JP2004300351A - 電気抵抗調整材及びその製造法並びに該電気抵抗調整材を用いた樹脂組成物 - Google Patents

電気抵抗調整材及びその製造法並びに該電気抵抗調整材を用いた樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、所要の体積固有抵抗値が容易に得られると共に、優れた分散性を有する複合粒子からなる電気抵抗調整材及び該電気抵抗調整材を樹脂に配合してなる、低温低湿環境においても体積固有抵抗値の変化が少なく、強度に優れるとともに、所要の体積固有抵抗値を有する樹脂組成物に関するものである。
【解決手段】樹脂粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子からなる電気抵抗調整材は、樹脂粒子粉末と該樹脂粒子粉末とは反対の電荷を有する糊剤とを混合攪拌して樹脂粒子粉末の粒子表面に糊剤を被覆させた後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して前記糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックを付着させて得られる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、所要の体積固有抵抗値が容易に得られると共に、優れた分散性を有する複合粒子からなる電気抵抗調整材及び該電気抵抗調整材を樹脂に配合してなる、低温低湿環境においても体積固有抵抗値の変化が少なく、強度に優れた、所要の体積固有抵抗値を有する樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像形成装置の帯電部材や半導体トレイ等に用いられる樹脂組成物は、体積固有抵抗値を任意に制御することが要求されている。
【0003】
例えば、画像形成装置の帯電部材(以下、「帯電ローラ」という。)は、一般にローラ形状をしており、導電性支持体とその外周に形成された弾性層と更にその外周に形成された表面層から構成されている。前記弾性層は、体積固有抵抗値が1×10Ω・cm以上の場合、均一帯電性を満足することができなくなるため、体積固有抵抗値を1×10Ω・cm未満にする必要があり、また、表面層の電気抵抗値は、前記弾性層の体積固有抵抗値より大きく、且つ、1×1016Ω・cm以下に調整されることが好ましい。
【0004】
また、前記帯電ローラなどは、低温低湿環境において、体積固有抵抗値が高くなり、1×10Ω・cmを超えてしまう場合があるため、環境条件の変化によっても体積固有抵抗値の変動幅が低いことが要求されいている。
【0005】
周知のとおり、カーボンブラックは優れた導電性化合物として知られており、樹脂組成物の体積固有抵抗値を低下させるための添加材料として用いられている。しかしながら、カーボンブラックは導電性に優れているために少量の添加で劇的に体積固有抵抗値が変化し、所要の体積固有抵抗値を有する樹脂組成物を得るためにはカーボンブラックの添加量を厳密に制御しなければならないという問題があり、殊に、1×10〜1×10Ω・cmの範囲にコントロールすることが難しいことが知られている。また、カーボンブラックは樹脂組成物中に、樹脂100重量部当たり50重量部程度加えることで、高い引張り強度を発現することが知られているが、前述の通り、多量のカーボンブラックを添加すると体積固有抵抗値を制御することが困難であり、所望の体積固有抵抗値と樹脂組成物の強度向上を同時に満足させることは困難である。
【0006】
更に、カーボンブラックは、粒子サイズが平均粒子径0.005〜0.05μm程度の微粒子粉末であり、樹脂組成物中への均一な分散が困難であるため、樹脂組成物内で体積固有抵抗値のバラツキが生じるといった問題がある。
【0007】
樹脂組成物の体積固有抵抗値を調整する技術的手段として、ガラスファイバーの表面を熱可塑性成分で被覆し、該熱可塑性成分にカーボン成分を結合させる方法(特許文献1)及び長さが異なる炭素繊維を混合した導電性樹脂組成物(特許文献2)が知られている。
【0008】
【特許文献1】
特表2001−503799号公報
【特許文献2】
特開2001−59056号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
低温低湿環境においても体積固有抵抗値の変化が少なく、電気抵抗値の制御が容易に行える電気抵抗調整材が強く求められているが、このような諸特性を有する電気抵抗調整材は、未だ提供されていない。
【0010】
前出特許文献1には、ガラスファイバーの表面を熱可塑性成分で被覆し、該熱可塑性成分にカーボン成分を結合させる技術的手段が記載されているが、少量のカーボンブラックで体積固有抵抗値が大きく変化してしまうため、カーボンブラックの添加量を厳密に制御しなければならないという問題がある。
【0011】
前出特許文献2には、長さが異なる炭素繊維を混合した導電性樹脂組成物が記載されているが、炭素繊維相互間の絡み合いが多くなるため、樹脂組成物中での分散性に優れるとは言いがたく、不均一な分散部分によって体積固有抵抗値にムラが生じるという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、低温低湿環境においても体積固有抵抗値の変化が少なく、電気抵抗値の制御が容易に行える電気抵抗調整材を提供することを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0014】
即ち、本発明は、樹脂粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.01〜100μmの複合粒子からなることを特徴とする電気抵抗調整材である(本発明1)。
【0015】
また、本発明は、樹脂粒子粉末と該樹脂粒子粉末とは反対の電荷を有する糊剤とを混合攪拌して樹脂粒子粉末の粒子表面に糊剤を被覆させた後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して前記糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックを付着させることを特徴とする本発明1記載の電気抵抗調整材の製造法である(本発明2)。
【0016】
また、本発明は、本発明1記載の電気抵抗調整材を樹脂中に含有していることを特徴とする樹脂組成物である(本発明3)。
【0017】
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
【0018】
先ず、本発明に係る電気抵抗調整材について述べる。
【0019】
本発明に係る電気抵抗調整材は、芯粒子粉末である樹脂粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されており、該糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.01〜100μmの複合粒子からなる。
【0020】
本発明における樹脂粒子としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれをも用いることができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、フッ化樹脂、繊維素系樹脂等を用いることができ、熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリヤ樹脂、メラミン樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドを用いることができる。樹脂粒子は要求される特性や用途に応じて選択すればよいが、好ましくは、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂である。
【0021】
樹脂粒子の粒子形状は、球状、粒状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、板状及び不定形等のいずれの形状であってもよい。得られる電気抵抗調整材の樹脂組成物中における分散性を考慮すれば、球形度(平均粒子径/平均最短径)(以下、「球形度」という。)が1.0以上2.0未満の球状又は粒状が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5である。
【0022】
樹脂粒子粉末の粒子サイズは、平均粒子径が0.01〜100μmが好ましい。樹脂粒子粉末の粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理を考慮すると、好ましくは0.02〜75μm、より好ましくは0.03〜50μmである。
【0023】
樹脂粒子粉末のBET比表面積値は、0.02〜700m/gが好ましい。樹脂粒子粉末の粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理を考慮すると、より好ましくは0.08〜400m/gであり、更により好ましくは0.10〜300m/gである。
【0024】
本発明における樹脂粒子粉末の比重は、通常0.8〜2.5、好ましくは0.9〜2.0、より好ましくは1.0〜1.8である。
【0025】
本発明における樹脂粒子粉末の表面電荷は、通常−100〜+100μC/gの範囲にある。樹脂粒子の粒子表面への糊剤及びカーボンブラックの付着強度を考慮すれば、表面電荷は絶対値として高い方が好ましく、絶対値として10μC/g以上、より好ましくは20μC/g以上、更に好ましくは30μC/g以上である。
【0026】
本発明における樹脂粒子粉末の体積固有抵抗値は、1.0×1012〜1.0×1019Ω・cmである。
【0027】
本発明における樹脂粒子粉末の流動性は、形状等によっても異なるが、一般的には55以上を有している。殊に、粒子形状が球状のものは、高い流動性を有しており、その場合、60以上である。
【0028】
本発明における糊剤としては、樹脂粒子とは反対の表面電荷を有するものを用いることが好ましく、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤及びオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系などのカップリング剤、低分子あるいは高分子界面活性剤等が挙げられる。より好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤、オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤である。
【0029】
有機ケイ素化合物としては、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びデシルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トルフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0030】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0031】
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0032】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0033】
低分子系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホンコハク酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩等が挙げられる。高分子系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸塩コポリマー、オレフィン−マレイン酸塩コポリマー等が挙げられる。
【0034】
糊剤の被覆量は、糊剤被覆樹脂粒子粉末に対して各糊剤が含有する金属の元素換算で0.02〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.03〜4.0重量%、最も好ましくは0.05〜3.0重量%である。
【0035】
0.02重量%未満の場合には、樹脂粒子粉末100重量部に対して0.05重量部以上のカーボンブラックを付着させることが困難である。5.0重量%を超える場合には、樹脂粒子粉末100重量部に対してカーボンブラックを0.05〜2000重量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
【0036】
付着処理に用いるカーボンブラックは、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びアセチレンブラック等のカーボンブラック粒子粉末を用いることができる。
【0037】
カーボンブラックとしては、具体的には、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、MA100、MA7、#1000、#2400B、#30、MA77、MA8、#650、MA11、#50、#52、#45、#2200B、MA600等(以上、いずれも三菱化学株式会社(製)の商品名である。)、シースト9H、シースト7H、シースト6、シースト3H、シースト300、シーストFM等(以上、いずれも東海カーボン株式会社(製)の商品名である。)、Raven 1250、Raven 860、Raven 1000、Raven 1190ULTRA(以上、いずれもコロンビヤン・ケミカルズ・カンパニー(製)の商品名である。)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD(以上、いずれもケッチェンブラック・インターナショナル株式会社(製)の商品名である。)、BLACK PEARLS−L、BLACK PEARLS 1000、BLACK PEARLS 4630、VULCAN XC72、REGAL 660、REGAL 400(以上、いずれもキャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク(製)の商品名である。)等が使用できる。
【0038】
カーボンブラックの付着量は、樹脂粒子粉末の表面積によっても異なるが、樹脂粒子粉末100重量部に対して0.05〜2000重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜1200重量部、更により好ましくは0.25〜1000重量部である。
【0039】
0.05重量部未満の場合には、樹脂粒子の粒子表面を被覆するカーボンブラックが少なすぎるため、得られる複合粒子粉末の電気抵抗を低減することが困難である。2000重量部を超える場合には、電気抵抗の低減効果が十分に得られるので、2000重量部を超えて必要以上に付着させる意味がない。
【0040】
本発明におけるカーボンブラックの流動性は、通常、20前後であり、顆粒化処理されたカーボンブラックの場合は、やや高い値を有している。
【0041】
本発明に係る電気抵抗調整材の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である樹脂粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
【0042】
本発明に係る電気抵抗調整材の粒子形状は、球状、粒状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、板状及び不定形等のいずれの形状であってもよい。樹脂組成物中における分散性を考慮すれば、球形度が1.0以上2.0未満の球状又は粒状が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5である。
【0043】
本発明に係る電気抵抗調整材の粒子サイズは、平均粒子径が0.01μm〜100μmであり、好ましくは0.02〜75μm、より好ましくは0.03〜50μmである。平均粒子径が0.01μmを超える場合、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすくなるため、樹脂組成物中における分散が困難となる。100μmを超える場合には、粒子サイズが大きすぎるため、これを用いて得られた樹脂組成物は、強度が低下するため好ましくない。
【0044】
本発明に係る電気抵抗調整材のBET比表面積値は0.02〜700m/gが好ましい。BET比表面積値が0.02m/g未満の場合には、粒子が粗大であるため、これを用いて得られた樹脂組成物は強度が低下する。BET比表面積値が700m/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、樹脂組成物中への分散性が低下する。得られる樹脂組成物の強度及び分散性を考慮すれば、より好ましくは0.08〜400m/gであり、更により好ましくは0.10〜300m/gである。
【0045】
本発明に係る電気抵抗調整材の比重は、0.8〜2.5が好ましく、より好ましくは0.9〜2.4であり、更により好ましくは1.0〜2.3である。
【0046】
本発明に係る電気抵抗調整材の体積固有抵抗値(Npt/Nph)は、付着に用いるカーボンブラックの体積固有抵抗値と芯粒子として用いる樹脂粒子粉末の体積固有抵抗値との間で任意に制御することができる。具体的には1.0×10〜1.0×1019Ω・cmであり、好ましくは1.0×10〜1.0×1018Ω・cmである。
【0047】
本発明に係る電気抵抗調整材において、低温低湿下曝露後の体積固有抵抗値(Lpt/Lph)は、前記体積固有抵抗値(Npt/Nph)とほぼ同じ値を有しており、その値は前記体積固有抵抗値(Npt/Nph)の10倍以内である。
【0048】
本発明に係る電気抵抗調整材の流動性は、粒子表面にカーボンブラックを付着させても芯粒子である樹脂粒子粉末の流動性を維持しており、55以上を有している。殊に、粒子形状が球状のものは、60以上を有しており、好ましくは65以上である。
【0049】
本発明に係る電気抵抗調整材のカーボンブラックの脱離の程度は、後出評価方法における目視観察において、5、4又は3が好ましく、より好ましくは5又は4であり、更により好ましくは5である。カーボンブラックの脱離の程度が3未満の場合には、脱離したカーボンブラックにより樹脂組成物中での均一な分散が阻害される場合があるとともに、脱離したカーボンブラック同士またはカーボンブラックが脱離してむき出しとなった樹脂粒子の表面同士が接触することにより、局部的に導電性が高くなったり、あるいは導電性が無くなったりする部分が生じるため好ましくない。
【0050】
次に、本発明に係る電気抵抗調整材を用いた樹脂組成物について述べる。
【0051】
本発明に係る樹脂組成物は、分散状態は後出の評価方法による4又は5が好ましく、より好ましくは5であり、引張り強さは10MPa以上が好ましく、より好ましくは11MPa以上、更により好ましくは12MPa以上である。体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)は、配合する電気抵抗調整材の体積固有抵抗値と配合量によって樹脂の電気抵抗値から電気抵抗調整剤の体積固有抵抗値の間で任意にコントロールすることができる。具体的には、1.0×10〜1.0×1015Ω・cmである。殊に、帯電ローラの弾性層やICトレイ等に用いる場合には、1.0×10〜1.0×10Ω・cmにコントロールすることが好ましい。低温低湿下曝露後の体積固有抵抗値(Lrt/Lrh)は、前記体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)とほぼ同じ値を有しており、その値は前記体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)の10倍以内である。また、体積固有抵抗値のバラツキの幅は、後出する測定法に基づいて、体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)の0.1〜10倍の範囲内である。
【0052】
本発明に係る樹脂組成物中における電気抵抗調整材の配合割合は、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部の範囲で添加することができ、樹脂組成物のハンドリング性及び得られる樹脂組成物の引張り強度を考慮すれば、好ましくは0.05〜150重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部である。
【0053】
本発明に係る樹脂組成物の構成基材は、本発明に係る電気抵抗調整材と周知のゴム及び/又は熱可塑性樹脂である。必要により、着色剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
【0054】
ゴム及び樹脂としては、天然ゴム(NR)やポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体、アクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂及びポリウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹脂、ポリ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
必要により配合される前記添加剤の量は、電気抵抗調整材と樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低下する。
【0056】
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂材料と電気抵抗調整材をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下でせん断作用を加えて、樹脂組成物中に電気抵抗調整材を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
【0057】
次に、本発明に係る電気抵抗調整材の製造法について述べる。
【0058】
本発明に係る電気抵抗調整材は、芯粒子粉末である樹脂粒子粉末と樹脂粒子粉末とは反対の電荷を有する糊剤とを混合し、樹脂樹脂粒子粉末の粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、糊剤によって被覆された樹脂粒子粉末とカーボンブラックとを混合することによって得ることができる。
【0059】
樹脂粒子粉末の粒子表面への糊剤による被覆は、樹脂粒子粉末と糊剤又は糊剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、樹脂粒子粉末に糊剤の溶液又は糊剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加した糊剤は、ほぼ全量が樹脂粒子粉末の粒子表面に被覆される。
【0060】
樹脂粒子粉末と糊剤との混合攪拌、カーボンブラックと粒子表面に糊剤が被覆されている樹脂粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
【0061】
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミル等がある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダー等がある。
【0062】
樹脂粒子粉末と糊剤との混合攪拌時における条件は、樹脂粒子粉末の粒子表面に糊剤ができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0063】
糊剤の添加量は、樹脂粒子粉末100重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。0.15〜45重量部の添加量により、樹脂粒子粉末100重量部に対してカーボンブラックを0.05〜2000重量部付着させることができる。
【0064】
樹脂粒子の粒子表面へのカーボンブラックの付着強度を考慮すれば、樹脂粒子粉末をあらかじめ、表面電荷調整剤によって処理し、樹脂粒子の表面電荷を糊剤とは反対の表面電荷にコントロールしておくことが好ましい。
【0065】
表面電荷調整剤による処理は、前記糊剤処理の場合と同様に、樹脂粒子粉末と表面電荷調整剤又は表面電荷調整剤を含む溶液とを機械的に混合攪拌すればよい。
【0066】
表面電荷調整剤としては、正帯電させるものとして、アルキルトリメチル4級アンモニウム塩、アルキルベンジルジメチル4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、ニグロシン、アニリンブラック等のアジン化合物、イミダゾール類金属錯体、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等を用いることができる。負帯電させるものとしては、サリチル酸二量体などのサリチル酸類金属錯体、有機ホウ素塩類、アゾ系クロム金属錯体等のモノアゾ染料金属錯体、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のケイ素化合物を用いることができる。
【0067】
その他にも、ポリエチレングリコールまたはその誘導体、ポリエーテルエステルアミド、第4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート共重合体、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カルボベタイン−グラフト共重合体等の高分子型帯電防止剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホンコハク酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸塩共重合体、オレフィン−マレイン酸塩共重合体等の界面活性剤及びシラン系、チタネート系及びアルミネート系のカップリング剤等を用いることができる。これらの帯電性は、それぞれの化合物が有する極性基のイオン性もしくは処理量によって、正帯電性付与、負帯電性付与を使い分ければよい。
【0068】
表面電荷調整剤による処理量は、樹脂粒子粉末100重量部に対して0.01〜20重量部の範囲である。該処理によって得られる表面電荷調整後の樹脂粒子の表面電荷が、糊剤の表面電荷値とは反対の電荷で、且つ、絶対値として10μC/g以上を有していることが好ましく、より好ましくは20μC/g以上、更により好ましくは30μC/g以上となるよう処理すればよい。
【0069】
樹脂粒子粉末の粒子表面に糊剤を被覆した後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックを付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0070】
カーボンブラックは、少量ずつを時間をかけながら、殊に5分〜24時間、好ましくは5分〜20時間程度をかけて添加するか、若しくは、樹脂粒子粉末100重量部に対して5〜25重量部のカーボンブラックを、所望の添加量となるまで分割して添加することが好ましい。
【0071】
混合攪拌時における条件は、カーボンブラックが均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0072】
カーボンブラックの添加量は、樹脂粒子粉末100重量部に対して0.05〜2000重量部であり、好ましくは0.20〜1200重量部、より好ましくは0.25〜1000重量部である。カーボンブラックの添加量が上記範囲外の場合には、目的とする電気抵抗調整材が得られない。
【0073】
乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度は、通常40〜80℃が好ましく、より好ましくは50〜70℃であり、加熱時間は、10分〜6時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0074】
なお、糊剤としてアルコキシシラン及びフルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0075】
得られた電気抵抗調整材は、カーボンブラックの凝集状態が解きほぐされ、微細化された状態で糊剤被覆樹脂粒子表面に付着層を形成している。
【0076】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0077】
粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡を用いて写真撮影を行い、そこに示された粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0078】
球形度は、平均粒子径(平均最長径)と平均最短径との比で示した。
【0079】
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
【0080】
樹脂粒子粉末及び電気抵抗調整材の比重は、「マルチボリューム 密度計 1305型」(マイクロメリティクス社製)を用いて求めた。
【0081】
樹脂粒子粉末及び電気抵抗調整材の各表面電荷は、「ブローオフ粉体帯電量測定装置 MODEL TB 200」(東芝ケミカル社製)を用いて測定した。
【0082】
樹脂粒子粉末、カーボンブラック及び電気抵抗調整材の流動性は、「パウダテスタ」(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、安息角(度)、圧縮度(%)、スパチュラ角(度)、凝集度の各粉体特性値を測定し、該各測定値を同一基準の数値に置き換えた各々の指数を求め、各々の指数を合計した流動性指数で示した。流動性指数が100に近いほど、流動性が優れていることを意味する。
【0083】
樹脂粒子粉末の粒子表面に被覆されている糊剤の被覆量は、各糊剤に含有されている金属について、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0084】
電気抵抗調整材に付着しているカーボンブラックの被覆量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用い、次の様な手順で炭素量を測定することにより求めた。あらかじめ、芯粒子である樹脂粒子粉末の単位重量当たりのカーボン量を測定しておき、次いで、電気抵抗調整材のカーボン量を測定し、単位重量当たりのカーボン量の変化量から、カーボンブラックの付着量を求めた。
【0085】
電気抵抗調整材に付着しているカーボンブラックの脱離の程度は、下記方法により、目視によって5段階で評価した。5が複合粒子の粒子表面からのカーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0086】
被測定粒子粉末2gとエタノール20mlを50mlの三角フラスコに入れ、60分間超音波分散を行った後、回転数10,000rpmで15分間遠心分離を行い、被測定粒子粉末と溶剤部分とを分離した。得られた被測定粒子粉末を60℃で5時間乾燥させ、電子顕微鏡写真に示される視野の中に存在する、脱離して再凝集したカーボンブラックの個数を目視で観察し、樹脂粒子粉末とカーボンブラックを、糊剤を介さず単に混合しただけの混合粒子粉末の電子顕微鏡写真と比較して5段階で評価した。
【0087】
1:樹脂粒子粉末とカーボンブラックを、糊剤を介さず単に混合した場合と同程度。
2:電気抵抗調整材100個当たりに30個以上50個未満。
3:電気抵抗調整材100個当たりに10個以上30個未満。
4:電気抵抗調整材100個当たりに5個以上10個程度。
5:電気抵抗調整材100個当たりに5個未満。
【0088】
樹脂粒子粉末、カーボンブラック及び電気抵抗調整材の各体積固有抵抗値(Npt/Nph)及び樹脂組成物の体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)は、下記の方法で測定用試料を作製し該測定用試料の体積固有抵抗値を測定することにより求めた。
【0089】
測定試料0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会社島津製作所)を用いて、1.372×10Pa(140Kg/cm)の圧力で加圧成形を行い、円柱状の被測定試料を作製した。また、樹脂組成物の場合、後述する処法によって作製した樹脂プレートを打ち抜いて、円柱状の被測定試料を作製した。
【0090】
次いで、被測定試料を温度25℃、相対湿度60%の環境下に12時間以上暴露した後、この被測定試料をステンレス電極の間にセットし、「ホイートストンブリッジ TYPE2768」(横河北辰電気株式会社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定した。
【0091】
次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面積A(cm)と厚みt(cm)を測定し、下記数1にそれぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)を求めた。
【0092】
【数1】
体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t
【0093】
樹脂粒子粉末及び電気抵抗調整材の低温低湿条件における各体積固有抵抗値(Lpt/Lph)及び樹脂組成物の低温低湿条件における体積固有抵抗値(Lrt/Lrh)は、前記と同様にして作製した円柱状の被測定試料又は樹脂プレートを温度4℃、相対湿度10%の環境下に1週間暴露した後、前記と同様にして体積固有抵抗値を測定することにより求めた。
【0094】
樹脂組成物の体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)のばらつきは、前記と同様にして作製した樹脂プレートより、ランダムに円柱状の樹脂プレート10個を打ち抜いて、前記と同様にして体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)を測定し、最高値と最低値を示すことによってよりばらつきの幅として求めた。
【0095】
電気抵抗調整材の樹脂組成物への分散性は、後述する処法によって作製した樹脂プレート表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良いことを示す。
5: 未分散物認められず、
4: 1cm当たり1個以上5個未満、
3: 1cm当たり5個以上10個未満、
2: 1cm当たり10個以上50個未満、
1: 1cm当たり50個以上。
【0096】
樹脂組成物の引張強さは、JIS K 6301に従って測定を行った。
【0097】
<電気抵抗調整材の製造>
樹脂粒子粉末(種類:ポリメチルメタクリレート(PMMA)、粒子形状:球状、平均粒子径8.04μm、球形度:1.2、BET比表面積値0.8m/g、比重1.2、表面電荷+70μc/g、流動性78、体積固有抵抗値(Npt/Nph)2.4×1014Ω・cm)7.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、次いで、メチルハイドロジェンポリシロキサン(電荷:−、商品名:TSF484:GE東芝シリコーン株式会社製)70.0gを、エッジランナーを稼動させながら上記樹脂粒子粉末に添加し、196N/cm(20Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
【0098】
次に、カーボンブラック(種類:ファーネスブラック、粒子形状:粒状、平均粒子径0.020μm、BET比表面積値202m/g、L値26.1)700gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に196N/cm(20Kg/cm)の線荷重で20分間、混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆の上にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて60℃で60分間加熱処理を行い、黒色複合粒子粉末を得た。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
【0099】
得られた電気抵抗調整材は、平均粒子径が8.16μm、球形度が1.2の球状粒子粉末であった。BET比表面積値は2.31m/g、流動性は76、体積固有抵抗値(Npt/Nph)は2.3×10Ω・cm、体積固有抵抗値(Lpt/Lph)は3.9×10Ω・cm、カーボンブラックの脱離の程度は5であった。メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量はSi換算で0.438重量%であり、付着しているカーボンブラックの量は、C換算で8.92重量%(樹脂粒子粉末100重量部に対して約10重量部に相当する)であった。
【0100】
電子顕微鏡写真観察の結果、カーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆に付着していることが認められた。
【0101】
<電気抵抗調整材を含む樹脂組成物の製造>
前記電気抵抗調整材を用い、下記に示す配合割合にて45℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調整した。
【0102】
エピクロルヒドリンゴム 100.0重量部、
電気抵抗調整材 30.0重量部、
脂肪族ポリエステル系可塑剤 10.0重量部、
酸化亜鉛 5.0重量部、
ステアリン酸 1.0重量部、
老化防止剤(2−メルカプトベンズイミダゾール) 0.5重量部、
4級アンモニウム塩 4.0重量部。
【0103】
得られたコンパウンドに、下記添加剤を下記配合割合にて添加し、20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練する。
【0104】
加硫剤(硫黄) 1.0重量部、
加硫促進剤(ジベンゾチアジルスルフィド) 1.0重量部、
加硫促進剤(テトラメチルチウラムモノスルフィド) 0.5重量部、
【0105】
得られたコンパウンドを、型に仕込み、160℃で30分間加熱して加硫を行い、試験片を調製した。
【0106】
得られた樹脂組成物の分散状態は5であり、体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)は8.1×10Ω・cm、体積固有抵抗値(Lrt/Lrh)は2.1×10Ω・cm、体積固有抵抗値(Nrt/Nrh)のばらつきの幅は5.4×10〜2.2×10Ω・cm、引張り強さは14MPaであった。
【0107】
【作用】
本発明において最も重要な点は、樹脂粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該被覆にカーボンブラックが付着している電気抵抗調整材は、所要の体積固有抵抗値が容易に得られると共に、優れた分散性を有するという事実である。
【0108】
本発明において、電気抵抗調整材が樹脂組成物中における分散性に優れる理由について、本発明者は、通常、樹脂粒子は電荷を有しているため、樹脂粒子とは反対の電荷を有する糊剤を選択することにより、カーボンブラックが付着している糊剤が樹脂粒子の粒子表面に強固に結合するために、樹脂粒子粉末の粒子表面からのカーボンブラックの脱離が抑制されたためと考えている。
【0109】
そして、前記電気抵抗調整材を配合した樹脂組成物は、所要の体積固有抵抗値が容易に得られると共に、低温低湿環境においても体積固有抵抗値の変化が少ないという事実である。
【0110】
本発明に係る樹脂組成物が所要の体積固有抵抗値を容易に得られる理由として、本発明者は、カーボンブラックと比較して、体積固有抵抗値の高い本発明に係る電気抵抗調整材を用いたことによるものと考えている。また、低温低湿環境においても体積固有抵抗値の変化が少ない理由として、本発明者は、吸湿性の低い樹脂粒子粉末を芯粒子として用いたことによるものと考えている。
【0111】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0112】
芯粒子1〜9:
芯粒子粉末として表1に示す特性を有する樹脂粒子粉末を用意した。なお、PMMAは、ポリメチルメタクリレートの略である。
【0113】
【表1】
Figure 2004300351
【0114】
芯粒子10:
芯粒子1のPMMA粒子粉末10kgをエッジランナーに投入し、次いで、アルキルトリメチル4級アンモニウム塩40.0gを、エッジランナーを稼動させながら上記樹脂粒子粉末に添加し、196N/cm(20Kg/cm)の線荷重で20分間混合攪拌を行い、粒子の表面電荷がプラスに調整されたPMMA粒子粉末を得た。
【0115】
このときの製造条件を表2に、得られた表面電荷調整後の樹脂粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0116】
芯粒子11〜13:
芯粒子5及び9の各樹脂粒子粉末を用い、表面電荷調整剤の種類及び処理量を種々変化させた以外は、前記芯粒子10と同様にして表面電荷が調整された樹脂粒子粉末を得た。
【0117】
このときの製造条件を表2に、得られた表面電荷が調整された樹脂粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0118】
【表2】
Figure 2004300351
【0119】
【表3】
Figure 2004300351
【0120】
カーボンブラックA〜C:
カーボンブラックとして表4に示す諸特性を有するカーボンブラックを用意した。
【0121】
【表4】
Figure 2004300351
【0122】
実施例1〜13、比較例1〜5:
糊剤による被覆工程における添加物の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、カーボンブラックの付着工程におけるカーボンブラックの種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして電気抵抗調整材を得た。
【0123】
このときの製造条件を表5に、得られた電気抵抗調整材の諸特性を表6に示す。
【0124】
【表5】
Figure 2004300351
【0125】
【表6】
Figure 2004300351
【0126】
比較例6:
芯粒子1のPMMA粒子粉末とカーボンブラックAとを、PMMA粒子粉末100重量部に対してカーボンブラックAが10.0重量部になるように予備混合し、「メカノフュージョン AMS−Lab」(ホソカワミクロン株式会社製)に投入し、メカノケミカル反応により、PMMA粒子粉末の粒子表面にカーボンブラックAが付着している黒色粒子粉末を得た。得られた黒色粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0127】
参考例1:
芯粒子としてシリカ粒子粉末(粒子形状:球状、平均粒子径4.98μm、球形度:1.06、BET比表面積値0.5m/g、比重2.3、体積固有抵抗値(Npt/Nph)4.9×10Ω・cm、表面電荷−47μc/g、流動性49)を用い、糊剤による被覆工程における添加物の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、カーボンブラックの付着工程におけるカーボンブラックの種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間を変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして黒色粒子粉末を得た。得られた黒色粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0128】
<樹脂組成物>
実施例14〜26、比較例7〜13、参考例2:
黒色粒子粉末の種類、配合量及び樹脂の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして樹脂組成物を得た。
【0129】
このときの製造条件表7に、得られた樹脂組成物の諸特性を表8に示す。
【0130】
【表7】
Figure 2004300351
【0131】
【表8】
Figure 2004300351
【0132】
【発明の効果】
本発明に係る電気抵抗調整材は、所要の体積固有抵抗値が容易に得られると共に、優れた分散性を有することから、帯電ローラや半導体トレイ用樹脂組成物の電気抵抗調整材として好適である。
【0133】
本発明に係る樹脂組成物は、所要の体積固有抵抗値が容易に得られると共に、優れた分散性を有する電気抵抗調整材を用いることから、低温低湿環境においても体積固有抵抗値の変化が少ない、所要の電気抵抗値を有する樹脂組成物として好適である。

Claims (3)

  1. 樹脂粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.01〜100μmの複合粒子からなることを特徴とする電気抵抗調整材。
  2. 樹脂粒子粉末と該樹脂粒子粉末とは反対の電荷を有する糊剤とを混合攪拌して樹脂粒子粉末の粒子表面に糊剤を被覆させた後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して前記糊剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックを付着させることを特徴とする請求項1記載の電気抵抗調整材の製造法。
  3. 請求項1記載の電気抵抗調整材を樹脂中に含有していることを特徴とする樹脂組成物。
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