JP2004299164A - バックリット用インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いインク吸収性有し、インク受容層のひび割れがなく、かつ画像のぎらつきを抑制したバックリット用インクジェット記録材料を提供することにある。
【解決手段】光透過性支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたバックリット用インクジェット記録材料において、前記インク受容層が湿式法シリカを平均粒子径が500nm以下まで粉砕せしめたシリカ微粒子を主体に含有し、かつポリビニルアルコールを前記シリカ微粒子に対して20質量%未満含有することを特徴とするバックリット用インクジェット記録材料。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックリット用インクジェット記録材料に関し、詳細にはインク吸収性が高く、インク受容層表面のひび割れがなく、透過光により画像を見るバックライト方式での使用においても十分な光透過性を有し、さらに透過光以外の外部光の反射光(戻り光)による画像のぎらつきを抑制したバックリット用インクジェット記録材料に関する。特に医療用途に適したバックリット用インクジェット記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
透過光によって画像を観賞もしくは観察するためのバックリット用インクジェット記録材料が知られている。例えば、特開平11−105409号、特開平11−277882号、特開2001−341410号公報等に開示されている(特許文献1)。
【0003】
また、医療用途のインクジェット記録材料も知られている。例えば、特開平8−54697号、特開2002−2093号、特開2002−80758号公報等に開示されている(特許文献2)。
【0004】
透過光によって画像を観賞あるいは観察するバックリット用インクジェット記録材料は、光透過性を有することが必須である。また、高精彩な記録画像を得るためには高いインク吸収性が要求される。高いインク吸収性を得るには、無機微粒子を主体に含有する多孔質のインク受容層が好適である。特にバックリット用インクジェット記録材料は、プラスチック樹脂フィルムのような透明な支持体が用いられるが、この支持体は、従来からインクジェット記録材料の分野で一般的に用いられている紙支持体と違って全くインク吸収性がないので、インク受容層に打ち込まれた全てのインクを吸収しなければならず、従って、高いインク吸収性を得るためにはインク受容層の空隙率を高くし、かつインク受容層の膜厚を大きくすることが必要である。
【0005】
インク受容層の空隙率を高くするには、無機微粒子の含有量を多くし、ポリビニルアルコール等のバインダーを少なくすることが必要である。しかし、このようなインク受容層は、光透過性を低下させる。更にインク受容層の膜厚を大きくすることによって益々光透過性は低下する。そこで、特開2001−341410号、あるいは特開2002−2093号に記載されているように、気相法シリカのような粒子径の小さい無機微粒子を用いることが提案されている。
【0006】
しかしながら、インク受容層に気相法シリカ等の粒子径の小さい無機微粒子を用いると、バインダーの含有比率が小さいことにより、インク受容層にひび割れや折り割れが発生しやすくなる。また、粒子径の小さい無機微粒子を用いると、反射光によって画像がぎらつきくいう問題が起こる。この画像のぎらつきは透過光以外の外部の反射光(戻り光)によって画像がぎらつく現象であり、画像を見づらくして観賞や診断に支障をきたす場合がある。上記した画像のぎらつき防止には、表面を粗面(マット化)にするのが有効であることが、前述の特開2001−341410号に記載されている。しかし、この粗面化は、光透過性を低下させたり、画像部に白抜けという現象が生じさせる場合がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−341410号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2002−2093号公報(第2〜4頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、高いインク吸収性有し、インク受容層のひび割れがなく、かつ画像のぎらつきを抑制したバックリット用インクジェット記録材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の発明のよって基本的に達成された。
1)光透過性支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたバックリット用インクジェット記録材料において、前記インク受容層が湿式法シリカを平均粒子径が500nm以下まで微細化したシリカ微粒子を主体に含有し、かつポリビニルアルコールを前記シリカ微粒子に対して20質量%未満含有することを特徴とするバックリット用インクジェット記録材料。
2)光透過性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を設けたバックリット用インクジェット記録材料において、下層のインク受容層が気相法シリカを主体に含有し、上層のインク受容層が湿式法シリカを平均粒子径が500nm以下まで微細化したシリカ微粒子を主体に含有し、かつポリビニルアルコールを前記シリカ微粒子に対して20質量%未満含有することを特徴とするバックリット用インクジェット記録材料。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のバックリット用インクジェット記録材料の1つの態様は、光透過性支持体上に湿式法シリカを平均粒子径が500nm以下まで微細化したシリカ微粒子を主体に含有し、かつポリビニルアルコールを前記シリカ微粒子に対して20質量%未満含有するインク受容層を少なくとも1層有する。ここでシリカ微粒子を主体に含有するとは、インク受容層における全固形分に対して前記シリカ微粒子を50質量%以上含有することであり、より好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは65質量%以上であり、上限は95質量%程度である。また、インク受容層におけるシリカ微粒子の塗布量は、8〜40g/mが好ましく、10〜35g/mの範囲がより好ましく、特に15〜30g/mが好ましい。
【0011】
合成シリカは、製造方法によって気相法シリカ及び湿式法シリカに大別することができる。湿式法シリカは、製造方法によって更に沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば日本シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
【0012】
ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造される。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
【0013】
ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
【0014】
本発明のインク受容層に好ましく用いられる湿式法シリカは、沈降法シリカあるいはゲル法シリカである。これらの湿式法シリカの平均粒径(平均二次粒子径)は、通常1μm以上である。本発明は、これらの湿式法シリカを、平均粒径が500nm以下になるまで粉砕し微細化する。好ましくは、平均粒径が300nm以下になるまで粉砕する。下限の粒子径は50nm程度である。粉砕され微細化された湿式法シリカの粒子径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
【0015】
湿式法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程からなる。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。湿式法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。この粉砕工程において、カチオン性化合物の存在下でシリカ微粒子を粉砕し微細化するのが好ましい。
【0016】
本発明において、湿式法シリカをカチオン性化合物の存在下で粉砕するとは、少なくとも粉砕工程(二次分散工程)には、カチオン性化合物が存在すること意味する。好ましくは、粉砕工程の開始前にカチオン性化合物を添加することであり、より好ましくは、一次分散工程で用いられる分散媒に予めカチオン性化合物を添加しておくことである。更に好ましくは、一次分散工程において、カチオン性化合物を含有する分散媒中に、湿式法シリカを粉体の状態で添加し混合することである。分散媒に粉体の湿式法シリカを混合する装置としては、フロー式連続吸引混合攪拌機を用いることができる。
【0017】
湿式法シリカの分散に用いられる分散媒は水を主体とするが、少量の有機溶剤(エタノール等の低級アルコールや酢酸エチル等の低沸点溶剤)を含んでもよい。その場合、有機溶剤は全分散媒に対して20質量%以下、更には10質量%以下であることが好ましい。
【0018】
上記した湿式法シリカの粉砕工程では、ポリビニルアルコールのような親水性バインダーやホウ酸等の架橋剤(硬膜剤)は含まないのが好ましい。湿式法シリカが粉砕された後は、ポリビニルアルコールのような親水性バインダーやホウ酸等の架橋剤を添加して再度高圧ホモジナイザー等で分散してもよい。
【0019】
本発明に用いられる湿式法シリカは、平均粒子径(平均二次粒子径)が5μm以上のものが好ましい。比較的大きな粒子径のシリカを粉砕することによって、より高濃度での分散が可能となる。本発明に用いられる湿式法シリカの平均粒子径の上限は特に制限されないが、通常湿式法シリカの平均粒子径は200μm以下である。
【0020】
本発明のインク受容層に用いられる湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。前述したように、沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
【0021】
湿式シリカの粉砕工程で用いられるカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマー、水溶性多価金属化合物、あるいはシランカップリング剤が挙げられる。これらのカチオン性化合物の中でも特にカチオン性ポリマー及び水溶性多価金属化合物が好ましく、特にカチオン性ポリマーが好ましい。
【0022】
本発明に用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの質量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
【0023】
上記カチオン性ポリマーの中でも、特にポリジアリルアミン誘導体の構成単位を有するカチオン性ポリマーが好ましく、下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される構造を構成単位とするカチオン性ポリマーである。これらのカチオン性ポリマーは、シャロールDC902P(第一工業製薬)、ジェットフィックス110(里田化工)、ユニセンスCP−101〜103(センカ)、PAS−H(日東紡績社)として市販されている。
【0024】
【化1】
Figure 2004299164
【0025】
【化2】
Figure 2004299164
【0026】
【化3】
Figure 2004299164
【0027】
【化4】
Figure 2004299164
【0028】
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)において、R及びRは各々、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、またはヒドロキシエチル基等の置換アルキル基を表し、Yはラジカル重合可能なモノマー(例えば、スルホニル、アクリルアミド及びその誘導体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等)を表す。また、一般式(3)及び(4)において、n/m=9/1〜2/8、l=5〜10000である。Xはアニオンを表す。
【0029】
一般式(3)又は(4)で示されるポリジアリルアミンの誘導体の具体的な例としては、特開昭60−83882号公報記載のSO基を繰り返し単位に含む もの、特開平1−9776号公報に記載されているアクリルアミドとの共重合体等が挙げられる。
【0030】
カチオン性化合物としての水溶性多価金属化合物は、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、チタン、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンが挙げられ、これらの金属の水溶性塩として用いることができる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、硫酸チタン、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの中でも特に、アルミニウムあるいは周期表IVa族元素(ジルコニウム、チタン)の水溶性塩が好ましい。本発明において、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを意味する。
【0031】
上記以外の水溶性アルミニウム化合物として、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の一般式5、6又は7で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0032】
[Al(OH)Cl6−n ・・一般式5
[Al(OH)AlCl ・・一般式6
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・一般式7
【0033】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。これらの塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物は、特公平3−24907、同平3−42591号公報にも記載されている。
【0034】
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、特開2000−233572号公報に記載されており、それらの中からカチオン性のものを用いることができる。
【0035】
上記したカチオン性化合物の添加量は、湿式法シリカに対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
【0036】
本発明のインク受容層は、前述したシリカ微粒子に対して20質量%未満のポリビニルアルコールを含有する。好ましくは、ポリビニルアルコールをシリカ微粒子に対して8〜19質量%の範囲で含有することであり、より好ましくは10〜18質量%の範囲である。
【0037】
光透過性支持体上に上記したインク受容層を設けることによって、光透過性を維持しながら、高いインク吸収性が得られ、かつインク受容層のひび割れや折れ割れの発生を抑制することができ、更にぎらつきを抑制することができる。
【0038】
本発明の別の態様は、光透過性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を設けた記録材料であって、支持体に近い下層に気相法シリカを主体に含有するインク受容層(A)、上層に湿式法シリカを平均粒子径が500nm以下まで微細化したシリカ微粒子を主体に含有し、かつポリビニルアルコールを前記シリカ微粒子に対して20質量%未満含有するインク受容層(B)を設けたバックリット用インクジェット記録材料である。この記録材料について詳細に説明する。
【0039】
上層のインク受容層(B)は、前述したインク受容層とほぼ同じ構成である。但し、インク受容層(B)におけるシリカ微粒子の塗布量は、3〜20g/mが好ましく、5〜15g/mの範囲がより好ましい。
【0040】
下層のインク受容層(A)は、気相法シリカを主体に含有する。ここで気相法シリカを主体に含有するとは、インク受容層における全固形分に対して前記気相法シリカを50質量%以上含有することであり、より好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは65質量%以上であり、上限は95質量%程度である。また、インク受容層(A)における気相法シリカの塗布量は、5〜20g/mが好ましく、8〜15g/mの範囲がより好ましい。
【0041】
気相法シリカは、前述した湿式法シリカに対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0042】
本発明に用いられる気相法シリカは、平均一次粒子径が5〜50nmのものが好ましい。より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m/gの気相法シリカが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0043】
気相法シリカは、数nm〜数十nmの一次粒子が網目構造あるいは鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在する。この凝集粒子の平均粒径が500nm以下になるまで分散されるのが好ましく、特に300nm以下になるまで分散されたものが好ましい。下限の粒子径は50nm程度である。ここで、凝集粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
【0044】
気相法シリカを微細化するための分散工程について説明する。気相法シリカの分散工程は、分散媒に気相法シリカを添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液を分散装置で分散する二次分散工程からなる。
【0045】
一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。二次分散工程に用いられる分散装置としては、例えば、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、ボールミル等が用いられる。特に、二次分散工程に用いられる分散装置としては、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機が好ましく、例えば特開平10−310416号、特開2000−239536号、特開2001−207078号公報に記載されている圧力式分散方法を用いることができる。
【0046】
本発明において、気相法シリカをカチオン性化合物の存在下で分散するのが好ましい。ここでカチオン性化合物の存在下で分散するとは、少なくとも二次分散工程における分散時には、カチオン性化合物が存在すること意味する。好ましくは、二次分散工程の開始前にカチオン性化合物を添加することであり、より好ましくは、一次分散工程で用いられる分散媒に予めカチオン性化合物を添加しておくことである。更に好ましくは、一次分散工程において、カチオン性化合物を含有する分散媒中に、気相法シリカを粉体の状態で添加し混合することである。分散媒に粉体の気相法シリカを混合する装置としては、フロー式連続吸引混合攪拌機を用いることができる。上記した気相法シリカの分散方法を用いることによって、気相法シリカの濃度が18質量%以上、更には19質量%以上の高濃度シリカスラリーの製造が可能となる。
【0047】
気相法シリカの分散工程で用いられるカチオン性化合物は、湿式法シリカの粉砕工程で用いられるカチオン性化合物と同様なものが用いられる。カチオン性化合物の添加量は、気相法シリカに対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
【0048】
気相法シリカの分散に用いられる分散媒は水を主体とするが、少量の有機溶剤(エタノール等の低級アルコールや酢酸エチル等の低沸点溶剤)を含んでもよい。その場合、有機溶剤は全分散媒に対して20質量%以下、更には10質量%以下であることが好ましい。
【0049】
上記した気相法シリカの分散工程程では、ポリビニルアルコールのような親水性バインダーやホウ酸等の架橋剤(硬膜剤)は含まないのが好ましい。気相法シリカが分散された後は、ポリビニルアルコールのような親水性バインダーやホウ酸等の架橋剤を添加して再度高圧ホモジナイザー等で分散してもよい。
【0050】
本発明において、気相法シリカを主体に含有するインク受容層(A)は、ポリビニルアルコールを気相法シリカに対して10〜28質量%の範囲で含有するのが好ましく、特に12〜25質量%の範囲で含有するのが好ましい。これによって高いインク吸収性が得られる。
【0051】
本発明において、インク受容層(A)の上に前述したインク受容層(B)を設けることによって、高い光透過性及び高いインク吸収性を維持しながら、ひび割れや折り割れを抑制し、かつぎらつきを防止することができる。
【0052】
以下、本発明のインク受容層に共通して含有することができる化合物について説明する。インク受容層には、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することが好ましいが、そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して5〜50質量%の範囲で用いることができる。
【0053】
インク受容層には、ポリビニルアルコール等の親水性バインダーの架橋剤(硬膜剤)を含有するのが好ましい。かかる架橋剤としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。架橋剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バインダー(ポリビニルアルコール)に対して、0.01〜40質量%の範囲が好ましく、特に1〜30質量%の範囲が好ましい。上記した架橋剤の中でも特にほう酸もしくはほう酸塩が好ましく用いられる。
【0054】
インク受容層には、更に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0055】
インク受容層には、前述した水溶性多価金属化合物を含有するのが好ましい。特に、湿式法シリカ及び気相法シリカの粉砕もしくは分散工程で、カチオン性化合物としてカチオン性ポリマーを用いた場合、インク受容層には更に水溶性多価金属化合物を含有するのが好ましい。前述した水溶性多価金属化合物の中でも特に、ジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物が好ましく、これらの化合物を含有することによって、インク受容層のひび割れの発生を一段と防止できる。インク受容層における水溶性多価金属化合物の含有量は、湿式法シリカあるいは気相法シリカに対して1〜10質量%の範囲が好ましい。
【0056】
本発明において、湿式法シリカを粉砕せしめたシリカ微粒子を主体に含有するインク受容層は、平均粒子径が1〜10μmの無機微粒子(例えば、粉砕する前の湿式法シリカ)を、0.3g/m以下の範囲で少量含有させることができる。これによって、光透過性を低下させずに画像のぎらつきを更に防止することができる。
【0057】
また、本発明において、湿式法シリカを粉砕せしめたシリカ微粒子を主体に含有するインク受容層の上に、更にコロイダルシリカを主体に含有する層を設けることができる。このコロイダルシリカ層は、層中の全固形分に対してコロイダルシリカを70質量%以上含有する層であり、ポリビニルアルコールをコロイダルシリカに対して2〜8質量%の範囲で含有する層であるのが好ましい。コロイダルシリカの塗布量は、5g/m以下が好ましく、特に3g/m以下が好ましく、下限の量は0.3g/m程度である。コロイダルシリカとしては、カチオン性コロイダルシリカが好ましい。
【0058】
本発明において、インク受容層の塗布方法は特に限定されず公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、スライドカーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。これらの塗布方法の中でも、多層同時塗布が可能なスライドビード方式やスライドカーテン方式が好ましい。
【0059】
本発明に用いられる光透過性支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートのようなセルロースエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルムが挙げられる。特にポリエステルフィルムが耐熱性等の特性と価格で好ましく用いられる。これらの樹脂フィルム支持体の厚みは、カール性や取り扱い安さ等から50〜250μm程度のものが好ましい。
【0060】
光透過性支持体の透明性、色調を調整する場合には、例えば熱可塑性樹脂に無機微粒子等を配合して作成するが、無機微粒子としては炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、シリカや、カーボンブラック等の着色顔料等が利用出来る。本発明では好ましくは支持体の不透明度は60%以下のものが使用される。60%より大きいと光透過性に劣り不鮮明な暗い画像になる。5%より低いと透過光が強くなり光源の照明によっては画像が見にくくなる。特に医療用には青色に着色されたブルーPETフィルムが好ましく使用される。
【0061】
プラスチック樹脂フィルム支持体にインク受容層の塗布液を塗布する場合、塗布に先立って、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等が通常行われる。
【0062】
本発明は、プラスチック樹脂フィルム等の光透過性支持体上に合成樹脂を主体とするプライマー層を設けるのが好ましい。該プライマー層の上に、インク受容層の塗液を塗布した後、冷却し、比較的低温で乾燥することによって、更に透明性が向上する。
【0063】
フィルム上に設けられるプライマー層は合成樹脂を主体とする。係る合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。アクリル樹脂としては、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの単独重合体あるいはこれらの共重合体が一般的である。ポリエステル樹脂としては、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール)と脂肪族あるいは芳香族二塩基酸等の多塩基酸との重縮合物が一般的である。塩化ビニリデン樹脂としては、単独重合体あるいはアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル及び/またはアクリロニトリルとの共重合体が好ましい。ポリウレタン樹脂としては、水分散型ポリウレタンエマルジョンが好ましい。これらの樹脂は、有機溶剤の溶液あるいは水溶液として支持体上に塗布することができるが、好ましくは水分散性のポリマーであり、エマルジョンやラテックスとして支持体上に塗布することである。
【0064】
これらの合成樹脂は、プライマー層を構成する全固形分に対して、60質量%以上が含有される。好ましくは80質量%以上含有されるものである。更に、プライマー層には、界面活性剤、イソシアネート、エポキシ等の架橋剤、コロイダルシリカ等の微粒子、ゼラチン、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを含有することができる。
【0065】
上記プライマー層は、支持体上に0.01〜5μmの膜厚(乾燥膜厚)で設けられる。好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
【0066】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0068】
実施例1
支持体として、下記に示す光透過性支持体を用意した。
<光透過性支持体>
厚み175μmで青色系無機顔料を含むポリエチレンテレフタレートフィルム(不透明度15%)上に下記組成のプライマー層を乾燥膜厚が0.3μmになるように設けた。
プライマー層:塩化ビニリデン:メチルアクリレート:アクリル酸(90:9:1、質量%)のラテックス(質量平均分子量42000)。
【0069】
<記録材料1>
上記の支持体上に、下記組成のインク受容層塗布液をスライドビード塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示すインク受容層塗布液は10質量%の固形分濃度になるように調製し、シリカの塗布量が20g/mになるように塗布した。尚、部とは質量部を示す。
【0070】
<湿式法シリカ分散液1>
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)3部を含有する水分散媒中に、沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均二次粒子径23μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード集速30m/秒)を使用して予備分散液を作成した。次に得られた予備分散液をビーズミルに、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率80容量%、円盤周速10m/秒の条件で1回通過させて、固形分濃度30質量%、平均二次粒子径200nmのシリカ分散液1を作成した。
【0071】
<インク受容層塗布液>
湿式法シリカ分散液1(シリカ固形分として) 100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン社製のピュラケムWT)
【0072】
<記録材料2>
記録材料1の湿式法シリカ分散液1に代えて、沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均二次粒子径23μm)を粉砕しないで使用した以外は記録材料1と同様にして作成した。
【0073】
<記録材料3>
記録材料1のポリビニルアルコールの添加量を25部に代える以外は記録材料1と同様にして作成した。
【0074】
<記録材料4>
上記の支持体上に、下記組成のインク受容層塗布液をスライドビード塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示すインク受容層塗布液は10質量%の固形分濃度になるように調製し、シリカの塗布量が20g/mになるように塗布した。
【0075】
<気相法シリカ分散液1の作製>
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)3部を含有する水分散媒(変性エタノールを5質量%含む)中に、気相法シリカ(平均一次粒子径nm、BET比表面積300m/g)100部を添加し予備分散して粗分散液を作製した。次にこの粗分散液を高圧ホモジナイザーで2回処理して、シリカ濃度が20質量%の気相法シリカの分散液を作製した。気相法シリカの平均粒子径は100nmであった。
【0076】
<インク受容層の塗布液>
気相法シリカ分散液1(気相法シリカの固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン社製のピュラケムWT)
【0077】
上記のようにして作成したインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0078】
<塗布面のひび割れ>
記録材料表面のひび割れを目視で評価し、下記の基準で評価した。
○:ひび割れは全く認められない。
×:ひび割れが認められる。
【0079】
<インク吸収性>
プロッター(ENCAD社製のNovajet−PRO42e)及びGSインキを用いて、C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:転写しない。
×:転写する。
【0080】
<光透過性>
印字面の反対面からの透過光により画像を見るバックライト方式での光透過性を目視で感応評価し、下記の評価基準で評価した。
○:バックリット用としての光透過性が充分にある。
×:光透過性が乏しく、画像が暗い。
【0081】
<画像のぎらつき感>
ぎらつき感を下記の基準で評価した。
○:ぎらつき感がほとんどない。
×:ぎらつき感がある。
【0082】
【表1】
Figure 2004299164
【0083】
実施例2
実施例1の支持体上に、下記に示すインク受容層(A)とインク受容層(B)をこの順にスライドビード塗布方式で塗布した。インク受容層(A)のシリカの塗布量は10g/mで、インク受容層(B)のシリカの塗布量は10g/mである。
【0084】
<インク受容層(A)の塗布液>
気相法シリカ分散液1(気相法シリカの固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン社製のピュラケムWT)
【0085】
<インク受容層(B)の塗布液>
湿式法シリカ分散液1(シリカ固形分として) 100部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
((株)理研グリーン社製のピュラケムWT)
【0086】
上記のようにして作製した記録材料を実施例1と同様にして評価したところ、ひび割れ、インク吸収性、光透過性、及びぎらつき感ともに○レベルであった。
【0087】
【発明の効果】
上記結果から明らかなように、本発明によれば、高いインク吸収性有し、インク受容層のひび割れがなく、かつ画像のぎらつきを抑制したバックリット用インクジェット記録材料が得られる。

Claims (6)

  1. 光透過性支持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたバックリット用インクジェット記録材料において、前記インク受容層が湿式法シリカを平均粒子径が500nm以下まで微細化したシリカ微粒子を主体に含有し、かつポリビニルアルコールを前記シリカ微粒子に対して20質量%未満含有することを特徴とするバックリット用インクジェット記録材料。
  2. 光透過性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を設けたバックリット用インクジェット記録材料において、下層のインク受容層が気相法シリカを主体に含有し、上層のインク受容層が湿式法シリカを平均粒子径が500nm以下まで微細化したシリカ微粒子を主体に含有し、かつポリビニルアルコールを前記シリカ微粒子に対して20質量%未満含有することを特徴とするバックリット用インクジェット記録材料。
  3. 前記湿式法シリカを微細化したシリカ微粒子が、平均二次粒子径が5μm以上の湿式法シリカをカチオン性化合物の存在下に水性媒体中で500nm以下まで粉砕せしめた微粒子である請求項1または2に記載のバックリット用インクジェット記録材料。
  4. 前記湿式法シリカが、沈降法シリカもしくはゲル法シリカである請求項1または2に記載のバックリット用インクジェット記録材料。
  5. 前記湿式法シリカが、沈降法シリカである請求項1または2に記載のバックリット用インクジェット記録材料。
  6. 前記気相法シリカが、カチオン性化合物の存在下に平均粒子径が500nm以下まで微細化されたものである請求項2に記載のバックリット用インクジェット記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021154602A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 三菱製紙株式会社 インクジェット装置検査用メディア

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