JP2004299298A - プリンタ、及び、印刷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】プリンタ３０が使用できる位置に制限をかける。
【解決手段】プリンタ３０を設置した位置を特定する情報として、プリンタ位置情報を予めプリンタ３０に登録しておく。プリンタ３０が印刷を実行する前には、プリンタ３０はその時点のプリンタ位置情報を取得し、この取得したプリンタ位置情報と、登録してあるプリンタ位置情報とが一致した場合には、印刷を実行するが、一致しなかった場合には印刷を実行しない。これにより、プリンタ３０がプリンタとして正常に機能する位置を、制限することができる。
【選択図】 図１
【解決手段】プリンタ３０を設置した位置を特定する情報として、プリンタ位置情報を予めプリンタ３０に登録しておく。プリンタ３０が印刷を実行する前には、プリンタ３０はその時点のプリンタ位置情報を取得し、この取得したプリンタ位置情報と、登録してあるプリンタ位置情報とが一致した場合には、印刷を実行するが、一致しなかった場合には印刷を実行しない。これにより、プリンタ３０がプリンタとして正常に機能する位置を、制限することができる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ及び印刷システムに関し、特に、印刷できる場所を制限したプリンタ及びそのようなプリンタを含む印刷システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、プリンタを用いたビジネスモデルとして、プリンタメーカがユーザにプリンタを無償で貸し出し、ユーザがこのプリンタを用いて印刷した枚数だけ、そのプリンタメーカに使用料を支払うという形態が、注目されてきている。このようなビジネスモデルにおいては、印刷枚数に応じた課金の他に、使用期間に応じた課金や、使用インク量に応じた課金などが考えられる。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１１−３３１１４４号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなビジネスモデルでは、プリンタメーカから貸し出されたプリンタを、ユーザが無断で転売したり、他人に貸し出したりしてしまうと、プリンタメーカがプリンタの使用に応じた課金をすることができなくなってしまう。このため、プリンタメーカとしては、貸し出したプリンタが使用できる場所、つまり、正常な印刷ができる場所を、その貸し出したユーザの場所に限定したい。
【０００５】
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、予め登録された場所でしか、印刷することのできないプリンタ及びそのようなプリンタを含む印刷システムを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るプリンタは、当該プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を検出する、プリンタ位置情報検出手段と、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、印刷を実行する前に、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【０００７】
この場合、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、当該プリンタが移動された旨の通知を送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【０００８】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【０００９】
本発明に係る印刷システムは、プリンタと、このプリンタに接続された印刷クライアントとを有する印刷システムであって、前記プリンタは、前記プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を検出する、プリンタ位置情報検出手段と、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、を備え、前記印刷クライアントは、印刷データを生成し、これを前記プリンタに送信する、印刷データ送信手段を備え、さらに、前記プリンタは、前記印刷クライアントから送信された印刷データを受信する、印刷データ受信手段と、前記印刷データの印刷を実行する前に、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
この場合、当該印刷システムは、前記プリンタに接続された管理サーバをさらに備えるとともに、前記プリンタは、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、前記プリンタが移動された旨の通知を前記管理サーバに送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【００１１】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【００１２】
本発明に係るプリンタは、当該プリンタの外部に設けられたプリンタ位置情報検出手段から、当該プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、印刷を実行する前に、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【００１３】
この場合、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、当該プリンタが移動された旨の通知を送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【００１４】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【００１５】
本発明に係る印刷システムは、プリンタと、このプリンタに接続された印刷クライアントとを有する印刷システムであって、前記プリンタは、前記プリンタの外部に設けられたプリンタ位置情報検出手段から、前記プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、を備え、前記印刷クライアントは、印刷データを生成し、これを前記プリンタに送信する、印刷データ送信手段を備え、さらに、前記プリンタは、前記印刷クライアントから送信された印刷データを受信する、印刷データ受信手段と、前記印刷データの印刷を実行する前に、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【００１６】
この場合、当該印刷システムは、前記プリンタに接続された管理サーバをさらに備えるとともに、前記プリンタは、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、前記プリンタが移動された旨の通知を前記管理サーバに送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【００１７】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【００１８】
なお、本発明はプリンタ及び印刷システムを制御するための制御方法として実現することもできる。さらには、そのようにプリンタ及び印刷システムを制御するためのプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体として実現することもできる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
〔第１実施形態〕
第１実施形態に係る印刷システムは、プリンタを設置する際に、そのプリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を登録しておく。そして、プリンタは、印刷を実行する前にもあらためてその時点のプリンタ位置情報を取得し、これを登録してあるプリンタ位置情報と比較し、両者が一致した場合には印刷を実行し、両者が一致しない場合には印刷を実行しないようにしたものである。より詳しくを、以下に説明する。
【００２０】
まず、図１に基づいて、本実施形態に係る印刷システムの構成を説明する。図１は、本実施形態に係る印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【００２１】
この図１に示すように、本実施形態に係る印刷システムは、ネットワーク１０を介して接続された印刷クライアント２０とプリンタ３０と管理サーバ３５を備えて構成されている。但し、印刷クライアント２０とプリンタ３０と管理サーバ３５との間は、無線やイーサネット（登録商標）等を用いたネットワークにより接続されるようにしてもよい。また、ネットワーク１０には、１又は複数の印刷クライアント２０が接続されている。
【００２２】
印刷クライアント２０は、例えば、ホストコンピュータやパーソナルコンピュータと呼ばれる各種のコンピュータにより構成されている。本実施形態では、特に印刷クライアント２０は、印刷データを生成し、この印刷データを、印刷送信用データとして、ネットワーク１０を介してプリンタ３０に送信する。また、この印刷クライアント２０は、コンピュータに限られるものではなく、例えば、撮影した画像を印刷する必要のあるデジタルカメラや、印刷画像データをコンテンツとして蓄積してあるコンテンツサーバ等でもよい。
【００２３】
プリンタ３０は、ネットワーク１０から印刷送信用データを受信し、この印刷送信用データに含まれている印刷データに基づいて、印刷を実行する。また、本実施形態においては、特に、プリンタ３０は、印刷データに基づく印刷を実行する前に、その時点のプリンタ位置情報を取得し、予め登録されているプリンタ位置情報と一致するかどうかを判断する。その時点のプリンタ位置情報と予め登録されているプリンタ位置情報とが一致した場合は、プリンタ３０は印刷を実行するが、一致しない場合には印刷を実行しない。
【００２４】
管理サーバ３５は、この印刷システムを管理するためのサーバコンピュータである。本実施形態においては、特に、プリンタ３０から、このプリンタ３０が移動された場合に、移動通知を受信し、印刷システムの管理者に通知する機能を有している。
【００２５】
図２は、プリンタ３０の内部構成を説明するためのブロック図である。この図２に示すように、プリンタ３０は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）４０と、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）４２と、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）４４とを備えており、これらは互いに内部バス４６を介して接続されている。また、この内部バス４６には、通信用のインターフェース４８が接続されており、この通信用のインターフェース４８を介して、上述したネットワーク１０にプリンタ３０が接続されている。さらに、内部バス４６には、インターフェース５０が接続されており、このインターフェース５０には印刷エンジン５２が接続されている。
【００２６】
また、内部バス４６には、位置検出部５４が接続されている。この位置検出部５４は、プリンタ３０が設置されている位置を特定する機能を有する。本実施形態においては、例えば、ＧＰＳ（ｇｌｏｂａｌ ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ ｓｙｓｔｅｍ）により構成されており、このプリンタ３０が設置されている位置の緯度、経度、高度が特定できるようになっている。現時点におけるＧＰＳの精度は、緯度、経度、高度において、それぞれ±１０ｍ程度であると言われている。
【００２７】
但し、この位置検出部５４は、ＧＰＳを用いた構成に限らず、例えば、ＰＨＳ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｈａｎｄｙｐｈｏｎｅ Ｓｙｓｔｅｍ）などの移動体通信技術を利用して、プリンタ３０の位置を特定するようにしてもよい。また、ＧＰＳとＰＨＳとを併用し、室内でＧＰＳの電波が正常に受信できない場合には、ＰＨＳの電波に基づいて、位置を特定するようにしてもよい。
【００２８】
さらに、内部バス４６には、インターフェース５６を介して、ハードディスク５８が接続されている。本実施形態においては、このハードディスク５８は、書き換え可能な不揮発性記憶装置として機能する。
【００２９】
図３は、印刷クライアント２０の内部構成を説明するためのブロック図である。この図３に示すように、本実施形態に係る印刷クライアント２０は、コンピュータ本体６０とディスプレイ６２とを備えて構成されている。
【００３０】
コンピュータ本体６０は、ＣＰＵ６４と、ＲＡＭ６６と、ＲＯＭ６８とを備えており、これらは互いに内部バス７０を介して接続されている。また、この内部バス７０には、通信用のインターフェース７２が接続されており、この通信用のインターフェース７２を介して、上述したネットワーク１０に印刷クライアント２０が接続されている。
【００３１】
さらに、内部バス７０には、インターフェース７４が接続されており、このインターフェース７４には大容量記憶装置であるハードディスク７６が接続されている。本実施形態においては、このハードディスク７６は、書き換え可能な不揮発性記憶装置として機能する。また、内部バス７０には、インターフェース７８が接続されており、このインターフェース７８から延びるケーブル８０を介して、上述したディスプレイ６２が接続されている。
【００３２】
図４は、管理サーバ３５の内部構成を説明するためのブロック図である。この図４に示すように、本実施形態に係る管理サーバ３５は、コンピュータ本体１００とディスプレイ１０２とを備えて構成されている。
【００３３】
コンピュータ本体１００は、ＣＰＵ１０４と、ＲＡＭ１０６と、ＲＯＭ１０８とを備えており、これらは互いに内部バス１１０を介して接続されている。また、この内部バス１１０には、通信用のインターフェース１１２が接続されており、通信用のインターフェース７２を介して、管理サーバ３５がネットワークＮＴに接続されている。
【００３４】
さらに、内部バス１１０には、インターフェース１１４が接続されており、このインターフェース１１４には大容量記憶装置であるハードディスク１１６が接続されている。本実施形態においては、このハードディスク１１６は、書き換え可能な不揮発性記憶装置として機能する。また、内部バス１１０には、インターフェース１１８が接続されており、このインターフェース１１８から延びるケーブル１２０を介して、上述したディスプレイ１０２が接続されている。
【００３５】
次に、本実施形態に係る印刷システムで行われる処理について、詳細に説明する。
【００３６】
図５は、プリンタ３０で実行されるプリンタ位置情報登録処理を説明するフローチャートである。このプリンタ位置情報登録処理は、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に格納されているプリンタ位置情報登録プログラムをＣＰＵ４０が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、本実施形態においては、このプリンタ位置情報登録処理は、操作者（例えば、プリンタ３０のメーカのメンテナンスをする者）が、プリンタ３０を操作して、プリンタ位置情報登録処理を実行するように指示した場合に、起動され、実行される処理である。また、このプリンタ位置情報登録処理は、例えば、プリンタ３０を新たに設置したユーザの場所において、実行される処理である。
【００３７】
図５に示すように、プリンタ位置情報登録処理が実行された場合、プリンタ３０はまず、操作者に、認証情報を入力するように要求する（ステップＳ１００）。本実施形態においては、操作者は、プリンタ３０のコントロールパネル等から、ＩＤとパスワードを認証情報として入力する。
【００３８】
次に、プリンタ３０は、認証情報が入力されたかどうかを判断する（ステップＳ１０２）。この認証情報が入力されていない場合（ステップＳ１０２：Ｎｏ）には、ステップＳ１０２の処理を繰り返して待機する。
【００３９】
一方、認証情報が入力された場合（ステップＳ１０２：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、入力された認証情報が、このプリンタ３０に予め登録されている認証情報と一致するかどうかを判断する（ステップＳ１０４）。具体的には、本実施形態においては、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に認証情報としてＩＤとパスワードが登録されている。このため、プリンタ３０は、入力されたＩＤ及びパスワードが、登録されているＩＤ及びパスワードと一致するかどうかを判断する。
【００４０】
両者が一致した場合（ステップＳ１０４：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、位置検出部５４からプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ１０６）。続いて、プリンタ３０は、この取得したプリンタ位置情報を、プリンタ位置情報格納部に格納する（ステップＳ１０８）。
【００４１】
図６は、本実施形態に係るプリンタ位置情報格納部ＴＢ１０の構成を示す図である。この図６に示すプリンタ位置情報格納部ＴＢ１０は、ハードディスク５８に形成されている。このため、ステップＳ１０８では、取得したプリンタ位置情報をハードディスク５８に格納することとなる。なお、ハードディスク５８にプリンタ位置情報を格納するのは、プリンタ３０の電源がオフにされた場合でも、このプリンタ位置情報が保持されるようにするためである。
【００４２】
再び、図５を用いて説明すると、上述したステップＳ１０４で、入力された認証情報と予め登録されている認証情報とが一致しないと判断した場合（ステップＳ１０４：Ｎｏ）には、プリンタ３０は、認証不一致の旨を操作者に知らせる（ステップＳ１１０）。本実施形態においては、コントロールパネルに設けられている液晶画面に認証不一致の旨を表示する。
【００４３】
これらステップＳ１０８又はステップＳ１１０の処理により、本実施形態に係るプリンタ位置情報登録処理が終了する。
【００４４】
図７は、プリンタ３０で実行される印刷実行処理を説明するフローチャートである。この印刷実行処理は、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に格納されている印刷実行プログラムをＣＰＵ４０が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、本実施形態においては、この印刷実行処理は、定常的に実行されている処理である。
【００４５】
図７に示すように、印刷実行処理が実行された場合、プリンタ３０はまず、印刷クライアント２０からの接続待ちとなる（ステップＳ２００）。そして、印刷クライアント２０から接続された場合には、印刷送信用データを受信したかどうかを判断する（ステップＳ２０２）。なお、本実施形態においては、印刷クライアント２０とプリンタ３０との間の接続は、ＳＳＬ等により暗号化されている。但し、この暗号化は必ずしも必要なものではない。
【００４６】
印刷送信用データを受信していない場合（ステップＳ２０２：Ｎｏ）には、プリンタ３０は、このステップＳ２０２の処理を繰り返して待機する。一方、印刷送信用データを受信した場合（ステップＳ２０２：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、位置検出部５４からその時点のプリンタ３０の位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ２０４）。
【００４７】
次に、プリンタ３０は、プリンタ位置情報格納部ＴＢ１０から、登録した際のプリンタ３０の位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ２０６）。続いて、プリンタ３０は、ステップＳ２０４で取得したその時点のプリンタ位置情報と、ステップＳ２０６で取得した登録されたプリンタ位置情報とを比較し、両者が一致するかどうかを判断する（ステップＳ２０８）。
【００４８】
これら２つのプリンタ位置情報が一致した場合（ステップＳ２０８：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、印刷を実行する（ステップＳ２１０）。続いて、プリンタ３０は、印刷完了通知をネットワーク１０を介して印刷クライアント２０に送信する（ステップＳ２１２）。そして、印刷クライアント２０との接続を終了して（ステップＳ２１４）、上述したステップＳ２００に戻る。
【００４９】
これに対して、上述したステップＳ２０８で、ステップＳ２０４で取得したその時点のプリンタ位置情報と、ステップＳ２０６で取得した登録されたプリンタ位置情報とが一致しないと判断した場合（ステップＳ２０８：Ｎｏ）には、印刷不可通知をネットワーク１０を介して印刷クライアント２０に送信する（ステップＳ２２０）。なぜなら、プリンタ３０は、最初に設置した場所と異なる位置にあるため、不正に流用されている可能性があるからである。そして、プリンタ３０は、印刷クライアント２０との接続を終了して（ステップＳ２１４）、上述したステップＳ２００に戻る。
【００５０】
図８は、プリンタ３０で実行される移動通知処理を説明するフローチャートである。この移動通知処理は、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に格納されている移動通知プログラムをＣＰＵ４０が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、本実施形態においては、この移動通知処理は、定常的（例えば、１０分に１回の割合）に実行されている処理である。つまり、移動通知処理は、所定の時間間隔で定期的に実行される処理である。
【００５１】
図８に示すように、この移動通知処理では、プリンタ３０は、位置検出部５４からその時点のプリンタ３０のプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ３００）。続いて、プリンタ３０は、プリンタ位置情報格納部ＴＢ１０に格納されているプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ３０２）。
【００５２】
次に、プリンタ３０は、ステップＳ３００で取得したその時点のプリンタ位置情報と、ステップＳ３０２で取得した登録した際のプリンタ位置情報とを比較し、両者が一致するかどうかを判断する（ステップＳ３０４）。２つのプリンタ位置情報が一致した場合（ステップＳ３０４：Ｙｅｓ）には、上述したステップＳ３００の処理に戻る。
【００５３】
一方、２つのプリンタ位置情報が一致しなかった場合には、プリンタ３０が不正に移動された恐れがあるので、移動された旨の通知である移動通知を、ネットワーク１０を介して管理サーバ３５に送信する。そして、上述したステップＳ３００の処理に戻る。
【００５４】
以上のように、本実施形態に係る印刷システムによれば、正当な権限のある操作者がプリンタ３０にプリンタ位置情報を登録した位置と、印刷データを含む印刷送信用データをプリンタ３０が受信した際の位置とが、異なる場合には、プリンタ３０は印刷データの印刷を実行しないようにした。このため、プリンタ３０が不正に別な場所に移動されたり流用されたりした場合には、このプリンタ３０がプリンタとして正常な機能を果たさなくなる。したがって、プリンタ３０の不正な移動や流用を、防止することができる。
【００５５】
また、本実施形態に係るプリンタ３０は、登録されたプリンタ位置情報と、ある時点のプリンタ位置情報とが異なる場合には、ネットワーク１０を介して管理サーバ３５に、プリンタ３０が移動された旨を通知することとした。このため、この印刷システムの管理者は、プリンタ３０が移動されたことを的確に知ることができるようになる。
【００５６】
〔第２実施形態〕
本発明の第２実施形態は、上述した第１実施形態において、プリンタ３０の位置検出部５４を、プリンタ３０に内蔵させるのではなく、外付けにしたものである。
【００５７】
図９は、本実施形態に係るプリンタ３０の構成を示すブロック図である。この図９に示すプリンタ３０においては、位置検出部５４は、プリンタ３０の外部に設けられており、インターフェース２００を介して、プリンタ３０に接続されている。例えば、位置検出部５４をＧＰＳ装置やＰＨＳ端末で構成し、このＧＰＳ装置やＰＨＳ端末をカードスロットを介して、プリンタ３０に挿入することにより、図９に示すような構成のプリンタ３０が実現される。この図９の例では、プリンタ３０と位置検出部５４との間は、ＵＳＢのような近距離の有線ケーブルで接続されている。
【００５８】
プリンタ３０は、通常は位置検出部５４を備えていないプリンタとして使われるが、上述した第１実施形態において、位置検出部５４が必要になるときは、ユーザが位置検出部５４をプリンタ３０に装着して、このプリンタ３０を位置検出部５４付きのプリンタとして使用することとなる。つまり、本実施形態においては、位置検出部５４は着脱可能である。
【００５９】
プリンタ３０におけるこれ以外の点は、上述した第１実施形態と同様である。
【００６０】
図１０は、第２実施形態の変形例を示す図である。この図１０の例では、プリンタ３０のインターフェース５６に無線の受信部２０２を接続している。そして、例えば、ＧＰＳ搭載型の携帯端末で位置検出部５４を構成し、この位置検出部５４と受信部２０２との間を、ブルートゥース等の近距離の無線方式で接続している。そして、位置検出部５４で取得した位置情報を、近距離の無線方式でプリンタ３０に送信する。
【００６１】
本実施形態のようにプリンタ３０を構成すれば、高価な位置検出部５４をすべてのプリンタに内蔵させなくとも、必要なときにユーザが位置検出部５４をプリンタ３０に装着すれば良い。このため、プリンタ３０のコスト低減を図ることができる。また、プリンタ３０と位置検出部５４との間は、接続距離が限られている有線ケーブルや、ブルートゥース等で接続することとしたので、プリンタ３０と位置検出部５４との間の距離を所定範囲に制限することができる。
【００６２】
なお本発明は上記実施形態に限定されずに種々に変形可能である。例えば、上述した各実施形態においては、正当な権限を有する操作者であるかどうかを示す認証情報をＩＤとパスワードの組み合わせで構成したが、認証情報は、ＩＤとパスワードの組み合わせに限るものではない。例えば、管理サーバ３５に、正当な権限を有する者の指紋を登録しておき、プリンタ３０で操作者の指紋を読み取って管理サーバ３５に送信し、指紋が一致した場合に、正当な権限を有する者であると判断するようにしてもよい。
【００６３】
また、使用できる位置を制限するデータ受信装置としてプリンタを例示して説明したが、本発明はプリンタに限定されるものではない。さらに、データ送信装置も、印刷クライアントに限定されるものではない。
【００６４】
例えば、データ送受信システムにおけるデータ送信装置が画像撮影用のデジタルカメラであり、データ受信装置がデジタルカメラで撮影した画像データを蓄積するデータサーバであってもよい。この場合、データサーバには予め位置情報が登録されており、デジタルカメラからデータを受信した際の位置情報と、この予め登録されている位置情報とが一致した場合には、受信したデータを蓄積し、両者が一致しない場合には、受信したデータを蓄積しないこととなる。
【００６５】
また、データ送受信システムにおけるデータ送信装置がパーソナルコンピュータであり、データ受信装置がそのパーソナルコンピュータから送信された画像データを投影するプロジェクタであってもよい。この場合、プロジェクタには予め位置情報が登録されており、パーソナルコンピュータからデータを受信した際の位置情報と、この予め登録されている位置情報とが一致した場合には、受信したデータを投影し、両者が一致しない場合には、受信したデータを投影しないこととなる。
【００６６】
さらには、データ送受信システムにおけるデータ送信装置が音楽等のコンテンツサーバであり、データ受信装置がコンテンツサーバから送信された音楽等のコンテンツデータの再生装置であってもよい。この場合、再生装置には予め位置情報が登録されており、コンテンツサーバからデータを受信した際の位置情報と、この予め登録されている位置情報とが一致した場合には、受信したデータを再生し、両者が一致しない場合には、受信したデータを再生しないこととなる。
【００６７】
また、上述した実施形態では、プリンタ３０の印刷媒体が印刷用紙である場合を例に説明したが、印刷媒体はこれに限るものではなく、例えば、ＯＨＰシート等の他の印刷媒体であっても本発明を適用することができる。
【００６８】
さらに、上述の実施形態で説明した各処理については、これら各処理を実行するためのプログラムをフレキシブルディスク、ＣＤ−ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｃ−Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＲＯＭ、メモリカード等の記録媒体に記録して、記録媒体の形で頒布することが可能である。この場合、このプログラムが記録された記録媒体を管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０に読み込ませ、実行させることにより、上述した実施形態を実現することができる。
【００６９】
また、管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０は、オペレーティングシステムや別のアプリケーションプログラム等の他のプログラムを備える場合がある。この場合、管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０の備える他のプログラムを活用し、記録媒体には管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０が備えるプログラムの中から、上述した実施形態と同等の処理を実現するプログラムを呼び出すような命令を記録するようにしてもよい。
【００７０】
さらに、このようなプログラムは、記録媒体の形ではなく、ネットワークを通じて搬送波として頒布することも可能である。ネットワーク上を搬送波の形で伝送されたプログラムは、管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０に取り込まれて、このプログラムを実行することにより上述した実施形態を実現することができる。
【００７１】
また、記録媒体にプログラムを記録する際や、ネットワーク上を搬送波として伝送される際に、プログラムの暗号化や圧縮化がなされている場合がある。この場合には、これら記録媒体や搬送波からプログラムを読み込んだ管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０は、そのプログラムの復号や伸張を行った上で、実行する必要がある。
【００７２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプリンタ及び印刷システムによれば、第１プリンタ位置情報格納部に格納されている第１プリンタ位置情報と、印刷を実行する前の第２プリンタ位置情報とが異なる場合には、印刷を実行しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す図。
【図２】本発明の第１実施形態に係るプリンタのハードウェア構成の一例を示す図。
【図３】本発明の第１施形態に係る印刷クライアントの構成の一例を示す図。
【図４】本発明の第１施形態に係る管理サーバの構成の一例を示す図。
【図５】本発明の第１実施形態に係るプリンタが実行するプリンタ位置情報登録処理を説明するフローチャートを示す図。
【図６】本実施形態に係るプリンタ位置情報格納部の構成の一例を示す図。
【図７】本発明の第１実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図。
【図８】本発明の第１実施形態に係るプリンタが実行する移動通知処理を説明するフローチャートを示す図。
【図９】本発明の第２実施形態に係るプリンタの構成の一例を示す図。
【図１０】本発明の第２実施形態に係る別のプリンタの構成の一例を示す図。
【符号の説明】
１０ ネットワーク
２０ 印刷クライアント
３０ プリンタ
３５ 管理サーバ
４０ ＣＰＵ
４２ ＲＡＭ
４４ ＲＯＭ
４６ 内部バス
４８、５０、５６ インターフェース
５２ 印刷エンジン
５４ 位置検出部
５８ ハードディスク
６０ コンピュータ本体
６２ ディスプレイ
６４ ＣＰＵ
６６ ＲＡＭ
６８ ＲＯＭ
７０ 内部バス
７２、７４、７８ インターフェース
７６ ハードディスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ及び印刷システムに関し、特に、印刷できる場所を制限したプリンタ及びそのようなプリンタを含む印刷システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、プリンタを用いたビジネスモデルとして、プリンタメーカがユーザにプリンタを無償で貸し出し、ユーザがこのプリンタを用いて印刷した枚数だけ、そのプリンタメーカに使用料を支払うという形態が、注目されてきている。このようなビジネスモデルにおいては、印刷枚数に応じた課金の他に、使用期間に応じた課金や、使用インク量に応じた課金などが考えられる。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１１−３３１１４４号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなビジネスモデルでは、プリンタメーカから貸し出されたプリンタを、ユーザが無断で転売したり、他人に貸し出したりしてしまうと、プリンタメーカがプリンタの使用に応じた課金をすることができなくなってしまう。このため、プリンタメーカとしては、貸し出したプリンタが使用できる場所、つまり、正常な印刷ができる場所を、その貸し出したユーザの場所に限定したい。
【０００５】
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、予め登録された場所でしか、印刷することのできないプリンタ及びそのようなプリンタを含む印刷システムを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るプリンタは、当該プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を検出する、プリンタ位置情報検出手段と、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、印刷を実行する前に、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【０００７】
この場合、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、当該プリンタが移動された旨の通知を送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【０００８】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【０００９】
本発明に係る印刷システムは、プリンタと、このプリンタに接続された印刷クライアントとを有する印刷システムであって、前記プリンタは、前記プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を検出する、プリンタ位置情報検出手段と、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、を備え、前記印刷クライアントは、印刷データを生成し、これを前記プリンタに送信する、印刷データ送信手段を備え、さらに、前記プリンタは、前記印刷クライアントから送信された印刷データを受信する、印刷データ受信手段と、前記印刷データの印刷を実行する前に、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【００１０】
この場合、当該印刷システムは、前記プリンタに接続された管理サーバをさらに備えるとともに、前記プリンタは、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、前記プリンタが移動された旨の通知を前記管理サーバに送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【００１１】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【００１２】
本発明に係るプリンタは、当該プリンタの外部に設けられたプリンタ位置情報検出手段から、当該プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、印刷を実行する前に、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【００１３】
この場合、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、当該プリンタが移動された旨の通知を送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【００１４】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【００１５】
本発明に係る印刷システムは、プリンタと、このプリンタに接続された印刷クライアントとを有する印刷システムであって、前記プリンタは、前記プリンタの外部に設けられたプリンタ位置情報検出手段から、前記プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、を備え、前記印刷クライアントは、印刷データを生成し、これを前記プリンタに送信する、印刷データ送信手段を備え、さらに、前記プリンタは、前記印刷クライアントから送信された印刷データを受信する、印刷データ受信手段と、前記印刷データの印刷を実行する前に、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、を備えることを特徴とする。
【００１６】
この場合、当該印刷システムは、前記プリンタに接続された管理サーバをさらに備えるとともに、前記プリンタは、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、前記プリンタが移動された旨の通知を前記管理サーバに送信する、通知送信手段と、をさらに備えるようにしてもよい。
【００１７】
この場合、前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されるようにしてもよい。
【００１８】
なお、本発明はプリンタ及び印刷システムを制御するための制御方法として実現することもできる。さらには、そのようにプリンタ及び印刷システムを制御するためのプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体として実現することもできる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
〔第１実施形態〕
第１実施形態に係る印刷システムは、プリンタを設置する際に、そのプリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を登録しておく。そして、プリンタは、印刷を実行する前にもあらためてその時点のプリンタ位置情報を取得し、これを登録してあるプリンタ位置情報と比較し、両者が一致した場合には印刷を実行し、両者が一致しない場合には印刷を実行しないようにしたものである。より詳しくを、以下に説明する。
【００２０】
まず、図１に基づいて、本実施形態に係る印刷システムの構成を説明する。図１は、本実施形態に係る印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【００２１】
この図１に示すように、本実施形態に係る印刷システムは、ネットワーク１０を介して接続された印刷クライアント２０とプリンタ３０と管理サーバ３５を備えて構成されている。但し、印刷クライアント２０とプリンタ３０と管理サーバ３５との間は、無線やイーサネット（登録商標）等を用いたネットワークにより接続されるようにしてもよい。また、ネットワーク１０には、１又は複数の印刷クライアント２０が接続されている。
【００２２】
印刷クライアント２０は、例えば、ホストコンピュータやパーソナルコンピュータと呼ばれる各種のコンピュータにより構成されている。本実施形態では、特に印刷クライアント２０は、印刷データを生成し、この印刷データを、印刷送信用データとして、ネットワーク１０を介してプリンタ３０に送信する。また、この印刷クライアント２０は、コンピュータに限られるものではなく、例えば、撮影した画像を印刷する必要のあるデジタルカメラや、印刷画像データをコンテンツとして蓄積してあるコンテンツサーバ等でもよい。
【００２３】
プリンタ３０は、ネットワーク１０から印刷送信用データを受信し、この印刷送信用データに含まれている印刷データに基づいて、印刷を実行する。また、本実施形態においては、特に、プリンタ３０は、印刷データに基づく印刷を実行する前に、その時点のプリンタ位置情報を取得し、予め登録されているプリンタ位置情報と一致するかどうかを判断する。その時点のプリンタ位置情報と予め登録されているプリンタ位置情報とが一致した場合は、プリンタ３０は印刷を実行するが、一致しない場合には印刷を実行しない。
【００２４】
管理サーバ３５は、この印刷システムを管理するためのサーバコンピュータである。本実施形態においては、特に、プリンタ３０から、このプリンタ３０が移動された場合に、移動通知を受信し、印刷システムの管理者に通知する機能を有している。
【００２５】
図２は、プリンタ３０の内部構成を説明するためのブロック図である。この図２に示すように、プリンタ３０は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）４０と、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）４２と、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）４４とを備えており、これらは互いに内部バス４６を介して接続されている。また、この内部バス４６には、通信用のインターフェース４８が接続されており、この通信用のインターフェース４８を介して、上述したネットワーク１０にプリンタ３０が接続されている。さらに、内部バス４６には、インターフェース５０が接続されており、このインターフェース５０には印刷エンジン５２が接続されている。
【００２６】
また、内部バス４６には、位置検出部５４が接続されている。この位置検出部５４は、プリンタ３０が設置されている位置を特定する機能を有する。本実施形態においては、例えば、ＧＰＳ（ｇｌｏｂａｌ ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ ｓｙｓｔｅｍ）により構成されており、このプリンタ３０が設置されている位置の緯度、経度、高度が特定できるようになっている。現時点におけるＧＰＳの精度は、緯度、経度、高度において、それぞれ±１０ｍ程度であると言われている。
【００２７】
但し、この位置検出部５４は、ＧＰＳを用いた構成に限らず、例えば、ＰＨＳ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｈａｎｄｙｐｈｏｎｅ Ｓｙｓｔｅｍ）などの移動体通信技術を利用して、プリンタ３０の位置を特定するようにしてもよい。また、ＧＰＳとＰＨＳとを併用し、室内でＧＰＳの電波が正常に受信できない場合には、ＰＨＳの電波に基づいて、位置を特定するようにしてもよい。
【００２８】
さらに、内部バス４６には、インターフェース５６を介して、ハードディスク５８が接続されている。本実施形態においては、このハードディスク５８は、書き換え可能な不揮発性記憶装置として機能する。
【００２９】
図３は、印刷クライアント２０の内部構成を説明するためのブロック図である。この図３に示すように、本実施形態に係る印刷クライアント２０は、コンピュータ本体６０とディスプレイ６２とを備えて構成されている。
【００３０】
コンピュータ本体６０は、ＣＰＵ６４と、ＲＡＭ６６と、ＲＯＭ６８とを備えており、これらは互いに内部バス７０を介して接続されている。また、この内部バス７０には、通信用のインターフェース７２が接続されており、この通信用のインターフェース７２を介して、上述したネットワーク１０に印刷クライアント２０が接続されている。
【００３１】
さらに、内部バス７０には、インターフェース７４が接続されており、このインターフェース７４には大容量記憶装置であるハードディスク７６が接続されている。本実施形態においては、このハードディスク７６は、書き換え可能な不揮発性記憶装置として機能する。また、内部バス７０には、インターフェース７８が接続されており、このインターフェース７８から延びるケーブル８０を介して、上述したディスプレイ６２が接続されている。
【００３２】
図４は、管理サーバ３５の内部構成を説明するためのブロック図である。この図４に示すように、本実施形態に係る管理サーバ３５は、コンピュータ本体１００とディスプレイ１０２とを備えて構成されている。
【００３３】
コンピュータ本体１００は、ＣＰＵ１０４と、ＲＡＭ１０６と、ＲＯＭ１０８とを備えており、これらは互いに内部バス１１０を介して接続されている。また、この内部バス１１０には、通信用のインターフェース１１２が接続されており、通信用のインターフェース７２を介して、管理サーバ３５がネットワークＮＴに接続されている。
【００３４】
さらに、内部バス１１０には、インターフェース１１４が接続されており、このインターフェース１１４には大容量記憶装置であるハードディスク１１６が接続されている。本実施形態においては、このハードディスク１１６は、書き換え可能な不揮発性記憶装置として機能する。また、内部バス１１０には、インターフェース１１８が接続されており、このインターフェース１１８から延びるケーブル１２０を介して、上述したディスプレイ１０２が接続されている。
【００３５】
次に、本実施形態に係る印刷システムで行われる処理について、詳細に説明する。
【００３６】
図５は、プリンタ３０で実行されるプリンタ位置情報登録処理を説明するフローチャートである。このプリンタ位置情報登録処理は、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に格納されているプリンタ位置情報登録プログラムをＣＰＵ４０が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、本実施形態においては、このプリンタ位置情報登録処理は、操作者（例えば、プリンタ３０のメーカのメンテナンスをする者）が、プリンタ３０を操作して、プリンタ位置情報登録処理を実行するように指示した場合に、起動され、実行される処理である。また、このプリンタ位置情報登録処理は、例えば、プリンタ３０を新たに設置したユーザの場所において、実行される処理である。
【００３７】
図５に示すように、プリンタ位置情報登録処理が実行された場合、プリンタ３０はまず、操作者に、認証情報を入力するように要求する（ステップＳ１００）。本実施形態においては、操作者は、プリンタ３０のコントロールパネル等から、ＩＤとパスワードを認証情報として入力する。
【００３８】
次に、プリンタ３０は、認証情報が入力されたかどうかを判断する（ステップＳ１０２）。この認証情報が入力されていない場合（ステップＳ１０２：Ｎｏ）には、ステップＳ１０２の処理を繰り返して待機する。
【００３９】
一方、認証情報が入力された場合（ステップＳ１０２：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、入力された認証情報が、このプリンタ３０に予め登録されている認証情報と一致するかどうかを判断する（ステップＳ１０４）。具体的には、本実施形態においては、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に認証情報としてＩＤとパスワードが登録されている。このため、プリンタ３０は、入力されたＩＤ及びパスワードが、登録されているＩＤ及びパスワードと一致するかどうかを判断する。
【００４０】
両者が一致した場合（ステップＳ１０４：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、位置検出部５４からプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ１０６）。続いて、プリンタ３０は、この取得したプリンタ位置情報を、プリンタ位置情報格納部に格納する（ステップＳ１０８）。
【００４１】
図６は、本実施形態に係るプリンタ位置情報格納部ＴＢ１０の構成を示す図である。この図６に示すプリンタ位置情報格納部ＴＢ１０は、ハードディスク５８に形成されている。このため、ステップＳ１０８では、取得したプリンタ位置情報をハードディスク５８に格納することとなる。なお、ハードディスク５８にプリンタ位置情報を格納するのは、プリンタ３０の電源がオフにされた場合でも、このプリンタ位置情報が保持されるようにするためである。
【００４２】
再び、図５を用いて説明すると、上述したステップＳ１０４で、入力された認証情報と予め登録されている認証情報とが一致しないと判断した場合（ステップＳ１０４：Ｎｏ）には、プリンタ３０は、認証不一致の旨を操作者に知らせる（ステップＳ１１０）。本実施形態においては、コントロールパネルに設けられている液晶画面に認証不一致の旨を表示する。
【００４３】
これらステップＳ１０８又はステップＳ１１０の処理により、本実施形態に係るプリンタ位置情報登録処理が終了する。
【００４４】
図７は、プリンタ３０で実行される印刷実行処理を説明するフローチャートである。この印刷実行処理は、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に格納されている印刷実行プログラムをＣＰＵ４０が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、本実施形態においては、この印刷実行処理は、定常的に実行されている処理である。
【００４５】
図７に示すように、印刷実行処理が実行された場合、プリンタ３０はまず、印刷クライアント２０からの接続待ちとなる（ステップＳ２００）。そして、印刷クライアント２０から接続された場合には、印刷送信用データを受信したかどうかを判断する（ステップＳ２０２）。なお、本実施形態においては、印刷クライアント２０とプリンタ３０との間の接続は、ＳＳＬ等により暗号化されている。但し、この暗号化は必ずしも必要なものではない。
【００４６】
印刷送信用データを受信していない場合（ステップＳ２０２：Ｎｏ）には、プリンタ３０は、このステップＳ２０２の処理を繰り返して待機する。一方、印刷送信用データを受信した場合（ステップＳ２０２：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、位置検出部５４からその時点のプリンタ３０の位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ２０４）。
【００４７】
次に、プリンタ３０は、プリンタ位置情報格納部ＴＢ１０から、登録した際のプリンタ３０の位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ２０６）。続いて、プリンタ３０は、ステップＳ２０４で取得したその時点のプリンタ位置情報と、ステップＳ２０６で取得した登録されたプリンタ位置情報とを比較し、両者が一致するかどうかを判断する（ステップＳ２０８）。
【００４８】
これら２つのプリンタ位置情報が一致した場合（ステップＳ２０８：Ｙｅｓ）には、プリンタ３０は、印刷を実行する（ステップＳ２１０）。続いて、プリンタ３０は、印刷完了通知をネットワーク１０を介して印刷クライアント２０に送信する（ステップＳ２１２）。そして、印刷クライアント２０との接続を終了して（ステップＳ２１４）、上述したステップＳ２００に戻る。
【００４９】
これに対して、上述したステップＳ２０８で、ステップＳ２０４で取得したその時点のプリンタ位置情報と、ステップＳ２０６で取得した登録されたプリンタ位置情報とが一致しないと判断した場合（ステップＳ２０８：Ｎｏ）には、印刷不可通知をネットワーク１０を介して印刷クライアント２０に送信する（ステップＳ２２０）。なぜなら、プリンタ３０は、最初に設置した場所と異なる位置にあるため、不正に流用されている可能性があるからである。そして、プリンタ３０は、印刷クライアント２０との接続を終了して（ステップＳ２１４）、上述したステップＳ２００に戻る。
【００５０】
図８は、プリンタ３０で実行される移動通知処理を説明するフローチャートである。この移動通知処理は、プリンタ３０のＲＯＭ４４又はハードディスク５８に格納されている移動通知プログラムをＣＰＵ４０が読み込んで実行することにより実現される処理である。また、本実施形態においては、この移動通知処理は、定常的（例えば、１０分に１回の割合）に実行されている処理である。つまり、移動通知処理は、所定の時間間隔で定期的に実行される処理である。
【００５１】
図８に示すように、この移動通知処理では、プリンタ３０は、位置検出部５４からその時点のプリンタ３０のプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ３００）。続いて、プリンタ３０は、プリンタ位置情報格納部ＴＢ１０に格納されているプリンタ位置情報を取得する（ステップＳ３０２）。
【００５２】
次に、プリンタ３０は、ステップＳ３００で取得したその時点のプリンタ位置情報と、ステップＳ３０２で取得した登録した際のプリンタ位置情報とを比較し、両者が一致するかどうかを判断する（ステップＳ３０４）。２つのプリンタ位置情報が一致した場合（ステップＳ３０４：Ｙｅｓ）には、上述したステップＳ３００の処理に戻る。
【００５３】
一方、２つのプリンタ位置情報が一致しなかった場合には、プリンタ３０が不正に移動された恐れがあるので、移動された旨の通知である移動通知を、ネットワーク１０を介して管理サーバ３５に送信する。そして、上述したステップＳ３００の処理に戻る。
【００５４】
以上のように、本実施形態に係る印刷システムによれば、正当な権限のある操作者がプリンタ３０にプリンタ位置情報を登録した位置と、印刷データを含む印刷送信用データをプリンタ３０が受信した際の位置とが、異なる場合には、プリンタ３０は印刷データの印刷を実行しないようにした。このため、プリンタ３０が不正に別な場所に移動されたり流用されたりした場合には、このプリンタ３０がプリンタとして正常な機能を果たさなくなる。したがって、プリンタ３０の不正な移動や流用を、防止することができる。
【００５５】
また、本実施形態に係るプリンタ３０は、登録されたプリンタ位置情報と、ある時点のプリンタ位置情報とが異なる場合には、ネットワーク１０を介して管理サーバ３５に、プリンタ３０が移動された旨を通知することとした。このため、この印刷システムの管理者は、プリンタ３０が移動されたことを的確に知ることができるようになる。
【００５６】
〔第２実施形態〕
本発明の第２実施形態は、上述した第１実施形態において、プリンタ３０の位置検出部５４を、プリンタ３０に内蔵させるのではなく、外付けにしたものである。
【００５７】
図９は、本実施形態に係るプリンタ３０の構成を示すブロック図である。この図９に示すプリンタ３０においては、位置検出部５４は、プリンタ３０の外部に設けられており、インターフェース２００を介して、プリンタ３０に接続されている。例えば、位置検出部５４をＧＰＳ装置やＰＨＳ端末で構成し、このＧＰＳ装置やＰＨＳ端末をカードスロットを介して、プリンタ３０に挿入することにより、図９に示すような構成のプリンタ３０が実現される。この図９の例では、プリンタ３０と位置検出部５４との間は、ＵＳＢのような近距離の有線ケーブルで接続されている。
【００５８】
プリンタ３０は、通常は位置検出部５４を備えていないプリンタとして使われるが、上述した第１実施形態において、位置検出部５４が必要になるときは、ユーザが位置検出部５４をプリンタ３０に装着して、このプリンタ３０を位置検出部５４付きのプリンタとして使用することとなる。つまり、本実施形態においては、位置検出部５４は着脱可能である。
【００５９】
プリンタ３０におけるこれ以外の点は、上述した第１実施形態と同様である。
【００６０】
図１０は、第２実施形態の変形例を示す図である。この図１０の例では、プリンタ３０のインターフェース５６に無線の受信部２０２を接続している。そして、例えば、ＧＰＳ搭載型の携帯端末で位置検出部５４を構成し、この位置検出部５４と受信部２０２との間を、ブルートゥース等の近距離の無線方式で接続している。そして、位置検出部５４で取得した位置情報を、近距離の無線方式でプリンタ３０に送信する。
【００６１】
本実施形態のようにプリンタ３０を構成すれば、高価な位置検出部５４をすべてのプリンタに内蔵させなくとも、必要なときにユーザが位置検出部５４をプリンタ３０に装着すれば良い。このため、プリンタ３０のコスト低減を図ることができる。また、プリンタ３０と位置検出部５４との間は、接続距離が限られている有線ケーブルや、ブルートゥース等で接続することとしたので、プリンタ３０と位置検出部５４との間の距離を所定範囲に制限することができる。
【００６２】
なお本発明は上記実施形態に限定されずに種々に変形可能である。例えば、上述した各実施形態においては、正当な権限を有する操作者であるかどうかを示す認証情報をＩＤとパスワードの組み合わせで構成したが、認証情報は、ＩＤとパスワードの組み合わせに限るものではない。例えば、管理サーバ３５に、正当な権限を有する者の指紋を登録しておき、プリンタ３０で操作者の指紋を読み取って管理サーバ３５に送信し、指紋が一致した場合に、正当な権限を有する者であると判断するようにしてもよい。
【００６３】
また、使用できる位置を制限するデータ受信装置としてプリンタを例示して説明したが、本発明はプリンタに限定されるものではない。さらに、データ送信装置も、印刷クライアントに限定されるものではない。
【００６４】
例えば、データ送受信システムにおけるデータ送信装置が画像撮影用のデジタルカメラであり、データ受信装置がデジタルカメラで撮影した画像データを蓄積するデータサーバであってもよい。この場合、データサーバには予め位置情報が登録されており、デジタルカメラからデータを受信した際の位置情報と、この予め登録されている位置情報とが一致した場合には、受信したデータを蓄積し、両者が一致しない場合には、受信したデータを蓄積しないこととなる。
【００６５】
また、データ送受信システムにおけるデータ送信装置がパーソナルコンピュータであり、データ受信装置がそのパーソナルコンピュータから送信された画像データを投影するプロジェクタであってもよい。この場合、プロジェクタには予め位置情報が登録されており、パーソナルコンピュータからデータを受信した際の位置情報と、この予め登録されている位置情報とが一致した場合には、受信したデータを投影し、両者が一致しない場合には、受信したデータを投影しないこととなる。
【００６６】
さらには、データ送受信システムにおけるデータ送信装置が音楽等のコンテンツサーバであり、データ受信装置がコンテンツサーバから送信された音楽等のコンテンツデータの再生装置であってもよい。この場合、再生装置には予め位置情報が登録されており、コンテンツサーバからデータを受信した際の位置情報と、この予め登録されている位置情報とが一致した場合には、受信したデータを再生し、両者が一致しない場合には、受信したデータを再生しないこととなる。
【００６７】
また、上述した実施形態では、プリンタ３０の印刷媒体が印刷用紙である場合を例に説明したが、印刷媒体はこれに限るものではなく、例えば、ＯＨＰシート等の他の印刷媒体であっても本発明を適用することができる。
【００６８】
さらに、上述の実施形態で説明した各処理については、これら各処理を実行するためのプログラムをフレキシブルディスク、ＣＤ−ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｃ−Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＲＯＭ、メモリカード等の記録媒体に記録して、記録媒体の形で頒布することが可能である。この場合、このプログラムが記録された記録媒体を管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０に読み込ませ、実行させることにより、上述した実施形態を実現することができる。
【００６９】
また、管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０は、オペレーティングシステムや別のアプリケーションプログラム等の他のプログラムを備える場合がある。この場合、管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０の備える他のプログラムを活用し、記録媒体には管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０が備えるプログラムの中から、上述した実施形態と同等の処理を実現するプログラムを呼び出すような命令を記録するようにしてもよい。
【００７０】
さらに、このようなプログラムは、記録媒体の形ではなく、ネットワークを通じて搬送波として頒布することも可能である。ネットワーク上を搬送波の形で伝送されたプログラムは、管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０に取り込まれて、このプログラムを実行することにより上述した実施形態を実現することができる。
【００７１】
また、記録媒体にプログラムを記録する際や、ネットワーク上を搬送波として伝送される際に、プログラムの暗号化や圧縮化がなされている場合がある。この場合には、これら記録媒体や搬送波からプログラムを読み込んだ管理サーバ３５、印刷クライアント２０及び／又はプリンタ３０は、そのプログラムの復号や伸張を行った上で、実行する必要がある。
【００７２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプリンタ及び印刷システムによれば、第１プリンタ位置情報格納部に格納されている第１プリンタ位置情報と、印刷を実行する前の第２プリンタ位置情報とが異なる場合には、印刷を実行しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す図。
【図２】本発明の第１実施形態に係るプリンタのハードウェア構成の一例を示す図。
【図３】本発明の第１施形態に係る印刷クライアントの構成の一例を示す図。
【図４】本発明の第１施形態に係る管理サーバの構成の一例を示す図。
【図５】本発明の第１実施形態に係るプリンタが実行するプリンタ位置情報登録処理を説明するフローチャートを示す図。
【図６】本実施形態に係るプリンタ位置情報格納部の構成の一例を示す図。
【図７】本発明の第１実施形態に係るプリンタが実行する印刷実行処理を説明するフローチャートを示す図。
【図８】本発明の第１実施形態に係るプリンタが実行する移動通知処理を説明するフローチャートを示す図。
【図９】本発明の第２実施形態に係るプリンタの構成の一例を示す図。
【図１０】本発明の第２実施形態に係る別のプリンタの構成の一例を示す図。
【符号の説明】
１０ ネットワーク
２０ 印刷クライアント
３０ プリンタ
３５ 管理サーバ
４０ ＣＰＵ
４２ ＲＡＭ
４４ ＲＯＭ
４６ 内部バス
４８、５０、５６ インターフェース
５２ 印刷エンジン
５４ 位置検出部
５８ ハードディスク
６０ コンピュータ本体
６２ ディスプレイ
６４ ＣＰＵ
６６ ＲＡＭ
６８ ＲＯＭ
７０ 内部バス
７２、７４、７８ インターフェース
７６ ハードディスク
Claims (12)
- 当該プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を検出する、プリンタ位置情報検出手段と、
前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、
印刷を実行する前に、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、
前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、
を備えることを特徴とするプリンタ。 - 前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、
前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、当該プリンタが移動された旨の通知を送信する、通知送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載のプリンタ。 - 前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されることを特徴とする請求項２に記載のプリンタ。
- プリンタと、このプリンタに接続された印刷クライアントとを有する印刷システムであって、
前記プリンタは、
前記プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を検出する、プリンタ位置情報検出手段と、
前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、
を備え、
前記印刷クライアントは、印刷データを生成し、これを前記プリンタに送信する、印刷データ送信手段を備え、
さらに、前記プリンタは、
前記印刷クライアントから送信された印刷データを受信する、印刷データ受信手段と、
前記印刷データの印刷を実行する前に、前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、
前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。 - 当該印刷システムは、前記プリンタに接続された管理サーバをさらに備えるとともに、
前記プリンタは、
前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、
前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、前記プリンタが移動された旨の通知を前記管理サーバに送信する、通知送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項４に記載の印刷システム。 - 前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されることを特徴とする請求項５に記載の印刷システム。
- 当該プリンタの外部に設けられたプリンタ位置情報検出手段から、当該プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、
印刷を実行する前に、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、
前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、
を備えることを特徴とするプリンタ。 - 外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、
前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、当該プリンタが移動された旨の通知を送信する、通知送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項７に記載のプリンタ。 - 前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されることを特徴とする請求項８に記載のプリンタ。
- プリンタと、このプリンタに接続された印刷クライアントとを有する印刷システムであって、
前記プリンタは、
前記プリンタの外部に設けられたプリンタ位置情報検出手段から、前記プリンタの位置を特定する情報であるプリンタ位置情報を取得し、これを第１プリンタ位置情報として格納する、第１プリンタ位置情報格納手段と、
を備え、
前記印刷クライアントは、印刷データを生成し、これを前記プリンタに送信する、印刷データ送信手段を備え、
さらに、前記プリンタは、
前記印刷クライアントから送信された印刷データを受信する、印刷データ受信手段と、
前記印刷データの印刷を実行する前に、外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第２プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第２プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第１判断手段と、
前記第１判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第２プリンタ位置情報とが一致すると判断した場合に印刷を実行し、一致しないと判断した場合には印刷を実行しない、選択実行手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。 - 当該印刷システムは、前記プリンタに接続された管理サーバをさらに備えるとともに、
前記プリンタは、
外部に設けられた前記プリンタ位置情報検出手段からプリンタ位置情報を取得し、これを第３プリンタ位置情報とするとともに、前記第１プリンタ位置情報格納手段から前記第１プリンタ位置情報を取得し、これら第１プリンタ位置情報と第３プリンタ位置情報とが一致するかどうかを判断する第２判断手段と、
前記第２判断手段が前記第１プリンタ位置情報と前記第３プリンタ位置情報が一致しないと判断した場合、前記プリンタが移動された旨の通知を前記管理サーバに送信する、通知送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項１０に記載の印刷システム。 - 前記第２判断手段と前記通知送信手段とは、所定の時間間隔で定期的に実行されることを特徴とする請求項１１に記載の印刷システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003096149A JP2004299298A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | プリンタ、及び、印刷システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003096149A JP2004299298A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | プリンタ、及び、印刷システム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
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| JP2004299298A true JP2004299298A (ja) | 2004-10-28 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003096149A Pending JP2004299298A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | プリンタ、及び、印刷システム |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004299298A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008158645A (ja) * | 2006-12-21 | 2008-07-10 | Canon Inc | 印刷装置、データ処理装置、印刷制御方法、記憶媒体、プログラム |
| JP2012059280A (ja) * | 2011-11-18 | 2012-03-22 | Canon Inc | 印刷装置、データ処理装置、印刷制御方法、及びプログラム |
| JP2019139581A (ja) * | 2018-02-13 | 2019-08-22 | ブラザー工業株式会社 | 通信機器及び通信機器のためのコンピュータプログラム |
| US20230384998A1 (en) * | 2022-05-25 | 2023-11-30 | Canon Kabushiki Kaisha | Information processing apparatus enabling proper use according to actual installation location, information processing system, method of controlling information processing apparatus, method of controlling information processing system, and storage medium |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096149A patent/JP2004299298A/ja active Pending
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