JP2004300432A - ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐熱性に優れていると共に食器用途にも用いることができるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を提供する。
【解決手段】 本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂及び無機充填材からなり且つ射出成形又は押出成形により成形されたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品であって、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の20重量%の重量となったアルカリ処理成形品の密度Aと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の95重量%の重量となった時点でのアルカリ加熱処理によって溶解された表層部分の密度Bとが所定条件を満たすと共に、熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点が180℃以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、煮沸洗浄、熱風乾燥、滅菌処理又は電子レンジでの加熱処理を施した場合にあっても変形の少ない耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品及びその製造方法に関する。
従来から、ポリエチレンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性及び耐薬品性等に優れていることから、繊維、フィルム、シート材料として広く用いられている一方、ポリエチレンテレフタレートは、溶融粘度が低くて結晶化速度も遅いことから射出成形や押出成形には不向きとされ、成形品としては、強化材としてガラス繊維を含んだ、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート成形品が実用化されている。
しかしながら、近年、地球環境保護の観点から、上記ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート成形品はリサイクルが困難であり、しかも、ガラス繊維が不燃性であることから焼却処分の点においても問題があり、代替品の開発が望まれている。
特に、上記ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート成形品は、その表面が磨耗するにしたがってガラス繊維が露出するといった問題点があるために、食器用途には用いることができないといった問題点もあった。
そこで、特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート又は特定のポリエチレンテレフタレートに、無機化合物及び分子内にエステル結合を含む有機化合物を含有するポリエステル樹脂組成物が提案されているものの、このような特殊な有機化合物を添加すると、有機化合物の流出の問題やエステル結合の加水分解の問題等、別の問題が発生するといった問題点があった。
特開平10−292097号公報
本発明は、煮沸洗浄、熱風乾燥、滅菌処理又は電子レンジでの加熱処理を施した場合にあっても変形がなく耐熱性に優れていると共に食器用途にも用いることができるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品及びその製造方法を提供する。
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなり且つ射出成形又は押出成形により成形されたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品であって、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の20重量%の重量となったアルカリ処理成形品の密度Aと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の95重量%の重量となった時点でのアルカリ加熱処理によって溶解された表層部分の密度Bとが式1で示された条件を満たすと共に、熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点が180℃以上であることを特徴とする。 −1≦100×(1−A/B)≦1・・・式1
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品に用いられるポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート、又は、エチレンテレフタレート繰り返し単位を60モル%以上、好ましくは80モル%以上含有する共重合ポリエステルをいう。なお、ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、再生品を用い或いは混合したものであってもよい。
上記共重合ポリエステルにおける共重合モノマー成分としては、従来から公知の酸成分及びグリコール成分を用いることができ、酸成分としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられ、又、グリコール成分としては、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
そして、上記共重合ポリエステル中におけるエチレンテレフタレート繰り返し単位の含有量は、少ないと、共重合ポリエステルの結晶性が低下し、得られるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の耐熱性が低下するので、60モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。一方、共重合ポリエステル中におけるエチレンテレフタレート繰り返し単位の含有量は、多すぎると、共重合ポリエステルの優れた特徴が消失することがあるので、60〜99モル%が好ましく、80〜99モル%がより好ましい。
なお、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、通常のポリエステルの製造方法、例えば、溶融重縮合反応、溶融重縮合反応と固相重縮合反応とを組み合わせた方法等の汎用の方法を用いて製造することができる。
具体的には、例えば、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とをエステル交換触媒の存在下にて加熱反応させ、得られたテレフタル酸のグリコールエステルを必要に応じて共重合モノマー成分の存在下にて重合触媒のもとで所定の重合度まで重合反応させることによってポリエチレンテレフタレート系樹脂を製造することができる。
なお、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂には、その物性を損なわない範囲内において、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂(PEN)、ABS樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フッ素化樹脂等が混合されてもよく、熱可塑性エラストマーを混合することが好ましく、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを混合することがより好ましい。
そして、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル或いはポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック共重合体等が挙げられる。なお、ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、例えば、東洋紡績社から商品名「ペルプレンP−150B」「ペルプレンS−1002」で市販されている。
上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品中の熱可塑性エラストマーの含有量は、少ないと、熱可塑性エラストマーを添加した効果が発現せず、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の耐衝撃性が低下することがあり、又、多いと、熱可塑性エラストマーは常温でも柔らかい特性を有するため、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の寸法安定性が低下することがあるので、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部に対して1〜150重量部が好ましく、5〜100重量部がより好ましい。
又、上記無機充填材としては、平均粒径が0.1〜20μmであれば、特に限定されず、例えば、タルク、カオリン、クレー等の粘土類、珪酸塩、炭酸塩等の無機塩、珪酸、酸化チタン、酸化マグネシウム、アルミナ等の金属酸化物、カーボンブラック等が挙げられ、単独で用いられても併用されてもよい。
そして、無機充填材の平均粒径は、小さいと、取り扱い性が低下して生産効率が低下し、又、大きいと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂への均一な分散が困難となってポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の品質が不均一となるので、0.1〜20μmに限定され、1〜15μmが好ましい。なお、無機充填材の平均粒径は、レーザー回折法によって測定されたものをいう。
更に、無機充填材の含有量は、少ないと、結晶化促進効果が得られずに成形性が低下したり或いはポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の機械的強度及び耐熱性が低下し、又、多いと、過度の結晶化促進効果によって却ってポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の機械的強度が低下するので、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部に対して1〜100重量部に限定され、5〜70重量部が好ましい。
そして、本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品は、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂及び上記無機充填材に、必要に応じて、他の合成樹脂を添加してなる樹脂組成物を従来公知の射出成形又は押出成形により成形して得られるものであって、このポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品全体の重量の20重量%となったアルカリ処理成形品の密度Aと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品全体の重量の95重量%の重量となった時点でのアルカリ加熱処理によって溶解された表層部分の密度Bとが式1で示された条件を満たすと共に、熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点が180℃以上である。
−1≦100×(1−A/B)≦1・・・式1
即ち、先ず、本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品における内部の密度(アルカリ処理成形品の密度A)と表層部分の密度とに着目し、内部の密度と表層部分の密度が式1の関係を満たす、換言すれば、内部の密度と表層部分の密度との差を小さくすることによって、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の密度差に起因した歪みを解消させている。
そして、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の密度を制御することによって、密度と同様な傾向を示す結晶化度を制御することができ、よって、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の内部の密度と表層部分の密度との差を小さくなるように制御することにより、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の内部の結晶化度と表層部分の結晶化度との差を小さくし、その結果、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の結晶化度を全体的に略均一なものとなるように制御して、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の機械的強度、特に曲げ強度及び曲げ弾性率の向上を図っている。
上述の点から、アルカリ処理成形品の密度Aと表層部分の密度Bとは、下記式2の関係を満たすことが好ましく、
−0.7≦100×(1−A/B)≦0.7・・・式2
更に、アルカリ処理成形品の密度Aと表層部分の密度Bとは、下記式3の関係を満たすことがより好ましい。
−0.5≦100×(1−A/B)≦0.5・・・式3
ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理して得られるアルカリ処理成形品の密度Aは下記の要領で測定されたものをいう。即ち、先ず、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量(初期重量)を測定する。しかる後、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を60℃又は98℃に保持した10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に完全に浸漬して、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を水酸化ナトリウム水溶液で溶かす。なお、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品に熱可塑性エラストマーが含有されている場合には、上記水酸化ナトリウム水溶液の濃度を50重量%とする。
そして、水酸化ナトリウム水溶液中にあるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の初期重量の20重量%となったところで水酸化ナトリウム水溶液による処理を中止してアルカリ処理成形品を得る。
なお、水酸化ナトリウム水溶液中にあるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の初期重量の20重量%となったか否かの判断は下記の要領で行う。
即ち、水酸化ナトリウム水溶液中からポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を適宜、取り出し、50℃の雰囲気下に60分間放置した後、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量を測定し、この水酸化ナトリウム水溶液により処理されたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の初期重量の20重量%となった時点で水酸化ナトリウム水溶液による処理を中止する一方、水酸化ナトリウム水溶液により処理されたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量が未だポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の初期重量の20重量%を超える重量である場合には再度、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を水酸化ナトリウム水溶液中に全面的に浸漬して水酸化ナトリウム水溶液によって更に溶かす。この要領を繰り返すことによって、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の初期重量の20重量%となったアルカリ処理成形品を得ることができる。
そして、得られたアルカリ処理成形品から約2gの試験片を任意に10個切り出し、各試験片における25℃での密度をJIS K7112に記載されたA法(水中置換法)に準拠して測定し、各試験片の平均をアルカリ処理成形品の密度Aとする。
又、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の95重量%の重量となった時点でのアルカリ加熱処理によって溶解された表層部分の密度Bは下記の要領で測定されたものをいう。
即ち、先ず、同一形状、同一大きさ、同一製造条件にて製造された二つのポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を用意する。そして、何れか一方のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量(初期重量)を測定する。しかる後、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を60℃又は98℃に保持した10重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に完全に浸漬して、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を水酸化ナトリウム水溶液で溶かす。なお、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品に熱可塑性エラストマーが含有されている場合には、上記水酸化ナトリウム水溶液の濃度を50重量%とする。
そして、水酸化ナトリウム水溶液中にあるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の初期重量の95重量%となったところで水酸化ナトリウム水溶液による処理を中止する。
なお、水酸化ナトリウム水溶液中にあるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の重量が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の初期重量の95重量%となったか否かの判断は上記要領と同様であるのでその説明は省略する。
次に、初期重量の95重量%となるまで水酸化ナトリウム水溶液による処理を施したのとは別のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の表面を汎用の手段を用いて順次、切削することによって、水酸化ナトリウム水溶液によって処理された状態のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品と同一形状、同一大きさに加工し、この加工の際に生じた切削片から約2gの試験片を10個任意に取り出し、各試験片における25℃での密度をJIS K7112に記載されたA法(水中置換法)に準拠して測定し、各試験片の平均を、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の表層部分の密度Bとする。
そして、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品における熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点は、低いと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の耐熱性が低下して、熱処理時に変形を生じるので、180℃以上に限定され、200℃以上が好ましい。
このように、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品は、その内部の密度と表層部分の密度との差を小さくすることによって、曲げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度を向上させていると共に、その軟化点が180℃以上とされているので、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品に煮沸洗浄、熱風乾燥、滅菌処理又は電子レンジによる加熱等の加熱処理を施した場合にあっても、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品に反りや撓みが発生しないという優れた耐熱性を発揮する。
ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品における熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点とは、下記の要領で測定されたものをいう。
即ち、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の任意の箇所から一辺が5mmの平面正方形状で且つ厚みが1.5〜2mmの試験片を切り出す。なお、試験片の両面が略平坦で且つ試験片の厚みが全体に亘って略同一厚みとなるように切り出し、又、厚みが1.5〜2mmに達しない場合には、一辺が5mmの平面正方形状の複数枚の小片を切り出して厚み方向に重ね合わせて試験片とする。
そして、試験片を加熱雰囲気下に載置した後、軟化点の測定中に体積変化や形状変化を生じない針状圧子を用い、この針状圧子を上記試験片の一面に荷重30mNでもって該試験片の一面の法線方向に押圧する。なお、針状圧子の先端は表面が滑らかな曲面に形成された直径1mmの真球状に形成されており、この針状圧子の先端面が試験片の一面に押圧された状態とする。
次に、試験片の載置している加熱雰囲気温度を上昇させることによって、試験片表面の昇温速度が5℃/分となるように試験片を加熱し、針状圧子の先端を押圧させている試験片部分が変形し始めた時の試験片の表面温度を軟化点とする。
なお、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品における熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点は、理学電機株式会社から商品名「TAS200」で販売されている測定装置を用いて測定することができる。
更に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品には、物性を損なわない範囲内において、高級脂肪酸金属塩や安息香酸金属塩等の有機酸塩、高級脂肪酸エステル等の有機結晶化促進剤、滑剤、離型剤、強化剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤、発泡剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、架橋剤、相溶化剤、金属粉等の添加剤を添加してもよい。
続いて、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の製造方法を説明する。先ず、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填剤1〜100重量部に、必要に応じて、熱可塑性エラストマーなどの合成樹脂や添加剤を添加してなる樹脂組成物から押出成形或いは射出成形により所望形状の成形品を得る。
次に、上記成形品に、JIS R1801に準拠して測定された分光放射率が90%以上であるセラミックスを放射部材として用いた遠赤外ヒータを使用して遠赤外線を照射し、成形品を加熱する。このように、遠赤外ヒータを用いることによって、成形品内部まで遠赤外線を充分に照射して成形品全体を略均一な密度、即ち、結晶化度とする。
ここで、遠赤外ヒータとして、JIS R1801に準拠して測定された分光放射率が90%以上であるセラミックスを放射部材として用いた遠赤外ヒータを用いるのは、放射部材であるセラミックスの分光放射率が90%未満の遠赤外線ヒータでは、成形品内部まで遠赤外線を充分に照射するこができず、成形品全体を略均一な密度、即ち、結晶化度とすることができないからである。
そして、成形品に遠赤外ヒータを用いて遠赤外線を照射して成形品を加熱する時の成形品表面の昇温速度は、小さいと、成形品の軟化によって撓みが発生し、又、大きいと、成形品の急激な温度上昇により反りが発生するので、5〜200℃/分に限定され、10〜150℃/分が好ましい。なお、成形品表面の昇温速度は、遠赤外線を照射している間、一定に保持するのがポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の歪みを解消することができるので好ましい。
又、成形品に遠赤外ヒータを用いて遠赤外線を照射して成形品を加熱するにあたっては、成形品表面の温度が110〜240℃となるまで、即ち、成形品表面の最高温度が110〜240℃となるまで行い、好ましくは、140〜220℃となるまで行う。
これは、成形品表面の温度が110℃に達しない状態で成形品の遠赤外ヒータによる加熱を中止すると、成形品全体が略均一な密度となるように処理することができず、又、成形品表面の温度が240℃を超えてもなお成形品を遠赤外ヒータによって加熱し続けると、成形品自体が溶融してしまうからである。
そして、遠赤外線を照射することによって加熱されて密度、即ち、結晶化度が全体的に略均一になった成形品を、好ましくは、遠赤外ヒータによって加熱された最高温度に0.5〜90分間、維持した後、この成形品をその表面温度が60℃となるまで冷却速度1〜50℃/分にて冷却することによって成形品内に残存する残留応力を除去し、熱変形の少ない耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を得ることができる。なお、成形品の冷却速度は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品に存在する残留応力をできるだけ取り除くために一定速度に維持するのが好ましい。
ここで、成形品の冷却速度を上記範囲としたのは、冷却速度が1℃/分未満であると、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の生産性が低下し、又、冷却速度が50℃/分を超えると、成形品内部に残存する残留応力を完全に除去することができず、成形品をポリエチレンテレフタレート系樹脂のガラス転移温度以上に加熱した際に変形を生じるからである。
更に、成形品の冷却を該成形品の表面温度が60℃となるまでとしたのは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂のガラス転移温度が70℃近傍であることから、成形品の冷却を60℃よりも高い温度で終了すると、成形品内に残存する残留応力を完全に除去することができずにポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の寸法安定性が低下するからであり、又、成形品の冷却を60℃よりも低い温度まで行ったとしても、得られるポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の寸法安定性にそれほど大きな向上をみることができず生産効率が低下するからである。
なお、成形品を冷却する方法としては、成形品の表面温度の冷却速度が上記範囲内となるように冷却することができれば、特に限定されず、例えば、常温よりも高い所定温度に維持された雰囲気下に成形品を放置する方法等が挙げられる。
更に、上記成形品に遠赤外ヒータを用いて遠赤外線を照射し始めてから冷却を完了するまでの時間(総処理時間)が2〜140分となるように調整することが好ましく、3〜120分となるように調整することがより好ましく、10〜90分となるように調整することが特に好ましい。これは、総処理時間が2分未満であると、成形品全体を略均一な密度、即ち、結晶化度とすることができず、成形品の曲げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度が低下し、又、140分を超えると、成形品の結晶化が進行し過ぎて、却って成形品の機械的強度が低下するからである。なお、上記総処理時間には、成形品を遠赤外ヒータによって加熱した最高温度に所定時間に亘って一定に維持した場合、その成形品を最高温度に保持した時間(最高温度保持時間)も含まれる。
最後に、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品には、その物性を損なわない範囲内において、その表面を塗装したり或いは表面に加工を施してもよい。
本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなり且つ射出成形又は押出成形により成形されたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品であって、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の20重量%の重量となったアルカリ処理成形品の密度Aと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の95重量%の重量となった時点でのアルカリ加熱処理によって溶解された表層部分の密度Bとが式1で示された条件を満たすと共に、熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点が180℃以上であることを特徴とするので、曲げ弾性率や曲げ強度等の機械的強度に優れていると共に耐熱性にも優れている。
そして、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品は、ガラス繊維等の不燃性材料を用いることなく耐熱性の向上を図っていることから、リサイクル性に優れている。
しかも、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品は、使用に伴ってガラス繊維の露出といったこともないことから、食品用容器等にも用いることができ、更に、煮沸洗浄や電子レンジによる加熱にも耐え得るだけの耐熱性を有しており、衛生上及び取り扱い性にも優れている。
更に、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品において、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部、熱可塑性エラストマー1〜150重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなる場合には、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の耐衝撃性を向上させることができる。
又、本発明のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の製造方法は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなる射出成形品又は押出成形品に、JIS R1801に準拠して測定された分光放射率が90%以上であるセラミックスを放射部材として用いた遠赤外ヒータを使用して遠赤外線を照射して昇温速度5〜200℃/分で成形品の表面温度が110〜240℃となるまで加熱処理した後、上記成形品をその表面温度が60℃となるまで冷却速度1〜50℃/分で冷却することを特徴とするので、上述の如き優れた機械的強度及び耐熱性を有するポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を遠赤外ヒータを用いての遠赤外線の照射といった簡単な作業でもって確実に得ることができる。
加えて、上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の製造方法において、射出成形品又は押出成形品が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部、熱可塑性エラストマー1〜150重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなる場合には、耐衝撃性に優れたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を製造することができる。
(実施例1〜5、比較例1)
ポリエチレンテレフタレート系樹脂(よのペット社製 商品名「再生PET樹脂」)100重量部、表1に示した量のポリエステル系熱可塑性エラストマー(東洋紡績社製 商品名「ペルプレンP−150B」)及び平均粒径が12μmのタルク並びにオキシ酸エステル系滑剤1重量部を二軸押出機(スクリュー有効長さL/スクリュー径D=28)に供給して樹脂温度290℃で溶融混練してストランド状に押し出し、このストランドを所定長さに切断してポリエチレンテレフタレート系樹脂ペレットを得た。なお、押出機からの吐出量は約100kg/時間とした。なお、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを表1では単に「エラストマー」と表した。
上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂ペレットを140℃で6時間乾燥させた上で射出成形機(シリンダ温度:285℃、ノズル先端温度:290℃、射出圧:343MPa)に取り付けた30℃に維持された金型内に溶融状態のポリエチレンテレフタレート系樹脂を射出して射出成形品を得た。
なお、射出成形品は、一辺が265mmの平面正方形状の底面部の外周縁から高さ18mmの一定高さを有する周壁部が上方における斜め外方に向かって突設されたトレー状に成形されており、平均の肉厚は1.7mmであった。
そして、上記金型から取り出した、表面温度が40℃の射出成形品の全面に、遠赤外ヒータ(ノリタケカンパニー社製 商品名「PLC−322−A7」、分光放射率:95%)を用いて遠赤外線を表1に示した加熱処理時間だけ均一に照射した。なお、遠赤外ヒータにより加熱された射出成形品表面の最高温度及び射出成形品表面の昇温速度は表1に示した通りであった。
続いて、射出成形品の表面に遠赤外ヒータにより遠赤外線を均一に照射し続けることによって、射出成形品の表面温度を最高温度に表1に示した最高温度保持時間だけ維持した後、上記射出成形品を冷却温度雰囲気下に放置し、表1に示した冷却速度及び冷却時間にて成形品表面の温度が60℃となるまで冷却してポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を得た。なお、射出成形品に遠赤外線を照射し始めてから冷却が完了するまでの時間(総処理時間)を表1に示した。
(比較例2、3)
ポリエチレンテレフタレート系樹脂(よのペット社製 商品名「再生PET樹脂」)100重量部、表1に示した量の平均粒径が12μmのタルク及びオキシ酸エステル系滑剤1重量部を二軸押出機(スクリュー有効長さL/スクリュー径D=28)に供給して樹脂温度290℃で溶融混練してストランド状に押し出し、このストランドを所定長さに切断してポリエチレンテレフタレート系樹脂ペレットを得た。なお、押出機からの吐出量は約100kg/時間とした。
上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂ペレットを140℃で6時間乾燥させた上で射出成形機(シリンダ温度:285℃、ノズル先端温度:290℃、射出圧:343MPa)に取り付けた30℃に維持された金型内に溶融状態のポリエチレンテレフタレート系樹脂を射出して射出成形品を得た。
なお、射出成形品は、一辺が265mmの平面正方形状の底面部の外周縁から高さ18mmの一定高さを有する周壁部が上方における斜め外方に向かって突設されたトレー状に成形されており、平均の肉厚は1.7mmであった。
そして、上記金型から取り出した、表面温度が40℃の射出成形品の全面に均一に熱風を表1に示した加熱処理時間だけ吹き付けた。なお、熱風により加熱された射出成形品表面の最高温度及び射出成形品表面の昇温速度は表1に示した通りであった。
続いて、射出成形品の表面に熱風を均一に吹き付けることによって、射出成形品の表面温度を最高温度に表1に示した最高温度保持時間だけ維持した後、上記射出成形品を冷却温度雰囲気下に放置し、表1に示した冷却速度及び冷却時間にて成形品表面の温度が60℃となるまで冷却してポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を得た。なお、射出成形品に熱風を吹き付け始めてから冷却が完了するまでの時間(総処理時間)を表1に示した。
(比較例4)
射出成形品に遠赤外線ヒータを用いて遠赤外線を照射しないこと、射出成形品の冷却を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を得た。
上記の如くして得られたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理して得られるアルカリ処理成形品の密度A、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の表層部分の密度B、軟化点、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の曲げ強度、曲げ弾性率、反り・撓み性、耐熱性及び耐衝撃性を下記に示した要領で測定し、その結果を表2に示した。
(曲げ強度)
射出成形品の底面部から、縦60mm×横20mm×厚さ1.7mmの試験片を切り出した。そして、試験片における縦方向の両端部を支点間距離が40mmとなるように、万能試験機(インストロン・ジャパン社製 商品名「インストロン型万能試験機 4501型」)を用いて把持し、試験速度5.000mm/分にて曲げ応力、即ち、たわみ曲線における降伏点の最大応力を測定し、この最大応力を曲げ強度とした。
(曲げ弾性率)
射出成形品の底面部から、縦60mm×横20mm×厚さ1.7mmの試験片を切り出した。そして、試験片における縦方向の両端部を支点間距離が40mmとなるように、万能試験機(インストロン・ジャパン社製 商品名「インストロン型万能試験機 4501型」)を用いて把持し、試験速度5.000mm/分にてヤング率を測定し、このヤング率を曲げ弾性率とした。
(反り・撓み性)
ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の底面部中央から一辺が10cmの平面正方形状の第一試験片を切り出す一方、射出成形品の底面部中央における上記ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品から切り出した試験片に相当する部分から一辺が10cmの平面正方形状の第二試験片を切り出し、第一試験片の第二試験片に対する変形量を測定し、この変形量を反り・撓み性の指標とした。なお、変形量は、第一試験片の第二試験片に対する変形量のうちの最大変形量とした。又、内側(内底面側)への変形量をプラスとし、外側(外底面側)への変形量をマイナスとした。
(耐熱性)
ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品を二つ用意し、各ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の底面部から一辺が10cmの平面正方形状の試験片を一枚づつ切り出した。そして、何れか一方の試験片を加熱試験片として140℃の雰囲気下にて、その両端部を固定した架設状態に1時間配設した後に30分間、常温にて放置する一方、他方の試験片を常温にて放置し基準試験片とした。そして、加熱試験片の基準試験片に対する変形量を測定し、この変形量を耐熱性の指標とした。なお、変形量は、加熱試験片の基準試験片に対する変形量のうちの最大変形量とした。又、内側(内底面側)への変形量をプラスとし、外側(外底面側)への変形量をマイナスとした。
なお、比較例4では、試験片の長さ方向の両端部が軟化していると共に長さ方向の中央部分は大きく垂れ下がっており、測定終了時には原形をとどめていなかった。
(耐衝撃性)
ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の底面部から、縦80mm×横10mm×厚さ1.7mmの試験片を10個切り出した。各試験片のシャルピー衝撃強さをJIS K7111の「シャルピー衝撃強さの試験方法」に準拠して秤量1Jの条件下にて測定した。各試験片のシャルピー衝撃強さの相加平均をポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の耐衝撃性とした。
Figure 2004300432
Figure 2004300432

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなり且つ射出成形又は押出成形により成形されたポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品であって、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の20重量%の重量となったアルカリ処理成形品の密度Aと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品をアルカリ加熱処理によって溶解させてアルカリ加熱処理前の95重量%の重量となった時点でのアルカリ加熱処理によって溶解された表層部分の密度Bとが式1で示された条件を満たすと共に、熱機械分析のペネトレーション法により測定した荷重30mN時の軟化点が180℃以上であることを特徴とするポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品。
    −1≦100×(1−A/B)≦1・・・式1
  2. ポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部、熱可塑性エラストマー1〜150重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品。
  3. ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなる射出成形品又は押出成形品に、JIS R1801に準拠して測定された分光放射率が90%以上であるセラミックスを放射部材として用いた遠赤外ヒータを使用して遠赤外線を照射して昇温速度5〜200℃/分で成形品の表面温度が110〜240℃となるまで加熱処理した後、上記成形品をその表面温度が60℃となるまで冷却速度1〜50℃/分で冷却することを特徴とするポリエチレンテレフタレート系樹脂成形品の製造方法。
  4. 射出成形品又は押出成形品が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂100重量部、熱可塑性エラストマー1〜150重量部及び平均粒径が0.1〜20μmである無機充填材1〜100重量部からなることを特徴とする請求項3に記載のポリエチレンエテフタレート系樹脂成形品の製造方法。
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