JP2004299881A - 排紙トレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】排紙トレイにおいて、多数枚のシートが排紙されてストックされた際においても、常に良好にしかも簡単にシートが取り出せるようにする。
【解決手段】画像形成装置で画像が形成されたシートはシート排出口を介して排紙トレイ18に排紙される。排紙トレイはシートが順次積層される底面部18aと、底面部の外縁に設けられ、底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部18cとを有し、底面部の一部が可動片部183とされ、規制部の一部が可動部185として底面部の外縁回りに回動自在とされている。可動部を所定の方向に回動させた際、可動片部が連結部材18dによって底面部に対して、底面部とシートとの間に隙間を形成する方向に回動させられる。
【選択図】 図3
【解決手段】画像形成装置で画像が形成されたシートはシート排出口を介して排紙トレイ18に排紙される。排紙トレイはシートが順次積層される底面部18aと、底面部の外縁に設けられ、底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部18cとを有し、底面部の一部が可動片部183とされ、規制部の一部が可動部185として底面部の外縁回りに回動自在とされている。可動部を所定の方向に回動させた際、可動片部が連結部材18dによって底面部に対して、底面部とシートとの間に隙間を形成する方向に回動させられる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、又はファクシミリ等の画像形成装置で用いられる排出トレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像形成装置において、画像が形成されたシート(用紙)は、画像形成装置筐体に備えられた排紙口(排出口)から排紙され、排紙トレイに積載(ストック)される。排出口近傍には、排紙トレイ側に用紙を搬送する排出ローラ対が配設されており、排紙トレイは、例えば、用紙排出方向上流側の端部が排出口側端部よりも下方に位置するように配置されている。
【0003】
ところで、画像形成装置において、多数枚(例えば、100枚以上)の用紙が排紙トレイに排紙されると、その自重によって、用紙が排紙トレイの底面に密接した状態となって、排紙トレイ底面と用紙との間に指を挿入することができず、その結果、排紙トレイに排紙された用紙を上側から数枚〜数十枚に分けて排紙トレイから取り出さねばならず、手間がかかるばかりでなく、ページずれ等の不都合が生じることがある。
【0004】
このような不具合は、用紙サイズが大きくなるほど、一枚当たりの重さ及びサイズが大きくなるから、顕著になり、排紙トレイに排紙された用紙をスムーズに取り出すことができなくなってしまう。
【0005】
このような不具合を解消するため、つまり、排紙トレイにおけるストック性能を良好にするとともに、排紙トレイ上の用紙を取り出す際の操作性を良好にするため、排紙トレイが画像形成装置本体に固定されたトレイ本体と、このトレイ本体に対して回動可能に取り付けられた複数のリブガイドを備えて、リブガイドの支持面を、用紙搬送方向上流側で排紙口近傍に位置するように付勢して、用紙の重量に応じてリブガイドの支持面が下降するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−38247公報(段落(0045)〜段落(0048)、第10図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された排紙トレイにおいては、排紙トレイ上に用紙が排紙されていない状態では、リブガイドの支持面は用紙搬送方向上流側で、排紙口の高さ位置に近くなって、排紙される用紙の落下距離が短くなる。
【0008】
そして、リブガイドの支持面上に用紙が排紙されるにつれて、リブガイドが回動して支持面の用紙搬送方向上流側が低くなっていき、リブガイドの支持面上にストックされた用紙の最上面が常に排出口の高さ位置近傍となって、排紙される用紙の落下距離はほぼ一定に保つようにしている。
【0009】
さらに、最下層に位置する用紙は、リブガイドの支持面に支持されている結果、本体底板(トレイ本体)の上面から離間する結果、用紙下面に手を挿入して用紙を取り出すことが容易できるとしている。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された排紙トレイ1では、用紙を支持するリブカイドを用紙搬送方向に平行に複数配置して、用紙の自重に応じてリブガイドが下側に回動する結果、用紙が排紙トレイにストックされるにつれて、用紙と本体底面との間のすきまが短く(小さく)なって、多数枚の用紙が排紙トレイにストックされた状態では、用紙と本体底面との間のすきまに指等を挿入できない状態となってしまうことがある。
【0011】
そして、排紙トレイから用紙を取り出す際、排紙トレイにストックされた用紙が少数枚であれば、それ程取り出しに面倒はないものの、用紙サイズが大きい用紙が多数枚排紙トレイにストックされた際に、特にその取り出しが面倒であることを考慮すると、特許文献1に記載された排紙トレイでは、良好に用紙の取り出しを行うことができないという課題がある。
【0012】
本発明の目的は、多数枚の用紙が排出された(ストックされた)際においても、常に良好にしかも簡単に用紙の取り出しを行うことのできる排紙トレイを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、シートに画像を形成する画像形成装置で用いられ、前記画像が形成されたシートがシート排出口を介して排紙される排紙トレイであって、前記シートが順次積層される底面部と、該底面部の外縁に設けられ、前記底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部とを有し、前記底面部の一部が可動片部とされ、前記規制部の一部が可動部として前記底面部の外縁回りに回動自在とされており、前記可動部を所定の方向に回動させた際該所定方向の回動に応じて前記可動片部を前記底面部に対して前記底面部と前記シートとの間に隙間を形成する方向に回動させる連絡手段を有することを特徴とする排紙トレイが得られる。
【0014】
このようにして、シートが順次積層される底面部の外縁に底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部を備えて、底面部の一部を可動片部とし、規制部の一部を可動部として、可動部が底面部の外縁回りに回動自在とされて、可動部を所定の方向に回動させた際、可動片部を底面部に対して底面部とシートとの間に隙間を形成する方向に回動させるようにすれば、多数枚のシートがストックされた際においても、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができ、これによって、隙間に指等を挿入してシート束が把持できることになり、常に良好にしかも簡単にシートを排紙トレイから取り出すことができることになる。
【0015】
例えば、前記規制部は、前記底面部の前記シートの排紙方向端部に形成されており、前記所定の方向は前記可動部が前記規制部から離脱する方向であり、前記連絡手段はその一端が前記可動部に連結され、他端が前記可動片部に連結された円弧状の連結部材である。この際には、前記底面部を前記シート排出口側よりも前記シートの排紙方向端部が鉛直方向下側に位置するように前記画像形成装置の筐体に配設することが望ましい。
【0016】
このように、規制部を、底面部のシート排紙方向端部に形成して、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにすれば、規制部によってシートの先端位置が規制され、しかも、シートの先端位置を規制した状態で、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができることになる。
【0017】
また、前記規制部を前記底面部の前記シート排紙方向に平行で前記シートの幅方向に位置する端部にそれぞれ形成した板部材の一方として、前記所定の方向は前記可動部が前記規制部から離脱する方向であって、前記連絡手段はその一端が前記可動部に連結され、他端が前記可動片部に連結された円弧状の連結部材であるようにしてもよい。この際には、前記底面部を前記シート排出口側よりも前記シートの排紙方向端部が鉛直方向上に位置するように前記画像形成装置の筐体に配設することが望ましい。
【0018】
このようにして、規制部を、底面部の前記シート排紙方向に平行でシートの幅方向に位置する端部にそれぞれ形成した板部材の一方として、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにすれば、可動片部によってシートが持ち上げられた状態となっても、一対の板部材のいずれかによってシートの幅方向位置が規定されることになって、シートがずり落ちることがなく、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができることになる。
【0019】
なお、前記底面部に、前記シートの排紙方向に沿って形成され、前記底面部と直交する方向に突出するリブ部を設けるようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0021】
図1を参照して、まず、本発明による排紙トレイが用いられる画像形成装置の一例について説明する。なお、ここでは、画像形成装置として、大判の原稿、例えば、日本工業規格A列0番(以下「A0判」と呼ぶ: 841(mm)×1189(mm))のような大判サイズの原稿を読み取って記録用紙(A0判の記録用紙)に画像を形成する画像形成装置ついて説明するが、小サイズの原稿を読み取って記録用紙(以下単にシートと呼ぶ)に画像形成を行う画像形成装置についても本発明を適用できるものである。
【0022】
図示の画像形成装置は、例えば、A0判のような大きなサイズの原稿を読み取って画像形成を行う際に用いられる。画像形成装置は、装置筐体11を有しており、その底部にキャスタ車輪12が設けられ、このキャスタ車輪12によって自在に移動できるようになっている。
【0023】
装置筐体11の上部には、原稿搬送路13に沿って原稿を搬送するための原稿搬送部14が備えられており、装置筐体11の一側面(例えば前面)11aには、トナー像が転写されたシートが排出される排出口15が開口されている。装置筐体11には、後述する排紙トレイの一端が固定され、排出口15から排出されたシートは、排紙トレイ18に排紙される。なお、装置筐体11の上面端部には、画像形成に係る各種設定を行うためスイッチ及びキー等を配した操作部(図示せず)が設けられている。
【0024】
装置筐体11内には、ロール状に巻回された上中下3段のロールシート19a、19b、及び19cが収容されており、例えば、ロールシート19a、19b、及び19cはそれぞれ、普通紙、フィルム、及びトレーシングペーパである。また、装置筐体11の中央部には、A0判〜A4判等の、予め所定の長さに切断されたカットシートを、装置筐体11の前面11aに形成された手差し給紙部(手差し口)20を通して供給するためのバイパス給紙経路21が設けられている。
【0025】
上述のロールシート19aから、給紙ローラ22及び搬送ローラ23によってカッタ機構24にロールシートが送られ、ここで、予め設定された所定の長さに切断されてシートとされる(この切断長は原稿の長さに応じて決定されるか又は前述の設定部から入力される)、そして、シートは搬送ローラ25及び26を介して画像形成ユニット27に送られる。
【0026】
同様にして、ロールシート19b及び19cから、それぞれ給紙ローラ28及び29によって給紙が行われ、搬送ローラ23によってカッタ機構24にロールシートが搬送されることになる。
【0027】
一方、手差し給紙部20からバイパス給紙経路21に挿入されたシートは、分離ローラ30によって1枚ずつ分離されて、レジストローラ31、及び搬送ローラ26を介して、画像形成ユニット27に送られる。
【0028】
ところで、前述の操作部には、用紙の種類・質(例えば、前述の普通紙、フィルム、トレーシングペーパ)を選択する用紙選択ボタンが規定されており、この用紙選択ボタンによって、ユーザが画像形成を行う用紙(シート)の種類・質を選択することになり、用紙選択ボタンによって選択されたロールシートがカッタ機構24に搬送されることになる。
【0029】
さらに、操作部には用紙サイズ選択ボタンが規定されており、この用紙サイズ選択ボタンによって、ユーザが画像形成を行う用紙(シート)のサイズを選択することになり、用紙サイズボタンによって選択されたサイズにカッタ機構24がロールシートを切断してシートとする。
【0030】
画像形成を行う際には、原稿搬送部14に原稿が配置される。この原稿搬送部14には、第1〜第3の原稿搬送ローラ14a〜14cが備えられており、これら第1〜第3の原稿搬送ローラ14a〜14cによって原稿が、図中破線矢印で示す方向に移動される。
【0031】
そして、原稿を移動させつつ、原稿読取部(原稿走査部)32から原稿に光を照射して、原稿からの反射光を、レンズ33を介して画像形成ユニット27に導く(つまり、原稿読取部では、原稿上の画像を読み取って読み取りデータとして画像形成ユニット27に与えることになる)。
【0032】
画像形成ユニット27は、像担持体である感光体ドラム27aを備えており、感光体ドラム27aの回転方向(図中実線矢印で示す)に沿って、帯電器27b、現像装置27c、転写装置27d、及びクリーニングユニット27eが配置されている。なお、レンズ33の露光位置は帯電器27bと現像装置27cとの間に位置づけられている。
【0033】
感光体ドラム27aの表面は、帯電器27bによって均一に帯電され、露光位置で原稿の画像パターン(読み取りデータ)に応じて感光体ドラム27aが露光されて、感光体ドラム27a上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置27cによって現像されて、トナー像とされる。
【0034】
感光体ドラム27aと転写装置27dとの間には(例えば、ニップ部)、搬送ローラ26によってシートが搬送され、転写装置27dによって感光体ドラム27a上のトナー像が転写像としてシートに転写される。その後、シートは定着ユニット34に送られて、ここでシートにトナー像が定着されて、シートは排紙ローラ35によってシート排出口15に導かれる。なお、トナー像転写の後、感光体ドラム27aに残留したトナーはクリーニングユニット27eによってクリーニングされる。
【0035】
図2を参照すると、シート排出口15の下側において、装置筐体11には排紙トレイ18の一端が固定されており、図示の例では、排紙トレイ18の他端は一端よりも下側に位置している。つまり、排紙トレイ18はシート排紙方向(搬送方向)上流側が上側に位置するように、斜め下向きに装置筐体11に取り付けられている。
【0036】
排紙トレイ18は、底面板部18a、底面板部18aに直交する状態で底面板部18aに一体に形成されたリブ体18b、及び底面板部18aと直交する状態で底面板部18aの他端に沿って取り付けられた終端板部(当たり板)18cを有しており、後述するように、終端板部18cの一部(以下可動板部と呼ぶ)は底面板部18aの他端に沿って配置された回転軸体(図2には示さず)の回りに回動自在に取り付けられ、前述の可動板部には円弧状の連結部材18dの一端が連結されている。そして、連結部材18dの他端は、底面板部18aの下側面に連結されて、この連結部分に対応して、底面板部18aの一部(以下可動片部と呼ぶ)が可動板部の回動に連動して、後述するように移動する。
【0037】
ここで、図3を参照して、図3は排紙トレイ18を示す斜視図であり、この排紙トレイ18には、図中実線矢印で示す方向からシートが排紙される。前述したように、底面板部18aには、シート排紙方向に延びるリブ体18bが一体に形成されており、リブ体18bは底面板部18aの上面に直交する方向に突出している。図示の例では、3つのリブ体18bが互いに等間隔に配列されており、シート排出口側において、リブ体18bはテーパー状となっている。つまり、リブ体18bのシート排出口側端は、斜め上方に延びる傾斜面となっている。
【0038】
図中中央に位置するリブ体18bは、シート排紙方向に沿って第1及び第2のリブ部181及び182に分割されており、第2のリブ部182のシート排出口側端はテーパー状となっている。シート排紙方向下流側において、底面板部18aには矩形状の開口部が形成され、この開口部に矩形状の可動片部183が位置づけられ、この可動片部183は底面板部18aの一部を構成している。なお、可動片部183上に前述の第2のリブ部182が形成されている。
【0039】
底面板部18aのシート排紙方向端には、終端板部18cが底面板部18aのシート排紙方向端に沿って配設されており、終端板部18cは、底面板部18aのシート排出方向端に沿って第1〜第3の板部材184〜186に分割されて、第1及び第3の板部材184及び186は底面板部18aに一体に形成され、底面板部18aに直交する方向に延在している。
【0040】
第2の板部材185は第1及び第2の板部材の間に配置され、底面板部18aのシート排紙方向端に取り付けられた回転軸体187に、第2の板部材185の一端が回動可能に取り付けられている。そして、この第2の板部材185が前述の可動板部となる。
【0041】
可動板部185の外側面には円弧状の連結部材18dの一端が連結され、この連結部材18dは底面板部18aの下側を通過して、可動片部183の下面に連結されている。具体的には、可動片部183の下面には、リンク部材188が取り付けられ、このリンク部材188を介して連結部材18dの他端が可動片部183に連結されている。
【0042】
リンク部材188は、一対の脚部189を備える取付部材190と、この脚部189間に挿通されたピン部材191とを有し、このピン部材191に連結部材18dの他端が回動可能に取り付けられている。図3に示す状態では、可動板部185は底面板部18aに対して直交状態に維持され、例えば、図示しないストッパー等によって底面板部18aに保持されている。また、図3に示す状態では、可動片部183は底面板部18aと同一の平面を形成している。
【0043】
排紙トレイ18が図3に示す状態で、画像形成装置によってシートに画像が形成されて、前述したように、シート排出口15から排紙トレイ18に排紙される。一枚目のシートの先端はリブ体18bの傾斜面に沿って案内され、リブ体18bに沿ってシート排紙方向に進む。そして、シートの先端が終端板部18cに当接して、シートは止まり、終端板部18cによってシートの先端が揃えられることになる。二枚目以降のシートは排紙トレイ18上のシート上に排紙されることなり、同様にして、シートの先端が終端板部18cに当接して、シートは止まり、終端板部18cによってシートの先端が揃えられる。
【0044】
上述のようにして、画像形成が終了するまで、複数枚のシートが排紙トレイ18に排紙される。ここで、図4も参照して、排紙トレイ18上に排紙されたシートを取り出す際には、図3において、破線矢印で示すように、可動板部185を手前側に引く。すると、ストッパーが外れて、可動板部185は回転軸体187回りに回動する。
【0045】
この回動によって連結部材18dが図3に破線矢印で示す方向に移動することになって、連結部材18dの他端に連結された可動片部183が、連結部材18dの円弧の延長線上に沿って上向きに移動することになる。この際、連結部材18cは、前述のように、リンク部材188によって可動片部183に連結されているから、可動片部183の移動が阻害されることはない。
【0046】
可動片部183の移動によって、排紙トレイ18に排紙されたシートSは、持ち上げられることになり、図4に示すように、可動板部185を、底面板部18aと同一平面を規定するまで回動させると、ここで、可動板部185の回動は停止する。この際、可動片部183は、可動板部185の回動によって形成された空間内に達するが、可動片部183の上面(第2のリブ部182の上端)は、第1及び第3の板部材184及び186の上端よりも下側に位置し、第1及び第3の板部材184及び185によってシートSの先端が押さえられて、シートがずり落ちることはない。
【0047】
上述のようにして、可動板部185を回動させると、可動片部183が持ち上がって、これによって、排紙トレイ18にストックされたシート束の後端側が持ち上がって、底面板部18aと最下位に位置するシートとの間に大きな隙間(空間)ができる。そして、この隙間に指を挿入して、シート束を把持すれば、多数のシートを容易に排紙トレイ18から取り出すことができる。
【0048】
排紙トレイ18からシート束を取り出した後には、可動板部185を逆向きに回動させて、元の位置に戻すと、ストッパーによって可動板部185が底面板部18aに保持されて図3に示す状態となる。これによって、可動片部183も元の位置に戻って、底面板部18aと同一平面を形成する。
【0049】
図3及び図4に示す例では、底面板部18aのシート排紙方向端に終端板部18aを設け、この終端板部18aの一部を可動板部185として、排紙トレイ18にストックされたシートを取り出す際、この可動板部185の回動操作によって、底面板部18aの一部である可動片部183を上方向に移動させて、底面板部18aとシート束の最下位に位置するシートとの間に大きな隙間を形成するようにしたが、底面板部18aにおいて、シートの幅方向端部にそれぞれ位置規制板部を設けて、一方の位置規制板部に前述の可動板部を形成するようにしてもよい。
【0050】
具体的には、図5を参照して、ここでは、実線矢印で示す方向からシートが排紙される。このような排紙トレイ18では、排紙トレイ18のシート排紙方向端からシートが落下するのを防止するため、シート排出口側端よりもシート排紙方向端が上側となるように、排紙トレイ18が装置筐体11に固定される。
【0051】
図5に示すように、底面板部18aにおいて、シート幅方向の両端にはそれぞれ位置規制板部61及び62が、底面板部18aと直交する状態に形成されており、図示の例では、位置規制板部61の高さは位置規制板部62の高さよりも高い。
【0052】
そして、位置規制板部61は、前述した第1〜第3の板部材184〜185を備えて、可動板部である第2の板部材185が底面板部18aの側端に沿って設けられた回転軸体187回りに回動することになる。なお、図5において、図3に示す例と同一の構成要素については同一の参照番号が付されており、図5に示す例では、中央に位置するリブ体18bがシート排紙方向に沿って3つに分割されている。
【0053】
排紙トレイ18にストックされたシート束を取り出す際には、図3及び図4で説明したようにしてシート束を取り出す。つまり、図5に示す状態から可動板部185を側面外側に回動させて、連結部材18dを回動させ、これによって、可動片部183を持ち上げる。そして、シート束の最下位に位置するシートSと底面板部18aとの間に隙間を形成して、この隙間に指を挿入して、シート束を把持して、排紙トレイ18から取り出す(図6参照)。
【0054】
この際、シート束は幅方向の一側端側が持ち上がることになるが、幅方向の他側端側には、位置規制板部62が配置されているから、シート束が排紙トレイからずり落ちることはない。
【0055】
このようにして、排紙トレイ18にストックされたシート束を取り出すようにすれば、シートサイズが大きく、しかもシート枚数が多い場合においても、容易に排紙トレイの底面とシート束の最下位に位置するシートとの間に大きな隙間を形成することができ、簡単に多量のシートを排紙トレイから取り出すことができる。
【0056】
なお、上述の例では、シートが、A0判等の大型サイズである場合について説明したが、通常のサイズ(例えば、A4版)においても、上述のようにして、シート束を持ち上げるようにすれば、排紙トレイから多量のシートを容易に取り出すことができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シートが順次積層される底面部の外縁に底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部を備えて、底面部の一部を可動片部とし、規制部の一部を可動部として、可動部が底面部の外縁回りに回動自在とされて、可動部を所定の方向に回動させた際、可動片部を底面部に対して底面部とシートとの間に隙間を形成する方向に回動させるようにしたから、多数枚のシートがストックされた際においても、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができ、その結果、隙間に指等を挿入してシート束が把持できることになって、常に良好にしかも簡単にシートを排紙トレイから取り出すことができるという効果がある。
【0058】
本発明では、規制部を、底面部のシート排紙方向端部に形成して、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにしたから、規制部によってシートの先端位置が規制され、しかも、シートの先端位置を規制した状態で、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができるという効果がある。
【0059】
本発明では、規制部を、底面部の前記シート排紙方向に平行でシートの幅方向に位置する端部にそれぞれ形成した板部材の一方として、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにしたから、可動片部によってシートが持ち上げられた状態となっても、一対の板部材のいずれかによってシートの幅方向位置が規定されることになって、シートがずり落ちることがなく、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排紙トレイが用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置において、装置筐体と排紙トレイとの関係の概略図である。
【図3】本発明による排紙トレイの一例をシートがストックされる前の状態で示す斜視図である。
【図4】図3に示す排紙トレイにおいて、ストックされたシートを取り出す際の動作を説明するための斜視図である。
【図5】本発明による排紙トレイの他の例をシートがストックされる前の状態で示す斜視図である。
【図6】図5に示す排紙トレイにおいて、ストックされたシートを取り出す際の動作を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
11 装置筐体
11a 前面側
15 シート排出口
18 排紙トレイ
35 排紙ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、又はファクシミリ等の画像形成装置で用いられる排出トレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像形成装置において、画像が形成されたシート(用紙)は、画像形成装置筐体に備えられた排紙口(排出口)から排紙され、排紙トレイに積載(ストック)される。排出口近傍には、排紙トレイ側に用紙を搬送する排出ローラ対が配設されており、排紙トレイは、例えば、用紙排出方向上流側の端部が排出口側端部よりも下方に位置するように配置されている。
【0003】
ところで、画像形成装置において、多数枚(例えば、100枚以上)の用紙が排紙トレイに排紙されると、その自重によって、用紙が排紙トレイの底面に密接した状態となって、排紙トレイ底面と用紙との間に指を挿入することができず、その結果、排紙トレイに排紙された用紙を上側から数枚〜数十枚に分けて排紙トレイから取り出さねばならず、手間がかかるばかりでなく、ページずれ等の不都合が生じることがある。
【0004】
このような不具合は、用紙サイズが大きくなるほど、一枚当たりの重さ及びサイズが大きくなるから、顕著になり、排紙トレイに排紙された用紙をスムーズに取り出すことができなくなってしまう。
【0005】
このような不具合を解消するため、つまり、排紙トレイにおけるストック性能を良好にするとともに、排紙トレイ上の用紙を取り出す際の操作性を良好にするため、排紙トレイが画像形成装置本体に固定されたトレイ本体と、このトレイ本体に対して回動可能に取り付けられた複数のリブガイドを備えて、リブガイドの支持面を、用紙搬送方向上流側で排紙口近傍に位置するように付勢して、用紙の重量に応じてリブガイドの支持面が下降するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−38247公報(段落(0045)〜段落(0048)、第10図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された排紙トレイにおいては、排紙トレイ上に用紙が排紙されていない状態では、リブガイドの支持面は用紙搬送方向上流側で、排紙口の高さ位置に近くなって、排紙される用紙の落下距離が短くなる。
【0008】
そして、リブガイドの支持面上に用紙が排紙されるにつれて、リブガイドが回動して支持面の用紙搬送方向上流側が低くなっていき、リブガイドの支持面上にストックされた用紙の最上面が常に排出口の高さ位置近傍となって、排紙される用紙の落下距離はほぼ一定に保つようにしている。
【0009】
さらに、最下層に位置する用紙は、リブガイドの支持面に支持されている結果、本体底板(トレイ本体)の上面から離間する結果、用紙下面に手を挿入して用紙を取り出すことが容易できるとしている。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された排紙トレイ1では、用紙を支持するリブカイドを用紙搬送方向に平行に複数配置して、用紙の自重に応じてリブガイドが下側に回動する結果、用紙が排紙トレイにストックされるにつれて、用紙と本体底面との間のすきまが短く(小さく)なって、多数枚の用紙が排紙トレイにストックされた状態では、用紙と本体底面との間のすきまに指等を挿入できない状態となってしまうことがある。
【0011】
そして、排紙トレイから用紙を取り出す際、排紙トレイにストックされた用紙が少数枚であれば、それ程取り出しに面倒はないものの、用紙サイズが大きい用紙が多数枚排紙トレイにストックされた際に、特にその取り出しが面倒であることを考慮すると、特許文献1に記載された排紙トレイでは、良好に用紙の取り出しを行うことができないという課題がある。
【0012】
本発明の目的は、多数枚の用紙が排出された(ストックされた)際においても、常に良好にしかも簡単に用紙の取り出しを行うことのできる排紙トレイを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、シートに画像を形成する画像形成装置で用いられ、前記画像が形成されたシートがシート排出口を介して排紙される排紙トレイであって、前記シートが順次積層される底面部と、該底面部の外縁に設けられ、前記底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部とを有し、前記底面部の一部が可動片部とされ、前記規制部の一部が可動部として前記底面部の外縁回りに回動自在とされており、前記可動部を所定の方向に回動させた際該所定方向の回動に応じて前記可動片部を前記底面部に対して前記底面部と前記シートとの間に隙間を形成する方向に回動させる連絡手段を有することを特徴とする排紙トレイが得られる。
【0014】
このようにして、シートが順次積層される底面部の外縁に底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部を備えて、底面部の一部を可動片部とし、規制部の一部を可動部として、可動部が底面部の外縁回りに回動自在とされて、可動部を所定の方向に回動させた際、可動片部を底面部に対して底面部とシートとの間に隙間を形成する方向に回動させるようにすれば、多数枚のシートがストックされた際においても、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができ、これによって、隙間に指等を挿入してシート束が把持できることになり、常に良好にしかも簡単にシートを排紙トレイから取り出すことができることになる。
【0015】
例えば、前記規制部は、前記底面部の前記シートの排紙方向端部に形成されており、前記所定の方向は前記可動部が前記規制部から離脱する方向であり、前記連絡手段はその一端が前記可動部に連結され、他端が前記可動片部に連結された円弧状の連結部材である。この際には、前記底面部を前記シート排出口側よりも前記シートの排紙方向端部が鉛直方向下側に位置するように前記画像形成装置の筐体に配設することが望ましい。
【0016】
このように、規制部を、底面部のシート排紙方向端部に形成して、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにすれば、規制部によってシートの先端位置が規制され、しかも、シートの先端位置を規制した状態で、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができることになる。
【0017】
また、前記規制部を前記底面部の前記シート排紙方向に平行で前記シートの幅方向に位置する端部にそれぞれ形成した板部材の一方として、前記所定の方向は前記可動部が前記規制部から離脱する方向であって、前記連絡手段はその一端が前記可動部に連結され、他端が前記可動片部に連結された円弧状の連結部材であるようにしてもよい。この際には、前記底面部を前記シート排出口側よりも前記シートの排紙方向端部が鉛直方向上に位置するように前記画像形成装置の筐体に配設することが望ましい。
【0018】
このようにして、規制部を、底面部の前記シート排紙方向に平行でシートの幅方向に位置する端部にそれぞれ形成した板部材の一方として、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにすれば、可動片部によってシートが持ち上げられた状態となっても、一対の板部材のいずれかによってシートの幅方向位置が規定されることになって、シートがずり落ちることがなく、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができることになる。
【0019】
なお、前記底面部に、前記シートの排紙方向に沿って形成され、前記底面部と直交する方向に突出するリブ部を設けるようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0021】
図1を参照して、まず、本発明による排紙トレイが用いられる画像形成装置の一例について説明する。なお、ここでは、画像形成装置として、大判の原稿、例えば、日本工業規格A列0番(以下「A0判」と呼ぶ: 841(mm)×1189(mm))のような大判サイズの原稿を読み取って記録用紙(A0判の記録用紙)に画像を形成する画像形成装置ついて説明するが、小サイズの原稿を読み取って記録用紙(以下単にシートと呼ぶ)に画像形成を行う画像形成装置についても本発明を適用できるものである。
【0022】
図示の画像形成装置は、例えば、A0判のような大きなサイズの原稿を読み取って画像形成を行う際に用いられる。画像形成装置は、装置筐体11を有しており、その底部にキャスタ車輪12が設けられ、このキャスタ車輪12によって自在に移動できるようになっている。
【0023】
装置筐体11の上部には、原稿搬送路13に沿って原稿を搬送するための原稿搬送部14が備えられており、装置筐体11の一側面(例えば前面)11aには、トナー像が転写されたシートが排出される排出口15が開口されている。装置筐体11には、後述する排紙トレイの一端が固定され、排出口15から排出されたシートは、排紙トレイ18に排紙される。なお、装置筐体11の上面端部には、画像形成に係る各種設定を行うためスイッチ及びキー等を配した操作部(図示せず)が設けられている。
【0024】
装置筐体11内には、ロール状に巻回された上中下3段のロールシート19a、19b、及び19cが収容されており、例えば、ロールシート19a、19b、及び19cはそれぞれ、普通紙、フィルム、及びトレーシングペーパである。また、装置筐体11の中央部には、A0判〜A4判等の、予め所定の長さに切断されたカットシートを、装置筐体11の前面11aに形成された手差し給紙部(手差し口)20を通して供給するためのバイパス給紙経路21が設けられている。
【0025】
上述のロールシート19aから、給紙ローラ22及び搬送ローラ23によってカッタ機構24にロールシートが送られ、ここで、予め設定された所定の長さに切断されてシートとされる(この切断長は原稿の長さに応じて決定されるか又は前述の設定部から入力される)、そして、シートは搬送ローラ25及び26を介して画像形成ユニット27に送られる。
【0026】
同様にして、ロールシート19b及び19cから、それぞれ給紙ローラ28及び29によって給紙が行われ、搬送ローラ23によってカッタ機構24にロールシートが搬送されることになる。
【0027】
一方、手差し給紙部20からバイパス給紙経路21に挿入されたシートは、分離ローラ30によって1枚ずつ分離されて、レジストローラ31、及び搬送ローラ26を介して、画像形成ユニット27に送られる。
【0028】
ところで、前述の操作部には、用紙の種類・質(例えば、前述の普通紙、フィルム、トレーシングペーパ)を選択する用紙選択ボタンが規定されており、この用紙選択ボタンによって、ユーザが画像形成を行う用紙(シート)の種類・質を選択することになり、用紙選択ボタンによって選択されたロールシートがカッタ機構24に搬送されることになる。
【0029】
さらに、操作部には用紙サイズ選択ボタンが規定されており、この用紙サイズ選択ボタンによって、ユーザが画像形成を行う用紙(シート)のサイズを選択することになり、用紙サイズボタンによって選択されたサイズにカッタ機構24がロールシートを切断してシートとする。
【0030】
画像形成を行う際には、原稿搬送部14に原稿が配置される。この原稿搬送部14には、第1〜第3の原稿搬送ローラ14a〜14cが備えられており、これら第1〜第3の原稿搬送ローラ14a〜14cによって原稿が、図中破線矢印で示す方向に移動される。
【0031】
そして、原稿を移動させつつ、原稿読取部(原稿走査部)32から原稿に光を照射して、原稿からの反射光を、レンズ33を介して画像形成ユニット27に導く(つまり、原稿読取部では、原稿上の画像を読み取って読み取りデータとして画像形成ユニット27に与えることになる)。
【0032】
画像形成ユニット27は、像担持体である感光体ドラム27aを備えており、感光体ドラム27aの回転方向(図中実線矢印で示す)に沿って、帯電器27b、現像装置27c、転写装置27d、及びクリーニングユニット27eが配置されている。なお、レンズ33の露光位置は帯電器27bと現像装置27cとの間に位置づけられている。
【0033】
感光体ドラム27aの表面は、帯電器27bによって均一に帯電され、露光位置で原稿の画像パターン(読み取りデータ)に応じて感光体ドラム27aが露光されて、感光体ドラム27a上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置27cによって現像されて、トナー像とされる。
【0034】
感光体ドラム27aと転写装置27dとの間には(例えば、ニップ部)、搬送ローラ26によってシートが搬送され、転写装置27dによって感光体ドラム27a上のトナー像が転写像としてシートに転写される。その後、シートは定着ユニット34に送られて、ここでシートにトナー像が定着されて、シートは排紙ローラ35によってシート排出口15に導かれる。なお、トナー像転写の後、感光体ドラム27aに残留したトナーはクリーニングユニット27eによってクリーニングされる。
【0035】
図2を参照すると、シート排出口15の下側において、装置筐体11には排紙トレイ18の一端が固定されており、図示の例では、排紙トレイ18の他端は一端よりも下側に位置している。つまり、排紙トレイ18はシート排紙方向(搬送方向)上流側が上側に位置するように、斜め下向きに装置筐体11に取り付けられている。
【0036】
排紙トレイ18は、底面板部18a、底面板部18aに直交する状態で底面板部18aに一体に形成されたリブ体18b、及び底面板部18aと直交する状態で底面板部18aの他端に沿って取り付けられた終端板部(当たり板)18cを有しており、後述するように、終端板部18cの一部(以下可動板部と呼ぶ)は底面板部18aの他端に沿って配置された回転軸体(図2には示さず)の回りに回動自在に取り付けられ、前述の可動板部には円弧状の連結部材18dの一端が連結されている。そして、連結部材18dの他端は、底面板部18aの下側面に連結されて、この連結部分に対応して、底面板部18aの一部(以下可動片部と呼ぶ)が可動板部の回動に連動して、後述するように移動する。
【0037】
ここで、図3を参照して、図3は排紙トレイ18を示す斜視図であり、この排紙トレイ18には、図中実線矢印で示す方向からシートが排紙される。前述したように、底面板部18aには、シート排紙方向に延びるリブ体18bが一体に形成されており、リブ体18bは底面板部18aの上面に直交する方向に突出している。図示の例では、3つのリブ体18bが互いに等間隔に配列されており、シート排出口側において、リブ体18bはテーパー状となっている。つまり、リブ体18bのシート排出口側端は、斜め上方に延びる傾斜面となっている。
【0038】
図中中央に位置するリブ体18bは、シート排紙方向に沿って第1及び第2のリブ部181及び182に分割されており、第2のリブ部182のシート排出口側端はテーパー状となっている。シート排紙方向下流側において、底面板部18aには矩形状の開口部が形成され、この開口部に矩形状の可動片部183が位置づけられ、この可動片部183は底面板部18aの一部を構成している。なお、可動片部183上に前述の第2のリブ部182が形成されている。
【0039】
底面板部18aのシート排紙方向端には、終端板部18cが底面板部18aのシート排紙方向端に沿って配設されており、終端板部18cは、底面板部18aのシート排出方向端に沿って第1〜第3の板部材184〜186に分割されて、第1及び第3の板部材184及び186は底面板部18aに一体に形成され、底面板部18aに直交する方向に延在している。
【0040】
第2の板部材185は第1及び第2の板部材の間に配置され、底面板部18aのシート排紙方向端に取り付けられた回転軸体187に、第2の板部材185の一端が回動可能に取り付けられている。そして、この第2の板部材185が前述の可動板部となる。
【0041】
可動板部185の外側面には円弧状の連結部材18dの一端が連結され、この連結部材18dは底面板部18aの下側を通過して、可動片部183の下面に連結されている。具体的には、可動片部183の下面には、リンク部材188が取り付けられ、このリンク部材188を介して連結部材18dの他端が可動片部183に連結されている。
【0042】
リンク部材188は、一対の脚部189を備える取付部材190と、この脚部189間に挿通されたピン部材191とを有し、このピン部材191に連結部材18dの他端が回動可能に取り付けられている。図3に示す状態では、可動板部185は底面板部18aに対して直交状態に維持され、例えば、図示しないストッパー等によって底面板部18aに保持されている。また、図3に示す状態では、可動片部183は底面板部18aと同一の平面を形成している。
【0043】
排紙トレイ18が図3に示す状態で、画像形成装置によってシートに画像が形成されて、前述したように、シート排出口15から排紙トレイ18に排紙される。一枚目のシートの先端はリブ体18bの傾斜面に沿って案内され、リブ体18bに沿ってシート排紙方向に進む。そして、シートの先端が終端板部18cに当接して、シートは止まり、終端板部18cによってシートの先端が揃えられることになる。二枚目以降のシートは排紙トレイ18上のシート上に排紙されることなり、同様にして、シートの先端が終端板部18cに当接して、シートは止まり、終端板部18cによってシートの先端が揃えられる。
【0044】
上述のようにして、画像形成が終了するまで、複数枚のシートが排紙トレイ18に排紙される。ここで、図4も参照して、排紙トレイ18上に排紙されたシートを取り出す際には、図3において、破線矢印で示すように、可動板部185を手前側に引く。すると、ストッパーが外れて、可動板部185は回転軸体187回りに回動する。
【0045】
この回動によって連結部材18dが図3に破線矢印で示す方向に移動することになって、連結部材18dの他端に連結された可動片部183が、連結部材18dの円弧の延長線上に沿って上向きに移動することになる。この際、連結部材18cは、前述のように、リンク部材188によって可動片部183に連結されているから、可動片部183の移動が阻害されることはない。
【0046】
可動片部183の移動によって、排紙トレイ18に排紙されたシートSは、持ち上げられることになり、図4に示すように、可動板部185を、底面板部18aと同一平面を規定するまで回動させると、ここで、可動板部185の回動は停止する。この際、可動片部183は、可動板部185の回動によって形成された空間内に達するが、可動片部183の上面(第2のリブ部182の上端)は、第1及び第3の板部材184及び186の上端よりも下側に位置し、第1及び第3の板部材184及び185によってシートSの先端が押さえられて、シートがずり落ちることはない。
【0047】
上述のようにして、可動板部185を回動させると、可動片部183が持ち上がって、これによって、排紙トレイ18にストックされたシート束の後端側が持ち上がって、底面板部18aと最下位に位置するシートとの間に大きな隙間(空間)ができる。そして、この隙間に指を挿入して、シート束を把持すれば、多数のシートを容易に排紙トレイ18から取り出すことができる。
【0048】
排紙トレイ18からシート束を取り出した後には、可動板部185を逆向きに回動させて、元の位置に戻すと、ストッパーによって可動板部185が底面板部18aに保持されて図3に示す状態となる。これによって、可動片部183も元の位置に戻って、底面板部18aと同一平面を形成する。
【0049】
図3及び図4に示す例では、底面板部18aのシート排紙方向端に終端板部18aを設け、この終端板部18aの一部を可動板部185として、排紙トレイ18にストックされたシートを取り出す際、この可動板部185の回動操作によって、底面板部18aの一部である可動片部183を上方向に移動させて、底面板部18aとシート束の最下位に位置するシートとの間に大きな隙間を形成するようにしたが、底面板部18aにおいて、シートの幅方向端部にそれぞれ位置規制板部を設けて、一方の位置規制板部に前述の可動板部を形成するようにしてもよい。
【0050】
具体的には、図5を参照して、ここでは、実線矢印で示す方向からシートが排紙される。このような排紙トレイ18では、排紙トレイ18のシート排紙方向端からシートが落下するのを防止するため、シート排出口側端よりもシート排紙方向端が上側となるように、排紙トレイ18が装置筐体11に固定される。
【0051】
図5に示すように、底面板部18aにおいて、シート幅方向の両端にはそれぞれ位置規制板部61及び62が、底面板部18aと直交する状態に形成されており、図示の例では、位置規制板部61の高さは位置規制板部62の高さよりも高い。
【0052】
そして、位置規制板部61は、前述した第1〜第3の板部材184〜185を備えて、可動板部である第2の板部材185が底面板部18aの側端に沿って設けられた回転軸体187回りに回動することになる。なお、図5において、図3に示す例と同一の構成要素については同一の参照番号が付されており、図5に示す例では、中央に位置するリブ体18bがシート排紙方向に沿って3つに分割されている。
【0053】
排紙トレイ18にストックされたシート束を取り出す際には、図3及び図4で説明したようにしてシート束を取り出す。つまり、図5に示す状態から可動板部185を側面外側に回動させて、連結部材18dを回動させ、これによって、可動片部183を持ち上げる。そして、シート束の最下位に位置するシートSと底面板部18aとの間に隙間を形成して、この隙間に指を挿入して、シート束を把持して、排紙トレイ18から取り出す(図6参照)。
【0054】
この際、シート束は幅方向の一側端側が持ち上がることになるが、幅方向の他側端側には、位置規制板部62が配置されているから、シート束が排紙トレイからずり落ちることはない。
【0055】
このようにして、排紙トレイ18にストックされたシート束を取り出すようにすれば、シートサイズが大きく、しかもシート枚数が多い場合においても、容易に排紙トレイの底面とシート束の最下位に位置するシートとの間に大きな隙間を形成することができ、簡単に多量のシートを排紙トレイから取り出すことができる。
【0056】
なお、上述の例では、シートが、A0判等の大型サイズである場合について説明したが、通常のサイズ(例えば、A4版)においても、上述のようにして、シート束を持ち上げるようにすれば、排紙トレイから多量のシートを容易に取り出すことができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シートが順次積層される底面部の外縁に底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部を備えて、底面部の一部を可動片部とし、規制部の一部を可動部として、可動部が底面部の外縁回りに回動自在とされて、可動部を所定の方向に回動させた際、可動片部を底面部に対して底面部とシートとの間に隙間を形成する方向に回動させるようにしたから、多数枚のシートがストックされた際においても、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができ、その結果、隙間に指等を挿入してシート束が把持できることになって、常に良好にしかも簡単にシートを排紙トレイから取り出すことができるという効果がある。
【0058】
本発明では、規制部を、底面部のシート排紙方向端部に形成して、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにしたから、規制部によってシートの先端位置が規制され、しかも、シートの先端位置を規制した状態で、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができるという効果がある。
【0059】
本発明では、規制部を、底面部の前記シート排紙方向に平行でシートの幅方向に位置する端部にそれぞれ形成した板部材の一方として、所定の方向を可動部が規制部から離脱する方向として、円弧状の連結部材によって可動部と可動片部とを連結するようにしたから、可動片部によってシートが持ち上げられた状態となっても、一対の板部材のいずれかによってシートの幅方向位置が規定されることになって、シートがずり落ちることがなく、容易にシートと底面部との間に隙間を形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排紙トレイが用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置において、装置筐体と排紙トレイとの関係の概略図である。
【図3】本発明による排紙トレイの一例をシートがストックされる前の状態で示す斜視図である。
【図4】図3に示す排紙トレイにおいて、ストックされたシートを取り出す際の動作を説明するための斜視図である。
【図5】本発明による排紙トレイの他の例をシートがストックされる前の状態で示す斜視図である。
【図6】図5に示す排紙トレイにおいて、ストックされたシートを取り出す際の動作を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
11 装置筐体
11a 前面側
15 シート排出口
18 排紙トレイ
35 排紙ローラ
Claims (6)
- シートに画像を形成する画像形成装置で用いられ、前記画像が形成されたシートがシート排出口を介して排紙される排紙トレイであって、
前記シートが順次積層される底面部と、
該底面部の外縁に設けられ、前記底面部に排紙されたシートの位置を規制する規制部とを有し、
前記底面部の一部が可動片部とされ、
前記規制部の一部が可動部として前記底面部の外縁回りに回動自在とされており、
前記可動部を所定の方向に回動させた際、該所定方向の回動に応じて前記可動片部を前記底面部に対して前記底面部と前記シートとの間に隙間を形成する方向に回動させる連絡手段を有することを特徴とする排紙トレイ。 - 前記規制部は、前記底面部の前記シートの排紙方向端部に形成されており、
前記所定の方向は前記可動部が前記規制部から離脱する方向であり、
前記連絡手段はその一端が前記可動部に連結され、他端が前記可動片部に連結された円弧状の連結部材であることを特徴とする請求項1に記載の排紙トレイ。 - 前記底面部は前記シート排出口側よりも前記シートの排紙方向端部が鉛直方向下側に位置するように前記画像形成装置の筐体に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の排紙トレイ。
- 前記規制部は、前記底面部の前記シート排紙方向に平行で前記シートの幅方向に位置する端部にそれぞれ形成した板部材の一方であり、
前記所定の方向は前記可動部が前記規制部から離脱する方向であって、
前記連絡手段はその一端が前記可動部に連結され、他端が前記可動片部に連結された円弧状の連結部材であることを特徴とする請求項1に記載の排紙トレイ。 - 前記底面部は前記シート排出口側よりも前記シートの排紙方向端部が鉛直方向上に位置するように前記画像形成装置の筐体に配設されていることを特徴とする請求項4に記載の排紙トレイ。
- 前記底面部には前記シートの排紙方向に沿って形成され、前記底面部と直交する方向に突出するリブ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排紙トレイ。
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JP2004299881A true JP2004299881A (ja) | 2004-10-28 |
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ID=33408744
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004299881A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008110846A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Sato Corp | スタッカー装置 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096793A patent/JP2004299881A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008110846A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Sato Corp | スタッカー装置 |
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