JP2004292117A - エレベータの防災装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】火災発生時に動作して、昇降路内への煙の流入を抑え、あるいはかご内への煙の流入を抑えてその火災による被害を最小限にとどめることができるエレベータの防災装置を提供する。
【解決手段】エレベータホールに設けられた乗降口1の三方枠2と、この三方枠2とホールドア5との間の隙間G、及びホールドア5と敷居8との間の隙間Gに、火災発生時に動作してその隙間Gを閉鎖する閉鎖装置をそれぞれ設ける。閉鎖装置はバイメタル15a,15b,15cからなり、火災感知器の信号に応じる通電で自己発熱して変形動作し、その変形動作で前記隙間Gを閉鎖し、この閉鎖でエレベータホールから昇降路内への煙の流入を抑え、昇降路による煙突化を防止して火災の拡大を防ぐ。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、火災発生時に遮煙・防炎すべく動作して火災の被害を最小限にとどめるエレベータの防災装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータの乗り場ホールの壁面にはエレベータの昇降路内に通じるエレベータ乗降口が設けられている。一般にこの乗降口は門形の三方枠を備え、この三方枠の背面側に乗降口を開閉するホールドアが設けられ、通常時にはこのホールドアにより乗降口が閉鎖されている。
【0003】
ホールドアはその上部にハンガーを備え、このハンガーに複数の回転自在なローラが設けられている。昇降路内にはヘッダーケースが設けられ、このヘッダーケースに水平方向に伸びるレールが取り付けられ、前記レールに前記各ローラが係合載置されて前記ホールドアがレールの下方に懸架されている。
【0004】
乗降口の下部には、乗り場ホールの床面とほぼ面一に敷居が設けられ、この敷居の上にホールドアの下部が走行自在に嵌合し、この敷居に沿ってホールドアが左右に移動する。
【0005】
ホールドアと三方枠や敷居との間には、ホールドアを円滑に動作させるためにある程度の隙間が設けられており、このため万が一建物内で火災が発生したときには、乗降口がホールドアで閉鎖されているとはいえ、そのホールドアと三方枠や敷居との間の隙間を通してその火災による煙が昇降路内に流入し、その昇降路が煙突化して火災が拡大してしまう恐れがある。
【0006】
また、昇降路内で走行するエレベータのかごにおいても、そのかごの出入口とかごドアとの間に隙間が生じていると、その隙間を通してかご内に火災による煙が流入し、かご内の乗客に危険が及んでしまう恐れがある。
【0007】
そこで、従来においては、三方枠の背面側の上部や両側部にパッキングを設けてホールドアの戸閉時にそのパッキングにホールドアを圧接させて昇降路内への煙の流入を抑え、またかごの出入口の背面側の上部や両側部にパッキングを設けてかごドアの戸閉時にそのパッキングにかごドアを圧接させてかご内への煙の流入を抑えるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では、パッキングの弾性が低く、ドアがそのパッキングに強く圧接しすぎると、ドアの閉合が不完全となる恐れがあり、逆にパッキングの弾性が高く、ドアとパッキングとの圧接が弱すぎると、充分な遮煙効果を得られず、このためパッキングに対する厳密な管理が必要となり、またパッキングには頻繁に繰り返してドアが圧接するためそのパッキングが比較的早期に劣化し、定期的な調整が必要となってしまう。
さらに、ホールドアと三方枠や敷居との間の隙間にパッキングを設けたり、かごの出入口とかごドアとの間の隙間にパッキングを設けて遮煙・防炎効果を高めるようなこともあるが、この場合には、そのパッキングとの摩擦でドアの開閉動作が妨げられ、かつその摩擦でパッキングが比較的早期に劣化し、その交換を頻繁に行なわれなければならなくなる。これを避けるためにはパッキングとドアとの間にある程度の隙間を確保する必要が生じ、充分な遮煙効果を得ることが難しくなってしまう。
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、面倒な調整や交換を要することなく、平常時にはドアを円滑かつ適正に開閉動作させることができるとともに、火災発生時にはそれに応じて昇降路内やかご内への煙の流入を的確に抑えことができるエレベータの防災装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、エレベータホールに設けられたホールドアと、このホールドアの周囲にあって、該ホールドアと隙間をあけて配置されたホールドア近接部材と、前記ホールドアもしくは前記ホールドア近接部材のいずれか一方に設けられ、火災発生時に動作して前記隙間を閉鎖する閉鎖装置とを具備することを特徴としている。
【0010】
また、この発明は、エレベータのかごと、このかごに設けられたかごドアと、このかごドアの周囲にあって、該かごドアと隙間をあけて配置されたかごドア近接部材と、前記かごドアもしくは前記かごドア近接部材のいずれか一方に設けられ、火災発生時に動作して前記隙間を閉鎖する閉鎖装置とを具備することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1には第1の実施形態を示してある。図1(A)はエレベータの乗降口1を上方から見た断面図、(B)は乗降口1をエレベータホール側から見た正面図、(C)は乗降口1を側方から見た断面図である。
【0012】
乗降口1はホールドア近接部材としての三方枠2を備えており、この三方枠2は左右に配置する一対の立枠3と、これら立枠3の上端部間に架設された横枠4とからなる門形をなし、この三方枠2の背面側に例えば両開き式の一対のホールドア5が設けられている。
【0013】
各ホールドア5は、上部がハンガーローラ(図示せず)を介して三方枠2の背面側上部に懸架され、前記ハンガーローラを介して左右に移動することにより乗降口1を開閉するようになっている。
【0014】
三方枠2の背面側下方部には左右側に水平に延びるホールドア近接部材としての敷居8が取り付けられている。この敷居8はエレベータホールの床面とほぼ面一をなし、上面にはその長手方向に沿って延びるガイド溝9が形成されている。
【0015】
各ホールドア5は、図1(C)に示すように下端面に複数のガイドシュー10を有し、これらガイドシュー10が前記敷居8のガイド溝9内に摺動自在に嵌合し、ホールドア5が開閉する際に前記ガイドシュー10とガイド溝9とによりその開閉動作がガイドされる。
【0016】
各ホールドア5の前面と三方枠2の背面との間、および各ホールドア5の下端部と敷居8との間にはそれぞれ隙間Gが設けられている。
【0017】
そしてその各隙間Gに閉鎖装置としてそれぞれ熱膨張率の異なる二種の金属片を貼り合せてなるバイメタル15a,15b,15cが設けられている。すなわち、図1(A)に示すように、三方枠2の立枠3の背面と各ホールドア5との間の隙間G、図1(C)に示すように、三方枠2の横枠4の背面と各ホールドア5との間の隙間G、および各ホールドア5と敷居8との間の隙間Gにそれぞれバイメタル15a,15b,15cが設けられている。
【0018】
これらバイメタル15a,15b,15cは、図2に示すように、隙間Gの長手方向の全長区間に渡る長さを有する長板状をなし、その一側部がバイメタル15aにおいては立枠3の背面に固定され、バイメタル15bにおいては横枠4の背面に固定され、バイメタル15cにおいてはホールドア5の背面下部に固定されている。
【0019】
そして各バイメタル15a,15b,15cの固定部の反対側の一側部が熱に応じて変形動作する熱応動変形部16となっており、その変形動作に応じてバイメタル15a,15bにおいては各変形部16がホールドア5の前面にそれぞれ接触して隙間Gを閉鎖し、バイメタル15cにおいては変形部16が敷居8の背面に接触して隙間Gを閉鎖するようになっている。
【0020】
エレベータが設置された建屋には、火災発生時の煙や熱を検知して火災の発生を報知する火災感知器が設けられているが、前記バイメタル15a,15b,15cは図2示すようにその火災感知器25に制御回路装置26を介して接続され、火災感知器25が火災を検知したときの信号に応じて制御回路装置26により各バイメタル15a,15b,15cが通電され、その通電による各バイメタル15a,15b,15cの電気抵抗による自己発熱で各バイメタル15a,15b,15cの変形部16がそれぞれ変形動作するようになっている。
【0021】
平常時においては、バイメタル15a,15bはその変形部16が平坦状を保ってホールドア5と接触せず、バイメタル15cはその変形部16が湾曲して敷居8と接触せず、したがってホールドア5の開閉動作がバイメタル15a,15b,15cによって妨げられることなく円滑に行なわれる。
【0022】
火災が発生したときには、火災感知器25からの信号に基づいて各バイメタル15a,15b,15cが通電され、その変形部16がそれぞれ変形動作し、バイメタル15a,15bにおいてはその変形部16がホールドア5の前面にそれぞれ接触し、バイメタル15cにおいてはその変形部16が敷居8の背面に接触し、これにより三方枠2と各ホールドア5との間の隙間G、および各ホールドア5と敷居8との間の隙間Gがそれぞれ閉鎖される。すなわち、乗降口1と各ホールドア5との間の隙間が閉鎖される。
【0023】
したがって、エレベータホール側から昇降路内への煙の流入が抑えられ、昇降路が煙突化することがなく、このため火災の拡大を防ぐことができ、また他の階のフロア−への煙の拡散を防止することができる。
【0024】
各バイメタル15a,15b,15cは火災感知器25が火災を検知したときに動作して各隙間Gを閉鎖するが、火災の熱が各バイメタル15a,15b,15cに及ぶようなときには、火災感知器25による信号とは関わりなく、その火災の熱で各バイメタル15a,15b,15cの変形部16がそれぞれ変形して各隙間Gが閉鎖される。したがって火災の延焼で火災感知器25が焼損するようなことがあっても各隙間Gの閉鎖状態をそのまま保つことができる。
【0025】
火災が鎮火して平常状態となったときには、各バイメタル15a,15b,15cの変形部16が当初の形状に戻り、各隙間Gが開放され、各バイメタル15a,15b,15cとホールドア5や敷居8とが非接触状態となり、したがってホールドア5がバイメタル15a,15b,15cに妨げられることなく円滑に開閉動作することが可能となる。
【0026】
図3には第2の実施形態を示してあり、この実施形態においては、バイメタル15の変形部16の外周にゴムや樹脂等からなる弾性体23が取り付けられている。
【0027】
この実施形態の場合には、変形部16が破線の状態から実線の状態に変形動作したときにその変形部16が弾性体23を介して例えばホールドア5に弾性的に密着し、このため隙間Gをより気密的に閉鎖することができ、昇降路内への煙の流入をより確実に抑えることができる。なお、弾性体23としては、耐熱性、不燃性を有する材料を用いることが好ましい。
【0028】
図4には第3の実施形態を示してあり、この実施形態においては、隙間Gに閉鎖装置として一対のバイメタル15a,15bを設け、その双方のバイメタル15a,15bの動作で隙間Gを閉鎖するようにしてある。
【0029】
すなわち、例えば三方枠2の背面に一方のバイメタル15aの一側部が固定され、ホールドア5の前面に他方のバイメタル15bの一側部が固定され、火災発生時にその双方のバイメタル15a,15bの変形部16がそれぞれ破線の状態から実線の状態に変形動作して互いに接触し、これにより隙間Gを閉鎖し、昇降路内への煙の流入を抑えるようにしてある。
【0030】
この場合には、各バイメタル15a,15bにおける変形部16の変形動作のストローク幅を小さくすることができ、このためその動作時間を短縮して隙間Gを速やかに閉鎖することができる。
【0031】
図5および図6には第4の実施形態を示してあり、この実施形態はホールドア5と敷居8との間の隙間Gを閉鎖する例で、ホールドア5の下部に設けられた一対のガイドシュー10に跨って閉鎖装置としてのバイメタル15が取り付けられている。
【0032】
このバイメタル15は、ホールドア5の幅とほぼ同じ長さを有し、上側の一側部がガイドシュー10に固定され、下側の熱応動変形部16が敷居8におけるガイド溝9の内側面に対向するように配置されている。
【0033】
この場合には、平常時にはバイメタル15の全体が平坦状でガイド溝9の内側面とは接触しない状態を保ち、したがってホールドア5は円滑に開閉動作することができる。
【0034】
そして火災発生時には、火災感知器による火災の検知に応じてバイメタル15が通電され、その電気抵抗による自己発熱でバイメタル15の変形部16が変形してガイド溝9の内側面に接触し、この接触でホールドア5と敷居8との間の隙間Gが閉鎖され、エレベータホールから昇降路内への煙の流出が抑えられる。
【0035】
図7には第5の実施形態を示してあり、この実施形態は片引き式のホールドア5a,5bに適用した例であり、この場合のホールドア5a,5bは開閉時に双方のホールドア5a,5bが同じ方向に異なる速度で移動することにより乗降口を開閉する。
【0036】
そして、戸閉時には一方のホールドア5aの端部と他方のホールドア5bの端部とが前後に互いに重なり、その対向間に隙間Gが生じ、その隙間Gを通して火災発生時にエレベータホール側の煙が昇降路内に流出する恐れがある。
【0037】
そこで、この場合には、その隙間Gに対して閉鎖装置としてのバイメタル15が設けられている。このバイメタル15は、ホールドア5a,5bの上下寸法とほぼ同じ長さを有し、その一側部が一方のホールドア5aの端面に固定され、反対側の熱応動変形部16が他方のホールドア5bの背面に対向するように配置されている。
【0038】
平常時にはバイメタル15の変形部16が破線で示すようにホールドア5bと離間して非接触状態を保ち、したがってホールドア5はバイメタル15により妨げられることなく円滑に開閉動作する。
【0039】
そして火災発生時には、火災感知器による火災の検知に応じてバイメタル15が通電され、その電気抵抗による自己発熱でバイメタル15の変形部16がホールドア5bに向かって変形してその背面に接触し、この接触でホールドア5a,5bとの間の隙間Gが閉鎖され、エレベータホールから昇降路内への煙の流出が抑えられる。
【0040】
図8には第6の実施形態を示してあり、この実施形態はホールドア5の懸架機構部に適用した例で、建物の壁体30の内側にホールドア近接部材としてのヘッダーケース31が設けられ、このヘッダーケース31の側面に水平方向に延びるレール32が取り付けられ、またヘッダーケース31と三方枠2の横枠4との間にホールドア近接部材としての目隠し板33が取り付けられている。ヘッダーケース31および目隠し板33は乗降口1の横方向の幅寸法よりも長い長さを有している。
【0041】
ホールドア5の上端にはドアハンガー35が取り付けられ、このドアハンガー35の側面に複数のローラ36(一つのみ図示)が回転自在に取り付けられ、これらローラ36が前記レール32の上に転動自在に係合載置され、これによりホールドア5その開閉時にレール32に沿って移動するように懸架されている。
【0042】
ホールドア5と前記目隠し板33との間には隙間Gがあり、この隙間Gを通して火災発生時にエレベータホール側の煙が昇降路内に流出する恐れがある。
【0043】
そこで、この場合には、その隙間Gに対して閉鎖装置としてのバイメタル15が設けられている。このバイメタル15は、目隠し板33の横方向の長さ寸法とほぼ同じ長さを有し、その一側部が目隠し板33に固定され、反対側の熱応動変形部16がホールドア5の前面に対向するように配置されている。
【0044】
平常時にはバイメタル15の変形部16が破線で示すように目隠し板33と離間して非接触状態を保ち、したがってホールドア5はバイメタル15により妨げられることなく円滑に開閉動作する。
【0045】
そして火災発生時には、火災感知器による火災の検知に応じてバイメタル15が通電され、その電気抵抗による自己発熱でバイメタル15の変形部16が目隠し板33に向かって変形してその前面に接触し、この接触で目隠し板33とホールドア5との間の隙間Gが閉鎖され、エレベータホールから昇降路内への煙の流出が抑えられる。
【0046】
図9には第7の実施形態を示してあり、乗降口1のフロアにはエレベータのかご40が着床している。また、乗降口1の三方枠2とホールドア5との間の隙間Gには、第1の実施形態の場合と同様のバイメタル15が設けられている。
【0047】
かご40は前面に出入口41を有し、この出入口41に例えば両開き式のかごドア42が設けられ、これらかごドア42が敷居43に沿って左右に移動することにより出入口41が開閉されるようになっている。
【0048】
かご40内には操作盤44が設けられ、この操作盤44にかご40の行先階を登録する行先階登録ボタンやかごドア42の開閉用の開閉ボタン等が配設されている。
【0049】
火災が発生したときには、バイメタル15が通電され、その電気抵抗による自己発熱でバイメタル15の変形部16が変形してホールドア5に接触し、隙間Gが閉鎖される。
【0050】
このとき、乗降口1のフロアに着床しているかご40内の乗客はその火災の報知により操作盤44のドア開ボタンを操作し、かごドア42を開いて脱出しようとすることになる。かご40がフロアに着床しているときには、かごドア42はホールドア5と係合し、かごドア42と一体的にホールドア5が動作する。
【0051】
したがって、乗客がドア開ボタンを操作してかごドア42を開こうとしたときに、ホールドア5にバイメタル15の変形部16が接触していると、その接触による抵抗でかごドア42の開放が妨げられてしまうことになる。
【0052】
そこで、この実施形態の場合には、ドア開ボタンの操作の信号により制御回路装置(図示せず)を介してバイメタル15に対する通電が一時的に遮断されるようになっている。
【0053】
したがって、ドア開ボタンを操作してかごドア42を開こうとしたときには、バイメタル15の自己発熱が停止して温度が下がり、変形部16が僅かに復帰方向に移動してホールドア5から離れ、一時的に隙間Gの閉鎖が解除される。このため、変形部16により妨げられることなく、かごドア42およびホールドア5が開き、乗客がかご40から安全に脱出することができる。
【0054】
なお、乗客が脱出した後には、かごドア42およびホールドア5が自動的に閉じ、また前記制御回路装置による制御でバイメタル15が再び通電され、自己発熱により変形部16が変形してホールドア5に接触し、隙間Gが閉鎖される。
【0055】
ところで、前記バイメタル15の変形部16に低摩擦部材を取り付け、隙間Gの閉鎖時にその変形部16を前記低摩擦部材を介してホールドア5に接触させるようにしてもよい。
【0056】
この場合には、バイメタル15の変形部16とホールドア5の前面との間の摩擦が軽減されるため、ドア開ボタンを操作したときに、変形部16を復帰方向に移動させることなく、つまり変形部16がホールドア5に接触する状態のまま、かごドア42と一体的にホールドア5を開方向に移動させることができる。したがって、この場合には、ドア開ボタンの信号でバイメタル15を制御する手段が不要となる。
【0057】
図10には第8の実施形態を示してあり、この実施形態においては、かご40の出入口41の両側に設けられたかごドア近接部材としての出入口柱47と、かごドア42との間の隙間Gにそれぞれ閉鎖装置としてバイメタル15が設けられている。
【0058】
これらバイメタル15は、出入口柱47の上下の全長区間に渡る長さを有し、その一側部がかごドア42の端面に固定され、反対側の熱応動変形部16が他方の出入口柱47の前面に対向するように配置され、平常時にはバイメタル15の変形部16が破線で示すように出入口柱47と離間する状態に保たれている。
【0059】
そして火災発生時には、火災感知器による火災の検知に応じてバイメタル15が通電され、その電気抵抗による自己発熱でバイメタル15の変形部16が出入口柱47に向かって変形してその前面に接触し、この接触でかごドア42と出入口柱47との間の隙間Gが閉鎖される。
【0060】
この場合には、火災の発生で昇降路内に煙が流入したり、昇降路内で火災が発生した場合であっても、走行中のかご40内に昇降路内の煙がかごドア42と出入口柱47との間の隙間Gから流入するようなことがない。そして走行中のかご40は最寄階で停止し、その停止に応じてかごドア42が開き、かご40内の乗客が安全に避難することができる。
【0061】
なお、同様のバイメタルは、かご40の出入口41の上方部に配置されているかごドア近接部材としての幕板(図示せず)とかごドア42との間の隙間、かごドア42とそのかごドア42を移動自在に懸架したかごドア近接部材としてのドア懸架部材(図示せず)との間の隙間、あるいはかごドア42とそのかごドア42の下端部を移動自在に支持したかごドア近接部材としての敷居43との間の隙間に設けて火災発生時にその隙間を閉鎖し、かご40内への煙の流入を防止するように構成することも可能である。
【0062】
以上述べた各バイメタルにおいては、火災感知器の信号による通電で変形動作させるようにしたが、これに限らず、火災発生時の熱で変形動作させるような場合であってもよい。
【0063】
また、以上の説明では、バイメタルを用いる閉鎖装置を例に挙げたが、図11に第9の実施形態として示すように電磁機構を用いる閉鎖装置を採用することも可能である。
【0064】
図11に示す閉鎖装置は、三方枠2の立枠3とホールドア5との間の隙間Gを閉鎖する閉鎖装置の例であり、この閉鎖装置は電磁石50と、この電磁石50に取り付けられた遮蔽板51とからなる遮蔽ユニット52を備え、この遮蔽ユニット52はホールドア5の端部に設けられ、遮蔽板51はホールドア5の上下の全長区間に渡る長さを有している。
【0065】
そしてこの遮蔽ユニット52は、立枠3に対して接離する方向に移動自在にホールドア5に支持されているとともに、スプリング53により立枠3から離間する方向に弾性的に付勢されて所定の位置に保持されている。
【0066】
遮蔽ユニット52の電磁石50は、火災感知器が火災を検知したときの信号に応じて通電され、その通電により磁力を発生するようになっている。
【0067】
平常時においては、遮蔽ユニット52がホールドア5と接触せずに離間する状態に保たれており、したがってホールドア5の開閉動作が円滑に行なわれる。
【0068】
火災が発生したときには、火災感知器からの信号に基づいて遮蔽ユニット52の電磁石50が通電され、磁力が発生する。三方枠2は鋼板等の磁性体で形成されているから、電磁石50に磁力が発生するのに伴い、その磁力による吸引力で遮蔽ユニット52がスプリング53に抗して移動し、三方枠2の立枠3に接触する。これによりホールドア5と立枠3との間の隙間Gが遮蔽ユニット52の遮蔽板51により閉鎖される。
【0069】
したがって、エレベータホール側から昇降路内への煙の流入が抑えられ、昇降路が煙突化することがなく、このため火災の拡大を防ぐことができ、また他の階のフロア−への煙の拡散を防止することができる。
【0070】
火災が鎮火して平常状態となったときには、電磁石50への通電が切れ、これに応じて遮蔽ユニット52がスプリング53による付勢力で元位置に復帰し、隙間Gが開放される。
【0071】
このような電磁機構式の閉鎖装置は、三方枠の立枠とホールドアとの間の隙間に設ける場合のほか、三方枠の横枠とホールドとの間の隙間、乗降口の敷居とホールドアとの間の隙間、ホールドアとそのホールドアを移動自在に懸架したドア懸部材との間の隙間、かごドアとかご出入口の出入口柱との間の隙間、かごドアとかご出入口の敷居との間の隙間、かごドアとかご出入口の幕板との間の隙間、かごドアとそのかごドアを移動自在に懸架したドア懸架部材の間の隙間等においても同様に設けることが可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、面倒な調整や交換を要することなく、平常時にはドアを円滑かつ適正に開閉動作させることができるとともに、火災発生時にはそれに応じて昇降路内やかご内への煙の流入を的確に抑えことができ、したがって火災による被害を最小限にとどめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、(A)はエレベータの乗降口を上方から見た断面図、(B)は乗降口をエレベータホール側から見た正面図、(C)は乗降口を側方から見た断面図。
【図2】閉鎖装置としてのバイメタルの外観を示す斜視図。
【図3】この発明の第2の実施形態を示し、ホールドアと三方枠との間に設けたバイメタルに弾性体を取り付けた例を示す断面図。
【図4】この発明の第3の実施形態を示し、ホールドアと三方枠との間に一対のバイメタルを設けた例を示す断面図。
【図5】この発明の第4の実施形態を示し、ホールドアと敷居との間の隙間を閉鎖するバイメタルの配置構造を示す断面図。
【図6】この発明の第4の実施形態を示し、ホールドアと敷居との間の隙間を閉鎖するバイメタルの配置構造を示す正面図。
【図7】この発明の第5の実施形態を示し、片引き式のホールドアに閉鎖装置としてのバイメタルを設けた例を示す平面図。
【図8】この発明の第6の実施形態を示し、ホールドアを移動自在に懸架したドア懸架部に閉鎖装置としてのバイメタルを設けた例を示す断面図。
【図9】この発明の第7の実施形態を示し、エレベータの乗降口と、その乗降口のフロアに着床したかごとを示す断面図。
【図10】この発明の第8の実施形態を示し、かごの出入口柱とかごドアとの間の隙間を閉鎖するバイメタルの配置構造を示す断面図。
【図11】この発明の第9の実施形態を示し、電磁機構式の閉鎖装置の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…乗降口、2…三方枠、3…立枠、4…横枠、5,5a,5b…ホールドア、8…敷居、9…ガイド溝、10…ガイドシュー、15,15a,15b,15c…バイメタル、31…ヘッダーケース、32…レール、33…目隠し板、35…ドアハンガー、40…かご、41…出入口、42…かごドア、43…敷居、44…操作盤、47…出入口柱、50…電磁石、51…遮蔽板、52…遮蔽ユニット、53…スプリング。

Claims (9)

  1. エレベータホールに設けられたホールドアと、
    このホールドアの周囲にあって、該ホールドアと隙間をあけて配置されたホールドア近接部材と、
    前記ホールドアもしくは前記ホールドア近接部材のいずれか一方に設けられ、火災発生時に動作して前記隙間を閉鎖する閉鎖装置と、
    を具備することを特徴とするエレベータの防災装置。
  2. 前記ホールドア近接部材が、エレベータ乗降口に設けられた三方枠、エレベータ乗降口に設けられた敷居、ホールドアを移動自在に懸架したドア懸架部材のうちの少なくとも一であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの防災装置。
  3. 前記エレベータ乗降口のフロアにエレベータのかごが着床し、火災の発生で前記閉鎖装置が動作して前記隙間が閉鎖された状態のもとで、前記かご内の乗客によりかごドア開放用の操作ボタンが操作されたときに、その信号に基づいて前記閉鎖装置による前記隙間の閉鎖を一時的に解除する解除手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの防災装置。
  4. エレベータのかごと、
    このかごに設けられたかごドアと、
    このかごドアの周囲にあって、該かごドアと隙間をあけて配置されたかごドア近接部材と、
    前記かごドアもしくは前記かごドア近接部材のいずれか一方に設けられ、火災発生時に動作して前記隙間を閉鎖する閉鎖装置と、
    を具備することを特徴とするエレベータの防災装置。
  5. 前記かごドア近接部材が、かごの出入口に設けられた出入口柱、かごの出入口に設けられた敷居、かごドアを移動自在に懸架したドア懸架部材のうちの少なくとも一であることを特徴とする請求項4に記載のエレベータの防災装置。
  6. 前記閉鎖装置は、前記隙間を閉鎖するときの密閉性を高めるための弾性体を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のエレベータの防災装置。
  7. 前記閉鎖装置は、熱により動作するバイメタル、あるいは電磁力で動作する電磁機構からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のエレベータの防災装置。
  8. 前記閉鎖装置は、エレベータが設置された建物に設けられた火災感知器の信号に基づいて動作して前記隙間を閉鎖し、火災の鎮火後に自動的に原状に復帰することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のエレベータの防災装置。
  9. 前記閉鎖装置は、前記隙間を閉鎖するときにその隙間の面との摩擦を低減する摩擦低減部材を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のエレベータの防災装置。
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