JP2004294710A - 感光材料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプレーパイプから噴出して、感光材料の表面に処理液を供給するときに、処理液が発泡するのを抑える。
【解決手段】水洗部に設けているスプレーパイプ62には、所定間隔で吐出孔98が形成されており、PS版12の搬送路の上方側に配置しているスプレーパイプ62Aは、この吐出孔が搬送ローラ対58のゴムローラ58Aの周面所定位置である点Pへ向けられている。また、この吐出孔は、水洗水の噴出圧を下げるように内径が広げられており、これにより、スプレーパイプの吐出孔から噴出した水洗水が、PS版の表面に達する時の勢いを減衰させて、水洗水が発泡してしまうのを確実に抑えるようにしている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平版印刷版などの感光材料を、液外のローラ対によって挟持して搬送しながら、感光材料の表面へ処理液を噴き付けて処理する感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光材料には、アルミニウム板等を用いた支持体の表面に感光層を形成した感光性平版印刷版(以下「PS版」と言う)がある。このPS版を現像処理する現像処理装置(以下「PS版プロセッサー」と言う)では、PS版を現像液に浸漬することにより、露光画像に応じて不要な感光層を膨潤させて除去し、水洗水を噴き付けることにより、水洗水と共に表裏面に付着した現像液を絞り落とした後に、版面保護のための不感脂化処理を施す。
【0003】
このような水洗槽内には、PS版によって現像液が持ち込まれるが、この現像液中には、界面活性剤が含まれており、長期に亘って現像処理を行うことにより、水洗槽内の水洗水に発泡が生じ易くなる。
【0004】
ところで、空気中には、通常でも500ppm程度の炭酸ガス(CO2)が含まれており、PS版の処理環境下では、暖房器具の使用状態、換気性、作業員の数等によって、この炭酸ガスが2000ppmを越えてしまうこともある。
【0005】
一方、水洗水内に溶け込んでいる現像液成分は、空気中の炭酸ガスと接触することにより固形化する。このために、発泡によって生じた泡の中の炭酸ガスによって、現像液成分が泡の表面で固形化して現像成分のカスが発生してしまう。
【0006】
このような水洗水中のカスがPS版の表面に付着してしまうと、印刷汚れ等を生じさせてしまう。
【0007】
水洗槽内に生じる水洗水の泡は、PS版から絞り落とした水洗水が落下して、水洗槽内に貯留している水洗水の液面を叩いてしまうことから発生しやすく、このために、水洗槽の上部に整流板を配置して、PS版から絞り落とした水洗水を、この整流板の表面に沿って流し落とすことにより、PS版から落下した水洗水が、水洗槽内の水洗水の液面を直接叩いてしまうことによる発泡を抑える提案がなされている(例えば特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−23384号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PS版プロセッサーでは、2対のローラ対の間に、スプレーパイプを配置し、このスプレーパイプに所定間隔で形成している吐出孔から、PS版の表面へ水洗水を噴き付けるようにしている。このために、スプレーパイプから吹出された水洗水が、PS版の表面及びPS版の表面に溜まっている水洗水に衝突するときに、発泡が生じてしまうことがある。特に、PS版の表面に溜まってPS版の表面を覆っている水洗水にスプレーパイプから吹出された水洗水が当たるときに発泡が著しく生じてしまうことがある。
【0010】
このような泡は、水洗槽内に回収されたときも消滅せずに残り、PS版の処理を継続することにより徐々に成長して、水洗水中のカスを成長した泡によって上昇させて、処理しているPS版に付着させてしまうことがある。これにより、処理されたPS版を使用して印刷処理を行ったときに、印刷汚れを生じさせてしまう。
【0011】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、スプレーパイプから水洗水等の処理液を吐出した後に、この処理液をローラ対によって絞り落とすときに、処理槽内の処理液の液面に泡立ちを生じさせてしまうのを防止した感光材料処理装置を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、処理槽に貯留している処理液の液面上方に対で配置したローラによって感光材料を挟持しながら搬送し、前記処理槽に貯留している処理液を前記感光材料の表面へ供給して処理する処理工程を備えた感光材料処理装置であって、軸線方向が前記ローラの軸線方向に沿って配置されると共に軸方向に沿って所定間隔で吐出孔が形成され、前記処理槽内の処理液が供給されることにより、該処理液を前記吐出孔のそれぞれから噴出して前記感光材料の表面へ供給するスプレーパイプを備えているときに、前記スプレーパイプを、前記吐出孔のそれぞれが、前記感光材料の搬送路に対して同一側のローラの周面で、該ローラの軸心よりも搬送路側の位置に向けて設け、前記感光材料へ供給する前記処理液を前記ローラの周面へ向けて噴出するようにしていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、スプレーパイプの吐出孔から噴出する処理液を、感光材料の表面及び感光材料の表面に溜まって感光材料の表面を覆っている処理液ではなく、ローラの周面へ向けて噴出させ、このローラの周面に衝突させて勢いを減衰させた処理液が感光材料の表面へ供給されるようにする。
【0014】
すなわち、処理液をローラの周面へ向けて噴出すことにより、この処理液が感光材料の表面及び感光材料の表面に溜まっている処理液に衝突するときのエネルギーを抑え、かつ、スプレーパイプから噴出する処理液で、感光材料の表面に溜まっている処理液たたいて、感光材料の表面に溜まっている処理液に空気を巻き込んでしまうのを軽減する。
【0015】
これにより、例えば、水洗水を感光材料である平版印刷板(PS版)の表面へ、直接噴き付けていたときに比べて、泡の発生を抑えることができる。
【0016】
また、請求項2に係る発明では、前記スプレーパイプに供給される前記処理液の供給量に応じて、前記処理液の噴出圧を下げるように形成されていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、例えば、処理液の噴出圧にばらつき等が生じない範囲で、吐出孔を大きくすることにより、個々の吐出孔から噴出する処理液の噴出圧を下げる。
【0018】
これにより、感光材料の表面に供給する処理液に泡立ちが生じてしまうのをより確実に抑えることができる。
【0019】
このような本発明では、ローラに噴き付けた処理液を、確実に感光材料の表面へ供給するためには、感光材料の搬送方向に対するスプレーパイプの吐出孔の向きを大きくすることが好ましいが、大きくしすぎた場合、スプレーパイプから噴出する処理液が感光材料の表面に溜まった処理液に当たってしまう。このために、この角度を、10°以上、25°以下とすることがより好ましい。
【0020】
このような本発明では、前記スプレーパイプの一つの吐出孔から前記ローラの周面へ向けて噴出する前記処理液の噴出速度を、1000mm/sec以上、2000mm/sec以下とすることができる。
【0021】
また、請求項4に係る発明は、前記処理槽内の処理液の液面と前記感光材料の搬送路の間に、所定角度で傾斜して設けられ、前記感光材料から落下する処理液を受けとめて、前記処理槽内に流し落とす遮板を設けていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、処理槽内に貯留している処理液の液面の上方に遮板を設け、感光材料から落下する処理液を遮板で受け止め、その後、処理槽内に流し落とすことにより、感光材料から処理槽内の処理液へ直接落下する処理液によって泡立ったり、泡が成長してしまうのを防止する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、感光材料処置装置の一例として適用した印刷版現像装置(以下「PS版プロセッサー10」と言う)の概略構成を示している。このPS版プロセッサー10は、感光材料として図示しない露光装置によって画像露光された感光材料の一種である感光性平版印刷版(以下「PS版12」と言う)の現像処理を行う。
【0024】
なお、PS版12は、アルミニウム板等の薄肉矩形平板を支持体として、この支持体の表面に感光層を形成したものである。このようなPS版12としては、原稿フィルムを密着させて露光(密着露光)する所謂コンベンショナル版であっても良く、また、サーマル版や、感光層として光重合層が形成されたフォトポリマー版などのように光ビームを照射して露光(デジタル露光)を行うものであってもよい。さらに、このPS版としては、ポジタイプであっても良く、ネガタイプであっても良いし、片面、両面タイプのいずれであってもよい。
【0025】
PS版プロセッサー10は、PS版12を現像液によって処理するための現像部14と、現像液によって処理されたPS版12の水洗水を供給して水洗する水洗部16と、水洗後のPS版12にガム液を塗布して不感脂化処理する不感脂化処理部18と、PS版12を乾燥させる乾燥部20と、が配設されている。
【0026】
PS版プロセッサー10内には、処理タンク22が設けられている。この処理タンク22には、現像部14となる位置に現像槽24が形成され、水洗部16及び不感脂化処理部18となる位置に水洗槽26及び不感脂化処理槽28が形成されている。
【0027】
処理タンク22を覆う外板パネル30には、スリット状の挿入口32が形成され、処理タンク22には、乾燥部20側に排出口34が形成されている。また、処理タンク22を覆うカバー36には、現像部14と水洗部16との間にPS版12を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)38が設けられている。そのリエントリー挿入口38は、現像部14での処理を除くPS版プロセッサー10での処理を行うためのPS版12の挿入口となっている。
【0028】
挿入口32の外部には、例えば挿入台40が設けられ、現像部14のPS版12の挿入側には、ゴム製の搬送ローラ対42が配設されている。画像が焼付けられたPS版12は、挿入台40に載置されて挿入口32から、矢印A方向に沿って挿入されて、搬送ローラ対42の間に送り込まれる。なお、この矢印A方向がPS版プロセッサー10でのPS版12の搬送方向となっている。
【0029】
搬送ローラ対42は、図示しない駆動手段の駆動力によって回転して、挿入されたPS版12を引き入れ、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部14へ送り込む。なお、本実施の形態では、支持体の一方の面に感光層を形成した片面タイプのPS版12を用いており、PS版12は、感光層が上方へ向けられた状態で挿入口32からPS版プロセッサー10内へ挿入される。
【0030】
処理タンク22に形成されている現像槽24は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、PS版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。この現像槽24には、PS版12の搬送方向に沿った下側にガイド板44が、底部に沿って配設されている。
【0031】
ガイド板44は、現像槽24の上流部(挿入口32側)に設けられ、自由回転をする複数のコロ(小型のローラ)46が取り付けられている。搬送ローラ対42によって現像部14内に送り込まれたPS版12は、このコロ46によって案内されながらガイド板44上を搬送される。
【0032】
現像槽24には、水洗部16側に、外周がゴム製の搬送ローラ対48が配置されており、現像槽24内を略U字状に案内搬送されたPS版12は、この搬送ローラ対48によって挟持されて現像槽24から引き出される。PS版12は、このようにして現像槽24内を搬送されるときに現像液に浸漬される。
【0033】
これによりPS版12は、画像露光によって感光した感光層の不要な部分が現像液により膨潤して支持体から剥離することにより除去される。
【0034】
なお、現像槽24内には、スプレーパイプ50が設けられており、図示しないポンプによって吸引した現像槽24内の現像液を循環させている。
【0035】
また、現像槽24内には、ガイド板44と搬送ローラ対48の間に、ブラシローラ80が設けられている。このブラシローラ80は、現像液に浸漬されながら搬送されるPS版12の表面に毛材を接触させながら回転することにより、PS版12の表面をブラッシングして、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進している。
【0036】
現像部14には、下面が現像槽24に貯留される現像液の液面より下方となるように液面蓋52が配置されている。また、現像槽24の壁面及び液面蓋52には、挿入口32側に遮蔽部材54A、54Bが設けられ、水洗部24側に遮蔽部材54C、54Dが取り付けられている。処理タンク22には、排出口34の周囲に遮蔽部材54E、54Fが取り付けられ、カバー36のリエントリー挿入口38には、遮蔽部材54Gが取り付けられている。
【0037】
遮蔽部材54A〜54Gは、シリコンゴム等によって形成されており、現像槽24内は、大容量の液面蓋52によって液面に接触する遮蔽部材54A〜54G、搬送ローラ対42、48等によって形成された密閉部内の空間が小さくされて、この空間に閉じ込められた空気の量を少なくすると共に、液面蓋52と遮蔽部材54A〜54G等によって現像液の液面近傍に新鮮な空気が入り込んでくるのが防止され、空気中の炭酸ガスによる現像液の劣化と水分の蒸発が抑えられている。なお、液面蓋52には、PS版12の搬送方向の上流側及び下流側の端部下面に串ローラ52A、52Bが設けられ、現像部14内を搬送されるPS版12が液面蓋52の下面と接触することによる表面(主に感光面)の損傷が防止されている。
【0038】
搬送ローラ対48によって現像槽24から引き出されたPS版12は、搬送ローラ対48によって表面に付着している現像液が絞り落とされながら水洗部16へ送り込まれる。
【0039】
水洗部16には、水洗槽26の上方に搬送ローラ対58、60が配置されており、これにより、PS版12を略水平状態で搬送する搬送路が形成されている。PS版12は、搬送ローラ対58、60に挟持されて水洗槽26の上方を水平搬送される。
【0040】
水洗部16には、搬送ローラ対58、60の間に、スプレーパイプ62が設けられている。スプレーパイプ62は、PS版12の搬送路を挟んで上下に対で配置されている(以下、区別するときには、スプレーパイプ62A、62Bとする)。
【0041】
水洗槽26には、処理液として水洗水を貯留している。また、水洗槽26の底部には、配管82の一端が開口している。この配管82は、図示しない給液ポンプを介してスプレーパイプ62に接続しており(図示省略)、これにより、PS版12の搬送に同期して給液ポンプが作動することにより、スプレーパイプ62に水洗槽26内の水洗水が供給される。
【0042】
スプレーパイプ62は、軸線方向がPS版12の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って配置され、PS版12の搬送路に対向して複数の吐出孔が形成されている。なお、このスプレーパイプ62の詳細は後述する。
【0043】
これにより、スプレーパイプ62は、水洗槽26から供給された水洗水を吐出孔から噴出する。水洗部16では、この水洗水によってPS版12の表裏面に付着している現像液を洗い流す。
【0044】
また、水洗部16に設けている搬送ローラ対58、60は、ゴム製であり、PS版12を挟持して搬送することにより、PS版12の表裏面から、水洗水を絞り落とす。
【0045】
搬送ローラ対58、60によってPS版12の表裏面から絞り落とされた水洗水は、水洗槽26内に回収される。なお、水洗水の新液は、PS版12の処理量に応じて図示しない手段によって水洗槽26に供給される。
【0046】
不感脂化処理部18には、不感脂化処理槽28の上方に搬送ローラ対56が設けられ、PS版12は、この搬送ローラ対56によって不感脂化処理部18内を搬送された後に、排出口34から送り出される。
【0047】
不感脂化処理部18には、PS版12の搬送路の上方側にスプレーパイプ64が設けられている。スプレーパイプ64は、軸線方向がPS版12の幅方向に沿って配置され、PS版12の搬送路に対向して複数の吐出孔が形成されている。また、不感脂化処理部18には、PS版12の搬送路の下方に、PS版12の幅方向に亘って連続するスリットが形成された吐出ユニット66が配設されている。
【0048】
不感脂化処理槽28には、PS版12の版面保護に用いるガム液が貯留されており、このガム液がPS版12の搬送に同期して作動する図示しないポンプによってスプレーパイプ64及び吐出ユニット66に供給される。スプレーパイプ64は、このガム液をPS版12へ向けて滴下してPS版12の表面に広げて塗布する。また、吐出ユニット66は、PS版12の裏面側がスリット部分に接触しながら通過するときに、スリットから吐出するガム液をPS版12の裏面側の全面に塗布する。
【0049】
PS版12は、表裏面に塗布されるガム液によって保護膜が形成される。なお、スプレーパイプ64からのガム液の吐出方向は、PS版12の搬送方向下流側に限らず、他の方向であってもよい。また、PS版12の搬送路の下側に吐出ユニット66を設けてガム液を塗布するようにしているが、これに限らず、スプレーパイプを設けてガム液をPS版12へ吐出するようにしてもよい。
【0050】
不感脂化処理部18でガム液が塗布されたPS版12は、搬送ローラ対56に挟持されて、表裏面にガム液が若干残った状態で排出口34から送り出される。これにより、PS版12は、乾燥部20へ送り込まれる。
【0051】
乾燥部20には、排出口34の近傍にPS版12を支持する支持ローラ68が配設され、乾燥部20内でのPS版12の搬送路の中央部及び排出口70の近傍に、搬送ローラ対72及び搬送ローラ対74が配設され、PS版12は、支持ローラ68及び搬送ローラ対72、74によって乾燥部20内を搬送される。
【0052】
支持ローラ68と搬送ローラ対72との間、及び搬送ローラ対72と搬送ローラ対74との間には、PS版12の搬送路を挟んで対でダクト76A、76Bが配設されている。ダクト76A、76Bは、長手方向がPS版12の幅方向に沿って配設されており、PS版12の搬送路に対向する面にスリット孔78が設けられている。
【0053】
ダクト76A、76Bは、図示しない乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、長手方向の一端側から供給されると、この乾燥風をスリット孔78からPS版12の搬送路へ向けて吹き出し、PS版12に吹き付ける。これにより、PS版12は、表裏面に塗布されているガム液が乾燥され、保護膜が形成される。なお、排出口34には、PS版12を処理液によって処理する不感脂化処理部18までのプロセッサ部と乾燥部20とを分離する図示しないシャッタが設けられ、排出口34が不必要に開放されて、乾燥部20内の加熱された空気が不感脂化処理部18へ入り込むのを防止している。
【0054】
ところで、図1乃至図3に示すように、水洗部16には、整流手段として遮板90が設けられている。遮板90は、水洗槽26内の水洗水の液面と、PS版12の搬送路の間に配置されている。
【0055】
図3に示すように、遮板90は、帯板状に形成されており、長手方向が、PS版12の搬送方向と直交する方向であるPS版12の幅方向に沿うように配置されている。この遮板90の長手方向に沿った寸法は、PS版プロセッサー10で処理するPS版12(図3では図示省略)の幅寸法より大きくなっており、PS版12の幅方向に沿った水洗槽26の開口寸法と略同じになっている(図示省略)。なお、図3では、PS版12の幅方向に沿った水洗槽26の要部を切り出した概略断面図であり、紙面手前側が現像部14側で紙面奥側が不感脂化処理部18側としている。
【0056】
また、図2及び図3に示すように、水洗槽26は、現像部14側の槽壁92Aよりも不感脂化処理部18側の槽壁92Bが低くなっており、水洗部16と不感脂化処理部18の間の隔壁94から、槽壁92Bの上端の間に、水洗槽26(槽壁92B)側が低くなるように傾斜した傾斜部96が形成されている。
【0057】
遮板90は、槽壁92Aの上端部と傾斜部96の下端部に、傾斜部96側が低くなるように傾斜された状態で掛け渡されている。
【0058】
これにより、搬送ローラ対58、60によってPS版12の表裏面から絞り落とされた水洗水は、水洗槽26内の水洗水の液面に落下せずに、遮板90上に落下するようになっている。また、この水洗水は、遮板90の傾斜に沿って傾斜部96側へ流れるようになっている。
【0059】
この遮板90には、傾斜部96側の端部に、所定間隔で複数の突部90Aが延設されており、これらの突部90Aが、傾斜部96の上面に当接していることにより、遮板90と傾斜部96との間に、隙間が形成されている。これにより、遮板90上を傾斜部96側に流れた水洗水が、この隙間から槽壁92Bの内面を伝って水洗槽26内に流れ落ちて回収されるようになっている。
【0060】
水洗槽26には、槽壁92Aの上端部に、所定間隔で突起92Cが形成されており、遮板90には、この突起92Cに対応する位置に、貫通孔90Bが形成されており、遮板90は、貫通孔90Bに突起92Cが挿入されることにより、水洗槽26に位置決めされて取り付けられている。
【0061】
また、遮板90は、突部90Aと反対側の端部が現像部14側へ延設されており、これにより、PS版12から落下する水洗水を、遮板90によって確実に受けとめるようにしている。
【0062】
PS版プロセッサー10では、このような遮板90を設け、PS版12を洗浄して落下する水洗水を遮板90で受けとめて、水洗槽26へ流し落とすことにより、PS版12から落下した水洗水が、水洗槽26内に貯留されている水洗水の液面を叩いて発泡してしまうのを防止している。
【0063】
一方、前記したように水洗部16には、搬送ローラ対58、60の間にスプレーパイプ62が配置されている。図2及び図4に示すように、搬送ローラ対58は、上方側のゴムローラ58Aと下方側のゴムローラ58Bによって形成され、搬送ローラ対60は、上方側のゴムローラ60Aと下方側のゴムローラ60Bによって形成されて、スクイズローラとして機能している。なお、図2に示すように、ローラ58Aに対向してバックアップローラ84を設け、水洗水が現像部14側に回り込むのを防止している(図1では図示省略)。
【0064】
図4に示すように、スプレーパイプ62には、多数の吐出孔98が形成されている。吐出孔98は、スプレーパイプ62の内部と外周部を連通しており、スプレーパイプ62の軸線方向に沿って直線状となるように所定間隔(間隔d)で形成されている。
【0065】
図2及び図4に示すように、PS版12の搬送路の上方側に設けているスプレーパイプ62Aは、吐出孔98が搬送ローラ対58のゴムローラ58A側へ向けられており、PS版12の搬送路の下方側に設けているスプレーパイプ62Bは、吐出孔98が搬送ローラ対60のゴムローラ60B側へ向けられている。
【0066】
これにより、スプレーパイプ62Aから噴出される水洗水が、搬送ローラ対58、60(ゴムローラ58A、60A)の間でPS版12の上面を洗浄し、スプレーパイプ62Bから噴出される水洗水が、PS版12の下面を洗浄するようになっている。
【0067】
PS版プロセッサー10では、スプレーパイプ62から吐出する水洗水が、直接、PS版12及びPS版12の表面に溜まった水洗水に当たらないように、ゴムローラ58Aまたはゴムローラ60Bの周面へ向けて、水洗水を噴出するようにしている。これにより、PS版プロセッサー10では、PS版12の表面及びPS版12の表面に溜まった水洗水に当たるときの水洗水の勢いを減衰させ、水洗水がPS版12の表面に勢い良く当たってしまうことによる発泡を防止するようにしている。
【0068】
すなわち、図5に示すように、PS版12の搬送路の上方側に配置しているスプレーパイプ62Aは、搬送ローラ対58の上方側のゴムローラ58Aへ向けて水洗水を噴出するように、スプレーパイプ62Aの位置及び吐出孔98の向きが設定されている。なお、図5では、スプレーパイプ62Aを例にしているが、PS版12の下面、搬送ローラ対60のゴムローラ60B及びスプレーパイプ62Bに対しても同様の関係を適用することができ、以下では、スプレーパイプ62Aを例にスプレーパイプ62として説明する。
【0069】
PS版プロセッサー10では、ゴムローラ58Aの軸心PよりもPS版12の搬送路側のゴムローラ58Aの周面の位置である点Pへ向けて水洗水を噴出すようにスプレーパイプ62の吐出孔98の向きを設定し、水洗水がゴムローラ58Aに当たっても、PS版12の表面に落下せずに、上方側などの周囲に飛散してしまうのを防止する。
【0070】
このために、PS版プロセッサ10では、スプレーパイプ62の中心位置Pが、ゴムローラ58Aの軸心PよりもPS版12の搬送路側となり、かつ、ゴムローラ58Aの周面上の点Pよりも、PS版12の搬送路から離れた位置となるようにして、スプレーパイプ62の吐出孔98が、点Pへ向くようにしている。
【0071】
すなわち、ゴムローラ58Aの外径をL、PS版12の搬送路に対する点Pの高さをH、PS版12の搬送路に対するゴムローラ58Aの軸心Pとスプレーパイプ62の中心Pの間の高低さをH、PS版12の搬送路に対する中心Pの高さをH、PS版12の搬送方向に対する吐出孔98の向きを角度θとしたときに、
0°<θ<90°
L/2>H>0
(L/2−H)>H≧0
<H
(但し、H+H=L/2)
とする。
【0072】
このときに、角度θが大きくなると、水洗水がPS版12の表面及びPS版12の表面に溜まった水洗水に当たるために発泡が著しくなる。したがって、角度θとしては、10°≦θ≦25°であることが好ましい。
【0073】
一方、水洗水がPS版12の表面に達するときの勢いは、スプレーパイプ62Aの吐出孔98から水洗水を噴出するときの勢い(噴出圧)に大きく影響する。スプレーパイプ62では、軸方向の一端が閉塞され、他端側から水洗水が供給される。このために、吐出孔98から噴出される水洗水の噴出圧は、スプレーパイプ62に形成している吐出孔98の数、吐出孔98の内径及びスプレーパイプ62への水洗水の供給量によって変化する。
【0074】
このとき、スプレーパイプ62から噴出する水洗水が少なくなると、水洗水がPS版12の全面に行き渡らなかったり、PS版12の表面の確実な洗浄が困難となってしまうことがある。また、吐出孔98の数が少なくなると、吐出孔98の間隔が広くなることになり、吐出孔98の数を少なくした状態で、PS版12を確実に洗浄するためには、多量の水を勢い良く吐出してPS版12の表面に拡散させる必要があり、水洗水の発泡をまねいてしまう。
【0075】
ここから、PS版プロセッサー10では、幅寸法が約800mmのPS版12に対して、間隔Dを25mmとして、39個の吐出孔98を形成したスプレーパイプ62を用いている。
【0076】
また、PS版プロセッサー10では、一例として、搬送ローラ対58、60のゴムローラ58A、58B、60A、60Bの外径Lを42.5mmとし、点Pの高さHを10mm、高低さHを0mm(H=L/2=21.25mm)としたときに、角度θが、10°となるように、ゴムローラ58Aの軸心Pとスプレーパイプ62の中心Pの搬送方向に沿った間隔である距離Ldを42.5mmとしている。
【0077】
また、PS版プロセッサー10では、スプレーパイプ62への水洗水の供給量(流量)を13.5l(リットル)/minとし、ここから、従来、2.0mmであったスプレーパイプ62に形成している吐出孔98の内径dを2.6mm(d=2.6mm)としている。
【0078】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0079】
PS版プロセッサー10では、図示しない焼付装置等によって画像が記録されたPS版12が挿入台40に載置され、挿入口32へ挿入されと、搬送ローラ対42によってこのPS版12を引き入れ、現像部14へ送り込む。なお、PS版プロセッサー10では、挿入口32を通過するPS版12を図示しないセンサによって検出するとタイマーをスタートさせる。このタイマーは、PS版12を搬送するための駆動手段の動作と共に、水洗部16のスプレーパイプ62(62A、62B)から水洗水を吐出させるタイミングや、不感脂化処理部18におけるガム液の吐出タイミングの計測に用いる。
【0080】
現像部14では、搬送ローラ対42によってPS版12が水平方向に対して15°〜31°の範囲の挿入角度で送りこまれて現像液に浸漬されながら搬送される。また、このPS版12は、17°〜31°の範囲の排出角度で現像液中から送り出される。PS版12は、現像部14で現像液に浸漬されることにより、露光画像に応じて感光層の不要部分が膨潤し、膨潤した感光層が支持体から除去される。このときに、現像槽24内に配置しているブラシローラ80によってPS版12の表面をブラッシングすることにより、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進するようにしている。
【0081】
なお、PS版プロセッサー10としては、複数のブラシローラ80をPS版12の表面に対向するように配置してブラッシングするものであっても良く、また、ブラシローラ80を用いずにPS版12の処理を行うものであっても良い。
【0082】
このようにして現像液による処理が行われて現像液中から送り出されたPS版12は、搬送ローラ対48によって引き出されて水洗部16へ送られる。このときに、搬送ローラ対48は、PS版12の表裏面に付着してい現像液を、PS版12から絞り落としている。
【0083】
水洗部16では、このPS版12を搬送ローラ対58、60によって挟持して略水平状態で搬送しながら、スプレーパイプ62から水洗水を噴出する。また、PS版12の搬送方向の下流側に配置している搬送ローラ対60は、PS版12の表裏面に供給した水洗水を、搬送ローラ対48によって絞り切れずに残った現像液と共に絞り落としながら、このPS版12を不感脂化処理部18へ送り出す。
【0084】
これにより、PS版12は、水洗部16を通過するときに、表裏面に残っている現像液が洗い落とされる。
【0085】
不感脂化処理部18へ送られたPS版12は、スプレーパイプ64と吐出ユニット66の間を通過し、搬送ローラ対56に挟持されることにより、この搬送ローラ対56によって不感脂化処理部18から送り出される。
【0086】
このとき、不感脂化処理部18では、スプレーパイプ64及び吐出ユニット66にガム液を供給し、PS版12の表裏面にガム液を塗布する。搬送ローラ対56は、PS版12を挟持して送り出すことにより、PS版12の表裏面にガム液の薄膜を形成すると共に、余剰となったガム液をPS版12の表裏面から絞り落とす。
【0087】
ガム液が塗布されたPS版12は、搬送ローラ対56によって排出口34から乾燥部20へ送り込まれる。なお、排出口34に設けている図示しないシャッタは、PS版12の処理開始のタイミングないしPS版12が不感脂化処理部18から送り出されるタイミングで作動して排出口34を開き、乾燥部20の乾燥風が不必要に不感脂化処理部18へ入り込んで、搬送ローラ対56にガム液が固着してしまうのを防止すると共に、排出口34から空気が入り込み、現像部14にまで及んで空気中の炭酸ガスにより現像液が劣化するのを防止したり、現像液中の水分や水洗水さらにガム液中の水分が蒸発して排出口34から出てしまうのを防止している。
【0088】
乾燥部20では、支持ローラ68及び搬送ローラ対72、74によってPS版12を搬送しながら、ダクト76A、76Bから乾燥風を吹き付ける。これにより、PS版12は、塗布されているガム液によって保護膜が形成されて排出口70から排出される。
【0089】
ところで、PS版プロセッサー10の水洗部16では、搬送ローラ対58、60によってPS版12を略水平状態で搬送しながら、搬送ローラ対58、60の間に設けているスプレーパイプ62(62A、62B)から水洗水を噴出して、PS版12の表裏面を洗浄する。
【0090】
水洗部16に送り込まれるPS版12の表裏面には、搬送ローラ対48によって絞りきれなった現像液が付着しており、水洗部16では、この現像液を水洗水によってPS版12の表裏面から洗い落とすようにしている。
【0091】
このために、水洗槽26内の水洗水中には、現像液成分が溶け込んだ状態となっており、PS版プロセッサー10では、所定のタイミングで水洗槽26内に水洗水を補充することにより、余剰となった水洗水をオーバーフローさせて排出し、水洗水中の現像液成分の濃度が高くなるのを防止している。
【0092】
一方、現像液中には、界面活性剤が含まれており、この界面活性剤もPS版12によって水洗部16に持ち込まれる。このために、水洗槽26に貯留している水洗水には発泡が生じ易く、また、発泡することにより水洗水に溶け込んでいる現像液成分が空気中の炭酸ガスによって固形化して、カスが生じ易くなっている。
【0093】
この水洗水中に発生したカスは、水洗水の液面の泡が成長して、PS版12の搬送路に達すると、PS版12の表裏面に付着してしまう。これにより、このPS版12を用いて印刷処理を行ったときに、印刷汚れを生じさせてしまう。
【0094】
ここで、PS版プロセッサー10の水洗部16に設けている水洗槽26の上部には、水洗水の液面とPS版12の搬送路との間に遮板90が取り付けられており、PS版12から落下する水洗水は、この遮板90に受けとめられ、遮板90の傾斜に沿って流れることにより、水洗槽26内に回収されるようにしている。
【0095】
これにより、PS版プロセッサー10では、PS版12から落下する水洗水が、水洗槽26内に貯留している水洗水の液面を叩いて発泡してしまうのを防止している。
【0096】
特に、水洗部16を通過するPS版12は、後端が上流側の搬送ローラ対58から外れたときに、搬送ローラ対58、60の間の後端部が垂れ下がる。このときに、スプレーパイプ62Aから噴出された水洗水がPS版12の表面に乗っているために、PS版12の自重と水洗水の重さによってPS版12の後端部が垂れ下がったときに、PS版12上の水洗水が一度に落下する。
【0097】
このときに、遮板90が設けられていることにより、この水洗水が、水洗槽26内の水洗水の液面を叩いて泡を発生させてしまうのを確実に防止することが出きる。
【0098】
このように、PS版プロセッサー10では、水洗槽26内の水洗水の液面と、PS版12の搬送路の間に、水洗水の液面を覆うように遮板90を配置した簡単な構成で、PS版12から落下する水洗水に起因する発泡を抑えることができる。
【0099】
なお、本実施の形態では、不感脂化処理部18側が低くなるように遮板90を傾斜させているが、遮板90の傾斜方向はこれに限るものではなく、現像部14側が低くなるように傾斜させるなどの任意の構成を適用することができる。
【0100】
一方、PS版プロセッサー10では、スプレーパイプ62が吐出孔98を、ゴムローラ58Aの周面の所定位置(点P)へ向くように取り付けられており、これにより、吐出孔98から噴出した水洗水が、PS版12の表面及びPS版12ん表面に溜まっている水洗水に直接当たってしまうのを防止し、水洗水がPS版12の表面及びPS版12の表面に溜まっている水洗水に当たるときの勢いを減衰させている。
【0101】
また、PS版12では、予め設定している間隔D(25mm)及び数(39個)で、スプレーパイプ62に形成している吐出孔98の内径dを、比較的広い2.6mmとして、スプレーパイプ62へ13.5l/minの水洗水を供給して、この吐出孔98から噴出するようにしている。
【0102】
これにより、PS版プロセッサー10では、スプレーパイプ62の吐出孔98から噴出する水洗水の噴出圧(スプレーパイプ62内の水圧)を抑え、この水洗水がPS版12の表面に達したときの勢いが低くなるようにして、搬送ローラ対58、60の間で、PS版12の表面に供給される水洗水に発泡が生じるのを抑えるようにしている。
【0103】
スプレーパイプ62から供給する水洗水が、PS版12の表面で発泡すると、この水洗水の泡が、水洗槽26内に回収されたときに、消えずに残り、水洗槽26内の水洗水の液面で成長してしまい、水洗水中にカスを発生させてしまうと共に、このカスをPS版プロセッサー10で処理されるPS版12の表面(表裏面)に付着させて、PS版12の仕上り品質を低下させてしまう。
【0104】
これに対して、PS版プロセッサー10では、水洗槽26内での水洗水の発泡を抑えることができるので、水洗槽26内の水洗水中にカスを、増加する泡によって上昇させて処理しているPS版12に付着させてしまうのを抑えることができると共に、PS版12の仕上り品質を低下させてしまうのを確実に防止することができる。
【0105】
ここで、表1には、スプレーパイプ62に形成している吐出孔98の内径dを変えたときに、スプレーパイプ62への水洗水の供給量に対する水洗槽26内に発生する泡の高さの測定結果を示している。なお、この測定結果は、内径dを2.0mm、2.4mm、2.6mmの3段階に設定し、それぞれにおいて、水洗水の量を変えながら、800mm×1030mmのサイズのPS版12を用い、200枚のPS版12を連続処理した後の、水洗槽26内の泡の高さを示している。また、スプレーパイプ62の吐出孔98は、ゴムローラ58AとPS版12の接触位置近傍に向けている。
【0106】
PS版プロセッサー10では、水洗槽26に発生した泡の高さが50mmを越えなければ、水洗槽26内の水洗水中にカスが生じても、このカスがPS版12に付着して仕上り品質を生じさせてしまうことがないことから、泡の高さが50mm以下であれば適用可能であると判断することができる。
【0107】
【表1】
Figure 2004294710
【0108】
なお、表1中の※1は、スプレーパイプ62内での水圧が低下して、吐出孔98から噴出する水洗水の圧力にばらつきが生じ、適正な測定結果が得られなくなったために測定を中止し、※2は、他の試験結果から予測して、適用し得る結果が得られないと判断して、測定を中止している。
【0109】
表1に示すように、水洗水の供給量が同じであれば、吐出孔98の内径dが大きくなることにより、泡の高さは低くなり、吐出孔98の内径が同じであれば、水洗水の供給量が低くなることにより、泡の高さは低くなる。
【0110】
また、PS版プロセッサー10では、吐出孔98の内径dを2.4mmとして、水洗水の供給量を12.0l/minにするか、吐出孔98の内径dを2.6mmとして、水洗水の供給量を13.5l/min又は13.0l/min(13.5l/min〜13.0l/min)にすることにより、水洗槽26内の水洗水中に発生するカスがPS版12の仕上り品質を損ねることなく、PS版12の処理を行うことができる。すなわち、PS版12の高品質の処理が可能となる。
【0111】
一方、表2には、角度θを変更したときの泡の高さの測定結果を示している。この試験は、水洗水の供給量を13.5l/minと14.5l/minとして、角度θを、10°〜25°の範囲と、35°にして測定している。
【0112】
【表2】
Figure 2004294710
【0113】
表2に示すように、角度θが大きい35°であるときには、水洗水がPS版12の版面及びこの版面上の処理液(水洗水)に、スプレーパイプ62から噴出する水洗水が当たって、泡の高さが大きくなるのに対して、角度θを小さくして10°〜25°の範囲にすることにより、スプレーパイプ62から噴出する水洗水は、ゴムローラ58Aの周面に当たることで、泡の高さを極めて低く抑えることはできる。
【0114】
したがって、表1及び表2から、水洗水の供給量、吐出孔98の向き(角度θ)に応じて設定した内径dの吐出孔98を形成したスプレーパイプ62を用いることにより、PS版12を高品質で処理することができるPS版プロセッサー10が得られる。
【0115】
このときに、角度θは、小さいことが好ましいが、10°≦θ≦25°であることがより好ましい。
【0116】
一方、スプレーパイプ62に供給する水洗水の量とスプレーパイプ62に形成している吐出孔98の径dによって、吐出孔98から噴出される水洗水の噴出速度、すなわち、水洗水がゴムローラ58Aに衝突する速度が異なる。
【0117】
ここから表3には、スプレーパイプ62に形成している吐出孔98から噴出する洗浄水の角度θを、10°〜25°の範囲(例えば10°)として、水洗槽26内での水洗水の発泡を抑えた状態での水洗水の噴出速度を示している。
【0118】
【表3】
Figure 2004294710
【0119】
なお、表3中の※3は、スプレーパイプ62内での水圧が低下して、吐出孔98から噴出する水洗水の圧力にばらつきが生じ、適正な測定結果が得られなくなったために測定を中止し、※4は、他の試験結果から予測して、適用し得る結果が得られないと判断して、測定を中止している。
【0120】
また、※5では、水洗槽26内の水洗水に発泡が生じ、このときの泡の高さが、PS版プロセッサー10で許容される50mmを越えており、これ以外においては、泡の高さが50mm以下に納まっている。
【0121】
この表3に示すように、水洗水をゴムローラ58Aへ向けて噴出することにより水洗水の発泡を抑えたとき、スプレーパイプ62の吐出孔98から噴出される水洗水の噴出速度は、水洗水の供給量が13.0l/minで吐出孔98の径dが2.6mmのときに1046mm/secであり、水洗水の供給量が14.5l/minで吐出孔98の径dが2.0mmのときに1973mm/secとなっている。
【0122】
ここから、角度θが10°〜25°の範囲で、スプレーパイプ62の各吐出孔98からゴムローラ58Aの周面へ向けて噴出される水洗水の噴出速度が、約1000mm/sec以上、約2000mm/sec以下(好ましくは、1046mm/sec以上、1973mm/sec以下)であれば、水洗槽26内で水洗水の泡が成長して、PS版12の仕上り品質に影響を生じさせてしまうのを防止することができる。
【0123】
なお、本実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。例えば、スプレーパイプ62からの洗浄水の吹き付け位置である点Pは、本実施例に限らず、ゴムローラ58Aの軸心PよりもPS版12の搬送路側の位置で、スプレーパイプ62から噴出した水洗水が、PS版12に直接当たらない位置であれば任意の位置に設定することができる。
【0124】
また、ゴムローラ58Aと、スプレーパイプ62の相対位置は、ゴムローラ58Aの軸心Pよりもスプレーパイプ62の中心Pが搬送路と反対側であても、スプレーパイプ62からの洗浄水のゴムローラ58Aへの吹き付け位置である点Pが、ゴムローラ58Aの軸心PよりもPS版12の搬送路側の位置であれば良い。
【0125】
また、本実施の形態では、PS版プロセッサー10を例に説明したが、本発明が適用される感光材料処理装置の構成は、これに限定するものではなく、ローラ対によって挟持ながら液外を搬送するPS版12の表裏面に、スプレーパイプから水洗水等の処理液を噴出する工程を備えたPS版プロセッサー等の任意の構成の感光材料処理装置に適用することができる。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スプレーパイプの吐出孔をローラの周面へ向けて配置することにより、スプレーパイプから噴出した処理液が感光材料の表面に直接当たるのを防止して、処理液の発泡を抑えることができる。
【0127】
これにより、例えば、平版印刷版を水洗処理する水洗槽中の水洗水に持ち込まれた現像液成分によって発生したカスが、液面で成長した泡によって感光性平版印刷版の表面に付着し、平版印刷版の仕上りを損ねてしまうのを確実に防止することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用したPS版プロセッサーの概略構成図である。
【図2】PS版プロセッサーに設けた水洗部の概略構成図である。
【図3】水洗槽に設けた遮板を示す水洗部の要部の概略斜視図である。
【図4】搬送ローラ対とスプレーパイプの配置を示す水洗部の要部の概略斜視図である。
【図5】搬送ローラ対を形成するゴムローラとスプレーパイプの配置を示す概略図である。
【符号の説明】
10 PS版プロセッサー(感光材料処理装置)
12 PS版(感光材料)
16 水洗部(処理工程)
26 水洗槽(処理槽)
58、60 搬送ローラ対
58A、58B、60A、60B ゴムローラ(ローラ)
62(62A、62B) スプレーパイプ
90 遮板
98 吐出孔

Claims (4)

  1. 処理槽に貯留している処理液の液面上方に対で配置したローラによって感光材料を挟持しながら搬送し、前記処理槽に貯留している処理液を前記感光材料の表面へ供給して処理する処理工程を備えた感光材料処理装置であって、
    軸線方向が前記ローラの軸線方向に沿って配置されると共に軸方向に沿って所定間隔で吐出孔が形成され、前記処理槽内の処理液が供給されることにより、該処理液を前記吐出孔のそれぞれから噴出して前記感光材料の表面へ供給するスプレーパイプを備えているときに、
    前記スプレーパイプを、前記吐出孔のそれぞれが、前記感光材料の搬送路に対して同一側のローラの周面で、該ローラの軸心よりも搬送路側の位置に向けて設け、前記感光材料へ供給する前記処理液を前記ローラの周面へ向けて噴出するようにしていることを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 前記スプレーパイプに供給される前記処理液の供給量に応じて、前記処理液の噴出圧を下げるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感光材料処理装置。
  3. 前記スプレーパイプの一つの吐出孔から前記ローラの周面へ向けて噴出する前記処理液の噴出速度を、1000mm/sec以上、2000mm/sec以下とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光材料処理装置。
  4. 前記処理槽内の処理液の液面と前記感光材料の搬送路の間に、所定角度で傾斜して設けられ、前記感光材料から落下する処理液を受けとめて、前記処理槽内に流し落とす遮板を設けていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項記載の感光材料処理装置。
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