JP2004292204A - 紫外線硬化型樹脂組成物及びこれを用いた光ファイバー素線、ユニット - Google Patents

紫外線硬化型樹脂組成物及びこれを用いた光ファイバー素線、ユニット Download PDF

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Akihiro Iwamoto
明洋 岩本
Atsushi Oshio
篤 押尾
Osamu Saito
治 齋藤
Yoshinobu Kimura
吉延 木村
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Abstract

【課題】硬化後の被覆層に異物が発生したり、黄変することがなく、且つ十分な高速硬化性を有する光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ラジカル重合性化合物(A)と式I、
【化1】
Figure 2004292204

Figure 2004292204

で表される光重合開始剤(B)と式II、
【化2】
Figure 2004292204

Figure 2004292204

{式中、R、R、R、R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基、又は式III、
【化3】
Figure 2004292204

Figure 2004292204

(式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、又は置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基を表す。)で表わされる基であり、これらの中で、少なくとも2つは水酸基である。}
で表される化合物(C)を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線硬化型樹脂組成物に関し、特に、光ファイバーを被覆する紫外線硬化型の光ファイバー被覆用樹脂組成物およびこれを用いた光ファイバー素線、光ファイバーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバーケーブルは大容量情報の伝送媒体として実用化され、現在、光ファイバーケーブルによる広帯域情報通信網が建設されつつある。光ファイバーには、導波ガラスに紫外線等の放射線硬化型樹脂による1次被覆層および2次被覆層を施した2層構造の被覆層を有する素線と、単層の被覆層を有する素線がある。また、上記素線を放射線硬化型樹脂により複数本並列させてテープ状に結束したり、抗張力体を中心に同心円上に配置して結束した構造のユニットという形態も光ファイバーケーブルとして用いられている。
【0003】
放射線硬化型樹脂を光ファイバー被覆用樹脂組成物として用いる目的は、ちり、ホコリ、あるいは湿気から、導波路であるガラスを保護し、ガラスの破断を防止すること、また、光ファイバーの外部からかかる力により、ガラスが微少変形(マイクロベンド)をおこして光の伝送損失が発生することを防止することにある。
【0004】
上記光ファイバー被覆用樹脂組成物には、上記の他に種々の特性が要求されているが、中でも、数百m/分以上の高速加工(低光量)においても十分に硬化し、所期のヤング率を有する硬化被膜が得られることが重要である。そのような特性を高速硬化性という。
【0005】
光ファイバー被覆用樹脂組成物の高速硬化性を改良するため、従来から様々な光重合開始剤が検討されている。それらの中でも、比較的硬化速度の速い光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドのようなモノ−アシルホスフィンオキサイド型の光重合開始剤がある。しかし、この光重合開始剤を使用すると、硬化した被覆層中に微細な結晶性、あるいは不定形の固形粒子(以下、異物という)が発生し(例えばエージング中)、被覆層の透明度が低下して光ファイバーの外観が悪くなるだけではなく、光ファイバーの外部からかかる力により、ガラスが微小変形(マイクロベンド)を起こして光の伝送損失が発生したり、ガラスの表面を損傷させて破断させる危険性が生じる。
【0006】
この問題を解決するための技術として、ラジカル重合性化合物とビスアシルホスフィン系の光重合開始剤からなる光ファイバー用被覆用樹脂組成物が開示されている(特許文献1参照。)。しかしながら、このような従来の技術では、高速硬化性が未だ不十分であり、更に、上記異物の発生を十分に防止することが困難であった。しかも、硬化被覆層が、硬化直後から、あるいは時間の経過と共に黄色に着色してしまうといった新たな問題(黄変)が発生していた。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−49534
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、硬化後の被覆層に異物が発生したり、黄変することがなく、且つ十分な高速硬化性を有する紫外線硬化型樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は上記課題を解決する該紫外線硬化型樹脂組成物を使用した光ファイバー素線及び光ファイバーユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑み上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ラジカル重合性化合物(A)と式I、
【化4】
Figure 2004292204
Figure 2004292204
(式中、Rは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基であり、RとRは、同一でも異なっていても良く、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基若しくはハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基、又はアルコキシ基である。)
で表される光重合開始剤(B)と式II、
【化5】
Figure 2004292204
Figure 2004292204
{式中、R、R、R、R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基、又は式III、
【化6】
Figure 2004292204
Figure 2004292204
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、又は置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基を表す。)で表わされる基であり、これらの中で、少なくとも2つは水酸基である。}
で表される化合物(C)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
前記式Iで表される光重合開始剤(B)を使用した紫外線硬化型樹脂組成物は優れた高速硬化性を有しているが、硬化後の被覆層中に異物が発生する。前記式IIで表される化合物は、高速硬化性を阻害せず、硬化被覆層中に異物が発生するのを防止する機能を有している。本発明者らは、前記式Iで表される光重合開始剤(B)を使用した紫外線硬化型樹脂組成物において、前記式IIで表される化合物が異物発生防止剤あるいは異物除去剤として機能することを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳しく説明する。本発明ではラジカル重合性化合物(A)として、ラジカル重合性オリゴマー(A1)あるいはラジカル重合性モノマー(A2)を適宜用いることができる。ラジカル重合性オリゴマー(A1)としては、構造、分子量等、特に限定されるものではないが、例えば、末端にビニル基、アクリル基、メタクリル基等の重合性不飽和基を有する数平均分子量が300〜30000の化合物がある。このようなラジカル重合性オリゴマー(A1)には、ポリエーテル化合物(A1−a)とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(A1−b)を原料成分として用いたオリゴマーがある。
【0012】
前記ポリエーテル化合物(A1−a)は、例えば、環状エーテル化合物を開環させて製造される。環状エーテル化合物としては、環内に1個の酸素原子を有する3〜5員の環状エーテル基を含む化合物を使用することが好ましい。そのような環状エーテル化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、4,4,4−トリクロロ−1,2−エポキシブタン、3−メチルテトラヒドロフランがある。
【0013】
これら環状エーテル化合物は2種以上併用することができ、その場合、それらを混合して反応させたり、順次反応させることができる。特に、本発明では、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、及びアルキル置換テトラヒドロフラン等の分岐を有する環状エーテル化合物から選択される1種以上の化合物を重合させたポリエーテルポリオールをポリエーテル化合物(A1−a)として使用することが好ましい。中でも、プロピレンオキサイドを使用したポリエーテルポリオールは高速硬化性に優れ、低温保存性が良いので、特に好ましい。その他、炭素数6以上の(ハロゲン含有)アルキレンオキサイド、スチレンオキサイド、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、その他のエポキサイドも使用することができる。
【0014】
また、本発明で使用する前記ポリエーテル化合物(A1−a)の不飽和度は0.03当量/g以下が好ましいが、0.01ミリ当量/g〜0.03ミリ当量/gの範囲がより好ましく、0.01ミリ当量/g〜0.025ミリ当量/gの範囲が更に好ましい。中でも、0.01ミリ当量/g〜0.020ミリ当量/gの範囲が特に好ましく、0.01ミリ当量/g〜0.016ミリ当量/gの範囲が最も好ましい。上記の範囲であると硬化性、蛍光灯黄変が少なく、且つ本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を光ファイバー被覆用樹脂組成物として使用した場合、光ファイバーの耐久性の指標であるn値が高くなるのでより好ましい。
【0015】
また、ラジカル重合性オリゴマー(A)の構造としては、ウレタンアクリレートであることが、高速硬化性が高く好ましい。中でも、ポリエーテル化合物(a1)として不飽和度0.01ミリ当量/g〜0.03ミリ当量/gのポリプロピレングリコールを用いるウレタンアクリレートであることが特に好ましい。また、数平均分子量が3000〜20000のポリエーテル化合物(A1−a)から合成されるウレタンアクリレートは一次被覆材として用いた場合、蛍光灯黄変が著しく改善されるので好ましい。なお、本発明で使用するポリエーテル化合物(a1)の不飽和度はJIS K 1557−1970に記載の総不飽和度の測定方法により測定される値である。
【0016】
ウレタンアクリレート構造のラジカル重合性オリゴマー(A1)を製造するためのポリイソシアネート(A1−c)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトレメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の公知のものが使用できる。
【0017】
また、ウレタンアクリレート構造のラジカル重合性オリゴマー(A1)を製造するためのラジカル重合性不飽和基を有する化合物(A1−b)としては、以下に列挙した同一分子内に水酸基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物がある。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が公知のものが使用できる。
【0018】
ラジカル重合性オリゴマー(A1)としては、例えば、上記のラジカル重合性オリゴマーを単独で用いても、あるいはラジカル重合性オリゴマー(A1)以外の重合性オリゴマーを併用して用いても良い。
【0019】
本発明ではラジカル重合性モノマー(A2)を用いることができる。ラジカル重合性モノマー(A2)としては、従来公知のものが使用可能である。例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンサクシネート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アッシドホスフェート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
【0020】
また、他の単官能の化合物としてはN−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルバゾール、等のビニル化合物もある。
【0021】
2官能のラジカル重合性モノマー(A2)としては、例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(グリシジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
【0022】
更に、3官能以上のラジカル重合性モノマー(A2)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アクリレートと、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
【0023】
これらの中では、単官能のラジカル重合性モノマーの2種以上を、または単官能と2官能以上のラジカル重合性モノマーとを組み合わせて使用すると、低温特性、硬化性に優れ、好ましい。中でも単独重合体のTgが20℃以下の単官能のラジカル重合性モノマーと単独重合体のTgが50℃以上の単官能のラジカル重合性モノマーを併用すると、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を光ファイバー被覆用樹脂組成物として使用した場合、光ファイバーの湿熱耐久性に優れ、特に好ましい。
【0024】
単独重合体のTgが20℃以下の単官能のラジカル重合性モノマーとしては、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラウリルアルコールエトキシアクリレート、エポキシステアリルアクリレート、2−(1−メチル−4−ジメチル)ブチル−5−メチル−7−ジメチルオクチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、フェノールポリアルコキシアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールポリプロピレンオキサイド変性アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールラクトン変性アクリレート、ラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート等が挙げられる。
【0025】
単独重合体のTgが50℃以上の単官能のラジカル重合性モノマーとしては、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピリジン、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、ビニルホルムアミド等がある。
【0026】
また、更に、以下に列挙するラジカル重合性モノマーは、単独重合体のTgが50℃以上の単官能のラジカル重合性モノマーと併用することによりガラスとの密着性あるいは硬化性を向上させるものであり、併用することが好ましい。そのようなものとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルオキシエチルアクリレート、イソボルニルオキシエチルアクリレート等のアクリレート類、アクリロイルモルホリン、ダイアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルアミド類、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、クロルフェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ラウリルマレイミド等のマレイミド類を挙げることができる。
【0027】
前記のラジカル重合性オリゴマー(A1)は、光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対し20〜90質量%用いるのが好ましく、中でも、30〜80質量%用いるのがより好ましい。この範囲にすることにより、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の粘度を低く抑えながら、高速硬化性を良好にすることができ、また、硬化膜を強靱にすることができる。
【0028】
また、上記のラジカル重合性モノマー(A2)は、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の粘度を下げるために有効であり、紫外線硬化型樹脂組成物全体に対し5〜70質量%を含有させることが好ましい。中でも、10〜60質量%含有するものがより好ましい。この範囲にすることにより、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の粘度を低く抑えながら、高速硬化性を良好にすることができ、また、硬化膜を強靱にすることができる。
【0029】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には光重合開始剤(B)として(式I)のものを使用する。(式I)の光重合開始剤(B)は高速硬化性が優れており、樹脂組成物が硬化した直後の黄変(初期黄変)が少ないので本発明の紫外線硬化型樹脂組成物に添加する光重合開始剤として最適である。
【0030】
前記(式I)において、Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数1〜36のアルコキシ基、炭素数1〜36のハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基であり、RとRは、同一でも異なっていても良く、ハロゲン原子、炭素数1〜36のアルキル基、炭素数1〜36のアルコキシ基若しくは炭素数1〜36のハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基、又は炭素数1〜36のアルコキシ基であることが好ましい。中でも、特に好ましい化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルフォスフィンオキシド等がある。
【0031】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(B)の含有量は0.05質量%以上、5質量%以下であることが好ましい。この範囲であると高速硬化性が優れ、また、蛍光灯黄変の発生を極力抑えることができる。中でも、0.05〜2質量%であることが好ましく、更に0.2〜1.6質量%であることが特に好ましい。
【0032】
本発明では光重合開始剤(B)として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルフォスフィンオキシドを単独で、あるいは併用して用いることが好ましく、その場合は紫外線硬化型樹脂組成物全体に対する含有量が0.1質量%〜1.9質量%、好ましくは0.5質量%〜1.6質量%の範囲であると、高速硬化性が優れ蛍光灯黄変に優れるので好ましい。
【0033】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には必要に応じて、上記の(式I)の光重合開始剤以外の光重合開始剤を併用することができる。この光重合開始剤としては、従来公知のものが使用可能である。例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン及びベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、等が挙げられる。
【0034】
これらの中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、1,7−ビス(アクリジニル)ヘプタン、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンの中から選ばれる1種または2種類以上を併用すると、高速硬化性が高くなり、特に好ましい。
【0035】
上記の(式I)の光重合開始剤以外の重合開始剤の使用割合は、全組成物に対して、0〜10質量%であることが好ましく、蛍光灯黄変が小さく、高速硬化性が大きくなることから、0〜6質量%であることがより好ましい。
【0036】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物で使用する化合物(C)は、前記(式II)で表される化合物であり、分子中に3個以上の水酸基を有する化合物である。(式II)で表される化合物は前記の(式I)の光重合開始剤(B)と併用すると、高速硬化性が高く、また、黄変や白濁のない良好な外観が得られ、硬化皮膜中に異物が発生することがない。前記(式II)で表される化合物であれば、いずれの構造の化合物でも使用することができるが、前記(式II)中、Rが水酸基であり、R、R、R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基、又は前記式IIIで表わされる基であり、これらの中で、少なくとも1つは水酸基である構造の化合物であることがより好ましい。更に、前記(式II)中、R及びRが水酸基であり、R、R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基、又は前記式IIIで表わされる基である構造の化合物であることが特に好ましい。中でも、最も好ましいのは、没食子酸、没食子酸エステル類であり、これらの化合物は樹脂中での相溶性が高く、硬化皮膜中の結晶が少なくなるので好ましい。没食子酸エステル類としては、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸イソプロピル、没食子酸イソペンチル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、没食子酸テトラデシル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸オクタデシル等がある。(式II)の化合物は全組成物に対して0.01〜10質量%で添加できるが、0.02〜1.0質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲が好ましい。
【0037】
本発明では上記成分の他に公知のカップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては以下の化合物がある。
・エポキシ基含有シラン:例えば、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等。
・メルカプト基含有シラン:例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等。
【0038】
更に、イソシアネート基を持つオリゴマー又はポリマーに、アミノ基含有シランを反応させた化合物、水酸基を持つオリゴマー又はポリマーに、イソシアネート基含有シランを反応させた化合物、エポキシ基を持つオリゴマー又はポリマーに、アミノ基含有シランを反応させた化合物、カルボン酸基を持つオリゴマー又はポリマーに、アミノ基含有シラン又はエポキシ基含有シランを反応させた化合物、ラジカル重合性モノマーとメタクリロキシ基又はアクリロキシ基含有シランのラジカル共重合体等がある。
【0039】
本発明においては、カップリング剤としてメルカプト基含有シランあるいはエポキシ基含有シランを用いると、温水雰囲気下の光ファイバーの強度維持(温水耐久性)と被覆層の除去性(被覆除去性)が共に良好となり、好ましい。エポキシ基含有シランは、温水耐久性を上げるのに効果があるが、特に、メルカプト基含有シランは、両方の特性を共に満足させるために有効である。メルカプト基含有シランは単独で用いても良いが、エポキシ基含有シランと併用することが、より好ましい。また、メルカプト基含有シランとエポキシ基含有シランは、それぞれ2種以上の類似構造のシランを併用しても良い。
【0040】
カップリング剤は、紫外線硬化型樹脂組成物全体に対し、0.01〜1質量%使用するのが好ましく、0.04〜0.6質量%使用することがより好ましい。0.01質量部より少ないと、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を光ファイバー被覆用樹脂組成物として使用した場合、光ファイバーの温水雰囲気下、ジェリー浸漬下において、光ファイバーの強度が低下しやすい(温水耐久性、耐ジェリー性が劣る)。1質量%を越えて添加すると、光ファイバーを接続する際、被覆層の除去が困難となり易く(被覆除去性が悪い)、また硬化性が低下する等の障害が生じやすくなる。
【0041】
さらに本発明には必要に応じてヒンダードアミン系光安定剤を添加することができる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、従来公知のものが使用可能であるが、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セパケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシルエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔16−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1.3.5−トリアジン−2,4−ジイル〕、〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(ミックスド1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスド〔1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’−テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカシ〕ジエチル〕ジエチル1−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等がある。
【0042】
上記のヒンダードアミン系光安定剤は、紫外線硬化型樹脂組成物全体に対し0.005〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%の範囲で使用するのが好ましい。この範囲であれば、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を光ファイバー被覆用樹脂組成物として使用した場合、温水下、高温高湿下での光ファイバーの強度低下を防止するうえで効果がある。
【0043】
更に、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、上記の成分以外に、ヒドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤、亜燐酸エステル系の脱色剤、シリコーンオイル等の消泡剤、離型剤、レベリング剤料等を添加しても構わない。
【0044】
本発明の紫外線効果型樹脂組成物は、上記各成分を通常の方法により混合して製造することができる。また、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を光ファイバー被覆用樹脂組成物として使用した場合、これを導波ガラス、1次被覆が施された導波ガラス、あるいは光ファイバー素線に通常の方法により塗布し、その後、高圧水銀灯、あるいはメタルハライドランプ等により紫外線を照射して硬化せしめることにより、本発明の紫外線効果型樹脂組成物の硬化被膜で被覆された光ファイバー素線、あるいは該硬化被膜で被覆された複数の光ファイバー素線が束ねられたユニットを製造することができる。
【0045】
また、更に、本発明の紫外線効果型樹脂組成物は、高速硬化性に優れるため、複数の光ファイバー素線を束ねるためのユニット材としても優れた適性を示す。したがって、本発明の紫外線効果型樹脂組成物は、ユニットを製造するための樹脂組成物としても最適である。本発明の紫外線効果型樹脂組成物をユニット材として使用する場合は、複数の光ファイバー素線を束ね、それに通常の方法により該樹脂組成物を塗布し、その後、高圧水銀灯、あるいはメタルハライドランプ等により紫外線を照射して硬化せしめ、ユニットを製造する。
【0046】
本発明の紫外線効果型樹脂組成物は、光ファイバー素線や光ファイバーユニットを製造する目的以外に、種々の分野で使用できる。例えば、プラスチック、金属、ガラス等の被覆材として、さらには、光学部材用としても有用である。特に、硬化被膜中に異物が発生すると不都合を生じる技術分野として、例えば、ビデオプロジェクター、プロジェクションテレビなどに使用するフレネルレンズ、レンチキュラーレンズなどの透過型スクリーン用の紫外線硬化型樹脂、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の光学レンズ用の被覆材、CD、CD−R、MOおよびDVD等の光ディスク用等の被覆材および接着剤としても有用である。
【0047】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、もとより本発明はこれにより何等限定されるものではない。なお、例中の部はすべて質量基準である。
【0048】
(合成例1)
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコに、市販のポリプロピレングリコール(数平均分子量8000、不飽和度0.013meq/g)800g(0.10モル)、2,4−トリレンジイソシアネート34.8g(0.20モル)、ジブチル錫ジアセテート0.15gを仕込み、攪拌しながら昇温し85℃に保った。85℃になって3時間後、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール2.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.2g(0.20モル)を加え、さらに85℃で4時間反応させ、ラジカル重合性オリゴマー(A1−1)を得た。
【0049】
(合成例2)
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコに、市販のポリプロピレングリコール(数平均分子量7000、不飽和度0.020meq/g)700g(0.10モル)、2,4−トリレンジイソシアネート34.8g(0.20モル)、ジブチル錫ジアセテート0.15gを仕込み、攪拌しながら昇温し85℃に保った。85℃になって3時間後、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール2.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.2g(0.20モル)を加え、さらに85℃で4時間反応させ、ラジカル重合性オリゴマー(A1−2)を得た。
【0050】
(合成例3)
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコに、市販のポリプロピレングリコール(数平均分子量4000、不飽和度0.013meq/g)400g(0.10モル)、2,4−トリレンジイソシアネート34.8g(0.20モル)、ジブチル錫ジアセテート0.15gを仕込み、攪拌しながら昇温して85℃に保った。85℃になって3時間後、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール2.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.2g(0.20モル)を加え、さらに85℃で4間反応させ、ラジカル重合性オリゴマー(A1−3)を得た。
【0051】
(高速硬化性の測定)
表1に示した各実施例及び比較例の光ファイバー被覆用樹脂組成物を、ガラス板に厚さ100ミクロンで塗布し、窒素雰囲気で10mJ/cmと500mJ/cmの照射量で硬化させ、硬化フィルムを得た。これをJIS K−7113に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で引っ張り速度1mm/分、標線間距離25mmで測定し、2.5%割線弾性率(ヤング率)を求めた。10mJ/cmにおける2.5%割線弾性率と500mJ/cmにおける2.5%割線弾性率の比率を求め、これを高速硬化性とした。比率が80%以上を○、70%以上80%未満を△、70%未満を×とした。
【0052】
(黄変の測定)
各実施例及び比較例の光ファイバー被覆用樹脂組成物を、ガラス板に厚さ100ミクロンで塗布し、窒素雰囲気で200mJ/cmの照射量で硬化させた。黄変の測定は日本電色工業社製の分光光度計Σ80を用い、JIS K 7105の反射法により試料の黄色度を測定した。黄色度が10未満を○、10以上を×とした。
【0053】
(硬化皮膜中の結晶測定)
各実施例及び比較例の光ファイバー被覆用樹脂組成物を、ガラス板に厚さ100ミクロンで塗布し、窒素雰囲気で200mJ/cmの照射量で硬化させた。23℃、相対湿度50%の雰囲気中に7日放置後、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVH−450を用い1000倍のモードで観察した。硬化皮膜中にこの条件で結晶(異物として観察されるもの)が観察されたものを×、観察されないものを○とした。
【表1】
Figure 2004292204
・ラジカル重合性モノマー(A2)
A2−1:N−ビニルカプロラクタム
A2−2:ノニルフェニルオキシエチルアクリレート
・カップリング剤(D)
D−1:γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
D−2:γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
・ヒンダードアミン系光安定剤(E)
E−1:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート
・光重合開始剤(B)
B−1(式Iの化合物):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
B−2(式I以外の化合物):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド
B−3(式I以外の化合物):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
・酸化防止剤
X−1:オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
・式IIの化合物(C)
C−1:没食子酸ステアリル
C−2:没食子酸
【0054】
【発明の効果】
本発明の紫外線効果型樹脂組成物は硬化被膜中に異物が発生することがなく、また、被膜が黄変することもない。したがって、樹脂の効果被膜中に異物が発生したり、被膜の黄変が発生すると不都合が生じる技術分野、例えば、光ファイバーを製造するための紫外線効果型樹脂組成物として使用することにより、外観が良好な耐久性の優れた光ファイバー素線および光ファイバーユニットを高速で製造することができる。また、光学レンズ等の被覆材、光ディスク等の被覆材および接着剤としても応用可能である。

Claims (8)

  1. ラジカル重合性化合物(A)と式I、
    Figure 2004292204
    Figure 2004292204
    (式中、Rは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基であり、RとRは、同一でも異なっていても良く、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基若しくはハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基、又はアルコキシ基である。)
    で表される光重合開始剤(B)と式II、
    Figure 2004292204
    Figure 2004292204
    {式中、R、R、R、R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基、又は式III、
    Figure 2004292204
    Figure 2004292204
    (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、又は置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基を表す。)で表わされる基であり、これらの中で、少なくとも2つは水酸基である。}
    で表される化合物(C)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物。
  2. 前記式II中、Rが水酸基であり、R、R、R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基、又は前記式IIIで表わされる基であり、これらの中で、少なくとも1つは水酸基である請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  3. 前記式II中、R及びRが水酸基であり、R、R及びRは水素原子、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜36のアルケニル基、又は前記式IIIで表わされる基である請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  4. 前記式IIで表される化合物(C)が、没食子酸又は没食子酸エステルである請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  5. 前記光重合開始剤(B)が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである請求項1、2、3又は4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  6. 前記ラジカル重合性化合物(A)が、環状エーテル化合物を開環付加重合させて製造した不飽和度が0.01ミリ当量/g〜0.03ミリ当量/gであるポリエーテル化合物(A1−a1)と同一分子内に水酸基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(A1−b)とポリイソシアネート化合物(A1−c)を反応させて得られるオリゴマー(A1)を含有する請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物で被覆された光ファイバー素線。
  8. 請求項1、2、3、4、5又は6のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物を用いた光ファイバーユニット。
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