JP2004294739A - 光学処理装置、基板固定装置および基板固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性ある基板であっても、反りやたわみを効果的に除去して該基板のどの場所に対してもおよそ均一な精度をもって露光や検査等の処理を行うことができる光学処理装置を提供すること。
【解決手段】光学処理装置は、基板に対して所定の処理を行う光学処理装置において、基板が載置される載置面、および該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段を備えるテーブルと、該テーブルの上部に配設され、基板において少なくとも該所定の処理が行われている領域がテーブルに密着するように、テーブルに向けてエアを吹き付けるエア吹き付け手段と、を有する構成にした。
【選択図】 図1
【解決手段】光学処理装置は、基板に対して所定の処理を行う光学処理装置において、基板が載置される載置面、および該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段を備えるテーブルと、該テーブルの上部に配設され、基板において少なくとも該所定の処理が行われている領域がテーブルに密着するように、テーブルに向けてエアを吹き付けるエア吹き付け手段と、を有する構成にした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板に対して所定の光学処理を施す光学処理装置、例えば基板の製造工程において所定の回路パタンを露光する露光装置や製造された基板に描かれた回路パタン等の外観を検査する外観検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、露光装置や外観検査装置等の光学処理装置において、露光等の処理時、基板はテーブル(基台)の載置面上に載置される。そして、テーブルと該テーブルの上方に配設される光学ブロックとを相対移動させることにより基板に対して露光等の所定の処理を行っている。該所定の処理を施される基板は、テーブルの載置面に設けられた多数の吸引口から吸引されることにより該載置面に吸着、保持される。
【0003】
比較的厚みのある板状の基板であれば、上記のような手法によって基板をテーブルの載置面に略密着させることができるため、該基板のどの場所に対してもおよそ均一な精度をもって露光や検査等の処理を行うことができる。
【0004】
ここで、近年、各種電子機器の小型化、薄型化に伴い、フレキシブル基板等のシート状基板が多く使用されるようになっている。このようなシート状基板は、柔軟性に富んでいることから、各光学処理装置の載置面に載置する際、たわみや反りが発生しやすい。たわみや反りが発生した状態で、露光等の処理を行うと、デフォーカス等が発生してしまい、精度の高い良好な処理を施すことができない。従って、上記のような手法をもってシート状基板を吸引したとしても、該基板を載置面に密着させる、換言すれば基板面と載置面を略平行な状態にすることが極めて困難である。従って、従来、人手を介して載置面に載置された基板のたわみや反りを取り除き、テープ等で固着した状態で、吸引による保持を行っていた。
【0005】
しかし、このような手法では極めて効率が悪く、また、たわみ等の除去時に基板面を無意識のうちに傷つけてしまうおそれもある。そのため、以下の特許文献1に例示するような装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−209192号公報
【0007】
特許文献1には、下枠(載置面)に置かれた基板を平面状の下面を有する上枠で押圧することにより、反り等を取り除いてから下枠に吸着させる構成が開示されている。
【0008】
特許文献1に開示する構成によれば、人手を介する従来の手法に比べ、効率よくたわみ等を除去することができる。しかしながら、該構成は実際に処理が行われる基板面に対して直接押圧することになるため、該基板面が傷ついたり、上枠に付着していたごみ等が該基板面に転移したりしてしまうといった問題があった。さらに、特許文献1に開示する構成は、露光等の処理中には押圧することができないため、処理の途中に反りやたわみが再度発生してしまうといった問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記の諸問題に鑑み、反りやたわみを効果的に除去して基板のどの場所に対してもおよそ均一な精度をもって露光や検査等の処理を行うことができる、特に柔軟性のある基板に好適な、光学処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う光学処理装置において、基板が載置される載置面、および該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段を備えるテーブルと、該テーブルの上部に配設され、基板において少なくとも該所定の処理が行われている領域がテーブルに密着するように、テーブルに向けてエアを吹き付けるエア吹き付け手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、エアによって基板をテーブルに付勢することにより、反りやたわみを除去することができる。従って、反りやたわみの発生しやすいシート状基板であっても、均一な精度で光学処理を施すことが可能になる。また、エアを使用することにより、基板固定の際に光学処理の対象となる基板表面を傷つけることもなくなる。さらに、エアを吹き付けることにより、基板表面に付着したごみ等も有効に除去し、高い精度での光学処理が保証される。
【0012】
上記エア吹き付け手段は、所定の処理を行うためにテーブル上部に配設される光学ブロックに一体形成されることが望ましい(請求項2)。また、上記光学処理装置は、光学ブロックとテーブルを、第一の順方向と第一の逆方向および各第一の方向と直交する第二の方向に相対的に移動させることにより、所定の処理を実行することができる(請求項3)。これにより、光学ブロックによって所定の処理を行うことができる領域よりも基板のサイズが大きい場合であっても、基板の略全域をもれなく光学処理することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明において、光学ブロックとテーブルが第一の順方向に相対移動する時を基準とすると、上記エア吹き付け手段は、順方向における前方から後方へ斜めにエアを吹き出す第一吹出部と、順方向における後方から前方へ斜めにエアを吹き出す第二吹出部と、光学ブロックとテーブルの相対移動方向、および光学ブロックとテーブルの相対位置に応じて各吹出部からのエア吹出タイミングを制御する制御部と、を有することができる(請求項4)。これにより、第一の順方向における前方から後方へ斜めに反った状態は第一の吹出部からのエアによって解消することができる。また、第一の順方向における後方から前方へ斜めに反った状態は第二の吹出部からのエアによって解消することができる。なお、基板のたわみは、いずれの吹出部からのエアであっても解消することができる。
【0014】
より詳しくは、上記制御部は、光学ブロックとテーブルが第一の順方向に相対移動する場合、光学ブロックが基板外の走査開始位置から基板内において設定される第二の方向に延出する第一の境界線を越えるまでは第一吹出部がエアを吹き出し、光学ブロックが第一の境界線を通過して基板外の走査終了位置に移動するまでは第二吹出部がエアを吹き出すようにエア吹き出しタイミングを制御することが望ましい(請求項5)。ここで、上記第一の境界線は、該第一の境界線を通った光学ブロックの第二吹出部から吹き出されるエアが、走査開始位置側に位置する基板端部と載置面との隙間に入らないような位置に設定される(請求項6)。
【0015】
また、上記制御部は、光学ブロックとテーブルが第一の逆方向に相対移動する場合、光学ブロックが基板外の走査開始位置から基板内において設定される第二の方向に延出する第二の境界線を超えるまでは第二吹出部がエアを吹き出し、光学ブロックが第二の境界線を通過して基板外の走査終了位置に移動するまでは第一吹出部がエアを吹き出すようにエア吹き出しタイミングを制御することが望ましい(請求項7)。ここで、第二の境界線は、該第二の境界線を通った光学ブロックの第一吹出部から吹き出されるエアが、走査開始位置側に位置する基板端部と載置面との隙間に入らないような位置に設定される(請求項8)。
【0016】
上記の各境界線は、装置外部から入力される、もしくは装置内部の記憶部に記憶されている所定の基板情報のうち、基板のサイズに関する情報に基づいて設定される(請求項9)。
【0017】
また、請求項10に記載の発明によれば、第一の境界線と第二の境界線を同一に設定することも可能である。例えば、光学処理の対象となる基板の中心を通る仮想線を第一及び第二の境界線とすることができる(請求項11)。
【0018】
本発明に係る光学処理装置としては、基板の外観を検査するためのいわゆる外観検査装置や基板に所定のパタンを露光するためのいわゆる露光装置等が好適である。
【0019】
別の観点から、本発明は、基板が載置される載置面と、該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段と、を備えるテーブルと、テーブルの上部に配設され、該テーブルに向けてエアを吹き出すことにより、基板を載置面に密着させるエア付勢手段と、を有することを特徴とする基板固定装置と捉えることもできる(請求項15)。
【0020】
また、請求項16に記載の基板固定方法は、テーブルの載置面上方から該載置面に載置された基板に向けてエアを吹き付けるエア吹き付け工程を含む。請求項16に記載の基板固定方法は、エアを使用して基板を載置面に密着固定させることにより、該載置面に載置された基板に所定の処理を行う光学処理装置に好適な基板固定方法といえる。
【0021】
該基板固定方法は、さらに載置面下方から基板を吸引する吸引工程を追加することが可能である(請求項17)。これにより、載置面(テーブル)の下方および上方の双方から固定する作用が及ぶため、反りやたわみをより効果的に除去することができる。
【0022】
例えば、上記光学処理装置が、テーブルおよび該テーブルの上方に配設された光学ブロックを、第一の方向および該第一の方向と直交する第二の方向に相対的に移動させることにより、テーブルの載置面に載置された基板に対して所定の処理を実行する装置である場合、エア吹き付け工程は、第一の方向に相対移動する場合を基準として、進行方向前方から後方へ斜めにエアを吹き付けることにより、該進行方向前方から後方へ発生した反りを除去し、該進行方向後方から前方へ斜めにエアを吹き付けることにより、進行方向後方から前方へ発生した反りを除去する(請求項18)。ここで、エアを吹き付ける方向は、第一の方向に相対移動する過程で、所定のタイミングをもって切り替えるとよい(請求項19)。該所定のタイミングは、光学処理の対象となる基板の情報、例えば該基板の第一の方向におけるサイズ情報等に基づいて予め設定することができる(請求項20)。
【0023】
また別の観点から、請求項21に記載の基板固定方法は、テーブルおよび該テーブルの上方に配設された光学ブロックを、第一の方向および該第一の方向と直交する第二の方向に相対移動させることにより、テーブルの載置面に載置された基板に対して所定の処理を実行する光学処理装置における基板固定方法であって、基板をテーブルの載置面上における所定位置に保持する第一の工程と、第一の方向への相対移動に伴い、該相対移動方向の前方から後方に向けて、テーブルの上方から基板に斜めにエアを吹き付ける第二の工程と、所定量だけ相対移動が行われると、相対移動方向の前方から後方に向けたエアの吹き付けを終了する第三の工程と、第三の工程後相対移動が終了するまで、相対移動方向の後方から前方に向けて、テーブルの上方から基板に斜めにエアを吹き付ける第四の工程と、を含む。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の、基板Bの外観検査装置100の概略構成図である。また図2は、外観検査装置100における基板Bの固定に関する構成を示すブロック図である。図1に示すように、外観検査装置100は、テーブル10、光学ブロック30、画像処理部50、プロセッサ70を有する。
【0025】
テーブル10は、検査対象である基板Bが載置される載置面10aを有する。図1では、載置面10aは、X−Y平面として設定される。基板Bは、図示しない搬送手段によって外観検査装置100に搬送され、載置面10aに載置される。載置面10aに載置された基板Bは、制御部1の制御の下、所定位置に位置決めされる。
【0026】
載置面10aには無数の貫通孔11、11、…が配設されている。テーブル10内部において、各貫通孔11は、空洞部12に繋がっている。空洞部12は、エアポンプ13に連結している。制御部1は、基板Bに対する位置決め処理が完了すると、吸引用ドライバ7を介してエアポンプ13を駆動させる。エアポンプ13は、空洞部12を介して各貫通孔11からエアを吸引する。これにより、基板Bが載置面10aに密着、保持される。
【0027】
光学ブロック30は、テーブル30の上方、つまり図1中X−Y平面に直交するZ方向に配設されている。光学ブロック30は、撮像部32を有する。外観検査装置100は、テーブル10と光学ブロック30を第一の方向に相対移動(走査)させるとともに、一回の走査ごとに両者を第一の方向と直交する第二の方向に相対移動させる。これにより、基板Bの大きさの如何を問わず、基板B表面の略全域を撮像可能にしている。図2に示すようにテーブル10はX方向駆動部2、Y方向駆動部3によって可動状態にある。なお、本実施形態の外観検査装置100において、光学ブロック30は固定されている。つまり本実施形態では、テーブル10のみがX方向やY方向に水平移動することにより、上記走査が実行される。
【0028】
なお、以下の本文および各図において、便宜上、上記第一の方向はX方向、第二の方向はY方向と設定する。X方向は、図1中向かって、右側から左側に向かう方向をXの順方向とし、X(+)方向と表す。また、図1中向かって、左側から右側に向かう方向をXの逆方向とし、X(−)方向と表す。
【0029】
撮像部32により撮像された基板Bの画像は、画像処理部50により二値化処理等がなされる。そして、プロセッサ70によって基板Bの良否判定等が実行される。
【0030】
ここで、検査対象となる基板Bが、例えば柔軟性に富んだシート状基板等である場合、図1に示すように端部が反った状態で載置面10aに載置されることがある。このような場合、上記エアポンプ13を利用した手法では、反った端部を吸引し載置面10aに密着、保持させることはできない。そこで、本実施形態では、以下に詳述するように、テーブル100上方から基板Bにエアを吹き付けることにより、該基板Bを載置面10aに付勢、固定している。
【0031】
図1に示すように、光学ブロック30はテーブル10に向かってエアを吹き出す第一、および第二エア吹出部31a、31bを有する。なお、各エア吹出部31a、31bは、光学ブロック30において、撮像部32の撮像範囲および光源(不図示)から照射される光束の光路の妨げとならない位置に配設されている。図2に示すように、各エア吹出部31a、31bは、第一または第二エア供給部5、6に接続されている。各エア供給部5、6は、制御部1からの制御信号に基づいて、各エア吹出部31a、31bにエアを供給する。各エア吹出部31a、31bはZ方向に対して所定角度傾いた状態で光学ブロック30に配設される。詳しくは、X(+)向に走査が行われる(つまり、テーブル10がX(−)方向に水平移動する)時を基準とすると、第一エア吹出部31aは、走査方向前方から後方に向けてエアを吹き出すように傾けられている。同様に、Xの順方向に走査が行われる時を基準とすると、第二エア吹出部31bは、走査方向後方から前方に向けてエアを吹き出すように傾けられている。換言すれば、X(−)方向に走査する時を基準とすると、第一エア吹出部31aは後方から前方へ、第二エア吹出部31bは前方から後方へ、それぞれエアを吹き出すように傾けて配設される。
【0032】
図3は、X(+)向に走査が行われる場合におけるエアを用いた基板の反りの除去に関する説明図である。図3に示す基板Bは、走査開始直後に通過する端部BRと走査終了直前に通過する端部BLを有する。端部BRは、走査方向前方から後方にかけて反りが発生している。端部BLは、走査方向後方から前方にかけてそりが発生している。
【0033】
図3(A)に示すように、走査を開始するにあたり、制御部1は、光学ブロック30がテーブル10に対して所定の走査開始位置に位置するようにX方向駆動部2およびY方向駆動部3を介してテーブル10を移動させる。そして、制御部1は、X方向駆動部2を介してテーブル10をX(−)方向に水平移動させると同時に、第一エア供給部5を駆動制御することにより第一エア吹出部31aからエアをテーブル10に吹き付ける。
【0034】
第一エア吹出部31aは、上記の通り、走査方向前方から後方に向けてエアを吹き出す。従って、図3(B)に示すように、端部BRに発生している反りは該エアの吹き付けによって除去される。そして端部BRは、該エアによって付勢されて、載置面に密着する。つまり、撮像部32は、反りが除去され、載置面10aと略平行な状態にある端部BRをデフォーカス等することなく良好な状態で撮像する。
【0035】
第一エア吹出部31aによるエアの吹き付けは、該吹出部31aの吹出方向が原因となって、走査方向後方から前方にかけて発生している反りを除去する効果に乏しい。そのため、制御部1は、第一エア吹出部31aによる端部BRの反り除去後、または撮像部32による端部BRの撮像後、所定のタイミングでエアを吹き出す吹出部を第一エア吹出部31aから第二エア吹出部31bに切り替える。
【0036】
詳しくは、制御部1は、第二エア吹出部31bからのエアが端部BRと載置面10aとの間隙に入り込んで、反りを助長するおそれがない位置までテーブル10が移動したと判断すると、第一エア吹出部31aからのエア吹出を終了させるとともに、第二エア吹出部31bからのエア吹出を開始させる。そのため、制御部1は、予め、基板B内において、エアを吹き出す吹出部を切り替える基準となる仮想の境界線を設定しておく。境界線は、X(+)方向に走査するときの第一の境界線C1と、X(−)方向に走査するときの第二の境界線C2との二本設定される。具体的には、制御部1は、入力部8によって入力された基板Bのサイズに関する情報や、検査対象となる基板Bが持つ反りの個体差に基づいて生成される補正情報等に基づいて、各境界線C1、C2を設定する。なお、設定する境界線C1、C2は、検査対象となる基板ごとに設定しなおしても良いし、ロットごとに設定しても良い。
【0037】
図3(B)、図3(C)中、設定された第一の境界線C1を一点鎖線で示す。制御部1は、駆動量検出部4から送信されるパルスをカウントすることによりX方向駆動部2の駆動量を検知している。そして、該カウントの値が走査開始位置から第一の境界線C1までの距離に対応する値を超えたと判断すると、第一エア吹出部31aからのエア吹出を終了させるとともに、第二エア吹出部31bからのエア吹出を開始させる(図3(C))。
【0038】
図3(D)、図3(E)に示すように第二エア吹出部31bから吹き出されるエアは、端部BLで発生する反りを除去する。これにより、撮像部32は、反りが除去され、載置面10aと略平行な状態にある端部BLをデフォーカス等することなく良好な状態で撮像する。
【0039】
端部BLの撮像を終了後も、制御部1は、テーブル10をX(−)方向に移動させる。そして、制御部1は、駆動量検出部4から送信されるパルスに基づき、テーブル10における所定の走査終了位置に光学ブロックが位置したと判断すると、テーブルのX(−)方向への移動を終了させる。次いで、制御部1は、Y方向駆動部3を介してテーブル10をY方向に所定量移動させる。
【0040】
制御部1は、テーブル10のY方向への移動が完了すると、次いでX(−)方向への走査を開始する。つまり、制御部1は、テーブル10をX(+)方向に移動させる。
【0041】
図4(A)〜(E)は、X(−)方向走査時(つまり、テーブル10がX(+)方向に水平移動する)における、各エア吹出部31a、31bからのエアを用いた反りの除去に関する説明図である。X(−)方向走査時における反りの除去は、上述したX(+)方向走査時の反り除去と略同様に説明される。すなわち、X(+)方向走査時における走査終了位置が走査開始位置となる(図4(A))。そして、走査開始直後は、第二エア吹出部31bからエアを用いた付勢によって端部BLの反りが除去される(図4(B))。端部BLの反り除去後、テーブル10の駆動量が走査開始位置から第二の境界線C2までの距離を超えると、第二エア吹出部31bからのエア吹出を終了するとともに第一エア吹出部31aからのエア吹出を開始する(図4(C))。第一エア吹出部31aから吹き出されるエアによって端部BRの反りが除去される(図4(D))。端部BRの反りを除去し、該端部BRの撮像が終了した後、テーブル10は光学ブロック30が所定の走査終了位置に位置するまでX(+)方向に移動する。
【0042】
図5は、テーブル10を基準としたときのテーブル10と光学ブロック30の相対移動の様子を示す図である。図中の矢印線は光学ブロック30の走査の流れを示している。白抜きの矢印線は、第一エア吹出部31aがエアを吹き出した状態での走査を示し、黒い矢印線は、第二エア吹出部31bがエアを吹き出した状態での走査を示す。また、点線で示す部分は、Y方向への移動を示す。図3、図4に図示した反り除去を伴う走査を繰り返すことにより、図5に示すように基板Bの反りを除去しつつ、基板Bの表面の略全域に関する検査を高い精度をもって実行することができる。
【0043】
なお、上記説明では、基板Bのたわみについては特に言及していない。一般にたわみは基板の端部以外で起こる現象である。上記のように、本実施形態の外観検査装置100では、走査中は必ず第一、または第二のいずれか一方のエア吹出部31a、31bからエアが吹き出される構成になっている。従って、たとえ基板Bの端部以外の場所にたわみがあったとしても、各吹出部31a、31bからのエアによって、たわみも除去される。つまり本実施形態によれば、撮像部32によって撮像される基板の表面は、常にたわみや反りのない載置面と平行な状態になっている。
【0044】
外観検査装置100で行われる上記の一連の処理に関するフローチャートを図6に示す。装置100の電源がONされる等を契機として基板の検査工程が開始すると、制御部1は、入力部8を介して入力される基板のCADデータに基づいて各種パラメータを設定する(S1)。ここで、設定されるパラメータとしては、走査ごとのテーブル10のX方向の駆動量PXと、基板全域を走査するために必要なテーブル10のY方向の駆動量PYと、X(+)方向走査時に境界線C1を通過するために必要なテーブル10の駆動量PC1と、X(−)方向走査時に境界線C2を通過するために必要なテーブル10の駆動量PC2と、がある。
【0045】
制御部1は、パラメータの設定(S1)後、検査対象となる基板Bが前工程から搬送されてテーブル10上に載置されたことを検出する(S3)。次いで、制御部1は、テーブル10上にある基板Bが所定位置に位置するように位置決め処理を行う(S5)。
【0046】
S5において、基板Bの位置が確定したと判断する(S5;YES)と、制御部1は、吸引用ドライバ7を介してエアポンプ13を駆動制御し、基板Bが吸引され載置面10aに保持されるようにする。次いで制御部1は、走査開始位置調整を行う(S7)。具体的には、制御部1は、光学ブロック30がテーブル10に対して走査開始位置に位置するまでテーブル10を移動させる。光学ブロック30が走査開始位置に位置すると、制御部1は、テーブル10のX方向の駆動量xとY方向の駆動量yをリセットする。
【0047】
S7が終了すると、制御部1は、検査を開始する。まず、制御部1は基板B上をX(+)方向に走査する。そのため制御部1は、X方向駆動部2を介して、テーブル10をX(−)方向に駆動させる(S9)。そして制御部1は、テーブル駆動させると略同時に第一エア供給部5を介して第一エア吹出部31aからのエア吹出を開始させる(S11)。
【0048】
X(+)方向への走査中、制御部1は、駆動量検出部4から送信されるパルスをカウントすることによりテーブル10のX方向の駆動量xを検知している。そして、X方向の駆動量xが駆動量PC1以上になったと判断する(S13;YES)と、第一エア吹出部31aからのエア吹出を終了させる(S15)とともに、第二エア吹出部31bからのエア吹出を開始させる(S17)。
【0049】
S17の処理後も、制御部1はテーブル10のX方向の駆動量xを検知している(S19)。そして、該駆動量xが駆動量PX以上になったと判断する(S19;YES)と、テーブル10のX(−)方向の移動を終了させる(S21)。これにより、一回目のX(+)方向の走査が終了する。
【0050】
次いで制御部1は、テーブル10のY方向の駆動量yが駆動量PYよりも小さい、つまり基板Bにおいて走査されていない領域があるかどうかを判断する(S23)。制御部1は、まだ一回目のX(+)方向の走査が終了しただけであるため、S23でYESと判断し、テーブル10をY(−)方向に所定量移動させる(S25)。ここで、所定量は、前回の走査によって撮像された領域と次回走査することにより撮像される領域間に撮像されない領域が生じないような量に設定される。本実施形態では、撮像部32のY方向における撮像幅と略同一の量を所定量として設定している。
【0051】
なお、本実施形態では、制御部1の制御を簡素化するために、テーブル10のY方向移動中も前回のX方向の走査終了時においてエアを吹き出していたエア吹出部(ここでは第二エア吹出部31b)からのエア吹出を継続させている。
【0052】
制御部1は、X方向の駆動量xをリセットした(S27)後、X(−)方向の走査を開始する。つまり、制御部1は、テーブル10をX(+)方向に移動させる(S29)。そして、上記S13と同様に、X方向の駆動量xが駆動量PC2以上になったかどうかを判断する(S31)。S31で駆動量xが駆動量PC2以上になったと判断する(S31;YES)と、制御部1は、第二エア吹出部31bからのエア吹出を終了させる(S33)。そして、第一エア吹出部31aからのエア吹出を開始させる(S35)。
【0053】
次いで、制御部1は、X(−)方向の走査中もS19と同様に、駆動量xが駆動量PX以上になった時点でテーブル10のX(+)方向の移動を終了させる(S37;YES、S39)。これにより、X(−)方向の走査が終了する。
【0054】
制御部1は、X(−)方向の走査が終了すると、S23〜S27と同一の処理を行う。そして、S9からの処理を繰り返す。S23、S41において、駆動量yが駆動量PYを超えると、制御部1は、基板Bの略全域に対する走査が終了したと判断する(S23;NO、S41;NO)。そして、現在行われているエア吹出を終了させ(S47、S49)、基板Bに対する検査工程を終了する。
【0055】
以上が本発明の実施形態である。本発明に係る光学処理装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に述べるような変形を行っても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
上記実施形態では、テーブル10に備えられた基板保持手段として、エアポンプ13を利用して吸着する構成を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では図示していない位置決め手段と兼用される機械的な部材を用いてテーブル10に基板Bを保持する構成を用いることもできる。
【0057】
また、本発明に係る光学処理装置は、テーブル10に載置された基板Bに対して所定の光学処理を施す装置であれば、上記の基板の外観検査装置以外の装置であってもよい。例えば、ポリゴンミラー等を用いて光を走査し、基板上に所定の回路パタンを露光する露光装置であってもよい。露光装置の場合、光学ブロック30には、撮像部32ではなく該ポリゴンミラー等の走査光学系が搭載される。
【0058】
上記の実施形態では、各エア吹出部31a、31bにおける吹出口については特に特定していない。つまり、吹出口はどのような形状であってもよく、搭載される光学処理装置の性能や処理対象となる基板の状態等に鑑みて任意の形状を採用することができる。例えば、管状の先端のような円形状の吹出口は、該吹出口から吹き出されるエアの付勢力が高まるため、反りが激しい基板に好適である。また、Y方向に延出する矩形状の吹出口は、該吹出口から吹き出されるエアの付勢領域が広くなるため、反りが広範囲にわたっている基板に好適である。
【0059】
また、上記実施形態では、X(+)方向とX(−)方向との走査に対応した二つの境界線C1、C2を設定している。ここで、各境界線C1、C2は同一であっても良い。例えば、基板BのX方向の長さが十分に長い、換言すればX方向の走査幅が十分に長いのであれば、該基板Bの中心を通りY方向に延出する線をX(+)方向とX(−)方向の各走査に共通な境界線に設定することもできる。このように境界線を共通の仕様とすることにより、制御部1にかかる負担を軽減し、処理速度を向上させることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る光学処理装置によれば、テーブル上方から該テーブルに載置された基板に向けてエアを吹き付けることにより、該基板が持つ反りやたわみを効果的に除去して該基板のどの場所に対してもおよそ均一な精度をもって露光や検査等の光学処理を行うことができる。
【0061】
また、基板の表面にエアを吹き付けることにより、基板の反り等を除去する構成をとることにより、無用に光学処理の対象となる基板表面に人の手や他の部材が接触することがなくなり、該基板表面を保護しつつ精度の高い光学処理を実現することができる。また、エアの吹き付けにより、該基板表面に付着したごみ等を除去する効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の外観検査装置の概略構成図である。
【図2】実施形態の外観検査装置における基板の固定に関する構成を示すブロック図である。
【図3】第一の順方向に走査が行われる場合の基板の反りの除去についての説明図である。
【図4】第一の逆方向に走査が行われる場合の基板の反りの除去についての説明図である。
【図5】実施形態のテーブルを基準としたときのテーブルと光学ブロックの相対移動の様子を示す図である。
【図6】実施形態の基板固定に関する処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御部
2 X方向駆動部
3 Y方向駆動部
5、6 エア供給部
10 テーブル
30 光学ブロック
100 外観検査装置
31a、31b エア吹出部
B 基板
C1、C2 境界線
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板に対して所定の光学処理を施す光学処理装置、例えば基板の製造工程において所定の回路パタンを露光する露光装置や製造された基板に描かれた回路パタン等の外観を検査する外観検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、露光装置や外観検査装置等の光学処理装置において、露光等の処理時、基板はテーブル(基台)の載置面上に載置される。そして、テーブルと該テーブルの上方に配設される光学ブロックとを相対移動させることにより基板に対して露光等の所定の処理を行っている。該所定の処理を施される基板は、テーブルの載置面に設けられた多数の吸引口から吸引されることにより該載置面に吸着、保持される。
【0003】
比較的厚みのある板状の基板であれば、上記のような手法によって基板をテーブルの載置面に略密着させることができるため、該基板のどの場所に対してもおよそ均一な精度をもって露光や検査等の処理を行うことができる。
【0004】
ここで、近年、各種電子機器の小型化、薄型化に伴い、フレキシブル基板等のシート状基板が多く使用されるようになっている。このようなシート状基板は、柔軟性に富んでいることから、各光学処理装置の載置面に載置する際、たわみや反りが発生しやすい。たわみや反りが発生した状態で、露光等の処理を行うと、デフォーカス等が発生してしまい、精度の高い良好な処理を施すことができない。従って、上記のような手法をもってシート状基板を吸引したとしても、該基板を載置面に密着させる、換言すれば基板面と載置面を略平行な状態にすることが極めて困難である。従って、従来、人手を介して載置面に載置された基板のたわみや反りを取り除き、テープ等で固着した状態で、吸引による保持を行っていた。
【0005】
しかし、このような手法では極めて効率が悪く、また、たわみ等の除去時に基板面を無意識のうちに傷つけてしまうおそれもある。そのため、以下の特許文献1に例示するような装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−209192号公報
【0007】
特許文献1には、下枠(載置面)に置かれた基板を平面状の下面を有する上枠で押圧することにより、反り等を取り除いてから下枠に吸着させる構成が開示されている。
【0008】
特許文献1に開示する構成によれば、人手を介する従来の手法に比べ、効率よくたわみ等を除去することができる。しかしながら、該構成は実際に処理が行われる基板面に対して直接押圧することになるため、該基板面が傷ついたり、上枠に付着していたごみ等が該基板面に転移したりしてしまうといった問題があった。さらに、特許文献1に開示する構成は、露光等の処理中には押圧することができないため、処理の途中に反りやたわみが再度発生してしまうといった問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記の諸問題に鑑み、反りやたわみを効果的に除去して基板のどの場所に対してもおよそ均一な精度をもって露光や検査等の処理を行うことができる、特に柔軟性のある基板に好適な、光学処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う光学処理装置において、基板が載置される載置面、および該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段を備えるテーブルと、該テーブルの上部に配設され、基板において少なくとも該所定の処理が行われている領域がテーブルに密着するように、テーブルに向けてエアを吹き付けるエア吹き付け手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、エアによって基板をテーブルに付勢することにより、反りやたわみを除去することができる。従って、反りやたわみの発生しやすいシート状基板であっても、均一な精度で光学処理を施すことが可能になる。また、エアを使用することにより、基板固定の際に光学処理の対象となる基板表面を傷つけることもなくなる。さらに、エアを吹き付けることにより、基板表面に付着したごみ等も有効に除去し、高い精度での光学処理が保証される。
【0012】
上記エア吹き付け手段は、所定の処理を行うためにテーブル上部に配設される光学ブロックに一体形成されることが望ましい(請求項2)。また、上記光学処理装置は、光学ブロックとテーブルを、第一の順方向と第一の逆方向および各第一の方向と直交する第二の方向に相対的に移動させることにより、所定の処理を実行することができる(請求項3)。これにより、光学ブロックによって所定の処理を行うことができる領域よりも基板のサイズが大きい場合であっても、基板の略全域をもれなく光学処理することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明において、光学ブロックとテーブルが第一の順方向に相対移動する時を基準とすると、上記エア吹き付け手段は、順方向における前方から後方へ斜めにエアを吹き出す第一吹出部と、順方向における後方から前方へ斜めにエアを吹き出す第二吹出部と、光学ブロックとテーブルの相対移動方向、および光学ブロックとテーブルの相対位置に応じて各吹出部からのエア吹出タイミングを制御する制御部と、を有することができる(請求項4)。これにより、第一の順方向における前方から後方へ斜めに反った状態は第一の吹出部からのエアによって解消することができる。また、第一の順方向における後方から前方へ斜めに反った状態は第二の吹出部からのエアによって解消することができる。なお、基板のたわみは、いずれの吹出部からのエアであっても解消することができる。
【0014】
より詳しくは、上記制御部は、光学ブロックとテーブルが第一の順方向に相対移動する場合、光学ブロックが基板外の走査開始位置から基板内において設定される第二の方向に延出する第一の境界線を越えるまでは第一吹出部がエアを吹き出し、光学ブロックが第一の境界線を通過して基板外の走査終了位置に移動するまでは第二吹出部がエアを吹き出すようにエア吹き出しタイミングを制御することが望ましい(請求項5)。ここで、上記第一の境界線は、該第一の境界線を通った光学ブロックの第二吹出部から吹き出されるエアが、走査開始位置側に位置する基板端部と載置面との隙間に入らないような位置に設定される(請求項6)。
【0015】
また、上記制御部は、光学ブロックとテーブルが第一の逆方向に相対移動する場合、光学ブロックが基板外の走査開始位置から基板内において設定される第二の方向に延出する第二の境界線を超えるまでは第二吹出部がエアを吹き出し、光学ブロックが第二の境界線を通過して基板外の走査終了位置に移動するまでは第一吹出部がエアを吹き出すようにエア吹き出しタイミングを制御することが望ましい(請求項7)。ここで、第二の境界線は、該第二の境界線を通った光学ブロックの第一吹出部から吹き出されるエアが、走査開始位置側に位置する基板端部と載置面との隙間に入らないような位置に設定される(請求項8)。
【0016】
上記の各境界線は、装置外部から入力される、もしくは装置内部の記憶部に記憶されている所定の基板情報のうち、基板のサイズに関する情報に基づいて設定される(請求項9)。
【0017】
また、請求項10に記載の発明によれば、第一の境界線と第二の境界線を同一に設定することも可能である。例えば、光学処理の対象となる基板の中心を通る仮想線を第一及び第二の境界線とすることができる(請求項11)。
【0018】
本発明に係る光学処理装置としては、基板の外観を検査するためのいわゆる外観検査装置や基板に所定のパタンを露光するためのいわゆる露光装置等が好適である。
【0019】
別の観点から、本発明は、基板が載置される載置面と、該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段と、を備えるテーブルと、テーブルの上部に配設され、該テーブルに向けてエアを吹き出すことにより、基板を載置面に密着させるエア付勢手段と、を有することを特徴とする基板固定装置と捉えることもできる(請求項15)。
【0020】
また、請求項16に記載の基板固定方法は、テーブルの載置面上方から該載置面に載置された基板に向けてエアを吹き付けるエア吹き付け工程を含む。請求項16に記載の基板固定方法は、エアを使用して基板を載置面に密着固定させることにより、該載置面に載置された基板に所定の処理を行う光学処理装置に好適な基板固定方法といえる。
【0021】
該基板固定方法は、さらに載置面下方から基板を吸引する吸引工程を追加することが可能である(請求項17)。これにより、載置面(テーブル)の下方および上方の双方から固定する作用が及ぶため、反りやたわみをより効果的に除去することができる。
【0022】
例えば、上記光学処理装置が、テーブルおよび該テーブルの上方に配設された光学ブロックを、第一の方向および該第一の方向と直交する第二の方向に相対的に移動させることにより、テーブルの載置面に載置された基板に対して所定の処理を実行する装置である場合、エア吹き付け工程は、第一の方向に相対移動する場合を基準として、進行方向前方から後方へ斜めにエアを吹き付けることにより、該進行方向前方から後方へ発生した反りを除去し、該進行方向後方から前方へ斜めにエアを吹き付けることにより、進行方向後方から前方へ発生した反りを除去する(請求項18)。ここで、エアを吹き付ける方向は、第一の方向に相対移動する過程で、所定のタイミングをもって切り替えるとよい(請求項19)。該所定のタイミングは、光学処理の対象となる基板の情報、例えば該基板の第一の方向におけるサイズ情報等に基づいて予め設定することができる(請求項20)。
【0023】
また別の観点から、請求項21に記載の基板固定方法は、テーブルおよび該テーブルの上方に配設された光学ブロックを、第一の方向および該第一の方向と直交する第二の方向に相対移動させることにより、テーブルの載置面に載置された基板に対して所定の処理を実行する光学処理装置における基板固定方法であって、基板をテーブルの載置面上における所定位置に保持する第一の工程と、第一の方向への相対移動に伴い、該相対移動方向の前方から後方に向けて、テーブルの上方から基板に斜めにエアを吹き付ける第二の工程と、所定量だけ相対移動が行われると、相対移動方向の前方から後方に向けたエアの吹き付けを終了する第三の工程と、第三の工程後相対移動が終了するまで、相対移動方向の後方から前方に向けて、テーブルの上方から基板に斜めにエアを吹き付ける第四の工程と、を含む。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の、基板Bの外観検査装置100の概略構成図である。また図2は、外観検査装置100における基板Bの固定に関する構成を示すブロック図である。図1に示すように、外観検査装置100は、テーブル10、光学ブロック30、画像処理部50、プロセッサ70を有する。
【0025】
テーブル10は、検査対象である基板Bが載置される載置面10aを有する。図1では、載置面10aは、X−Y平面として設定される。基板Bは、図示しない搬送手段によって外観検査装置100に搬送され、載置面10aに載置される。載置面10aに載置された基板Bは、制御部1の制御の下、所定位置に位置決めされる。
【0026】
載置面10aには無数の貫通孔11、11、…が配設されている。テーブル10内部において、各貫通孔11は、空洞部12に繋がっている。空洞部12は、エアポンプ13に連結している。制御部1は、基板Bに対する位置決め処理が完了すると、吸引用ドライバ7を介してエアポンプ13を駆動させる。エアポンプ13は、空洞部12を介して各貫通孔11からエアを吸引する。これにより、基板Bが載置面10aに密着、保持される。
【0027】
光学ブロック30は、テーブル30の上方、つまり図1中X−Y平面に直交するZ方向に配設されている。光学ブロック30は、撮像部32を有する。外観検査装置100は、テーブル10と光学ブロック30を第一の方向に相対移動(走査)させるとともに、一回の走査ごとに両者を第一の方向と直交する第二の方向に相対移動させる。これにより、基板Bの大きさの如何を問わず、基板B表面の略全域を撮像可能にしている。図2に示すようにテーブル10はX方向駆動部2、Y方向駆動部3によって可動状態にある。なお、本実施形態の外観検査装置100において、光学ブロック30は固定されている。つまり本実施形態では、テーブル10のみがX方向やY方向に水平移動することにより、上記走査が実行される。
【0028】
なお、以下の本文および各図において、便宜上、上記第一の方向はX方向、第二の方向はY方向と設定する。X方向は、図1中向かって、右側から左側に向かう方向をXの順方向とし、X(+)方向と表す。また、図1中向かって、左側から右側に向かう方向をXの逆方向とし、X(−)方向と表す。
【0029】
撮像部32により撮像された基板Bの画像は、画像処理部50により二値化処理等がなされる。そして、プロセッサ70によって基板Bの良否判定等が実行される。
【0030】
ここで、検査対象となる基板Bが、例えば柔軟性に富んだシート状基板等である場合、図1に示すように端部が反った状態で載置面10aに載置されることがある。このような場合、上記エアポンプ13を利用した手法では、反った端部を吸引し載置面10aに密着、保持させることはできない。そこで、本実施形態では、以下に詳述するように、テーブル100上方から基板Bにエアを吹き付けることにより、該基板Bを載置面10aに付勢、固定している。
【0031】
図1に示すように、光学ブロック30はテーブル10に向かってエアを吹き出す第一、および第二エア吹出部31a、31bを有する。なお、各エア吹出部31a、31bは、光学ブロック30において、撮像部32の撮像範囲および光源(不図示)から照射される光束の光路の妨げとならない位置に配設されている。図2に示すように、各エア吹出部31a、31bは、第一または第二エア供給部5、6に接続されている。各エア供給部5、6は、制御部1からの制御信号に基づいて、各エア吹出部31a、31bにエアを供給する。各エア吹出部31a、31bはZ方向に対して所定角度傾いた状態で光学ブロック30に配設される。詳しくは、X(+)向に走査が行われる(つまり、テーブル10がX(−)方向に水平移動する)時を基準とすると、第一エア吹出部31aは、走査方向前方から後方に向けてエアを吹き出すように傾けられている。同様に、Xの順方向に走査が行われる時を基準とすると、第二エア吹出部31bは、走査方向後方から前方に向けてエアを吹き出すように傾けられている。換言すれば、X(−)方向に走査する時を基準とすると、第一エア吹出部31aは後方から前方へ、第二エア吹出部31bは前方から後方へ、それぞれエアを吹き出すように傾けて配設される。
【0032】
図3は、X(+)向に走査が行われる場合におけるエアを用いた基板の反りの除去に関する説明図である。図3に示す基板Bは、走査開始直後に通過する端部BRと走査終了直前に通過する端部BLを有する。端部BRは、走査方向前方から後方にかけて反りが発生している。端部BLは、走査方向後方から前方にかけてそりが発生している。
【0033】
図3(A)に示すように、走査を開始するにあたり、制御部1は、光学ブロック30がテーブル10に対して所定の走査開始位置に位置するようにX方向駆動部2およびY方向駆動部3を介してテーブル10を移動させる。そして、制御部1は、X方向駆動部2を介してテーブル10をX(−)方向に水平移動させると同時に、第一エア供給部5を駆動制御することにより第一エア吹出部31aからエアをテーブル10に吹き付ける。
【0034】
第一エア吹出部31aは、上記の通り、走査方向前方から後方に向けてエアを吹き出す。従って、図3(B)に示すように、端部BRに発生している反りは該エアの吹き付けによって除去される。そして端部BRは、該エアによって付勢されて、載置面に密着する。つまり、撮像部32は、反りが除去され、載置面10aと略平行な状態にある端部BRをデフォーカス等することなく良好な状態で撮像する。
【0035】
第一エア吹出部31aによるエアの吹き付けは、該吹出部31aの吹出方向が原因となって、走査方向後方から前方にかけて発生している反りを除去する効果に乏しい。そのため、制御部1は、第一エア吹出部31aによる端部BRの反り除去後、または撮像部32による端部BRの撮像後、所定のタイミングでエアを吹き出す吹出部を第一エア吹出部31aから第二エア吹出部31bに切り替える。
【0036】
詳しくは、制御部1は、第二エア吹出部31bからのエアが端部BRと載置面10aとの間隙に入り込んで、反りを助長するおそれがない位置までテーブル10が移動したと判断すると、第一エア吹出部31aからのエア吹出を終了させるとともに、第二エア吹出部31bからのエア吹出を開始させる。そのため、制御部1は、予め、基板B内において、エアを吹き出す吹出部を切り替える基準となる仮想の境界線を設定しておく。境界線は、X(+)方向に走査するときの第一の境界線C1と、X(−)方向に走査するときの第二の境界線C2との二本設定される。具体的には、制御部1は、入力部8によって入力された基板Bのサイズに関する情報や、検査対象となる基板Bが持つ反りの個体差に基づいて生成される補正情報等に基づいて、各境界線C1、C2を設定する。なお、設定する境界線C1、C2は、検査対象となる基板ごとに設定しなおしても良いし、ロットごとに設定しても良い。
【0037】
図3(B)、図3(C)中、設定された第一の境界線C1を一点鎖線で示す。制御部1は、駆動量検出部4から送信されるパルスをカウントすることによりX方向駆動部2の駆動量を検知している。そして、該カウントの値が走査開始位置から第一の境界線C1までの距離に対応する値を超えたと判断すると、第一エア吹出部31aからのエア吹出を終了させるとともに、第二エア吹出部31bからのエア吹出を開始させる(図3(C))。
【0038】
図3(D)、図3(E)に示すように第二エア吹出部31bから吹き出されるエアは、端部BLで発生する反りを除去する。これにより、撮像部32は、反りが除去され、載置面10aと略平行な状態にある端部BLをデフォーカス等することなく良好な状態で撮像する。
【0039】
端部BLの撮像を終了後も、制御部1は、テーブル10をX(−)方向に移動させる。そして、制御部1は、駆動量検出部4から送信されるパルスに基づき、テーブル10における所定の走査終了位置に光学ブロックが位置したと判断すると、テーブルのX(−)方向への移動を終了させる。次いで、制御部1は、Y方向駆動部3を介してテーブル10をY方向に所定量移動させる。
【0040】
制御部1は、テーブル10のY方向への移動が完了すると、次いでX(−)方向への走査を開始する。つまり、制御部1は、テーブル10をX(+)方向に移動させる。
【0041】
図4(A)〜(E)は、X(−)方向走査時(つまり、テーブル10がX(+)方向に水平移動する)における、各エア吹出部31a、31bからのエアを用いた反りの除去に関する説明図である。X(−)方向走査時における反りの除去は、上述したX(+)方向走査時の反り除去と略同様に説明される。すなわち、X(+)方向走査時における走査終了位置が走査開始位置となる(図4(A))。そして、走査開始直後は、第二エア吹出部31bからエアを用いた付勢によって端部BLの反りが除去される(図4(B))。端部BLの反り除去後、テーブル10の駆動量が走査開始位置から第二の境界線C2までの距離を超えると、第二エア吹出部31bからのエア吹出を終了するとともに第一エア吹出部31aからのエア吹出を開始する(図4(C))。第一エア吹出部31aから吹き出されるエアによって端部BRの反りが除去される(図4(D))。端部BRの反りを除去し、該端部BRの撮像が終了した後、テーブル10は光学ブロック30が所定の走査終了位置に位置するまでX(+)方向に移動する。
【0042】
図5は、テーブル10を基準としたときのテーブル10と光学ブロック30の相対移動の様子を示す図である。図中の矢印線は光学ブロック30の走査の流れを示している。白抜きの矢印線は、第一エア吹出部31aがエアを吹き出した状態での走査を示し、黒い矢印線は、第二エア吹出部31bがエアを吹き出した状態での走査を示す。また、点線で示す部分は、Y方向への移動を示す。図3、図4に図示した反り除去を伴う走査を繰り返すことにより、図5に示すように基板Bの反りを除去しつつ、基板Bの表面の略全域に関する検査を高い精度をもって実行することができる。
【0043】
なお、上記説明では、基板Bのたわみについては特に言及していない。一般にたわみは基板の端部以外で起こる現象である。上記のように、本実施形態の外観検査装置100では、走査中は必ず第一、または第二のいずれか一方のエア吹出部31a、31bからエアが吹き出される構成になっている。従って、たとえ基板Bの端部以外の場所にたわみがあったとしても、各吹出部31a、31bからのエアによって、たわみも除去される。つまり本実施形態によれば、撮像部32によって撮像される基板の表面は、常にたわみや反りのない載置面と平行な状態になっている。
【0044】
外観検査装置100で行われる上記の一連の処理に関するフローチャートを図6に示す。装置100の電源がONされる等を契機として基板の検査工程が開始すると、制御部1は、入力部8を介して入力される基板のCADデータに基づいて各種パラメータを設定する(S1)。ここで、設定されるパラメータとしては、走査ごとのテーブル10のX方向の駆動量PXと、基板全域を走査するために必要なテーブル10のY方向の駆動量PYと、X(+)方向走査時に境界線C1を通過するために必要なテーブル10の駆動量PC1と、X(−)方向走査時に境界線C2を通過するために必要なテーブル10の駆動量PC2と、がある。
【0045】
制御部1は、パラメータの設定(S1)後、検査対象となる基板Bが前工程から搬送されてテーブル10上に載置されたことを検出する(S3)。次いで、制御部1は、テーブル10上にある基板Bが所定位置に位置するように位置決め処理を行う(S5)。
【0046】
S5において、基板Bの位置が確定したと判断する(S5;YES)と、制御部1は、吸引用ドライバ7を介してエアポンプ13を駆動制御し、基板Bが吸引され載置面10aに保持されるようにする。次いで制御部1は、走査開始位置調整を行う(S7)。具体的には、制御部1は、光学ブロック30がテーブル10に対して走査開始位置に位置するまでテーブル10を移動させる。光学ブロック30が走査開始位置に位置すると、制御部1は、テーブル10のX方向の駆動量xとY方向の駆動量yをリセットする。
【0047】
S7が終了すると、制御部1は、検査を開始する。まず、制御部1は基板B上をX(+)方向に走査する。そのため制御部1は、X方向駆動部2を介して、テーブル10をX(−)方向に駆動させる(S9)。そして制御部1は、テーブル駆動させると略同時に第一エア供給部5を介して第一エア吹出部31aからのエア吹出を開始させる(S11)。
【0048】
X(+)方向への走査中、制御部1は、駆動量検出部4から送信されるパルスをカウントすることによりテーブル10のX方向の駆動量xを検知している。そして、X方向の駆動量xが駆動量PC1以上になったと判断する(S13;YES)と、第一エア吹出部31aからのエア吹出を終了させる(S15)とともに、第二エア吹出部31bからのエア吹出を開始させる(S17)。
【0049】
S17の処理後も、制御部1はテーブル10のX方向の駆動量xを検知している(S19)。そして、該駆動量xが駆動量PX以上になったと判断する(S19;YES)と、テーブル10のX(−)方向の移動を終了させる(S21)。これにより、一回目のX(+)方向の走査が終了する。
【0050】
次いで制御部1は、テーブル10のY方向の駆動量yが駆動量PYよりも小さい、つまり基板Bにおいて走査されていない領域があるかどうかを判断する(S23)。制御部1は、まだ一回目のX(+)方向の走査が終了しただけであるため、S23でYESと判断し、テーブル10をY(−)方向に所定量移動させる(S25)。ここで、所定量は、前回の走査によって撮像された領域と次回走査することにより撮像される領域間に撮像されない領域が生じないような量に設定される。本実施形態では、撮像部32のY方向における撮像幅と略同一の量を所定量として設定している。
【0051】
なお、本実施形態では、制御部1の制御を簡素化するために、テーブル10のY方向移動中も前回のX方向の走査終了時においてエアを吹き出していたエア吹出部(ここでは第二エア吹出部31b)からのエア吹出を継続させている。
【0052】
制御部1は、X方向の駆動量xをリセットした(S27)後、X(−)方向の走査を開始する。つまり、制御部1は、テーブル10をX(+)方向に移動させる(S29)。そして、上記S13と同様に、X方向の駆動量xが駆動量PC2以上になったかどうかを判断する(S31)。S31で駆動量xが駆動量PC2以上になったと判断する(S31;YES)と、制御部1は、第二エア吹出部31bからのエア吹出を終了させる(S33)。そして、第一エア吹出部31aからのエア吹出を開始させる(S35)。
【0053】
次いで、制御部1は、X(−)方向の走査中もS19と同様に、駆動量xが駆動量PX以上になった時点でテーブル10のX(+)方向の移動を終了させる(S37;YES、S39)。これにより、X(−)方向の走査が終了する。
【0054】
制御部1は、X(−)方向の走査が終了すると、S23〜S27と同一の処理を行う。そして、S9からの処理を繰り返す。S23、S41において、駆動量yが駆動量PYを超えると、制御部1は、基板Bの略全域に対する走査が終了したと判断する(S23;NO、S41;NO)。そして、現在行われているエア吹出を終了させ(S47、S49)、基板Bに対する検査工程を終了する。
【0055】
以上が本発明の実施形態である。本発明に係る光学処理装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に述べるような変形を行っても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
上記実施形態では、テーブル10に備えられた基板保持手段として、エアポンプ13を利用して吸着する構成を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では図示していない位置決め手段と兼用される機械的な部材を用いてテーブル10に基板Bを保持する構成を用いることもできる。
【0057】
また、本発明に係る光学処理装置は、テーブル10に載置された基板Bに対して所定の光学処理を施す装置であれば、上記の基板の外観検査装置以外の装置であってもよい。例えば、ポリゴンミラー等を用いて光を走査し、基板上に所定の回路パタンを露光する露光装置であってもよい。露光装置の場合、光学ブロック30には、撮像部32ではなく該ポリゴンミラー等の走査光学系が搭載される。
【0058】
上記の実施形態では、各エア吹出部31a、31bにおける吹出口については特に特定していない。つまり、吹出口はどのような形状であってもよく、搭載される光学処理装置の性能や処理対象となる基板の状態等に鑑みて任意の形状を採用することができる。例えば、管状の先端のような円形状の吹出口は、該吹出口から吹き出されるエアの付勢力が高まるため、反りが激しい基板に好適である。また、Y方向に延出する矩形状の吹出口は、該吹出口から吹き出されるエアの付勢領域が広くなるため、反りが広範囲にわたっている基板に好適である。
【0059】
また、上記実施形態では、X(+)方向とX(−)方向との走査に対応した二つの境界線C1、C2を設定している。ここで、各境界線C1、C2は同一であっても良い。例えば、基板BのX方向の長さが十分に長い、換言すればX方向の走査幅が十分に長いのであれば、該基板Bの中心を通りY方向に延出する線をX(+)方向とX(−)方向の各走査に共通な境界線に設定することもできる。このように境界線を共通の仕様とすることにより、制御部1にかかる負担を軽減し、処理速度を向上させることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る光学処理装置によれば、テーブル上方から該テーブルに載置された基板に向けてエアを吹き付けることにより、該基板が持つ反りやたわみを効果的に除去して該基板のどの場所に対してもおよそ均一な精度をもって露光や検査等の光学処理を行うことができる。
【0061】
また、基板の表面にエアを吹き付けることにより、基板の反り等を除去する構成をとることにより、無用に光学処理の対象となる基板表面に人の手や他の部材が接触することがなくなり、該基板表面を保護しつつ精度の高い光学処理を実現することができる。また、エアの吹き付けにより、該基板表面に付着したごみ等を除去する効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の外観検査装置の概略構成図である。
【図2】実施形態の外観検査装置における基板の固定に関する構成を示すブロック図である。
【図3】第一の順方向に走査が行われる場合の基板の反りの除去についての説明図である。
【図4】第一の逆方向に走査が行われる場合の基板の反りの除去についての説明図である。
【図5】実施形態のテーブルを基準としたときのテーブルと光学ブロックの相対移動の様子を示す図である。
【図6】実施形態の基板固定に関する処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御部
2 X方向駆動部
3 Y方向駆動部
5、6 エア供給部
10 テーブル
30 光学ブロック
100 外観検査装置
31a、31b エア吹出部
B 基板
C1、C2 境界線
Claims (21)
- 基板に対して所定の処理を行う光学処理装置において、
前記基板が載置される載置面と、該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段と、を備えるテーブルと、
前記テーブルの上部に配設され、前記基板において少なくとも該所定の処理が行われている領域が前記テーブルに密着するように、前記テーブルに向けてエアを吹き付けるエア吹き付け手段と、を有することを特徴とする光学処理装置。 - 請求項1に記載の光学処理装置において、
前記エア吹き付け手段は、前記所定の処理を行うために前記テーブル上部に配設される光学ブロックに一体形成されることを特徴とする光学処理装置。 - 請求項2に記載の光学処理装置は、
前記光学ブロックと前記テーブルを、第一の順方向と第一の逆方向および各第一の方向と直交する第二の方向に相対的に移動させることにより、前記所定の処理を実行することを特徴とする光学処理装置。 - 請求項3に記載の光学処理装置において、前記光学ブロックと前記テーブルが前記第一の順方向に相対移動する時を基準とすると、前記エア吹き付け手段は、
前記順方向における前方から後方へ斜めにエアを吹き出す第一吹出部と、
前記順方向における後方から前方へ斜めにエアを吹き出す第二吹出部と、
前記光学ブロックと前記テーブルの相対移動方向、および前記光学ブロックと前記テーブルの相対位置に応じて各吹出部からのエア吹出タイミングを制御する制御部と、を有することを特徴とする光学処理装置。 - 請求項4に記載の光学処理装置において、前記制御部は、
前記光学ブロックと前記テーブルが前記第一の順方向に相対移動する場合、
前記光学ブロックが前記基板外の走査開始位置から前記基板内において設定される前記第二の方向に延出する第一の境界線を越えるまでは前記第一吹出部がエアを吹き出し、
前記光学ブロックが前記第一の境界線を通過して前記基板外の走査終了位置に移動するまでは前記第二吹出部がエアを吹き出すようにエア吹き出しタイミングを制御することを特徴とする光学処理装置。 - 請求項5に記載の光学処理装置において、
前記第一の境界線は、該第一の境界線を通った前記光学ブロックの前記第二吹出部から吹き出されるエアが、前記走査開始位置側に位置する基板端部と載置面との隙間に入らないような位置に設定されることを特徴とする光学処理装置。 - 請求項4から請求項6のいずれかに記載の光学処理装置において、前記制御部は、
前記光学ブロックと前記テーブルが前記第一の逆方向に相対移動する場合、
前記光学ブロックが前記基板外の走査開始位置から前記基板内において設定される前記第二の方向に延出する第二の境界線を超えるまでは前記第二吹出部がエアを吹き出し、
前記光学ブロックが前記第二の境界線を通過して前記基板外の走査終了位置に移動するまでは前記第一吹出部がエアを吹き出すようにエア吹き出しタイミングを制御することを特徴とする光学処理装置。 - 請求項7に記載の光学処理装置において、
前記第二の境界線は、該第二の境界線を通った前記光学ブロックの前記第一吹出部から吹き出されるエアが、前記走査開始位置側に位置する基板端部と載置面との隙間に入らないような位置に設定されることを特徴とする光学処理装置。 - 請求項5から請求項8のいずれかに記載の光学処理装置において、
前記制御部は、前記基板のサイズに関する情報に基づいて前記各境界線を設定することを特徴とする光学処理装置。 - 請求項7から請求項9のいずれかに記載の光学処理装置において、
前記第一の境界線と前記第二の境界線は同一であることを特徴とする光学処理装置。 - 請求項10に記載の光学処理装置において、
前記第一の境界線および前記第二の境界線は、前記基板の中心を通ることを特徴とする光学処理装置。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の光学処理装置において、
前記所定の処理は、前記基板の外観を検査する処理であることを特徴とする光学処理装置。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の光学処理装置において、
前記所定の処理は、前記基板に所定のパタンを露光する処理であることを特徴とする光学処理装置。 - 請求項1から請求項13のいずれかに記載の光学処理装置において、
前記保持手段は、前記載置面に設けられた多数の吸引孔から前記基板を吸引することにより該基板を前記載置面に保持することを特徴とする光学処理装置。 - 基板が載置される載置面と、該基板を該載置面における所定位置に保持する保持手段と、を備えるテーブルと、
前記テーブルの上部に配設され、前記テーブルに向けてエアを吹き出すことにより、前記基板を前記載置面に密着させるエア付勢手段と、を有することを特徴とする基板固定装置。 - テーブルの載置面に載置された基板に対して所定の処理を行う光学処理装置における基板固定方法において、
前記載置面上方から前記基板に向けてエアを吹き付けるエア吹き付け工程を含む基板固定方法。 - 請求項16に記載の基板固定方法において、
前記載置面下方から前記基板を吸引する吸引工程をさらに含む基板固定方法。 - 請求項16または請求項17に記載の基板固定方法において、
前記光学処理装置は、前記テーブルおよび該テーブルの上方に配設された光学ブロックを、第一の方向および該第一の方向と直交する第二の方向に相対的に移動させることにより、テーブルの載置面に載置された基板に対して所定の処理を実行する装置であって、
前記エア吹き付け工程は、前記第一の方向に相対移動する場合を基準として、進行方向前方から後方へ斜めにエアを吹き付けることにより、該進行方向前方から後方へ発生した反りを除去し、該進行方向後方から前方へ斜めにエアを吹き付けることにより、進行方向後方から前方へ発生した反りを除去する基板固定方法。 - 請求項18に記載の基板固定方法において、
前記エア吹き付け工程は、前記第一の方向に相対移動する場合において、所定のタイミングでエアを吹き付ける方向を切り替える切り替え工程を含む基板固定方法。 - 請求項19に記載の基板工程方法において、
前記所定のタイミングは、前記第一の方向の相対移動量が前記基板に関する情報に基づいて設定された移動量以上になったときである基板固定方法。 - 前記テーブルおよび該テーブルの上方に配設された光学ブロックを、第一の方向および該第一の方向と直交する第二の方向に相対移動させることにより、テーブルの載置面に載置された基板に対して所定の処理を実行する光学処理装置における基板固定方法において、
前記基板を前記テーブルの載置面上における所定位置に保持する第一の工程と、
前記第一の方向への相対移動に伴い、該相対移動方向の前方から後方に向けて、前記テーブルの上方から前記基板に斜めにエアを吹き付ける第二の工程と、
所定量だけ前記相対移動が行われると、前記相対移動方向の前方から後方に向けたエアの吹き付けを終了する第三の工程と、
前記第三の工程後前記相対移動が終了するまで、前記相対移動方向の後方から前方に向けて、前記テーブルの上方から前記基板に斜めにエアを吹き付ける第四の工程と、を含む基板固定方法。
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