JP2004293426A - 内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二次空気供給系の異常判断が行われるとき、二次空気供給系に異常がないことに伴いエアポンプの無理な運転が続けられ、同ポンプの温度が耐熱温度を越えて上昇して同ポンプが悪影響を受けるのを抑制する。
【解決手段】二次空気供給系の異常判断中には、開閉弁8が閉弁状態とされるとともにエアポンプ9が駆動される。同異常判断中にエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、温度抑制処理として開閉弁8が全開状態へと開弁させられる。これにより、供給通路7の空気の流通が許可され、エアポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプ9の駆動電流が大きくなることもなくなる。従って、エアポンプ9の駆動電流が大きくなることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】二次空気供給系の異常判断中には、開閉弁8が閉弁状態とされるとともにエアポンプ9が駆動される。同異常判断中にエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、温度抑制処理として開閉弁8が全開状態へと開弁させられる。これにより、供給通路7の空気の流通が許可され、エアポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプ9の駆動電流が大きくなることもなくなる。従って、エアポンプ9の駆動電流が大きくなることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、冷えた状態からの始動時など、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)についての浄化を行うべく、排気通路に二次空気供給系を介して空気が供給される。こうした二次空気供給系は、排気通路に接続された供給通路と、同供給通路内の空気の流通を許可又は禁止すべく開閉する開閉弁と、供給通路に空気を供給するエアポンプとを備えている。そして、排気通路に空気を供給するときには、開閉弁を開いた状態でエアポンプが駆動される。排気通路に空気が供給されると、空気中の酸素が排気中の一酸化炭素や炭化水素と反応し、それらが二酸化炭素(CO2 )及び水(H2O )に酸化されるため、排気中の一酸化炭素や炭化水素について浄化が図られるようになる。
【0003】
ところで、二次空気供給系では、開閉弁が開きっぱなし(閉弁異常)になったり、供給通路からの空気漏れが生じたりするという異常が発生する可能性がある。こうした異常発生の有無を判断するため、開閉弁を閉弁した状態でエアポンプを駆動して供給通路に空気を供給することも考えられる(特許文献1参照)。この異常判断では、二次空気供給系に開閉弁の閉弁異常や供給通路からの空気漏れといった異常があるとき、供給通路内の圧力が正常値よりも低くなることを利用して、同圧力に基づき上記異常の有無が判断される。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−21312号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような異常判断により、開閉弁の閉弁異常や供給通路からの空気漏れといった異常が発生しているか否かを判断することはできる。ただし、上記異常のないときには、開閉弁の閉弁によって空気の流通が遮断された状態での供給通路にエアポンプの駆動により空気が供給されることから、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態で同ポンプが駆動される。このため、エアポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が通常駆動時に比べて大きくなり、エアポンプの温度上昇に繋がることとなる。
【0006】
二次空気供給系のエアポンプは排気通路に空気を供給するのに用いられるものであり、上記異常判断を行うべく開閉弁を閉弁した状態で駆動されるという稼働状況については、同ポンプにとって想定外の稼働状況ということになる。従って、この想定外の稼働状況によってエアポンプが温度上昇することについては、適切な対策が講じられておらず、当該温度上昇がエアポンプに悪影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、二次空気供給系の異常判断が行われるとき、二次空気供給系に異常がないことに伴いエアポンプの無理な運転が続けられ、同ポンプの温度が耐熱温度を越えて上昇して同ポンプが悪影響を受けるのを抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関の排気通路に接続された供給通路と、この供給通路内の空気の流通を許可又は禁止すべく開閉する開閉弁と、前記供給通路に空気を供給するエアポンプとを備える同機関の二次空気供給系に適用され、前記二次空気供給系での異常の有無を判断するために前記開閉弁を閉弁した状態で前記エアポンプを駆動して前記供給通路に空気を供給する二次空気供給系の異常判断装置において、前記異常判断中に前記エアポンプの温度が許容値よりも大きいと判断されるとき、前記エアポンプの温度上昇を抑制するための温度抑制処理を実行する制御手段を備えた。
【0009】
二次空気供給系での異常の有無を判断するとき、同異常がない状態にあっては、開閉弁の閉弁によって空気の流通が遮断された状態での供給通路にエアポンプの駆動により空気が供給されることから、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態で同ポンプが駆動される。このため、エアポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が通常駆動時に比べて大きくなり、エアポンプの温度上昇に繋がることとなる。こうしたエアポンプの無理な駆動が続けられて同ポンプの温度が許容値よりも大きくなると、温度抑制処理が実行されてエアポンプの温度上昇が抑制されるため、エアポンプの温度が耐熱温度を越えて上昇することに伴い同ポンプが悪影響を受けるのを抑制することができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記エアポンプの発熱源近くであって耐熱性が他の部分よりも低い部分に設けられた温度センサからの検出信号に基づき、前記エアポンプの温度が許容値よりも大きいか否かを判断するものとした。
【0011】
上記構成によれば、エアポンプの無理な駆動に伴う温度上昇によって最も影響を受けやすい部分の温度に基づき温度抑制処理が実行されるため、その部分の温度上昇によるエアポンプへの悪影響を温度抑制処理によって的確に抑制することができる。
【0012】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記エアポンプの駆動状態に基づき推定される同ポンプの温度が許容値よりも大きいか否かを判断するものとした。
【0013】
エアポンプの駆動状態から推定される同ポンプの温度が許容値よりも大である旨判断されると温度抑制処理が実行されるため、その処理を行うのに温度センサ等の部品を新たに追加する必要がない。
【0014】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記温度抑制処理として、前記開閉弁を開き側に制御するものとした。
【0015】
上記構成によれば、開閉弁が開き側に制御されることによって、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプを駆動する際の負荷が大となることもなくなって、同ポンプの温度上昇を的確に抑制することができる。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記温度抑制処理として、前記エアポンプの駆動を停止又は制限するものとした。
【0017】
上記構成によれば、エアポンプの駆動を停止すると、同ポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷がなくなる。即ち、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなる。また、エアポンプの駆動を制限すると、同ポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が低減される。このため、エアポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が大となることに伴う同ポンプの温度上昇を的確に抑制することができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記エアポンプを冷却する冷却装置を更に備え、前記制御手段は前記温度抑制処理として前記冷却装置を駆動するものとした。
【0019】
上記構成によれば、冷却装置によってエアポンプが冷却されるため、エアポンプを駆動する際の負荷が大となることに伴う同ポンプの温度上昇を的確に抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車用エンジンの二次空気供給系に適用した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0021】
図1に示されるエンジン1においては、燃料噴射弁2から噴射された燃料と吸気通路3から吸入された空気とからなる混合気が燃焼室4内で燃焼され、燃焼後の混合気が排気として排気通路5に送り出されて触媒コンバータ6で浄化されるようになる。
【0022】
また、エンジン1には、二次空気供給系として、排気通路5に接続された供給通路7と、同通路7内の空気の流通を許可又は禁止すべく開閉動作する開閉弁8と、同通路7に空気を供給する電動式のエアポンプ9とが設けられている。そして、エンジン1の冷えた状態からの始動時など、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が多くなるときには、二次空気供給系を通じて排気通路5に空気が供給される。
【0023】
即ち、開閉弁8を開いた状態でエアポンプ9が駆動され、同ポンプ9から吐出された空気が供給通路7を通って排気通路5に送り出されるようになる。このように排気通路に空気が供給されると、空気中の酸素が排気中の一酸化炭素や炭化水素と反応し、それらが二酸化炭素(CO2 )及び水(H2O )に酸化されるため、排気中の一酸化炭素や炭化水素について浄化が図られる。
【0024】
次に、二次空気供給系の異常診断装置の電気的構成を説明する。
この異常診断装置は、自動車に搭載されてエンジン1の各種運転制御を行う電子制御装置10を備えている。
【0025】
電子制御装置10は、エアポンプ9の駆動を通じて供給通路7への空気の供給を行うとともに、開閉弁8の開閉駆動を通じて供給通路7から排気通路への空気の供給を行う。
【0026】
また、電子制御装置10には、供給通路7における開閉弁8とエアポンプ9との間の部分の圧力を検出する圧力センサ12からの検出信号と、エアポンプ9の温度を検出する温度センサ11からの検出信号とが入力される。この温度センサ11は、エアポンプ9において発熱源の近くであり且つ耐熱性が他の部分よりも低い部分、例えば電磁コイル近傍の樹脂性ブラシガードに近接ように設けられ、その部分の温度を検出するようになっている。
【0027】
電子制御装置10は、例えば二次空気供給系から排気通路5に空気を供給しなくてもよいエンジン運転状況のとき、開閉弁8が開きっぱなし(閉弁異常)になったり、供給通路7からの空気漏れが生じたりするという異常の発生の有無を判断するための異常判断を行う。ここで同異常判断について図2のタイムチャートを併せ参照して説明する。
【0028】
図2(a)に示されるように異常判断が開始されると、まず供給通路7の空気の流通を禁止すべく図2(b)に示されるように開閉弁8が閉弁され、その後に図2(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動されて供給通路7への空気の供給が行われる。そして、所定時間が経過した後の供給通路7におけるエアポンプ9と開閉弁8との間の部分の圧力が正常値であるか否かが判断される。二次空気供給系に開閉弁8の閉弁異常や供給通路7からの空気漏れといった異常がある場合、供給通路7におけるエアポンプ9と開閉弁8との間の部分の圧力が低くなることから、同圧力が上記正常値よりも低いか否かに基づき上記異常発生の有無を判断することができる。そして、この異常発生の有無の判断が行われた後であって、異常判断における予め定められた実施期間が経過したときに当該異常判断が終了する。
【0029】
ところで、異常判断中であって上記異常のないときには、開閉弁8の閉弁によって空気の流通が遮断された状態の供給通路7に対し、エアポンプ9の駆動によって空気が供給されることから、エアポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態で同ポンプ9が駆動されることになる。このため、エアポンプ9を駆動する際に同ポンプ9にかかる負荷が通常運転時よりも大きくなり、エアポンプ9を駆動するための駆動電流が過大になる。こうしたエアポンプ9の無理な運転が続けられると、同ポンプ9の駆動電流が熱に変換されることに伴い、異常判断中にエアポンプ9の温度が耐熱温度を越えて上昇し、同ポンプ9が悪影響を受けるおそれがある。
【0030】
そこで本実施形態では、温度センサ11によって検出されるエアポンプ9の温度が、例えば図2(d)に破線で示される許容値よりも大きいとき、エアポンプ9の温度上昇を抑制する温度抑制処理を実行する。なお、上記許容値としては、エアポンプ9への悪影響を及ぼしかねない温度(耐熱温度)よりも所定値だけ小さい値を採用することができる。上記のように温度抑制処理を行うことで、エアポンプ9の温度上昇が抑制されるため、同ポンプ9の温度が耐熱温度を越えて上昇して同ポンプ9が悪影響を受けるのを抑制することができる。
【0031】
ここで、上記温度抑制処理の実行手順について、図3を参照して説明する。この図3は、異常判断を停止するための異常判断停止ルーチンを示すフローチャートである。この異常判断停止ルーチンは、電子制御装置10を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0032】
異常判断停止ルーチンにおいて、異常判断中であって(S101:YES)、異常判断における予め定められた実施期間が経過していないときには(S102:NO)、エアポンプ9の温度が許容値よりも大であること(S104:YES)を条件に、ステップS105の処理として温度抑制処理が実行される。即ち、ステップS105に進むと、図4に示される温度抑制処理ルーチンが実行され、開閉弁8が例えば全開状態へと開弁させられる(S201)。一方、図3の異常判断停止ルーチンにおいて、異常判断中であって(S101:YES)、異常判断における予め定められた実施期間が経過したときには(S102:YES)、異常判断が終了させられることとなる(S103)。
【0033】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)二次空気供給系の異常判断中にエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、温度抑制処理として開閉弁8が全開状態へと開弁させられる。これにより、供給通路7の空気の流通が許可され、エアポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプ9の駆動電流が大きくなることもなくなる。従って、エアポンプ9の駆動電流が大きくなることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができ、エアポンプ9の温度が図2(d)に実線で示されるように推移するようになる。その結果、エアポンプ9の温度が耐熱温度を越えて上昇し、同ポンプ9が悪影響を受けるのを抑制することができる。
【0034】
(2)エアポンプ9の温度は、同ポンプ9の無理な駆動に伴う温度上昇によって最も影響を受けやすい部分、即ち同ポンプ9の発熱源近くであり且つ耐熱性が他の部分よりも低い部分に近接するように設けられた温度センサ11によって検出される。そして、その部分の温度が許容値よりも大きくなったときに温度上昇抑制処理が行われるため、当該部分の温度上昇によるエアポンプ9への悪影響を温度抑制処理によって的確に抑制することができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図5〜図7に従って説明する。
この実施形態は、エアポンプ9の温度が許容値よりも大きいか否かを判断する際、エアポンプ9の温度を同ポンプ9の駆動状態から推定し、この推定される温度が許容値よりも大きいか否かを判断するようにしたものである。
【0036】
図5は、開閉弁8を閉弁した状態でエアポンプ9を駆動したとき、同ポンプ9の駆動電流の変化に対し、同ポンプ9の温度の推移傾向がどのように変化するかを表すグラフである。
【0037】
同図から分かるように、開閉弁8の閉弁時間の増加に伴うエアポンプ9の温度上昇率は、同ポンプ9の駆動電流が大となるほど大きなものとなる傾向がある。従って、異常判断中に開閉弁8の閉弁時間が長くなるほどエアポンプ9の温度が許容値に近づくようになるが、同ポンプ9の温度が許容値に達するのに要する開閉弁8の閉弁時間(以下、許容時間という)は、図6に示されるように同ポンプ9の駆動電流が大となるほど短くなる。
【0038】
このことから、異常判断中のエアポンプ9の駆動電流に基づき許容時間を推定することができ、開閉弁8の閉弁時間が許容時間となったときには、エアポンプ9の温度が許容値に達したと推定することができる。そして、エアポンプ9の温度が許容値に達したと推定することは、言い換えればエアポンプ9の駆動電流から推定される同ポンプ9の温度が許容値に達した旨判断したことを意味することになる。
【0039】
図7は、本実施形態の異常判断停止ルーチンを示すフローチャートである。
この異常判断停止ルーチンにおいて、異常判断中であって(S301:YES)、異常判断における予め定められた実施期間が経過していないときには(S302:NO)、エアポンプ9の駆動電流に基づき例えば予め設定されたマップを参照して許容時間が設定される(S304)。このように設定された許容時間は、図6に示されるように、エアポンプ9の駆動電流が大となるほど大きくされる。そして、異常判断の開始からの経過時間、即ち開閉弁8の閉弁時間が許容時間を経過すると(S305:YES)、エアポンプ9の駆動電流から推定される同ポンプ9の温度が許容値よりも大きくなった旨判断され、ステップS306の処理として温度抑制処理が実行される。
【0040】
本実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(3)エアポンプ9の温度が推定されて温度抑制処理が実行されるため、同処理を行うためにエアポンプ9の温度を検出する温度センサ11等を新たに追加する必要がなくなる。
【0041】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図8及び図9に従って説明する。
この実施形態では、温度抑制処理として、図8に示される温度抑制処理ルーチンが行われ、エアポンプ9が停止されることとなる(S401)。図9(a)に示されるように異常判断が開始されると、図9(b)に示されるように開閉弁8が閉弁されるとともに、図9(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動開始される。そして、異常判断中に異常がないことに伴いエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、エアポンプ9が図9(c)に示されるように停止させられることとなる。
【0042】
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)温度抑制処理としてエアポンプ9が停止させられると、同ポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプ9の駆動電流が大きくなることもなくなって、同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。その結果、エアポンプ9の温度は、図9(d)に示されるように推移する。
【0043】
(5)第1実施形態にような開閉弁8を開くという温度抑制処理では、供給通路7内の空気が不必要に排気通路5に送り出されることになるが、こうした不都合を抑制することができる。
【0044】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図10及び図11に従って説明する。
この実施形態は、温度抑制処理として、図10に示される温度抑制処理ルーチンが行われ、エアポンプ9の駆動電流が制限されることとなる(S501)。図11(a)に示されるように異常判断が開始されると、図11(b)に示されるように開閉弁8が閉弁されるとともに、図11(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動開始される。そして、異常判断中に異常がないことに伴いエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、エアポンプ9の駆動電流が図11(d)に示されるように制限される。
【0045】
本実施形態によれば、第3実施形態の(5)に記載した効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)エアポンプ9の駆動電流の制限によって同ポンプ9の駆動が制限されることにより、エアポンプ9を駆動する際に同ポンプ9にかかる負荷が低減され、その負荷が大となることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。即ち、エアポンプ9の駆動電流が低減されることにより、同駆動電流が熱に変換される量が少なくなり、同ポンプ9の温度上昇が的確に抑制されることとなる。その結果、エアポンプ9の温度は、図11(d)に示されるように推移する。
【0046】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を図12〜図14に従って説明する。
この実施形態は、温度抑制処理として、エアポンプ9を冷却するようにしたものである。本実施形態の二次空気供給系には、図12に示されるようにエアポンプ9を冷却する冷却装置13が設けられている。この冷却装置13は、電子制御装置10を通じて駆動制御されるものであって、温度抑制処理として図13に示される温度抑制処理ルーチンが行われると、電子制御装置10によって駆動されることとなる(S601)。
【0047】
図14(a)に示されるように異常判断が開始されると、図14(b)に示されるように開閉弁8が閉弁されるとともに、図14(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動開始される。そして、異常判断中に異常がないことに伴いエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、冷却装置13が図14(d)に示されるように駆動開始される。
【0048】
本実施形態では、第3実施形態の(5)に記載した効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)温度抑制処理として冷却装置13によってエアポンプ9が冷却されるため、同ポンプ9の駆動電流が大きくなることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。その結果、エアポンプ9の温度は、図14(d)に示されるように推移する。
【0049】
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1及び第2実施形態において、温度抑制処理として開閉弁8を全開状態までの開弁したが、これに代えて所定の開き側の開度へと開弁してもよい。
【0050】
・第2実施形態において、エアポンプ9の駆動電流で同ポンプ9の温度を推定する代わりに、同ポンプ9の駆動トルクに基づき推定してもよい。
・第1実施形態において、温度センサ11を設ける位置については適宜変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における二次空気供給系の異常判断装置が適用されるエンジン全体を示す略図。
【図2】(a)〜(d)は、第1実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【図3】第1実施形態の異常判断の停止手順を示すフローチャート。
【図4】第1実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図5】異常判断での開閉弁の閉弁時間の増加に伴うエアポンプの温度上昇率の変化態様をエアポンプの駆動電流の大きさに応じて示したグラフ。
【図6】異常判断でのエアポンプの駆動電流の変化に対する許容時間の変化態様を示すグラフ。
【図7】第2実施形態の異常判断の停止手順を示すフローチャート。
【図8】第3実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図9】(a)〜(d)は、第3実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【図10】第4実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図11】(a)〜(e)は、第4実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、エアポンプの駆動電流の制限態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【図12】第5実施形態の二次空気供給系を示す略図。
【図13】第5実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図14】(a)〜(e)は、第5実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、冷却装置の駆動態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…燃料噴射弁、3…吸気通路、4…燃焼室、5…排気通路、6…触媒コンバータ、7…供給通路、8…開閉弁、9…エアポンプ、10…電子制御装置(制御手段)、11…温度センサ、12…圧力センサ、13…冷却装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、冷えた状態からの始動時など、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)についての浄化を行うべく、排気通路に二次空気供給系を介して空気が供給される。こうした二次空気供給系は、排気通路に接続された供給通路と、同供給通路内の空気の流通を許可又は禁止すべく開閉する開閉弁と、供給通路に空気を供給するエアポンプとを備えている。そして、排気通路に空気を供給するときには、開閉弁を開いた状態でエアポンプが駆動される。排気通路に空気が供給されると、空気中の酸素が排気中の一酸化炭素や炭化水素と反応し、それらが二酸化炭素(CO2 )及び水(H2O )に酸化されるため、排気中の一酸化炭素や炭化水素について浄化が図られるようになる。
【0003】
ところで、二次空気供給系では、開閉弁が開きっぱなし(閉弁異常)になったり、供給通路からの空気漏れが生じたりするという異常が発生する可能性がある。こうした異常発生の有無を判断するため、開閉弁を閉弁した状態でエアポンプを駆動して供給通路に空気を供給することも考えられる(特許文献1参照)。この異常判断では、二次空気供給系に開閉弁の閉弁異常や供給通路からの空気漏れといった異常があるとき、供給通路内の圧力が正常値よりも低くなることを利用して、同圧力に基づき上記異常の有無が判断される。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−21312号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような異常判断により、開閉弁の閉弁異常や供給通路からの空気漏れといった異常が発生しているか否かを判断することはできる。ただし、上記異常のないときには、開閉弁の閉弁によって空気の流通が遮断された状態での供給通路にエアポンプの駆動により空気が供給されることから、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態で同ポンプが駆動される。このため、エアポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が通常駆動時に比べて大きくなり、エアポンプの温度上昇に繋がることとなる。
【0006】
二次空気供給系のエアポンプは排気通路に空気を供給するのに用いられるものであり、上記異常判断を行うべく開閉弁を閉弁した状態で駆動されるという稼働状況については、同ポンプにとって想定外の稼働状況ということになる。従って、この想定外の稼働状況によってエアポンプが温度上昇することについては、適切な対策が講じられておらず、当該温度上昇がエアポンプに悪影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、二次空気供給系の異常判断が行われるとき、二次空気供給系に異常がないことに伴いエアポンプの無理な運転が続けられ、同ポンプの温度が耐熱温度を越えて上昇して同ポンプが悪影響を受けるのを抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関の排気通路に接続された供給通路と、この供給通路内の空気の流通を許可又は禁止すべく開閉する開閉弁と、前記供給通路に空気を供給するエアポンプとを備える同機関の二次空気供給系に適用され、前記二次空気供給系での異常の有無を判断するために前記開閉弁を閉弁した状態で前記エアポンプを駆動して前記供給通路に空気を供給する二次空気供給系の異常判断装置において、前記異常判断中に前記エアポンプの温度が許容値よりも大きいと判断されるとき、前記エアポンプの温度上昇を抑制するための温度抑制処理を実行する制御手段を備えた。
【0009】
二次空気供給系での異常の有無を判断するとき、同異常がない状態にあっては、開閉弁の閉弁によって空気の流通が遮断された状態での供給通路にエアポンプの駆動により空気が供給されることから、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態で同ポンプが駆動される。このため、エアポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が通常駆動時に比べて大きくなり、エアポンプの温度上昇に繋がることとなる。こうしたエアポンプの無理な駆動が続けられて同ポンプの温度が許容値よりも大きくなると、温度抑制処理が実行されてエアポンプの温度上昇が抑制されるため、エアポンプの温度が耐熱温度を越えて上昇することに伴い同ポンプが悪影響を受けるのを抑制することができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記エアポンプの発熱源近くであって耐熱性が他の部分よりも低い部分に設けられた温度センサからの検出信号に基づき、前記エアポンプの温度が許容値よりも大きいか否かを判断するものとした。
【0011】
上記構成によれば、エアポンプの無理な駆動に伴う温度上昇によって最も影響を受けやすい部分の温度に基づき温度抑制処理が実行されるため、その部分の温度上昇によるエアポンプへの悪影響を温度抑制処理によって的確に抑制することができる。
【0012】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記エアポンプの駆動状態に基づき推定される同ポンプの温度が許容値よりも大きいか否かを判断するものとした。
【0013】
エアポンプの駆動状態から推定される同ポンプの温度が許容値よりも大である旨判断されると温度抑制処理が実行されるため、その処理を行うのに温度センサ等の部品を新たに追加する必要がない。
【0014】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記温度抑制処理として、前記開閉弁を開き側に制御するものとした。
【0015】
上記構成によれば、開閉弁が開き側に制御されることによって、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプを駆動する際の負荷が大となることもなくなって、同ポンプの温度上昇を的確に抑制することができる。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記温度抑制処理として、前記エアポンプの駆動を停止又は制限するものとした。
【0017】
上記構成によれば、エアポンプの駆動を停止すると、同ポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷がなくなる。即ち、エアポンプの空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなる。また、エアポンプの駆動を制限すると、同ポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が低減される。このため、エアポンプを駆動する際に同ポンプにかかる負荷が大となることに伴う同ポンプの温度上昇を的確に抑制することができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記エアポンプを冷却する冷却装置を更に備え、前記制御手段は前記温度抑制処理として前記冷却装置を駆動するものとした。
【0019】
上記構成によれば、冷却装置によってエアポンプが冷却されるため、エアポンプを駆動する際の負荷が大となることに伴う同ポンプの温度上昇を的確に抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車用エンジンの二次空気供給系に適用した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0021】
図1に示されるエンジン1においては、燃料噴射弁2から噴射された燃料と吸気通路3から吸入された空気とからなる混合気が燃焼室4内で燃焼され、燃焼後の混合気が排気として排気通路5に送り出されて触媒コンバータ6で浄化されるようになる。
【0022】
また、エンジン1には、二次空気供給系として、排気通路5に接続された供給通路7と、同通路7内の空気の流通を許可又は禁止すべく開閉動作する開閉弁8と、同通路7に空気を供給する電動式のエアポンプ9とが設けられている。そして、エンジン1の冷えた状態からの始動時など、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が多くなるときには、二次空気供給系を通じて排気通路5に空気が供給される。
【0023】
即ち、開閉弁8を開いた状態でエアポンプ9が駆動され、同ポンプ9から吐出された空気が供給通路7を通って排気通路5に送り出されるようになる。このように排気通路に空気が供給されると、空気中の酸素が排気中の一酸化炭素や炭化水素と反応し、それらが二酸化炭素(CO2 )及び水(H2O )に酸化されるため、排気中の一酸化炭素や炭化水素について浄化が図られる。
【0024】
次に、二次空気供給系の異常診断装置の電気的構成を説明する。
この異常診断装置は、自動車に搭載されてエンジン1の各種運転制御を行う電子制御装置10を備えている。
【0025】
電子制御装置10は、エアポンプ9の駆動を通じて供給通路7への空気の供給を行うとともに、開閉弁8の開閉駆動を通じて供給通路7から排気通路への空気の供給を行う。
【0026】
また、電子制御装置10には、供給通路7における開閉弁8とエアポンプ9との間の部分の圧力を検出する圧力センサ12からの検出信号と、エアポンプ9の温度を検出する温度センサ11からの検出信号とが入力される。この温度センサ11は、エアポンプ9において発熱源の近くであり且つ耐熱性が他の部分よりも低い部分、例えば電磁コイル近傍の樹脂性ブラシガードに近接ように設けられ、その部分の温度を検出するようになっている。
【0027】
電子制御装置10は、例えば二次空気供給系から排気通路5に空気を供給しなくてもよいエンジン運転状況のとき、開閉弁8が開きっぱなし(閉弁異常)になったり、供給通路7からの空気漏れが生じたりするという異常の発生の有無を判断するための異常判断を行う。ここで同異常判断について図2のタイムチャートを併せ参照して説明する。
【0028】
図2(a)に示されるように異常判断が開始されると、まず供給通路7の空気の流通を禁止すべく図2(b)に示されるように開閉弁8が閉弁され、その後に図2(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動されて供給通路7への空気の供給が行われる。そして、所定時間が経過した後の供給通路7におけるエアポンプ9と開閉弁8との間の部分の圧力が正常値であるか否かが判断される。二次空気供給系に開閉弁8の閉弁異常や供給通路7からの空気漏れといった異常がある場合、供給通路7におけるエアポンプ9と開閉弁8との間の部分の圧力が低くなることから、同圧力が上記正常値よりも低いか否かに基づき上記異常発生の有無を判断することができる。そして、この異常発生の有無の判断が行われた後であって、異常判断における予め定められた実施期間が経過したときに当該異常判断が終了する。
【0029】
ところで、異常判断中であって上記異常のないときには、開閉弁8の閉弁によって空気の流通が遮断された状態の供給通路7に対し、エアポンプ9の駆動によって空気が供給されることから、エアポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態で同ポンプ9が駆動されることになる。このため、エアポンプ9を駆動する際に同ポンプ9にかかる負荷が通常運転時よりも大きくなり、エアポンプ9を駆動するための駆動電流が過大になる。こうしたエアポンプ9の無理な運転が続けられると、同ポンプ9の駆動電流が熱に変換されることに伴い、異常判断中にエアポンプ9の温度が耐熱温度を越えて上昇し、同ポンプ9が悪影響を受けるおそれがある。
【0030】
そこで本実施形態では、温度センサ11によって検出されるエアポンプ9の温度が、例えば図2(d)に破線で示される許容値よりも大きいとき、エアポンプ9の温度上昇を抑制する温度抑制処理を実行する。なお、上記許容値としては、エアポンプ9への悪影響を及ぼしかねない温度(耐熱温度)よりも所定値だけ小さい値を採用することができる。上記のように温度抑制処理を行うことで、エアポンプ9の温度上昇が抑制されるため、同ポンプ9の温度が耐熱温度を越えて上昇して同ポンプ9が悪影響を受けるのを抑制することができる。
【0031】
ここで、上記温度抑制処理の実行手順について、図3を参照して説明する。この図3は、異常判断を停止するための異常判断停止ルーチンを示すフローチャートである。この異常判断停止ルーチンは、電子制御装置10を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
【0032】
異常判断停止ルーチンにおいて、異常判断中であって(S101:YES)、異常判断における予め定められた実施期間が経過していないときには(S102:NO)、エアポンプ9の温度が許容値よりも大であること(S104:YES)を条件に、ステップS105の処理として温度抑制処理が実行される。即ち、ステップS105に進むと、図4に示される温度抑制処理ルーチンが実行され、開閉弁8が例えば全開状態へと開弁させられる(S201)。一方、図3の異常判断停止ルーチンにおいて、異常判断中であって(S101:YES)、異常判断における予め定められた実施期間が経過したときには(S102:YES)、異常判断が終了させられることとなる(S103)。
【0033】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)二次空気供給系の異常判断中にエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、温度抑制処理として開閉弁8が全開状態へと開弁させられる。これにより、供給通路7の空気の流通が許可され、エアポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプ9の駆動電流が大きくなることもなくなる。従って、エアポンプ9の駆動電流が大きくなることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができ、エアポンプ9の温度が図2(d)に実線で示されるように推移するようになる。その結果、エアポンプ9の温度が耐熱温度を越えて上昇し、同ポンプ9が悪影響を受けるのを抑制することができる。
【0034】
(2)エアポンプ9の温度は、同ポンプ9の無理な駆動に伴う温度上昇によって最も影響を受けやすい部分、即ち同ポンプ9の発熱源近くであり且つ耐熱性が他の部分よりも低い部分に近接するように設けられた温度センサ11によって検出される。そして、その部分の温度が許容値よりも大きくなったときに温度上昇抑制処理が行われるため、当該部分の温度上昇によるエアポンプ9への悪影響を温度抑制処理によって的確に抑制することができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図5〜図7に従って説明する。
この実施形態は、エアポンプ9の温度が許容値よりも大きいか否かを判断する際、エアポンプ9の温度を同ポンプ9の駆動状態から推定し、この推定される温度が許容値よりも大きいか否かを判断するようにしたものである。
【0036】
図5は、開閉弁8を閉弁した状態でエアポンプ9を駆動したとき、同ポンプ9の駆動電流の変化に対し、同ポンプ9の温度の推移傾向がどのように変化するかを表すグラフである。
【0037】
同図から分かるように、開閉弁8の閉弁時間の増加に伴うエアポンプ9の温度上昇率は、同ポンプ9の駆動電流が大となるほど大きなものとなる傾向がある。従って、異常判断中に開閉弁8の閉弁時間が長くなるほどエアポンプ9の温度が許容値に近づくようになるが、同ポンプ9の温度が許容値に達するのに要する開閉弁8の閉弁時間(以下、許容時間という)は、図6に示されるように同ポンプ9の駆動電流が大となるほど短くなる。
【0038】
このことから、異常判断中のエアポンプ9の駆動電流に基づき許容時間を推定することができ、開閉弁8の閉弁時間が許容時間となったときには、エアポンプ9の温度が許容値に達したと推定することができる。そして、エアポンプ9の温度が許容値に達したと推定することは、言い換えればエアポンプ9の駆動電流から推定される同ポンプ9の温度が許容値に達した旨判断したことを意味することになる。
【0039】
図7は、本実施形態の異常判断停止ルーチンを示すフローチャートである。
この異常判断停止ルーチンにおいて、異常判断中であって(S301:YES)、異常判断における予め定められた実施期間が経過していないときには(S302:NO)、エアポンプ9の駆動電流に基づき例えば予め設定されたマップを参照して許容時間が設定される(S304)。このように設定された許容時間は、図6に示されるように、エアポンプ9の駆動電流が大となるほど大きくされる。そして、異常判断の開始からの経過時間、即ち開閉弁8の閉弁時間が許容時間を経過すると(S305:YES)、エアポンプ9の駆動電流から推定される同ポンプ9の温度が許容値よりも大きくなった旨判断され、ステップS306の処理として温度抑制処理が実行される。
【0040】
本実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(3)エアポンプ9の温度が推定されて温度抑制処理が実行されるため、同処理を行うためにエアポンプ9の温度を検出する温度センサ11等を新たに追加する必要がなくなる。
【0041】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図8及び図9に従って説明する。
この実施形態では、温度抑制処理として、図8に示される温度抑制処理ルーチンが行われ、エアポンプ9が停止されることとなる(S401)。図9(a)に示されるように異常判断が開始されると、図9(b)に示されるように開閉弁8が閉弁されるとともに、図9(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動開始される。そして、異常判断中に異常がないことに伴いエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、エアポンプ9が図9(c)に示されるように停止させられることとなる。
【0042】
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)温度抑制処理としてエアポンプ9が停止させられると、同ポンプ9の空気吐出抵抗が大となった状態での無理な運転が行われなくなるため、その無理な運転に伴い同ポンプ9の駆動電流が大きくなることもなくなって、同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。その結果、エアポンプ9の温度は、図9(d)に示されるように推移する。
【0043】
(5)第1実施形態にような開閉弁8を開くという温度抑制処理では、供給通路7内の空気が不必要に排気通路5に送り出されることになるが、こうした不都合を抑制することができる。
【0044】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図10及び図11に従って説明する。
この実施形態は、温度抑制処理として、図10に示される温度抑制処理ルーチンが行われ、エアポンプ9の駆動電流が制限されることとなる(S501)。図11(a)に示されるように異常判断が開始されると、図11(b)に示されるように開閉弁8が閉弁されるとともに、図11(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動開始される。そして、異常判断中に異常がないことに伴いエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、エアポンプ9の駆動電流が図11(d)に示されるように制限される。
【0045】
本実施形態によれば、第3実施形態の(5)に記載した効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)エアポンプ9の駆動電流の制限によって同ポンプ9の駆動が制限されることにより、エアポンプ9を駆動する際に同ポンプ9にかかる負荷が低減され、その負荷が大となることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。即ち、エアポンプ9の駆動電流が低減されることにより、同駆動電流が熱に変換される量が少なくなり、同ポンプ9の温度上昇が的確に抑制されることとなる。その結果、エアポンプ9の温度は、図11(d)に示されるように推移する。
【0046】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を図12〜図14に従って説明する。
この実施形態は、温度抑制処理として、エアポンプ9を冷却するようにしたものである。本実施形態の二次空気供給系には、図12に示されるようにエアポンプ9を冷却する冷却装置13が設けられている。この冷却装置13は、電子制御装置10を通じて駆動制御されるものであって、温度抑制処理として図13に示される温度抑制処理ルーチンが行われると、電子制御装置10によって駆動されることとなる(S601)。
【0047】
図14(a)に示されるように異常判断が開始されると、図14(b)に示されるように開閉弁8が閉弁されるとともに、図14(c)に示されるようにエアポンプ9が駆動開始される。そして、異常判断中に異常がないことに伴いエアポンプ9の温度が許容値よりも大きくなると、冷却装置13が図14(d)に示されるように駆動開始される。
【0048】
本実施形態では、第3実施形態の(5)に記載した効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)温度抑制処理として冷却装置13によってエアポンプ9が冷却されるため、同ポンプ9の駆動電流が大きくなることに伴う同ポンプ9の温度上昇を的確に抑制することができる。その結果、エアポンプ9の温度は、図14(d)に示されるように推移する。
【0049】
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1及び第2実施形態において、温度抑制処理として開閉弁8を全開状態までの開弁したが、これに代えて所定の開き側の開度へと開弁してもよい。
【0050】
・第2実施形態において、エアポンプ9の駆動電流で同ポンプ9の温度を推定する代わりに、同ポンプ9の駆動トルクに基づき推定してもよい。
・第1実施形態において、温度センサ11を設ける位置については適宜変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における二次空気供給系の異常判断装置が適用されるエンジン全体を示す略図。
【図2】(a)〜(d)は、第1実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【図3】第1実施形態の異常判断の停止手順を示すフローチャート。
【図4】第1実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図5】異常判断での開閉弁の閉弁時間の増加に伴うエアポンプの温度上昇率の変化態様をエアポンプの駆動電流の大きさに応じて示したグラフ。
【図6】異常判断でのエアポンプの駆動電流の変化に対する許容時間の変化態様を示すグラフ。
【図7】第2実施形態の異常判断の停止手順を示すフローチャート。
【図8】第3実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図9】(a)〜(d)は、第3実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【図10】第4実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図11】(a)〜(e)は、第4実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、エアポンプの駆動電流の制限態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【図12】第5実施形態の二次空気供給系を示す略図。
【図13】第5実施形態の温度抑制処理の実行手順を示すフローチャート。
【図14】(a)〜(e)は、第5実施形態における異常判断の実行に伴う開閉弁の開閉態様、エアポンプの駆動態様、冷却装置の駆動態様、及びエアポンプの温度上昇態様を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…燃料噴射弁、3…吸気通路、4…燃焼室、5…排気通路、6…触媒コンバータ、7…供給通路、8…開閉弁、9…エアポンプ、10…電子制御装置(制御手段)、11…温度センサ、12…圧力センサ、13…冷却装置。
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路に接続された供給通路と、この供給通路内の空気の流通を許可又は禁止すべく開閉する開閉弁と、前記供給通路に空気を供給するエアポンプとを備える同機関の二次空気供給系に適用され、前記二次空気供給系での異常の有無を判断するために前記開閉弁を閉弁した状態で前記エアポンプを駆動して前記供給通路に空気を供給する二次空気供給系の異常判断装置において、
前記異常判断中に前記エアポンプの温度が許容値よりも大きいと判断されるとき、前記エアポンプの温度上昇を抑制するための温度抑制処理を実行する制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置。 - 前記制御手段は、前記エアポンプの発熱源近くであって耐熱性が他の部分よりも低い部分に設けられた温度センサからの検出信号に基づき、前記エアポンプの温度が許容値よりも大きいか否かを判断する
請求項1記載の内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置。 - 前記制御手段は、前記エアポンプの駆動状態に基づき推定される同ポンプの温度が許容値よりも大きいか否かを判断する
請求項1記載の内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置。 - 前記制御手段は、前記温度抑制処理として、前記開閉弁を開き側に制御する
請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置。 - 前記制御手段は、前記温度抑制処理として、前記エアポンプの駆動を停止又は制限する
請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置において、
前記エアポンプを冷却する冷却装置を更に備え、前記制御手段は前記温度抑制処理として前記冷却装置を駆動する
ことを特徴とする内燃機関における二次空気供給系の異常判断装置。
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