JP2004301139A - 変速装置及びそれを用いた自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速時に運転者が感じる脱力感が緩和される変速装置、さらに、原動機の吹き上がりも防止することができる変速装置を提供すること。
【解決手段】メインクラッチ2の被動側部材であるクラッチディスク2bに直結され、エンジントルクが断接可能に伝達される第1の入力軸6と、第1の入力軸6と同軸に配され、メインクラッチ2の駆動側部材であるはずみ車2aに直結され、エンジントルクが常時伝達される第2の入力軸25と、第1の入力軸6と一体回転可能に設けられ最高速段(5速)より一段階低い変速段を構成する第4速ドライブギヤ20と、駆動板22が第2の入力軸25に直結され、一方、被動板23が第4速ドライブギヤ20に直結され、駆動板22と被動板23との係合時、第2の入力軸25から第4速ドライブギヤ20にエンジントルクを伝達する変速クラッチ21とを有する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速装置、中でも、自動変速機構として好適に採用される変速装置に関し、特に、マニュアル変速機に多用されている軸並行式歯車変速機構にアクチュエータを付加し、電子制御化した自動変速機に係る車両用自動変速機として好適に採用される変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境面から低排出ガス(=低燃料消費)を目的とした車両が注目を浴びている。又、運転の容易化から自動変速システムにも根強い要望が有る。
【0003】
自動変速機の多くはトルクコンバータを用いており、そのためにエンジンの駆動力を使用したオイルポンプ(以下「O/P」と称する)を常時駆動している。この両者から動力伝達効率の向上に限界があり、マニュアル変速機車に比較して燃料消費量が多くなっている。そのために、これらの無い自動変速機が注目され、各社で開発が進められてきたが、変速時の動力遮断による脱力感が問題となり展開の障害となっている。
【0004】
前記動力遮断による脱力感について説明する。運転者はより加速させようとアクセルペダルを踏み続けている間に、変速システムでは一旦メインクラッチを開放しギヤ位置をより高速段に入れ替え再びクラッチを繋ぐことが行われる。クラッチを開放している間はエンジンの駆動力はタイヤに伝達されないため、運転者が感じていた加速力は一旦ゼロになって動力遮断による脱力感を感じた後、再びより高速段での加速を感じる。同時にクラッチ開放の間はエンジンには負荷が無くなるため吹き上がりが発生してしまうのでそれを防止する為に電子スロットル制御等で、運転者のアクセル踏み込み量より少ないアクセル開度を構築している。
【0005】
特許文献1又は特許文献2には、この脱力感の発生を防止を図るため、下記のような技術が提案されている。
【0006】
変速機の入力軸上に回転自由に遊嵌された最高変速段(実施例では5速)用ドライブギヤと、変速機の入力軸上に設けられ前記最高変速段用ドライブギヤと変速機の入力軸とを断接可能な変速クラッチと、を有し、変速時、走行段のギヤを出力軸に固定するシンクロクラッチ(同期装置)を断にすると同時に、変速クラッチを接状態(クラッチは滑り状態)に遷移させる。変速クラッチが滑っている間にも、最高変速段で車は加速されるので変速機の入力軸と変速機の出力軸との間の回転差は徐々に減少していき、この回転差が次段の変速段の回転差に到達するとシンクロクラッチを接にして次段のギヤを出力軸に固定する。
【0007】
この方式では発進用のメインクラッチは接のまま変速され、変速ギヤの切り替えの間は最高段のギヤ比に相当する駆動力が伝達されるので加速力がゼロに落ち込むことは無く脱力感は緩和される。そしてエンジンの駆動力は常時タイヤに伝達されるのでエンジンの吹き上がりも抑えられる。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−45163号公報
【0009】
【特許文献2】
特開昭62−261740号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1又は特許文献2の方式では微妙な制御が必要である。つまり、シンクロクラッチを抜くと同時に変速クラッチを接にするタイミングが遅れるとその間上記の脱力感の発生とエンジン吹き上がりが発生する。また反対にオーバラップが生じると、すなわち、シンクロクラッチが完全に断となる前に、変速クラッチが接になると、シンクロクラッチのスプラインに伝達トルクが残った状態で、スリーブを抜くことになりスリーブ部の磨耗が発生し、これが度重なるとガタによる振動が発生するおそれがある。また、回転差が次のギヤ段比になるまでの期間は制御油圧や摩擦係数のバラツキにより一定ではないため、個体毎に変速制御用のパラメータを変更する必要があるという問題がある。さらに、シフト期間中、最高段のシフトを入れておく必要があり、特許文献1等の変速装置に、従来の変速アクチュエータをそのまま流用することができないという問題もある。
【0011】
本発明は、新規な構造を有し、変速時に運転者が感じる脱力感が緩和される変速装置、さらに、原動機の吹き上がりも防止することができる変速装置、並びにそれを用いた自動変速機及び車両を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の変速装置は、第1の視点において、通常の第1の入力軸とは別に、前記第1の入力軸と同軸に配され、原動機に直結された第2の入力軸と、前記第1の入力軸に遊嵌された所定変速段用のドライブギヤと前記第2の入力軸の間でトルク伝達又は切断を行う変速クラッチと、を有している。前記変速クラッチは、シフト期間中、原動機のトルクを車輪側に伝達することができる。
【0013】
本発明の変速装置を車両の前進5速用の変速装置として用い、前記所定変速段のドライブギヤが第4速用のドライブギヤであり、第1速から第2速にシフトアップする場合について、該変速装置の動作を説明する。
【0014】
[クラッチ断行程]
メインクラッチが接状態にあり、第1速で走行している状態から、メインクラッチが徐々に切断されていくにつれて変速クラッチが徐々に接状態にされていく。これにつれて、メインクラッチと第1速ギヤを経由して車輪側に伝達されていたエンジントルクは、前記第2の入力軸、前記変速クラッチ及び第4速ドライブギヤを経由した伝達に切り替わる。このシフト期間中、エンジンから車輪へは、前者及び後者のいずれか一方又は両方の経路を通じて、常時、トルクが伝達される。換言すると、このようにトルクの伝達経路が重ね合わせられることによって、シフト期間中のトルク遮断は完全に回避される。この結果、変速時に運転者が感じる脱力感が緩和され、さらに、エンジンの吹き上がりも防止される。
【0015】
[シフト抜き行程]
次に、メインクラッチが完全に断状態にされた状態で、第1速用の同期装置(シンクロクラッチ)を抜いていく(ニュートラル状態にしていく)。このとき、メインクラッチの被動側に直結された第1の入力軸には、エンジントルクが伝達されていないため、シンクロクラッチ部品の磨耗等が防止される。
【0016】
[シフト入れ行程]
第1速の同期装置が抜けると同時に、第2速へのシフト動作が行われる。この状態では、メインクラッチ及び第1の入力軸は空転状態にあるため、第2速用のドライブギヤが第1の入力軸に固定されていても、第2速用のシンクロ装置を働かせることによって容易に第2速へのシフトが達成される。第2速へのシフトが完了すると、前記とは逆に変速クラッチを徐々に切断するにつれてメインクラッチを徐々に係合させていく。
【0017】
クラッチ断行程の開始からシフト入れ行程が終了するまでのシフト時間は、結局、メインクラッチを操作するアクチュエータの作動時間で決まるため、安定している。
【0018】
また、本発明の変速装置を用いて自動変速機を構成する場合、従来のマニュアル変速機のギヤ対及びシフト機構を流用することができるため、変更が少なく安価に製造することができる。また、部品のバラツキを補償するための学習などの微妙な制御方法を用いなくても、変速時のトルク遮断は完全に回避され、変速中の原動機の吹き上がりも防止されるため、原動機の出力制御が容易化される。
【0019】
第2の視点において、本発明の変速装置は、前記所定のドライブギヤを介して、前記第1の入力軸と前記変速クラッチの被動側とを接続可能な同期手段を有する。この変速装置によれば、所定変速段へのシフト完了後、他の変速段での変速と同様に変速クラッチの圧力を抜き去ることができるため、制御が簡便となる。
【0020】
第3の視点において、本発明の変速装置は、前記所定のドライブギヤが前記第1の入力軸に遊嵌され、前記所定のドライブギヤよりも高速段側のドライブギヤであって、前記第1の入力軸に遊嵌される高速段側のドライブギヤと、前記所定のドライブギヤ又は前記高速段側のドライブギヤを選択的に前記第1の入力軸と一体回転させる同期手段を有する。
【0021】
第4の視点において、本発明の変速装置は、前記メインクラッチの被動側に直結され、原動機からのトルクが断接可能に伝達される第1の入力軸と、前記第1の入力軸と同軸に配されると共に前記メインクラッチの駆動側に直結され、原動機からのトルクが伝達される第2の入力軸と、前記第1の入力軸と一体回転可能に設けられ所定の変速段を構成する所定のドライブギヤと、前記出力軸に遊嵌され前記所定のドライブギヤと噛合する所定のドリブンギヤと、駆動側が前記所定のドリブンギヤに直結され、一方、被動側が前記出力軸に直結され、該駆動側と該被動側の係合時、該所定のドリブンギヤから該出力軸にトルクを伝達する変速クラッチと、を有する。
【0022】
第5の視点において、本発明の変速装置は、前記所定のドライブギヤを選択的に回転自在又は前記第1の入力軸と一体回転させる同期手段を有する。
【0023】
第6の視点において、本発明の変速装置は、前記変速クラッチの前記被動側が直結される前記所定のドライブギヤ又は前記所定のドリブンギヤが、最高速段から一段階低い変速段を構成するギヤであることを特徴とする。
【0024】
第7の視点において、本発明の変速装置は、前記変速クラッチの伝達可能なトルク容量が、該変速クラッチの前記被動側が直結される前記所定のドライブが構成する変速段における、前記原動機の出力トルクよりも大きいことを特徴とする。
【0025】
第8の視点において、本発明の変速装置は自動変速機に適用される。
【0026】
第9の視点において、本発明の変速装置は車両に搭載される。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、変速時の変速クラッチのトルク容量はその状態での原動機の出力より多いトルク伝達容量にされる。好ましくは、メインクラッチの伝達トルクがゼロになった状態では、変速クラッチの伝達トルクを変速前のエンジン出力トルク以上になるような圧力にする。これによって原動機の出力が変速クラッチ側で伝達される状態になったときには減速ギヤ比が小さくなるので変速クラッチは滑った状態にある。ここで原動機の出力以上のトルク伝達をさせるということは原動機の出力に加え原動機とはずみ車の回転慣性エネルギーを車輪に伝達することで原動機の回転数は徐々に低下する。これによってメインクラッチが係合するときの回転数差が少なくなり好適である。尚このときの変速クラッチのトルク客量を原動機出力の1.3〜1.4にするのが良い。これによって、変速中の車輪トルクは原動機出力を一段下の3速ギヤで伝達したのと略同じ大きさとなり、トルク低下量が少なく好フィーリングが得られる。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、変速クラッチの設けられたギヤにもシンクロクラッチを付与する。
【0030】
【実施例】
以上説明した本発明の好ましい実施の形態をさらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施例に係る変速装置を説明するためのスケルトン図である。
【0032】
図1を参照すると、メインクラッチ2の被動側部材であるクラッチディスク2bにはスプライン結合により第1の入力軸6が直結されている。第1の入力軸6には、メインクラッチ2を介して、エンジンからのトルクが断接可能に伝達される。エンジン出力軸1には、メインクラッチ2の駆動側部材であるはずみ車2aが直結されている。はずみ車2aには、第2の入力軸25がスプライン結合により直結されている。第2の入力軸25には、エンジントルクが常時伝達可能である。
【0033】
第1の入力軸6と第2の入力軸25は同軸に配置され、中空管状の第1の入力軸6を第2の入力軸25が挿通している。第1の入力軸6及び第2の入力軸25と平行に、出力軸27が配置されている。
【0034】
メインクラッチ2はハウジング8内に収容され、並行歯車式変速機構(変速機本体)5はケース9及びカバー10内に収容され、ディファレンシャル機構40はケース9に収容されている。ハウジング8とケース9は互いに接合され、カバー10とケース9も互いに接合されている。
【0035】
第1の入力軸6の中間部は、ベアリング11,12を介して、ケース9に回転可能に支持されている。第2の入力軸25の一端はエンジン出力軸1に直結され、他端はベアリング26を介して、カバー10に軸支されている。出力軸27の一端はベアリング28を介してハウジング8に回転可能に支持され、他端近傍はベアリング29を介してケース9に回転可能に支持されている。
【0036】
第1の入力軸6上には、メインクラッチ2側からカバー10後端側へ向かって順に、第1速ドライブギヤ13、後進用ドライブギヤ14、第2速ドライブギヤ15、第3速ドライブギヤ16、第5速ドライブギヤ18、第4速ドライブギヤ20が配置されている。第1速ドライブギヤ13、後進用ドライブギヤ14及び第2速ドライブギヤ15は、第1の入力軸6と一体回転するよう第1の入力軸6に直結されている。第3速ドライブギヤ16、第5速ドライブギヤ18及び第4速ドライブギヤ20は、第1の入力軸6に遊嵌されている。
【0037】
第1の入力軸6上において、第3速ドライブギヤ16と第5速ドライブギヤ18との間には、第3−5速切替用同期装置17が設けられている。第3−5速切替用同期装置17は、第3−5速切替用スリーブ19を介して、選択的に、第3速ドライブギヤ16又は第5速ドライブギヤ18を第1の入力軸6と一体回転させる。
【0038】
第2の入力軸25の後端部、すなわち、第2の入力軸25が第1の入力軸6から突出している部分には、変速クラッチ21が配置されている。変速クラッチ21は、第2の入力軸25にクラッチドラム24を介して直結された駆動板22と、第4速ドライブギヤ20のハブ延長部分にスプライン係止により直結された被動板23と、を有している。油圧により駆動板22と被動板23が摩擦係合することによって、エンジントルクを、第2の入力軸25から第4速ドライブギヤ20に伝達することができる。
【0039】
出力軸27上には、メインクラッチ2側からカバー10後端側へ向かって順に、第1速ドリブンギヤ31、第2速ドリブンギヤ32、第3速ドリブンギヤ37、第5速ドリブンギヤ38、第4速ドリブンギヤ39が配置されている。第3速ドリブンギヤ37、第5速ドリブンギヤ38及び第4速ドリブンギヤ39は、出力軸27と一体回転するよう出力軸27に直結されている。第1速ドリブンギヤ31及び第2速ドリブンギヤ32は、出力軸27に遊嵌されている。
【0040】
出力軸27上において、第1速ドリブンギヤ31及び第2速ドリブンギヤ32との間には、第1−2速切替用同期装置33が設けられている。第1−2速切替用同期装置33は、選択的に、第1速ドリブンギヤ31又は第2速ドリブンギヤ32を出力軸27と一体回転させる。
【0041】
第1−2速切替用同期装置33が備える第1−2速切替用スリーブ34の外周部には、後進用ドリブンギヤ35が設けられている。後進用ドリブンギヤ35は後進用アイドラギヤ36と噛合可能である。
【0042】
出力軸27の前端には出力軸27と一体回転するファイナルドライブギヤ30が設けられている。ファイナルドライブギヤ30は、ディファレンシャル機構40が備えるファイナルドリブンギヤ41と噛合し、ファイナルドライブギヤ30及びファイナルドリブンギヤ41を介して増大されたトルクが、車輪側に伝達される。
【0043】
以上説明した本発明の第1の実施例に係る変速装置の動作を説明する。最初に、各変速段における変速機構の状態について説明し、次に、変速時の動作、特に、シフトアップ時におけるシフト期間中の動作について説明する。
【0044】
図1を参照すると、後進用アイドラギヤ36が、後進用ドライブギヤ14及び後進用ドリブンギヤ35と噛み合っておらず、第1−2速切替用同期装置33及び第3−5速切替用同期装置17がニュートラル状態にあり、変速クラッチ21において駆動板22と被動板23が摩擦係合状態にない状態では、エンジントルクは車輪に伝達されない。
【0045】
上記状態から、第1−2速切替用スリーブ34が第1速ドリブンギヤ31と係合したときに第1速、第1−2速切替用スリーブ34が第2速ドリブンギヤ32と係合したときに第2速、第3−5速切替用スリーブ19が第3速ドライブギヤ16と係合したときに第3速、第3−5速切替用スリーブ19が第5速ドライブギヤ18と係合したときに第5速、変速クラッチ21において駆動板22と被動板23が摩擦係合状態にあるときに第4速、後進用アイドラギヤ36が移動されて後進用ドライブギヤ14及び後進用ドリブンギヤ35と噛合したときに後進段、がそれぞれ達成される。
【0046】
次に、本発明の第1の実施例に係る変速装置のシフト期間中の動作を、2−3速シフトアップを例にして説明する。
【0047】
図1を参照すると、2−3速シフトアップ時、まず、メインクラッチ2を切断するため、はずみ車2aと摩擦係合しているクラッチディスク2bを、はずみ車2aから離間させていく。これによって、第2速ドライブギヤ15及び第2速ドリブンギヤ32を経由して、出力軸27に伝達されていたエンジントルクは徐々に減少していく。このメインクラッチ2の切断につれて、変速クラッチ21において駆動板22と被動板23間に作用する圧接力が増加され、第4速ドライブギヤ20及び第4速ドリブンギヤ39を経由して出力軸27に伝達されるエンジントルクが増加していく。
【0048】
メインクラッチ2が切断された状態では、変速クラッチ21は滑り状態にある。変速クラッチ21の伝達トルク容量がエンジントルク相当に到達しているので、車両は4速の変速比で駆動されることになる。
【0049】
メインクラッチ2の切断後、第1−2速切替用スリーブ34が中立位置へ移動され、第3−5速切替用スリーブ19が第3速ドライブギヤ16側へ移動される。メインクラッチ2の切断後は、メインクラッチ2の被動側に直結されている第1の入力軸6にはエンジントルクが伝達されず、移動は容易に行われる。一方、第2の入力軸25と出力軸27間では、変速クラッチ21の駆動板22と被動板23を介してエンジントルク伝達がされているため、第4速ドライブギヤ20と第4速ドリブンギヤ39を経由して出力軸27にエンジントルクを伝達することができる。第3−5速切替用スリーブ19の移動を待って、すなわち、第3−5速切替用スリーブ19と第3速ドライブギヤ16の係合後、今度は逆に変速クラッチ21において駆動板22と被動板23間に作用する圧接力を減少させながらメインクラッチ2の係合力を増加させ、エンジントルクの伝達経路を第3速ドライブギヤ16と第3速ドリブンギヤ37側へ徐々に切り替え、変速を完了する。
【0050】
第1→2速の変速も、前記第2−3速の変速と同様になされる。
【0051】
第3→4速の変速においては、前記第2−3速の変速動作(シフト動作)における後半の過程が省略される。即ち、メインクラッチ2の切断、変速クラッチ21の接合及び第3−5速切替用スリーブ19の中立位置への移動までは同様であるが、この状態で、第4速ドライブギヤ20と第4速ドリブンギヤ39経由のトルク伝達に移行しているから、この状態で変速は完了している。
【0052】
第4→5速の変速においては、前記第2−3速の変速動作における前半の過程が省略される。即ち第4速の走行状態は変速クラッチ21の接合状態なので、第3−5速切替用スリーブ19の移動を持ってメインクラッチ2の接合及び変速クラッチ21の圧接力除去を行うことで変速は完了する。
【0053】
本発明の一実施例に係る変速装置の効果を説明する。
【0054】
エンジントルクの伝達系統として、メインクラッチ2の被動側から第1の入力軸6を経由する第1の系統と、メインクラッチ2の駆動側から第2の入力軸25、さらに変速クラッチ21を経由する第2の系統がある。シフト期間中においても、少なくともいずれかの系統からエンジントルクが車輪側に伝達される。これによって、運転者がシフト期間中に感じる脱力感が減少され、エンジンの吹き上がりも防止される。したがって、手動変速装置で採用されている並行歯車式機構を用い、メインクラッチ操作及びシフト操作(同期装置が備えるスリーブの移動操作)を自動化した自動変速機で行われているように、メインクラッチを切断中にエンジンが吹き上がることを防止することを目的として、スロットル制御を行わなくてもよい。
【0055】
メインクラッチ2における加圧力と、変速クラッチ21における加圧力の制御が、容易に自動化できる。これによって、操作者の疲労が低減され、また変速品質の向上も可能である。
【0056】
最高速段より一段階、低段の変速段に変速クラッチ21を付加させることにより、全ての変速段に対して良い変速品質が得られる。
【0057】
変速時、メインクラッチ2が切断されたとき、変速クラッチ21は滑り状態にある。変速クラッチ21の可能伝達トルク容量がエンジンの出力以上になるよう制御すると、エンジンは自己の慣性エネルギをも出力として変速クラッチ21に動力を与えるため、エンジン回転数は徐々に減少してゆく。反面、車両は変速前には2速の変速比で駆動されていたが、変速クラッチ21経由になることによって4速、更に慣性分も加わって4速の変速比よりやや少ない(3速側)変速比相当のトルクで駆動されることになり、シフトアップ時のエンジン回転数を減少方向に向かわせる。これによって、メインクラッチ2で吸収すべき回転数差が減少され、より迅速な変速が達成される。変速クラッチ21のトルク容量は、車両のアクセル踏み込み量に従って得られるトルクの1.3〜1.5倍にするのが上記の効果を得るのに好適である。
【0058】
第2の入力軸25を第1の入力軸6の内部に配置することにより、本発明の変速クラッチを従来の同期装置に代えて配置できるため、従来の変速装置の多くの部分を共用でき、又体格も略同様にできるため、変速装置を安価に製造でき及び従来の変速装置との置き換えも容易である。
【0059】
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例を説明する。なお、本実施例においては、主に、本実施例と前記第1の実施例との相違点について説明し、本実施例と前記第1の実施例の共通点については適宜前記第1の実施例の記載を参照することができるものとする。
【0060】
図2は、本発明の第2の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【0061】
図2を参照すると、変速クラッチ21の被動板23が直結されている第4速ドライブギヤ20と第1の入力軸6との間に第4速用同期装置42が付与されている。本実施例によれば、第4速において、第4速用同期装置42の第4速用スリーブ43を第4速ドライブギヤ20に係合させることにより、第4速ドライブギヤ20が第1の入力軸6に直結されるため、第4速走行時に変速クラッチ21の圧接力を取り去ることが可能となる。
【0062】
[第3の実施例]
本発明の第3の実施例を説明する。なお、本実施例においては、主に、本実施例と前記第1の実施例との相違点について説明し、本実施例と前記第1の実施例の共通点については適宜前記第1の実施例の記載を参照することができるものとする。
【0063】
図3は、本発明の第3の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【0064】
図3を参照すると、変速クラッチ44が出力軸27側に配置され、駆動板45が第4速ドリブンギヤ39に直結され、被動板46が出力軸27に直結されている。
【0065】
[第4の実施例]
本発明の第4の実施例を説明する。なお、本実施例においては、主に、本実施例と前記第3の実施例との相違点について説明し、本実施例と前記第3の実施例の共通点については適宜前記第3の実施例の記載を参照することができるものとする。
【0066】
図4は、本発明の第4の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【0067】
図4を参照すると、第4速ドライブギヤ20と第1の入力軸6との間に第4速用同期装置42が付与されている。本実施例によれば、第4速において、第4速用同期装置42の第4速用スリーブ43を第4速ドライブギヤ20に係合させることにより、第4速ドライブギヤ20が第1の入力軸6に直結されるため、変速クラッチ21の圧接力を取り去ることが可能となる。
【0068】
[第5の実施例]
本発明の第5の実施例を説明する。本実施例は、前記第2の実施例に係る変速装置を前進6速にした例である。なお、本実施例においては、主に、本実施例と前記第2の実施例との相違点について説明し、本実施例と前記第2の実施例の共通点については適宜前記第1の実施例の記載を参照することができるものとする。
【0069】
図5は、本発明の第5の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【0070】
図5を参照すると、変速クラッチ50の駆動板51が第2の出力軸25に直結され、被動板52が第5速ドライブギヤ18に直結されている。第1の入力軸6には第6速ドライブギヤ48が遊嵌され、出力軸27には第6速ドリブンギヤ49が一体回転するよう設けられている。第6速ドライブギヤ48と第6速ドリブンギヤ49は互いに噛合している。第1の入力軸6上、第6速ドライブギヤ48と第5速ドライブギヤ18との間には、第5−6速切替用同期装置53が設けられている。
【0071】
本実施例によれば、第5速において、第5−6速切替用同期装置53の第5−6速切替用スリーブ54を第5速ドライブギヤ18に係合させることにより、第5速ドライブギヤ18が第1の入力軸6に直結されるため、変速クラッチ21の圧接力を取り去ることが可能となる。第6速においても、第5速と同様である。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な構造を有し、変速時に運転者が感じる脱力感が緩和される変速装置、さらに、原動機の吹き上がりも防止することができる変速装置、及びそれを用いた自動変速機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【図4】本発明の第4の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【図5】本発明の第5の実施例に係る変速装置のスケルトン図である。
【符号の説明】
1 エンジン出力軸
2 メインクラッチ
2a はずみ車
2b クラッチディスク
5 変速機
6 第1の入力軸
8 ハウジング
9 ケース
10 カバー
11 ベアリング
12 ベアリング
13 第1速ドライブギヤ
14 後進用ドライブギヤ
15 第2速ドライブギヤ
16 第3速ドライブギヤ
17 第3−5速切替用同期装置
18 第5速ドライブギヤ
19 第3−5速切替用スリーブ
20 第4速ドライブギヤ
21 変速クラッチ
22 駆動板
23 被動板
24 クラッチドラム
25 第2の入力軸
26 ベアリング
27 出力軸
28 ベアリング
29 ベアリング
30 ファイナルドライブギヤ
31 第1速ドリブンギヤ
32 第2速ドリブンギヤ
33 第1−2速切替用同期装置
34 第1−2速切替用スリーブ
35 後進用ドリブンギヤ
36 後進用アイドラギヤ
37 第3速ドリブンギヤ
38 第5速ドリブンギヤ
39 第4速ドリブンギヤ
40 ディファレンシャル機構
41 ファイナルドリブンギヤ
42 第4速用同期装置
43 第4速用スリーブ
44 変速クラッチ
45 駆動板
46 被動板
48 第6速ドライブギヤ
49 第6速ドリブンギヤ
50 変速クラッチ
51 駆動板
52 被動板
53 第5−6速切替用同期装置
54 第5−6速切替用スリーブ

Claims (9)

  1. メインクラッチの被動側に直結され、原動機からのトルクが断接可能に伝達される第1の入力軸と、
    前記第1の入力軸と同軸に配されると共に前記メインクラッチの駆動側に直結され、前記原動機からのトルクが伝達される第2の入力軸と、
    前記第1の入力軸と一体回転可能に設けられ所定の変速段を構成する所定のドライブギヤと、
    駆動側が前記第2の入力軸に直結され、一方、被動側が前記所定のドライブギヤに直結され、該駆動側と該被動側との係合時、該第2の入力軸から該所定のドライブギヤにトルクを伝達する変速クラッチと、
    を有することを特徴とする変速装置。
  2. 前記所定のドライブギヤを介して、前記第1の入力軸と前記変速クラッチの被動側とを接続可能な同期手段を有する、ことを特徴とする請求項1記載の変速装置。
  3. 前記所定のドライブギヤが前記第1の入力軸に遊嵌され、
    前記所定のドライブギヤよりも高速段側のドライブギヤであって、前記第1の入力軸に遊嵌される高速段側のドライブギヤと、
    前記所定のドライブギヤ又は前記高速段側のドライブギヤを選択的に前記第1の入力軸と一体回転させる同期手段を有する、ことを特徴とする請求項1記載の変速装置。
  4. 前記メインクラッチの被動側に直結され、原動機からのトルクが断接可能に伝達される第1の入力軸と、
    前記第1の入力軸と同軸に配されると共に前記メインクラッチの駆動側に直結され、原動機からのトルクが伝達される第2の入力軸と、
    前記第1の入力軸と一体回転可能に設けられ所定の変速段を構成する所定のドライブギヤと、
    前記出力軸に遊嵌され前記所定のドライブギヤと噛合する所定のドリブンギヤと、
    駆動側が前記所定のドリブンギヤに直結され、一方、被動側が前記出力軸に直結され、該駆動側と該被動側の係合時、該所定のドリブンギヤから該出力軸にトルクを伝達する変速クラッチと、
    を有することを特徴とする変速装置。
  5. 前記所定のドライブギヤを選択的に回転自在又は前記第1の入力軸と一体回転させる同期手段を有する、ことを特徴とする請求項4記載の変速装置。
  6. 前記変速クラッチの前記被動側が直結される前記所定のドライブギヤ又は前記所定のドリブンギヤが、最高速段から一段階低い変速段を構成するギヤであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の変速装置。
  7. 前記変速クラッチの伝達可能なトルク容量が、該変速クラッチの前記被動側が直結される前記所定のドライブが構成する変速段における、前記原動機の出力トルクよりも大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載の変速装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一記載の変速装置を用いることを特徴とする自動変速機。
  9. 請求項1〜8のいずれか一記載の変速装置を有することを特徴とする車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101500202B1 (ko) * 2013-11-25 2015-03-06 현대자동차주식회사 차량의 변속기 구조
US9347524B2 (en) 2013-12-18 2016-05-24 Hyundai Motor Company Transmission for vehicle
KR20180104208A (ko) 2017-03-09 2018-09-20 현대자동차주식회사 변속기 축간거리 조정장치

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