JP2004296900A - 半導体基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体ウエハを用いる場合であれ、ゲッタリングをより適切に行うことのできる半導体基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】図1(a)に示すように、この半導体基板においては、素子の形成される単結晶シリコン層30が、支持基板としてのシリコン基板10の上面を覆うシリコン酸化膜20上に設けられるSOI構造を有している。そして、単結晶シリコン層30は、ホウ素のドーピングされた拡散領域31を有している。そして、この拡散領域31は、同拡散領域31と接するようにして形成されている熱酸化膜40によって、トランジスタ等の素子の形成される領域(素子形成領域)と分離されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
支持基板の上の絶縁層上に半導体基板の各素子の形成される単結晶シリコン層が設けられるSOI構造を有する半導体ウエハを用いて半導体装置を製造することが周知である。このSOI構造を有する半導体ウエハを用いることで、浮遊容量の低減や単結晶シリコン層から支持基板へのリーク電流の低減を図ることができる。
【0003】
こうしたSOI構造を有する半導体ウエハを用いて半導体装置を製造する際にも、上記単結晶シリコン層内の素子領域を汚染する重金属等の不純物を除去する様々なゲッタリング技術が提案されている。
【0004】
例えば下記特許文献1には、上記単結晶シリコン層とするシリコン基板に不純物を固定するゲッタリングシンクとなる積層欠陥を作り込んだ後、これと上記支持基板とを貼り合わせることが提案されている。
【0005】
また、例えば下記特許文献2には、上記絶縁層と上記単結晶シリコン層との界面に設けられた炭素を核とする酸素析出物を上記不純物を固定するゲッタリングシンクとすることが提案されている。
【0006】
更に例えば下記特許文献3には、上記支持基板に上記不純物を固定するゲッタリングシンクを設けるとともに、上記絶縁層が部分的に形成されない領域を有するようにすることが提案されている。すなわち、ここでは、上記絶縁層が部分的に形成されない領域を介して、単結晶シリコン層に付着する上記不純物が上記ゲッタリングシンクへ拡散されるようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−116816号公報
【特許文献2】
特開平5−55230号公報
【特許文献3】
特開平5−55230号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1記載の技術では、上記単結晶シリコン層が通常「数μm〜10数μm」しかないために、同単結晶シリコン層に形成される素子と積層欠陥とが干渉しやすいものとなっている。そして、上記素子と積層欠陥との干渉によって、半導体基板のリーク電流の増大や歩留まりの低下を招くおそれがある。
【0009】
また、上記特許文献2記載の技術では、ゲッタリングシンクが十分でなく、製造対象となる当該半導体基板を汚染する上記不純物を十分に固定することができないおそれがある。
【0010】
また、上記特許文献3記載の技術では、半導体基板上に素子を直接形成する場合と同様のゲッタリングシンクを用いることとなるため、ゲッタリング自体は可能ではある。しかし、絶縁層が部分的に形成されない領域を有するため、上述したSOIウエハの有する効果である上記容量やリーク電流の低減効果が低下してしまう。
【0011】
このように、SOIウエハ等、素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体ウエハを用いて半導体装置を製造する場合において、不純物を固定するために用いられるゲッタリング技術は、未だ不満足なものとなっていた。
【0012】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体ウエハを用いる場合であれ、ゲッタリングをより適切に行うことのできる半導体基板及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成すべく、請求項1記載の半導体基板では、半導体層のうち前記素子の形成されない領域に、III族の元素がドーピングされた拡散領域を形成するとともに、該拡散領域に不純物を固定するゲッタリングシンクを形成した。
【0014】
また、請求項8記載の半導体基板の製造方法では、前記半導体層のうち素子を形成する領域以外の領域へのIII族の元素のドーピングされた拡散領域の形成、及び前記拡散領域とする領域への不純物を固定するゲッタリングシンクの形成を行うようにした。
【0015】
一般に重金属等の不純物は、半導体層における拡散速度が著しく大きいため、熱処理を伴う半導体装置の製造時に、不純物は半導体層中を移動してIII族元素の拡散領域に容易に移動する。ここで、III族の元素は、半導体層に固溶することで陰イオンとなる。一方、半導体装置の製造時に汚染となる重金属等の不純物は、陽イオンとなりやすい。このため、半導体装置の製造時には、陰イオンとなるIII族元素と陽イオンとなる不純物とが弱い結合状態となり、拡散領域に多量の不純物を固溶せしめることができる。そして、この陰イオンとなるIII族の元素と結合状態となった不純物は、拡散領域のゲッタリングシンクによって固定される。
【0016】
このため、上記構成及び上記製造方法によれば、素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体ウエハを用いる場合であれ、ゲッタリングをより適切に行うことができるようになる。
【0017】
なお、上記製造方法においては、(ア)前記半導体層のうち素子を形成する領域以外の領域にIII族の元素がドーピングされた拡散領域を形成する工程と、(イ)前記拡散領域とする領域に不純物を固定するゲッタリングシンクを形成する工程との順番は任意である。
【0018】
また、請求項2記載の半導体基板では、ゲッタリングシンクを、前記熱酸化膜による前記拡散領域の格子歪み部として形成した。
また、請求項9記載の半導体基板の製造方法では、ゲッタリングシンクを、前記拡散領域の近傍に熱酸化膜を形成することによって生じる前記拡散領域の格子歪み部として形成した。
【0019】
半導体層を熱酸化することで熱酸化膜を形成する際には体積が膨張し、熱酸化される部位と熱酸化されない部位との界面付近では体積膨張が不均一となるため、半導体層の格子に歪みが生じる。
【0020】
この点、上記構成及び上記製造方法によれば、この格子歪み部をゲッタリングシンクとして好適に利用することができる。
また、請求項3記載の半導体基板では、拡散領域を、前記熱酸化膜によって素子の形成される領域と分離した。
【0021】これにより、不純物をゲッタリングするための領域と素子領域との干渉を回避することができ、ひいては、半導体基板の性能を好適に確保することができるようになる。
【0022】
また、請求項4記載の半導体基板では、ゲッタリングシンクを、前記拡散領域の酸素析出欠陥として形成した。
また、請求項10記載の半導体基板の製造方法では、ゲッタリングシンクを、前記拡散領域に酸素を析出させる工程によって形成した。
【0023】
半導体層内の酸素析出欠陥は、不純物を固定する機能を有する。この点、上記構成及び上記製造方法によれば、同酸素析出欠陥を用いることで、ゲッタリングシンクを好適に形成することができる。
【0024】
また、請求項5記載の半導体基板では、前記拡散領域の上面近傍に、自身の応力により前記半導体基板の表面に格子歪みを生じさせる応力膜が形成し、且つ前記ゲッタリングシンクを、前記拡散領域のうち前記応力膜近傍の領域として形成した。
【0025】
また、請求項11記載の半導体基板の製造方法では、ゲッタリングシンクを、自身の応力により前記半導体基板の表面に格子歪みを生じさせる応力膜を前記拡散領域上面近傍に形成する工程によって形成した。
【0026】
上記応力膜が半導体層の上面近傍に形成される場合、半導体層のうち応力膜の近傍の領域には、応力膜の歪みに起因して格子歪みが生じることとなる。このため、この領域には、不純物を固定する機能が付与される。
【0027】
この点、上記構成及び上記製造方法によれば、この応力膜の近傍の領域を用いて、ゲッタリングシンクを好適に形成することができる。
また、請求項6記載の半導体基板では、前記半導体層に、III族の元素が注入された拡散領域を、熱酸化膜により前記素子の形成される領域と分離されて形成した。
【0028】
一般に重金属等の不純物は、半導体層における拡散速度が著しく大きいため、熱処理を伴う半導体装置の製造時に、前記不純物は半導体層中を移動してIII族元素の拡散領域に容易に移動する。ここで、III族の元素は、半導体層に固溶することで陰イオンとなる。一方、半導体装置の製造時に汚染となる重金属等の不純物は、陽イオンとなりやすい。このため、半導体装置の製造時には、拡散領域において陰イオンとなるIII族元素に陽イオンとなる不純物とが弱い結合状態となる。
【0029】
一方、半導体層を熱酸化することで熱酸化膜を形成する際には体積が膨張し、熱酸化される部位と熱酸化されない部位との境界付近では体積膨張が不均一となるため、半導体層の格子に歪みが生じる。したがって、拡散領域のうち熱酸化膜の近傍の領域をゲッタリングシンクとすることができる。したがって、上記構成によれば、上記拡散領域により結合状態となった不純物を、拡散領域のうち熱酸化膜の近傍の領域に好適に固定することができる。
【0030】
更に、この拡散領域を該熱酸化膜により前記素子の形成される領域と分離したため、不純物をゲッタリングするための領域と素子領域との干渉を回避することができ、ひいては、半導体基板の性能を好適に確保することができるようになる。
【0031】
なお、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体基板や請求項8〜11のいずれかに記載の半導体基板の製造方法は、請求項7記載の半導体基板や請求項12記載の半導体基板の製造方法によるように、前記III族の元素をホウ素としてもよい。
【0032】
これにより、通常の半導体装置の製造プロセスを流用することで上記拡散領域を簡易に形成することができるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる半導体基板及びその製造方法の第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0034】
図1に、本実施形態にかかる半導体基板の構成を示す。この半導体基板は、半導体装置を構成する。ここで、図1(a)は、同半導体基板の断面図を、また、図1(b)は、同半導体基板の平面図をそれぞれ示している。
【0035】
図1(a)に示すように、この半導体基板においては、素子の形成される単結晶シリコン層30が、支持基板としてのシリコン基板10の上面を覆うシリコン酸化膜20上に設けられるSOI構造を有している。そして、単結晶シリコン層30は、ホウ素のドーピングされた拡散領域31を有している。そして、この拡散領域31は、同拡散領域31と接するようにして形成されている熱酸化膜40によって、上記素子の形成される領域(素子形成領域)と分離されている。なお、ここで「素子」とは、トランジスタ及びダイオード等の能動素子や、キャパシタ及び抵抗体等の非能動素子などをいう。
【0036】
上記熱酸化膜40は、図2(b)に例示するように、素子形成領域を分割するように形成されている。ちなみに、図1(b)に示すA−A断面が図1(a)である。
【0037】
ここで、ホウ素は、単結晶シリコン層30に固溶することで陰イオンとなる。一方、半導体装置の製造時に汚染となる重金属等の不純物は、陽イオンとなりやすい。ところで、一般に重金属等の不純物は、半導体層における拡散速度が著しく大きいため、熱処理を伴う半導体装置の製造時に、半導体層中を移動して拡散領域31に容易に移動する。このため、半導体装置の製造時には、拡散領域31において陰イオンとなるホウ素と陽イオンとなる不純物とが弱い結合状態となる。
【0038】
一方、単結晶シリコン層30のうち、熱酸化膜40と接する部分の近傍の領域には、その結晶格子に歪みが生じている。これは、単結晶シリコン層30を熱酸化することで熱酸化膜40を形成する際には体積が約「2倍」に膨張し、熱酸化される部位と熱酸化されない部位との境界付近では体積膨張が不均一となるためである。
【0039】
そして、本実施形態では、半導体装置の製造時に、上記拡散領域31の陰イオンと弱い結合状態となった重金属等の不純物を、上記拡散領域31のうち熱酸化膜40と接する部分の近傍の領域(格子歪み部)によって固定する。
【0040】
また、この拡散領域31は、熱酸化膜40により素子形成領域と分離されているため、拡散領域31と素子形成領域との干渉を回避することができ、ひいては、半導体基板の性能を好適に確保することができるようになる。
【0041】
ここで、上記半導体基板の製造手順について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
この一連の工程においては、まず図2(a)に示す工程において、上記SOI構造を有する半導体ウエハの上面に、すなわち、上記単結晶シリコン層30の上面に熱酸化膜32を例えば膜厚「500Å」にて形成する。
【0042】
続く、図2(b)に示す工程では、熱酸化膜32上にフォトレジスト33を形成する。更に、リソグラフィ技術を用いて、上記フォトレジスト33のうち、素子形成領域に隣接した領域上を、詳しくは、上記拡散領域31とする領域に対応した領域上を開口させるようにパターニングする。そして、このパターニングのなされたフォトレジスト33をマスクとして、ホウ素をイオン注入する。このときのイオン注入条件は、例えば、「40keV」のエネルギで「1×1013cm−2」程度の濃度とする。これにより、単結晶シリコン層30には、ホウ素の注入された領域31′が形成されることとなる。
【0043】
次に、図2(c)に示す工程において、フォトレジスト33を除去した後、上記領域31′に熱処理を施すことで、上記拡散領域31を形成する。これは、例えば、窒素雰囲気中において、「1150℃」で「300分」の熱処理とすればよい。この熱処理は、活性化のために行うものであり、これにより、単結晶シリコン層30の結晶格子の一部が注入されたホウ素により置換される。換言すれば、単結晶シリコン層30にホウ素が固溶する。
【0044】
続く図3(a)〜図3(b)に示す工程では、LOCOS(local oxidation of silicon)法により、先の図1に示した熱酸化膜40を形成する。すなわち、まず図3(a)に示す工程において、上記熱酸化膜32上に、シリコン窒化膜(Si)34を堆積する。このときの堆積条件は、例えば、減圧化学気相成長法(LP−CVD法)を用いて「1500〜2000Å」の膜厚だけ堆積する条件とする。更に、先の図1に示した熱酸化膜40の少なくとも一部が拡散領域31にかかるように同熱酸化膜40を形成すべく、リソグラフィ技術を用いてシリコン窒化膜34をドライエッチングにてパターニングする。なお、この図3(a)に示す工程においては、上記シリコン窒化膜34のパターニング後、リソグラフィ技術にて用いたフォトレジストを除去する。
【0045】
次に、図3(b)に示す工程において、上記パターニングされたシリコン窒化膜34をマスクとして、熱処理をすることで上記熱酸化膜40を形成する。この熱処理条件は、例えば「1000℃」で「400〜500分」の熱処理を行うとの条件とすればよい。
【0046】
次に、図3(c)に示す工程において、例えばリン酸を用いてシリコン窒化膜34を除去する。そして、更に例えば希フッ酸を用いて熱酸化膜32を除去することで、先の図1に示した半導体基板を形成する。
【0047】
このように、本実施形態では、半導体装置の製造に際して、拡散領域31と該拡散領域31とその一部が接する熱酸化膜40とを形成するようにした。これにより、その後の製造工程において、単結晶シリコン層30を汚染する重金属等の不純物を、拡散領域31に適切に固定することができる。なお、不純物を固定するゲッタリング処理においては、不純物を拡散させるための熱処理が必要であるが、これは、製造工程が適宜の熱処理を有する場合には、これを用いることができる。しかし、不純物を拡散させるための熱処理が所望されるときに、製造工程中に適切な熱処理工程を有しない場合には、ゲッタリングのための熱処理を別途行うようにすればよい。
【0048】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ホウ素のドーピングされた拡散領域31を有するとともに、同拡散領域31と接するようにして熱酸化膜40を形成した。このため、半導体装置の製造時に、上記拡散領域31の陰イオンと結合状態となった重金属等の不純物を、上記拡散領域31のうち熱酸化膜40と接する部分の近傍の領域によって固定することができるようになる。
【0049】
(2)熱酸化膜40によって、素子形成領域と拡散領域31とを分離した。このため、拡散領域31と素子形成領域との干渉を回避することができ、ひいては、半導体基板の性能を好適に確保することができるようになる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる半導体基板及びその製造方法の第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0051】
上記第1の実施形態では、拡散領域31に接するようにしてLOCOS法により熱酸化膜40を形成することで、拡散領域31のうち熱酸化膜40と接する部分の近傍の領域をゲッタリングシンクとした。これに対し、本実施形態では、拡散領域内にSTI(shallow trench isolation)法により、素子分離溝を形成するとともに、この素子分離溝の内周面に熱酸化膜を形成する。そして、拡散領域のうち、熱酸化膜と接する部分の近傍の領域をゲッタリングシンクとする。
【0052】
図4に、本実施形態の半導体基板の構成を示す。なお、図4において、先の図1と同一の部材については、便宜上同一の符号を付した。
図4に示されるように、拡散領域31には、素子分離溝35が形成されている。そして、この素子分離溝35の内周面には熱酸化膜50が形成されている。この熱酸化膜50は、素子分離溝35の内周面の傷の修復や、同素子分離溝35のコーナ部を丸めること等を目的として行われるものである。更に、素子分離溝35には、例えばシリコン酸化膜からなる絶縁物51が充填されている。
【0053】
上記構成によれば、拡散領域31のうち、熱酸化膜50との接する部分の近傍の領域が格子歪み部となるため、本実施形態では、これをゲッタリングシンクとして機能させる。
【0054】
なお、本実施形態は、例えば先の図2に示した工程の後、通常のSTI技術によって素子分離溝35を形成するとともに、同素子分離溝35の内部に熱酸化膜50や絶縁物51を形成することで製造すればよい。
【0055】
また、この素子分離溝35を形成する工程は、例えば半導体基板の素子形成領域にSTIを用いてキャパシタを形成する工程等、ゲッタリング以外の目的を有する工程を流用することが望ましい。
【0056】
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記(1)の効果と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明にかかる半導体基板及びその製造方法の第3の実施形態について、上記第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0057】
本実施形態では、上記拡散領域と素子領域とを分離するように素子分離溝を形成する。図5に、本実施形態にかかる半導体基板の構成を示す。なお、同図5において、先の図4と同一の部材については、便宜上同一の符号を付した。
【0058】
図5に示されるように、拡散領域31は、素子分離溝35により素子形成領域と分離されている。そして、この拡散領域31は、素子分離溝35の内周面の熱酸化膜50と接するようにして形成されている。これにより、拡散領域31のうち、熱酸化膜50との接する部分の近傍の領域が格子歪み部となるため、本実施形態では、これをゲッタリングシンクとして機能させる。
【0059】
なお、本実施形態も、例えば先の図2に示した工程の後、通常のSTI技術によって素子分離溝35を形成するとともに、同素子分離溝35の内部に熱酸化膜50や絶縁物51を形成することで製造すればよい。
【0060】
また、この素子分離溝35を形成する工程は、例えば半導体基板の各素子形成領域間を互いに分離すべくSTIを用いて素子分離溝を形成する工程等、ゲッタリング以外の目的を有する工程を流用することが望ましい。
【0061】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)及び(2)の効果と同様の効果に加えて、更に以下の効果を得ることができる。
(3)素子分離溝35によって拡散領域31と素子形成領域とを分離することで、拡散領域31の配置を高精度に制御することができるようになる。
【0062】
(第4の実施形態)
次に、本発明にかかる半導体基板及びその製造方法の第4の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0063】
上記第1の実施形態では、拡散領域31に接するようにしてLOCOS法により熱酸化膜40を形成することで、拡散領域31のうち熱酸化膜40と接する部分の近傍の領域をゲッタリングシンクとした。これに対し、本実施形態では、拡散領域内の酸素析出欠陥をゲッタリングシンクとする。
【0064】
図6に、本実施形態にかかる半導体基板の構成を示す。なお、同図6において、先の図1と同一の部材については、便宜上同一の符号を付した。
同図6に示すように、拡散領域31は、SiO析出物60や積層欠陥61等、酸素の析出によって生じる微小欠陥を有する。そして、この微小欠陥がゲッタリングシンクとして機能する。
【0065】
なお、本実施形態は、例えば先の図2に示した工程の後、拡散領域31に酸素をイオン注入し、更にアニールを施すことで酸素析出欠陥を生じさせるようにして製造すればよい。
【0066】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(4)ホウ素のドーピングされた拡散領域31を有するとともに、同拡散領域31に酸素析出欠陥を付与した。このため、半導体装置の製造時に、上記拡散領域31の陰イオンと弱い結合状態となった重金属等の不純物を、酸素析出欠陥によって固定することができるようになる。
【0067】
(第5の実施形態)
次に、本発明にかかる半導体基板及びその製造方法の第5の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0068】
上記第1の実施形態では、拡散領域31に接するようにしてLOCOS法により熱酸化膜40を形成することで、拡散領域31のうち熱酸化膜40と接する部分の近傍の領域をゲッタリングシンクとした。これに対し、本実施形態では、拡散領域上に、自身の応力により拡散領域に格子歪みを生じさせる応力膜を形成する。
【0069】
図7に、本実施形態にかかる半導体基板の構成を示す。なお、同図7において、先の図1と同一の部材については、便宜上同一の符号を付した。
同図7に示すように、拡散領域31上には、シリコン酸化膜70、シリコン窒化膜71及び同シリコン窒化膜71を酸化することで得られるシリコン酸化膜72が順次形成されている。特にシリコン酸化膜72をシリコン窒化膜71を酸化することにより形成した積層膜は、膜応力が著しく大きいことが知られている。そして、この積層膜の下方の領域には、積層膜の歪みに起因して格子歪みが生じることとなる。本実施形態では、この下方の領域を、不純物を固定するゲッタリングシンクとして利用する。
【0070】
なお、本実施形態は、例えば先の図2に示した工程の後、拡散領域31上に、シリコン酸化膜70、シリコン窒化膜71及びシリコン酸化膜72を順次積層形成するようにして製造すればよい。
【0071】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(5)ホウ素のドーピングされた拡散領域31を有するとともに、同拡散領域31上に自身の応力により拡散領域31に格子歪みを生じさせる応力膜を形成した。このため、半導体装置の製造時に、上記拡散領域31の陰イオンと弱い結合状態となった重金属等の不純物を、拡散領域31のうち積層膜の下方の領域によって固定することができるようになる。
【0072】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第2、第4及び第5の実施形態において、拡散領域31と素子形成領域とを分離するようにLOCOS法による熱酸化膜やSTI法による素子分離溝を形成するようにしてもよい。
【0073】
・上記第1の実施形態において、熱酸化膜40の形成態様は、図1(b)に示したものに限らない。また、上記第1の実施形態において、熱酸化膜40が拡散領域31と素子形成領域とを分離するものでなくても、熱酸化膜40を拡散領域31と少なくとも一部で接するようにして形成ことで、拡散領域31にゲッタリングシンクを形成することはできる。
【0074】
・上記第1〜第3の実施形態において、熱酸化膜によって拡散領域に格子歪み部を形成することができるなら、必ずしも熱酸化膜を拡散領域に接するように形成しなくてもよく、拡散領域の近傍に形成すればよい。
【0075】
・拡散領域31を形成すべく、単結晶シリコン層30にホウ素をドーピングする手法としては、イオン注入法に限らない。
・拡散領域は、ホウ素がドーピングされたものに限らず、III族の元素であればよい。
【0076】
・上記第4の実施形態において、拡散領域内における酸素析出欠陥の形成方法としては、同実施形態で例示したものに限らない。
・上記第5の実施形態において、自身の応力により半導体基板の表面に格子歪みを生じさせる応力膜としては、同実施形態で例示したものに限らない。また、この応力膜は、拡散領域と少なくとも一部が接するようにして形成する等、拡散領域の近傍に形成すればよい。
【0077】
・拡散領域において不純物を固定するゲッタリングシンクとしては、上記各実施形態で例示した手法により形成するものに限らず、適宜の手段により拡散領域に欠陥を生じさせるなどして形成すればよい。
【0078】
・上記実施形態では、半導体ウエハのうち実際に製品となる半導体装置内にも上記拡散領域とゲッタリングシンクを形成することとしたが、半導体ウエハにおいて各半導体へと切断するカッティングエリアや、テスト用のチップ上のみにこれらを形成してもよい。
【0079】
・絶縁層上に素子の形成される半導体層が設けられる構造を有する半導体ウエハとしては、上記半導体層として単結晶シリコンを用いるものに限らない。
・その他、上記各実施形態で例示した製造工程は、拡散領域とゲッタリングシンクとを形成する範囲で適宜変更してよい。例えば、先の図2(a)に示したイオン注入量を「1×1015−2」以上とすることで、拡散領域にゲッタリングシンクとなる格子欠陥を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体基板の第1の実施形態の構成を示す図。
【図2】同実施形態の製造工程を示す断面図。
【図3】同実施形態の製造工程を示す断面図。
【図4】本発明にかかる半導体基板の第2の実施形態の構成を示す断面図。
【図5】本発明にかかる半導体基板の第3の実施形態の構成を示す断面図。
【図6】本発明にかかる半導体基板の第4の実施形態の構成を示す断面図。
【図7】本発明にかかる半導体基板の第5の実施形態の構成を示す断面図。
【符号の説明】
10…シリコン基板、20…シリコン酸化膜、30…単結晶シリコン層、31′…領域、31…拡散領域、32…熱酸化膜、33…フォトレジスト、34…シリコン窒化膜、35…素子分離溝、40,50…熱酸化膜、51…絶縁物、60…SiO析出物、61…積層欠陥、70…シリコン酸化膜、71…シリコン窒化膜、72…シリコン酸化膜。

Claims (12)

  1. 素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体基板において、
    前記半導体層のうち前記素子の形成されない領域にIII族の元素がドーピングされた拡散領域が形成されているとともに、該拡散領域に不純物を固定するゲッタリングシンクが形成されてなる
    ことを特徴とする半導体基板。
  2. 請求項1記載の半導体基板において、
    前記拡散領域の近傍に熱酸化膜が形成されており、且つ
    前記ゲッタリングシンクは、前記熱酸化膜による前記拡散領域の格子歪み部として形成されてなる
    ことを特徴とする半導体基板。
  3. 前記拡散領域は、前記熱酸化膜によって素子の形成される領域と分離されてなる
    請求項2記載の半導体基板。
  4. 前記ゲッタリングシンクは、前記拡散領域の酸素析出欠陥として形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体基板。
  5. 前記拡散領域の上面近傍には、自身の応力により前記半導体基板の表面に格子歪みを生じさせる応力膜が形成されており、
    且つ前記ゲッタリングシンクは、前記拡散領域のうち前記応力膜近傍の領域として形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体基板。
  6. 素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体基板において、
    前記半導体層には、III族の元素が注入された拡散領域が熱酸化膜により前記素子の形成される領域と分離されて形成されてなる
    ことを特徴とする半導体基板。
  7. 前記III族の元素がホウ素である
    請求項1〜6のいずれかに記載の半導体基板。
  8. 素子の形成される半導体層が絶縁層上に設けられる構造を有する半導体ウエハを用いて半導体基板を製造する方法において、
    前記半導体層のうち素子を形成する領域以外の領域へのIII族の元素のドーピングされた拡散領域の形成、及び前記拡散領域とする領域への不純物を固定するゲッタリングシンクの形成を行う
    ことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  9. 前記拡散領域は、前記III族の元素をドーピングする工程と該ドーピングした領域に熱処理を施す工程とによって形成されるものであって、且つ前記ゲッタリングシンクは、前記拡散領域の近傍に熱酸化膜を形成することによって生じる前記拡散領域の格子歪み部として形成されるものである
    請求項8記載の半導体基板の製造方法。
  10. 前記拡散領域は、前記III族の元素をドーピングする工程と該ドーピングした領域に熱処理を施す工程とによって形成されるものであって、且つ前記ゲッタリングシンクは、前記拡散領域に酸素を析出させる工程によって形成されるものである
    請求項8記載の半導体基板の製造方法。
  11. 前記拡散領域は、前記III族の元素をドーピングする工程と該ドーピングした領域に熱処理を施す工程とによって形成されるものであって、且つ前記ゲッタリングシンクは、自身の応力により前記半導体基板の表面に格子歪みを生じさせる応力膜を前記拡散領域の上面近傍に形成する工程によって形成されるものである
    請求項8記載の半導体基板の製造方法。
  12. 前記III族の元素としてホウ素を用いる
    請求項8〜11のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
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