JP3910552B2 - 保護層形成材の塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装が終了した車両の塗装部を主にした外表面に保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関し、特に、前記外表面に密着するローラによって液状の保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両は、製造後にユーザに手渡されるまでに屋外ストックヤードで保管されたり、トレーラや船等で搬送されたりすることが多い。この間、車両は粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等に曝されることから、長時間の保管および搬送の間には、車両の外表面における複数の塗装層のうち、表面層の品質が侵されるおそれがある。
【0003】
このような事態を防ぐため、車両出荷前の段階において塗装部に剥離性保護層を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。剥離性保護層は液状ラップ材である保護層形成材(ストリッパブルペイントとも呼ばれる)を塗布して乾燥させることにより形成され、塗装部を保護することができる。また、除去する際には容易に剥離させることができるとともに、通常の保管時において自然に剥離してしまうことがない。
【0004】
この場合、上記の保護層形成材を塗布する工程では、ローラに保護層形成材を付着させて、このローラを塗装部に沿って転がすことにより、前記保護層形成材の塗布作業が行われている。
【0005】
このような作業の自動化を図るとともに塗布品質を均一化させるために、車両ボディ上に保護層形成材を注ぎ出した後、エアを吹き付けることによって保護層形成材を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば保護層形成材の塗布工程における作業の多くが自動化され、作業者の負担を軽減するとともに、タクトタイムを向上させることができて好適である。
【0006】
また、本出願人は、前記の作業の自動化および塗布品質の均一化に鑑みて、特願2002−381880号に記載された保護層形成材の塗布システムおよび塗布方法を提案した。この特願2002−381880号では、ロボットの操作によりローラによって、車両の外表面に保護層形成材を塗布する工程をさらに自動化し、生産効率を向上させて作業を簡素化するとともに、塗布品質を均一化することを可能にした。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−89697号公報(段落[0022]〜[0027])
【特許文献2】
特開平8−173882号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の特願2002−381880号の発明に関連してなされたものであって、車両の外表面に保護層形成材を塗布する際に、簡単な構成で、保護層形成材を確実かつ効率的に塗布することが可能な保護層形成材の塗布装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、
前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、
乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材を前記ローラに供給する供給機構部と、
を有し、
前記ローラ機構部は、前記ローラを回転自在に支持し、前記保護層形成材を供給するための複数のノズル孔を外周部に設ける管部材と、
前記管部材の一端を固定する固定ホルダ部前記管部材の他端を開放自在な可動ホルダ部とがそれぞれ設けられ、略コ字状に形成されたホルダと、
を備え、
前記ローラは、内部に前記保護層形成材が供給される円筒状の刷毛ベースと、
前記刷毛ベースの周面に設けられる刷毛部と、
を備えるとともに、
前記刷毛ベースは、フェノール樹脂が含浸された紙材との合成部材で構成され、且つ、前記管部材のノズル孔から内部に供給される前記保護層形成材を前記刷毛部に透過させるための複数の孔部を、該刷毛ベースの外周に軸方向に沿って螺旋状乃至格子状に開口するように設けることを特徴とする。
【0010】
このように、刷毛ベースの外周には、軸方向に沿って螺旋状乃至格子状に開口する複数の孔部が設けられている。従って、保護層形成材を塗布するためにローラが回転する際、前記保護層形成材を塗布面に対して均一かつ確実に供給することができる。このため、簡単な構成で、保護層形成材の塗布作業が効率的かつ高品質に遂行される。
【0011】
さらに、刷毛ベースは、樹脂材が含浸された紙材で構成される。これにより、刷毛ベースを軽量かつ経済的に構成するとともに、刷毛ベース自体の強度を有効に向上させることができる。
【0012】
さらにまた、保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤が用いられる。これにより、車両の塗装部をより確実に保護することが可能になる。しかも、車両の塗装部から保護層形成材を除去するときには、簡単に剥がすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る保護層形成材の塗布装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1および図2に示すように、第1の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置10は、自動車の搬送ライン12に設けられており、塗装の終了した車両14に対して保護層形成材を塗布する。
【0015】
塗布装置10は、産業用ロボットである3台のロボット16a、16bおよび16cと、システム全体の制御を行う制御部18と、保護層形成材が収容されたタンク20と、該タンク20から各ロボット16a〜16cに連通する塗布材管路22と、水供給源24からロボット16a〜16cへ水を供給する水管路26とを有する。ロボット16a〜16cは、それぞれ制御部18に接続されたロボットコントローラ28a〜28cによって制御される。
【0016】
ロボット16aおよび16cは、搬送ライン12における車両14の進行方向左手側に設けられ、ロボット16bは、進行方向右手側に備えられている。ロボット16aは進行方向の前方、ロボット16bは進行方向の中程、ロボット16cは進行方向の後方に備えられている。ロボット16a〜16cは、搬送ライン12と平行なスライドレール30上を移動可能である。
【0017】
塗布材管路22の途中には、ポンプ32が設けられており、タンク20から保護層形成材を吸い上げてロボット16a〜16cへ供給する。保護層形成材は、図示しないヒータと温度計とによって適温になるように制御されている。ロボット16a〜16cの先端部には、それぞれ塗布材管路22によって保護層形成材が供給されるローラ機構部34が設けられている。
【0018】
保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を主成分とし、好ましくは、ガラス転移温度の異なる2種のアクリル系コポリマ部分を有する。具体的には、例えば、前記の特許文献1で示されている保護層形成材を用いるとよい。また、保護層形成材は、水との混合割合および温度の変化によって粘度を調整することができ、しかも、乾燥すると車両14に密着して粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等から車両14の塗装部を化学的および物理的に保護することができる。さらに、車両14をユーザに納品の際において、除去する場合等には容易に剥離することができる。
【0019】
図3に示すように、ロボット16a〜16cは、例えば、産業用の多関節型のロボットであり、ベース部40と、該ベース部40を基準にして順に、第1アーム42、第2アーム44および第3アーム46とを有し、該第3アーム46の先端にローラ機構部34が設けられている。ローラ機構部34は、第3アーム46に対して着脱自在であり、所謂、エンドエフェクタとして作用する。
【0020】
第1アーム42は、軸J1、J2によってベース部40に対して水平および垂直に回動可能である。第2アーム44は、第1アーム42と軸J3で回動可能に連結されるとともに、前記第2アーム44は、軸J4によって捻れ回転が可能である。第3アーム46は、第2アーム44と軸J5で回動可能に連結されるとともに、前記第3アーム46は、軸J6によって捻れ回転が可能である。
【0021】
このような6軸構成のロボット16a〜16cの動作によって、先端部に接続されたローラ機構部34は、車両14の近傍における任意の位置に移動可能であって、かつ、任意の向きに設定可能である。換言すれば、ローラ機構部34は6自由度の移動が可能である。なお、ロボット16a〜16cは、回転動作以外にも伸縮動作、平行リンク動作等の動作部を有するものであってもよい。
【0022】
図4〜図6に示すように、ローラ機構部34は、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46の先端部に取り付けられており、円筒形状で保護層形成材を吸収して蓄えることができるローラ48と、第3アーム46に対する取付部であるスラスト回転部69とを有する。スラスト回転部69は、取付部材70と、該取付部材70に対してベアリング72を介して回転自在に支持されているスラスト回転部材74と、該スラスト回転部材74の下方に取り付けられたベース部76とを有する。
【0023】
ローラ機構部34は、ベース部76の両端部に設けられた空気圧シリンダ78、80と、ベース部76から下方に延在する2つの下方延在部76aの略下端に揺動軸82を介して揺動自在に軸支された揺動部材84と、ローラ48を保持するホルダ86と、前記ホルダ86と揺動部材84とを接続する接続部88とを有する。揺動部材84は、上方に延在する2つの上方延在部84aを有し、該上方延在部84aの略上端には、揺動軸82と平行なピン90が設けられている。このピン90は、下方延在部76aに形成された長孔91に移動自在に挿入される。
【0024】
ローラ機構部34は、空気圧シリンダ78および80のロッド78aおよびロッド80aから力を受けて、前記揺動軸82を中心として回転する2つのピン押圧部材92および94を有する。ピン押圧部材92の押圧面92aは、ロッド78aが縮退するとき図6における前記ピン90の左面を押圧し、ピン押圧部材94の押圧面94aは、ロッド80aが縮退するとき図6における前記ピン90の右面を押圧する。
【0025】
スラスト回転部材74の上部には、回転規制部材96が設けられており、該回転規制部材96の上面の凹部96aには、取付部材70から下方に突出する小突起98が配置されている。小突起98の幅は凹部96aの幅よりやや小さく、この隙間の範囲において、スラスト回転部材74はスラスト方向に回転自在となっている。ここで、スラスト方向とは、ローラ48自体の軸心と直交する方向であり、第3アーム46の軸心Cを中心とした回転方向である(図6参照)。なお、取付部材70を第3アーム46に取り付けるためのボルト100を小突起98に兼用してもよい。
【0026】
接続部88には、上部と下部で対向する2つのクランパ102および104が設けられる。クランパ102が揺動部材84に固定される一方、クランパ104がホルダ86に固定され、前記クランパ102、104がアルミパイプ106を保持することにより前記揺動部材84と前記ホルダ86とが連結される。アルミパイプ106の表面には、このアルミパイプ106の分断線となる環状溝106aが設けられている。
【0027】
ホルダ86は、図4および図5に示すように、板状のホルダ本体86eを備える。ホルダ本体86eの一端には、固定ホルダ部86aがボルト86bによって固定される一方、前記ホルダ本体86eの他端には、可動ホルダ部86cが軸部材86dを介して旋回自在に装着される。固定ホルダ部86aには、ナット110aによって連結部材110bが固定され、この連結部材110bの一端の開口には、塗布材管路22が接続される。
【0028】
連結部材110bの他端の開口には、中空状のパイプ(管部材)112の第1端部112aが接続される。パイプ112は、塗布材管路22から供給される保護層形成材をローラ48内に供給するとともに、前記ローラ48を回転自在に支持する。この第1端部112aには、複数(例えば、2箇所)の図示しない円錐状の溝が形成されており、この溝に連結部材110b側から図示しない埋め込みボルト等が係合することによって、パイプ112が連結部材110bに強固に装着される。パイプ112の第2端部112bは閉塞されている。
【0029】
パイプ112には、供給された保護層形成材をローラ48へと送給するための複数の孔114が形成されている。パイプ112は、ステンレス鋼材により形成されると好適であり、例えば、SUS304系材料(オーステナイト系に分類される鋼管:日本工業規格準拠)により形成されると一層好適である。
【0030】
可動ホルダ部86cの先端側には、円形溝部86fが形成されている。この可動ホルダ部86cは、スプリング116の付勢作用下に旋回可能であり(図5中、矢印A方向参照)、該スプリング116の弾発力によって前記円形溝部86fに前記パイプ112の第2端部112bが係合される。これにより、パイプ112が確実に保持される。
【0031】
図5および図7に示すように、ローラ48は、ローラ機構部34に回転自在に支持されるとともに、内部に保護層形成材が供給される円筒状の刷毛ベース118aと、前記刷毛ベース118aの周面に設けられ、車両14の表面に密着することで保護層形成材を塗布する刷毛部118bとを備える。
【0032】
刷毛ベース118aは、軽量化を図ることが可能な材質、例えば、紙材により形成されるとともに、この紙材に樹脂材、例えば、フェノール樹脂等が含浸されている。刷毛ベース118aは、内部に供給される保護層形成材を刷毛部118bに透過させるための複数の孔部119を、前記刷毛ベース118aの外周に軸方向(矢印B方向)に沿って螺旋状に開口するように設ける。各孔部119は、例えば、開口直径Dが1.8mmでかつ互いのピッチPが20mmに設定される。
【0033】
刷毛ベース118aの両端の開口部118cに、Oリング120を介して端部キャップ122が液密に装着される。端部キャップ122の中心には、孔部122aが形成され、この孔部122aにパイプ112が直接挿通されることにより、前記端部キャップ122は、ローラ48と一体的に前記パイプ112に対して回転自在に支持される。パイプ112と孔部122aとは、刷毛ベース118aの内部に保護層形成材を保持可能な程度に嵌め合いが調整されている。
【0034】
図8に示すように、ローラ48に保護層形成材を供給するための液圧および空圧の複合回路(供給機構部)150は、コンプレッサ152と、該コンプレッサ152の吐出部に接続されたエアタンク154と、空気圧の供給・遮断の切り換えを行う手動の空圧投入弁156と、制御部18から供給される電気信号によって2次側圧力を減少させるレギュレータ158と、該レギュレータ158の2次圧によってパイロット操作されて塗布材管路22の圧力を減少させるレギュレータ操作弁160とを有する。
【0035】
複合回路150は、レギュレータ操作弁160の2次側管路および水管路26が接続されたMCV(Material Control Valve:供給切換弁)162と、該MCV162の2次側とローラ48との間に設けられたトリガー弁164とを有する。MCV162の内部には、塗布材管路22および水管路26の連通・遮断の切り換えを行う切換弁162a、162bが設けられており、該切換弁162a、162bの2次側は連通している。なお、図8の破線は空気圧管路を示す。
【0036】
MCV162、トリガー弁164およびレギュレータ操作弁160は、空気圧パイロット式に限らず、電気ソレノイド等の駆動方式のものでもよい。
【0037】
複合回路150は、さらに、空圧投入弁156から供給される空気圧を切り換えることによって切換弁162a、162bをパイロット形式で操作するMCV切換電磁弁166と、トリガー弁164をパイロット操作するトリガー切換電磁弁168とを有する。
【0038】
MCV切換電磁弁166は、制御部18から供給される電気信号によって、切換弁162a、162bのいずれか一方を連通させるとともに他方を遮断し、水と保護層形成材とを切り換えてトリガー弁164に供給する。トリガー切換電磁弁168は、制御部18から供給される電気信号によってトリガー弁164を連通・遮断状態に切り換えて、ローラ48に水または保護層形成材を供給する。
【0039】
塗布材管路22および水管路26の途中には、それぞれ手動の止め弁170、172が設けられている。止め弁170および172は、通常、連通状態に維持されている。複合回路150において、空気の排出口にはそれぞれサイレンサ174が設けられており、排気音を低減させている。コンプレッサ152、ポンプ32および水供給源24には、過剰な圧力上昇を防止するリリーフ弁(図示せず)が設けられている。
【0040】
空気圧シリンダ52のボトム側には、電磁パイロット式のレギュレータ176を介して減圧した空気が供給される。該レギュレータ176は、制御部18によって電気的に操作され、または、所定のダイヤル等により手動で操作されて保護層形成材の塗装時に2次側の圧力値を適宜変更可能である。レギュレータ176の2次側は、空気圧シリンダ52のボトム側に連通している。空気圧シリンダ52のロッド側の空気は、サイレンサ174を介して排出自在である。
【0041】
なお、複合回路150におけるコンプレッサ152、エアタンク154、水供給源24およびポンプ32は、各ロボット16a〜16cに共通であり、それ以外の機器は各ロボット16a〜16cに個別に備えられている。
【0042】
次に、このように構成される保護層形成材の塗布装置10を用いて、車両14に保護層形成材を塗布する動作について説明する。
【0043】
まず、予め、各ロボット16a〜16cに対して動作の教示を行う。具体的には、ロボット16a〜16cに対し、車両14のボンネット部14a、ルーフ中央部14bおよびルーフ後方部14cをそれぞれ分担させて、各担当部に保護層形成材を塗布させるように教示する。そして、教示したティーチングデータは、制御部18の所定の記録部に記録し、保持しておく(図1参照)。なお、車両14が、例えば、セダン型であるときには、ロボット16cはトランク部を分担する。
【0044】
すなわち、図9に示すように、ロボット16aの第3アーム46と車両14の表面との距離を適当に保ち、揺動部材84の傾斜角度を所定の角度θとなるように教示する。揺動部材84の傾斜角度は、基本的に角度θに保つが、例えば、凹部200および凸部202は無視し、揺動部材84の傾斜角度を多少変化させるようにしてもよい。このように浅い凹部200や比較的低い凸部202を無視することにより、ロボット16aの動作教示が容易になる。
【0045】
次に、ロボット16aを、図9中、右方向へ移動させながら、車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド80aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。また、ロッド78aが延出するように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。これにより、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、ピン90の右側面を比較的弱い力Faで押圧し、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84およびローラ48は、揺動軸82を中心として反時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
【0046】
ローラ48の適用箇所や移動方法に応じて、力Faが適宜調整される。この調整は、前記レギュレータ176に相当する押圧力調整機能部を制御部18により操作し、または、所定のダイヤル等を操作することにより容易に行うことが可能である。
【0047】
一方、図10に示すように、ロボット16aを左方向に移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド78aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。また、ロッド80aが延出するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。これにより、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、ピン90の左側面を比較的弱い力Faで押圧し、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84およびローラ48は、揺動軸82を中心として時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
【0048】
このように、ロボット16aの進行方向に応じて空気圧シリンダ78および80に供給する空気の流れの方向と圧力とを制御することにより、ローラ48を車両14の表面に対して適度に押圧することができる。
【0049】
その後、ロボット16a〜16cによって保護層形成材が塗布された車両14は、搬送ライン12によって次工程へ搬送される。そして、ロボット16a〜16cは、車両14と干渉することのない待機姿勢を保持し、次の車両14が搬入されるまで待機する。このとき、トリガー弁164を遮断させ保護層形成材の供給を停止させる。塗布された保護層形成材は、自然乾燥または送風しながら乾燥させて剥離性保護層を形成し、車両14の塗装部を保護する。
【0050】
この場合、第1の実施の形態では、ローラ48は、内部に保護層形成材が供給される円筒状の刷毛ベース118aと、前記刷毛ベース118aの周面に設けられ、車両14の表面に密着することで保護層形成材を塗布する刷毛部118bとを備える。そして、刷毛ベース118aは、内部に供給される保護層形成材を刷毛部118bに透過させるための複数の孔部119を、前記刷毛ベース118aの外周に軸方向に沿って螺旋状に開口するように設けている。
【0051】
従って、保護層形成材を塗布するためにローラ48が回転する際、この回転するローラ48の刷毛部118bには、軸方向および周方向に沿って前記保護層形成材を均一に供給することができる。これにより、保護層形成材を塗布面に対して均一かつ確実に供給することが可能になり、簡単な構成で、前記保護層形成材の塗布作業が効率的かつ高品質に遂行されるという効果が得られる。
【0052】
さらに、刷毛ベース118aは、樹脂材が含浸された紙材で構成される。このため、刷毛ベース118aを軽量かつ経済的に構成するとともに、前記刷毛ベース118a自体の強度を有効に向上させることができる。
【0053】
図11は、第2の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置を構成するローラ機構部210の要部分解斜視図である。なお、第1の実施の形態に係る塗布装置10を構成するローラ機構部34と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0054】
ローラ機構部210は、ローラ212を回転自在に支持するとともに、このローラ212を構成する刷毛ベース118aには、内部に供給される保護層形成材を刷毛部118bに透過させるための複数の孔部214が形成される。孔部214は、刷毛ベース118aの外周に軸方向に沿って格子状に開口するように設けられる。各孔部214は、例えば、開口直径Dが1.8mmでかつ互いに隣り合う孔部214同士のピッチPが20mmに設定される。
【0055】
このように構成される第2の実施の形態では、保護層形成材を塗布するためにローラ212が回転する際、この回転するローラ212の刷毛部118bには、軸方向および周方向に沿って前記保護層形成材を均一に供給することができる。これにより、保護層形成材を塗布面に対して均一かつ確実に供給することが可能になり、簡単な構成で、前記保護層形成材の塗布作業が効率的かつ高品質に遂行される等、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0056】
なお、車両14のバンパには、着色されていて塗装が不要のものがあるが、保護層形成材は、このようなバンパ等の塗装部以外の箇所に対して塗布作業を行ってもよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置によれば、刷毛ベースの外周には、軸方向に沿って螺旋状乃至格子状に開口する複数の孔部が設けられている。従って、保護層形成材を塗布するためにローラが回転する際、前記保護層形成材を塗布面に対して均一かつ確実に供給することができる。このため、簡単な構成で、保護層形成材の塗布作業が効率的かつ高品質に遂行される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置の斜視図である。
【図2】前記塗布装置の正面図である。
【図3】前記塗布装置におけるロボットおよび該ロボットに設けられたローラ機構部の斜視図である。
【図4】前記ローラ機構部の拡大斜視図である。
【図5】前記ローラ機構部の一部断面正面図である。
【図6】前記ローラ機構部の側面図である。
【図7】前記ローラ機構部の要部分解斜視図である。
【図8】液圧および空圧の複合回路図である。
【図9】前記ロボットを右方向へ動作させる過程において、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図10】前記ロボットを左方向へ動作させる際の、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置を構成するローラ機構部の要部分解斜視図である。
【符号の説明】
10…塗布装置 12…搬送ライン
14…車両 16a、16b、16c…ロボット
18…制御部 20…タンク
22…塗布材管路 26…水管路
30…スライドレール 32…ポンプ
34、210…ローラ機構部 40、76…ベース部
48、212…ローラ 52、78、80…空気圧シリンダ
78a、80a…ロッド 82…揺動軸
84…揺動部材 86…ホルダ
86a…固定ホルダ部 86c…可動ホルダ部
86e…ホルダ本体 86f…円形溝部
88…接続部 90…ピン
92、94…ピン押圧部材 92a、94a…押圧面
110a…ナット 110b…連結部材
112…パイプ 112a、112b…端部
118a…刷毛ベース 118b…刷毛部
119、122a、214…孔部 120…Oリング
122…端部キャップ

Claims (1)

  1. 車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、
    前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、
    乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材を前記ローラに供給する供給機構部と、
    を有し、
    前記ローラ機構部は、前記ローラを回転自在に支持し、前記保護層形成材を供給するための複数のノズル孔を外周部に設ける管部材と、
    前記管部材の一端を固定する固定ホルダ部前記管部材の他端を開放自在な可動ホルダ部とがそれぞれ設けられ、略コ字状に形成されたホルダと、
    を備え、
    前記ローラは、内部に前記保護層形成材が供給される円筒状の刷毛ベースと、
    前記刷毛ベースの周面に設けられる刷毛部と、
    を備えるとともに、
    前記刷毛ベースは、フェノール樹脂が含浸された紙材との合成部材で構成され、且つ、前記管部材のノズル孔から内部に供給される前記保護層形成材を前記刷毛部に透過させるための複数の孔部を、該刷毛ベースの外周に軸方向に沿って螺旋状乃至格子状に開口するように設けることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。
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