JP2004293099A - 板ガラスの支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で、ガラス壁面の面外方向の層間変位に追従できる、リブ板ガラスを用いた板ガラスの支持構造を提供すること。
【解決手段】リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5が垂直方向に並ぶように穿設され、支持部材7には、貫通孔5、5に対峙するように2個の貫通孔11、11aが穿設されている。リブ板ガラス3と支持部材7の対応する貫通孔には、挿通部材(不図示)が挿通され、リブ板ガラス3と支持部材7とが緊結されている。ここで、貫通孔11、11aのうち、上側に位置する貫通孔11aは、挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔とされている。一方、貫通孔5、5、および貫通孔11は、挿通部材の径と略同径とされている。
【選択図】図1
【解決手段】リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5が垂直方向に並ぶように穿設され、支持部材7には、貫通孔5、5に対峙するように2個の貫通孔11、11aが穿設されている。リブ板ガラス3と支持部材7の対応する貫通孔には、挿通部材(不図示)が挿通され、リブ板ガラス3と支持部材7とが緊結されている。ここで、貫通孔11、11aのうち、上側に位置する貫通孔11aは、挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔とされている。一方、貫通孔5、5、および貫通孔11は、挿通部材の径と略同径とされている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は板ガラスの支持構造に関わり、特に複数枚の板ガラスを隣り合うように突き合わせてガラス壁面を構成する板ガラスの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カーテンウォール構法などの外壁構法により、板ガラスを建築物の躯体に支持させて、ガラス壁面を構築する例が、採光、視界の良好さなどの点から増加している。
【0003】
従来の板ガラスの支持構造の一例を図14〜17に示す。図14は従来の板ガラスの支持構造の斜視図、図15は図14の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図、図16は図14の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図、図17は図14の板ガラスの支持構造におけるリブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図である。
【0004】
この例では、直立した複数枚の板ガラス1、1、…の対向する上下辺を建築物の躯体に固定された上下の支持枠(サッシ枠)12によって支持し、隣り合う板ガラス1、1の非支持辺どうしを突き合わせて、建築物の室内A側と室外B側とを仕切るガラス壁面2を構成している。板ガラス1の室内A側には、板ガラス1に対して直交し、かつ、隣り合う板ガラス1、1の目地部(突き合わせ部)の上側寄り部分に沿うようにリブ板ガラス3が配置されている。隣接する板ガラス1、1の間、および板ガラス1とリブ板ガラス3との間には、シーリング材4が充填され、シーリング材4によって板ガラス1とリブ板ガラス3とが相互に接着されている。
【0005】
リブ板ガラス3の上部付近には、建築物の躯体6に固定された支持部材7が、緩衝材8を介してリブ板ガラス3を挟んで対向している。支持部材7のフランジ部9には、貫通孔10が穿設されており、貫通孔10を挿通するボルト(図示せず)によって建築物の躯体6に固定されている。また、リブ板ガラス3は、リブ板ガラス3の貫通孔5ならびに貫通孔5に対峙するように穿設された支持部材7の貫通孔11に挿通されるピンやボルトなどの挿通部材(図示せず)によって、支持部材7に緊結され、建築物の躯体6に固定されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、躯体の天井と床との間にリブガラスを立設し、このリブガラスの一側辺に面ガラスを該リブガラスと直交方向に取り付けた施工構造が開示されている。該リブガラスの上端部には金属製フレームが冠着され、ボルトを該フレームおよびガラスに串通して螺着し、該フレームと躯体天井に固着されたピンプレートとをボルトで螺着することで、該リブガラスを躯体に固定している。
【0007】
【特許文献1】
実開昭63−132008号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の板ガラスの支持構造では、リブ板ガラス3の上端部は複数の貫通孔5、5、…に挿通される不図示のピンやボルトなどの挿通部材により支持されているため、建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向(板ガラス1の板厚方向)の層間変位を受ける際、板ガラス1の上端部とリブ板ガラス3の上端部において、挿通部材を回転中心とした回転方向の変位が拘束されてしまう。そのため、ガラス壁面2の面外方向(板ガラス1の板厚方向)の層間変位に追従できず、板ガラス1とリブ板ガラス3との間のシーリング材4の破損や板ガラス1の損傷が生じることが懸念される。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造で、ガラス壁面の面外方向の層間変位に追従できる、リブ板ガラスを用いた板ガラスの支持構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、板ガラスの対向する2辺をサッシ枠に支持し、隣り合う板ガラスの非支持辺どうしを突き合わせてガラス壁面を構成し、隣り合う板ガラスどうしの間の目地部にこれら板ガラスと直交しかつ目地部に沿う方向にリブ板ガラスを配設し、リブ板ガラスの板厚方向に貫通するn個(ただしnは2以上の自然数)の貫通孔をリブ板ガラスに穿設し、リブ板ガラスの貫通孔に対峙するように穿設されたn個の貫通孔を有する支持部材とリブ板ガラスとを、それぞれの対峙する貫通孔に挿通される挿通部材で緊結した板ガラスの支持構造において、リブ板ガラスに穿設されたn個の貫通孔と支持部材に穿設された貫通孔のうちの1個とを挿通部材と略同径とし、支持部材に穿設された貫通孔のうちの残る(n−1)個を挿通部材より大径とすることを特徴とする板ガラスの支持構造を提供する。
【0011】
また、本発明は、板ガラスの対向する2辺をサッシ枠に支持し、隣り合う板ガラスの非支持辺どうしを突き合わせてガラス壁面を構成し、隣り合う板ガラスどうしの間の目地部にこれら板ガラスと直交しかつ目地部に沿う方向にリブ板ガラスを配設し、リブ板ガラスの板厚方向に貫通するn個(ただしnは2以上の自然数)の貫通孔をリブ板ガラスに穿設し、リブ板ガラスの貫通孔に対峙するように穿設されたn個の貫通孔を有する支持部材とリブ板ガラスとを、それぞれの対峙する貫通孔に挿通される挿通部材で緊結した板ガラスの支持構造において、リブ板ガラスに穿設された貫通孔のうちの1個と支持部材に穿設されたn個の貫通孔とを挿通部材と略同径とし、リブ板ガラスに穿設された貫通孔のうちの残る(n−1)個を挿通部材より大径とすることを特徴とする板ガラスの支持構造を提供する。
【0012】
本発明の板ガラスの支持構造によれば、支持部材またはリブ板ガラスの(n−1)個の貫通孔を挿通部材より大径としているので、ガラス壁面が面外方向の層間変位を受けた場合、挿通部材と略同径とした支持部材またはリブ板ガラスの1個の貫通孔に挿通される挿通部材を回転中心としたリブ板ガラスの微小な回転方向の変位が許容され、ガラス壁面の面外方向の層間変位に追従できる板ガラスの支持構造が得られる。
【0013】
なお、リブ板ガラスは、ガラス壁面を構成する板ガラスの高さ方向で下端から上端までの全高さに亘って設けられる場合と、上側寄り部分にのみ設けられる場合とがあるが、前者の場合にはリブ板ガラスの上下端がサッシ枠によって支持されたり、上下端それぞれにおいて単一の挿通部材のみで固定されることが多い。したがって本発明は、上側寄り部分にのみリブ板ガラスが設けられる場合に用いるのが、特に好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る板ガラスの支持構造の好ましい実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
本発明の板ガラスの支持構造の実施の形態の一例を図1〜4に示す。図1は本発明の板ガラスの支持構造の斜視図、図2は図1の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図、図3は図1の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図、図4は図1の板ガラスの支持構造におけるリブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図である。
【0016】
なお、これ以降、図14〜図17に示した例と同一または類似の部材については同一の符号を付して説明する。
【0017】
この実施の形態では、直立した複数枚の板ガラス1、1、…の対向する上下横辺を支持枠12によって支持し、隣り合う板ガラス1、1、…の非支持辺である縦辺どうしを突き合わせてガラス壁面2を構成している。隣り合う板ガラス1、1間の目地部(突き合わせ部)には、シーリング材4が充填されて接着され、これらの板ガラス1、1と直交する方向に立設されるリブ板ガラス3の一側端もシーリング材4で同様に接着されている。また、リブ板ガラス3の上部両面には、緩衝材8を介してリブ板ガラス3を支持する支持部材7を配置している。支持部材7のフランジ部9には、支持部材7を建築物の躯体6に固定するための貫通孔10が穿設され、挿通部材(不図示)により躯体6に固定されている。
【0018】
リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5が垂直方向に並ぶように穿設されている。支持部材7には、リブ板ガラス3の貫通孔5、5に対峙するように2個の貫通孔11、11aが穿設されており、リブ板ガラス3と支持部材7の対応する貫通孔には、ピンやボルトなどの挿通部材(不図示)が挿通され、リブ板ガラス3と支持部材7とが緊結されている。
【0019】
ここで、支持部材7に穿設された貫通孔11、11aのうち、上側に位置している貫通孔11aは、不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施されている。一方、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5、5、および支持部材7に穿設された貫通孔11は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、支持部材7の上側の貫通孔11aが水平方向を長径とする長孔となっているので、リブ板ガラス3が下側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0020】
また、支持部材に穿設される貫通孔11aの形状を長軸方向に最大径を有する長孔のかわりに、全方向に等しく大径とされた真円としてもよい。
【0021】
なお、強度上の理由や安全上の配慮からリブ板ガラスを合わせガラスとしてもよい。
【0022】
他の実施の形態を図5〜8に示す。図5はこの実施の形態の板ガラスの支持構造の斜視図、図6は図5の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図、図7は図5の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図、図8は図5の板ガラスの支持構造におけるリブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図である。
【0023】
この実施の形態では、リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5aが垂直方向に並ぶように穿設されている。支持部材7には、リブ板ガラス3の貫通孔5、5aに対峙するように2個の貫通孔11、11が穿設されており、リブ板ガラス3と支持部材7の対応する貫通孔には、ピンやボルトなどの挿通部材(不図示)が挿通され、リブ板ガラス3と支持部材7とが緊結されている。
【0024】
ここで、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5、5aのうち、上側に位置している貫通孔5aは、不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施されている。一方、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5、および支持部材7に穿設された貫通孔11、11は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラス3の上側の貫通孔5aが水平方向を長径とする長孔となっているので、リブ板ガラス3が下側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0025】
本例では、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5aを長孔としたが、実際は、微小な変位を許容できればよいので、貫通孔5aは挿通部材径を上回る大きな真円としてもよい。また、貫通孔5aを真円とすれば、リブ板ガラス3の貫通孔5aの孔加工も容易である。
【0026】
なお、図5〜図8に示す板ガラスの支持構造において、その他の構成は図1〜図4の例と同様である。
【0027】
図9、図10は本発明の板ガラスの支持構造のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【0028】
図9に示す板ガラスの支持構造では、リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5が水平方向に並ぶように穿設されている。その他の構成は、支持部材7に穿設された1個の貫通孔11aに、不図示の挿通部材の直径より大きな長径を垂直方向に配した長孔加工が施されているほか、図1〜図4に示す例と同様である。したがって、支持部材7の1個の貫通孔11aが垂直方向を長径とする長孔となっているため、建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラス3が板ガラス1側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0029】
同様に、図10に示す板ガラスの支持構造では、リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5aが水平方向に並ぶように穿設されている。その他の構成は、リブ板ガラス3に穿設された1個の貫通孔5aに、不図示の挿通部材の径より大きな長径を垂直方向に配した長孔加工が施されているほか、図5〜図8に示す例と同様である。したがって、リブ板ガラス3の1個の貫通孔5aが垂直方向を長径とする長孔となっているため、建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラス3が板ガラス1側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、本発明の板ガラスの支持構造の具体的な構成は上述した実施の形態のみに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えうる。
【0031】
すなわち、図1〜10において、リブ板ガラス3に穿設される貫通孔5および支持部材7に穿設される貫通孔11をそれぞれ2個としているが、貫通孔5および貫通孔11を2個以上のn個ずつとし、リブ板ガラス3に穿設される長孔5aまたは支持部材7に穿設される長孔11aを(n−1)個としてもよい。
【0032】
図11は、リブ板ガラス3および支持部材7のそれぞれに、垂直方向に並ぶように3個の貫通孔を穿設した例である。
【0033】
この例では、支持部材7に穿設された3個の貫通孔のうち、上側および下側に位置する2個の貫通孔11a,11aに、不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施し、上下方向で中央に設けられた残る1個の貫通孔11、およびリブ板ガラス3に穿設された貫通孔5,5,5は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。
【0034】
これにより、リブ板ガラス3が上下方向で中央に設けられた貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することができ、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0035】
同様に、図12は、リブ板ガラス3および支持部材7のそれぞれに、垂直方向および水平方向に2列ずつ合計4個の貫通孔を穿設した例である。
【0036】
この例では、支持部材7に穿設された4個の貫通孔のうち、板ガラス1側寄りかつ下側に位置する1個の貫通孔11、およびリブ板ガラス3に穿設された4個の貫通孔5,5,5,5は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。一方、支持部材7に穿設された残る3個の貫通孔のうち、板ガラス1側寄りかつ上側の貫通孔11aは不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施され、室内A側寄りかつ下側の貫通孔11aは不図示の挿通部材の径より大きな長径を垂直方向に配した長孔加工が施され、室内A側寄りかつ上側の貫通孔11aは不図示の挿通部材径を上回る大きな真円とされている。
【0037】
これにより、リブ板ガラス3が板ガラス1側寄りかつ下側に位置する貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0038】
また、ガラス壁面2(板ガラス1)の面外方向の層間変位を受ける際にリブ板ガラス3の回転中心となる不図示の挿通部材と略同径の貫通孔5(貫通孔11)は、図1〜図10に示す位置でなくてもよい。例えば、図1において、支持部材7の上側の貫通孔を不図示の挿通部材と略同径の真円とし、下側の貫通孔を水平方向を長径とする長孔としてもよい。
【0039】
なお、少なくとも1つの大径孔が挿通部材と略同径の貫通孔に対して、室内側(板ガラス1側と反対の側)および/または上側に位置するように設けられることが好ましい。
【0040】
また、本発明は、図13に示すようにリブ板ガラス3と板ガラス1とが、金属部品13を用いて固定されている場合でも同様の効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構造でありながら、建築物の躯体が地震力等によりガラス壁面(板ガラス)の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラスが回転方向に変位することにより、ガラス壁面の面外方向の層間変位に追従できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板ガラスの支持構造の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図。
【図3】図1の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図。
【図4】図1の板ガラスの支持構造における、リブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図。
【図5】本発明の板ガラスの支持構造の他の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図6】図5の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図。
【図7】図5の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図。
【図8】図5の板ガラスの支持構造における、リブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図。
【図9】本発明の板ガラスの支持構造の他の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図10】本発明の板ガラスの支持構造の他の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図11】本発明の板ガラスの支持構造で貫通孔を3個とした実施の形態の一例を示す斜視図。
【図12】本発明の板ガラスの支持構造で貫通孔を4個とした実施の形態の一例を示す斜視図。
【図13】本発明の板ガラスの支持構造でリブ板ガラスと板ガラスとを金属部品を用いて固定した実施の形態の一例を示す斜視図。
【図14】従来の板ガラスの支持構造の一例を示す斜視図。
【図15】図14の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図。
【図16】図14の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図。
【図17】図14の板ガラスの支持構造における、リブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1:板ガラス
2:ガラス壁面
3:リブ板ガラス
4:シーリング材
5:リブ板ガラスの貫通孔
5a:長孔加工を施したリブ板ガラスの貫通孔
6:建築物の躯体
7:支持部材
8:緩衝材
9:支持部材のフランジ部
10:フランジ部の貫通孔
11:支持部材の貫通孔
11a:長孔加工を施した支持部材の貫通孔
12:支持枠
13:金属部品
【発明の属する技術分野】
本発明は板ガラスの支持構造に関わり、特に複数枚の板ガラスを隣り合うように突き合わせてガラス壁面を構成する板ガラスの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カーテンウォール構法などの外壁構法により、板ガラスを建築物の躯体に支持させて、ガラス壁面を構築する例が、採光、視界の良好さなどの点から増加している。
【0003】
従来の板ガラスの支持構造の一例を図14〜17に示す。図14は従来の板ガラスの支持構造の斜視図、図15は図14の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図、図16は図14の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図、図17は図14の板ガラスの支持構造におけるリブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図である。
【0004】
この例では、直立した複数枚の板ガラス1、1、…の対向する上下辺を建築物の躯体に固定された上下の支持枠(サッシ枠)12によって支持し、隣り合う板ガラス1、1の非支持辺どうしを突き合わせて、建築物の室内A側と室外B側とを仕切るガラス壁面2を構成している。板ガラス1の室内A側には、板ガラス1に対して直交し、かつ、隣り合う板ガラス1、1の目地部(突き合わせ部)の上側寄り部分に沿うようにリブ板ガラス3が配置されている。隣接する板ガラス1、1の間、および板ガラス1とリブ板ガラス3との間には、シーリング材4が充填され、シーリング材4によって板ガラス1とリブ板ガラス3とが相互に接着されている。
【0005】
リブ板ガラス3の上部付近には、建築物の躯体6に固定された支持部材7が、緩衝材8を介してリブ板ガラス3を挟んで対向している。支持部材7のフランジ部9には、貫通孔10が穿設されており、貫通孔10を挿通するボルト(図示せず)によって建築物の躯体6に固定されている。また、リブ板ガラス3は、リブ板ガラス3の貫通孔5ならびに貫通孔5に対峙するように穿設された支持部材7の貫通孔11に挿通されるピンやボルトなどの挿通部材(図示せず)によって、支持部材7に緊結され、建築物の躯体6に固定されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、躯体の天井と床との間にリブガラスを立設し、このリブガラスの一側辺に面ガラスを該リブガラスと直交方向に取り付けた施工構造が開示されている。該リブガラスの上端部には金属製フレームが冠着され、ボルトを該フレームおよびガラスに串通して螺着し、該フレームと躯体天井に固着されたピンプレートとをボルトで螺着することで、該リブガラスを躯体に固定している。
【0007】
【特許文献1】
実開昭63−132008号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の板ガラスの支持構造では、リブ板ガラス3の上端部は複数の貫通孔5、5、…に挿通される不図示のピンやボルトなどの挿通部材により支持されているため、建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向(板ガラス1の板厚方向)の層間変位を受ける際、板ガラス1の上端部とリブ板ガラス3の上端部において、挿通部材を回転中心とした回転方向の変位が拘束されてしまう。そのため、ガラス壁面2の面外方向(板ガラス1の板厚方向)の層間変位に追従できず、板ガラス1とリブ板ガラス3との間のシーリング材4の破損や板ガラス1の損傷が生じることが懸念される。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造で、ガラス壁面の面外方向の層間変位に追従できる、リブ板ガラスを用いた板ガラスの支持構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、板ガラスの対向する2辺をサッシ枠に支持し、隣り合う板ガラスの非支持辺どうしを突き合わせてガラス壁面を構成し、隣り合う板ガラスどうしの間の目地部にこれら板ガラスと直交しかつ目地部に沿う方向にリブ板ガラスを配設し、リブ板ガラスの板厚方向に貫通するn個(ただしnは2以上の自然数)の貫通孔をリブ板ガラスに穿設し、リブ板ガラスの貫通孔に対峙するように穿設されたn個の貫通孔を有する支持部材とリブ板ガラスとを、それぞれの対峙する貫通孔に挿通される挿通部材で緊結した板ガラスの支持構造において、リブ板ガラスに穿設されたn個の貫通孔と支持部材に穿設された貫通孔のうちの1個とを挿通部材と略同径とし、支持部材に穿設された貫通孔のうちの残る(n−1)個を挿通部材より大径とすることを特徴とする板ガラスの支持構造を提供する。
【0011】
また、本発明は、板ガラスの対向する2辺をサッシ枠に支持し、隣り合う板ガラスの非支持辺どうしを突き合わせてガラス壁面を構成し、隣り合う板ガラスどうしの間の目地部にこれら板ガラスと直交しかつ目地部に沿う方向にリブ板ガラスを配設し、リブ板ガラスの板厚方向に貫通するn個(ただしnは2以上の自然数)の貫通孔をリブ板ガラスに穿設し、リブ板ガラスの貫通孔に対峙するように穿設されたn個の貫通孔を有する支持部材とリブ板ガラスとを、それぞれの対峙する貫通孔に挿通される挿通部材で緊結した板ガラスの支持構造において、リブ板ガラスに穿設された貫通孔のうちの1個と支持部材に穿設されたn個の貫通孔とを挿通部材と略同径とし、リブ板ガラスに穿設された貫通孔のうちの残る(n−1)個を挿通部材より大径とすることを特徴とする板ガラスの支持構造を提供する。
【0012】
本発明の板ガラスの支持構造によれば、支持部材またはリブ板ガラスの(n−1)個の貫通孔を挿通部材より大径としているので、ガラス壁面が面外方向の層間変位を受けた場合、挿通部材と略同径とした支持部材またはリブ板ガラスの1個の貫通孔に挿通される挿通部材を回転中心としたリブ板ガラスの微小な回転方向の変位が許容され、ガラス壁面の面外方向の層間変位に追従できる板ガラスの支持構造が得られる。
【0013】
なお、リブ板ガラスは、ガラス壁面を構成する板ガラスの高さ方向で下端から上端までの全高さに亘って設けられる場合と、上側寄り部分にのみ設けられる場合とがあるが、前者の場合にはリブ板ガラスの上下端がサッシ枠によって支持されたり、上下端それぞれにおいて単一の挿通部材のみで固定されることが多い。したがって本発明は、上側寄り部分にのみリブ板ガラスが設けられる場合に用いるのが、特に好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る板ガラスの支持構造の好ましい実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
本発明の板ガラスの支持構造の実施の形態の一例を図1〜4に示す。図1は本発明の板ガラスの支持構造の斜視図、図2は図1の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図、図3は図1の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図、図4は図1の板ガラスの支持構造におけるリブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図である。
【0016】
なお、これ以降、図14〜図17に示した例と同一または類似の部材については同一の符号を付して説明する。
【0017】
この実施の形態では、直立した複数枚の板ガラス1、1、…の対向する上下横辺を支持枠12によって支持し、隣り合う板ガラス1、1、…の非支持辺である縦辺どうしを突き合わせてガラス壁面2を構成している。隣り合う板ガラス1、1間の目地部(突き合わせ部)には、シーリング材4が充填されて接着され、これらの板ガラス1、1と直交する方向に立設されるリブ板ガラス3の一側端もシーリング材4で同様に接着されている。また、リブ板ガラス3の上部両面には、緩衝材8を介してリブ板ガラス3を支持する支持部材7を配置している。支持部材7のフランジ部9には、支持部材7を建築物の躯体6に固定するための貫通孔10が穿設され、挿通部材(不図示)により躯体6に固定されている。
【0018】
リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5が垂直方向に並ぶように穿設されている。支持部材7には、リブ板ガラス3の貫通孔5、5に対峙するように2個の貫通孔11、11aが穿設されており、リブ板ガラス3と支持部材7の対応する貫通孔には、ピンやボルトなどの挿通部材(不図示)が挿通され、リブ板ガラス3と支持部材7とが緊結されている。
【0019】
ここで、支持部材7に穿設された貫通孔11、11aのうち、上側に位置している貫通孔11aは、不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施されている。一方、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5、5、および支持部材7に穿設された貫通孔11は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、支持部材7の上側の貫通孔11aが水平方向を長径とする長孔となっているので、リブ板ガラス3が下側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0020】
また、支持部材に穿設される貫通孔11aの形状を長軸方向に最大径を有する長孔のかわりに、全方向に等しく大径とされた真円としてもよい。
【0021】
なお、強度上の理由や安全上の配慮からリブ板ガラスを合わせガラスとしてもよい。
【0022】
他の実施の形態を図5〜8に示す。図5はこの実施の形態の板ガラスの支持構造の斜視図、図6は図5の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図、図7は図5の板ガラスの支持構造における建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図、図8は図5の板ガラスの支持構造におけるリブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図である。
【0023】
この実施の形態では、リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5aが垂直方向に並ぶように穿設されている。支持部材7には、リブ板ガラス3の貫通孔5、5aに対峙するように2個の貫通孔11、11が穿設されており、リブ板ガラス3と支持部材7の対応する貫通孔には、ピンやボルトなどの挿通部材(不図示)が挿通され、リブ板ガラス3と支持部材7とが緊結されている。
【0024】
ここで、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5、5aのうち、上側に位置している貫通孔5aは、不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施されている。一方、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5、および支持部材7に穿設された貫通孔11、11は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラス3の上側の貫通孔5aが水平方向を長径とする長孔となっているので、リブ板ガラス3が下側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0025】
本例では、リブ板ガラス3に穿設された貫通孔5aを長孔としたが、実際は、微小な変位を許容できればよいので、貫通孔5aは挿通部材径を上回る大きな真円としてもよい。また、貫通孔5aを真円とすれば、リブ板ガラス3の貫通孔5aの孔加工も容易である。
【0026】
なお、図5〜図8に示す板ガラスの支持構造において、その他の構成は図1〜図4の例と同様である。
【0027】
図9、図10は本発明の板ガラスの支持構造のさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【0028】
図9に示す板ガラスの支持構造では、リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5が水平方向に並ぶように穿設されている。その他の構成は、支持部材7に穿設された1個の貫通孔11aに、不図示の挿通部材の直径より大きな長径を垂直方向に配した長孔加工が施されているほか、図1〜図4に示す例と同様である。したがって、支持部材7の1個の貫通孔11aが垂直方向を長径とする長孔となっているため、建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラス3が板ガラス1側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0029】
同様に、図10に示す板ガラスの支持構造では、リブ板ガラス3には、リブ板ガラス3の板厚方向に貫通する2個の貫通孔5、5aが水平方向に並ぶように穿設されている。その他の構成は、リブ板ガラス3に穿設された1個の貫通孔5aに、不図示の挿通部材の径より大きな長径を垂直方向に配した長孔加工が施されているほか、図5〜図8に示す例と同様である。したがって、リブ板ガラス3の1個の貫通孔5aが垂直方向を長径とする長孔となっているため、建築物の躯体6が地震力等によりガラス壁面2の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラス3が板ガラス1側の貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、本発明の板ガラスの支持構造の具体的な構成は上述した実施の形態のみに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えうる。
【0031】
すなわち、図1〜10において、リブ板ガラス3に穿設される貫通孔5および支持部材7に穿設される貫通孔11をそれぞれ2個としているが、貫通孔5および貫通孔11を2個以上のn個ずつとし、リブ板ガラス3に穿設される長孔5aまたは支持部材7に穿設される長孔11aを(n−1)個としてもよい。
【0032】
図11は、リブ板ガラス3および支持部材7のそれぞれに、垂直方向に並ぶように3個の貫通孔を穿設した例である。
【0033】
この例では、支持部材7に穿設された3個の貫通孔のうち、上側および下側に位置する2個の貫通孔11a,11aに、不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施し、上下方向で中央に設けられた残る1個の貫通孔11、およびリブ板ガラス3に穿設された貫通孔5,5,5は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。
【0034】
これにより、リブ板ガラス3が上下方向で中央に設けられた貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することができ、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0035】
同様に、図12は、リブ板ガラス3および支持部材7のそれぞれに、垂直方向および水平方向に2列ずつ合計4個の貫通孔を穿設した例である。
【0036】
この例では、支持部材7に穿設された4個の貫通孔のうち、板ガラス1側寄りかつ下側に位置する1個の貫通孔11、およびリブ板ガラス3に穿設された4個の貫通孔5,5,5,5は、不図示の挿通部材の径と略同一の直径を有している。一方、支持部材7に穿設された残る3個の貫通孔のうち、板ガラス1側寄りかつ上側の貫通孔11aは不図示の挿通部材の径より大きな長径を水平方向に配した長孔加工が施され、室内A側寄りかつ下側の貫通孔11aは不図示の挿通部材の径より大きな長径を垂直方向に配した長孔加工が施され、室内A側寄りかつ上側の貫通孔11aは不図示の挿通部材径を上回る大きな真円とされている。
【0037】
これにより、リブ板ガラス3が板ガラス1側寄りかつ下側に位置する貫通孔5に挿通される挿通部材を回転軸として回転方向に変位することにより、ガラス壁面2の面外方向の層間変位に追従できる。
【0038】
また、ガラス壁面2(板ガラス1)の面外方向の層間変位を受ける際にリブ板ガラス3の回転中心となる不図示の挿通部材と略同径の貫通孔5(貫通孔11)は、図1〜図10に示す位置でなくてもよい。例えば、図1において、支持部材7の上側の貫通孔を不図示の挿通部材と略同径の真円とし、下側の貫通孔を水平方向を長径とする長孔としてもよい。
【0039】
なお、少なくとも1つの大径孔が挿通部材と略同径の貫通孔に対して、室内側(板ガラス1側と反対の側)および/または上側に位置するように設けられることが好ましい。
【0040】
また、本発明は、図13に示すようにリブ板ガラス3と板ガラス1とが、金属部品13を用いて固定されている場合でも同様の効果を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構造でありながら、建築物の躯体が地震力等によりガラス壁面(板ガラス)の面外方向の層間変位を受ける際、リブ板ガラスが回転方向に変位することにより、ガラス壁面の面外方向の層間変位に追従できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板ガラスの支持構造の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図。
【図3】図1の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図。
【図4】図1の板ガラスの支持構造における、リブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図。
【図5】本発明の板ガラスの支持構造の他の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図6】図5の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図。
【図7】図5の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図。
【図8】図5の板ガラスの支持構造における、リブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図。
【図9】本発明の板ガラスの支持構造の他の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図10】本発明の板ガラスの支持構造の他の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図11】本発明の板ガラスの支持構造で貫通孔を3個とした実施の形態の一例を示す斜視図。
【図12】本発明の板ガラスの支持構造で貫通孔を4個とした実施の形態の一例を示す斜視図。
【図13】本発明の板ガラスの支持構造でリブ板ガラスと板ガラスとを金属部品を用いて固定した実施の形態の一例を示す斜視図。
【図14】従来の板ガラスの支持構造の一例を示す斜視図。
【図15】図14の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す垂直断面図。
【図16】図14の板ガラスの支持構造における、建築物の躯体とリブ板ガラスとの取付状態を示す側面図。
【図17】図14の板ガラスの支持構造における、リブ板ガラスと支持部材との取付状態を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1:板ガラス
2:ガラス壁面
3:リブ板ガラス
4:シーリング材
5:リブ板ガラスの貫通孔
5a:長孔加工を施したリブ板ガラスの貫通孔
6:建築物の躯体
7:支持部材
8:緩衝材
9:支持部材のフランジ部
10:フランジ部の貫通孔
11:支持部材の貫通孔
11a:長孔加工を施した支持部材の貫通孔
12:支持枠
13:金属部品
Claims (2)
- 板ガラスの対向する2辺をサッシ枠に支持し、隣り合う板ガラスの非支持辺どうしを突き合わせてガラス壁面を構成し、隣り合う板ガラスどうしの間の目地部にこれら板ガラスと直交しかつ目地部に沿う方向にリブ板ガラスを配設し、リブ板ガラスの板厚方向に貫通するn個(ただしnは2以上の自然数)の貫通孔をリブ板ガラスに穿設し、リブ板ガラスの貫通孔に対峙するように穿設されたn個の貫通孔を有する支持部材とリブ板ガラスとを、それぞれの対峙する貫通孔に挿通される挿通部材で緊結した板ガラスの支持構造において、リブ板ガラスに穿設されたn個の貫通孔と支持部材に穿設された貫通孔のうちの1個とを挿通部材と略同径とし、支持部材に穿設された貫通孔のうちの残る(n−1)個を挿通部材より大径とすることを特徴とする板ガラスの支持構造。
- 板ガラスの対向する2辺をサッシ枠に支持し、隣り合う板ガラスの非支持辺どうしを突き合わせてガラス壁面を構成し、隣り合う板ガラスどうしの間の目地部にこれら板ガラスと直交しかつ目地部に沿う方向にリブ板ガラスを配設し、リブ板ガラスの板厚方向に貫通するn個(ただしnは2以上の自然数)の貫通孔をリブ板ガラスに穿設し、リブ板ガラスの貫通孔に対峙するように穿設されたn個の貫通孔を有する支持部材とリブ板ガラスとを、それぞれの対峙する貫通孔に挿通される挿通部材で緊結した板ガラスの支持構造において、リブ板ガラスに穿設された貫通孔のうちの1個と支持部材に穿設されたn個の貫通孔とを挿通部材と略同径とし、リブ板ガラスに穿設された貫通孔のうちの残る(n−1)個を挿通部材より大径とすることを特徴とする板ガラスの支持構造。
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CN103669661A (zh) * | 2013-12-06 | 2014-03-26 | 苏州市华丽美登装饰装璜有限公司 | 一种点支式玻璃幕墙肋夹板结构连接件 |
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- 2003-03-26 JP JP2003085469A patent/JP2004293099A/ja active Pending
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