JP2004300572A - 複合構造物形成装置および形成方法 - Google Patents

複合構造物形成装置および形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004300572A
JP2004300572A JP2004071350A JP2004071350A JP2004300572A JP 2004300572 A JP2004300572 A JP 2004300572A JP 2004071350 A JP2004071350 A JP 2004071350A JP 2004071350 A JP2004071350 A JP 2004071350A JP 2004300572 A JP2004300572 A JP 2004300572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
base material
film
brittle
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004071350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4487306B2 (ja
Inventor
Hironori Hatono
広典 鳩野
Junji Hiraoka
純治 平岡
Kazuya Tsujimichi
万也 辻道
Atsushi Yoshida
篤史 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2004071350A priority Critical patent/JP4487306B2/ja
Publication of JP2004300572A publication Critical patent/JP2004300572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4487306B2 publication Critical patent/JP4487306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract


【課題】 フィルム状の基材を用いる場合の複合構造物作製方法・装置において、構造物形成に伴う構造物の残留応力を原因とする複合構造物の変形を解消する。
【解決手段】 エアロゾルデポジション法によって複合構造物を形成させる工程において、フィルム状の基材の両面に同時あるいは順次に構造物形成を行う、また構造物形成とともに基材に引っ張り応力を与えて基材を伸展させるなどの操作を行うことにより、構造物の持つ残留応力による複合構造物の変形を解消する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微粒子を含むエアロゾルを基材に吹き付け、微粒子材料からなる構造物を基材上に形成させることによって、基材と構造物からなる複合構造物を作製する複合構造物形成装置および形成方法に関する。
基材表面に脆性材料からなる構造物を形成する方法として、従来特許文献1、特許文献2、特許文献3などが挙げられており、微粒子ビーム堆積法あるいはエアロゾルデポジション法と呼ばれる名称で認知されている。これは脆性材料の微粒子をガス中に分散させたエアロゾルをノズルから基板に向けて噴射し、基材に脆性材料微粒子を衝突させ、この衝突の衝撃により脆性材料が変形あるいは破砕し、これにより基材上に脆性材料微粒子の構成材料からなる構造物をダイレクトで形成させることを特徴としており、特に加熱手段を必要としない常温で構造物が形成可能なプロセスで、焼成体同等の機械的強度を保有する脆性材料構造物を得ることができる。この方法に用いられる装置は、基本的にエアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを基材に向けて噴射するノズルとからなり、ノズルの開口よりも大きな面積で構造物を作製する場合には、基材とノズルを相対的に移動・揺動させるXYステージなどの位置制御装置を有し、減圧下で作製を行う場合にはチャンバーと真空ポンプを有し、またエアロゾルを発生させるためのガス発生源を有することが一般的である。
この技術の改良を目的として、特許文献4ではイオン、原子、分子ビームや低温プラズマなどの高エネルギービームを微粒子の流れに照射し、微粒子を活性化させて良好な膜物性と、良好な基板への密着性を確保する工夫がなされている。
特許文献2では、微粒子材料の吹きつけの流れの基板表面への入射角度を変化させることで、微粒子材料の膜の接合が十分で組織が緻密であり、表面が平滑であり、密度の均一なものを製造する工夫がなされている。
特許文献3では脆性材料微粒子に内部歪を印加する工程を行った後に、この脆性材料微粒子を基材表面に衝突させ、この衝突の衝撃によって微粒子同士を再結合せしめることで、基材との境界部にその一部が基材表面に食い込む脆性材料からなるアンカー部を形成し、このアンカー部の上に脆性材料からなる構造物を形成させる複合構造物の形成方法が提案され、構造物の形成速度を向上させる工夫がなされている。
これらエアロゾルデポジション法で使用される基板としては、金属、ガラス、セラミックス、ある種のプラスチックなどが挙げられる。
また特許文献5には、微粒子をエアロゾル化した上で膜形成基板へと吹き付けるのに伴って微粒子膜を形成するガスデポジション法が紹介され、その後750℃以上の熱処理を行って高密度化した微粒子膜を得るセラミック膜の形成方法が記載されている。ここでは、膜形成時もしくは後工程の熱処理時に発生する応力に伴って膜形成基板そのものに歪が生じてしまうという課題に対して、エアロゾル状微粒子を前記膜形成基板の表裏面それぞれに対して同時に供給し、表裏面上に微粒子膜を同時に形成させるガスデポジション製膜法とその装置の紹介がある。
特許第3256741号 特許第3338422号 特許第3348154号 特許第3256741号 特開2002−339058号公報
これら構造物の品質を上げる発明がなされる一方、緻密質で強固であり、密着性の良好な構造物を形成すると、構造物内に圧縮残留応力が発生し、それゆえ基材が構造物を上にして凸の形にそる変形を起こすという問題がある。特に基材が金属箔やプラスチックフィルムのように薄く、容易に撓むような素材の場合には、片面に製膜を行うと、基材自体が巻物状にカールしたり、膨らむなどして、取り扱いが困難となる不具合が発生する。これは微粒子を衝突させるというこの手法の特徴ゆえに、構造物形成時に常に構造物は圧縮性衝撃力の印加にさらされ、内部に応力が蓄積されるとともに、構造物が鍛造されて押し広げられるためと考えられる。
また、特許文献5にあるエアロゾルの同時供給、微粒子膜の同時形成を試みる場合でも、金属箔やプラスチックフィルムのように軟らかく撓みやすい基材を用いた場合、基材が中空に浮いている部位に高速噴射のエアロゾルを衝突させるため、基材の振動や位置の変位などのことが発生し、基材とノズルの間の距離が変化するなどのことで、膜形成の精度に不具合をきたす恐れがある。基材の搬送装置として紹介されているX−Y−Z−θテーブルではロール状基材への微粒子膜の形成は困難であるが、本発明の目的のひとつであるロール状基材などの面積の大きい素材を用いる場合においてはこの振動や変位の懸念は大きい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、脆性材料の構造物の形成に当たって、構造物が保有する残留応力を原因とする複合構造物の変形に障害されることなく構造物が形成でき、またこの残留応力による変形をより少なくした状態で複合構造物を得ることのできる複合構造物形成装置および形成方法を提案したものである。
本発明では、脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、基材上に形成させる複合構造物形成装置であって、基材を搬送する基材搬送装置を有し、基材を保持し搬送する複数の基材搬送保持具を有し、基材搬送装置により搬送される基材の両面のそれぞれに向けて複数のノズルが基材搬送保持具と基材の表裏で対となって配置されることを特徴とする複合構造物形成装置を提供する。また、脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、基材上に形成させる複合構造物形成方法であって、基材の表裏両面に向けて複数のノズルが配置され、これらノズルから基材の両面に順次エアロゾルを噴射して衝突させつつ、基材と前記ノズルを相対的に移動・搬送させて、基材の両面に脆性材料構造物を形成させることを特徴とする複合構造物の形成方法を提供する。ここで順次とは、基材の構造物形成部分の位置的なずれを意味し、エアロゾルの噴射はこの位置のずれが生じている状態で同時でも順次でもよい。
応力を有する構造物を片面に形成した直後に、その基材を取り出すことなく別の片面に同じように構造物を形成することで、仕上がり製品は応力が相殺され、変形が抑えられたものとなり、好適である。またエアロゾルが衝突する基材の構造物形成部位では、その裏面では基板搬送保持具により基板が密着保持されているため、構造物形成時に基板が撓んだり振動したりなどの不具合が生じることがなく好適である。この基板搬送保持具は板状なども考えられるが、基板を保持しながら回転して搬送することが可能なローラー状の形状が最適である。
本発明の別の態様として、脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、基材上に形成させる複合構造物形成装置であって、基材を搬送する基材搬送装置を有し、基材搬送装置が引っ張り応力を基材に印加する機構を備えることを特徴とする複合構造物形成装置を提供する。また脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、基材上に形成させる複合構造物形成方法であって、基材上に構造物を形成させるとともに構造物形成近傍にて基材に引っ張り応力を印加することを特徴とする複合構造物の形成方法、さらに脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、基材上に形成させる複合構造物形成方法であって、基材上に構造物を形成させ、この構造物形成直近あるいは、その直後にて基材に引っ張り応力を印加して基材を伸展させることを特徴とする複合構造物の形成方法を提供する。
基板に引っ張り応力を与えることは、製膜中に薄いフィルムが撓んだり、変形したりなどすることを防止できるため好適である。この引っ張り応力は基板の弾性変形レベル内での応力でも良いし、また基板が延性変形して伸展するまでの応力を与えても良い。内部応力を有する構造物が基材上に形成されることで、基材は変形を起こすが、ここで基材に引っ張り応力を与えて延性変形を起こさせることで、構造物にも引っ張り応力がかかることとなり応力は相殺される。結果、基材は多少伸展するものの、カールや膨れなどの製品不具合について解消がされる。
以上に説明したように本発明によれば、エアロゾルデポジション法によって圧縮残留応力を持つ脆性材料構造物をフィルム状の基材に形成させた場合でも、その応力によって基材が変形することを極力抑えることが可能となる。
エアロゾルデポジション法は脆性材料などの微粒子をガス中に分散させたエアロゾルをノズルから基材に向けて噴射し、金属やガラス、セラミックスやプラスチックなどの基材に微粒子を衝突させ、この衝突の衝撃により脆性材料微粒子を変形や破砕を起させしめてこれらを接合させ、基材上に微粒子の構成材料からなる構造物をダイレクトで形成させることを特徴としており、特に加熱手段を必要としない常温で構造物が形成可能であり、焼成体同等の機械的強度を保有する構造物を得ることができる。この方法に用いられる装置は、基本的にエアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを基材に向けて噴射するノズルとからなり、ノズルの開口よりも大きな面積で構造物を作製する場合には、基材とノズルを相対的に移動・揺動させる位置制御手段を有し、減圧下で作製を行う場合には構造物を形成させるチャンバーと真空ポンプを有し、またエアロゾルを発生させるためのガス発生源を有することが一般的である。
エアロゾルデポジション法のプロセス温度は常温であり、微粒子材料の融点より十分に低い温度、すなわち数百℃以下で構造物形成が行われるところにひとつの特徴がある。
また使用される微粒子はセラミックスや半導体などの脆性材料を主体とし、同一材質の微粒子を単独であるいは混合させて用いることができるほか、異種の脆性材料微粒子を混合させたり、複合させて用いることが可能である。また一部金属材料や有機物材料などを脆性材料微粒子に混合させたり、脆性材料微粒子表面にコーティングさせて用いることも可能である。これらの場合でも構造物形成の主となるものは脆性材料である。
この手法によって形成される構造物において、結晶性の脆性材料微粒子を原料として用いる場合、構造物の脆性材料部分は、その結晶子サイズが原料微粒子のそれに比べて小さい多結晶体であり、その結晶は実質的に結晶配向性がない場合が多く、脆性材料結晶同士の界面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在しないと言え、さらに構造物の一部は基材表面に食い込むアンカー層を形成することが多いという特徴がある。
この方法により形成される構造物は、微粒子同士が圧力によりパッキングされ、物理的な付着で形態を保っている状態のいわゆる圧粉体とは明らかに異なり、十分な強度を保有している。
この構造物形成において、脆性材料微粒子が破砕・変形を起していることは、原料として用いる脆性材料微粒子および形成された脆性材料構造物の結晶子サイズをX線回折法で測定することにより判断できる。すなわちエアロゾルデポジション法で形成される構造物の結晶子サイズは、原料微粒子の結晶子サイズよりも小さい値を示す。微粒子が破砕や変形をすることで形成されるずれ面や破面には、もともと内部に存在し別の原子と結合していた原子が剥き出しの状態となった新生面が形成される。この表面エネルギーが高い活性な新生面が、隣接した脆性材料表面や同じく隣接した脆性材料の新生面あるいは基板表面と接合することにより構造物が形成されるものと考えられる。また微粒子の表面に水酸基が程よく存在する場合では、微粒子の衝突時に微粒子同士や微粒子と構造物との間に生じる局部のずり応力により、メカノケミカルな酸塩基脱水反応が起き、これら同士が接合するということも考えられる。外部からの連続した機械的衝撃力の付加は、これらの現象を継続的に発生させ、微粒子の変形、破砕などの繰り返しにより接合の進展、緻密化が行われ、脆性材料構造物が成長するものと考えられる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に基づく複合構造物作製装置10を示したものであり、外環境と遮断される構造物作製チャンバー101内にフィルム準備室102、構造物作製室105、フィルム洗浄室115、フィルム巻き取り室117が設置されている。フィルム準備室102にはロール状で準備された長尺のフィルム103が図示しない回転制御装置に連結した、基材搬送装置であるフィルム巻き出し装置104に装填される。フィルム103は金属箔やプラスチック箔などが用意される。フィルム103の端を引き出す形で、構造物作製室105内にこれが挿入され、図示しない回転制御装置に連結した整形ロール106a、106b、106c、106d、また図示しない回転制御装置に連結した基材搬送保持具である円筒状の構造物形成ロール107a、107bに固定され、フィルム洗浄室115内の洗浄ロール116にセットされ、フィルム巻き取り室117内で図示しない回転制御装置に連結した、基材搬送装置である巻き取りロール118にこの端が固定される。一方窒素やヘリウムなどのガスボンベ108a、108bを経てエアロゾル発生器109a、109bが配置されており、このエアロゾル発生器109a、109bの中に例えば酸化アルミニウムなどの脆性材料微粒子が装填されている。エアロゾル発生器109a、109bの先はエアロゾル搬送管110a、110bを通じてノズル111a、111bが、その先端の開口を、構造物形成ロール107a、107b上に配置されたフィルム103の表面に向けてちょうど構造物形成ロール107a、107bと基材の表裏で対となるように配置される。このノズル111aとノズル111bは、フィルム103の片面とこれとは異なるもう片面にそれぞれエアロゾルの噴射開口を向けて配置されている。またノズルの開口の先には、エアロゾル回収口112a、112bが配置され、これらは配管を通じて粉体回収装置113a、113bを経て真空ポンプ114a、114bに連結されている。
以下にエアロゾルデポジション法に基づく複合構造物作製装置10の作用を述べる。ガスボンベ108a、108bを開栓し、ガスをエアロゾル発生器109a、109b内に送り込み、運転させて脆性材料微粒子とガスが適当比で混合されたエアロゾルを発生させる。また真空ポンプ114a、114bを稼動させ、エアロゾル発生器109a、109bと構造物作製室105の間に差圧を生じさせる。エアロゾルをエアロゾル搬送管110a、110bを通して加速させ、ノズル111a、111bよりフィルム103のそれぞれ異なる面に向けて噴射する。一方、フィルム103はフィルム巻き取りロール118やフィルム巻きだしロール104などの回転制御を受けて徐徐にフィルム巻き取りロール118に巻き取られる形で搬送される。図示するロール上の矢印はフィルムの巻き取り方向を示している。このようにして、フィルム103上でエアロゾルとの衝突位置を変化させつつ、微粒子の衝突により膜状の脆性材料構造物がフィルム103の両面に形成されていく。このときフィルム103は一方向に進行して搬送されてもよいし、回転制御により進行と退行を繰り返して搬送されてもよい。すなわち所望の形成高さを形成させるために搬送速度に緩急をつけたり、あるいは揺動状態にして形成高さを稼ぐことができる。またこれらノズルをさらに複数ユニット配置させて、順次形成高さを増していくことも好適である。図中のノズル111a、111bの先端にある矢印はエアロゾルの流れを示しており、その先にあるエアロゾル回収口112a、112bに構造物形成に使用されなかったエアロゾルが導入され、粉体回収装置113a、113bにて脆性材料微粒子とガスとが分離されて、脆性材料微粒子は回収され、ガスは真空ポンプ114a、114bにて外界に排気される。またエアロゾルの基材への衝突位置はちょうど構造物形成ロールの表面に接触保持されている基材表面にあたるため、高速のエアロゾル流が衝突しても、箔状である基材が撓んだり、振動したりするなどの不具合がない。
このようにして、フィルム103の両面に一工程にて構造物形成が行われるため、片面のみ構造物を形成して取り出すという工程を経ることによる膜の膨れやカールによる取り扱いの困難さを解消することができるとともに、フィルムの両面に製膜された後には、脆性材料構造物のもつ圧縮応力が相殺されて、膨れやカールなどの形状の癖をなくすことができる。
またエアロゾル発生器109aを停止して、片面のみ、ノズル111bにて構造物形成を行い、かつ構造物形成ロール107b、整形ロール106dのロール表面材質をゴム製として、フィルム103との接触部の摩擦抵抗を大きくすることや、串型電極を配置させて電界印加によってプラスチックフィルムなど誘電体への静電吸着力を働かせることによって、フィルム103とロールの間に吸着力を生じさせる工夫を行い、かつこれらロールの回転制御を電磁モータで行って、構造物形成ロール107bの周速度を他のロールと同じに制御しつつ、整形ロール106dは無負荷の状態で構造物形成ロール107bの周速度以上で回転するようあらかじめ制御しておき、この状態でフィルムを移動させながら構造物形成を行うことで、成形ロール106dが構造物形成ロール107bに密着するフィルム103の抵抗を受けて周速度を構造物形成ロール107bと同じ程度まで遅くしつつ、これらの間に位置する領域のフィルム103に引っ張り応力を与え、さらにはこれらロールの間でフィルムの伸展を起こさしめることで、構造物の圧縮応力を緩和することが可能となる。
また構造物形成ロール107bや整形ロール106dを加熱することにより、フィルム103が塑性変形を起こしやすい状態にして、伸展を助長させることも好適である。
本発明は、例えば金属箔上やプラスチックフィルム上に絶縁膜やチタニアなどの光触媒膜を形成させる用途、銅箔上にチタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム、PZTやこれらの複合酸化物の膜状構造物を形成させた回路基板用コンデンサシートの製造に利用できる。
複合構造物作製装置を示す模式図
符号の説明
10…複合構造物作製装置
101…構造物作製チャンバー
102…フィルム準備室
103…フィルム
104…フィルム巻き出し装置
105…構造物作製室
106a、106b、106c、106d…整形ロール
107a、107b…構造物形成ロール
108a、108b…ガスボンベ
109a、109b…エアロゾル発生器
110a、110b…エアロゾル搬送管
111a、111b…ノズル
112a、112b…エアロゾル回収口
113a、113b…粉体回収装置
114a、114b…真空ポンプ
115…フィルム洗浄室
116…洗浄ロール116
117…フィルム巻き取り室
118…巻き取りロール

Claims (5)

  1. 脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、前記基材上に形成させる複合構造物形成装置であって、前記基材を搬送する基材搬送装置を有し、前記基材を保持し搬送する複数の基材搬送保持具を有し、前記基材搬送装置により搬送される前記基材の両面のそれぞれに向いた状態で複数のノズルが前記基材搬送保持具と前記基材の表裏で対となって配置されることを特徴とする複合構造物形成装置。
  2. 脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、前記基材上に形成させる複合構造物形成方法であって、前記基材の両面に向けて複数のノズルが配置され、これらノズルから前記基材の両面に順次エアロゾルを噴射して衝突させつつ、前記基材と前記ノズルを相対的に移動・搬送させて、前記基材の両面に脆性材料構造物を形成させることを特徴とする複合構造物の形成方法。
  3. 脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、前記基材上に形成させる複合構造物形成装置であって、前記基材を搬送する基材搬送装置を有し、前記基材搬送装置が引っ張り応力を前記基材に印加する機構を備えることを特徴とする複合構造物形成装置。
  4. 脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、前記基材上に形成させる複合構造物形成方法であって、前記基材上に構造物を形成させるとともに構造物形成近傍にて前記基材に引っ張り応力を印加することを特徴とする複合構造物の形成方法。
  5. 脆性材料微粒子をガスに分散させたエアロゾルを、板状あるいはフィルム状の基材の表面に向けてノズルより噴射して衝突させ、この衝撃によって前記脆性材料微粒子の構成材料からなる脆性材料構造物を、前記基材上に形成させる複合構造物形成方法であって、前記基材上に構造物を形成させ、この構造物形成直近あるいは、その直後にて前記基材に引っ張り応力を印加して前記基材を伸展させることを特徴とする複合構造物の形成方法。
JP2004071350A 2003-03-17 2004-03-12 複合構造物形成装置および形成方法 Expired - Lifetime JP4487306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004071350A JP4487306B2 (ja) 2003-03-17 2004-03-12 複合構造物形成装置および形成方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003071488 2003-03-17
JP2004071350A JP4487306B2 (ja) 2003-03-17 2004-03-12 複合構造物形成装置および形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004300572A true JP2004300572A (ja) 2004-10-28
JP4487306B2 JP4487306B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=33421734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004071350A Expired - Lifetime JP4487306B2 (ja) 2003-03-17 2004-03-12 複合構造物形成装置および形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4487306B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249461A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Toto Ltd 脆性材料構造物の製造方法及び製造装置
JP2006307040A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 改質されたプラスチックス及びその製造方法
JP2008006342A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 絶縁被膜形成方法
JP2008006341A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 絶縁被膜形成方法
JP2009057635A (ja) * 2008-09-25 2009-03-19 Toto Ltd 複合構造物およびその作製方法
JP2010010564A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Mitsubishi Materials Corp パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール用基板
JP2010180436A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Nikon Corp 箔基材連続成膜の微粒子噴射成膜システム及び箔基材連続成膜方法
US8337948B2 (en) 2008-06-09 2012-12-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for manufacturing film-formed body
JP2013169768A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Nhk Spring Co Ltd 積層体
JP2013539157A (ja) * 2010-07-21 2013-10-17 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 基板上に超電導層を形成するための方法及び装置
JP2015025210A (ja) * 2014-10-07 2015-02-05 株式会社ニコン 微粒子噴射成膜システム及び箔基材連続成膜方法
WO2016031336A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 日東電工株式会社 粉体コーティング装置
JP2019005675A (ja) * 2017-06-20 2019-01-17 東洋紡株式会社 液体塗布装置、および液体塗布方法。
US11764071B2 (en) 2012-12-31 2023-09-19 Globalwafers Co., Ltd. Apparatus for stressing semiconductor substrates

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249461A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Toto Ltd 脆性材料構造物の製造方法及び製造装置
JP2006307040A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 改質されたプラスチックス及びその製造方法
JP4595118B2 (ja) * 2005-04-28 2010-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 改質されたプラスチックス及びその製造方法
JP4661703B2 (ja) * 2006-06-27 2011-03-30 パナソニック電工株式会社 絶縁被膜形成方法
JP2008006342A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 絶縁被膜形成方法
JP2008006341A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 絶縁被膜形成方法
JP4595893B2 (ja) * 2006-06-27 2010-12-08 パナソニック電工株式会社 絶縁被膜形成方法
US8337948B2 (en) 2008-06-09 2012-12-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method for manufacturing film-formed body
JP2010010564A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Mitsubishi Materials Corp パワーモジュール用基板の製造方法及びパワーモジュール用基板
JP4711242B2 (ja) * 2008-09-25 2011-06-29 Toto株式会社 複合構造物およびその作製方法
JP2009057635A (ja) * 2008-09-25 2009-03-19 Toto Ltd 複合構造物およびその作製方法
JP2010180436A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Nikon Corp 箔基材連続成膜の微粒子噴射成膜システム及び箔基材連続成膜方法
JP2013539157A (ja) * 2010-07-21 2013-10-17 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 基板上に超電導層を形成するための方法及び装置
JP2013169768A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Nhk Spring Co Ltd 積層体
US11764071B2 (en) 2012-12-31 2023-09-19 Globalwafers Co., Ltd. Apparatus for stressing semiconductor substrates
JP2016049493A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 日東電工株式会社 粉体コーティング装置
WO2016031336A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 日東電工株式会社 粉体コーティング装置
CN106460189A (zh) * 2014-08-29 2017-02-22 日东电工株式会社 粉体涂敷装置
EP3187623A4 (en) * 2014-08-29 2018-03-14 Nitto Denko Corporation Powder coating device
CN106460189B (zh) * 2014-08-29 2019-08-02 日东电工株式会社 粉体涂敷装置
US10537909B2 (en) 2014-08-29 2020-01-21 Nitto Denko Corporation Powder coating apparatus
JP2015025210A (ja) * 2014-10-07 2015-02-05 株式会社ニコン 微粒子噴射成膜システム及び箔基材連続成膜方法
JP2019005675A (ja) * 2017-06-20 2019-01-17 東洋紡株式会社 液体塗布装置、および液体塗布方法。

Also Published As

Publication number Publication date
JP4487306B2 (ja) 2010-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004300572A (ja) 複合構造物形成装置および形成方法
TWI232894B (en) Composite structure and the manufacturing method and apparatus thereof
CN108292603B (zh) 气体供给装置
JP2007288063A (ja) 誘電体デバイス
CN109295451B (zh) 等离子体辅助气溶胶沉积成膜方法及气溶胶沉积装置
JP2005262108A (ja) 成膜装置及び圧電材料の製造方法
JP2007162077A (ja) 成膜装置、成膜方法、セラミック膜、無機構造体、及び、デバイス
JP5649026B2 (ja) ジルコニア膜の成膜方法
JP4590594B2 (ja) エアロゾルデポジッション成膜装置
CN111511476A (zh) 成膜方法
JP2008088451A (ja) 成膜方法及び成膜装置
JP2005279953A (ja) セラミックス構造物及びセラミックス構造物の製造方法
JP4866088B2 (ja) 成膜方法
JP2007063582A (ja) 成膜方法及び成膜装置
JP4075745B2 (ja) 複合構造物作製装置
JP2005036255A (ja) 複合構造物作製方法および作製装置
JP5649023B2 (ja) ジルコニア膜の成膜方法
JP4086627B2 (ja) 成膜方法
JP2006173249A (ja) 圧電アクチュエータ及びその製造方法並びに液体吐出ヘッド
JP4920912B2 (ja) 成膜方法及び成膜装置
JP6068095B2 (ja) 連続成膜装置および連続成膜方法
JP2004124126A (ja) 成膜装置及び成膜方法
JP5649028B2 (ja) ジルコニア膜の成膜方法
JP2009185374A (ja) 複合構造物形成装置および複合構造物の形成方法
JP3812660B2 (ja) 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070122

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080926

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100308

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20100321

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140409