JP2004300321A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法およびその利用方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法およびその利用方法 Download PDF

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Katsunori Yano
克典 矢野
Tatsuya Yoshimura
達也 吉村
Takashi Koba
俊 古場
Yasushi Nakajima
靖 中嶋
Koji Kawano
浩司 川野
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Abstract

【構成】(A)官能基含有オレフィン系樹脂1〜30重量部と(B)ポリウレタン99〜70重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を、210℃以上で溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法。(A)官能基含有オレフィン系樹脂の重量平均分子量は5000〜80000、また官能基はカルボニル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基である。
【効果】スチレン系樹脂の耐薬品性改良剤やポリオレフィンとスチレン系樹脂との相溶化剤として有用であり、特に耐表層剥離性、耐薬品性が良好で、耐衝撃性と加工性のバランスに優れた樹脂組成物を提供する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレン系樹脂の耐薬品性改良剤やポリオレフィンとスチレン系樹脂との相溶化剤として有用である熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ABS、AES、ASA樹脂などのゴム強化スチレン系樹脂は、耐衝撃性、加工性、耐熱性に優れる代表的汎用樹脂として広く用いられているが、耐薬品性、塗装性が充分でないという問題点がある。一方、オレフィン系樹脂は耐薬品性に優れるものの、耐衝撃性、耐熱性に劣るといった問題を有している。
このようなゴム強化スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂をブレンドすることにより、耐衝撃性、加工性、耐熱性、耐薬品性に優れる組成物が期待されているが、相溶性が悪いため、両樹脂の特長が発揮されない。すなわち、かかる組成物は層状剥離を起こし、耐衝撃性、加工性、耐熱性、耐薬品性のバランスに劣るという問題点がある。そこで、ゴム強化スチレン系樹脂の耐薬品性や塗装性、さらには該組成物の相溶性を改善すべく各種相溶化剤を使用することが試みられている(特許文献1、特許文献2)が、未だ十分な相溶化剤は開発されていないのが現状である。
【0003】
【特許文献1】特公平7−47679号公報
【特許文献2】特開平6−192503号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スチレン系樹脂の耐薬品性改良に優れた性能を有すると共に、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂からなる組成物の相溶性を改善してなる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
[1](A)官能基含有オレフィン系樹脂1〜30重量部と(B)ポリウレタン99〜70重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を、210℃以上で溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
[2](A)官能基含有オレフィン系樹脂が、重量平均分子量5000〜80000の官能基含有オレフィン系樹脂である[1]記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
[3](A)官能基含有オレフィン系樹脂の官能基が、カルボニル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基である[1]又は[2]記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
[3][1]〜[3]記載の製造方法にて得られた熱可塑性樹脂組成物を、スチレン系樹脂の耐薬品性改良剤として用いる方法、
[4][1]〜[3]記載の製造方法にて得られた熱可塑性樹脂組成物を、ポリオレフィンとスチレン系樹脂との相溶化剤として用いる方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明にて使用される(A)官能基含有オレフィン系樹脂とは、一般的なオレフィン系樹脂であるポリプロピレン(ホモタイプ、ランダムタイプ、ブロックタイプ)、ポリエチレン(高密度、中密度、直鎖状低密度、超低密度、高圧法低密度)およびこれら2種以上のオレフィンの共重合体等からなるオレフィン系樹脂に官能基としてカルボニル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基に代表される極性官能基を有する樹脂であり、具体的には、上記オレフィン系樹脂と不飽和官能基含有化合物とからなる樹脂である。
【0007】
ここで不飽和官能基含有化合物としては、α、β−不飽和アルデヒド、α、β−不飽和ケトン、α、β−不飽和カルボン酸、α、β−不飽和カルボ酸無水物、α、β−不飽和カルボン酸エステル、α、β−不飽和カルボニル酸アミド、α、β−不飽和アルキルカルボン酸エステル等のα、β−不飽和カルボニル基含有化合物、酢酸ビニル等のビニルエステル、アリルアルコール、アリルアミン、エポキシブテン等が挙げられる。これらのうち、特にα、β−不飽和カルボン酸、α、β−不飽和カルボ酸無水物が好ましい。
α、β−不飽和カルボン酸、α、β−不飽和カルボ酸無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、ケイ皮酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アニコット酸等が挙げられ、一種または二種以上用いることができる。特に無水マレイン酸が好ましい。
α、β−不飽和アルデヒドとしては、アクロレイン、メタクリルアルデヒド、シンナミルアルデヒド等が挙げられ、α、β−不飽和ケトンとしては、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン等が挙げられる。またα、β−不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、マレイン酸メチルモノエステル、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸エチルモノエステル、マレイン酸ジエチルエステル等が挙げられ、α、β−不飽和カルボニル酸アミドとしては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸N−メチルアミド等が挙げられ、α、β−不飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、酢酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニルエステル、安息香酸ビニルエステル等が挙げられる。さらには、既にα、β−不飽和カルボン酸エステルの具体例で例示したように、2種以上のカルボニル基を含有していてもいい。
また、α、β−不飽和カルボニル基含有化合物に、ジオール、ジアミン、グリシジルアルコール等の多官能基含有化合物を反応させた末端に水酸基、アミノ基、エポキシ基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド等も挙げられる。
さらに別の方法としては、α、β−不飽和カルボニル化合物で変性したオレフィン系樹脂を、ジオール、ジアミン、グリシジルアルコール等の上記多官能基含有化合物でさらに変性したカルボニル基含有オレフィン系樹脂も使用可能であり、また酢酸ビニル等のビニルエステルで変性した官能基含有オレフィン系樹脂を、加水分解により変性させた水酸基含有オレフィン系樹脂も挙げられる。
【0008】
また不飽和官能基含有化合物の使用割合は、オレフィン単量体の合計量100重量部またはオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜80重量部の範囲であり、好ましくは0.05〜50重量部であり、より好ましくは0.1〜20重量部である。不飽和官能基含有化合物の使用割合が0.01重量部未満では、反応により結合するポリウレタン量が充分ではなく、相溶化剤としての親和性不足のため得られる樹脂組成物の表面外観が悪く、表層剥離が起こり好ましくない。一方、80重量部を超えると得られるオレフィン系樹脂の取扱性が劣るため好ましくない。
【0009】
官能基含有化合物変性オレフィン系樹脂の製造法には何ら制限はないが、例えばポリオレフィンに対し、不飽和官能基含有化合物をグラフト反応せしめる場合には、ポリオレフィン、不飽和官能基含有化合物、および少量の有機過酸化物をヘンシェルミキサーなどを用いて混合した混合物を単軸または2軸の押出機に供給し、180〜250℃の温度で溶融混練する方法、ポリオレフィンを適当な溶剤に溶解し、これに不飽和官能基含有化合物および有機過酸化物を添加して溶液状態でグラフト反応せしめる方法が例示される。さらには、不飽和官能基含有化合物と上記オレフィンとのブロック、またはランダム共重合させる場合には、オレフィンと不飽和官能基含有化合物を直接共重合する方法などが挙げられる。
【0010】
本発明の(A)官能基含有オレフィン系樹脂の分子量については、5000〜80000であることが好ましく、5000未満では加工性が劣り、80000を超えると層剥離を引き起こすため好ましくない。
【0011】
本発明にて用いられるポリウレタン(B)としては、ポリイソシアネート化合物(イソシアネート成分)とポリヒドロキシル化合物(高分子ポリオールおよび/または低分子量ポリオール)とを反応してなるポリウレタンである。
【0012】
該ポリウレタンの製造に用いられるポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートおよびこれらのジイソシアネートの変性物が挙げられる。このようなジイソシアネートの具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ピリジンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0013】
ポリウレタンの製造に用いられるポリヒドロキシル化合物としての高分子ポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオールおよびこれらの混合物が好ましい。
【0014】
ポリエステルポリオールとは、多価アルコールと多塩基性カルボン酸の縮合物、ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等が挙げられ、多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のグリコール単独あるいは混合物が挙げられる。多塩基性カルボン酸としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の2塩基酸が例示される。ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールの縮合物としては、ひまし油、ひまし油とエチレングリコール、プロピレングリコール等の反応物も使用できる。
【0015】
低分子ポリオールとしては、前記ジオールが使用できる。
【0016】
さらに、ポリエステルポリオールとしては、ε−カプロラクトン等の環状エステルをグリコール等の存在下で開環付加重合したポリカプロラクトンジオール類も用いることができる。このカプロラクトンジオール類としては、先に述べた多価アルコール類にε−カプロラクトン、σ−バレロラクトン等の1種または2種以上を付加重合させたものを使用することができる。
【0017】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させた生成物であり、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリメチレングリコール等が例示される。ここで2個以上の活性水素を有する化合物としては例えば先に述べた多価アルコール、多塩基性カルボン酸の他、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン類、レゾルシン、ビスフェノール等の多価フェノール類、ひまし油等が挙げられる。
【0018】
ポリブタジエンジオールとは数平均分子量500〜25000の炭素数4〜12のジエン系重合体、共重合体で、更にはこれらのジエンモノマーと炭素数2〜22のオレフィン性付加重合体モノマーとの共重合体があり、例えばポリブタジエンホモポリマー、ポリイソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。
【0019】
ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコール例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオールとホスゲン、クロル酢酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合により得られる数平均分子量300〜15000程度のものである。
【0020】
本発明における(A)官能基含有オレフィン系樹脂と(B)ポリウレタンとの構成割合は(A)官能基含有オレフィン系樹脂1〜30重量部と(B)ポリウレタン99〜70重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)であり、この範囲外では本発明の目的を達成することができないため好ましくない。好ましくは(A)官能基含有オフィン系樹脂90〜70重量部に対して、(B)ポリウレタン10〜30重量部である。
【0021】
本発明においては、(A)官能基含有オレフィン系樹脂と(B)ポリウレタンを210℃以上の温度で溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を製造方法するものであり、具体的にはそれぞれヘンシェルミキサーなどを用いて混合した混合物を単軸または2軸の押出機に供給し、210℃以上の温度で溶融混練するものである。
本発明においては、この溶融温度が重要であり、通常、このような溶融温度では(B)ポリウレタンの熱分解を伴う可能性があるため、所謂成形物としては問題が生じる可能性がある。しかし、本発明においては、(B)ポリウレタンの構成割合が低いためか、(B)ポリウレタンの多少の熱分解を伴うことが、却って(A)官能基含有オレフィン系樹脂との反応性が高めることができ、かつゴム強化スチレン系樹脂の耐薬品性を向上させることができ、さらにはオレフィン系樹脂との優れた相溶化剤になり得るものである。なお、該溶融温度の上限は250℃程度である。
特に、本発明の(A)官能基含有オレフィン系樹脂と(B)ポリウレタンを溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂にその一部もしくは大半のポリウレタンが、エステル結合、アミド結合、イミド結合、カーボネート結合、ウレタン結合、およびウレア結合等のカルボニル誘導体形成結合により結合していることが考えられる。
【0022】
また、本発明において公知の添加剤、例えば酸化防止剤〔フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が例示される。〕、紫外線吸収剤〔p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示される。〕、滑剤〔パラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド等が例示される。〕、着色剤〔例えば酸化チタン、カーボンブラック〕、充填剤〔例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等が例示される。〕、難燃剤〔例えばテトラブロムビスフェノールA、ヘキサブムシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ポリブロムヂフェニルオキサイド、ポリ−ジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノールAカーボネートオリゴマー、テトラブロムビスフェノールAエポキシオリゴマー、ブロム化フェノキシ、ブロム化ポリスチレン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、酸化アンチモン等が例示される。〕等を必要に応じて添加することができる。
【0023】
さらに、本発明においては、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリフェニレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、およびポリメチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエステル置換基含有高分子などの他の熱可塑性樹脂を配合することも可能である。
【0024】
次に、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限を受けるものではない。尚、部数および%についてはいずれも重量基準で示した。実施例および比較例で用いられた各種樹脂は以下のとおりである。
【0025】
(A−1)α,β−不飽和カルボン酸変性オレフィン系樹脂
住友化学工業社製 ポリプロピレン(商品名:ノーブレンAH561)100部、無水マレイン酸1部およびジクミルパーオキサイド0.2部をベント付押出機で混練(220℃)し、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(無水マレイン酸含有量0.2%)(A−1)を得た。
【0026】
(B−1)ポリウレタン
ダウケミカル社製 熱可塑性ポリウレタン(商品名:テトラセン2012−80A)
【0027】
熱可塑性樹脂組成物(C)
(A−1)無水マレイン酸変性ポリプロピレンと(B−1)熱可塑性ポリウレタンを配合比率1:1で配合し、ヘンシェルミキサーにてブレンドした後、単軸押出機で溶融混練(220℃)し、熱可塑性樹脂のペレット(C−1)を得た。
また、溶融温度を200℃に設定した以外はC−1と同様にして熱可塑性樹脂のペレット(C−2)を得た。
ゴム強化スチレン系樹脂(D)
D−1:日本エイアンドエル社製 ABS樹脂(商品名:クララスチックS−3137)
D−2:日本ポリスチレン社製 HIPS樹脂(商品名:H554)
オレフィン系樹脂(E)
E−1:住友化学工業社製 ポリプロピレン(商品名:ノーブレンW531)
【0028】
〔実施例1〜6、比較例1〜2〕
上記にて得られた(C−1)、(C−2)、ゴム強化スチレン系樹脂(D)、オレフィン系樹脂(E)を表1の配合比率で配合し、ヘンシェルミキサーにてブレンドした後、単軸押出機で溶融混練(220℃)し、各種熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。次に、得られたペレットを用いて、射出成形機(シリンダー温度220℃)により、下記の試験に必要な試験片を作成した。各試験片から各種性能を以下に示す方法に従って測定した。
【0029】
耐表層剥離性:厚さ2.0mmの平板成形品(100mm×150mm)のゲート部からの表層剥離性を評価した。評価は目視による3点法とし、最高を3点、最低を1点とした。即ち、数字が大きいほど耐表層剥離性に優れていることを示す。
耐衝撃性 :ASTM
D−256規格に基づきアイゾッド衝撃試験で評価した。単位:kJ/m
耐薬品性 :射出成形した角板(50mm×70mm×3mm)をガソリンに23℃で24時間浸漬して角板表面を目視で観察し、変化の有無を判定した。変化有りを×、変化無しを○とした。
加工性 :ASTM D−1238に基づきメルトインデックス(220℃、10Kg)を測定した。単位:g/10分。
【0030】
【表1】
Figure 2004300321
【0031】
【発明の効果】
本発明は、スチレン系樹脂の耐薬品性改良剤やポリオレフィンとスチレン系樹脂との相溶化剤として有用であり、特に耐表層剥離性、耐薬品性が良好で、耐衝撃性と加工性のバランスに優れた樹脂組成物を提供する。

Claims (5)

  1. (A)官能基含有オレフィン系樹脂1〜30重量部と(B)ポリウレタン99〜70重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を、210℃以上で溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. (A)官能基含有オレフィン系樹脂が、重量平均分子量5000〜80000の官能基含有オレフィン系樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. (A)官能基含有オレフィン系樹脂の官能基が、カルボニル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基である請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3記載の製造方法にて得られた熱可塑性樹脂組成物を、スチレン系樹脂の耐薬品性改良剤として用いる方法。
  5. 請求項1〜3記載の製造方法にて得られた熱可塑性樹脂組成物を、ポリオレフィンとスチレン系樹脂との相溶化剤として用いる方法。
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