JP2004298790A - 保護層形成材の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護層形成材を塗布するローラの性能を長期にわたって維持する。
【解決手段】塗布装置による保護層形成材の塗布作業が終了した後、塗布装置からローラ48を取り外すステップS1と、ローラ48を水に浸すステップS2と、水に浸したローラ48を水洗いするステップS3と、水洗いしたローラ48の水分を除去するステップS4と、ローラ48を乾燥するステップS5とにより、ローラ48を洗浄する。
【選択図】図10
【解決手段】塗布装置による保護層形成材の塗布作業が終了した後、塗布装置からローラ48を取り外すステップS1と、ローラ48を水に浸すステップS2と、水に浸したローラ48を水洗いするステップS3と、水洗いしたローラ48の水分を除去するステップS4と、ローラ48を乾燥するステップS5とにより、ローラ48を洗浄する。
【選択図】図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装が終了した車両の塗装部を主にする外表面に保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布方法に関し、特に、前記外表面に当接するローラによって液状の保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両は、製造後にユーザに手渡されるまでに屋外ストックヤードで保管されたり、トレーラや船等で搬送されたりすることが多い。この間、車両は粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等に曝されることから、長時間の保管および搬送の間には、車両の外表面における複数の塗装層のうち、表面層の品質が侵されるおそれがある。このような事態を防ぐため、車両出荷前の段階において塗装部に剥離性保護層を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。剥離性保護層は液状ラップ材である保護層形成材(ストリッパブルペイントとも呼ばれる)を塗布して乾燥させることにより形成され、この剥離性保護層は塗装部を保護することができる。また、剥離性保護層を除去する際には容易に剥離させることができるとともに、通常の保管時には自然に剥離してしまうことがない。
【0003】
剥離性保護層が乾燥する前の保護層形成材を塗布する工程では、ローラに保護層形成材を付着させて、このローラを転がすことによって保護層形成材の塗布を行っている。
【0004】
このような作業の自動化を図るとともに塗布品質を均一化させるために、ボディ上に保護層形成材を注ぎ出した後、エアを吹き付けることによって保護層形成材を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば保護層形成材の塗布工程における作業の多くが自動化され、作業者の負担を軽減するとともに、タクトタイムを向上させることができて好適である。
【0005】
また、本出願人は、前記の作業の自動化および塗布品質の均一化に鑑みて、特願2002−381880号に記載された保護層形成材の塗布システムおよび塗布方法を提案した。この特願2002−381880号では、ロボットの操作によるローラを介して、車両の外表面に保護層形成材を塗布する工程をさらに自動化し、生産効率を向上させて作業を簡素化するとともに、塗布品質を均一化することを可能にした。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−89697号公報(段落[0022]〜[0027])
【特許文献2】
特開平8−173882号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の特願2002−381880号の発明に関連してなされたものであって、車両の外表面に当接することによって保護層形成材を塗布するローラの性能を長期にわたって維持することを可能にする保護層形成材の塗布方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る保護層形成材の塗布方法は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、前記ローラに、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材あるいは洗浄剤を選択的に供給する供給機構部と、を有し、前記車両に対する前記保護層形成材の塗布作業が終了した後、前記ローラ機構部から前記ローラを取り外すステップと、前記ローラを前記洗浄剤に浸すステップと、前記洗浄剤に浸した前記ローラを該洗浄剤によって洗浄するステップと、前記洗浄剤によって洗浄した前記ローラから該洗浄剤を除去するステップと、前記ローラを乾燥するステップと、からなることを特徴とする。
【0009】
このように、車両に対して保護層形成材の塗布作業が終了した後、洗浄剤に浸すとともに、洗浄剤を用いてローラを洗浄している。これにより、ローラの劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラの性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラの高寿命化を図ることが可能となる。
【0010】
この場合、前記各ステップは、少なくとも72時間以内毎に行うとよい。これにより、ローラが定期的に洗浄されるので、該ローラの性能をより長期にわたって維持することができる。
【0011】
さらに、前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を用いるとよい。これにより、車両の塗装部をより確実に保護することができ、しかも除去するときには剥がしやすい。
【0012】
また、本発明に係る保護層形成材の塗布方法は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、前記ローラに、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材あるいは第1の洗浄剤を選択的に供給する第1供給機構部と、前記ローラを洗浄する際に用いる第2の洗浄剤を供給する第2供給機構部と、を有し、前記車両に対する前記保護層形成材の塗布作業が終了した後、前記ローラ機構部から前記ローラを取り外すステップと、前記ローラを前記第1供給機構部から供給された前記第1の洗浄剤に浸すステップと、前記ローラを前記第1の洗浄剤によって洗浄するステップと、前記第1の洗浄剤によって洗浄した前記ローラを前記第2供給機構部から供給された前記第2の洗浄剤によってさらに洗浄するステップと、前記ローラから前記第2の洗浄剤を除去するステップと、前記ローラを乾燥するステップと、からなることを特徴とする。
【0013】
このように、車両に対して保護層形成材の塗布作業が終了した後、第1の洗浄剤に浸すとともに、第1の洗浄剤を用いてローラを洗浄し、さらに、第2の洗浄剤を用いて洗浄している。これにより、ローラの劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラの性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラの高寿命化を図ることが可能となる。しかも、例えば、半固体状となった保護層形成材がローラに付着していたとしても効果的に洗浄することができる。
【0014】
この場合、前記各ステップは、少なくとも72時間以内毎に行うとよい。これにより、ローラが定期的に洗浄されるので、該ローラの性能をより長期にわたって維持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る保護層形成材の塗布方法について、それを実施するための好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置10は、自動車の搬送ライン12に設けられるものであり、塗装の終了した車両14に対して保護層形成材を塗布するものである。塗布装置10は、産業用ロボットである3台のロボット16a、16b、16cと、システム全体の制御を行う制御部18と、保護層形成材が収容されたタンク20と、該タンク20から各ロボット16a、16b、16cに連通する塗布材管路22と、水供給源24からロボット16a、16b、16cへ水を供給する水管路26とを有する。ロボット16a、16b、16cはそれぞれ制御部18に接続されたロボットコントローラ28a、28b、28cによって制御される。
【0017】
ロボット16aおよび16cは、搬送ライン12における車両14の進行方向左手側に設けられ、ロボット16bは、進行方向右手側に備えられている。また、ロボット16aは進行方向前方、ロボット16bは進行方向の中程、ロボット16cは進行方向後方に備えられている。ロボット16a、16b、16cは搬送ライン12と平行なスライドレール30上を移動可能である。
【0018】
塗布材管路22の途中にはポンプ32が設けられており、タンク20から保護層形成材を吸い上げてロボット16a、16b、16cへ供給する。また、保護層形成材は、図示しないヒータと温度計とによって適温となるように制御されている。ロボット16a、16b、16cの先端部には、それぞれ塗布材管路22を介して保護層形成材が供給されるローラ機構部34が設けられている。
【0019】
保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を主成分とするものであって、好ましくは、ガラス転移温度の異なる2種のアクリル系コポリマ部分を有するものであるとよい。具体的には、例えば、前記の特許文献1で示されている保護層形成材を用いるとよい。また、保護層形成材は、水との混合割合および温度の変化によって粘度を調整することができ、しかも、乾燥すると車両14に密着して粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等から車両14の塗装部を化学的および物理的に保護することができる。さらに、車両14をユーザに納品の際、除去する場合等には容易に剥離することができる。
【0020】
図3に示すように、ロボット16a、16b、16cは、例えば、産業用の多関節型のロボットであり、ベース部40と、該ベース部40を基準にして順に、第1アーム42、第2アーム44および第3アーム46とを有し、該第3アーム46の先端にローラ機構部34が設けられている。ローラ機構部34は、第3アーム46に対して着脱自在であり、所謂、エンドエフェクタとして作用する。第1アーム42はベース部40に対して水平および垂直に回動可能な軸J1、J2によって回動可能である。第2アーム44は第1アーム42と軸J3で回動可能に連結されている。第2アーム44は軸J4によって捻れ回転が可能になっている。第3アーム46は第2アーム44と軸J5で回動可能に連結されている。第3アーム46は軸J6によって捻れ回転が可能になっている。
【0021】
このような6軸構成のロボット16a、16b、16cの動作によって、先端部に接続されたローラ機構部34は車両14の近傍における任意の位置に移動可能であって、かつ、任意の向きに設定可能である。換言すれば、ローラ機構部34は6自由度の移動が可能である。ロボット16a、16b、16cは、回転動作以外にも伸縮動作、平行リンク動作等の動作部を有するものであってもよい。
【0022】
図4〜図6に示すように、ローラ機構部34は、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46の先端部に取り付けられており、円筒形状で保護層形成材を吸収して蓄えることができるローラ48と、第3アーム46に対する取付部であるスラスト回転部69とを有する。スラスト回転部69は、取付部材70と、該取付部材70に対してベアリング72を介して回転自在に支持されているスラスト回転部材74と、該スラスト回転部材74の下に取り付けられたベース部76とを有する。
【0023】
また、ローラ機構部34は、ベース部76の両端部に設けられた空気圧シリンダ78および80と、ベース部76の略下端の揺動軸82に揺動自在に軸支された揺動部材84と、ローラ48を保持するホルダ86と揺動部材84とを接続する接続部88とを有する。揺動部材84は、上方に延在する2つの上方延在部84aを有し、該上方延在部84aの略上端には、揺動軸82と平行なピン90が設けられている。
【0024】
さらに、ローラ機構部34は、前記空気圧シリンダ78および80のロッド78aおよびロッド80aから力を受けて、前記揺動軸82を中心として回転する2つのピン押圧部材92および94を有する。ピン押圧部材92の押圧面92aは、ロッド78aが縮退するとき図6における前記ピン90の左面を押圧し、ピン押圧部材94の押圧面94aは、ロッド80aが縮退するとき図6における前記ピン90の右面を押圧する。
【0025】
2つの上方延在部84aの間には、ベース部76から下方に延在する2つの下方延在部76aが配置され、該2つの下方延在部76aの間に押圧面92aおよび94aが配置されている。
【0026】
スラスト回転部材74の上部には回転規制部材96が設けられており、該回転規制部材96の上面の凹部96aには、取付部材70から下に突出する小突起98が配置されている。小突起98の幅は凹部96aの幅よりやや小さく、この隙間の範囲においてスラスト回転部材74はスラスト方向に回転自在となっている。ここでいうスラスト方向とは、ローラ48自体の軸心と直交する方向であり、第3アーム46の軸心Cを中心とした回転方向である。取付部材70を第3アーム46に取り付けるためのボルト100を小突起98に兼用してもよい。
【0027】
接続部88には上部と下部で対向する2つのクランパ102および104が設けられ、これらのクランパ102および104はアルミパイプ106を保持しており、該アルミパイプ106により揺動部材84とホルダ86が連結されている。アルミパイプ106の表面には環状溝106aが設けられている。
【0028】
図4および図5に示すように、ホルダ86は、一端に固定ホルダ86aがボルト86bによって固定される一方、他端に可動ホルダ86cが軸部材86dを介して旋回自在に装着されるホルダ本体86eを備えている。固定ホルダ86aには、ナット110aによって連結部材110bが固定されており、この連結部材110bの一端の開口には塗布材管路22および水管路26に連通するチューブ22aが接続される。
【0029】
一方、連結部材110bの他端の開口には、チューブ22aを介して供給される保護層形成材をさらにローラ48へと送給するとともに、ローラ48を回転自在に支持する中空状のパイプ112の第1端部112aが接続される。この第1端部112aには、複数(例えば、2箇所)の図示しない円錐状の溝が形成されており、この溝に連結部材110b側から図示しない埋め込みボルト等が係合することによって、パイプ112が連結部材110bに強固に装着される。パイプ112の第2端部112bは閉塞されている。
【0030】
なお、パイプ112には、供給された保護層形成材をローラ48へ送給するための複数の孔114が形成されている。また、パイプ112は、ステンレス鋼材により形成されると好適であり、例えば、SUS304系材料(オーステナイト系に分類される鋼管:日本工業規格準拠)により形成されると一層好適である。
【0031】
可動ホルダ86cの先端側には、円形溝部86fが形成されている。この可動ホルダ86cは、スプリング116の付勢作用下に旋回可能であり(図5中、矢印A方向参照)、該スプリング116の弾発力によって前記円形溝部86fに前記パイプ112の第2端部112bが係合される。これにより、パイプ112が確実に保持される。
【0032】
図5に示すように、ローラ48は、保護層形成材を吸収して蓄えることが可能な材質により形成されるとともに、車両14の表面に当接することで該保護層形成材を塗布する中空状の塗布部材48aと、塗布部材48aの両端の開口部48bに、O−リング48cを介して液密に装着される端部キャップ50とを備える。端部キャップ50の中心には、図示しない孔が形成されており、この孔に前記パイプ112が挿通されることでローラ48全体が回転自在に支持される。パイプ112と前記孔とは、塗布部材48aの内部に保護層形成材を保持可能な程度に嵌め合いが調整されている。
【0033】
前記のようにローラ48およびホルダ86を構成することにより、ローラ48の着脱を容易に行うことが可能となり、該ローラ48の取り扱い性を向上させることができる。従って、ローラ48の清掃や洗浄、あるいは交換等のメンテナンス作業を頻繁に行う必要があっても、該メンテナンス作業を効率的に遂行することが可能となる。
【0034】
また、前記のようにローラ48を構成することにより、パイプ112を介して送給される保護層形成材は、塗布部材48aに吸収され、かつ蓄えられるとともに、塗布部材48aによって車両14の表面に確実に塗布される。
【0035】
図7に示すように、ローラ48に保護層形成材および水を選択的に供給するための液圧および空圧の複合回路(第1供給機構部)150は、コンプレッサ152と、該コンプレッサ152の吐出部に接続されたエアタンク154と、空気圧の供給・遮断の切り換えを行う手動の空圧投入弁156と、制御部18から供給される電気信号によって2次側圧力を減少させるレギュレータ158と、該レギュレータ158の2次圧によってパイロット操作されて塗布材管路22の圧力を減少させるレギュレータ操作弁160とを有する。また、複合回路150は、レギュレータ操作弁160の2次側管路および水管路26が接続されたMCV(Material Control Valve:供給切換弁)162と、MCV162の2次側とローラ48との間に設けられたトリガー弁164とを有する。MCV162の内部には、塗布材管路22および水管路26の連通・遮断の切り換えを行う切換弁162a、162bが設けられており、該切換弁162a、162bの2次側は連通している。なお、図7の破線は空気圧管路を示す。
【0036】
MCV162、トリガー弁164およびレギュレータ操作弁160は、空気圧パイロット式に限らず電気ソレノイド等の駆動方式のものでもよい。
【0037】
複合回路150は、さらに、空圧投入弁156から供給される空気圧を切り換えることによって切換弁162a、162bをパイロット形式で操作するMCV切換電磁弁166と、トリガー弁164をパイロット操作するトリガー切換電磁弁168とを有する。MCV切換電磁弁166は制御部18から供給される電気信号によって、切換弁162a、162bのいずれか一方を連通させるとともに他方を遮断し、保護層形成材と水とを切り換えてトリガー弁164に供給する。トリガー切換電磁弁168は、制御部18から供給される電気信号によってトリガー弁164を連通・遮断状態に切り換えて、ローラ48に保護層形成材または水を供給する。
【0038】
塗布材管路22および水管路26の途中には、それぞれ手動の止め弁170、172が設けられている。通常、止め弁170および172は連通させておく。複合回路150において空気の排出口にはそれぞれサイレンサ174が設けられており、排気音を低減させている。コンプレッサ152、ポンプ32および水供給源24には、過剰な圧力上昇を防止するリリーフ弁(図示せず)が設けられている。
【0039】
空気圧シリンダ52のボトム側には電磁パイロット式のレギュレータ176を介して減圧した空気が供給される。該レギュレータ176は制御部18によって電気的に操作され、または、所定のダイヤル等により手動で操作されて保護層形成材の塗装時に2次側の圧力値を適宜変更可能である。レギュレータ176の2次側は空気圧シリンダ52のボトム側に連通している。空気圧シリンダ52のロッド側の空気はサイレンサ174を介して排出自在となっている。
【0040】
なお、複合回路150におけるコンプレッサ152、エアタンク154、水供給源24およびポンプ32は、各ロボット16a、16b、16cに共通であり、それ以外の機器は各ロボット16a、16b、16cに個別に備えられている。
【0041】
次に、このように構成される塗布装置10の動作について、車両14に対する保護層形成材の塗布方法との関連において説明する。
【0042】
まず、予め、各ロボット16a、16b、16cに対して動作の教示を行う。ロボット16a、16b、16cに車両14のボンネット部14a、ルーフ中央部14bおよびルーフ後方部14cをそれぞれ分担させて、各担当部に保護層形成材を塗布させるように教示し、教示したティーチングデータは制御部18の所定の記録部に記録し、保持しておく(図1参照)。なお、車両14が、例えば、セダン型であるときには、ロボット16cはトランク部を分担する。
【0043】
すなわち、図8に示すように、ロボット16aの第3アーム46と車両14の表面との距離を適当に保ち、具体的には、平坦な箇所Paにおいて揺動部材84の傾斜角度を所定の角度θとなるように教示し、平坦な箇所Paから第3アーム46を車両14の表面に平行に移動させる。また、平坦な箇所Paから連続する面における浅い凹部200の箇所Pbにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。さらに、平坦な箇所Paから連続する面における低い凸部202の箇所Pcにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。このように、凹部200および凸部202は無視し、揺動部材84の傾斜角度を多少変化させるようにしてもよい。このように浅い凹部200や比較的低い凸部202も無視することによりロボット16aの動作教示が容易になる。
【0044】
次に、図8に示すようにロボット16aを右方向へ移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド80aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。また、ロッド78aが延出するように左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。このようにすることにより、右側のピン押圧部材94の押圧面94aはピン90の右側面を比較的弱い力で押圧し、左側のピン押圧部材92の押圧面92aはピン90から離間する。従って、揺動部材84およびローラ48は揺動軸82を中心として反時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
【0045】
ローラ48の適用箇所や移動方法に応じて力Faを適宜調整するとよい。この調整は、前記レギュレータ176に相当する押圧力調整機能部を制御部18により操作し、または、所定のダイヤル等を操作することにより容易に行うことが可能である。
【0046】
一方、図9に示すように、ロボット16aを左方向に移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド78aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。また、ロッド80aが延出するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。このようにすることにより、左側のピン押圧部材92の押圧面92aはピン90の左側面を比較的弱い力で押圧し、右側のピン押圧部材94の押圧面94aはピン90から離間する。従って、揺動部材84およびローラ48は揺動軸82を中心として時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
【0047】
このように、ロボット16aの進行方向に応じて空気圧シリンダ78および80に供給する空気の流れの方向と圧力とを制御することにより、ローラ48を車両14の表面に対して適度に押圧することができる。つまり、ローラ48の自重を押圧力として有効に利用するとともに、該自重で不足の押圧力を空気圧シリンダ78または空気圧シリンダ80により補償することができる。
【0048】
これにより、ローラ48が空回りしたり、凹部200および凸部202を通過するときに飛び跳ねることがない。また、ローラ48から保護層形成材がしみ出しやすい。このとき、ローラ48は揺動軸82を中心として揺動可能であることから、凹部200および凸部202に対しても確実に当接させて保護層形成材を塗布することができる。つまり、ローラ48が凹部200および凸部202を通過する際には、凹部200の深さおよび凸部202の高さに応じてロッド78aまたは80aが伸縮する。空気圧シリンダ78および80は、駆動流体として圧縮性に富む空気を用いていることから柔軟な動作が可能であり、外力の変動を吸収しやすい。
【0049】
空気圧シリンダ78のロッド78aに連結されたピン押圧部材92と空気圧シリンダ80のロッド80aに連結されたピン押圧部材94は、揺動部材84に対してそれぞれ対向する方向に押圧力を加えるので、揺動部材84が時計方向または反時計方向のいずれの方向に傾斜している場合にも適切に動作可能である。これにより、右方向および左方向のいずれの方向へも保護層形成材を塗布することができる。
【0050】
その後、ロボット16a、16b、16cによって保護層形成材が塗布された車両14は、搬送ライン12によって次工程へ搬送される。そして、ロボット16a、16b、16cは、車両14と干渉することのない待機姿勢を保持し、次の車両14が搬入されるまで待機する。このとき、トリガー弁164を遮断し、保護層形成材の供給を停止させる。
【0051】
塗布された保護層形成材は、自然乾燥または送風しながら乾燥させて可剥離性保護層を形成し、車両14の塗装部を保護する。
【0052】
ここで、搬送ライン12における車両14に対する保護層形成材の塗布作業が終了した後、塗布装置10のメンテナンスの一環として、ローラ48の洗浄が行われる。そこで、ローラ48の洗浄作業について、図10を参照しながら以下に説明する。
【0053】
まず、ステップS1では、複合回路150において、制御部18から供給される電気信号に基づいて、MCV162の切換弁162bおよびトリガー弁164が遮断される(図7参照)。次いで、各ロボット16a、16b、16cに備えられたローラ機構部34のホルダ86からローラ48が取り外される。
【0054】
ステップS2では、前記ローラ48が、例えば、一般的な洗浄槽に蓄えられた水(第1の洗浄剤)に浸される。
【0055】
ステップS3では、前記洗浄槽において、ローラ48が水によって洗浄される。この場合、ローラ48は、流水により洗浄されるとより効果的である。
【0056】
次に、ステップS4では、水によって洗浄されたローラ48の水分が、例えば、振り掃うことによって除去される。
【0057】
ステップ5では、ローラ48が乾燥される。そして、乾燥されたローラ48は、直ちに再使用されるか、あるいは再使用のために保管される。
【0058】
なお、上述した洗浄作業は、定期的に行われることが望ましく、本実施の形態では、少なくとも72時間以内毎に行うようにしている。なお、この時間は、例えば、24時間毎、48時間毎のように車両14の生産数量、あるいはローラ48の使用頻度等によって適宜設定できることは勿論である。
【0059】
ここで、例えば、ローラ48に保護層形成材が半固形状に付着している場合等に、前述したステップS3の後、ローラ48をアルコール(第2の洗浄剤)等によって洗浄すると好適である。すなわち、図10に示すように、ステップS3’において、ローラ48が、例えば、アルコールが供給されるとともに蓄えられる一般的なアルコール洗浄槽(第2供給機構部)において洗浄される。なお、前記アルコールは、エタノール系あるいはイソプロパノール系等のアルコールを用いるとよい。これにより、半固体状の保護層形成材がローラ48に付着していたとしても効果的に洗浄することができる。
【0060】
次いで、ステップS4’において、アルコールによって洗浄されたローラ48のアルコール分が、例えば、振り掃うことによって除去され、その後、前述したステップS5においてローラ48が乾燥される。そして、乾燥されたローラ48は、直ちに再使用されるか、あるいは再使用のために保管される。
【0061】
このように、車両14に対して保護層形成材の塗布作業が終了した後、水やアルコール等を用いてローラ48を洗浄することによりローラ48の劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラ48の性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラ48の高寿命化を図ることが可能となる。
【0062】
また、前述した洗浄作業を定期的に、例えば、72時間以内毎に行うことによって、ローラ48の性能をより長期にわたって維持することができる。
【0063】
本実施の形態に係る塗布装置10、およびそれを用いた保護層形成材の塗布方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る保護層形成材の塗布方法によれば、洗浄剤を用いてローラを洗浄することにより該ローラの劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラの性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラの高寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置の斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置の正面図である。
【図3】前記塗布装置におけるロボットおよび該ロボットに設けられたローラ機構部の斜視図である。
【図4】前記ローラ機構部の拡大斜視図である。
【図5】前記ローラ機構部の一部断面正面図である。
【図6】前記ローラ機構部の側面図である。
【図7】液圧および空圧の複合回路を示す回路図である。
【図8】前記ロボットを右方向へ動作させる過程において、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図9】前記ロボットを左方向へ動作させる際の、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図10】前記ローラ機構部に備えられたローラの洗浄作業を説明するブロック図である。
【符号の説明】
10…塗布装置 12…搬送ライン
14…車両 16a〜16c…ロボット
18…制御部 20…タンク
22…塗布材管路 22a…チューブ
24…水供給源 26…水管路
32…ポンプ 34…ローラ機構部
48…ローラ 86…ホルダ
112…パイプ 162…MCV
162a、162b…切換弁 164…トリガー弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装が終了した車両の塗装部を主にする外表面に保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布方法に関し、特に、前記外表面に当接するローラによって液状の保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両は、製造後にユーザに手渡されるまでに屋外ストックヤードで保管されたり、トレーラや船等で搬送されたりすることが多い。この間、車両は粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等に曝されることから、長時間の保管および搬送の間には、車両の外表面における複数の塗装層のうち、表面層の品質が侵されるおそれがある。このような事態を防ぐため、車両出荷前の段階において塗装部に剥離性保護層を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。剥離性保護層は液状ラップ材である保護層形成材(ストリッパブルペイントとも呼ばれる)を塗布して乾燥させることにより形成され、この剥離性保護層は塗装部を保護することができる。また、剥離性保護層を除去する際には容易に剥離させることができるとともに、通常の保管時には自然に剥離してしまうことがない。
【0003】
剥離性保護層が乾燥する前の保護層形成材を塗布する工程では、ローラに保護層形成材を付着させて、このローラを転がすことによって保護層形成材の塗布を行っている。
【0004】
このような作業の自動化を図るとともに塗布品質を均一化させるために、ボディ上に保護層形成材を注ぎ出した後、エアを吹き付けることによって保護層形成材を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば保護層形成材の塗布工程における作業の多くが自動化され、作業者の負担を軽減するとともに、タクトタイムを向上させることができて好適である。
【0005】
また、本出願人は、前記の作業の自動化および塗布品質の均一化に鑑みて、特願2002−381880号に記載された保護層形成材の塗布システムおよび塗布方法を提案した。この特願2002−381880号では、ロボットの操作によるローラを介して、車両の外表面に保護層形成材を塗布する工程をさらに自動化し、生産効率を向上させて作業を簡素化するとともに、塗布品質を均一化することを可能にした。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−89697号公報(段落[0022]〜[0027])
【特許文献2】
特開平8−173882号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の特願2002−381880号の発明に関連してなされたものであって、車両の外表面に当接することによって保護層形成材を塗布するローラの性能を長期にわたって維持することを可能にする保護層形成材の塗布方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る保護層形成材の塗布方法は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、前記ローラに、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材あるいは洗浄剤を選択的に供給する供給機構部と、を有し、前記車両に対する前記保護層形成材の塗布作業が終了した後、前記ローラ機構部から前記ローラを取り外すステップと、前記ローラを前記洗浄剤に浸すステップと、前記洗浄剤に浸した前記ローラを該洗浄剤によって洗浄するステップと、前記洗浄剤によって洗浄した前記ローラから該洗浄剤を除去するステップと、前記ローラを乾燥するステップと、からなることを特徴とする。
【0009】
このように、車両に対して保護層形成材の塗布作業が終了した後、洗浄剤に浸すとともに、洗浄剤を用いてローラを洗浄している。これにより、ローラの劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラの性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラの高寿命化を図ることが可能となる。
【0010】
この場合、前記各ステップは、少なくとも72時間以内毎に行うとよい。これにより、ローラが定期的に洗浄されるので、該ローラの性能をより長期にわたって維持することができる。
【0011】
さらに、前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を用いるとよい。これにより、車両の塗装部をより確実に保護することができ、しかも除去するときには剥がしやすい。
【0012】
また、本発明に係る保護層形成材の塗布方法は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、前記ローラに、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材あるいは第1の洗浄剤を選択的に供給する第1供給機構部と、前記ローラを洗浄する際に用いる第2の洗浄剤を供給する第2供給機構部と、を有し、前記車両に対する前記保護層形成材の塗布作業が終了した後、前記ローラ機構部から前記ローラを取り外すステップと、前記ローラを前記第1供給機構部から供給された前記第1の洗浄剤に浸すステップと、前記ローラを前記第1の洗浄剤によって洗浄するステップと、前記第1の洗浄剤によって洗浄した前記ローラを前記第2供給機構部から供給された前記第2の洗浄剤によってさらに洗浄するステップと、前記ローラから前記第2の洗浄剤を除去するステップと、前記ローラを乾燥するステップと、からなることを特徴とする。
【0013】
このように、車両に対して保護層形成材の塗布作業が終了した後、第1の洗浄剤に浸すとともに、第1の洗浄剤を用いてローラを洗浄し、さらに、第2の洗浄剤を用いて洗浄している。これにより、ローラの劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラの性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラの高寿命化を図ることが可能となる。しかも、例えば、半固体状となった保護層形成材がローラに付着していたとしても効果的に洗浄することができる。
【0014】
この場合、前記各ステップは、少なくとも72時間以内毎に行うとよい。これにより、ローラが定期的に洗浄されるので、該ローラの性能をより長期にわたって維持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る保護層形成材の塗布方法について、それを実施するための好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置10は、自動車の搬送ライン12に設けられるものであり、塗装の終了した車両14に対して保護層形成材を塗布するものである。塗布装置10は、産業用ロボットである3台のロボット16a、16b、16cと、システム全体の制御を行う制御部18と、保護層形成材が収容されたタンク20と、該タンク20から各ロボット16a、16b、16cに連通する塗布材管路22と、水供給源24からロボット16a、16b、16cへ水を供給する水管路26とを有する。ロボット16a、16b、16cはそれぞれ制御部18に接続されたロボットコントローラ28a、28b、28cによって制御される。
【0017】
ロボット16aおよび16cは、搬送ライン12における車両14の進行方向左手側に設けられ、ロボット16bは、進行方向右手側に備えられている。また、ロボット16aは進行方向前方、ロボット16bは進行方向の中程、ロボット16cは進行方向後方に備えられている。ロボット16a、16b、16cは搬送ライン12と平行なスライドレール30上を移動可能である。
【0018】
塗布材管路22の途中にはポンプ32が設けられており、タンク20から保護層形成材を吸い上げてロボット16a、16b、16cへ供給する。また、保護層形成材は、図示しないヒータと温度計とによって適温となるように制御されている。ロボット16a、16b、16cの先端部には、それぞれ塗布材管路22を介して保護層形成材が供給されるローラ機構部34が設けられている。
【0019】
保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を主成分とするものであって、好ましくは、ガラス転移温度の異なる2種のアクリル系コポリマ部分を有するものであるとよい。具体的には、例えば、前記の特許文献1で示されている保護層形成材を用いるとよい。また、保護層形成材は、水との混合割合および温度の変化によって粘度を調整することができ、しかも、乾燥すると車両14に密着して粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等から車両14の塗装部を化学的および物理的に保護することができる。さらに、車両14をユーザに納品の際、除去する場合等には容易に剥離することができる。
【0020】
図3に示すように、ロボット16a、16b、16cは、例えば、産業用の多関節型のロボットであり、ベース部40と、該ベース部40を基準にして順に、第1アーム42、第2アーム44および第3アーム46とを有し、該第3アーム46の先端にローラ機構部34が設けられている。ローラ機構部34は、第3アーム46に対して着脱自在であり、所謂、エンドエフェクタとして作用する。第1アーム42はベース部40に対して水平および垂直に回動可能な軸J1、J2によって回動可能である。第2アーム44は第1アーム42と軸J3で回動可能に連結されている。第2アーム44は軸J4によって捻れ回転が可能になっている。第3アーム46は第2アーム44と軸J5で回動可能に連結されている。第3アーム46は軸J6によって捻れ回転が可能になっている。
【0021】
このような6軸構成のロボット16a、16b、16cの動作によって、先端部に接続されたローラ機構部34は車両14の近傍における任意の位置に移動可能であって、かつ、任意の向きに設定可能である。換言すれば、ローラ機構部34は6自由度の移動が可能である。ロボット16a、16b、16cは、回転動作以外にも伸縮動作、平行リンク動作等の動作部を有するものであってもよい。
【0022】
図4〜図6に示すように、ローラ機構部34は、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46の先端部に取り付けられており、円筒形状で保護層形成材を吸収して蓄えることができるローラ48と、第3アーム46に対する取付部であるスラスト回転部69とを有する。スラスト回転部69は、取付部材70と、該取付部材70に対してベアリング72を介して回転自在に支持されているスラスト回転部材74と、該スラスト回転部材74の下に取り付けられたベース部76とを有する。
【0023】
また、ローラ機構部34は、ベース部76の両端部に設けられた空気圧シリンダ78および80と、ベース部76の略下端の揺動軸82に揺動自在に軸支された揺動部材84と、ローラ48を保持するホルダ86と揺動部材84とを接続する接続部88とを有する。揺動部材84は、上方に延在する2つの上方延在部84aを有し、該上方延在部84aの略上端には、揺動軸82と平行なピン90が設けられている。
【0024】
さらに、ローラ機構部34は、前記空気圧シリンダ78および80のロッド78aおよびロッド80aから力を受けて、前記揺動軸82を中心として回転する2つのピン押圧部材92および94を有する。ピン押圧部材92の押圧面92aは、ロッド78aが縮退するとき図6における前記ピン90の左面を押圧し、ピン押圧部材94の押圧面94aは、ロッド80aが縮退するとき図6における前記ピン90の右面を押圧する。
【0025】
2つの上方延在部84aの間には、ベース部76から下方に延在する2つの下方延在部76aが配置され、該2つの下方延在部76aの間に押圧面92aおよび94aが配置されている。
【0026】
スラスト回転部材74の上部には回転規制部材96が設けられており、該回転規制部材96の上面の凹部96aには、取付部材70から下に突出する小突起98が配置されている。小突起98の幅は凹部96aの幅よりやや小さく、この隙間の範囲においてスラスト回転部材74はスラスト方向に回転自在となっている。ここでいうスラスト方向とは、ローラ48自体の軸心と直交する方向であり、第3アーム46の軸心Cを中心とした回転方向である。取付部材70を第3アーム46に取り付けるためのボルト100を小突起98に兼用してもよい。
【0027】
接続部88には上部と下部で対向する2つのクランパ102および104が設けられ、これらのクランパ102および104はアルミパイプ106を保持しており、該アルミパイプ106により揺動部材84とホルダ86が連結されている。アルミパイプ106の表面には環状溝106aが設けられている。
【0028】
図4および図5に示すように、ホルダ86は、一端に固定ホルダ86aがボルト86bによって固定される一方、他端に可動ホルダ86cが軸部材86dを介して旋回自在に装着されるホルダ本体86eを備えている。固定ホルダ86aには、ナット110aによって連結部材110bが固定されており、この連結部材110bの一端の開口には塗布材管路22および水管路26に連通するチューブ22aが接続される。
【0029】
一方、連結部材110bの他端の開口には、チューブ22aを介して供給される保護層形成材をさらにローラ48へと送給するとともに、ローラ48を回転自在に支持する中空状のパイプ112の第1端部112aが接続される。この第1端部112aには、複数(例えば、2箇所)の図示しない円錐状の溝が形成されており、この溝に連結部材110b側から図示しない埋め込みボルト等が係合することによって、パイプ112が連結部材110bに強固に装着される。パイプ112の第2端部112bは閉塞されている。
【0030】
なお、パイプ112には、供給された保護層形成材をローラ48へ送給するための複数の孔114が形成されている。また、パイプ112は、ステンレス鋼材により形成されると好適であり、例えば、SUS304系材料(オーステナイト系に分類される鋼管:日本工業規格準拠)により形成されると一層好適である。
【0031】
可動ホルダ86cの先端側には、円形溝部86fが形成されている。この可動ホルダ86cは、スプリング116の付勢作用下に旋回可能であり(図5中、矢印A方向参照)、該スプリング116の弾発力によって前記円形溝部86fに前記パイプ112の第2端部112bが係合される。これにより、パイプ112が確実に保持される。
【0032】
図5に示すように、ローラ48は、保護層形成材を吸収して蓄えることが可能な材質により形成されるとともに、車両14の表面に当接することで該保護層形成材を塗布する中空状の塗布部材48aと、塗布部材48aの両端の開口部48bに、O−リング48cを介して液密に装着される端部キャップ50とを備える。端部キャップ50の中心には、図示しない孔が形成されており、この孔に前記パイプ112が挿通されることでローラ48全体が回転自在に支持される。パイプ112と前記孔とは、塗布部材48aの内部に保護層形成材を保持可能な程度に嵌め合いが調整されている。
【0033】
前記のようにローラ48およびホルダ86を構成することにより、ローラ48の着脱を容易に行うことが可能となり、該ローラ48の取り扱い性を向上させることができる。従って、ローラ48の清掃や洗浄、あるいは交換等のメンテナンス作業を頻繁に行う必要があっても、該メンテナンス作業を効率的に遂行することが可能となる。
【0034】
また、前記のようにローラ48を構成することにより、パイプ112を介して送給される保護層形成材は、塗布部材48aに吸収され、かつ蓄えられるとともに、塗布部材48aによって車両14の表面に確実に塗布される。
【0035】
図7に示すように、ローラ48に保護層形成材および水を選択的に供給するための液圧および空圧の複合回路(第1供給機構部)150は、コンプレッサ152と、該コンプレッサ152の吐出部に接続されたエアタンク154と、空気圧の供給・遮断の切り換えを行う手動の空圧投入弁156と、制御部18から供給される電気信号によって2次側圧力を減少させるレギュレータ158と、該レギュレータ158の2次圧によってパイロット操作されて塗布材管路22の圧力を減少させるレギュレータ操作弁160とを有する。また、複合回路150は、レギュレータ操作弁160の2次側管路および水管路26が接続されたMCV(Material Control Valve:供給切換弁)162と、MCV162の2次側とローラ48との間に設けられたトリガー弁164とを有する。MCV162の内部には、塗布材管路22および水管路26の連通・遮断の切り換えを行う切換弁162a、162bが設けられており、該切換弁162a、162bの2次側は連通している。なお、図7の破線は空気圧管路を示す。
【0036】
MCV162、トリガー弁164およびレギュレータ操作弁160は、空気圧パイロット式に限らず電気ソレノイド等の駆動方式のものでもよい。
【0037】
複合回路150は、さらに、空圧投入弁156から供給される空気圧を切り換えることによって切換弁162a、162bをパイロット形式で操作するMCV切換電磁弁166と、トリガー弁164をパイロット操作するトリガー切換電磁弁168とを有する。MCV切換電磁弁166は制御部18から供給される電気信号によって、切換弁162a、162bのいずれか一方を連通させるとともに他方を遮断し、保護層形成材と水とを切り換えてトリガー弁164に供給する。トリガー切換電磁弁168は、制御部18から供給される電気信号によってトリガー弁164を連通・遮断状態に切り換えて、ローラ48に保護層形成材または水を供給する。
【0038】
塗布材管路22および水管路26の途中には、それぞれ手動の止め弁170、172が設けられている。通常、止め弁170および172は連通させておく。複合回路150において空気の排出口にはそれぞれサイレンサ174が設けられており、排気音を低減させている。コンプレッサ152、ポンプ32および水供給源24には、過剰な圧力上昇を防止するリリーフ弁(図示せず)が設けられている。
【0039】
空気圧シリンダ52のボトム側には電磁パイロット式のレギュレータ176を介して減圧した空気が供給される。該レギュレータ176は制御部18によって電気的に操作され、または、所定のダイヤル等により手動で操作されて保護層形成材の塗装時に2次側の圧力値を適宜変更可能である。レギュレータ176の2次側は空気圧シリンダ52のボトム側に連通している。空気圧シリンダ52のロッド側の空気はサイレンサ174を介して排出自在となっている。
【0040】
なお、複合回路150におけるコンプレッサ152、エアタンク154、水供給源24およびポンプ32は、各ロボット16a、16b、16cに共通であり、それ以外の機器は各ロボット16a、16b、16cに個別に備えられている。
【0041】
次に、このように構成される塗布装置10の動作について、車両14に対する保護層形成材の塗布方法との関連において説明する。
【0042】
まず、予め、各ロボット16a、16b、16cに対して動作の教示を行う。ロボット16a、16b、16cに車両14のボンネット部14a、ルーフ中央部14bおよびルーフ後方部14cをそれぞれ分担させて、各担当部に保護層形成材を塗布させるように教示し、教示したティーチングデータは制御部18の所定の記録部に記録し、保持しておく(図1参照)。なお、車両14が、例えば、セダン型であるときには、ロボット16cはトランク部を分担する。
【0043】
すなわち、図8に示すように、ロボット16aの第3アーム46と車両14の表面との距離を適当に保ち、具体的には、平坦な箇所Paにおいて揺動部材84の傾斜角度を所定の角度θとなるように教示し、平坦な箇所Paから第3アーム46を車両14の表面に平行に移動させる。また、平坦な箇所Paから連続する面における浅い凹部200の箇所Pbにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。さらに、平坦な箇所Paから連続する面における低い凸部202の箇所Pcにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。このように、凹部200および凸部202は無視し、揺動部材84の傾斜角度を多少変化させるようにしてもよい。このように浅い凹部200や比較的低い凸部202も無視することによりロボット16aの動作教示が容易になる。
【0044】
次に、図8に示すようにロボット16aを右方向へ移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド80aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。また、ロッド78aが延出するように左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。このようにすることにより、右側のピン押圧部材94の押圧面94aはピン90の右側面を比較的弱い力で押圧し、左側のピン押圧部材92の押圧面92aはピン90から離間する。従って、揺動部材84およびローラ48は揺動軸82を中心として反時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
【0045】
ローラ48の適用箇所や移動方法に応じて力Faを適宜調整するとよい。この調整は、前記レギュレータ176に相当する押圧力調整機能部を制御部18により操作し、または、所定のダイヤル等を操作することにより容易に行うことが可能である。
【0046】
一方、図9に示すように、ロボット16aを左方向に移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド78aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。また、ロッド80aが延出するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。このようにすることにより、左側のピン押圧部材92の押圧面92aはピン90の左側面を比較的弱い力で押圧し、右側のピン押圧部材94の押圧面94aはピン90から離間する。従って、揺動部材84およびローラ48は揺動軸82を中心として時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
【0047】
このように、ロボット16aの進行方向に応じて空気圧シリンダ78および80に供給する空気の流れの方向と圧力とを制御することにより、ローラ48を車両14の表面に対して適度に押圧することができる。つまり、ローラ48の自重を押圧力として有効に利用するとともに、該自重で不足の押圧力を空気圧シリンダ78または空気圧シリンダ80により補償することができる。
【0048】
これにより、ローラ48が空回りしたり、凹部200および凸部202を通過するときに飛び跳ねることがない。また、ローラ48から保護層形成材がしみ出しやすい。このとき、ローラ48は揺動軸82を中心として揺動可能であることから、凹部200および凸部202に対しても確実に当接させて保護層形成材を塗布することができる。つまり、ローラ48が凹部200および凸部202を通過する際には、凹部200の深さおよび凸部202の高さに応じてロッド78aまたは80aが伸縮する。空気圧シリンダ78および80は、駆動流体として圧縮性に富む空気を用いていることから柔軟な動作が可能であり、外力の変動を吸収しやすい。
【0049】
空気圧シリンダ78のロッド78aに連結されたピン押圧部材92と空気圧シリンダ80のロッド80aに連結されたピン押圧部材94は、揺動部材84に対してそれぞれ対向する方向に押圧力を加えるので、揺動部材84が時計方向または反時計方向のいずれの方向に傾斜している場合にも適切に動作可能である。これにより、右方向および左方向のいずれの方向へも保護層形成材を塗布することができる。
【0050】
その後、ロボット16a、16b、16cによって保護層形成材が塗布された車両14は、搬送ライン12によって次工程へ搬送される。そして、ロボット16a、16b、16cは、車両14と干渉することのない待機姿勢を保持し、次の車両14が搬入されるまで待機する。このとき、トリガー弁164を遮断し、保護層形成材の供給を停止させる。
【0051】
塗布された保護層形成材は、自然乾燥または送風しながら乾燥させて可剥離性保護層を形成し、車両14の塗装部を保護する。
【0052】
ここで、搬送ライン12における車両14に対する保護層形成材の塗布作業が終了した後、塗布装置10のメンテナンスの一環として、ローラ48の洗浄が行われる。そこで、ローラ48の洗浄作業について、図10を参照しながら以下に説明する。
【0053】
まず、ステップS1では、複合回路150において、制御部18から供給される電気信号に基づいて、MCV162の切換弁162bおよびトリガー弁164が遮断される(図7参照)。次いで、各ロボット16a、16b、16cに備えられたローラ機構部34のホルダ86からローラ48が取り外される。
【0054】
ステップS2では、前記ローラ48が、例えば、一般的な洗浄槽に蓄えられた水(第1の洗浄剤)に浸される。
【0055】
ステップS3では、前記洗浄槽において、ローラ48が水によって洗浄される。この場合、ローラ48は、流水により洗浄されるとより効果的である。
【0056】
次に、ステップS4では、水によって洗浄されたローラ48の水分が、例えば、振り掃うことによって除去される。
【0057】
ステップ5では、ローラ48が乾燥される。そして、乾燥されたローラ48は、直ちに再使用されるか、あるいは再使用のために保管される。
【0058】
なお、上述した洗浄作業は、定期的に行われることが望ましく、本実施の形態では、少なくとも72時間以内毎に行うようにしている。なお、この時間は、例えば、24時間毎、48時間毎のように車両14の生産数量、あるいはローラ48の使用頻度等によって適宜設定できることは勿論である。
【0059】
ここで、例えば、ローラ48に保護層形成材が半固形状に付着している場合等に、前述したステップS3の後、ローラ48をアルコール(第2の洗浄剤)等によって洗浄すると好適である。すなわち、図10に示すように、ステップS3’において、ローラ48が、例えば、アルコールが供給されるとともに蓄えられる一般的なアルコール洗浄槽(第2供給機構部)において洗浄される。なお、前記アルコールは、エタノール系あるいはイソプロパノール系等のアルコールを用いるとよい。これにより、半固体状の保護層形成材がローラ48に付着していたとしても効果的に洗浄することができる。
【0060】
次いで、ステップS4’において、アルコールによって洗浄されたローラ48のアルコール分が、例えば、振り掃うことによって除去され、その後、前述したステップS5においてローラ48が乾燥される。そして、乾燥されたローラ48は、直ちに再使用されるか、あるいは再使用のために保管される。
【0061】
このように、車両14に対して保護層形成材の塗布作業が終了した後、水やアルコール等を用いてローラ48を洗浄することによりローラ48の劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラ48の性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラ48の高寿命化を図ることが可能となる。
【0062】
また、前述した洗浄作業を定期的に、例えば、72時間以内毎に行うことによって、ローラ48の性能をより長期にわたって維持することができる。
【0063】
本実施の形態に係る塗布装置10、およびそれを用いた保護層形成材の塗布方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る保護層形成材の塗布方法によれば、洗浄剤を用いてローラを洗浄することにより該ローラの劣化等を可及的に抑制することが可能となるので、ローラの性能を長期にわたって維持することができる。その結果、ローラの高寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置の斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置の正面図である。
【図3】前記塗布装置におけるロボットおよび該ロボットに設けられたローラ機構部の斜視図である。
【図4】前記ローラ機構部の拡大斜視図である。
【図5】前記ローラ機構部の一部断面正面図である。
【図6】前記ローラ機構部の側面図である。
【図7】液圧および空圧の複合回路を示す回路図である。
【図8】前記ロボットを右方向へ動作させる過程において、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図9】前記ロボットを左方向へ動作させる際の、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図10】前記ローラ機構部に備えられたローラの洗浄作業を説明するブロック図である。
【符号の説明】
10…塗布装置 12…搬送ライン
14…車両 16a〜16c…ロボット
18…制御部 20…タンク
22…塗布材管路 22a…チューブ
24…水供給源 26…水管路
32…ポンプ 34…ローラ機構部
48…ローラ 86…ホルダ
112…パイプ 162…MCV
162a、162b…切換弁 164…トリガー弁
Claims (5)
- 車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、
前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、
前記ローラに、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材あるいは洗浄剤を選択的に供給する供給機構部と、
を有し、
前記車両に対する前記保護層形成材の塗布作業が終了した後、前記ローラ機構部から前記ローラを取り外すステップと、
前記ローラを前記洗浄剤に浸すステップと、
前記洗浄剤に浸した前記ローラを該洗浄剤によって洗浄するステップと、
前記洗浄剤によって洗浄した前記ローラから該洗浄剤を除去するステップと、
前記ローラを乾燥するステップと、
からなることを特徴とする保護層形成材の塗布方法。 - 請求項1記載の保護層形成材の塗布方法において、
前記各ステップは、少なくとも72時間以内毎に行うことを特徴とする保護層形成材の塗布方法。 - 請求項1または2記載の保護層形成材の塗布方法において、
前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を用いることを特徴とする保護層形成材の塗布方法。 - 車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、
前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、
前記ローラに、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材あるいは第1の洗浄剤を選択的に供給する第1供給機構部と、
前記ローラを洗浄する際に用いる第2の洗浄剤を供給する第2供給機構部と、
を有し、
前記車両に対する前記保護層形成材の塗布作業が終了した後、前記ローラ機構部から前記ローラを取り外すステップと、
前記ローラを前記第1供給機構部から供給された前記第1の洗浄剤に浸すステップと、
前記ローラを前記第1の洗浄剤によって洗浄するステップと、
前記第1の洗浄剤によって洗浄した前記ローラを前記第2供給機構部から供給された前記第2の洗浄剤によってさらに洗浄するステップと、
前記ローラから前記第2の洗浄剤を除去するステップと、
前記ローラを乾燥するステップと、
からなることを特徴とする保護層形成材の塗布方法。 - 請求項4記載の保護層形成材の塗布方法において、
前記各ステップは、少なくとも72時間以内毎に行うことを特徴とする保護層形成材の塗布方法。
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