JP2005013822A - 保護層形成材の塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の外表面の細部にわたって、より適切に保護層形成材を塗布することを可能にする。
【解決手段】車両の搬送ラインの近傍に設けられるロボット16a(16b、16c)には、保護層形成材を塗布する塗布機構部34が備えられる。塗布機構部34には、車両の外表面に当接することによって保護層形成材を塗布するローラ48と、ローラ48を回転自在に支持する第1パイプ112と、第1パイプ112を両端から着脱自在に支持するホルダ86と、ホルダ86から外方に延在する第2パイプ113と、第2パイプ113によって回転自在に支持されるとともに、ローラ48と直列状に配置されるサブローラ49とを備える。
【選択図】図4
【解決手段】車両の搬送ラインの近傍に設けられるロボット16a(16b、16c)には、保護層形成材を塗布する塗布機構部34が備えられる。塗布機構部34には、車両の外表面に当接することによって保護層形成材を塗布するローラ48と、ローラ48を回転自在に支持する第1パイプ112と、第1パイプ112を両端から着脱自在に支持するホルダ86と、ホルダ86から外方に延在する第2パイプ113と、第2パイプ113によって回転自在に支持されるとともに、ローラ48と直列状に配置されるサブローラ49とを備える。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装が終了した車両の塗装部を主とする外表面に保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関し、特に、前記外表面に当接するローラによって液状の保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両は、製造後にユーザに手渡されるまでに屋外ストックヤードで保管されたり、トレーラや船等で搬送されたりすることが多い。この間、車両は粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等に曝されることから、長時間の保管及び搬送の間には、車両の外表面における複数の塗装層のうち、表面層の品質が侵されるおそれがある。
【0003】
このような事態を防ぐため、車両出荷前の段階において塗装部に剥離性保護層を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。剥離性保護層は液状ラップ材である保護層形成材(ストリッパブルペイントとも呼ばれる)を塗布して乾燥させることにより形成され、塗装部を保護することができる。また、除去する際には容易に剥離させることができるとともに、通常の保管時には自然に剥離してしまうことがない。
【0004】
この場合、上記の保護層形成材を塗布する工程では、ローラに保護層形成材を付着させて、このローラを塗装部に沿って転がすことにより、前記保護層形成材の塗布作業が行われている。
【0005】
このような作業の自動化を図るとともに塗布品質を均一化させるために、車両ボディ上に保護層形成材を注いだ後、エアを吹き付けることによって保護層形成材を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、保護層形成材の塗布工程における作業の多くが自動化され、作業者の負担を軽減するとともに、タクトタイムを向上させることができて好適である。
【0006】
また、本出願人は、前記の作業の自動化及び塗布品質の均一化に鑑みて、特願2002−381880号に記載された保護層形成材の塗布システム及び塗布方法を提案した。この特願2002−381880号では、ロボットの操作によるローラによって、車両の外表面に保護層形成材を塗布する工程をさらに自動化し、生産効率を向上させるとともに、塗布品質をより均一化することを可能にした。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−89697号公報(段落[0022]〜[0027])
【特許文献2】
特開平8−173882号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の特願2002−381880号の発明に関連してなされたものであって、車両の外表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することを可能にする保護層形成材の塗布装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、前記ロボットに接続され、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材を塗布する塗布機構部と、前記保護層形成材を前記塗布機構部に供給する供給機構部と、を有し、前記塗布機構部は、前記車両の外表面に当接することによって前記保護層形成材を塗布するメインローラと、前記供給機構部に連通するとともに、前記メインローラを回転自在に支持する中空状の第1管部材と、前記第1管部材を両端から着脱自在に支持するホルダと、前記供給機構部に連通するとともに、前記ホルダから外方に延在する第2管部材と、前記第2管部材によって回転自在に支持されるとともに、前記メインローラと直列状に配置されるサブローラと、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置によれば、メインローラとは別にサブローラが設けられ、このサブローラはホルダから外方に延在する第2管部材によって回転自在に支持されるとともに、メインローラと直列状に配置されている。このため、車両の外表面に保護層形成材を塗布する際に、ホルダが、例えば、車両の外表面における壁状の傾斜部等に干渉して車両を損傷させるおそれがない。その結果、前記傾斜部等に対してサブローラを可及的に接近させることが可能となり、傾斜部等に至る部位のように、車両の外表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することができる。
【0011】
この場合、前記ホルダは、前記メインローラと前記サブローラとの間に配置されるとともに、前記供給機構部から前記第1管部材及び前記第2管部材に連通する管路が形成されたホルダ部材を備えている。これにより、簡単な構成で、供給機構部から第1管部材及び第2管部材に保護層形成材を確実に送給することができる。
【0012】
また、前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤が用いられる。これにより、車両の塗装部をより確実に保護することが可能になる。しかも、車両の塗装部から保護層形成材を除去するときには、容易に剥がすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る保護層形成材の塗布装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置10は、自動車の搬送ライン12に設けられており、塗装の終了した車両14に対して保護層形成材を塗布する。
【0015】
塗布装置10は、産業用ロボットである3台のロボット16a、16b及び16cと、システム全体の制御を行う制御部18と、保護層形成材が収容されたタンク20と、該タンク20から各ロボット16a〜16cに連通する塗布材管路22と、水供給源24からロボット16a〜16cへ水を供給する水管路26とを有する。ロボット16a〜16cは、それぞれ制御部18に接続されたロボットコントローラ28a〜28cによって制御される。
【0016】
ロボット16a及び16cは、搬送ライン12における車両14の進行方向左手側に設けられ、ロボット16bは、進行方向右手側に設けられている。ロボット16aは進行方向の前方、ロボット16bは進行方向の中程、ロボット16cは進行方向の後方に備えられている。ロボット16a〜16cは、搬送ライン12と平行なスライドレール30上を移動可能である。
【0017】
塗布材管路22の途中には、ポンプ32が設けられており、タンク20から保護層形成材を吸い上げてロボット16a〜16cへ供給する。保護層形成材は、図示しないヒータと温度計とによって適温になるように制御されている。
【0018】
保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を主成分とし、好ましくは、ガラス転移温度の異なる2種のアクリル系コポリマ部分を有する。具体的には、例えば、前記の特許文献1で示されている保護層形成材を用いるとよい。また、保護層形成材は、水との混合割合及び温度の変化によって粘度を調整することができ、しかも、乾燥すると車両14に密着して粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等から車両14の塗装部を化学的及び物理的に保護することができる。さらに、車両14をユーザに納品する際に、保護層形成材を除去する場合等には容易に剥がすことができる。
【0019】
図2に示すように、ロボット16a〜16cは、例えば、産業用の多関節型のロボットであり、ベース部40と、該ベース部40を基準にして順に、第1アーム42、第2アーム44及び第3アーム46とを有している。第3アーム46の先端には、塗布材管路22(図1参照)及びその先端部のチューブ23を介して保護層形成材が供給される塗布機構部34が設けられている。この塗布機構部34は、第3アーム46に対して着脱自在であり、所謂、エンドエフェクタとして作用する。
【0020】
第1アーム42は、軸J1、J2によってベース部40に対して水平及び垂直に回動可能である。第2アーム44は、第1アーム42と軸J3で回動可能に連結されている。第2アーム44は、軸J4によって捻れ回転が可能になっている。第3アーム46は、第2アーム44と軸J5で回動可能に連結されている。第3アーム46は、軸J6によって捻れ回転が可能になっている。
【0021】
このような6軸構成のロボット16a〜16cの動作によって、先端部に接続された塗布機構部34は、車両14の近傍における任意の位置に移動可能であって、且つ、任意の向きに設定可能である。換言すれば、塗布機構部34は6自由度の移動が可能である。なお、ロボット16a〜16cは、回転動作以外にも伸縮動作、平行リンク動作等の動作部を有するものであってもよい。
【0022】
図3〜図5に示すように、塗布機構部34は、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46の先端部に取り付けられており、円筒形状で保護層形成材を吸収して蓄えることができるローラ(メインローラ)48と、このローラ48と直列状に配置されるサブローラ49と、第3アーム46に対する取付部であるスラスト回転部69とを有する。スラスト回転部69は、取付部材70と、取付部材70に対してベアリング72を介して回転自在に支持されているスラスト回転部材74と、スラスト回転部材74の下部に取り付けられたベース部76とを有する。
【0023】
また、塗布機構部34は、ベース部76の両端部に設けられた空気圧シリンダ78、80と、ベース部76から下方に延在する2つの下方延在部76aの略下端に揺動軸82を介して揺動自在に軸支された揺動部材84と、ローラ48を回転自在に支持するホルダ86と、ホルダ86と揺動部材84とを接続する接続部88とを有する。揺動部材84は、上方に延在する2つの上方延在部84aを有し、この上方延在部84aの略上端には、揺動軸82と平行にピン90が設けられている。ピン90は、下方延在部76aに形成された長孔91に移動自在に挿入される。
【0024】
さらに、塗布機構部34は、空気圧シリンダ78及び80のロッド78a及びロッド80aから力を受けて、前記揺動軸82を中心として回転する2つのピン押圧部材92及び94を有する。図5に示すように、ピン押圧部材92の押圧面92aは、ロッド78aが縮退するとき前記ピン90の左面を押圧し、ピン押圧部材94の押圧面94aは、ロッド80aが縮退するとき前記ピン90の右面を押圧する。
【0025】
スラスト回転部材74の上部には、回転規制部材96が設けられており、この回転規制部材96の上面の凹部96aには、取付部材70から下方に突出する小突起98が配置されている。小突起98の幅は凹部96aの幅よりやや小さく、この隙間の範囲において、スラスト回転部材74はスラスト方向に回転自在となっている。ここで、スラスト方向とは、ローラ48の自体の軸心と直交する方向であり、第3アーム46の軸心Cを中心とした回転方向である(図5参照)。なお、取付部材70を第3アーム46に取り付けるためのボルト100を小突起98に兼用してもよい。
【0026】
接続部88には、上部と下部で対向する2つのクランパ102及び104が設けられる。クランパ102が揺動部材84に固定される一方、クランパ104がホルダ86に固定され、前記クランパ102、104がアルミパイプ106を保持することにより前記揺動部材84と前記ホルダ86とが連結される。アルミパイプ106の表面には、このアルミパイプ106の分断線となる環状溝106aが設けられている。
【0027】
図3及び図4に示すように、ホルダ86は、板状のホルダ本体86eを備える。ホルダ本体86eの一端には、固定ホルダ部(ホルダ部材)86aがボルト86bによって固定される一方、前記ホルダ本体86eの他端には、可動ホルダ部86cが軸部材86dを介して旋回自在に装着される。固定ホルダ部86aには管路87が形成されており、この管路87の一端側開口にチューブ23が接続されている。従って、管路87は、前記塗布材管路22に連通している。また、固定ホルダ部86aには、前記管路87の他端側開口に連通する連結部材111が固定されている。
【0028】
連結部材111の一端側開口には、中空状の第1パイプ(第1管部材)112の第1端部112aが接続される。一方、連結部材111の他端側開口には、ホルダ86から外方に延在する中空状の第2パイプ(第2管部材)113の第1端部113aが接続される。第1パイプ112及び第2パイプ113は、連結部材111に対して嵌合自在であり、嵌合されることによって液密に保持される。
【0029】
このように、連結部材111を設け、固定ホルダ部86aに管路87を形成することにより、簡単な構成で、塗布材管路22から第1パイプ112及び第2パイプ113に保護層形成材を確実に送給することができる。
【0030】
また、第1パイプ112及び第2パイプ113は、チューブ23から供給される保護層形成材をそれぞれローラ48及びサブローラ49へとさらに送給するとともに、ローラ48及びサブローラ49をそれぞれ回転自在に支持する。なお、この場合、第1パイプ112の長さは、基本的に第2パイプ113の長さより長く設定される。
【0031】
第1パイプ112の第1端部112a及び第2パイプ113の第1端部113aには、複数(例えば、2箇所)の図示しない円錐状の溝が形成されており、この溝に連結部材111a側から図示しない埋め込みボルト等が係合することによって、第1パイプ112及び第2パイプ113が連結部材111aに強固に装着される。
【0032】
第1パイプ112及び第2パイプ113には、供給された保護層形成材をローラ48及びサブローラ49へと吐出するための複数のノズル孔114が形成されている。また、第1パイプ112及び第2パイプ113のそれぞれの第2端部112b、113b側は閉塞されている。なお、第1パイプ112及び第2パイプ113は、ステンレス鋼材により形成されると好適であり、例えば、SUS304系材料(オーステナイト系に分類される鋼管:日本工業規格準拠)により形成されると一層好適である。
【0033】
可動ホルダ部86cの先端側には、円形溝部86fが形成されている。この可動ホルダ部86cは、スプリング116の付勢作用下に旋回可能であり、該スプリング116の弾発力によって、前記円形溝部86fに前記第1パイプ112の第2端部112bが係合される。これにより、第1パイプ112が確実に保持される。
【0034】
図4に示すように、ローラ48及びサブローラ49は、保護層形成材を吸収して蓄えることが可能な材質により形成されるとともに、車両14の表面に当接(密着)することで該保護層形成材を塗布する中空状の塗布部材48a、49aを備える。塗布部材48aの両端の開口部48b、48cと、塗布部材49aの連結部材111側の開口部49bには、Oリング120を介して端部キャップ122がそれぞれ液密に装着されている。一方、塗布部材49aの連結部材111側とは反対側の開口部49cには、Oリング120を介して先端部キャップ123が液密に装着されている。
【0035】
端部キャップ122の中心には、貫通した孔部122aが形成され、この孔部122aに第1パイプ112及び第2パイプ113が直接挿通される。一方、先端部キャップ123の中心には、貫通しない凹形状の孔部123aが形成され、この孔部123aに第2パイプ113の第2端部113bが嵌入される。これにより、ローラ48及びサブローラ49は、それぞれ端部キャップ122及び先端部キャップ123と一体的に、前記第1パイプ112及び第2パイプ113によって回転自在に支持される。第1パイプ112及び第2パイプ113と孔部122aとは、塗布部材48a、49aの内部に保護層形成材を保持可能な程度に嵌め合いが調整されている。なお、サブローラ49は、第2パイプ113から着脱自在であり、一方、ローラ48は、ホルダ86の可動ホルダ部86cを操作することによって着脱自在である。これにより、ローラ48及びサブローラ49の交換及び洗浄等のメンテナンスを行うことができる。
【0036】
第1パイプ112及び第2パイプ113と、ローラ48及びサブローラ49との間には、略円筒状のカラー部材124が介装される。カラー部材124は、軽量化を図るべく、例えば、プラスチックで構成されるとともに、径方向に分割される複数、例えば、2つの割り部材126a、126bを備える。各割り部材126a、126b間には、ローラ48及びサブローラ49の軸方向(図4中、矢印B方向)に延在するスリット状の溝部(開口部)128が形成される。溝部128は、所定の隙間Sを設けている。
【0037】
割り部材126a、126bには、カラー部材124の中心から径方向に貫通する複数の孔部188a、188bが設けられる。孔部188a、188bは、それぞれ割り部材126a、126bの外周部に千鳥状に分散して開口し且つ軸方向に均一に分散して形成されている。保護層形成材は、溝部128に沿ってローラ48及びサブローラ49内に送給されるとともに、カラー部材124の回転による遠心力によって複数の孔部188a、188bから前記ローラ48及びサブローラ49内に吐出される。
【0038】
カラー部材124は、ローラ48及びサブローラ49の軸方向に延在して所定の隙間Sを設けたスリット状の溝部128が形成されているため、保護層形成材は、溝部128からローラ48及びサブローラ49内に軸方向に沿って送給され、前記ローラ48及びサブローラ49の軸方向全長にわたって保護層形成材を均一に供給することが可能になる。これにより、簡単な構成で、塗布品質を均一化して高精度な塗布作業が遂行されるという効果が得られる。
【0039】
しかも、ローラ48及びサブローラ49内にカラー部材124が収容されているため、このローラ48及びサブローラ49内に必要量の保護層形成材が迅速に充填される。ローラ48及びサブローラ49内の空間部容積が大幅に削減されているからである。このため、カラー部材124を使用しない構成に比べ、高レスポンスを維持して保護層形成材による塗布作業が効率的に遂行されるという利点がある。
【0040】
さらに、カラー部材124には、分割された割り部材126a、126b間に溝部128が形成されている。従って、カラー部材124の構成が簡素化され、前記カラー部材124を経済的に製造することができる。
【0041】
図6に示すように、チューブ23を介してローラ48及びサブローラ49に保護層形成材を供給するための液圧及び空圧の複合回路(供給機構部)150は、コンプレッサ152と、コンプレッサ152の吐出部に接続されたエアタンク154と、空気圧の供給・遮断の切り換えを行う手動の空圧投入弁156と、制御部18から供給される電気信号によって2次側圧力を減少させるレギュレータ158と、レギュレータ158の2次圧によってパイロット操作されて塗布材管路22の圧力を減少させるレギュレータ操作弁160とを有する。
【0042】
また、複合回路150は、レギュレータ操作弁160の2次側管路及び水管路26が接続されたMCV(Material Control Valve)162と、MCV162の2次側とチューブ23との間に設けられたトリガー弁164とを有する。MCV162の内部には、塗布材管路22及び水管路26の連通・遮断の切り換えを行う切換弁162a、162bが設けられており、これらの切換弁162a、162bの2次側は連通している。なお、図6の破線は空気圧管路を示す。
【0043】
MCV162、トリガー弁164及びレギュレータ操作弁160は、空気圧パイロット式に限らず電気ソレノイド等の駆動方式のものでもよい。
【0044】
さらに、複合回路150は、空圧投入弁156から供給される空気圧を切り換えることによって切換弁162a、162bをパイロット形式で操作するMCV切換電磁弁166と、トリガー弁164をパイロット操作するトリガー切換電磁弁168とを有する。MCV切換電磁弁166は制御部18から供給される電気信号によって、切換弁162a、162bのいずれか一方を連通させるとともに他方を遮断し、水と保護層形成材とを切り換えてトリガー弁164に供給する。トリガー切換電磁弁168は、制御部18から供給される電気信号によってトリガー弁164を連通・遮断に切り換えてチューブ23に水又は保護層形成材を個別に供給する。
【0045】
塗布材管路22及び水管路26の途中には、それぞれ手動の止め弁170、172が設けられている。通常、止め弁170及び172は連通させておく。複合回路150において空気の排出口にはそれぞれサイレンサ174が設けられており、排気音を低減させている。コンプレッサ152、ポンプ32及び水供給源24には、過剰な圧力上昇を防止するリリーフ弁(図示せず)が設けられている。
【0046】
空気圧シリンダ78、80(図3〜図5参照)のボトム側は、電磁パイロット式のレギュレータ176a、176bの2次側にそれぞれ連通しており、空気圧シリンダ78、80には、レギュレータ176a、176bを介して圧力調整された空気が供給される。これらのレギュレータ176a、176bは制御部18によって電気的に操作され、または、所定のダイヤル等により手動で操作されて、保護層形成材の塗装時に2次側の圧力値を適宜変更することが可能である。空気圧シリンダ78、80のロッド78a、80a側の空気はサイレンサ174を介してそれぞれ排出自在となっている。
【0047】
なお、複合回路150におけるコンプレッサ152、エアタンク154、水供給源24及びポンプ32は、各ロボット16a、16b、16cに共通であり、それ以外の機器は各ロボット16a、16b、16cに個別に備えられている。
【0048】
次に、このように構成される塗布装置10を用いて、車両14に保護層形成材を塗布する動作について説明する。
【0049】
まず、予め、各ロボット16a〜16cに対して動作の教示を行う。具体的には、ロボット16a〜16cに対し、車両14のボンネット部14a、ルーフ中央部14b及びルーフ後方部14cをそれぞれ分担させて、各担当部に保護層形成材を塗布させるように教示する。そして、教示したティーチングデータは、制御部18の所定の記録部に記録し、保持しておく(図1参照)。なお、車両14が、例えば、セダン型であるときには、ロボット16cはトランク部を分担する。
【0050】
図7に示すように、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46と車両14の表面との距離を適当に保ち、具体的には、平坦な箇所Paにおいて揺動部材84の傾斜角度を適当な角度θとなるように教示し、平坦な箇所Paから第3アーム46を車両14の表面に平行に移動させる。また、平坦な箇所Paから連続する面における浅い凹部200の箇所Pbにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。さらに、平坦な箇所Paから連続する面における低い凸部202の箇所Pcにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。このように、凹部200及び凸部202は無視し、揺動部材84の傾斜角度を多少変化させるようにしてもよい。このように浅い凹部200や比較的低い凸部202も無視することによりロボット16aの動作教示が容易になる。
【0051】
保護層形成材を塗布する処理は、搬送ライン12において1台の車両14毎に設定されているタクトタイム内で終了するように教示を行う(図1参照)。
【0052】
図7に示すように、ロボット16a(16b、16c)を右方向へ移動させながら、車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド80aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。また、ロッド78aが延出するように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。これにより、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、ピン90の右側面を比較的弱い力で押圧し、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84、ローラ48及びサブローラ49は、揺動軸82を中心として反時計方向の力を受けることになり、ローラ48及びサブローラ49が適当な押圧力で車両14の表面に当接される。
【0053】
ローラ48及びサブローラ49の適用箇所や移動方法に応じて、力Faが適宜調整される。この調整は、前記レギュレータ176a、176bに相当する押圧力調整機能部を制御部18により操作し、または、所定のダイヤル等を操作することにより容易に行うことが可能である。
【0054】
一方、図8に示すように、ロボット16a(16b、16c)を左方向に移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド78aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生させるように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。また、ロッド80aが延出するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。これにより、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、ピン90の左側面を比較的弱い力Faで押圧し、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84、ローラ48及びサブローラ49は、揺動軸82を中心として時計方向の力を受けることになり、ローラ48及びサブローラ49が適当な押圧力で車両14の表面に当接される。
【0055】
このように、ロボット16a(16b、16c)の進行方向に応じて空気圧シリンダ78及び80に供給する空気の流れの方向と圧力とを制御することにより、ローラ48及びサブローラ49を車両14の表面に対して適度な押圧力に調整することができる。
【0056】
ところで、図9に示すように、ローラ48とは別に設けられたサブローラ49は、ホルダ86から外方に延在する第2パイプ113によって回転自在に支持されるとともに、ローラ48と直列状に配置されているため、ホルダ86が、例えば、車両14の表面における壁状の傾斜部204等に干渉して車両14を損傷させるおそれがない。その結果、この傾斜部204等に対してサブローラ49を可及的に接近させることが可能となり、傾斜部204等に至る部位206のように、車両14の表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することができる。
【0057】
ロボット16a〜16cによって保護層形成材が塗布された車両14は、搬送ライン12によって次工程へ搬送される(図1参照)。そして、ロボット16a〜16cは、車両14と干渉することのない待機姿勢を保持し、次の車両14が搬入されるまで待機する。このとき、トリガー弁164を遮断させ保護層形成材の供給を停止させる(図6参照)。車両14に塗布された保護層形成材は、自然乾燥または送風しながら乾燥されて可剥離性保護層を形成し、車両14の塗装部を保護する。
【0058】
なお、本実施の形態では、ローラ48及びサブローラ49を適用して保護層形成材を塗布しているが、車両14の傾斜部204等に至る部位206以外の車両14の表面に対しては、ローラ48のみを適用して保護層形成材を塗布してもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、第1パイプ112及び第2パイプ113と、ローラ48及びサブローラ49との間には、カラー部材124が介装されている場合を例示したが、第1パイプ112及び第2パイプ113とカラー部材124とを一体的に形成してもよい。さらに、第1パイプ112及び第2パイプ113は必ずしも別体である必要はなく、前記連結部材111を貫通するように一体的に形成してもよい。
【0060】
なお、車両14のバンパには、着色されていて塗装が不要のものがあるが、保護層形成材は、このようなバンパ等の塗装部以外の箇所に対して塗布作業を行うようにしてもよい。
【0061】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る保護層形成材の塗布装置によれば、メインローラとは別にサブローラが設けられ、このサブローラはホルダから外方に延在する第2管部材によって回転自在に支持されるとともに、メインローラと直列状に配置されている。このため、車両の外表面に保護層形成材を塗布する際に、ホルダが、例えば、車両の外表面における壁状の傾斜部等に干渉して車両を損傷させるおそれがない。その結果、前記傾斜部等に対してサブローラを可及的に接近させることが可能となり、傾斜部等に至る部位のように、車両の外表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置の斜視図である。
【図2】前記塗布装置におけるロボット及び該ロボットに設けられた塗布機構部の斜視図である。
【図3】前記塗布機構部の拡大斜視図である。
【図4】図3に示す塗布機構部の一部断面正面図である。
【図5】図3に示す塗布機構部の側面図である。
【図6】液圧及び空圧の複合回路を示す図である。
【図7】前記ロボットを右方向へ動作させる過程において、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図8】前記ロボットを左方向へ動作させる際の、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図9】車両の傾斜部に至る部位に保護層形成材を塗布する際の前記塗布機構部の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
10…塗布装置 12…搬送ライン
14…車両 16a〜16c…ロボット
18…制御部 20…タンク
22…塗布材管路 23…チューブ
32…ポンプ 34…塗布機構部
48…ローラ 48a、49a…塗布部材
49…サブローラ 86…ホルダ
86a…固定ホルダ部 87…管路
111…連結部材 112、113…パイプ
114…ノズル孔 120…Oリング
122…端部キャップ 123…先端部キャップ
150…複合回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装が終了した車両の塗装部を主とする外表面に保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関し、特に、前記外表面に当接するローラによって液状の保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両は、製造後にユーザに手渡されるまでに屋外ストックヤードで保管されたり、トレーラや船等で搬送されたりすることが多い。この間、車両は粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等に曝されることから、長時間の保管及び搬送の間には、車両の外表面における複数の塗装層のうち、表面層の品質が侵されるおそれがある。
【0003】
このような事態を防ぐため、車両出荷前の段階において塗装部に剥離性保護層を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。剥離性保護層は液状ラップ材である保護層形成材(ストリッパブルペイントとも呼ばれる)を塗布して乾燥させることにより形成され、塗装部を保護することができる。また、除去する際には容易に剥離させることができるとともに、通常の保管時には自然に剥離してしまうことがない。
【0004】
この場合、上記の保護層形成材を塗布する工程では、ローラに保護層形成材を付着させて、このローラを塗装部に沿って転がすことにより、前記保護層形成材の塗布作業が行われている。
【0005】
このような作業の自動化を図るとともに塗布品質を均一化させるために、車両ボディ上に保護層形成材を注いだ後、エアを吹き付けることによって保護層形成材を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、保護層形成材の塗布工程における作業の多くが自動化され、作業者の負担を軽減するとともに、タクトタイムを向上させることができて好適である。
【0006】
また、本出願人は、前記の作業の自動化及び塗布品質の均一化に鑑みて、特願2002−381880号に記載された保護層形成材の塗布システム及び塗布方法を提案した。この特願2002−381880号では、ロボットの操作によるローラによって、車両の外表面に保護層形成材を塗布する工程をさらに自動化し、生産効率を向上させるとともに、塗布品質をより均一化することを可能にした。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−89697号公報(段落[0022]〜[0027])
【特許文献2】
特開平8−173882号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の特願2002−381880号の発明に関連してなされたものであって、車両の外表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することを可能にする保護層形成材の塗布装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、前記ロボットに接続され、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材を塗布する塗布機構部と、前記保護層形成材を前記塗布機構部に供給する供給機構部と、を有し、前記塗布機構部は、前記車両の外表面に当接することによって前記保護層形成材を塗布するメインローラと、前記供給機構部に連通するとともに、前記メインローラを回転自在に支持する中空状の第1管部材と、前記第1管部材を両端から着脱自在に支持するホルダと、前記供給機構部に連通するとともに、前記ホルダから外方に延在する第2管部材と、前記第2管部材によって回転自在に支持されるとともに、前記メインローラと直列状に配置されるサブローラと、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置によれば、メインローラとは別にサブローラが設けられ、このサブローラはホルダから外方に延在する第2管部材によって回転自在に支持されるとともに、メインローラと直列状に配置されている。このため、車両の外表面に保護層形成材を塗布する際に、ホルダが、例えば、車両の外表面における壁状の傾斜部等に干渉して車両を損傷させるおそれがない。その結果、前記傾斜部等に対してサブローラを可及的に接近させることが可能となり、傾斜部等に至る部位のように、車両の外表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することができる。
【0011】
この場合、前記ホルダは、前記メインローラと前記サブローラとの間に配置されるとともに、前記供給機構部から前記第1管部材及び前記第2管部材に連通する管路が形成されたホルダ部材を備えている。これにより、簡単な構成で、供給機構部から第1管部材及び第2管部材に保護層形成材を確実に送給することができる。
【0012】
また、前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤が用いられる。これにより、車両の塗装部をより確実に保護することが可能になる。しかも、車両の塗装部から保護層形成材を除去するときには、容易に剥がすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る保護層形成材の塗布装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置10は、自動車の搬送ライン12に設けられており、塗装の終了した車両14に対して保護層形成材を塗布する。
【0015】
塗布装置10は、産業用ロボットである3台のロボット16a、16b及び16cと、システム全体の制御を行う制御部18と、保護層形成材が収容されたタンク20と、該タンク20から各ロボット16a〜16cに連通する塗布材管路22と、水供給源24からロボット16a〜16cへ水を供給する水管路26とを有する。ロボット16a〜16cは、それぞれ制御部18に接続されたロボットコントローラ28a〜28cによって制御される。
【0016】
ロボット16a及び16cは、搬送ライン12における車両14の進行方向左手側に設けられ、ロボット16bは、進行方向右手側に設けられている。ロボット16aは進行方向の前方、ロボット16bは進行方向の中程、ロボット16cは進行方向の後方に備えられている。ロボット16a〜16cは、搬送ライン12と平行なスライドレール30上を移動可能である。
【0017】
塗布材管路22の途中には、ポンプ32が設けられており、タンク20から保護層形成材を吸い上げてロボット16a〜16cへ供給する。保護層形成材は、図示しないヒータと温度計とによって適温になるように制御されている。
【0018】
保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を主成分とし、好ましくは、ガラス転移温度の異なる2種のアクリル系コポリマ部分を有する。具体的には、例えば、前記の特許文献1で示されている保護層形成材を用いるとよい。また、保護層形成材は、水との混合割合及び温度の変化によって粘度を調整することができ、しかも、乾燥すると車両14に密着して粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等から車両14の塗装部を化学的及び物理的に保護することができる。さらに、車両14をユーザに納品する際に、保護層形成材を除去する場合等には容易に剥がすことができる。
【0019】
図2に示すように、ロボット16a〜16cは、例えば、産業用の多関節型のロボットであり、ベース部40と、該ベース部40を基準にして順に、第1アーム42、第2アーム44及び第3アーム46とを有している。第3アーム46の先端には、塗布材管路22(図1参照)及びその先端部のチューブ23を介して保護層形成材が供給される塗布機構部34が設けられている。この塗布機構部34は、第3アーム46に対して着脱自在であり、所謂、エンドエフェクタとして作用する。
【0020】
第1アーム42は、軸J1、J2によってベース部40に対して水平及び垂直に回動可能である。第2アーム44は、第1アーム42と軸J3で回動可能に連結されている。第2アーム44は、軸J4によって捻れ回転が可能になっている。第3アーム46は、第2アーム44と軸J5で回動可能に連結されている。第3アーム46は、軸J6によって捻れ回転が可能になっている。
【0021】
このような6軸構成のロボット16a〜16cの動作によって、先端部に接続された塗布機構部34は、車両14の近傍における任意の位置に移動可能であって、且つ、任意の向きに設定可能である。換言すれば、塗布機構部34は6自由度の移動が可能である。なお、ロボット16a〜16cは、回転動作以外にも伸縮動作、平行リンク動作等の動作部を有するものであってもよい。
【0022】
図3〜図5に示すように、塗布機構部34は、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46の先端部に取り付けられており、円筒形状で保護層形成材を吸収して蓄えることができるローラ(メインローラ)48と、このローラ48と直列状に配置されるサブローラ49と、第3アーム46に対する取付部であるスラスト回転部69とを有する。スラスト回転部69は、取付部材70と、取付部材70に対してベアリング72を介して回転自在に支持されているスラスト回転部材74と、スラスト回転部材74の下部に取り付けられたベース部76とを有する。
【0023】
また、塗布機構部34は、ベース部76の両端部に設けられた空気圧シリンダ78、80と、ベース部76から下方に延在する2つの下方延在部76aの略下端に揺動軸82を介して揺動自在に軸支された揺動部材84と、ローラ48を回転自在に支持するホルダ86と、ホルダ86と揺動部材84とを接続する接続部88とを有する。揺動部材84は、上方に延在する2つの上方延在部84aを有し、この上方延在部84aの略上端には、揺動軸82と平行にピン90が設けられている。ピン90は、下方延在部76aに形成された長孔91に移動自在に挿入される。
【0024】
さらに、塗布機構部34は、空気圧シリンダ78及び80のロッド78a及びロッド80aから力を受けて、前記揺動軸82を中心として回転する2つのピン押圧部材92及び94を有する。図5に示すように、ピン押圧部材92の押圧面92aは、ロッド78aが縮退するとき前記ピン90の左面を押圧し、ピン押圧部材94の押圧面94aは、ロッド80aが縮退するとき前記ピン90の右面を押圧する。
【0025】
スラスト回転部材74の上部には、回転規制部材96が設けられており、この回転規制部材96の上面の凹部96aには、取付部材70から下方に突出する小突起98が配置されている。小突起98の幅は凹部96aの幅よりやや小さく、この隙間の範囲において、スラスト回転部材74はスラスト方向に回転自在となっている。ここで、スラスト方向とは、ローラ48の自体の軸心と直交する方向であり、第3アーム46の軸心Cを中心とした回転方向である(図5参照)。なお、取付部材70を第3アーム46に取り付けるためのボルト100を小突起98に兼用してもよい。
【0026】
接続部88には、上部と下部で対向する2つのクランパ102及び104が設けられる。クランパ102が揺動部材84に固定される一方、クランパ104がホルダ86に固定され、前記クランパ102、104がアルミパイプ106を保持することにより前記揺動部材84と前記ホルダ86とが連結される。アルミパイプ106の表面には、このアルミパイプ106の分断線となる環状溝106aが設けられている。
【0027】
図3及び図4に示すように、ホルダ86は、板状のホルダ本体86eを備える。ホルダ本体86eの一端には、固定ホルダ部(ホルダ部材)86aがボルト86bによって固定される一方、前記ホルダ本体86eの他端には、可動ホルダ部86cが軸部材86dを介して旋回自在に装着される。固定ホルダ部86aには管路87が形成されており、この管路87の一端側開口にチューブ23が接続されている。従って、管路87は、前記塗布材管路22に連通している。また、固定ホルダ部86aには、前記管路87の他端側開口に連通する連結部材111が固定されている。
【0028】
連結部材111の一端側開口には、中空状の第1パイプ(第1管部材)112の第1端部112aが接続される。一方、連結部材111の他端側開口には、ホルダ86から外方に延在する中空状の第2パイプ(第2管部材)113の第1端部113aが接続される。第1パイプ112及び第2パイプ113は、連結部材111に対して嵌合自在であり、嵌合されることによって液密に保持される。
【0029】
このように、連結部材111を設け、固定ホルダ部86aに管路87を形成することにより、簡単な構成で、塗布材管路22から第1パイプ112及び第2パイプ113に保護層形成材を確実に送給することができる。
【0030】
また、第1パイプ112及び第2パイプ113は、チューブ23から供給される保護層形成材をそれぞれローラ48及びサブローラ49へとさらに送給するとともに、ローラ48及びサブローラ49をそれぞれ回転自在に支持する。なお、この場合、第1パイプ112の長さは、基本的に第2パイプ113の長さより長く設定される。
【0031】
第1パイプ112の第1端部112a及び第2パイプ113の第1端部113aには、複数(例えば、2箇所)の図示しない円錐状の溝が形成されており、この溝に連結部材111a側から図示しない埋め込みボルト等が係合することによって、第1パイプ112及び第2パイプ113が連結部材111aに強固に装着される。
【0032】
第1パイプ112及び第2パイプ113には、供給された保護層形成材をローラ48及びサブローラ49へと吐出するための複数のノズル孔114が形成されている。また、第1パイプ112及び第2パイプ113のそれぞれの第2端部112b、113b側は閉塞されている。なお、第1パイプ112及び第2パイプ113は、ステンレス鋼材により形成されると好適であり、例えば、SUS304系材料(オーステナイト系に分類される鋼管:日本工業規格準拠)により形成されると一層好適である。
【0033】
可動ホルダ部86cの先端側には、円形溝部86fが形成されている。この可動ホルダ部86cは、スプリング116の付勢作用下に旋回可能であり、該スプリング116の弾発力によって、前記円形溝部86fに前記第1パイプ112の第2端部112bが係合される。これにより、第1パイプ112が確実に保持される。
【0034】
図4に示すように、ローラ48及びサブローラ49は、保護層形成材を吸収して蓄えることが可能な材質により形成されるとともに、車両14の表面に当接(密着)することで該保護層形成材を塗布する中空状の塗布部材48a、49aを備える。塗布部材48aの両端の開口部48b、48cと、塗布部材49aの連結部材111側の開口部49bには、Oリング120を介して端部キャップ122がそれぞれ液密に装着されている。一方、塗布部材49aの連結部材111側とは反対側の開口部49cには、Oリング120を介して先端部キャップ123が液密に装着されている。
【0035】
端部キャップ122の中心には、貫通した孔部122aが形成され、この孔部122aに第1パイプ112及び第2パイプ113が直接挿通される。一方、先端部キャップ123の中心には、貫通しない凹形状の孔部123aが形成され、この孔部123aに第2パイプ113の第2端部113bが嵌入される。これにより、ローラ48及びサブローラ49は、それぞれ端部キャップ122及び先端部キャップ123と一体的に、前記第1パイプ112及び第2パイプ113によって回転自在に支持される。第1パイプ112及び第2パイプ113と孔部122aとは、塗布部材48a、49aの内部に保護層形成材を保持可能な程度に嵌め合いが調整されている。なお、サブローラ49は、第2パイプ113から着脱自在であり、一方、ローラ48は、ホルダ86の可動ホルダ部86cを操作することによって着脱自在である。これにより、ローラ48及びサブローラ49の交換及び洗浄等のメンテナンスを行うことができる。
【0036】
第1パイプ112及び第2パイプ113と、ローラ48及びサブローラ49との間には、略円筒状のカラー部材124が介装される。カラー部材124は、軽量化を図るべく、例えば、プラスチックで構成されるとともに、径方向に分割される複数、例えば、2つの割り部材126a、126bを備える。各割り部材126a、126b間には、ローラ48及びサブローラ49の軸方向(図4中、矢印B方向)に延在するスリット状の溝部(開口部)128が形成される。溝部128は、所定の隙間Sを設けている。
【0037】
割り部材126a、126bには、カラー部材124の中心から径方向に貫通する複数の孔部188a、188bが設けられる。孔部188a、188bは、それぞれ割り部材126a、126bの外周部に千鳥状に分散して開口し且つ軸方向に均一に分散して形成されている。保護層形成材は、溝部128に沿ってローラ48及びサブローラ49内に送給されるとともに、カラー部材124の回転による遠心力によって複数の孔部188a、188bから前記ローラ48及びサブローラ49内に吐出される。
【0038】
カラー部材124は、ローラ48及びサブローラ49の軸方向に延在して所定の隙間Sを設けたスリット状の溝部128が形成されているため、保護層形成材は、溝部128からローラ48及びサブローラ49内に軸方向に沿って送給され、前記ローラ48及びサブローラ49の軸方向全長にわたって保護層形成材を均一に供給することが可能になる。これにより、簡単な構成で、塗布品質を均一化して高精度な塗布作業が遂行されるという効果が得られる。
【0039】
しかも、ローラ48及びサブローラ49内にカラー部材124が収容されているため、このローラ48及びサブローラ49内に必要量の保護層形成材が迅速に充填される。ローラ48及びサブローラ49内の空間部容積が大幅に削減されているからである。このため、カラー部材124を使用しない構成に比べ、高レスポンスを維持して保護層形成材による塗布作業が効率的に遂行されるという利点がある。
【0040】
さらに、カラー部材124には、分割された割り部材126a、126b間に溝部128が形成されている。従って、カラー部材124の構成が簡素化され、前記カラー部材124を経済的に製造することができる。
【0041】
図6に示すように、チューブ23を介してローラ48及びサブローラ49に保護層形成材を供給するための液圧及び空圧の複合回路(供給機構部)150は、コンプレッサ152と、コンプレッサ152の吐出部に接続されたエアタンク154と、空気圧の供給・遮断の切り換えを行う手動の空圧投入弁156と、制御部18から供給される電気信号によって2次側圧力を減少させるレギュレータ158と、レギュレータ158の2次圧によってパイロット操作されて塗布材管路22の圧力を減少させるレギュレータ操作弁160とを有する。
【0042】
また、複合回路150は、レギュレータ操作弁160の2次側管路及び水管路26が接続されたMCV(Material Control Valve)162と、MCV162の2次側とチューブ23との間に設けられたトリガー弁164とを有する。MCV162の内部には、塗布材管路22及び水管路26の連通・遮断の切り換えを行う切換弁162a、162bが設けられており、これらの切換弁162a、162bの2次側は連通している。なお、図6の破線は空気圧管路を示す。
【0043】
MCV162、トリガー弁164及びレギュレータ操作弁160は、空気圧パイロット式に限らず電気ソレノイド等の駆動方式のものでもよい。
【0044】
さらに、複合回路150は、空圧投入弁156から供給される空気圧を切り換えることによって切換弁162a、162bをパイロット形式で操作するMCV切換電磁弁166と、トリガー弁164をパイロット操作するトリガー切換電磁弁168とを有する。MCV切換電磁弁166は制御部18から供給される電気信号によって、切換弁162a、162bのいずれか一方を連通させるとともに他方を遮断し、水と保護層形成材とを切り換えてトリガー弁164に供給する。トリガー切換電磁弁168は、制御部18から供給される電気信号によってトリガー弁164を連通・遮断に切り換えてチューブ23に水又は保護層形成材を個別に供給する。
【0045】
塗布材管路22及び水管路26の途中には、それぞれ手動の止め弁170、172が設けられている。通常、止め弁170及び172は連通させておく。複合回路150において空気の排出口にはそれぞれサイレンサ174が設けられており、排気音を低減させている。コンプレッサ152、ポンプ32及び水供給源24には、過剰な圧力上昇を防止するリリーフ弁(図示せず)が設けられている。
【0046】
空気圧シリンダ78、80(図3〜図5参照)のボトム側は、電磁パイロット式のレギュレータ176a、176bの2次側にそれぞれ連通しており、空気圧シリンダ78、80には、レギュレータ176a、176bを介して圧力調整された空気が供給される。これらのレギュレータ176a、176bは制御部18によって電気的に操作され、または、所定のダイヤル等により手動で操作されて、保護層形成材の塗装時に2次側の圧力値を適宜変更することが可能である。空気圧シリンダ78、80のロッド78a、80a側の空気はサイレンサ174を介してそれぞれ排出自在となっている。
【0047】
なお、複合回路150におけるコンプレッサ152、エアタンク154、水供給源24及びポンプ32は、各ロボット16a、16b、16cに共通であり、それ以外の機器は各ロボット16a、16b、16cに個別に備えられている。
【0048】
次に、このように構成される塗布装置10を用いて、車両14に保護層形成材を塗布する動作について説明する。
【0049】
まず、予め、各ロボット16a〜16cに対して動作の教示を行う。具体的には、ロボット16a〜16cに対し、車両14のボンネット部14a、ルーフ中央部14b及びルーフ後方部14cをそれぞれ分担させて、各担当部に保護層形成材を塗布させるように教示する。そして、教示したティーチングデータは、制御部18の所定の記録部に記録し、保持しておく(図1参照)。なお、車両14が、例えば、セダン型であるときには、ロボット16cはトランク部を分担する。
【0050】
図7に示すように、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46と車両14の表面との距離を適当に保ち、具体的には、平坦な箇所Paにおいて揺動部材84の傾斜角度を適当な角度θとなるように教示し、平坦な箇所Paから第3アーム46を車両14の表面に平行に移動させる。また、平坦な箇所Paから連続する面における浅い凹部200の箇所Pbにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。さらに、平坦な箇所Paから連続する面における低い凸部202の箇所Pcにおいても、そのまま平坦な箇所Paにおける面と平行に移動させてよい。このように、凹部200及び凸部202は無視し、揺動部材84の傾斜角度を多少変化させるようにしてもよい。このように浅い凹部200や比較的低い凸部202も無視することによりロボット16aの動作教示が容易になる。
【0051】
保護層形成材を塗布する処理は、搬送ライン12において1台の車両14毎に設定されているタクトタイム内で終了するように教示を行う(図1参照)。
【0052】
図7に示すように、ロボット16a(16b、16c)を右方向へ移動させながら、車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド80aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。また、ロッド78aが延出するように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。これにより、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、ピン90の右側面を比較的弱い力で押圧し、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84、ローラ48及びサブローラ49は、揺動軸82を中心として反時計方向の力を受けることになり、ローラ48及びサブローラ49が適当な押圧力で車両14の表面に当接される。
【0053】
ローラ48及びサブローラ49の適用箇所や移動方法に応じて、力Faが適宜調整される。この調整は、前記レギュレータ176a、176bに相当する押圧力調整機能部を制御部18により操作し、または、所定のダイヤル等を操作することにより容易に行うことが可能である。
【0054】
一方、図8に示すように、ロボット16a(16b、16c)を左方向に移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド78aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生させるように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。また、ロッド80aが延出するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。これにより、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、ピン90の左側面を比較的弱い力Faで押圧し、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84、ローラ48及びサブローラ49は、揺動軸82を中心として時計方向の力を受けることになり、ローラ48及びサブローラ49が適当な押圧力で車両14の表面に当接される。
【0055】
このように、ロボット16a(16b、16c)の進行方向に応じて空気圧シリンダ78及び80に供給する空気の流れの方向と圧力とを制御することにより、ローラ48及びサブローラ49を車両14の表面に対して適度な押圧力に調整することができる。
【0056】
ところで、図9に示すように、ローラ48とは別に設けられたサブローラ49は、ホルダ86から外方に延在する第2パイプ113によって回転自在に支持されるとともに、ローラ48と直列状に配置されているため、ホルダ86が、例えば、車両14の表面における壁状の傾斜部204等に干渉して車両14を損傷させるおそれがない。その結果、この傾斜部204等に対してサブローラ49を可及的に接近させることが可能となり、傾斜部204等に至る部位206のように、車両14の表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することができる。
【0057】
ロボット16a〜16cによって保護層形成材が塗布された車両14は、搬送ライン12によって次工程へ搬送される(図1参照)。そして、ロボット16a〜16cは、車両14と干渉することのない待機姿勢を保持し、次の車両14が搬入されるまで待機する。このとき、トリガー弁164を遮断させ保護層形成材の供給を停止させる(図6参照)。車両14に塗布された保護層形成材は、自然乾燥または送風しながら乾燥されて可剥離性保護層を形成し、車両14の塗装部を保護する。
【0058】
なお、本実施の形態では、ローラ48及びサブローラ49を適用して保護層形成材を塗布しているが、車両14の傾斜部204等に至る部位206以外の車両14の表面に対しては、ローラ48のみを適用して保護層形成材を塗布してもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、第1パイプ112及び第2パイプ113と、ローラ48及びサブローラ49との間には、カラー部材124が介装されている場合を例示したが、第1パイプ112及び第2パイプ113とカラー部材124とを一体的に形成してもよい。さらに、第1パイプ112及び第2パイプ113は必ずしも別体である必要はなく、前記連結部材111を貫通するように一体的に形成してもよい。
【0060】
なお、車両14のバンパには、着色されていて塗装が不要のものがあるが、保護層形成材は、このようなバンパ等の塗装部以外の箇所に対して塗布作業を行うようにしてもよい。
【0061】
本発明に係る保護層形成材の塗布装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る保護層形成材の塗布装置によれば、メインローラとは別にサブローラが設けられ、このサブローラはホルダから外方に延在する第2管部材によって回転自在に支持されるとともに、メインローラと直列状に配置されている。このため、車両の外表面に保護層形成材を塗布する際に、ホルダが、例えば、車両の外表面における壁状の傾斜部等に干渉して車両を損傷させるおそれがない。その結果、前記傾斜部等に対してサブローラを可及的に接近させることが可能となり、傾斜部等に至る部位のように、車両の外表面の細部にわたってより適切に保護層形成材を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置の斜視図である。
【図2】前記塗布装置におけるロボット及び該ロボットに設けられた塗布機構部の斜視図である。
【図3】前記塗布機構部の拡大斜視図である。
【図4】図3に示す塗布機構部の一部断面正面図である。
【図5】図3に示す塗布機構部の側面図である。
【図6】液圧及び空圧の複合回路を示す図である。
【図7】前記ロボットを右方向へ動作させる過程において、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図8】前記ロボットを左方向へ動作させる際の、ロボットと車両の表面との位置関係を示す説明図である。
【図9】車両の傾斜部に至る部位に保護層形成材を塗布する際の前記塗布機構部の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
10…塗布装置 12…搬送ライン
14…車両 16a〜16c…ロボット
18…制御部 20…タンク
22…塗布材管路 23…チューブ
32…ポンプ 34…塗布機構部
48…ローラ 48a、49a…塗布部材
49…サブローラ 86…ホルダ
86a…固定ホルダ部 87…管路
111…連結部材 112、113…パイプ
114…ノズル孔 120…Oリング
122…端部キャップ 123…先端部キャップ
150…複合回路
Claims (3)
- 車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、
前記ロボットに接続され、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材を塗布する塗布機構部と、
前記保護層形成材を前記塗布機構部に供給する供給機構部と、
を有し、
前記塗布機構部は、前記車両の外表面に当接することによって前記保護層形成材を塗布するメインローラと、
前記供給機構部に連通するとともに、前記メインローラを回転自在に支持する中空状の第1管部材と、
前記第1管部材を両端から着脱自在に支持するホルダと、
前記供給機構部に連通するとともに、前記ホルダから外方に延在する第2管部材と、
前記第2管部材によって回転自在に支持されるとともに、前記メインローラと直列状に配置されるサブローラと、
を備えることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。 - 請求項1記載の保護層形成材の塗布装置において、
前記ホルダは、前記メインローラと前記サブローラとの間に配置されるとともに、前記供給機構部から前記第1管部材及び前記第2管部材に連通する管路が形成されたホルダ部材を備えることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。 - 請求項1または2記載の保護層形成材の塗布装置において、
前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤であることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。
Priority Applications (1)
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JP2003180114A JP2005013822A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 保護層形成材の塗布装置 |
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JP2003180114A Pending JP2005013822A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 保護層形成材の塗布装置 |
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Country | Link |
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-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003180114A patent/JP2005013822A/ja active Pending
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