端部が当接する斜板面を有するとともに前記回転軸に直交する揺動軸を中心として傾転揺動して前記斜板面の傾動角を可変調整可能な斜板とからなる斜板プランジャ式油圧ユニットにおいて、
    前記斜板を傾転揺動させる斜板サーボ装置が、雄ネジが形成されたネジシャフトと、内周にボール雌ネジを有して構成され、前記雄ネジに螺合して取り付けられるとともに前記斜板に繋がれたナット部材と、前記ネジシャフトを回転駆動するサーボ駆動装置とを備え、
    前記サーボ駆動装置により前記ネジシャフトを回転駆動して前記ナット部材を前記ネジシャフト上で軸方向に移動させて前記斜板を傾転揺動するように構成され、
    前記ナット部材の移動範囲を制限するために前記ネジシャフトの端部に取り付けられるストッパが、前記雄ネジ部の外周径とほぼ同一の外周径を有し、前記雄ネジ部の端部に隣り合って位置する円筒状のリング部と、前記リング部より径が大きく前記ナット部材の側面が当接するフランジ部とから一体に形成されていることを特徴とする斜板プランジャ式油圧ユニットの斜板サーボ装置。
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